JP2003147161A - ポリオキシメチレン樹脂組成物 - Google Patents

ポリオキシメチレン樹脂組成物

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JP2003147161A
JP2003147161A JP2001348775A JP2001348775A JP2003147161A JP 2003147161 A JP2003147161 A JP 2003147161A JP 2001348775 A JP2001348775 A JP 2001348775A JP 2001348775 A JP2001348775 A JP 2001348775A JP 2003147161 A JP2003147161 A JP 2003147161A
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polyoxymethylene resin
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glycoluril
heat stabilizer
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Mitsunari Togawa
三成 外川
Toru Nishimura
西村  透
Hiroo Karasawa
啓夫 唐澤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】熱安定性がきわめて高く成形作業性が良好で、
且つ異物が少なく外観の優れたポリオキシメチレン樹脂
組成物を提供する。 【解決手段】(A)ポリオキシメチレン樹脂100重量
部に対して、(B)グリコールウリル構造を有する熱安
定剤0.01〜10重量部を配合してなるポリオキシメ
チレン樹脂組成物であり、グリコールウリル構造を有す
る熱安定剤がホルムアルデヒドとグリコールウリル構造
を有する化合物との反応生成物および/または該反応生
成物の誘導体であるポリオキシメチレン樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱安定性がきわめ
て高く成形作業性が良好で、且つ異物が少なく外観の優
れたポリオキシメチレン樹脂組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ポリオキシメチレン樹脂は機械的強度と
耐衝撃性のバランスのとれたエンジニアリングプラスチ
ックとして知られ、電子機器用品、自動車部品として広
範な分野において使用されている。近年、屋外や高温下
などの過酷な条件で使用する部品にポリオキシメチレン
樹脂を使用することも多くなってきている。しかしなが
らポリオキシメチレン樹脂は構造上熱安定性に乏しいこ
とから、熱安定性を付与するためにヒンダードフェノー
ルを代表とする酸化防止剤や、分解により発生するホル
ムアルデヒドを捕捉するホルムアルデヒド捕捉剤など、
従来より様々な耐熱安定剤の配合処方が検討されてき
た。
【0003】例えばポリオキシメチレン樹脂の熱安定性
を向上させる方法として、特公昭34−5440号公報
にはポリアミド樹脂を配合したポリオキシメチレン樹脂
組成物が開示されているが、該組成物は高温、長時間で
の熱安定性は優れるものの、発生するホルムアルデヒド
との作用、および酸素の作用を受けての黄褐色への変色
や、成形時に赤褐色の異物が生成し成形不良品が多量に
発生するという問題点がある。
【0004】特公昭40−21148号公報にはシアノ
グアニジン、ベンゾグアナミン、メラミン化合物等のア
ミジン化合物を配合したポリオキシメチレン樹脂組成物
が開示されているが、熱安定性の改良効果が小さく、ま
たアミジン化合物はポリオキシメチレン樹脂との相溶性
が乏しいため高温下で長時間放置するとアミジン化合物
がブリードアウトするといった問題点がある。
【0005】特公平7−116346号公報には機械的
性質と熱安定性を改良することを目的にホルムアルデヒ
ドとグアニジン、尿素、置換もしくは非置換のグアナミ
ン、およびメラミンの少なくとも1種との縮合生成物か
ら選ばれたアミノプレポリマー10〜40重量%を配合
したポリオキシメチレン樹脂組成物が開示されている
が、該組成物は熱安定性が充分でなく、また成形品外観
の悪化や溶融時流動性の低下などの問題点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
に鑑み、熱安定性が極めて高く、成形作業性が良好であ
り、異物の生成が少なく外観の優れたポリオキシメチレ
ン樹脂組成物を提供することをその目的とするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題点
を解決すべく鋭意検討した結果、ポリオキシメチレン樹
脂に対して特定のグリコールウリル構造を有する熱安定
剤を配合することにより、上記目的が達成されることを
見いだし、本発明に到達した。
【0008】即ち、本発明は、(A)ポリオキシメチレ
ン樹脂100重量部に対して、(B)グリコールウリル
構造を有する熱安定剤0.01〜10重量部を配合して
なるポリオキシメチレン樹脂組成物であり、グリコール
ウリル構造を有する熱安定剤がホルムアルデヒドとグリ
コールウリル構造を有する化合物との反応生成物および
/または該反応生成物の誘導体であるポリオキシメチレ
ン樹脂組成物、グリコールウリル構造を有する熱安定剤
がN−メチロールグリコールウリル化合物のメチロール
基の一部または全部をC1〜C8のアルキルアルコール
でアルキル化したものであるポリオキシメチレン樹脂組
成物、およびグリコールウリル構造を有する熱安定剤が
下記一般式(I)で表わされる化合物の単量体および/
または縮合物であるポリオキシメチレン樹脂組成物であ
る。
【0009】
【化2】 [式中、R1〜R4は水素原子、メチロール基またはア
ルコキシメチル基 −CH2OR’(R’はC1〜C8
のアルキル基)、炭化水素基またはハロ−もしくはニト
ロ−置換炭化水素基のいずれかを表わし、R1〜R4の
少なくとも1つはメチロール基またはアルコキシメチル
基を表わす。]
【0010】
【発明の実施の形態】本発明におけるポリオキシメチレ
ン樹脂としては、オキシメチレン単独重合体、及び、主
としてオキシメチレン単位からなり、ポリマ主鎖中に少
なくとも1種の炭素数2〜8のオキシアルキレン単位を
含有するオキシメチレン共重合体が使用できる。
【0011】オキシメチレン単独重合体としては、末端
の不安定なヒドロキシル基をエステル基またはエーテル
基等に置換し、安定化されたオキシメチレン・ホモポリ
マが好ましく用いられる。例えば、無水のホルムアルデ
ヒドを、有機アミン、有機あるいは無機の錫化合物、金
属水酸化物のような塩基性重合触媒を含有する有機溶媒
中に導入して重合し、重合体を濾別したのち、無水酢酸
中、酢酸ナトリウムの存在下で加熱して末端をアセチル
化して得られるオキシメチレン単独重合体などが挙げら
れる。
【0012】オキシメチレン共重合体としては、例え
ば、無水のトリオキサン、あるいは、テトラオキサンの
ようなホルムアルデヒドの環状オリゴマと共重合成分と
しての少なくとも1種の環状エーテルまたは環状ホルマ
ールとを、シクロヘキサンやベンゼンのような有機溶媒
中に溶解、あるいは、懸濁したのち、三フッ化ホウ素・
ジエチルエーテラートのようなルイス酸触媒を添加して
重合し、不安定末端を分解除去して製造したものなどが
使用できる。また、溶媒を全く使用せずにセルフクリー
ニング型撹拌機の中へ、トリオキサンと共重合成分/触
媒の予備混合物を導入して塊状重合したものも使用でき
る。さらに所望により、この重合体から洗浄によって触
媒を除去、あるいは、失活剤によって触媒を失活させた
のち、不安定末端を分解除去したものでもよい。特に好
ましいのは、トリオキサンと環状エーテルまたは環状ホ
ルマールとを、三フッ化ホウ素・ジエチルエーテラート
のようなルイス酸触媒の存在下、塊状重合させたのち、
ヒンダードアミン化合物を添加して重合反応を停止さ
せ、更に不安定末端を分解除去して得られたオキシメチ
レン共重合体である。
【0013】本発明におけるグリコールウリル構造を有
する熱安定剤としては、ホルムアルデヒドとグリコール
ウリル構造を有する化合物との反応生成物および/また
は該反応生成物の誘導体を用いることができる。
【0014】本発明に言うグリコールウリル構造を有す
る化合物とは、グリコールウリルの非置換もしくは置換
化合物であり、具体例として、グリコールウリル、N−
置換グリコールウリル、N,N’−ジ置換グリコールウ
リル、N,N’,N”−トリ置換グリコールウリルが挙
げられる。置換基は炭化水素基あるいはハロ−もしくは
ニトロ−置換炭化水素基であり、個々の置換基は同一で
も異なっていても良い。これらのなかで商業的に入手し
うるグリコールウリルは最も有用である。
【0015】グリコールウリル構造を有する熱安定剤
は、従来公知の方法で製造される。例えば、ホルムアル
デヒドとグリコールウリル構造を有する化合物を反応さ
せ、N−メチロールグリコールウリル化合物を生成さ
せ、ついで好適な条件下でアルキルアルコール類で処理
してN原子に結合しているメチロール部分を部分的に又
は完全にアルキル化することで製造することができる。
このとき用いるアルキルアルコール類はC1〜C8のア
ルキルアルコールであることが好ましく、C1〜C4の
アルキルアルコールが特に好ましい。
【0016】グリコールウリル構造を有する熱安定剤と
しては、上記式(I)で表わされるような単量体も好まし
く用いられるが、単量体の縮合物であっても、また単量
体と縮合物との混合物であっても良い。通常、ホルムア
ルデヒドとグリコールウリル化合物の反応により生成す
るN−メチロール基含有化合物は、水の放出を伴ってお
互いに縮合し縮合体を生成する。上記式(I)中で、R
1〜R4は水素原子、メチロール基、アルコキシメチル
基 −CH2OR’(R’はC1〜C8のアルキル
基)、R1〜R4の少なくとも1つはメチロール基また
はアルコキシメチル基である場合が特に好ましい。
【0017】グリコールウリル構造を有する熱安定剤の
配合量は、ポリオキシメチレン樹脂100重量部に対
し、0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重
量部である。0.01重量部より少ないと、ポリオキシ
メチレン樹脂組成物に充分な熱安定性を付与することが
困難になる。また、10重量部より多い場合、熱安定性
が著しく低下するだけでなく樹脂組成物中の異物数が増
加し外観が悪化する。
【0018】本発明のポリオキシメチレン樹脂組成物の
製造方法としては、通常公知の方法が採用できる。例え
ば、ポリオキシメチレン樹脂の重合ないしは安定化工程
で上記グリコールウリル構造を有する熱安定剤を添加す
る方法、ポリオキシメチレン樹脂と上記グリコールウリ
ル構造を有する熱安定剤をペレット状、粉状、または粒
状で混合し、このまま溶融加工してもよいが、バンバリ
ーミキサー、ロール、押出機等により溶融混合する方法
も採用できる。また、一般に市販されているポリオキシ
メチレン樹脂に上記グリコールウリル構造を有する熱安
定剤を上記と同様の方法で溶融混練する方法も採用でき
る。特に1軸ないしは2軸の押出機を使用して、150
〜250℃の温度で溶融混合する方法が好ましい。
【0019】また、本発明のポリオキシメチレン樹脂組
成物には、本発明の効果を損なわない範囲で炭酸カルシ
ウム、ステアリン酸カルシウム、硫酸バリウム、クレ
ー、酸化チタン、酸化珪素、マイカ粉末、ガラスビーズ
のような充填剤、炭素繊維、ガラス繊維、セラミック繊
維、アラミド繊維、チタン酸カリウム繊維のような補強
剤、着色剤(顔料、染料)、核剤、可塑剤、エチレンビ
スステアロアミド、ポリエチレンワックスのような離型
剤、カーボンブラックのような導電剤、チオエーテル系
化合物、ホスファイト系化合物のような酸化防止剤、ベ
ンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物の
ような光安定剤、粘着剤、金属石鹸のような滑剤、耐加
水分解改良剤、接着助剤などの添加剤を任意に含有させ
ることができる。
【0020】本発明のポリオキシメチレン樹脂は、セン
サー、LEDランプ、コネクター、ソケット、抵抗器、
リレーケース、スイッチ、コイルホビン、コンデンサ
ー、バリコンケース、光ピックアップ、発信子、各種端
子板、変成器、プラグ、プリント基盤、チューナー、ス
ピーカー、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モータ
ー、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、半導体、液
晶、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、磁気テープカ
セットリール、モーターブラッシュホルダー、パラボラ
アンテナ、コンピューター関連部品等に代表される電気
・電子部品用途に好適に用いられるが、その他の用途即
ちVTR部品、VTRカメラ部品、テレビ部品、アイロ
ン、ヘアードライヤー、シェーバー、扇風機、ジューサ
ー、炊飯器部品、電子レンジ部品、ヘッドフォンステレ
オ、ラジカセ、オーディオ・レーザーディスク(登録商
標)、コンパクトディスク等の音響機器部品、照明部
品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプライター部品、
電卓、ワードプロセッサー部品等に代表される家庭、事
務電気製品部品、オフィスコンピューター関連部品、電
話機関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部
品、洗浄用冶具、モーター部品、ライター、タイプライ
ターなどに代表される機械関連部品、顕微鏡、双眼鏡、
カメラ、時計等に代表される光学機器、精密機械関連部
品、オルタネーターターミナル、オルタネーターコネク
ター、ICレギュレーター、ライトディヤー用ポテンシ
オメーターベース、排気ガスバルブ等の各種バルブ、燃
料関係・排気系・吸気系各種パイプ、エアーインテーク
ノズルスノーケル、インテークマニホールド、燃料ポン
プ、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボ
ディー、キャブレタースペーサー、排気ガスセンサー、
冷却水センサー、湯温センサー、ブレーキパッドウェア
センサー、スロットルポジションセンサー、クランクシ
ャフトポジションセンサー、エアーフローメーター、ブ
レーキパッド摩耗センサー、エアコン用サーモスタット
ベース、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエー
ターモーター用ブラッシュホルダー、ウオーターポンプ
インペラー、タービンベイン、ワイパーモーター関係部
品、デュストリビューター、スタータースイッチ、スタ
ーターリレー、トランスミッション用ワイヤーハーネ
ス、エアコンパネルスイッチ基盤、燃料関係電磁気弁用
コイル、ヒューズ用コネクター、ホーンターミナル、電
装部品絶縁板、ステップモーターローター、ランプソケ
ット、ランプリフレクター、ランプハウジング、ブレー
キピストン、ソレノイドホビン、エンジンオイルフィル
ター、ラジエータードレーンコック、インタンクフュエ
ルポンプ、ダイヤフラム弁、オートアンテナギアケー
ス、ドアロック、ウィンカースイッチ、ワイパーギア、
ワイパーピポットベアリング、スピードメーターギア、
パーツ、ハウジング、ウインドウガラスボトムチャネ
ル、シートベルトハウジング、シートベルトリトラクタ
ーパーツ、ヒーターコントロールレバー、インサイドド
アハンドル、レギュレーターハンドル、アウタードアハ
ンドル、サンバイザーブラケット、コラプシルルーミミ
ラーステー、シートフック、フェンダーミラーケース、
フューエルキャップ、ウインドウウォッシャーノズル、
点火装置等の自動車・車両関連部品、自転車、芝刈機、
間仕切りコーナーピース、カーテンライナー、ブライン
ドギア、戸車、オフィス家具パーツ、各種ファスナー、
配管システム、ホースジョイント、バルブ、ビンディン
グ、アジャスト、各種止め具、メーター、シューズ部
品、玩具、オルゴール、くし等の美容部品、キャスター
ブラケット、ローラー、キャップ、メジャー部品、エア
ゾールボトル、スポーツ用具等、その他各種一般機器部
品などに用いることも可能である。
【0021】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
なお、実施例中の%及び部はすべて重量基準である。ま
た、各測定値及び樹脂組成物の特性は次に示す方法に従
って求めた。
【0022】(1)アルキル化率:反応前のメチロール
基に対してアルキル化されたメチロール基の比率を意味
し、重水素化クロロホルムを溶媒に用い400メガヘル
ツのプロトン核磁気共鳴スペクトル法で求めた。
【0023】(2)平均重合度:グリコールウリル構造
を有する熱安定剤の重合度は、テトラヒドロフランを溶
媒、排除限界分子量1000以下の分離カラムを用いゲ
ル浸透クロマトグラフィー法で決定した。
【0024】(3)遊離ホルマリン量:アミノ基含有ト
リアジン構造を有する熱安定剤から水で遊離ホルムアル
デヒドを抽出し、亜硫酸ナトリウム添加による逆滴定法
で決定した。
【0025】(4)オキシメチレンコポリマの加熱分解
率Kx:Kxは、x℃で一定時間放置した時の分解率を
意味し、サンプルペレットを空気雰囲気下、x℃で4時
間放置したときの減少重量から下記式で求めた。 Kx=(W0−W1)/W0 × 100% W0:加熱前サンプル重量 W1:加熱後サンプル重量。
【0026】(5)モールドデポジットの発生:射出成
形機を用いて、シリンダー温度215℃、金型温度40
℃でJIS4号ダンベルの成形品を連続的に射出成形す
る操作において、ピンゲート金型を使用し、モールドデ
ポジット発生により、金型表面汚れが目視で確認できる
までの成形数(MD発生ショット数)を求め、評価し
た。
【0027】(6)樹脂組成物中異物数:樹脂組成物ペ
レットを2000g取り、15分間、異物混入ペレット
の目視選別を行い、異物混入ペレット数を評価した。
【0028】実施例および比較例では、(A)ポリオキ
シメチレン樹脂として、下記の方法で製造したオキシメ
チレン共重合体(P−1)を使用した。
【0029】・オキシメチレン共重合体(P−1)の製
造方法 2軸押出機型重合機(100mmφ、シリンダー長
(L)/シリンダー径(D)=10.2)にトリオキサ
ン(25kg/h)、1,3−ジオキソラン(810g
/h)、また、トリオキサンに対して触媒として110
ppmの三フッ化ホウ素・ジエチルエーテラート(2.
5%ベンゼン溶液)、分子量調節剤として700ppm
のメチラールをそれぞれ供給し、連続重合を行った。重
合は外部ジャケットを60℃にコントロールし、回転数
は50rpmで行った。メチラールはトリオキサン中に
溶解した。また、1,3−ジオキソランと触媒溶液は重
合機へ供給する直前に予備混合されるように予備混合ゾ
ーンを設けた。重合体は白色微粉末として23.0kg
/hで得られた。このようにして得られた微粉末5kg
に対し9.0gの“サノール”LS765[三共製薬
(株)製、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−
4−ピペリジル)セバケート]を50mlのベンゼンに
溶解した溶液を添加し、ヘンシェルミキサー中で3分間
撹拌して触媒失活を行ったものを使用した。
【0030】実施例、比較例で使用した(B)グリコー
ルウリル構造を有する熱安定剤は下記の構造、特性を有
するものを使用した。
【0031】・グリコールウリル構造を有する熱安定剤
(B−1):下記(II)式の基本構造を有し、そのn
−ブチル化率が90モル%、平均重合度1.5であるグ
リコールウリル誘導体。遊離ホルマリン量は0.3重量
%であった。
【0032】
【化3】 ・グリコールウリル構造を有する熱安定剤(B−2):
上記(II)式の基本構造を有し、そのn−ブチル化率
が72モル%、平均重合度1.5であるグリコールウリ
ル誘導体。遊離ホルマリン量は1.5重量%であった。
【0033】・グリコールウリル構造を有する熱安定剤
(B−3):下記(III)式の基本構造を有し、その
メチル化率が92モル%、平均重合度1.5であるグリ
コールウリル誘導体。遊離ホルマリン量は0.05重量
%であった。
【0034】
【化4】 実施例1〜5、比較例1〜4 (A)ポリオキシメチレン樹脂(P−1)100重量部
と、“イルガノックス”245[チバガイギー(株)
製、トリエチレングリコール−ビス{3−(3−t−ブ
チル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート}]0.5重量部との混合物中に、(B−1)の
グリコールウリル誘導体を種々の割合で配合し、2軸押
出機を用いて溶融押出混練し、ポリオキシメチレン樹脂
組成物を調整した。
【0035】実施例6〜7、比較例5 実施例3の(B−1)の代わりに、(B−2)、(B−
3)、グリコールウリルを用いる以外は、実施例3と同
様にポリオキシメチレン樹脂組成物を調整した。
【0036】これらの結果を表1にまとめた。これらの
結果から本発明のポリオキシメチレン樹脂組成物が、熱
安定性に優れ成形作業が良好で、また異物の生成が少な
く外観的にも優れていることが明らかである。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明のポリオキシメチレン樹脂組成物
は、熱安定性に優れ、また異物の生成が少ないことから
成形が非常にしやすく、さらに外観も良好で、電気・電
子分野、自動車分野などの機械機構部品として広範囲に
使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 CB001 EU106 FD010 FD040 FD066 FD070 FD110 FD160 FD170

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリオキシメチレン樹脂100重量
    部に対して、(B) グリコールウリル構造を有する熱
    安定剤0.01〜10重量部を配合してなるポリオキシ
    メチレン樹脂組成物であり、グリコールウリル構造を有
    する熱安定剤がホルムアルデヒドとグリコールウリル構
    造を有する化合物との反応生成物および/または該反応
    生成物の誘導体であるポリオキシメチレン樹脂組成物。
  2. 【請求項2】(A)ポリオキシメチレン樹脂100重量
    部に対して、(B) グリコールウリル構造を有する熱
    安定剤0.01〜10重量部を配合してなるポリオキシ
    メチレン樹脂組成物であり、グリコールウリル構造を有
    する熱安定剤が、N−メチロールグリコールウリル化合
    物のメチロール基の一部または全部をC1〜C8のアル
    キルアルコールでアルキル化したものであるポリオキシ
    メチレン樹脂組成物。
  3. 【請求項3】(A)ポリオキシメチレン樹脂100重量
    部に対して、(B) グリコールウリル構造を有する熱
    安定剤0.01〜10重量部を配合してなるポリオキシ
    メチレン樹脂組成物であり、グリコールウリル構造を有
    する熱安定剤が、下記一般式(I)で表わされる化合物
    の単量体および/または縮合物であるポリオキシメチレ
    ン樹脂組成物。 【化1】 [式中、R1〜R4は水素原子、メチロール基またはア
    ルコキシメチル基 −CH2OR’(R’はC1〜C8
    のアルキル基)、炭化水素基またはハロ−もしくはニト
    ロ−置換炭化水素基のいずれかを表わし、R1〜R4の
    少なくとも1つはメチロール基またはアルコキシメチル
    基を表わす。]
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