JP3254790B2 - ポリオキシメチレン樹脂組成物 - Google Patents

ポリオキシメチレン樹脂組成物

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JP3254790B2
JP3254790B2 JP04368893A JP4368893A JP3254790B2 JP 3254790 B2 JP3254790 B2 JP 3254790B2 JP 04368893 A JP04368893 A JP 04368893A JP 4368893 A JP4368893 A JP 4368893A JP 3254790 B2 JP3254790 B2 JP 3254790B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、初期色調と溶融滞留時
の色調安定性と耐熱エージング時の色調安定性に優れ、
かつ、耐光性に優れたポリオキシメチレン樹脂組成物に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリオキシメチレン樹脂は機械的強度と
耐衝撃性のバランスのとれたエンジニアリングプラスチ
ックとして知られ、電子機器用品、自動車部品として広
範な分野において使用されている。近年、屋外や高温下
などの過酷な条件で使用する部品にポリオキシメチレン
樹脂を使用することも多くなり、高温での色調安定性や
耐光性を要求されるようになってきている。また、量産
性を向上させるために高温で長時間滞留させるような成
形が行われることも多くなり、ポリオキシメチレン樹脂
の溶融滞留時の熱安定性と色調安定性も要求されるよう
になってきている。
【0003】ポリオキシメチレン樹脂は構造上熱安定性
に乏しいため、熱安定性を付与するためにヒンダードフ
ェノールを代表とする酸化防止剤や分解により発生する
ホルムアルデヒドを捕捉するホルムアルデヒド捕捉剤、
酸による分解を抑制するためのアルカリ性物質などを添
加しなければならない。ところが、より高温、長時間で
の熱安定性の要求に対し、これら安定剤の添加量を増や
すことは強度の低下や極端な色調の悪化をもたらした。
また、色調安定性に優れた安定剤の添加についてもこれ
まで多くの検討がなされてきているが、未だ十分満足の
いく性能を有するものは現われていない。
【0004】ところで、上記安定剤の添加系にある種の
2次安定剤を添加して色調を改良する方法がいくつか提
案されている。特公昭39−14519号公報では無機
リン酸塩、無機ポリリン酸塩、有機リン酸エステル、有
機亜リン酸エステルの添加が提案されている。特公昭4
9−5609号公報では有機亜リン酸塩の添加が提案さ
れている。特開昭50−110984号公報では立体障
害性オキシアニリドの亜リン酸誘導体またはホスホン酸
誘導体の添加が提案されている。特開平1−27565
2号公報では有機ホスファイト類の添加が提案されてい
る。特開平1−275653号公報ではチオアルカン酸
エステルの添加が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
公昭39−14519号公報、特公昭49−5609号
公報、特開昭50−110984号公報、特開平1−2
75652号公報、特開平1−275653号公報に提
案されている安定剤処方では、十分な色調改良がなされ
ないばかりか、その他の安定剤本来の有する性能さえも
損なう恐れのあるものもある。そこで本発明は、初期色
調と溶融滞留時の色調安定性と耐熱エージング時の色調
安定性に優れたポリオキシメチレン樹脂組成物の取得を
課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、ポリオキシメチレン樹脂
に対して次亜リン酸塩を含有してなるポリオキシメチレ
ン樹脂組成物が、初期色調と溶融滞留時の色調安定性と
耐熱エージング時の色調安定性に優れるばかりでなく、
耐光性にも優れていることを見いだし、本発明に到達し
た。
【0007】即ち、本発明は、 (A)充填剤を含まないポリオキシメチレン樹脂100
重量部に対して(B)次亜リン酸塩0.00001〜1
0重量部を含有してなるポリオキシメチレン樹脂組成物
を提供するものである。
【0008】本発明で使用される(A)ポリオキシメチ
レン樹脂とは、オキシメチレン単独重合体、及び、主と
してオキシメチレン単位からなり、ポリマ主鎖中に少な
くとも1種の炭素数2〜8のオキシアルキレン単位を含
有するオキシメチレン共重合体を意味する。
【0009】オキシメチレン単独重合体とは、末端の不
安定なヒドロキシル基をエステル基またはエーテル基等
に置換し、安定化されたオキシメチレン・ホモポリマの
ことを示す。例えば、実質的に無水のホルムアルデヒド
を有機アミン、有機あるいは無機の錫化合物、金属水酸
化物のような塩基性重合触媒を含有する有機溶媒中に導
入して重合し、重合体を濾別したのち、無水酢酸中、酢
酸ナトリウムの存在下で加熱して末端をアセチル化して
製造する。
【0010】オキシメチレン共重合体とは、例えば、実
質的に無水のトリオキサン、あるいは、テトラオキサン
のようなホルムアルデヒドの環状オリゴマと共重合成分
としての少なくとも1種の環状エーテルまたは環状ホル
マールとをシクロヘキサンやベンゼンのような有機溶媒
中に溶解、あるいは、懸濁したのち、三フッ化ホウ素・
ジエチルエーテラートのようなルイス酸触媒を添加して
重合し、不安定末端を分解除去して製造する。あるい
は、溶媒を全く使用せずにセルフクリーニング型撹拌機
の中へトリオキサンと共重合成分/触媒の予備混合物を
導入して塊状重合する。所望により、この重合体から洗
浄によって触媒を除去、あるいは、失活剤によって触媒
を失活させたのち、不安定末端を分解除去して製造す
る。
【0011】特に好ましいのは、トリオキサンと環状エ
ーテルまたは環状ホルマールとを、三フッ化ホウ素・ジ
エチルエーテラートのようなルイス酸触媒の存在下、塊
状重合させたのち、一般式(1)で表わされるヒンダー
ドアミン化合物を添加して重合反応を停止させ、更に不
安定末端を分解除去して得られた重合体である。
【0012】
【化1】 (式中、R1は水素原子または炭素数1〜30の1価の
有機残基を表わす。R2〜R5は炭素数1〜5のアルキ
ル基を表わし、それぞれ同一であっても異なっていても
よい。nは1以上の整数を表わし、R6はn価の有機残
基を表わす。)
【0013】本発明で使用する(B)次亜リン酸塩とは
一般式(2)で表わされる。但し、Mはm価の金属イオ
ンを表わす。
【0014】
【化2】
【0015】具体的には、次亜リン酸リチウム、次亜リ
ン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸マグ
ネシウム、次亜リン酸カルシウム、次亜リン酸ストロン
チウム、次亜リン酸バリウム、次亜リン酸鉄、次亜リン
酸亜鉛、次亜リン酸アルミニウムなどがあげられる。こ
の中でアルカリ金属またはアルカリ土類金属の次亜リン
酸塩が好ましいが、特に次亜リン酸ナトリウムと次亜リ
ン酸カルシウムが好ましい。また、添加量はポリオキシ
メチレン樹脂100重量部に対して通常、0.0000
1〜10重量部である。この次亜リン酸塩は0.000
1〜0.1重量部の極微量の範囲でも効果がある。0.
0001重量部より少ない量では添加が難しいが、微量
でも入っていれば色調抑制効果は現われる。また、10
重量部より多いと逆に衝撃強度の低下がみられ好ましく
ない。
【0016】本発明で使用する(C)ヒンダードフェノ
ール系化合物は分子量400以上のものであり、具体的
には、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−
ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート]、ペンタエリスリチル−テトラキス
[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサメチレンビ
ス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシ
ンナマミド)、2−t−ブチル−6−(3’−t−ブチ
ル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−
メチルフェニルアクリレート、3,9−ビス[2−{3
−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェ
ニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチ
ル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,
5]ウンデカンなどがあげられる。この中でトリエチレ
ングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,
6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]が特に好ましい。分子量が400より小さいとブリ
ード現象が著しく、ポリオキシメチレン樹脂組成物の外
観を損なう上、熱安定性が低下するので使用に耐えな
い。
【0017】また、添加量はポリオキシメチレン樹脂1
00重量部に対して通常、0.01〜10重量部、好ま
しくは0.05〜3.0重量部である。
【0018】本発明で使用する(D)ヒンダードアミン
系化合物は分子量400以上のものであり、具体的に
は、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタ
メチル−4−ピペリジル)セバケート、コハク酸ジメチ
ル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、
N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミ
ン・2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6
−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、ポリ[{6
−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−
1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキ
サメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリジル)イミノ)}]などがあげられる。この中でビ
ス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ル)セバケート、コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロ
キシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テト
ラメチルピペリジン重縮合物、N,N’−ビス(3−ア
ミノプロピル)エチレンジアミン・2,4−ビス[N−
ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4
−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−ト
リアジン縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テト
ラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−
2,4−ジイル}{2,2,6,6−テトラメチル−4
−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)}]
が特に好ましい。分子量が400より小さいとブリード
現象が著しく、ポリオキシメチレン樹脂組成物の外観を
損なう上、熱安定性が低下するので使用に耐えない。
【0019】また、添加量はポリオキシメチレン樹脂1
00重量部に対して通常、0.01〜10重量部、好ま
しくは0.01〜3.0重量部である。0.01重量部
より少ないとポリオキシメチレン樹脂組成物の熱安定性
が十分でなく、また、10重量部より多いと熱による着
色が激しいので好ましくない。
【0020】本発明で使用する(E)ホルムアルデヒド
捕捉剤としては、ポリアミド化合物、ウレタン化合物、
ピリジン誘導体、ピロリドン誘導体、尿素誘導体、トリ
アジン誘導体、ヒドラジン誘導体、アミジン化合物、ポ
リアクリルアミド化合物が挙げられ、具体的には、ポリ
アミド6、ポリアミド66、ポリアミド6/66二元共
重合体、ポリアミド6/66/610/12四元共重合
体、メラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、
N−メチロールメラミン、N,N’−ジメチロールメラ
ミン、N,N’,N’’−トリメチロールメラミン、シ
アノグアニジン、ポリアクリルアミド等が好ましい。こ
の中で、ポリアミド6/66/610/12四元共重合
体、メラミン、及び、ベンゾグアナミンが特に好まし
い。本発明で使用するポリアミド6/66/610/1
2四元共重合体とは、ジカルボン酸とジアミンとの塩、
ω−アミノカルボン酸あるいはラクタムの共重合によっ
て得られる共重合体であって、ポリアミド6、ポリアミ
ド66、ポリアミド610、ポリアミド12からなる構
成単位を有するコポリアミドを意味する。このコポリア
ミドの組成は種々の割合が可能であり、本発明において
はいかなる割合であってもかまわないが、ポリオキシメ
チレン樹脂との相溶性と分散性の点からこのコポリアミ
ドは融点が通常、50〜200℃、特に好ましくは80
〜170℃の範囲にある組成である。これらのホルムア
ルデヒド捕捉剤の添加量はポリオキシメチレン樹脂10
0重量部に対して通常、0.01〜10重量部、好まし
くは0.01〜3.0重量部である。0.01重量部よ
り少ないと添加効果が現われず、また、10重量部より
多いと色調変化が大きく、ブリード現象がみられるので
好ましくない。
【0021】本発明で使用する(F)脂肪酸のアルカリ
土類金属塩としては、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、
カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン
酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリ
ン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、オレイン
酸、リノール酸、リシノール酸、12−ヒドロキシステ
アリン酸などのカルシウム塩、マグネシウム塩、ストロ
ンチウム塩、バリウム塩があげられる。この中でステア
リン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ベヘン
酸カルシウム、ベヘン酸マグネシウム、12−ヒドロキ
システアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリ
ン酸マグネシウムが好ましい。この添加量はポリオキシ
メチレン樹脂100重量部に対して通常、0.01〜1
0重量部、好ましくは0.01〜3.0重量部である。
0.01重量部より少ないと添加効果が現われず、ま
た、10重量部より多いと色調変化が大きくなるので好
ましくない。
【0022】本発明のポリオキシメチレン樹脂組成物の
製造方法としては、通常公知の方法が採用できる。例え
ば、ポリオキシメチレン樹脂の重合ないしは安定化工程
で本発明で使用する安定剤を添加する方法、ポリオキシ
メチレン樹脂と本発明で使用する安定剤をペレット状、
粉状、または粒状で混合し、このまま溶融加工してもよ
いが、バンバリーミキサー、ロール、押出機等により溶
融混合する方法も採用できる。また、一般に市販されて
いるポリオキシメチレン樹脂に本発明で使用される安定
剤を上記と同様の方法で溶融混練する方法も採用でき
る。特に1軸ないしは2軸の押出機を使用して、150
〜250℃の温度で溶融混合する方法が好ましい。
【0023】また、本発明の樹脂組成物には本発明の効
果を損なわない範囲で、着色剤(顔料、染料)、核剤、
可塑剤、エチレンビスステアロアミド、ポリエチレンワ
ックスのような離型剤、カーボンブラックのような導電
剤、チオエーテル系化合物、ホスファイト系化合物のよ
うな酸化防止剤、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリ
アゾール系化合物のような光安定剤、粘着剤、金属石鹸
のような滑剤、耐加水分解改良剤、接着助剤などの添加
剤を任意に含有させることができる。
【0024】本発明により得られるポリオキシメチレン
樹脂は、センサー、LEDランプ、コネクター、ソケッ
ト、抵抗器、リレーケース、スイッチ、コイルホビン、
コンデンサー、バリコンケース、光ピックアップ、発信
子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント基盤、チュ
ーナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドフォン、
小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、
半導体、液晶、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、磁
気テープカセットリール、モーターブラッシュホルダ
ー、パラボラアンテナ、コンピューター関連部品等に代
表される電気・電子部品用途に好適に用いられるが、そ
の他の用途即ちVTR部品、VTRカメラ部品、テレビ
部品、アイロン、ヘアードライヤー、シェーバー、扇風
機、ジューサー、炊飯器部品、電子レンジ部品、ヘッド
フォンステレオ、ラジカセ、オーディオ・レーザーディ
スク、コンパクトディスク等の音響機器部品、照明部
品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプライター部品、
電卓、ワードプロセッサー部品等に代表される家庭、事
務電気製品部品、オフィスコンピューター関連部品、電
話機関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部
品、洗浄用冶具、モーター部品、ライター、タイプライ
ターなどに代表される機械関連部品、顕微鏡、双眼鏡、
カメラ、時計等に代表される光学機器、精密機械関連部
品、オルタネーターターミナル、オルタネーターコネク
ター、ICレギュレーター、ライトディヤー用ポテンシ
オメーターベース、排気ガスバルブ等の各種バルブ、燃
料関係・排気系・吸気系各種パイプ、エアーインテーク
ノズルスノーケル、インテークマニホールド、燃料ポン
プ、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボ
ディー、キャブレタースペーサー、排気ガスセンサー、
冷却水センサー、湯温センサー、ブレーキパッドウェア
センサー、スロットルポジションセンサー、クランクシ
ャフトポジションセンサー、エアーフローメーター、ブ
レーキパッド摩耗センサー、エアコン用サーモスタット
ベース、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエー
ターモーター用ブラッシュホルダー、ウォーターポンプ
インペラー、タービンベイン、ワイパーモーター関係部
品、デュストリビューター、スタータースイッチ、スタ
ーターリレー、トランスミッション用ワイヤーハーネ
ス、エアコンパネルスイッチ基盤、燃料関係電磁気弁用
コイル、ヒューズ用コネクター、ホーンターミナル、電
装部品絶縁板、ステップモーターローター、ランプソケ
ット、ランプリフレクター、ランプハウジング、ブレー
キピストン、ソレノイドホビン、エンジンオイルフィル
ター、ラジエータードレーンコック、インタンクフュエ
ルポンプ、ダイヤフラム弁、オートアンテナギアケー
ス、ドアロック、ウィンカースイッチ、ワイパーギア、
ワイパーピポットベアリング、スピードメーターギア、
パーツ、ハウジング、ウインドウガラスボトムチャネ
ル、シートベルトハウジング、シートベルトリトラクタ
ーパーツ、ヒーターコントロールレバー、インサイドド
アハンドル、レギュレーターハンドル、アウタードアハ
ンドル、サンバイザーブラケット、コラプシブルルーム
ミラーステー、シートフック、フェンダーミラーケー
ス、フューエルキャップ、ウインドウウォッシャーノズ
ル、点火装置等の自動車・車両関連部品、自転車、芝刈
機、間仕切りコーナーピース、カーテンライナー、ブラ
インドギア、戸車、オフィス家具パーツ、各種ファスナ
ー、配管システム、ホースジョイント、バルブ、ビンデ
ィング、アジャスト、各種止め具、メーター、シューズ
部品、玩具、オルゴール、くし等の美容部品、キャスタ
ーブラケット、ローラー、キャップ、メジャー部品、ラ
イター、エアゾールボトル、スポーツ用具等、その他各
種一般機器部品などに用いることも可能である。
【0025】以下実施例を挙げて説明するが、本発明
は、これらに限定されるものではない。
【0026】
【実施例】以下実施例によって本発明を説明する。な
お、実施例中の%及び部はすべて重量基準である。ま
た、実施例及び比較例中に示される成形品の機械物性、
溶融滞留安定性試験、耐熱エージング性試験、耐光性試
験は次のようにして行った。
【0027】・成形:5オンスの射出能力を有する射出
成形機を用いて、シリンダ温度190℃、金型温度80
℃、成形サイクル30秒に設定して、ASTM1号ダン
ベル試験片を射出成形した。 ・初期色調:上記射出成形で得られたASTM1号ダン
ベル試験片のYI(イエロー・インデックス)値をSM
カラーコンピュータ(スガ試験機)により測定した。 ・機械物性:上記射出成形で得られたASTM1号ダン
ベル試験片を用い、ASTM D−638法に準じて引
張強度を測定した。 ・溶融滞留安定性試験:ペレット10.0gをアルミホ
イル製容器に入れ、240℃オーブン中で1時間溶融滞
留させた。試験後、室温で固化したサンプルの重量と色
調(YI値)を測定した。 ・耐熱エージング性試験:上記射出成形で得られたAS
TM1号ダンベル試験片を140℃に加熱したギア・オ
ーブン中で50日間エージングしたのち、引張強度とダ
ンベルの色調を測定した。 ・耐光性試験:上記射出成形で得られたASTM1号ダ
ンベル試験片をフェードメーター中で83℃、1,00
0時間試験した。試験前後の色調を上記カラーコンピュ
ータで測定し、色調変化を△Eとして求めた。
【0028】実施例および比較例では、(A)ポリオキ
シメチレン樹脂として、下記の方法で製造したオキシメ
チレン共重合体(P−1)、または、市販のコポリマ
(ポリプラスチックス“ジュラコン”M90−44)
(P−2)を使用した。
【0029】 ・オキシメチレン共重合体(P−1)の製造方法 2軸押出機型重合機(100mmφ、シリンダー長
(L)/シリンダー径(D)=10.2)にトリオキサ
ン(25kg/h),1,3−ジオキソラン(810g
/h),また、トリオキサンに対して触媒として110
ppmの三フッ化ホウ素・ジエチルエーテラート(2.
5%ベンゼン溶液)、分子量調節剤として700ppm
のメチラールをそれぞれ供給し、連続重合を行った。重
合は外部ジャケットを60℃にコントロールし、回転数
は50rpmで行った。メチラールはトリオキサン中に
溶解した。また、1,3−ジオキソランと触媒溶液は重
合機へ供給する直前に予備混合されるように予備混合ゾ
ーンを設けた。重合体は白色微粉末として23.0kg
/hで得られた。
【0030】このようにして得られた微粉末5kgに対
して、9.0gの“サノール”LS765[三共、ビス
(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ル)セバケート]を50mlのベンゼンに溶解した溶液
を添加し、ヘンシェルミキサー中で3分間撹拌して触媒
失活を行った。さらに“イルガノックス”245[チバ
ガイギー、トリエチレングリコール−ビス{3−(3−
t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート}]20g、12−ヒドロキシステアリン
酸カルシウム10gを添加したのち、ベント付40mm
φ2軸押出機を用いて230℃/10mmtorrで加
熱溶融し、P−1を得た。
【0031】実施例、比較例で使用した(B)次亜リン
酸塩、(C)ヒンダードフェノール系化合物、(D)ヒ
ンダードアミン系化合物、(E)ホルムアルデヒド捕捉
剤、(F)脂肪酸のアルカリ土類金属塩は次の通りであ
る。 ・HP−1:次亜リン酸ナトリウム ・HP−2:次亜リン酸カルシウム ・HP−3:亜リン酸ナトリウム ・HP−4:リン酸ナトリウム
【0032】・AO−1:トリエチレングリコール−ビ
ス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート](チバガイギー“イルガ
ノックス”245) ・AO−2:1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート](チバガイギー“イルガノックス”2
59) ・AO−3:ペンタエリスリチル−テトラキス[3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート](チバガイギー“イルガノックス”1
010)
【0033】・HA−1:ビス(1,2,2,6,6−
ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート(三共“サ
ノール”LS765) ・HA−2:コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシ
エチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメ
チルピペリジン重縮合物(チバガイギー“チヌビン”6
22LD) ・HA−3:N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エ
チレンジアミン・2,4−ビス[N−ブチル−N−
(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮
合物(チバガイギー“キマソーブ”119FL) ・HA−4:ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメ
チルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4
−ジイル}{2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペ
リジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)}](チバガ
イギー“キマソーブ”944FL)
【0034】・TH−1:ポリアミド6/66/610
/12四元共重合体(共重合組成6/66/610/1
2=22/16/12/50(wt%))なお、このTH−1は次の重合方法により製造した。す
なわち、耐圧3MPa、内容積3リットルのステンレス
製オートクレーブに、ε−カプロラクタム:255グラ
ム(アミノカプロン酸として220グラム相当)、ナイ
ロン66塩:120グラム、ナイロン610塩:160
グラム、12−アミノドデカン酸:500グラム、1モ
ル/リットルの酢酸水溶液:44ミリリットル、および
水:150ミリリットルを仕込み、内部を窒素置換した
後に、密閉、昇温した。昇温開始から1.5時間後に、
内圧:1.75MPa、内温:222℃に達した。その
後、バルブ調節により、内圧:1.75MPaを保ちつ
つ昇温を2時間続け、内温:265℃に至らせしめた。
引き続き加熱を続けながら、1.5時間かけて、バルブ
調節により内圧を大気圧に至らせしめた。このときの内
温は275℃に達していた。加熱をさらに1時間続けた
後、窒素により内圧:0.5MPaまで加圧し、バルブ
よりガット状でポリマーを取り出した。 ・TH−2:ポリアミド6/66/610/12四元共
重合体(共重合組成6/66/610/12=33/1
7/33/17(wt%))なお、このTH−2は次の重合方法により製造した。す
なわち、原料の仕込み組成を、ε−カプロラクタム:3
83グラム(アミノカプロン酸として330グラム相
当)、ナイロン66塩:170グラム、ナイロン610
塩:330グラム、12−アミノドデカン酸:170グ
ラム、1モル/リットルの酢酸水溶液:44ミリリット
ル、および水:150ミリリットルとした以外は、上記
TH−1の場合と同様の条件で重合した。 ・TH−3:メラミン ・TH−4:ベンゾグアナミン
【0035】 ・FS−1:12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム ・FS−2:ステアリン酸カルシウム ・FS−3:ベヘン酸マグネシウム
【0036】実施例1〜17,比較例1〜8 ポリオキシメチレン樹脂P−1,2に対して表1に示す
割合で、安定剤を添加し、池貝鉄工所製ベント付2軸4
5mmφ押出機を用いて200〜210℃/10mm
torrで溶融押出混練した。
【0037】
【表1】
【0038】但し、P−1に添加した(C)ヒンダード
フェノール系化合物は、上記P−1の製造方法で示した
加熱溶融の際“イルガノックス”245(AO−1)の
代わりに添加した。P−1に添加した(D)ヒンダード
アミン系化合物は、上記P−1の製造方法で示した触媒
失活の際に、“サノール”LS765(HA−1)の代
わりに添加した。得られた組成物はストランドとして押
出され、カッタによってペレタイズされた。このペレッ
トを熱風循環オーブン中、80℃で3時間乾燥したの
ち、成形を行い、機械物性の測定に供した。また、連続
成形時におけるホルムアルデヒド臭気の発生状況を評価
した。更に乾燥したペレットを用いて溶融滞留安定性の
評価を行った。これらの結果を表2にまとめた。
【0039】
【表2】
【0040】これらの結果から本発明のポリオキシメチ
レン樹脂組成物が初期色調と溶融滞留時の色調安定性と
耐熱エージング時の色調安定性に優れ、かつ、耐光性に
優れていることが明らかである。
【0041】
【発明の効果】本発明のポリオキシメチレン樹脂組成物
は、初期色調と溶融滞留時の色調安定性と耐熱エージン
グ時の色調安定性に優れ、かつ、耐光性に優れている。
従って、色調や耐熱エージング時の色調安定性に優れて
いる上に、溶融滞留時の色調安定性に優れていることか
ら成形が非常にしやすくなり、電気・電子分野、自動車
分野などの機械機構部品として広範囲に使用することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 59/00 - 59/04

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)充填剤を含まないポリオキシメチ
    レン樹脂100重量部に対して(B)次亜リン酸塩0.
    00001〜10重量部を含有してなるポリオキシメチ
    レン樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (B)次亜リン酸塩がアルカリ金属また
    はアルカリ土類金属の次亜リン酸塩から選ばれた1種以
    上の化合物である請求項1記載のポリオキシメチレン樹
    脂組成物。
  3. 【請求項3】 (B)次亜リン酸塩が次亜リン酸ナトリ
    ウム及び/または次亜リン酸カルシウムである請求項1
    記載のポリオキシメチレン樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (A)充填剤を含まないポリオキシメチ
    レン樹脂100重量部に対して (B)次亜リン酸塩0.00001〜10重量部 (C)分子量400以上のヒンダードフェノール系化合
    物0.01〜10重量部 (D)分子量400以上のヒンダードアミン系化合物
    0.01〜10重量部 (E)ホルムアルデヒド捕捉剤0.01〜10重量部を
    含有してなるポリオキシメチレン樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 (C)分子量400以上のヒンダードフ
    ェノール系化合物がトリエチレングリコール−ビス[3
    −(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェ
    ニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−
    ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
    フェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリチル−テ
    トラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
    キシフェニル)プロピオネート]から選ばれた1種以上
    の化合物である請求項4記載のポリオキシメチレン樹脂
    組成物。
  6. 【請求項6】 (D)分子量400以上のヒンダードア
    ミン系化合物がビス(2,2,6,6−テトラメチル−
    4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,
    6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、コハ
    ク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒ
    ドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重
    縮合物、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレ
    ンジアミン・2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,
    2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミ
    ノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、ポ
    リ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)ア
    ミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}
    {2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イ
    ミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチ
    ル−4−ピペリジル)イミノ)}]から選ばれた1種以
    上の化合物である請求項4記載のポリオキシメチレン樹
    脂組成物。
  7. 【請求項7】 (E)ホルムアルデヒド捕捉剤がポリア
    ミド、メラミン、ベンゾグアナミン、シアノグアニジ
    ン、ポリアクリルアミドから選ばれた1種以上の化合物
    である請求項4記載のポリオキシメチレン樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 ポリアミドがポリアミド6/66/61
    0/12四元共重合体である請求項7記載のポリオキシ
    メチレン樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 (A)充填剤を含まないポリオキシメチ
    レン樹脂100重量部に対して (B)次亜リン酸塩0.00001〜10重量部 (C)分子量400以上のヒンダードフェノール系化合
    物0.01〜10重量部 (D)分子量400以上のヒンダードアミン系化合物
    0.01〜10重量部 (E)ホルムアルデヒド捕捉剤0.01〜10重量部 (F)脂肪酸のアルカリ土類金属塩0.01〜10重量
    部を含有してなるポリオキシメチレン樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 (F)脂肪酸のアルカリ土類金属塩が
    ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、
    ベヘン酸カルシウム、ベヘン酸マグネシウム、12−ヒ
    ドロキシステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシス
    テアリン酸マグネシウムから選ばれた1種以上の化合物
    である請求項9記載のポリオキシメチレン樹脂組成物。
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