JP5033452B2 - 空気調和装置 - Google Patents
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Description
また、従来、水を電気分解して次亜塩素酸などの活性酸素種を含む電解水を生成し、この電解水に空気を接触させることにより、空気中に含まれる有害物質を分解・除去等して、空気の浄化(除菌)を行う方法が知られており、除菌後の空気を空気調和装置に供給し、有害物質の分解・除去が行われた空気に対して冷暖房、除湿等を行い、室内に快適な空気を供給するようにすることも行われている(例えば、特許文献2参照)。
この種の空気調和装置では、除菌後の電解水を室内熱交換器の下方に配置されたドレンパンに導いて貯留し、室内熱交換器で生成された凝縮水(ドレン水)とともにドレンポンプで汲み上げて排出している。
図1に本実施形態における空気調和装置100の概略構成を示す。この空気調和装置100は、図1に示すように、被調和室の外に設置される室外ユニット1と、被調和室内に設置される室内ユニット2とを備えた分離型のヒートポンプ式空気調和装置であり、被調和室を冷房及び暖房する。
室外ユニット1の室外冷媒配管10と室内ユニット2の室内冷媒配管34とは連結配管35を介して連結されており、これら室外ユニット1および室内ユニット2は、室内ユニット2に内蔵される制御装置8の制御の下に運転される。
すなわち、冷房運転時には、圧縮機11から吐出された高圧の冷媒がアキュムレータ12を経て室外熱交換器14に達し、室外熱交換器14において凝縮されて電動膨張弁15に送られる。この高圧の冷媒は電動膨張弁15を通過して膨張し、室内熱交換器21において気化された後に圧縮機11の吸込側に戻る。一方、暖房運転時には、圧縮機11から吐出された高圧の冷媒が室外冷媒配管10を経て室内熱交換器21に送られ、室内熱交換器21において凝縮し、電動膨張弁15に送られる。この冷媒は電動膨張弁15において膨張して室外熱交換器14に送られ、室外熱交換器14で気化して、四方弁13を介してアキュムレータ12に送られ、圧縮機11の吸込側に戻る。
室内ユニット2は、室内熱交換器21や送風ファン22等を内包する筐体20を備え、この筐体20の被調和室内側には化粧パネル30が取り付けられる。
筐体20の四隅には、吊り金具103が取り付けられている。室内ユニット2は、図2に示すように、室外ユニット1が設置される建屋の天井板101に略四角形に形成された天井孔102に、被調和室側から天井板101の裏側に埋め込まれ、天井裏から垂下する吊りボルト104に吊り金具103が止着されることにより、天井空間に吊り下げられるようになっている。
3枚の側板20aには、それぞれノックアウトホール部20cが形成されている。このノックアウトホール部20cは、側板20aの一部を構成する一枚の板により塞がれた略長方形の孔であり、必要に応じて押し込むことにより上記孔を塞ぐ板が脱落して開口部20dが形成される。この開口部20dには、空気除菌部4を外側から差し込むことにより、上記した除菌装置150が取り付けられる。本実施形態では、3枚の側板20aのうち、ドレンポンプ27が配設される一隅部に近接する1枚の側板20aにノックアウトホール部20cを開口させ、この開口部20dに除菌装置150が取り付けられている。このように、3枚の側板20aには、すべてノックアウトホール部20cが形成されているため、側板20aの任意の位置に除菌装置150を取り付けることが可能となり、室内ユニット2が設置される周囲の環境に応じて、除菌装置150の取り付け位置を選択することができる。
また、側板20eの一端側には、室内ユニット2内の室内熱交換器21に繋がる室内冷媒配管34等を導くための切り欠き部20fが形成され、他端側には、後述するドレンポンプ27によって汲み上げられたドレン水を外部に排出するためのドレンホース接続口28が設けられている。
また、吸込口31の内側、すなわち天井板101裏側には、この吸込口31を通じて筐体20内に流入する空気中に含まれる塵埃を除去するフィルタ33が装着されている。本構成では、室内ユニット2は、この吸込口31から被調和室内の空気を筐体20の内部へ吸い込み、筐体20内で空気の熱交換を行った後、四つの吹出口32から被調和室内に向けて空気を四方向に吹き出すようになっている。
筐体20の側板20aの内面には、図2に示すように、発泡スチロール製の断熱体23が設けられている。また、筐体20の天板20bの内側には、モータ22aが固定され、このモータ22aのシャフトには羽根車22bが取り付けられており、これらが送風ファン(送風機)22を構成している。この送風ファン22を取り囲むように曲げられた室内熱交換器21が上記発泡スチロール製の断熱体23の内側に配置されている(図3参照)。この室内熱交換器21には、送風ファン22により吸込口31から吸い込まれた空気が供給され、室内熱交換器21により熱交換された空気が各吹出口32から吹き出されるように構成されている。
除菌装置150は、図4及び図5に示すように、筐体20の開口部20d(図3)を閉鎖するベース板(板状部材)3を備え、このベース板3の筐体20の内側に臨む面3Aに空気除菌部4が配置され、このベース板3の筐体20の外側に臨む面3Bに電解水生成部5と、この電解水生成部5を制御する制御部6とが配置されている。本構成では、筐体20の外側から、開口部20dに空気除菌部4を差し込み、ベース板3と側板20aとを固定することで、開口部20dが閉鎖される。
空気除菌部4を開口部20dに差し込んで固定した状態では、図2に示すように、空気除菌部4が室内熱交換器21に隣り合うように位置する。この空気除菌部4は、室内熱交換器21の外側に位置するので、送風ファン22によって送風され、室内熱交換器21を通過した空気が空気除菌部4のエレメント41に吹き付けられる。この空気は、エレメント41を通ることにより除菌され、空気除菌部4とベース板3との間を下方に流れて、化粧パネル30に形成された吹出口32から、被調和室に吹き出される。また、ベース板3には、断熱体45が配設されており、エレメント41を通った空気は、断熱体45と空気除菌部4との間を下方に流れるので、除菌装置150における空気の温度変化は最小限に抑えられる。
本実施形態では、エレメント41に親水処理を施すことなどにより、電解水に対する親和性を高めている。これにより、エレメント41における保水性・湿潤性が保たれ、エレメント41に導入された空気が確実に電解水に接触する。
また、分散皿42の底面には、電解水をエレメント41に滴下し、エレメント41に分散・浸潤させるための孔(図示略)が、多数形成されている。この分散皿42からエレメント41に電解水を滴下することで、エレメント41全体に均一に電解水が供給される。電解水注入チューブ52は、電解ユニット51において生成された電解水を分散皿42に導く管である。
また、他方の端部43Bは、分散皿42に形成された接続口42Bの下方に位置しており、この他方の端部43B上には、上記接続口42Bに接続された電解水注入チューブ52が延在している。これによれば、接続口42Bにおいて、電解水注入チューブ52から電解水が漏れた場合であっても、この漏れた電解水は電解水トレー43の他方の端部43Bで受けられるため水漏れが防止される。なお、電解水注入チューブ52は、他方の端部43Bのベース板3に対向する面43B1、及び、ベース板3を貫通し、このベース板3の表面(すなわち、筐体20の外側に臨む面)3B側に延出している。
電装基板61は、図示しないCPUと、CPUにより実行される制御プログラム、及び、この制御プログラムに係る制御用データ等を格納したROMと、CPUにより処理されるプログラムや各種データを一時的に記憶するRAMとを備える。CPUは、ROM内の制御プログラムに従って、後述する電解ユニット51内の電極53a、53bに対する通電制御、水道水制御弁55の開閉制御等の各種制御を行う。例えば、CPUは、電解ユニット51において所定の濃度の電解水を生成させるため、この濃度に対応する電流密度で電極53a、53bに電流を流す。また、例えば、CPUは、電解ユニット51に対して水を供給するため、水道水制御弁55を開閉する。
減圧弁54は、電解ユニット51に供給される水(例えば、水道水)の圧力変動を抑制し、供給される水量を略一定に保つものであり、この減圧弁54の上流側には、外部の給水源に接続される給水口54Aが形成されている。ここで、給水口54Aに接続されて、電解ユニット51に水を供給する給水源は、市水(水道水)或いは給水槽等に貯留された水等のいずれであってもよい。この給水槽等に貯留される水とは、水道水等のように塩化物イオン等のイオン種が予め含有されている水であってもよいし、井戸水等のイオン種濃度の希薄な水であってもよい。本実施形態では、これらを総称して水という。
水道水制御弁55は、制御部6の制御により開閉される電磁弁である。また、電解ユニット51に接続された電解水注入チューブ52は、上記電装ボックス62の下方を通過した後に、ベース板3を貫通し、このベース板3の裏面(すなわち、筐体20の内側に望む面)3Aに延出する。これによれば、空気除菌部4側に延在する電解水注入チューブ52の長さを最小限に抑えることができるため、エレメント41の通風抵抗の低減を図ることができる。また、本実施形態では、電解ユニット51はベース板3の一面に配置され、ベース板3の反対側の面に配置されたエレメント41に近接しているので、電解水注入チューブ52を介して活性酸素種を含む電解水をただちにエレメント41に供給することができる。
ここで、活性酸素種とは、通常の酸素よりも高い酸化活性を持つ酸素分子と、その関連物質のことであり、スーパーオキシドアニオン、一重項酸素、ヒドロキシルラジカル、或いは過酸化水素といった、いわゆる狭義の活性酸素に、オゾン、次亜ハロゲン酸等といった、いわゆる広義の活性酸素を含めたものとする。
上記電極53a、53b間に電圧を印加すると、カソード電極では、水中の水素イオン(H+)と水酸化物イオン(OH-)とが下記式(1)に示すように反応する。
4H++4e-+(4OH-)→2H2+(4OH-) ・・・(1)
一方、アノード電極(陽極)では、下記式(2)に示すように水が電気分解される。
2H2O→4H++O2+4e- ・・・(2)
とともに、アノード電極においては、水に含まれる塩素イオン(塩化物イオン:Cl-)が下記式(3)に示すように反応し、塩素(Cl2)が発生する。
2Cl-→Cl2+2e- ・・・(3)
さらに、この塩素は下記式(4)に示すように水と反応し、次亜塩素酸(HClO)と塩化水素(HCl)が発生する。
Cl2+H2O→HClO+HCl ・・・(4)
また、空気中の臭気等の原因物質であるガス状物質も、エレメント41を通過する際に、電解水に溶解したり、電解水に含まれる次亜塩素酸等の活性酸素種と反応したりして、空気中から除去されるので、エレメント41によって脱臭が可能である。
除菌装置150は、上述のように、筐体20の側板20aと室内熱交換器21との間に配置された空気除菌部4を備え、この空気除菌部4は、保水性の高いエレメント41と、このエレメント41の上部に取り付けられる分散皿42と、エレメント41の下部に取り付けられる電解水トレー43とを備えている。
本実施形態では、電解水トレー43の排水口46は、図7に示すように、除菌装置150が取り付けられた側板20aにおけるドレンポンプ27からの距離が遠い端部200側に設けられている。
この図8においても、電解水トレー43の排水口46は、除菌装置150が取り付けられた側板20aにおけるドレンポンプ27からの距離が遠い端部300側に設けられている。これによれば、電解水トレー43の排水口46から排出された電解水は、上記側板20aの端部200に近設したドレンパン24の隅部Bに落ち、この隅部Bに落とされた電解水は、図中矢印Yで示すように、ドレンパン24の略全域に広がった後に、ドレンポンプ27が配置されているドレン溜り24Aに流れ込み、ドレンポンプ27によって外部に排出される。従って、ドレンパン24の略全域に電解水が行き渡るため、この電解水によってスライムの発生要因が除去されることにより、スライムの発生を恒久的に抑えることができる。
さらに、除菌装置150を筐体20の側板20aの任意の位置に取り付け可能としているため、室内ユニット2の設置された周囲の状況に応じて、除菌装置150の取り付け位置を選択することができる。
例えば、空気除菌部4のエレメント41を交換する場合、ベース板3を筐体20の開口部20dから取り外すだけで、除菌装置150全体を室内ユニット2から取り外すことができるため、この取り外した除菌装置150を床上に降ろし、床上で上記エレメント41の交換を実施することができる。これによれば、天井裏空間での高所作業が低減し、除菌装置150のメンテナンス作業を容易に、かつ、安全に実施することができる。
また、電解水生成部5が筐体20の外側の面3Bに配置されているため、この電解水生成部5の存在により風の流路が狭くなることがないため、通風抵抗の増加等の不都合を招くことがなく、筐体20内のスペースを有効に利用できる。また、電解水生成部5の電解ユニット51のメンテナンスを容易に実施することもできる。
2H2O→4H++O2+4e- ・・・(5)
3H2O→O3+6H++6e- ・・・(6)
2H2O→O3+4H++4e- ・・・(7)
一方、カソード電極では、下記式(8)及び(9)に示す反応が起こり、電極反応により生成したO2 -と溶液中のH+とが結合して、過酸化水素(H2O2)が生成される。
4H++4e-+(4OH-)→2H2+(4OH-) ・・・(8)
O2 -+e-+2H+→H2O2 ・・・(9)
ここで、薬剤としては食塩または食塩水を用いることができる。例えば、電解ユニット51中の食塩水の濃度を2〜3%(重量パーセント)程度に調整すれば、電解ユニット51において食塩水を電気分解することにより次亜塩素酸もしくは過酸化水素を含んだ電解水(0.5〜1%)を生成できる。この構成によれば、電解ユニット51に導入される水中のイオン種が希薄な場合でも、食塩または食塩水を添加することにより、イオン種を増加させて、水の電気分解時に、高効率に安定して活性酸素種を生成できる。
2 室内ユニット
3 ベース板(板状部材)
4 空気除菌部
5 電解水生成部
6 制御部
20 筐体
20a 側板
20c ノックアウトホール部
20d 開口部
20e 側板
21 室内熱交換器
22 送風ファン(送風機)
24 ドレンパン
24A ドレン溜り(一隅部)
27 ドレンポンプ
41 エレメント(気液接触部材)
42 分散皿
42B 接続口
43 電解水トレー(水受皿)
43A 端部
43B 端部
46 排水口
51 電解ユニット
51A 電解ユニット本体
52 電解水注入チューブ
53a 電極
54 減圧弁
55 水道水制御弁
56 支持板
57 カバー体
58 ボックス
61 電装基板
62 電装ボックス
100 空気調和装置
150 除菌装置
200、300 端部
Claims (5)
- 略箱型の筐体内に、送風機によって吸込まれた空気を熱交換する室内熱交換器と、この室内熱交換器から流下したドレン水を受けるドレンパンとを備え、このドレンパンの一隅部に前記ドレン水を汲み上げて外部に排出するドレンポンプが配置された空気調和装置において、
水を電気分解して電解水を生成する電解ユニットと、この電解ユニットから供給された電解水と前記空気とを接触させる気液接触部材と、を有する除菌装置を備え、この除菌装置を前記筐体の側板の任意の位置に取り付け可能に構成し、
この除菌装置は、前記ドレンパン上に延在するとともに、前記気液接触部材の下方に配置されて当該気液接触部材から流下した電解水を受ける水受皿を備え、
この水受皿は、前記除菌装置が取り付けられた側板における前記ドレンポンプから遠い側に位置する一端部の底面に、前記気液接触部材から流下した電解水を前記ドレンパンに排出するための排水口を備えることを特徴とする空気調和装置。 - 略箱型の筐体内に、送風機によって吸込まれた空気を熱交換する室内熱交換器と、この室内熱交換器から流下したドレン水を受けるドレンパンとを備え、このドレンパンの一隅部に前記ドレン水を汲み上げて外部に排出するドレンポンプが配置された空気調和装置において、
水を電気分解して電解水を生成する電解ユニットと、この電解ユニットから供給された電解水と前記空気とを接触させる気液接触部材と、を有する除菌装置を備え、この除菌装置を前記筐体の側板の任意の位置に取り付け可能に構成し、
この除菌装置は、前記ドレンパン上に延在するとともに、前記気液接触部材の下方に配置されて当該気液接触部材から流下した電解水を受ける水受皿を備え、
前記除菌装置を前記ドレンポンプが配置された前記一隅部に近接する側板に取り付けた場合、前記水受皿は、前記除菌装置が取り付けられた側板における前記ドレンポンプから遠い側に位置する一端部の底面に、前記気液接触部材から流下した電解水を前記ドレンパンに排出するための排水口を備えることを特徴とする空気調和装置。 - 前記除菌装置は、前記気液接触部材の下方に配置された水受皿を備え、この水受皿の長手方向の一端部に前記排水口が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の空気調和装置。
- 前記除菌装置は、前記側板に形成された開口部を塞ぐ板状部材を備え、この板状部材の前記筐体の外側に臨む一方の面に前記電解ユニットを配置し、前記板状部材の前記筐体の内側に臨む他方の面に前記気液接触部材を配置したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の空気調和装置。
- 前記除菌装置は、前記気液接触部材を前記開口部から前記筐体の内部に入り込ませて、当該筐体の外側から取り付けたことを特徴とする請求項4に記載の空気調和装置。
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