JP5030818B2 - 排ガス浄化用触媒および排ガス浄化方法 - Google Patents

排ガス浄化用触媒および排ガス浄化方法 Download PDF

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本発明は、メタン、硫黄酸化物および過剰の酸素を含む燃焼排ガス中のメタンの酸化除去用触媒および酸化除去方法に関する。
本明細書において、「過剰の酸素を含む」とは、本発明の触媒に接触させる被処理ガス(燃焼排ガス)が、そこに含まれる炭化水素、一酸化炭素などの還元性成分を完全に酸化するのに必要な量以上に、酸素、窒素酸化物などの酸化性成分を含んでいることを意味する。
排ガス中の炭化水素の酸化除去触媒として、白金、パラジウムなどの白金族金属を担持した触媒が高い性能を示すことが知られている。例えば、アルミナ担体に白金とパラジウムとを担持した排ガス浄化用触媒が開示されている(特許文献1参照)。しかしながら、このような触媒を用いても、メタン発酵ガスや天然ガスの燃焼排ガスのように、排ガス中の炭化水素の主成分がメタンである場合には、メタンが高い化学的安定性を有するために、十分なメタン除去が達成されないという問題がある。
さらに、燃焼排ガスには、燃料中に含まれている硫黄化合物に由来する硫黄酸化物(SOx)などの反応阻害物質が必然的に含まれているので、触媒表面に反応阻害物質が析出することにより、触媒活性が経時的に著しく低下することは避けがたい。
例えば、ランパートら(Lampert et al.)は、パラジウム触媒を用いてメタン酸化を行った場合に、わずかに0.1ppmの二酸化硫黄が存在するだけで、数時間内にその触媒活性がほとんど失われることを示して、硫黄酸化物の存在が触媒活性に著しい悪影響を与えることを明らかにしている(非特許文献1参照)。
さらに、過剰量の酸素が存在する排ガスに含まれる低濃度炭化水素の酸化用触媒として、ハニカム基材上にアルミナ担体を介して7g/l以上のパラジウムおよび3〜20g/lの白金を担持した触媒も開示されている(特許文献2参照)。しかしながら、この触媒を用いても、長期にわたる耐久性は十分ではなく、硫黄酸化物が共存する条件下では、触媒活性の経時的な劣化が避けられない。
このように、従来技術の大きな問題点は、メタンに対して高い除去率が得られないこと、さらに硫黄酸化物が共存する条件下では除去率が大きく低下することである。
このような実状に鑑みて、酸化ジルコニウム担体にパラジウムまたはパラジウムと白金とを担持させた触媒が、硫黄酸化物共存下でも高いメタン酸化活性を維持し続けることが開示されている(特許文献3参照)。しかしながら、この触媒は、特に約400℃以下の低温域でのメタン酸化活性が低いため、低温で十分な性能を確保するには多量の触媒を必要とする。
また、酸化チタン担体に白金とパラジウムとを担持させてなる排ガス中の未燃炭化水素酸化触媒も提案されている(特許文献4参照)が、この触媒も、特に約400℃以下の低温域ではメタン酸化活性が十分ではない。
メタンの酸化には、パラジウムが有効であるというのが定説であった(非特許文献2、非特許文献3参照)のに対し、パラジウムを含まず、白金のみを酸化スズからなる担体に担持した触媒が、燃焼排ガス中のメタンの酸化除去に活性を示すことが示されている文献もある(特許文献5参照)。しかしながら、この触媒でも400℃以下でのメタン除去性能は十分とは言えない上に、高価な白金を多量に必要とする点も実用上の課題となる。
メタンを含有し酸素を過剰に含む燃焼排ガス中の炭化水素の浄化用触媒であって、酸化ジルコニウムに、白金、パラジウム、ロジウムおよびルテニウムからなる群より選択される少なくとも1種ならびにイリジウムを担持してなり、比表面積が2〜60m2/gである触媒が、硫黄酸化物共存下で、400℃程度という低い温度であっても高いメタン酸化活性を維持し続けることも開示されている(特許文献6参照)。しかしながら、この触媒は、非常に希少な貴金属であるイリジウムを比較的多量に必要とする点が実用上の課題となる。
また、酸化スズに白金を担持した触媒に助触媒としてイリジウムを担持させてなる、硫黄酸化物を含む燃焼排ガス中のメタンを低温域で酸化除去する触媒も提案されている(特許文献7参照)が、この触媒も400℃以下でのメタン除去性能は十分とは言えない。
また、ガス燃料の燃焼排ガス中に含まれるNOx成分を分解除去させるために、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化チタンの1種または複数種からなる多孔状の担体に、イリジウム、白金、ロジウムの1種または複数種を担持させたNOx除去用触媒が提案されている(特許文献8参照)。しかしながら、この文献は、NOx除去性能を示すのみで、炭化水素の除去率については、一切教示しておらず、炭化水素の中で最も難分解性のメタンを酸化分解できるかどうかについては、何ら示唆もしていない。
また、クエン酸を使用する特定の方法により、活性アルミナなどの無機質担体に白金およびロジウムの少なくとも1種とイリジウムおよびルテニウムの少なくとも1種とを併せて担持させた排気ガス浄化用触媒を製造する方法が開示されている(特許文献9参照)。この文献によれば、イリジウムおよび/またはルテニウムが、白金および/またはロジウムと融点の高い固溶体を形成するので、得られた触媒の耐熱性が向上するとされている。しかしながら、この文献は、得られた触媒のNOx転化率が改善されたことを示すのみで、排気ガスに含まれる炭化水素の中でも特に難分解性のメタンの酸化分解については、一切教示していない。
アルミナ、シリカ、酸化ジルコニウム、酸化チタンなどの多様な担体にイリジウムを担持してなる、リーンバーンエンジン排気ガスの脱硝触媒が提案されている(特許文献10参照)。しかしながら、この文献も、排気ガス中に存在する種々の炭化水素類中でもメタンが特に難分解性であることについての認識を示していない。従って、メタンをどのようにすれば、効率良く酸化分解できるかなどについては、一切明らかにしていない。
特開昭51-106691号公報 特開平8-332392号公報 特開平11-319559号公報 特開2000-254500号公報 特開2004-351236号公報 国際公開公報WO2002/040152 特開2006-272079号公報 特開平3-293035号公報 特開平3-98644号公報 特開平7-80315号公報 アプライド キャタリシス B:エンバイロンメンタル(Applied Catalysis B: Environmental),第14巻,1997年,p.211-223 インダストリアル アンド エンジニアリング ケミストリー(Industrial and Engineering Chemistry),第53巻、1961年,p.809-812 インダストリアル アンド エンジニアリング ケミストリー プロダクト リサーチ アンド ディベロップメント(Industrial and Engineering Chemistry Product Research and Development),第19巻,1980年,p.293-298
本発明の課題は、メタン、硫黄酸化物および過剰の酸素を含む燃焼排ガス中のメタンの酸化除去において、低い温度でも高いメタン分解能を発揮する触媒、ならびに、この触媒を用いた排ガス中のメタンの酸化除去方法を提供することにある。
本発明は、下記に示すとおりの排ガス浄化用触媒および排ガス浄化方法を提供するものである。
項1. メタン、硫黄酸化物および過剰の酸素を含む燃焼排ガス中のメタンを酸化除去するための触媒であって、酸化チタン担体に白金およびイリジウムを担持してなる触媒。
項2. 白金の担持量が、酸化チタンに対する質量比で1.5〜5%である項1に記載の触媒。
項3. 白金とイリジウムの担持量が、質量比でPt/Ir=0.5〜4の範囲にある項1または2に記載の触媒。
項4. BET比表面積が25〜50m2/gである項1〜3のいずれかに記載の触媒。
項5. メタン、硫黄酸化物および過剰の酸素を含む燃焼排ガス中のメタンを酸化除去する方法であって、該排ガスを300〜450℃の温度で、項1〜4のいずれかに記載の触媒に接触させる方法。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の触媒は、燃焼排ガス中のメタンの酸化除去用触媒であって、担体としての酸化チタンに、触媒活性成分としての白金およびイリジウムを担持してなることを特徴とする。
担体である酸化チタンの表面積が小さすぎる場合には、触媒活性成分を高分散に保つことができなくなる。一方、表面積が大きすぎる場合には、酸化チタンの熱安定性が十分でなく、触媒の使用中に酸化チタン自体の焼結が進行するおそれがある。
酸化チタンの比表面積(本明細書においては、BET法による比表面積を言う)は、通常2〜90m2/g程度であり、好ましくは25〜50m2/g程度である。酸化チタンの結晶形はアナターゼ型が好ましいが、質量基準で25%以下のルチル型酸化チタンを含んでいても良い。なお、結晶相含有比率の測定には、X線回折測定などの公知の方法が適用できる。このような酸化チタンは、市販の触媒担体用酸化チタンをそのままでもよいし、あるいは空気などの酸化雰囲気下において550℃〜700℃で焼成するなどの方法により調製することができる。
触媒担体には、コージェライト等の支持体への付着性や焼結性の改善のため、アルミナ、シリカなどの酸化チタン以外の微量の成分を含んでいても良いが、これらの成分は質量基準で2%を超えないことが望ましい。
酸化チタンに対する触媒活性成分の担持量は、少なすぎる場合には触媒活性が低くなるのに対し、多すぎる場合には粒径が大きくなって、担持された触媒活性成分が有効に利用されなくなる。
本触媒における白金の担持量は、酸化チタンに対する質量比で1.5〜5%であることが好ましい。白金の担持量が1.5%未満だと十分な活性が得られないおそれがある。白金の担持量が多いほど活性は高くなるが、5%を超えると、コストに見合う活性が得られないだけでなく、耐久性が低下するおそれもある。イリジウムの担持量は、酸化チタンに対する質量比で通常0.4〜6%程度であり、好ましくは1〜4%程度である。白金とイリジウムの担持量の比率は、Pt/Irの質量比で通常0.3〜9程度であり、0.5〜4程度の範囲内とすることが好ましい。イリジウムの添加により、白金の分散が高く維持できるため、耐久性が向上するが、その効果を十分発現させるには、質量基準で白金に対して少なくとも0.25倍程度のイリジウムが必要である。
本発明の触媒は、例えば、白金イオンおよびイリジウムイオンを含む溶液を酸化チタンに含浸させ、乾燥して焼成することにより得られる。
含浸操作は、クロロ錯体、アンミン錯体、硝酸塩などの水溶性化合物を純水に溶解することにより調製した水溶液を用いて行っても良く、あるいはアセチルアセトナト錯体などの有機金属化合物をアセトンなどの有機溶媒に溶解した有機溶媒溶液を用いて行っても良い。
水溶性化合物としては、塩化イリジウム酸(ヘキサクロロイリジウム酸)、ヘキサアンミンイリジウム硝酸塩、塩化白金酸、テトラアンミン白金硝酸塩、ジニトロジアンミン白金などが例示される。なお、溶解度が低く、純水に溶解して所望の濃度が得られない場合は、溶解性を高めるために、希硝酸やアンモニア水を添加しても良い。
また、有機金属化合物としては、トリス(アセチルアセトナト)イリジウム、ビス(アセチルアセトナト)白金などが例示される。
含浸操作において、金属化合物の種類によっては、混合により沈殿を生じることがある。このような場合には、酸化チタン担体に対し、順次異なる金属を担持させても良い。例えば、担体に第1の活性成分を担持し、必要ならば、乾燥した後あるいは乾燥および仮焼した後に、第2の活性成分の担持操作を行うことができる。
含浸時間は、所定の担持量が確保される限り、特に制限されないが、通常1〜50時間程度、好ましくは3〜20時間程度である。
次いで、所定の金属成分を担持させた酸化チタンを、必要に応じて蒸発乾固または乾燥させた後に、焼成する。
焼成は、空気の流通下に行えばよい。あるいは、空気または酸素と窒素などの不活性ガスとを適宜混合したガスなどの酸化性ガスの流通下において行っても良い。
焼成温度は、高すぎる場合には、担持された金属の粒成長が進んで高い活性が得られない。逆に、低すぎる場合には、焼成が十分に行われないので、触媒の使用中に担持された金属粒子が粗大化して、安定した活性が得られないおそれがある。従って、安定して高い触媒活性を得るためには、焼成温度は、450〜600℃程度とするのが好ましく、500〜550℃程度とするのがより好ましい。
焼成時間は、特に制限されないが、通常1〜50時間程度であり、好ましくは3〜20時間程度である。
本発明の触媒は、ペレット状やハニカム状などの任意の形状に成形して用いても良く、耐火性ハニカム上にウオッシュコートして用いてもよい。好ましくは、耐火性ハニカム上にウオッシュコートして用いる。
耐火性ハニカム上にウオッシュコートする場合には、上記の方法で調製した触媒をスラリー状にしてウオッシュコートしても良く、あるいは、あらかじめ酸化チタンを耐火性ハニカム上にウオッシュコートした後に、上記の含浸手法に従って活性成分を担持しても良い。いずれの場合にも、必要に応じて、バインダーを添加することができる。
本発明の触媒の比表面積は、用いる酸化チタンの比表面積および活性金属担持後の焼成条件で決定されるが、25〜50m2/g程度であるのが好ましい。触媒の比表面積が50m2/gを超えると、使用中に担体の焼結が進行することにより触媒の耐久性が低下するおそれがある。一方、25m2/g未満だと、活性金属の分散が低下して十分な活性が得られないおそれがある。
本発明の方法が処理対象とするのは、メタン、硫黄酸化物および過剰の酸素を含む燃焼排ガスである。燃焼排ガス中には、エタン、プロパンなどの低級炭化水素や一酸化炭素、含酸素化合物などの可燃性成分が含まれていても差し支えない。これらは、メタンに比して易分解性なので、本発明の方法により、メタンと同時に容易に酸化除去できる。
排ガス中の可燃性成分の濃度は、特に制限されないが、高すぎる場合には触媒層で極端な温度上昇が生じ、触媒の耐久性に悪影響を及ぼす可能性があるので、メタン換算で約5,000ppm以下とするのが好ましい。
本発明の排ガス中のメタンの酸化除去方法は、上記のようにして得られた触媒を用いることを特徴とする。
触媒の使用量が少なすぎる場合には、有効な浄化率が得られないので、ガス時間当たり空間速度(GHSV)で200,000h-1以下となる量を使用するのが好ましい。一方、ガス時間当たり空間速度(GHSV)を低くするほど触媒量が多くなるので、浄化率は向上するが、GHSVが低すぎる場合には、経済的に不利であり、また触媒層での圧力損失が大きくなる。従って、GHSVの下限は、1,000h-1程度とするのが好ましく、5,000h-1程度とするのがより好ましい。
被処理ガスである排ガス中の酸素濃度は、酸素を過剰に含む限り特に制限されないが、体積基準として約2%以上(より好ましくは約5%以上)であって且つ炭化水素などからなる還元性成分の酸化当量の約5倍以上(より好ましくは約10倍以上)の酸素が存在するのが好ましい。
排ガス中の酸素濃度が極端に低い場合には、反応速度が低下するおそれがあるので、予め所要の量の空気、酸素過剰の排ガスなどを混ぜてもよい。
本発明の排ガス中のメタンの酸化除去触媒は、高い活性を有するが、排ガス処理温度が低すぎる場合には、活性が下がり、所望のメタン転化率が得られない。一方、処理温度が高すぎる場合には、触媒の耐久性が悪化するおそれがある。
触媒層の温度は、通常300〜500℃程度であり、好ましくは300〜450℃程度である。
また、被処理ガス中の炭化水素の濃度が著しく高いときには、触媒層で急激な反応が起こって、触媒の耐久性に悪影響を及ぼすので、触媒層での温度上昇が、通常約150℃以下、好ましくは約100℃以下となる条件で用いるのが好ましい。
燃焼排ガス中には、通常5〜15%程度の水蒸気が含まれているが、本発明によれば、このように水蒸気を含む排ガスに対しても、有効なメタン酸化除去が達成される。
また、燃焼排ガス中には、触媒活性を著しく低下させる硫黄酸化物が通常含まれるが、本発明の触媒は、硫黄酸化物による活性低下に対して特に高い抵抗性を示すので、体積基準で0.1〜30ppm程度の硫黄酸化物が含まれる場合でも、メタン転化率には実質的に影響がない。
本発明によれば、排ガス中のメタンの酸化除去を安定して行うことが可能となる。従って、メタン発酵ガスや天然ガス系都市ガスなどの燃焼排ガスや各種プロセスガスなどの硫黄酸化物を含有する排ガスを本発明の方法で処理することにより、排ガス中に含まれるメタンを酸化除去して、その反応熱を回収してエネルギーとして有効利用できるので、地球環境の改善にも寄与する。
本発明の触媒は、水蒸気や硫黄酸化物による活性阻害に対して非常に優れた抵抗性を示すので、燃焼排ガスのように水蒸気を大量に含み、かつ硫黄酸化物を含む排ガスにおいても、高いメタン酸化活性を発揮する。
また、本発明の触媒は、低温でも高い活性を示すので、高価な貴金属の使用量を低減でき、経済性にも優れている。
以下、実施例を示し、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1(2%Pt-0.5%Ir/酸化チタン触媒の調製)
市販の酸化チタン(石原産業社製「MC-50」、比表面積62m2/g)を空気中で700℃で4時間焼成して、焼成酸化チタン(比表面積45m2/g)を得た。ジニトロジアンミン白金(cis-Pt(NO2)2(NH3)2)(0.1027g)および塩化イリジウム(IrCl3・xH2O、Irとして54.8%含有)(0.0274g)に、濃硝酸(0.57ml)および蒸留水(10ml)を加えて加熱溶解し、この溶液を前記の焼成酸化チタン(3.0 g)に含浸させた。蒸発乾固し、60℃で乾燥した後、空気中で500℃で2時間焼成して2%Pt-0.5%Ir/酸化チタン触媒を得た。
実施例2(1.5%Pt-1%Ir/酸化チタン触媒の調製)
ジニトロジアンミン白金(0.0753g)および塩化イリジウム(0.0575g)に、濃硝酸(0.57ml)および蒸留水(10ml)を加えて加熱溶解し、この溶液を実施例1と同様にして得た焼成酸化チタン(3.0 g)に含浸させた。蒸発乾固し、60℃で乾燥した後、空気中で500℃で2時間焼成して1.5%Pt-1%Ir/酸化チタン触媒を得た。
実施例3(1%Pt-1.5%Ir/酸化チタン触媒の調製)
ジニトロジアンミン白金(0.0526g)および塩化イリジウム(0.0839g)に、濃硝酸(0.57ml)および蒸留水(10ml)を加えて加熱溶解し、この溶液を実施例1と同様にして得た焼成酸化チタン(3.0 g)に含浸させた。蒸発乾固し、60℃で乾燥した後、空気中で500℃で2時間焼成して1%Pt-1.5%Ir/酸化チタン触媒を得た。
実施例4(0.5%Pt-2%Ir/酸化チタン触媒の調製)
ジニトロジアンミン白金(0.0252g)および塩化イリジウム(0.1136g)に、濃硝酸(0.57ml)および蒸留水(10ml)を加えて加熱溶解し、この溶液を実施例1と同様にして得た焼成酸化チタン(3.0 g)に含浸させた。蒸発乾固し、60℃で乾燥した後、空気中で500℃で2時間焼成して0.5%Pt-2%Ir/酸化チタン触媒を得た。
比較例1(2.5%Pt/酸化チタン触媒の調製)
ジニトロジアンミン白金(0.124g)に、濃硝酸(0.57ml)および蒸留水(10ml)を加えて加熱溶解し、この溶液を実施例1と同様にして得た焼成酸化チタン(3.0 g)に含浸させた。蒸発乾固し、60℃で乾燥した後、空気中で500℃で2時間焼成して2.5%Pt/酸化チタン触媒を得た。この触媒の比表面積は44.5m2/gであり、X線回折測定により酸化チタンの結晶構造はアナターゼであることがわかった。
[活性評価試験1]
実施例1〜4および比較例1において調製した触媒をそれぞれ打錠成形した後、各成形体2.0ml(約1.9g)を石英製反応管(内径20mm)に充填した。次いで、メタン1,000ppm、酸素10%、水蒸気10%(いずれも体積基準)および残部窒素からなる組成を有するガスを、GHSV(ガス時間当たり空間速度)40,000h-1の条件にて反応管に流通し、触媒層温度300℃、350℃、400℃および450℃におけるメタン転化率を測定した(初期転化率)。反応層前後のガス組成は、水素炎イオン化検知器を有するガスクロマトグラフにより測定した。その後、触媒層温度を450℃に保ったまま、反応ガスに二酸化硫黄3ppmを添加して反応を継続し、20時間後および45時間後のそれぞれの時点で、触媒層温度450℃、400℃、350℃および300℃におけるメタン転化率を同様に測定した。
メタン転化率(%)の測定結果を表1に示す。ここで、メタン転化率とは、以下の式によって求められる値である。
CH4転化率(%)=100×(1−CH4-OUT/CH4-in)
式中、「CH4-OUT」とは触媒層出口のメタン濃度を示し、「CH4-in」とは触媒層入口のメタン濃度を示す。
Figure 0005030818
イリジウムを含まない比較例1の触媒は、初期活性は高いものの、活性の経時的な低下が大きく、350℃におけるメタン転化率の推移を見ると、初期は55%であったが、45時間後には43%まで低下した。これに対し、実施例1〜4の触媒は、いずれも活性の経時的な低下が小さく、特に白金の担持量が1.5%以上でPt/Ir=0.5〜4の範囲内にある実施例1および2の触媒は、350℃におけるメタン転化率が60%付近を安定に維持しており、耐久性にも優れている。
比較例2(2%Pt-0.5%Ru/酸化チタン触媒の調製)
ジニトロジアンミン白金(0.100g)に、濃硝酸(0.5ml)および蒸留水(10ml)を加えて加熱溶解し、さらにRuとして5.1質量%を含有するトリニトラトニトロシルルテニウム水溶液(0.304g)を混合し、この溶液を実施例1と同様にして得た焼成酸化チタン(3.0g)に含浸させた。蒸発乾固し、60℃で乾燥した後、空気中で500℃で2時間焼成して2%Pt-0.5%Ru/酸化チタン触媒を得た。
比較例3(2%Pt-0.5%Rh/酸化チタン触媒の調製)
トリニトラトニトロシルルテニウム水溶液に代えて、Rhとして7.3質量%を含有する硝酸ロジウム水溶液(0.196g)を用いた他は比較例2と同様にして、2%Pt-0.5%Rh/酸化チタン触媒を得た。
比較例4(2%Pt-0.5%Pd/酸化チタン触媒の調製)
トリニトラトニトロシルルテニウム水溶液に代えて、Pdとして23.3質量%を含有する硝酸パラジウム水溶液(0.069g)を用いた他は比較例2と同様にして、2%Pt-0.5%Pd/酸化チタン触媒を得た。
[活性評価試験2]
比較例2〜4において調製した触媒について、活性評価試験1と同様にして性能を評価した。メタン転化率(%)の測定結果を表2に示す。
Figure 0005030818

実施例1の触媒は、SOx導入後20時間時点で350℃におけるメタン転化率は63%であった。これに対し、比較例2〜4の触媒では、実施例1の触媒より低い22〜51%にとどまり、初期のメタン転化率と比べた低下度合いも大きい。この結果は、Irに代えてRu、Rh、Pdのいずれを用いても、実施例の触媒と同様の性能は得られないこと、すなわちPtとIrの組合せでなければ、高く安定したメタン酸化活性は得られないことを示している。
実施例5(2%Pt-2%Ir/酸化チタン触媒の調製)
ジニトロジアンミン白金(0.115g)に濃硝酸(0.5ml)および蒸留水(5ml)を加えて加熱溶解した溶液と、塩化イリジウム(0.128g)に濃硝酸(2ml)および蒸留水(5ml)を加えて加熱溶解した溶液とを混合し、この溶液を実施例1と同様にして得た焼成酸化チタン(3.5 g)に含浸させた。蒸発乾固し、60℃で乾燥した後、空気中で500℃で2時間焼成して2%Pt-2%Ir/酸化チタン触媒を得た。
実施例6(2%Pt-4%Ir/酸化チタン触媒の調製)
ジニトロジアンミン白金(0.115g)に濃硝酸(0.5ml)および蒸留水(5ml)を加えて加熱溶解した溶液と、塩化イリジウム(0.256g)に濃硝酸(4ml)および蒸留水(5ml)を加えて加熱溶解した溶液とを混合し、この溶液を実施例1と同様にして得た焼成酸化チタン(3.5 g)に含浸させた。蒸発乾固し、60℃で乾燥した後、空気中で500℃で2時間焼成して2%Pt-4%Ir/酸化チタン触媒を得た。
[活性評価試験3]
実施例5および6において調製した触媒について、活性評価試験1と同様にして性能を評価した。メタン転化率(%)の測定結果を表3に示す。これらの触媒は、実施例1の触媒よりもさらに高い性能を示しており、PtとIrの担持量の比が、Pt/Irで0.5〜4程度であれば、安定して高いメタン酸化活性が得られることを示している。
Figure 0005030818
比較例5(2%Pt-0.5%Ir/シリカ触媒の調製)
焼成酸化チタンに代えて、シリカ(富士シリシア化学社製「G-6」、比表面積500m2/g)を空気中で700℃で4時間焼成して得た焼成シリカを用いた以外は実施例1と同様にして、2%Pt-0.5%Ir/シリカ触媒を得た。
比較例6(2%Pt-0.5%Ir/ジルコニア触媒の調製)
焼成酸化チタンに代えて、ジルコニア(日本電工社製「N-PC」、比表面積30m2/g)を空気中で700℃で4時間焼成して得た焼成ジルコニア(比表面積25m2/g)を用いた以外は実施例1と同様にして、2%Pt-0.5%Ir/ジルコニア触媒を得た。
比較例7(2%Pt-0.5%Ir/セリア触媒の調製)
焼成酸化チタンに代えて、セリア(シーアイ化成社製「NanoTekセリア」、比表面積60m2/g)を空気中で700℃で4時間焼成して得た焼成セリアを用いた以外は実施例1と同様にして、2%Pt-0.5%Ir/セリア触媒を得た。
比較例8(2%Pt-0.5%Ir/アルミナ触媒の調製)
焼成酸化チタンに代えて、アルミナ(コンデアビスタ社製「Pural-SB」、比表面積250m2/g)を空気中で700℃で4時間焼成して得た焼成アルミナ(比表面積130m2/g)を用いた以外は実施例1と同様にして、2%Pt-0.5%Ir/アルミナ触媒を得た。
比較例9(2%Pt-0.5%Ir/アルミナ触媒の調製)
焼成酸化チタンに代えて、アルミナ(住友化学社製「NK-124」、比表面積123m2/g)を空気中で1200℃で4時間焼成して得た焼成アルミナ(比表面積5m2/g)を用いた以外は実施例1と同様にして、2%Pt-0.5%Ir/アルミナ触媒を得た。
[活性評価試験4]
比較例5〜9において調製した触媒について、活性評価試験1と同様にして性能を評価した。充填した触媒量はいずれも2mlであるが、質量は、比較例5〜9についてそれぞれ0.78g、3.2g、3.8g、1.1g、0.95gであった。メタン転化率(%)の測定結果を表4に示す。これらの触媒の中では、ジルコニアを担体とした比較例6の触媒が、350℃で30%程度のメタン転化率を示したが、それ以外はいずれも実施例1よりも格段に性能が低く、実施例1よりも性能の優れるものはなかった。単にPtとIrを組み合わせても、他の担体を用いた場合には、本願発明の触媒と同等の性能は得られないことが明らかである。
Figure 0005030818
実施例7(1%Pt-5%Ir/酸化チタン触媒の調製)
蒸留水(16ml)に、Ptとして16.3質量%を含有するヘキサクロロ白金酸(H2PtCl6)水溶液(1.23g)およびIrとして8.7質量%を含有するヘキサクロロイリジウム酸(H2IrCl6)水溶液(11.6g)を加え、この溶液を酸化チタン(石原産業社製「MC-50」、比表面積62m2/g)20gに含浸させた。蒸発乾固し、120℃で乾燥した後、空気中で500℃で6時間焼成して1%Pt-5%Ir/酸化チタン触媒を得た。この触媒の比表面積は52m2/gであった。
実施例8(2%Pt-1%Ir/酸化チタン触媒の調製)
蒸留水(15ml)に、Ptとして16.3質量%を含有するヘキサクロロ白金酸水溶液(1.47g)およびIrとして8.7質量%を含有するヘキサクロロイリジウム酸水溶液(1.38g)を加え、この溶液を酸化チタン(石原産業社製「MC-50」)12.0gに含浸させた。蒸発乾固し、120℃で乾燥した後、空気中で500℃で6時間焼成して2%Pt-1%Ir/酸化チタン触媒を得た。この触媒の比表面積は56m2/gであった。
実施例9(2%Pt-3%Ir/酸化チタン触媒の調製)
蒸留水(15ml)に、Ptとして16.3質量%を含有するヘキサクロロ白金酸水溶液(1.47g)およびIrとして8.7質量%を含有するヘキサクロロイリジウム酸水溶液(4.14g)を加え、この溶液を酸化チタン(石原産業社製「MC-50」)12.0gに含浸させた。蒸発乾固し、120℃で乾燥した後、空気中で500℃で6時間焼成して2%Pt-3%Ir/酸化チタン触媒を得た。この触媒の比表面積は55m2/gであった。
実施例10(2%Pt-4%Ir/酸化チタン触媒の調製)
蒸留水(16ml)に、Ptとして16.3質量%を含有するヘキサクロロ白金酸水溶液(2.45g)およびIrとして8.7質量%を含有するヘキサクロロイリジウム酸水溶液(9.3g)を加え、この溶液を酸化チタン(石原産業社製「MC-50」)20gに含浸させた。蒸発乾固し、120℃で乾燥した後、空気中で500℃で6時間焼成して2%Pt-4%Ir/酸化チタン触媒を得た。この触媒の比表面積は52m2/gであった。
実施例11(3%Pt-3%Ir/酸化チタン触媒の調製)
蒸留水(16ml)に、Ptとして16.3質量%を含有するヘキサクロロ白金酸水溶液(3.68g)およびIrとして8.7質量%を含有するヘキサクロロイリジウム酸水溶液(6.9g)を加え、この溶液を酸化チタン(石原産業社製「MC-50」)20gに含浸させた。蒸発乾固し、120℃で乾燥した後、空気中で500℃で6時間焼成して3%Pt-3%Ir/酸化チタン触媒を得た。この触媒の比表面積は52m2/gであった。
実施例12(5%Pt-1.25%Ir/酸化チタン触媒の調製)
蒸留水(10ml)に、Ptとして16.3質量%を含有するヘキサクロロ白金酸水溶液(3.68g)およびIrとして8.7質量%を含有するヘキサクロロイリジウム酸水溶液(1.71g)を加え、この溶液を酸化チタン(石原産業社製「MC-50」)12gに含浸させた。蒸発乾固し、120℃で乾燥した後、空気中で500℃で6時間焼成して5%Pt-1.25%Ir/酸化チタン触媒を得た。この触媒の比表面積は52m2/gであった。
実施例13(2%Pt-4%Ir/酸化チタン触媒の調製)
酸化チタン(石原産業社製「MC-50」、比表面積62m2/g)を空気中で800℃で6時間焼成して、焼成酸化チタン(比表面積11m2/g)を得た。X線回折測定により、この焼成酸化チタンは、主としてアナターゼ型の酸化チタンで、質量基準で1%以下のルチル型酸化チタンを含んでいることが示された。この焼成酸化チタンを用いた他は実施例10と同様にして、2%Pt-4%Ir/酸化チタン触媒を得た。この触媒の比表面積は11m2/gであった。
実施例14(2%Pt-4%Ir/酸化チタン触媒の調製)
酸化チタン(石原産業社製「MC-90」、比表面積82m2/g)を用いた他は実施例10と同様にして、2%Pt-4%Ir/酸化チタン触媒を得た。この触媒の比表面積は74m2/gであった。
実施例15(2%Pt-4%Ir/酸化チタン触媒の調製)
蒸留水(16ml)に、Ptとして16.3質量%を含有するヘキサクロロ白金酸水溶液(2.45g)およびIrとして8.7質量%を含有するヘキサクロロイリジウム酸水溶液(9.3g)を加え、この溶液を酸化チタン(石原産業社製「MC-50」)20gに含浸させた。蒸発乾固し、120℃で乾燥した後、空気中で550℃で6時間焼成して2%Pt-4%Ir/酸化チタン触媒を得た。この触媒の比表面積は50m2/gであった。
実施例16(2%Pt-4%Ir/酸化チタン触媒の調製)
酸化チタン(石原産業社製「MC-50」、比表面積62m2/g)を空気中で700℃で6時間焼成して、焼成酸化チタン(比表面積32m2/g)を得た。X線回折測定により、この焼成酸化チタンは、アナターゼ型の酸化チタンであることがわかった。この焼成酸化チタンを用いた他は実施例15と同様にして、2%Pt-4%Ir/酸化チタン触媒を得た。この触媒の比表面積は32m2/gであった。
[活性評価試験5]
実施例7〜16において調製した触媒をそれぞれ打錠成形した後、各成形体1.45g(2.1〜2.9ml)を石英製反応管(内径14mm)に充填した。次いで、メタン1,000ppm、酸素10%、水蒸気10%(いずれも体積基準)および残部窒素からなる組成を有するガスを、2リットル/分(標準状態における体積)の流量で反応管に流通し、触媒層温度375℃および450℃におけるメタン転化率を測定した(初期転化率)。反応層前後のガス組成は、水素炎イオン化検知器および熱伝導度検出器を有するガスクロマトグラフにより測定した。その後、触媒層温度を450℃に保ったまま、反応ガスに二酸化硫黄3ppmを添加して反応を継続し、20、60、140時間後のそれぞれの時点で、触媒層温度375℃および450℃におけるメタン転化率を同様に測定した。メタン転化率(%)の測定結果を表5に示す。
Figure 0005030818
実施例7〜16のいずれの触媒も、375℃という比較的低い温度でも50%以上という高いメタン酸化活性を示す。ただし、Pt担持量が1.5%以下である実施例7の触媒は、やや性能が劣っている。担持量が同じで比表面積が異なる実施例10および13〜16の触媒の性能を比較すると、比表面積が11m2/gである実施例13の触媒は、やや性能が劣っている。そのほかの触媒は初期活性に大きな違いはないものの、375℃におけるメタン転化率を20時間経過後と140時間経過後とで比較すると、実施例14の触媒(比表面積74m2/g)では12%低下し、実施例10の触媒(比表面積52m2/g)では9%低下したのに対し、実施例15の触媒(比表面積50m2/g)では5%、実施例16(比表面積32m2/g)の触媒では3%であり、比表面積が25〜50m2/gである触媒が、活性が高く、経時的な劣化も小さいという特徴を示している。なお、反応後のガスからは、減少したメタン濃度に相当する二酸化炭素が検出されたことから、メタンは二酸化炭素に完全酸化されていることが確認された。
比較例10(2%Pt-4%Pd/ジルコニア触媒の調製)
酸化ジルコニウム(日本電工社製「N-PC」、比表面積28m2/g)を空気中で800℃で6時間焼成して、焼成酸化ジルコニウム(比表面積14m2/g)を得た。硝酸パラジウムとテトラアンミン白金硝酸塩とを少量の硝酸を加えた純水に溶解して、Pdとして1.8gおよびPtとして0.9 gを溶解する水溶液を調製し、この水溶液を前記の焼成酸化ジルコニウム(45g)に含浸させた。蒸発乾固後、空気中で550℃で6時間焼成して2%Pt-4%Pd/ジルコニア触媒を得た。
比較例11(2%Pt-4%Ir/ジルコニア触媒の調製)
比較例10と同様にして得た焼成酸化ジルコニウムを担体として用いた以外は実施例15と同様にして、2%Pt-4%Ir/ジルコニア触媒を得た。
比較例12(2%Pt-1%Ir/ジルコニア触媒の調製)
ヘキサクロロイリジウム酸水溶液の量を変えた以外は比較例11と同様にして、2%Pt-1%Ir/ジルコニア触媒を得た。
比較例13(2%Pt-0.5%Ir/酸化スズ触媒の調製)
日本化学産業社製酸化スズ「SL」を空気中で600℃で3時間焼成して、焼成酸化スズ(比表面積15m2/g)を得た。蒸留水(6ml)に、Ptとして16.3質量%を含有するヘキサクロロ白金酸水溶液(1.53g)およびIrとして8.7質量%を含有するヘキサクロロイリジウム酸水溶液(1.45g)を加え、この溶液を前記の焼成酸化スズ(6g)に含浸させた。蒸発乾固し、120℃で乾燥した後、空気を流通しながら、10℃/分で250℃まで昇温し、その温度で3時間保持、次いで1℃/分で550℃まで昇温し、その温度で3時間焼成して2%Pt-0.5%Ir/酸化スズ触媒を得た。
比較例14(2%Pt-5%Ru/ジルコニア触媒の調製)
Ruとして15質量%を含有するトリニトラトニトロシルルテニウム(Ru(NO)(NO3)3)水溶液(硝酸18質量%含有)15gを純水20gで希釈し、シスジニトロジアンミン白金(Pt(NO2)2(NH3)2)1.48gを加えて加熱溶解した。この溶液に、比較例10と同様にして得た焼成酸化ジルコニウム(45g)を15時間浸漬した。蒸発乾固後、空気中で550℃で6時間焼成して5%Ru-2%Pt/ジルコニア触媒を得た。
比較例15(2%Pt-1%Ru/酸化チタン触媒の調製)
シスジニトロジアンミン白金0.40gを2%硝酸水溶液20gに加熱溶解し、これにRuとして15質量%を含有するトリニトラトニトロシルルテニウム水溶液(硝酸18質量%含有)0.8gを混合した。この溶液に、実施例7で用いたのと同じ酸化チタン(12g)を15時間浸漬した。蒸発乾固後、空気中で500℃で6時間焼成して2%Pt-1%Ru/酸化チタン触媒を得た。
[活性評価試験6]
比較例10〜15において調製した触媒について、活性評価試験5と同様にして性能を評価した。充填した触媒量は、いずれも1.45gで、比較例10〜12および14では約1.5ml、比較例13では1.2ml、比較例15では2.5mlであった。メタン転化率(%)の測定結果を表6に示す。
Figure 0005030818
比較例10の触媒は、特開平11-319559号公報に開示されているPd-Pt/ジルコニア触媒と同様の触媒である。この触媒は、触媒層温度が450℃であれば70%程度で比較的安定したメタン転化率を示したが、375℃ではその活性は十分ではないことがわかる。比較例11および12の触媒は、国際公開公報WO2002/040152に開示されているIr-Pt/ジルコニア触媒と同様の触媒である。この触媒は、触媒層温度が450℃であれば80%程度で比較的安定したメタン転化率を示したが、375℃では50%程度であり、その活性は本願発明の触媒には及ばないことがわかる。比較例13の触媒は、特開2006-272079号公報に開示されているPt-Ir/酸化スズ触媒と同様の触媒である。この触媒の活性も、本願発明の触媒の活性には及ばない。

Claims (5)

  1. メタン、水蒸気、硫黄酸化物および過剰の酸素を含む燃焼排ガス中のメタンを酸化除去するための触媒であって、酸化チタン担体に白金およびイリジウムを担持してなる触媒。
  2. 白金の担持量が、酸化チタンに対する質量比で1.5〜5%である請求項1に記載の触媒。
  3. 白金とイリジウムの担持量が、質量比でPt/Ir=0.5〜4の範囲にある請求項1または2に記載の触媒。
  4. BET比表面積が25〜50m2/gである請求項1〜3のいずれかに記載の触媒。
  5. メタン、水蒸気、硫黄酸化物および過剰の酸素を含む燃焼排ガス中のメタンを酸化除去する方法であって、該排ガスを300〜450℃の温度で、請求項1〜4のいずれかに記載の触媒に接触させる方法。
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