JP5028793B2 - オキシメチレン共重合体の製造方法 - Google Patents

オキシメチレン共重合体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、オキシメチレン共重合体の製造方法、さらに詳しくは、色調に優れモールドデポジットが少なく、かつ成形加工時および実使用時のホルムアルデヒド発生量を著しく低減したオキシメチレン共重合体の製造方法に関するものである。
以前よりポリオキシメチレン樹脂はその優れた成形性、機械的強度、クリープ特性、潤滑特性、電気特性などを有する事から、自動車部品、電気・電子機器部品、一般機能部品等広範に使用されてきた。しかし、昨今はかかる部品における要求特性は高度化かつ多様化しており、機械的強度や摩擦摩耗特性等の機能性向上のみならず、ポリオキシメチレン樹脂特有の問題、すなわち熱分解や紫外線分解等により発生するホルムアルデヒドの抑制は日増しに大きな課題となっている。
特許文献1には、ポリオキシメチレン樹脂に対しヒドラジド化合物を添加することにより、発生するホルムアルデヒド量を低減することが可能であることが開示されている。しかしながら、単にヒドラジド化合物を配合するのみでは、実使用温度でのホルムアルデヒド発生量は低減されるものの、成形加工温度でのホルムアルデヒド発生量は大きく、またモールドデポジット性が悪いという問題があった。また、特許文献2、および3には、アルカリ、またはアルカリ土類金属化合物とヒドラジド誘導体、もしくはメラミンとの併用について開示がなされている。しかしながらこれら特許文献記載の方法で、アルカリ、またはアルカリ土類金属化合物として具体的に用いられているのは、水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウムといった金属水酸化物、またはステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウムといった飽和脂肪酸の金属塩であるため、熱安定性の改善は認められるものの、ポリオキシメチレン樹脂組成物から発生するホルムアルデヒド量の低減が不十分である。
また特許文献4には、ポリオキシメチレン樹脂100重量部に対して、(A)ヒンダードフェノール系酸化防止剤0.01〜5重量部、(B−1)特定の構造を有するカルボン酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩および/または(B−2)特定の構造を有する飽和脂肪酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩0.01〜5重量部、(C)ヒドラジド化合物0.01〜5重量部を配合してなるポリオキシメチレン樹脂組成物が開示されている。しかしながら上記特許文献4に記載の樹脂組成物は色調が不十分であり、また成形加工温度および実使用温度でのホルムアルデヒド発生量の低減にある程度の効果を示すものの、まだ不十分であった。
特開平04−345648号公報(第2〜5頁) 特開平06−322230号公報(第2〜12頁) 特開平07−33953号公報(第2〜10頁) 特願2005−004044号公報
従って本発明は、品質上の問題点を満足させつつ色調に優れモールドデポジットが少なく、かつ成形加工時および実使用時のホルムアルデヒド発生量を著しく低減したオキシメチレン共重合体を得ることを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、重合終了後に触媒失活した後、(B)クエン酸三カリウムを添加し、混合機を用いて混合した後、ベント付二軸押出機を用いて170〜260℃の温度範囲で加熱混練して安定化を行い、次に(C)ヒドラジド化合物添加し、混合機を用いてポリマの融点以下の温度にて混合した後、ベント付二軸押出機を用いて170〜260℃の温度範囲で加熱混練することにより色調に優れモールドデポジットが少なく、かつ成形加工時および実使用時のホルムアルデヒド発生量を著しく低減したオキシメチレン共重合体が得られることを見いだし、本発明に到達した。
即ち、本発明はトリオキサンと環状エーテルとの混合物を三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素水和物および三フッ化ホウ素と酸素原子またはイオウ原子を含む有機化合物との配位化合物から成る群から選ばれる少なくとも一種の重合触媒の存在下で重合させてオキシメチレン単位と他のオキシアルキレン単位を含むオキシメチレン共重合体を製造するに際して、重合終了後に重合触媒を失活させた後、(A)オキシメチレン共重合体の粗ポリマ100重量部に対して、(B)クエン酸三カリウムを0.001〜5重量部添加し、混合機を用いて混合した後、ベント付二軸押出機を用いて170〜260℃の温度範囲で加熱混練して安定化を行い、次に得られた安定化オキシメチレン共重合体100重量部に対して、(C)ヒドラジド化合物0.001〜5重量部添加し、混合機を用いてポリマの融点以下の温度にて混合した後、ベント付二軸押出機を用いて170〜260℃の温度範囲で加熱混練することを特徴とするオキシメチレン共重合体の製造方法に関するものである。
本発明により、品質上の問題点を満足させつつ色調に優れモールドデポジットが少なく、かつ成形加工時および実使用時のホルムアルデヒド発生量を著しく低減したオキシメチレン共重合体を得ることができる。
本発明で使用される環状エーテルの中で好ましい化合物としてはエチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、1,3−ジオキセパン、1,3,6−トリオキソカン、エピクロルヒドリン、フェニルグリシジルエーテルなどが挙げられるが、特に、エチレンオキシド、1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキセパンが好ましい。共重合量はオキシメチレン単位に対して0.1〜10モル%の範囲が好ましく、特に好ましくは0.2〜6モル%の範囲である。0.1モル%以下では得られたポリマの熱安定性が低く、また、10モル%以上では機械的強度や成形性が悪くなるので好ましくない。
本発明の重合触媒は、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素水和物および三フッ化ホウ素と酸素原子またはイオウ原子を含む有機化合物との配位化合物から成る群から選ばれる一種以上の化合物が、ガス状、液状または適当な有機溶剤の溶液として使用される。
これらの触媒の中で、特に三フッ化ホウ素の配位化合物が好ましく、とりわけ、三フッ化ホウ素・ジエチルエーテラート、三フッ化ホウ素・ジブチルエーテラートが好ましく使用される。
重合触媒の添加量はトリオキサン100重量部に対して0.001〜0.1重量部の範囲が好ましく、特に好ましくは0.005〜0.05重量部の範囲である。
トリオキサンと環状エーテルを重合させる装置は種々のものが知られているが、本発明の重合は、特に装置により限定されるものではなく、塊状重合やシクロヘキサンのような有機溶媒の存在下で行う重合反応にも適用できる。
塊状重合においては、重合時の急激な固化や発熱が生じるため、強力な攪拌能力を有し、かつ反応温度が制御できる装置が好ましく使用される。
このような性能を有する本発明の塊状重合装置としては、シグマ型攪拌翼を有するニーダー、反応帯域として円筒パレルを用い、そのパレルの中に同軸かつ多数の中断した山を有するスクリューを備え、この中断部とパレル内面に突出した歯とが噛み合うように作動する混合機、加熱または冷却用のジャケットを有する長いケースに一対の互いに噛み合うような平行スクリューを持つ通常のスクリュー押出機、二本の水平攪拌軸に多数のパドルを有し、該軸を同時に同方向に回転した際に、互いに相手のパドル面及びケース内面との間にわずかなクリアランスを保って回転するセルフクリーニング型混合機などを挙げることができる。
また、塊状重合においては、重合反応初期に急速に固化するため、強力な攪拌能力が必要であるが、一旦粉砕されてしまえば、あとは大きな攪拌能力を必要としないため、塊状重合工程を二段階に分けても良い。
塊状重合反応温度は30〜120℃の範囲が好ましく、特に60〜90℃の範囲が好ましい。
重合初期においては、反応熱や固化することによる摩擦熱のために重合反応装置内の温度が上昇しがちであるので、ジャケットに冷却水を通すなどして反応温度をコントロールすることが望ましい。
本発明では触媒が失活されていることが重要であるが、その方法は如何なる方法であってもかまわない。例えば、重合後のオキシメチレン共重合体の粗ポリマを大量のトリエチルアミンや炭酸ナトリウムなどの塩基性化合物の水溶液と接触させることにより触媒失活させる方法が古くから知られている。この方法は、微量の塩基性化合物が残っていた場合オキシメチレン共重合体を着色させるため好ましくないが、十分な時間をかけ、失活後の洗浄も完全に行うことにより、本発明に十分な重合触媒を失活したオキシメチレン共重合体の粗ポリマを得ることが出来る。
本発明の好ましい触媒を失活させる方法としては、重合終了後にヒンダードアミン化合物または三価の有機リン化合物を添加する方法が挙げられる。この中でヒンダードアミン化合物を添加して触媒を失活させる方法が特に好ましい。
本発明で用いる触媒を失活させ、重合反応を停止する代表的なヒンダードアミン化合物としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)エステル、ポリ〔〔6−(1,1,3,3−テトラメチレンブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ〕、1,2,2,6,6,−ペンタメチルピペリジン、コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、およびN,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン・2,4−ビス〔N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ〕−1,3,5−トリアジン縮合物が挙げられ、特にビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン・2,4−ビス〔N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ〕−1,3,5−トリアジン縮合物が好ましい。また本発明で用いる触媒を失活させ、重合反応を停止する代表的な三価の有機リン化合物としては、トリフェニルホスフィンが好ましい。添加量はオキシメチレン共重合体100重量部に対して0.001〜5重量部、好ましくは0.01〜3重量部である。0.001重量部より少ないと触媒の失活効果が不十分であり、また5重量部より多いとブリード現象を示したり、機械物性を低下させるので好ましくない。またヒンダードアミン化合物または三価の有機リン化合物はそのまま添加しても、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサンなどの有機溶媒に溶解させて添加してもかまわない。
本発明においては、オキシメチレン共重合体の重合終了後に重合触媒を失活させた後、(B)クエン酸三カリウムを添加して安定化を行う。
本発明において、(B)成分の配合量は、(A)オキシメチレン共重合体の粗ポリマ100重量部に対して0.003〜5重量部、好ましくは0.005〜2重量部、特に好ましくは0.01〜1重量部である。(B)成分の配合量が0.003重量部未満では熱安定性の改善が不十分であり、5重量部を越えるとオキシメチレン共重合体の分解、発泡を引き起こし、安定性を損ねることになる。
本発明で用いる(C)ヒドラジド化合物としては、モノカルボン酸ヒドラジド、ジカルボン酸モノヒドラジド、ジカルボン酸ジヒドラジド、ポリカルボン酸ポリヒドラジド等のヒドラジド化合物が挙げられ、中でもモノカルボン酸ジヒドラジド、ジカルボン酸ジヒドラジドが好ましい。
モノカルボン酸ジヒドラジドとしては、カルボニルジヒドラジドが具体例として挙げられ、ジカルボン酸ジヒドラジドとしては、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド等が挙げられる。中でもアジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジドが好ましい。これらの化合物は1種、または2種以上を混合して用いることもできる。
本発明において、(C)ヒドラジド化合物の配合量は、(A)オキシメチレン共重合体の粗ポリマ100重量部に対して0.01〜5重量部、好ましくは0.02〜2重量部、特に好ましくは0.03〜1重量部である。0.01重量部未満では加熱により発生したホルムアルデヒドの捕捉作用が不十分であり、5重量部を越えるとオキシメチレン共重合体の着色が生じることになる。
(C)ヒドラジド化合物は溶媒に溶解させて添加することもできる。(C)ヒドラジド化合物を溶解させる溶媒は特に限定されるものではないが、水、アルコール、ベンゼン、シクロヘキサンなどが用いられ、水、アルコールがより好ましく、水が最も好ましい。(C)ヒドラジド化合物の溶媒に対する溶解度が小さい場合には、加熱して溶解せしめることもできる。
本発明で使用する(D)脂肪酸アミドとしては、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビス−12−ヒドロキシステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミドなどが挙げられる。この中で、特にエチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビス−12−ヒドロキシステアリン酸アミドが好ましい。
(D)脂肪酸アミドの添加量はオキシメチレン共重合体の粗ポリマ100重量部に対して0.001〜1.0重量部、特に0.01〜0.5重量部の範囲が好適であり、0.001重量部より少ないとオキシメチレン共重合体の成形性の向上効果が見られず、また、1.0重量部より多いとブリードアウトや着色、機械物性の低下がみられるので好ましくない。
本発明で使用する(E)酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤やアミン系酸化防止剤などが挙げられるが、ブリード現象や耐熱安定性の観点からこの中で特に分子量400以上のヒンダードフェノール系化合物が好適である。具体例としては、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド]、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、2−t−ブチル−6−(3’−t−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニル−アクリレート、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンなどが挙げられる。中でもトリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド]の使用が好ましい。
(E)酸化防止剤の添加量はオキシメチレン共重合体に対して0.001〜1.0重量部、特に0.1〜0.7重量部の範囲が好ましい。添加量が0.001重量部より少ないとオキシメチレン共重合体の成形性や耐加水分解性の改良効果が十分でなく、また1.0重量部より多いとブリード現象や機械物性の低下が見られ好ましくない。
本発明で使用する(F)水の添加量はオキシメチレン共重合体100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部であり、さらに好ましくは1.0〜3重量部である。0.1重量部より少ないと、目的とする改良効果が少なく、また10重量部より多くてもそれ以上の改良効果は望めず、逆に次加熱工程での昇温に時間がかかるなどの不具合を生じてしまう。
また、本発明の組成物には本発明の効果を損なわない範囲で炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、酸化チタン、酸化珪素、マイカ粉末、ガラスビーズのような充填剤、炭素繊維、ガラス繊維、セラミック繊維、アラミド繊維、チタン酸カリ繊維のような補強剤、着色剤(顔料、染料)、核剤、可塑剤、ポリエチレンワックスのような離型剤、カーボンブラックのような導電剤、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物のような光安定剤、粘着剤、滑剤、耐加水分解改良剤、接着助剤などの添加剤を任意に含有させることができる。
また本発明の製造方法としては、(A)オキシメチレン共重合体の粗ポリマに対して(B)クエン酸三カリウムを添加し、混合機を用いて混合した後ベント付二軸押出機を用いて加熱混練して安定化を行い、次に得られた安定化オキシメチレン共重合体に対して(C)ヒドラジド化合物を添加し、混合機を用いてポリマの融点以下の温度にて混合した後ベント付二軸押出機を用いて加熱混練する
また本発明において、加熱する際の温度は170℃〜260℃の範囲である。
本発明のオキシメチレン共重合体は、電気・電子分野、自動車分野などの機械機構部品として広範囲に使用することができ、センサー、LEDランプ、コネクター、ソケット、抵抗器、リレーケース、スイッチ、コイルボビン、コンデンサー、バリコンケース、光ピックアップ、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント基板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モーター、磁気ヘッドケース、パワーモジュール、半導体、液晶、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、磁気テープカセットリール、モーターブラッシュホルダー、パラボラアンテナ、コンピューター関連部品などに代表される電気・電子部品用途に好適に用いられるが、その他の用途すなわちVTR部品、VTRカメラ部品、テレビ部品、アイロン、ヘアドライヤー、シェーバー、扇風機、ジューサー、炊飯器部品、電子レンジ部品、ヘッドフォンステレオ・ラジカセ・オーディオ・レーザーディスク・コンパクトディスクなどの音響機器部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプライター部品、電卓、ワードプロセッサー部品などに代表される家庭、事務電気製品部品、オフィスコンピューター関連部品、電話機関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部品、洗浄用治具、モーター部品、ライター、タイプライターなどに代表される機械関連部品、顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計などに代表される光学機器、精密機械関連部品、オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクター、ICレギュレーター、ライトディヤー用ポテンシオメーターベース、排気ガスバルブなどの各種バルブ、燃料関係・排気系・吸気系各種パイプ、エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温センサー、ブレーキパットウェアーセンサー、スロットルポジションセンサー、クランクシャフトポジションセンサー、エアーフローメーター、ブレーキパッド摩耗センサー、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォーターポンプインペラー、タービンベイン、ワイパーモーター関係部品、デュストリビューター、スタータースイッチ、スターターリレー、トランスミッション用ワイヤーハーネス、エアコンパネルスイッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイル、ヒューズ用コネクター、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ステップモーターローター、ランプソケット、ランプリフレクター、ランプハウジング、ブレーキピストン、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルター、点火装置ケース、ラジエタードレーンコック、インタンクフェエルポンプ、ダイヤフラム弁、オートアンテナギアケース、ドアロック、ウインカースイッチ、ワイパーギア、ワイパーピポットベアリング、スピードメーターギア、パーツ、ハウジング、ウインドウガラスボトムチャネル、シートベルトハウジング、シートベルトリトラクターパーツ、ヒーターコントロールレバー、インサイドドアハンドル、レギュレーターハンドル、アウタードアハンドル、サンバイザーブラケット、コラプシブルルームミラーステー、シートフック、フェンダーミラーケース、フューエルカップ、ウインドウォッシャーノズル、各種バルブなどの自動車・車両関連部品、自転車、芝刈り機、間仕切りコーナーピース、カーテンランナー、ブラインドギア、戸車、ビンディング、オフィス家具パーツ、各種ファスナー、配管システム、ホースジョイント、バルブ、とめ具、アジャスト、メーター、シューズ部品、スポーツ用具、玩具、オルゴール、くしなどの美容製品、キャスターブラケット、ローラー、キャップ、メジャー部品、エアゾールホースなどその他各種一般機器部品などに用いることも可能である。
以下実施例によって本発明を説明する。なお、実施例及び比較例中の各組成成分の部はすべて重量基準である。また実施例及び比較例中に示される、成形品の色調、モールドデポジットの発生状況、成形加工温度でのホルムアルデヒド発生量、実使用温度でのホルムアルデヒド発生量は、次のようにして測定あるいは観察した。
・成形
5オンスの射出能力を有する射出成形機を用いて、シリンダ温度190℃、金型温度65℃、成形サイクル50秒に設定して、ASTM1号ダンベル試験片、および1/8インチアイゾット衝撃試験片を射出成形した。
・色調
上記射出成形で得られたASTM1号ダンベル試験片を用い、スガ試験機株式会社のSMカラーコンピューター(SM−5−1S−2B)を使用して色調(YI値;JIS K−7103法に準拠)を測定した。
・モールドデポジットの発生状況:射出成形機を用いて、シリンダー温度230℃、金型温度30℃でJIS4号ダンベルの成形品を連続的に射出成形する操作において、ピンゲート金型を使用し、モールドデポジット発生により、金型表面汚れが目視で確認できるまで成形数(モールドデポジット発生ショット数)を求め、評価した。この値が大きいほどモールドデポジットの発生が少ないことになるため、優れたサンプルと言える。
・成形加工温度でのホルムアルデヒド発生量
80℃の熱風オーブン中で3時間乾燥したペレットを約1g用いて窒素雰囲気下、240℃で15分間放置し、発生したホルムアルデヒドをメタノール水溶液中にトラップした。上記メタノール水溶液中のホルムアルデヒド量を酸化還元滴定で定量して、ホルムアルデヒド発生量(単位:ppm)を測定した。
・実使用温度でのホルムアルデヒド発生量
上記射出成形で得られた1/8インチアイゾット衝撃試験片を密閉容器(容量1000ml)に入れ、温度65℃で2時間、恒温構内で加熱した。その後、室温に空冷しガス検知管で、試験片の単位重量(g)あたりのホルムアルデヒド発生量(μg/g)を測定した。
実施例および比較例で用いた(A)オキシメチレン共重合体の粗ポリマ、(A’)市販品ポリマ、(B)乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸からなる群から選ばれた1種または2種以上であるカルボン酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、(C)ヒドラジド化合物およびその他の原材料の内容を下記に示す。
・オキシメチレン共重合体の粗ポリマ(A−1)の製造
2軸の押出機型重合機(100mmφ、シリンダー長(L)/シリンダー径(D)=10)にトリオキサン(30kg/h),1,3−ジオキソラン(1200g/h),またトリオキサンに対して130ppmの三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート(2.25%ベンゼン溶液)、750ppmのメチラールをそれぞれ供給し、連続重合を行なった。重合は外部ジャケット温度を45℃にコントロールし、回転数は60rpmで行った。分子量調節剤としてのメチラールは、トリオキサン中に溶解した。又、1,3−ジオキソランと触媒溶液は、ニーダーへ供給する直前に予備混合されるように予備混合ゾーンを設けた。重合体は白色微粉末として27.3kg/hで得られた。この白色微粉末100重量部に対して、ヒンダードアミン化合物(“サノール”LS765〔三共(株)製、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート〕)0.25重量部を16%のベンゼン溶液として添加し、ヘンシェルミキサー中で3分間攪拌して触媒失活を行い、オキシメチレン共重合体の粗ポリマ(A−1)を得た。
・オキシメチレン共重合体の粗ポリマ(A−2)の製造
ヒンダードアミン化合物(“サノール”LS765〔三共(株)製、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート〕)0.25重量部の16%のベンゼン溶液の代わりに、トリフェニルホスフィン(関東化学株式会社製)0.078重量部の25%ベンゼン溶液を用いた以外は(A−1)と同様にして、オキシメチレン共重合体の粗ポリマ(A−2)を得た。
・オキシメチレン系共重合体(A’−1):ポリプラスチックス株式会社製、”ジュラコン M90S”を使用した。
・乳酸ナトリウム(B−1)、クエン酸三カリウム(B−2)、酒石酸ナトリウム(B−3)、乳酸カルシウム(B−4)、リンゴ酸ナトリウム(B−5)、クエン酸カルシウム(B−6)、クエン酸三ナトリウム(B−7):それぞれ関東化学株式会社製のものを使用した。
・12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム(B−8):大日化学“ダイワックスOHC”を使用した。
・アジピン酸ジヒドラジド(C−1)、セバシン酸ジヒドラジド(C−2)、ドデカン二酸ジヒドラジド(C−3)、イソフタル酸ジヒドラジド(C−4):いずれも日本ヒドラジン工業株式会社製を使用した。
・メラミン(C−5):関東化学株式会社製のものを使用した。
実施例1−1〜1−、比較例1−1〜1−8
オキシメチレン共重合体の粗ポリマ(A−1)100重量部に対して、(B)カルボン酸の金属塩を表1に示した割合、(D)脂肪酸アミド(”アーモワックス”EBS〔ライオン社製、エチレンビスステアリン酸アミド〕)0.1重量部、(E)酸化防止剤(“イルガノックス”245〔チバガイギー社製、(トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート])〕)0.5重量部、(F)水1.5重量部を添加し、ヘンシェルミキサー中で1分間混合した。この混合物を池貝鉄工所製ベント付2軸45mmφ押出機を用いて温度240℃、ベント部の真空度10mmHgで溶融押出混練した。得られたポリマはストランドとして押出され、カッタによってペレタイズされた。
このペレット100重量部に対して、(C)ヒドラジド化合物を表1に示した割合で添加し、ヘンシェルミキサー中で1分間混合した。この混合物を池貝鉄工所製ベント付2軸45mmφ押出機を用いて温度240℃、ベント部の真空度10mmHgで溶融押出混練した。得られたポリマはストランドとして押出され、カッタによってペレタイズされた。
<成形および評価>
このペレットを熱風循環オーブン中、80℃で3時間乾燥したのち、成形加工温度でのホルムアルデヒドの発生量の評価を行った。次に乾燥したペレットを用いてASTM1号ダンベル試験片および1/8インチアイゾット衝撃試験片の射出成形を行い、ASTM1号ダンベル試験片を用いて色調の測定を、1/8インチアイゾット衝撃試験片を用いて実使用温度でのホルムアルデヒド発生量の評価を行った。さらに、上記の乾燥したペレットを用いて、モールドデポジットの発生状況を評価した。これらの結果を表1にまとめた。
Figure 0005028793
実施例2−1〜2−2、比較例2−1〜2−4
オキシメチレン共重合体の粗ポリマ(A−2)100重量部に対して、(B)カルボン酸の金属塩を表2に示した割合、(D)脂肪酸アミド(”アーモワックス”EBS〔ライオン社製、エチレンビスステアリン酸アミド〕)0.1重量部、(E)酸化防止剤(“イルガノックス”245〔チバガイギー社製、(トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート])〕)0.5重量部、(F)水1.5重量部を添加し、ヘンシェルミキサー中で1分間混合した。この混合物を池貝鉄工所製ベント付2軸45mmφ押出機を用いて温度240℃、ベント部の真空度10mmHgで溶融押出混練した。得られたポリマはストランドとして押出され、カッタによってペレタイズされた。
このペレット100重量部に対して、(C)ヒドラジド化合物を表2に示した割合で添加し、ヘンシェルミキサー中で1分間混合した。この混合物を池貝鉄工所製ベント付2軸45mmφ押出機を用いて温度240℃、ベント部の真空度10mmHgで溶融押出混練した。得られたポリマはストランドとして押出され、カッタによってペレタイズされた。得られたオキシメチレン共重合体の成形および評価を実施例1−1と同様にして行い、結果を表2に示した。
Figure 0005028793
実施例3−1〜3−2、比較例3−1〜3−4
安定化処理機は図1に示したような同方向回転完全噛み合い型2軸押出機であり、内径D=44mmφ、L/D=42である。ホッパー1より(A)オキシメチレン共重合体の粗ポリマ、(B)カルボン酸の金属塩、(D)脂肪酸アミド、(E)酸化防止剤、(F)水等の混合物が投入される。ベント口は減圧脱気用がベント4(1)、4(2)、4(3)の3箇所、オープンベント5が1箇所の合計4箇所のものを用い、減圧脱気用ベント4(1)、4(2)、4(3)はメカニカルブースターポンプと水封式真空ポンプの組み合せで脱気吸引される。(C)ヒドラジド化合物は、添加口8より添加され、該添加口8は、ベント4(2)とベント4(3)の間に設けた。また、ダイ直前には樹脂圧力測定用圧力計7及びメッシュ6が備え付けられ、ダイを通過した溶融オキシメチレン共重合体はホットカッター(図示せず)にて、直ちに製品ペレットが得られる構造となっている。
スクリュウ構造は、溶融樹脂搬送用フルフライトスクリュウ(FS)2(1)、2(2)、2(3)、2(4)と溶融樹脂混練用ニーディングディスク(KD)3(1)、3(2)、3(3)からなる。
オキシメチレン共重合体の粗ポリマ(A−1)100重量部に対して、(B)乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸からなる群から選ばれた1種または2種以上であるカルボン酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩を表3に記載した割合、(D)脂肪酸アミド(”アーモワックス”EBS〔ライオン社製、エチレンビスステアリン酸アミド〕)0.1重量部、(E)酸化防止剤(“イルガノックス”245〔チバガイギー社製、(トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート])〕)0.5重量部、(F)水1.5重量部を添加して直ちにブレンダーで混合し、安定化処理機に28.5kg/hでホッパー1から供給した。安定化処理機の回転数は150rpm、シリンダー設定温度は230℃であり、平均滞留時間は5分、樹脂温度は245℃、ベント圧力は0.7kPaで安定化した。また表3に記載の(C)ヒドラジド化合物を、添加口8より30g/hの速度で供給した。安定化の終了したオキシメチレン共重合体は白色ペレットとして得られた。得られたオキシメチレン共重合体の成形および評価を実施例1−1と同様にして行い、結果を表3に示した。
Figure 0005028793
比較例−1〜−6
オキシメチレン共重合体の粗ポリマ(A−1)100重量部に対して、(B)カルボン酸の金属塩を表4に示した割合、(C)ヒドラジド化合物を表4に示した割合、(D)脂肪酸アミド(”アーモワックス”EBS〔ライオン社製、エチレンビスステアリン酸アミド〕)0.1重量部、(E)酸化防止剤(“イルガノックス”245〔チバガイギー社製、(トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート])〕)0.5重量部、(F)水1.5重量部を添加し、ヘンシェルミキサー中で1分間混合した。この混合物を池貝鉄工所製ベント付2軸45mmφ押出機を用いて温度240℃、ベント部の真空度10mmHgで溶融押出混練した。得られたポリマはストランドとして押出され、カッタによってペレタイズされた。得られたオキシメチレン共重合体の成形および評価を実施例1−1と同様にして行い、結果を表4に示した。
Figure 0005028793
比較例−1〜−6
市販品ポリマ(A’−1)100重量部に対して、(B)前記一般式(I)で表されるカルボン酸の金属塩を表5に示した割合、(C)ヒドラジド化合物を表5に示した割合、(D)脂肪酸アミド(”アーモワックス”EBS〔ライオン社製、エチレンビスステアリン酸アミド〕)0.1重量部、(E)酸化防止剤(“イルガノックス”245〔チバガイギー社製、(トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート])〕)0.5重量部、(F)水1.5重量部を添加し、ヘンシェルミキサー中で1分間混合した。この混合物を池貝鉄工所製ベント付2軸45mmφ押出機を用いて温度240℃、ベント部の真空度10mmHgで溶融押出混練した。得られたポリマはストランドとして押出され、カッタによってペレタイズされた。得られたオキシメチレン共重合体の成形および評価を実施例1−1と同様にして行い、結果を表5に示した。
Figure 0005028793
表1〜5の結果からは次の事項が明らかである。
(1)重合終了後に触媒失活した後、(B)クエン酸三カリウムを添加して100〜260℃の温度範囲で加熱して安定化を行い、次に(C)ヒドラジド化合物を添加して100〜260℃の温度範囲で加熱することにより色調に優れ、モールドデポジット発生ショット数が多い、すなわちモールドデポジットが少なく、かつ成形加工温度および実使用温度でのホルムアルデヒド発生量を著しく低減したオキシメチレン共重合体が得られることがわかる。(実施例1−1〜1−、2−1〜2−2、3−1〜3−2)。
(2)また図1に示す押出機を用いて(C)ヒドラジド化合物をサイドフィードした場合においても実施例1―1と同等またはそれ以上の優れた特性が発揮される(実施例−1〜−6)。
(3)一方、(C)ヒドラジド化合物の代わりにメラミンを用いた場合は、モールドデポジット発生ショット数が少ない、すなわちモールドデポジットが多くなり、成形加工温度および実使用温度でのホルムアルデヒド発生量が増加する(比較例1−1〜1−3)。
(4)また(B)前記一般式(I)で表されるカルボン酸の金属塩の代わりに12−ヒドロキシステアリン酸カルシウムを用いた場合、すわわち(B)成分として12−ヒドロキシステアリン酸カルシウムを、(C)成分としてヒドラジド化合物を用いた場合は、(B)成分として12−ヒドロキシステアリン酸カルシウムを、(C)成分としてメラミンを用いた場合よりは、実使用温度でのホルムアルデヒド発生量が減少しているがまだ不十分であり、またモールドデポジット発生ショット数は多少増加するのみ、すなわちモールドデポジットの低下はわずかであり、さらに成形加工温度でのホルムアルデヒド発生量の低下もわずかである。(比較例1−4〜1−8)。
(5)また(C)ヒドラジド化合物を(B)クエン酸三カリウムと同時に添加した場合においては、色調が悪化し、さらにモールドデポジット発生ショット数が少ない、すなわちモールドデポジットが多くなり、成形加工温度および実使用温度でのホルムアルデヒド発生量が増加する(比較例−1〜−6)。
(6)また安定化工程を経た市販品ポリマに、(B)クエン酸三カリウムと(C)ヒドラジド化合物を添加して100〜260℃の温度範囲で加熱しても、実施例1−1と比べてモールドデポジット発生ショット数が少ない、すなわちモールドデポジットが多く、また成形加工温度および実使用温度でのホルムアルデヒド発生量が大きい(比較例−1〜−6)。
本発明の実施例3−1〜3−6で安定化処理機として使用した2軸押出機の概要を示す軸方向断面図である。
符号の説明
第1図は本発明で安定化処理機として使用される2軸押出機の概要を示す平断面
1…ホッパー
2…フルフライトスクリュウ
3…ニーディングディスク型パドル
4…減圧脱気用ベント口
5…オープンベント
6…300メッシュフィルター
7…樹脂圧力センサー
8…(C)ヒドラジド化合物サイドフィーダー

Claims (6)

  1. トリオキサンと環状エーテルとの混合物を三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素水和物および三フッ化ホウ素と酸素原子またはイオウ原子を含む有機化合物との配位化合物から成る群から選ばれる少なくとも一種の重合触媒の存在下で重合させてオキシメチレン単位と他のオキシアルキレン単位を含むオキシメチレン共重合体を製造するに際して、重合終了後に重合触媒を失活させた後、(A)オキシメチレン共重合体の粗ポリマ100重量部に対して、(B)クエン酸三カリウムを0.001〜5重量部添加し、混合機を用いて混合した後、ベント付二軸押出機を用いて170〜260℃の温度範囲で加熱混練して安定化を行い、次に得られた安定化オキシメチレン共重合体100重量部に対して、(C)ヒドラジド化合物0.001〜5重量部添加し、混合機を用いてポリマの融点以下の温度にて混合した後、ベント付二軸押出機を用いて170〜260℃の温度範囲で加熱混練することを特徴とするオキシメチレン共重合体の製造方法。
  2. (C)ヒドラジド化合物が、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジドから選ばれる1種または2種以上である請求項1に記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
  3. (C)ヒドラジド化合物が、アジピン酸ジヒドラジドである請求項1または2に記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
  4. 重合終了後にヒンダードアミン化合物を添加して重合触媒を失活させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
  5. 重合終了後に三価の有機リン化合物を添加して重合触媒を失活させることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
  6. (B)、(C)の化合物のほかに(D)脂肪酸アミド0.001〜1重量部(E)酸化防止剤0.001〜1重量部および(F)水0.1〜10重量部を添加することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
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