JP2003268195A - ポリオキシメチレン樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

ポリオキシメチレン樹脂組成物の製造方法

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JP2003268195A
JP2003268195A JP2002072613A JP2002072613A JP2003268195A JP 2003268195 A JP2003268195 A JP 2003268195A JP 2002072613 A JP2002072613 A JP 2002072613A JP 2002072613 A JP2002072613 A JP 2002072613A JP 2003268195 A JP2003268195 A JP 2003268195A
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alkaline earth
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Genmei Ito
源明 伊藤
Mitsunari Togawa
三成 外川
Toru Nishimura
西村  透
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は高温及び長期の成形に耐え得るだけの
熱安定性に優れたポリオキシメチレン樹脂組成物の取得
を課題とする。 【解決手段】ポリオキシメチレン樹脂100重量部に対
して、アルカリ金属無機化合物およびアルカリ土類金属
無機化合物より選ばれる1種又は2種以上の化合物を
0.001〜5重量部添加した後に、飽和脂肪酸の金属
塩を0.001〜5重量部添加することを特徴とする飽
和脂肪酸の金属塩含有ポリオキシメチレン樹脂組成物の
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形時のホルムア
ルデヒド臭やモールドデポジットがきわめて少なく熱安
定性に優れたポリオキシメチレン樹脂組成物に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】ポリオキシメチレン樹脂は機械的強度と
耐衝撃性のバランスのとれたエンジニアリングプラスチ
ックとして知られ、電子機器用品、自動車部品として広
範な分野において使用されている。しかしながら、ポリ
オキシメチレン樹脂は構造上熱安定性に乏しく、成形時
にホルムアルデヒド・ガスが発生して作業環境を悪化さ
せたり、一般にモールドデポジットといわれる金型上に
生成したオリゴマーなどの付着により、成形品の外観を
損なうなどの改良すべき点がいくつかある。このポリオ
キシメチレン樹脂の欠点を改良する方法として、従来よ
り実に様々な安定剤処方が考案されてきた。例えば、特
公昭55−22508号公報には、立体障害性フェノー
ルと炭素数10〜22の脂肪酸のアルカリ土類金属塩お
よび/またはアルカリ土類金属の水酸化物との組み合わ
せが、特公昭60−56748号公報には、立体障害性
フェノールと炭素数22〜36の脂肪酸のアルカリ土類
金属塩との組み合わせが、特公昭62−4422号公報
には、ポリアミドと、炭素数12〜35の脂肪酸、炭素
数12〜35の脂肪酸のカルシウム塩、炭素数12〜3
5の脂肪族アルコールのカルシウム、または、マグネシ
ウム塩からなる群の少なくとも一つとの組み合わせが、
特公昭62−58387号公報には、アミン置換トリア
ジン化合物と立体障害性フェノールとアルカリ金属また
はアルカリ土類金属の水酸化物、無機酸塩、カルボン酸
塩またはアルコキシドとからなる組み合わせが、特開平
4−63857号公報には、炭素数2〜10を有する多
価アルコールと炭素数22〜32を有する高級脂肪酸と
から誘導される多価アルコールの脂肪酸エステルと炭素
数12〜35の脂肪酸のアルカリ土類金属塩の組み合わ
せが、特開平7−173368号公報には、立体障害性
フェノールとアミン置換トリアジン化合物とアルカリ金
属またはアルカリ土類金属の水酸化物、または、無機酸
塩、あるいは、アルコキシドからなる群で示される金属
含有化合物と炭素数10から36の脂肪酸のアルカリ金
属塩、または、アルカリ土類金属塩と炭素数2〜10を
有する多価アルコールと炭素数10〜32を有する高級
脂肪酸とから誘導される多価アルコールの脂肪酸エステ
ルと炭素数10以上の長鎖を有する高級脂肪酸アミドの
組み合わせが提案されている。
【0003】しかしながら、上記いずれの公報において
も実質的にアルカリ金属無機化合物およびアルカリ土類
金属無機化合物と、飽和脂肪酸の金属塩とをポリオキシ
メチレン樹脂に同時に添加するため、得られるポリオキ
シメチレン樹脂組成物の熱安定性はなお十分ではなかっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は高温
及び長期の成形に耐え得るだけの熱安定性に優れたポリ
オキシメチレン樹脂組成物の取得を課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、ポリオキシメチレン樹脂
100重量部に対して、(イ)アルカリ金属無機化合物
およびアルカリ土類金属無機化合物より選ばれる1種又
は2種以上の化合物を0.001〜5重量部添加した後
に、(ロ)飽和脂肪酸の金属塩を0.001〜5重量部
添加することにより、きわめて熱安定性が高くなること
を見いだし、本発明に到達した。即ち、本発明は、
(1)ポリオキシメチレン樹脂100重量部に対して、
(イ)アルカリ金属無機化合物およびアルカリ土類金属
無機化合物より選ばれる1種又は2種以上の化合物を
0.001〜5重量部添加した後に、(ロ)飽和脂肪酸
の金属塩を0.001〜5重量部添加することを特徴と
する飽和脂肪酸の金属塩含有ポリオキシメチレン樹脂組
成物の製造方法、(2)(イ)化合物が、アルカリ金属
の炭酸塩、アルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ金属の
リン酸塩、アルカリ土類金属のリン酸塩、アルカリ金属
の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ金
属の酸化物およびアルカリ土類金属の酸化物から選択さ
れる1種又は2種以上の化合物である上記(1)記載の
ポリオキシメチレン樹脂組成物の製造方法、(3)
(ロ)飽和脂肪酸の金属塩が水酸基を有することを特徴
とする上記(1)記載のポリオキシメチレン樹脂組成物
の製造方法、(4)更に下記(A)および(B)から選
ばれる1種以上の化合物を含有してなる上記(1)〜
(3)いずれか記載のポリオキシメチレン樹脂組成物の
製造方法、(A)ポリオキシメチレン樹脂100重量部
に対して、分子量400以上のヒンダードフェノール系
化合物0.01〜10重量部 (B)ポリオキシメチレン樹脂100重量部に対して、
分子量400以上のヒンダードアミン系化合物0.01
〜10重量部 (5)(A)の化合物がトリエチレングリコール−ビス
[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオー
ル−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリチル
−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート]から選ばれた1種
以上の化合物である上記(4)記載のポリオキシメチレ
ン樹脂組成物の製造方法、および(6)(B)の化合物
がビス(2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリ
ジニル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペン
タメチル−4−ピペリジニル)セバケート、コハク酸ジ
メチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキ
シ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合
物、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジ
アミン・2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,
2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)アミ
ノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、ポ
リ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)ア
ミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}
{2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル}
イミノ]ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジル)イミノ}]]から選ばれた1種
以上の化合物である上記(4)または(5)記載のポリ
オキシメチレン樹脂組成物の製造方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明で使用されるポリオキシメ
チレン樹脂とは、オキシメチレン単独重合体、及び、主
としてオキシメチレン単位からなり、ポリマ主鎖中に少
なくとも1種の炭素数2〜8のオキシアルキレン単位を
含有するオキシメチレン共重合体を意味する。
【0007】オキシメチレン単独重合体とは、オキシメ
チレン単位からなり、重合体の両末端がエステルまたは
エーテル基により封鎖された重合体を示す。例えば、実
質的に無水のホルムアルデヒドを有機アミン、有機ある
いは無機の錫化合物、金属水酸化物のような塩基性重合
触媒を含有する有機溶媒中に導入して重合し、重合体を
濾別したのち、無水酢酸中、酢酸ナトリウムの存在下で
加熱して末端をアセチル化したオキシメチレン・ホモポ
リマーが挙げられる。
【0008】オキシメチレン共重合体とは、オキシメチ
レンモノマー単位からなるポリマー鎖中にオキシアルキ
レンモノマー単位がランダムに挿入され、重合体の両末
端がエステルまたはエーテル基により封鎖された重合体
を示す。例えば、実質的に無水のトリオキサン、あるい
は、テトラオキサンのようなホルムアルデヒドの環状オ
リゴマーとエチレンオキシド、プロピレンオキシド、
1,3−ジオキソラン、1,3−プロパンジオールホル
マール、1,4−ブタンジオールホルマール、1,5−
ペンタンジオールホルマール、1,6−ヘキサンジオー
ルホルマール、ジエチレングリコールホルマール、1,
3,5−トリオキセパン、1,3,6−トリオキオカン
等の分子中に炭素数2以上のオキシアルキレン単位を有
する環状エーテルとをシクロヘキサンやベンゼンのよう
な有機溶媒中に溶解、あるいは、懸濁したのち、三フッ
化ホウ素・ジエチルエーテラートのようなルイス酸触媒
を添加して重合し、不安定末端を分解除去したオキシメ
チレン・コポリマーである。あるいは、溶媒を全く使用
せずにセルフクリーニング型撹拌機の中へトリオキサン
と、共重合成分および触媒の予備混合物とを導入して塊
状重合したオキシメチレン・コポリマーが挙げられる。
所望により、この重合体から洗浄によって触媒を除去、
あるいは、失活剤によって触媒を失活させたのち、不安
定末端を分解除去して製造する。
【0009】ポリオキシメチレンコポリマー中のオキシ
アルキレンコモノマー単位の含有量は、オキシメチレン
モノマー単位100モル当たり0.1〜10モル、好ま
しくは0.1〜7モル、さらに好ましくは0.1〜5モ
ルの範囲で選ばれる。ポリオキシメチレンコポリマーの
熱安定性および成形時の劣化による外観低下の抑制の観
点からはオキシアルキレンコモノマー単位の含有量が上
記下限以上であることが好ましく、成形体の結晶化度の
改良の観点からはオキシアルキレンコモノマー単位の含
有量が上記上限以下であることが好ましい。
【0010】特に好ましいポリオキシメチレン樹脂は、
特開昭62−257922号公報に記載の方法、例えば
トリオキサンと環状エーテルまたは環状ホルマールと
を、三フッ化ホウ素・ジエチルエーテラートのようなル
イス酸触媒の存在下、塊状重合させたのち、一般式
(1)で表わされるヒンダードアミン系化合物を添加し
て重合反応を停止させ、更に不安定末端を分解除去して
得られた重合体である。
【0011】
【化1】 (式中、R1は水素原子または炭素数1〜30の1価の
有機残基を表わす。R2〜R5は炭素数1〜5のアルキル
基を表わし、それぞれ同一であっても異なっていてもよ
い。nは1以上の整数を表わし、R6はn価の有機残基
を表わす。) 本発明で使用する(イ)化合物は、アルカリ金属無機化
合物又はアルカリ土類金属無機化合物から選択される一
種又は二種以上の化合物であり、、これら金属の炭酸
塩、リン酸塩、水酸化物および酸化物など、すなわち、
アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の炭酸塩、ア
ルカリ金属のリン酸塩、アルカリ土類金属のリン酸塩、
アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化
物、アルカリ金属の酸化物及びアルカリ土類金属の酸化
物などが好適である。また、(イ)化合物におけるアル
カリ金属、アルカリ土類金属としては、リチウム、ナト
リウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロ
ンチウム、バリウムなどが好ましく挙げられる。これら
(イ)化合物は1種又は2種以上で用いることができ
る。
【0012】これらの化合物の一例を示せば、炭酸ナト
リウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、塩基性炭酸マ
グネシウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン
酸カルシウム、リン酸マグネシウム、水酸化カルシウ
ム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム等である。中
でもアルカリ土類金属の炭酸塩が好ましい。
【0013】本発明で使用する(イ)アルカリ金属無機
化合物又はアルカリ土類金属無機化合物の添加量はポリ
オキシメチレン樹脂100重量部に対して、0.001
〜5重量部、好ましくは0.01〜3重量部、特に好ま
しくは0.05〜2重量部である。少なすぎると添加効
果が小さく、多すぎると樹脂の着色が激しく、また、成
形品の機械物性が低下するので好ましくない。
【0014】本発明で使用する(ロ)飽和脂肪酸の金属
塩の飽和脂肪酸の炭素数は離型性の点から4以上、相溶
性の点から26以下の範囲にあることが好ましい。本発
明における飽和脂肪酸は、水酸基など他の官能基で置換
されたものであってもよい。具体的には、ラウリル酸、
ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン
酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、オレ
イン酸、リシノール酸、4、4’−ビフェニルジカルボ
ン酸、2、6−ナフタレンジカルボン酸、2−ヒドロキ
シ吉草酸、10−ヒドロキシデカン酸、サビン酸、2−
ヒドロキシテトラデカン酸、イプノール酸、2−ヒドロ
キシヘキサデカン酸、ヤラピノール酸、16−ヒドロキ
シヘキサデカン酸、2−ヒドロキシステアリン酸、12
−ヒドロキシステアリン酸、18−ヒドロキシステアリ
ン酸、フェロン酸、セレプロン酸、アリューリット酸、
9,10−ジヒドロキシステアリン酸、9,12−ジヒ
ドロキシステアリン酸、9,11,12−トリヒドロキ
システアリン酸等の金属塩が挙げられる。この中で12
−ヒドロキシステアリン酸の金属塩が特に好ましい。ま
た、分子中に不飽和結合を有するものは熱安定性が悪い
ために好ましくない。例えば、リシノール酸は分子中に
1個の不飽和結合を有するため熱安定性が低く好ましく
ないが、12−ヒドロキシステアリン酸の原料であり、
微量含まれる分には影響を与えない。
【0015】本発明で使用する(ロ)飽和脂肪酸の金属
塩における金属の種類としてはリチウム、ナトリウム、
マグネシウム、アルミニウム、カリウム、カルシウム、
ストロンチウム、バリウム、亜鉛、カドミウム、鉛等の
金属塩が挙げられる。この中でカルシウム、マグネシウ
ム、アルミニウムが好ましい。
【0016】本発明で使用する(ロ)飽和脂肪酸の金属
塩の添加量はポリオキシメチレン樹脂100重量部に対
して、0.001〜5重量部、好ましくは0.01〜3
重量部、特に好ましくは0.05〜2重量部である。少
なすぎると添加効果が小さく、多すぎると樹脂の着色が
激しく、また、成形品の機械物性が低下するので好まし
くない。
【0017】本発明のポリオキシメチレン樹脂組成物に
はヒンダードフェノール系化合物を添加することが好ま
しい。なかでも分子量が400以上のものを用いること
は、ブリード現象が極めて抑制され、外観、熱安定性に
極めて優れたポリオキシメチレン樹脂組成物が得られる
点で好ましい。そのヒンダードフェノール系化合物の具
体例としてはトリエチレングリコール−ビス[3−(3
−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス
[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート]、ペンタエリスリチル−テトラ
キス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサメチレ
ンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒド
ロシンナマミド)、2−t−ブチル−6−(3’−t−
ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−
4−メチルフェニルアクリレート、3,9−ビス[2−
{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル
フェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエ
チル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,
5]ウンデカンながあげられる。この中でトリエチレン
グリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6
−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペ
ンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]
が特に好ましい。酸化防止剤としてこれらの中から選ば
れた少なくとも1種のヒンダードフェノール系化合物を
用いることが好ましい。
【0018】また、添加量はポリオキシメチレン樹脂1
00重量部に対して通常、0.01〜10重量部、好ま
しくは0.05〜3重量部である。熱安定性の観点から
は、上記下限以上であることが好ましく、ブリード現象
の観点からは上記上限以下であることが好ましい。
【0019】本発明で使用するヒンダードアミン系化合
物としては特開昭62−257922号公報に記載のヒ
ンダードアミン系化合物などが挙げられるが、分子量4
00以上の三級アミン型のヒンダードアミン系化合物が
好ましい。なかでも分子量が400以上のものを用いる
ことは、ブリード現象が極めて抑制され、外観、熱安定
性に極めて優れたポリオキシメチレン樹脂組成物が得ら
れる点で好ましい。具体的には、ビス(1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケー
ト、コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)
−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペ
リジン重縮合物、N,N’−ビス(3−アミノプロピ
ル)エチレンジアミン・2,4−ビス[N−ブチル−N
−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ニル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン
縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチル
ブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジ
イル}{2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ニル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テ
トラメチル−4−ピペリジル)イミノ)}]、ビス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セ
バケートなどがあげられる。この中でビス(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケー
ト、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピ
ペリジニル)セバケート、コハク酸ジメチル・1−(2
−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,
6−テトラメチルピペリジン重縮合物、N,N’−ビス
(3−アミノプロピル)エチレンジアミン・2,4−ビ
ス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメ
チル−4−ピペリジニル)アミノ]−6−クロロ−1,
3,5−トリアジン縮合物、ポリ[{6−(1,1,
3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−ト
リアジン−2,4−ジイル}{2,2,6,6−テトラ
メチル−4−ピペリジニル)イミノ}ヘキサメチレン
{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)
イミノ)}]が特に好ましい。これらの中から選ばれた
少なくとも1種のヒンダードアミン系化合物を用いるこ
とが好ましい。なかでもビス(1,2,2,6,6−ペ
ンタメチル−4−ピペリジニル)セバケートが好まし
く、かかる化合物としては、三共”サノール”LS76
5として市販されているものが使用できる。
【0020】また、添加量はポリオキシメチレン樹脂1
00重量部に対して通常、0.01〜10重量部、好ま
しくは0.01〜3重量部である。熱安定性の観点から
は、上記下限以上であることが好ましく、熱による着色
の観点からは上記上限以下であることが好ましい。
【0021】また、本発明の樹脂組成物には本発明の効
果を損なわない範囲で硫酸バリウム、クレー、酸化チタ
ン、酸化珪素、マイカ粉末、ガラスビーズのような充填
剤、炭素繊維、ガラス繊維、セラミック繊維、アラミド
繊維、チタン酸カリウム繊維のような補強剤、着色剤
(顔料、染料)、核剤、可塑剤、エチレンビスステアロ
アミド、ポリエチレンワックスのような離型剤、カーボ
ンブラックのような導電剤、チオエーテル系化合物、ホ
スファイト系化合物のような酸化防止剤、ベンゾフェノ
ン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物のような光安
定剤、粘着剤、金属石鹸のような滑剤、耐加水分解改良
剤、接着助剤などの添加剤を任意に含有させることがで
きる。
【0022】本発明のポリオキシメチレン樹脂組成物の
製造方法としては、ポリオキシメチレン樹脂に(イ)化
合物を添加した後に、(ロ)飽和脂肪酸の金属塩を添加
することが必要である。本発明においては、ポリオキシ
メチレン樹脂に(イ)化合物を添加して溶融混合した
後、(ロ)飽和脂肪酸の金属塩を添加することにより、
同時に添加する場合より、成形時のホルムアルデヒド臭
やモールドデポジット、熱安定性を顕著に改良し得るも
のである。特に製造工程を安定化させ、且つ熱安定性、
成形性、機械的性質等に優れた組成物を得るためには、
押出機を使用して溶融混合することが好ましい。例え
ば、本発明で用いる(ロ)飽和脂肪酸の金属塩以外の成
分を混合し、中間部に添加口を有する押出機を使用して
溶融混合し、押出機の中間部の添加口より飽和脂肪酸の
金属塩を添加して溶融混合し所要の組成物のペレットを
得る方法、本発明で用いる(ロ)飽和脂肪酸の金属塩以
外の成分を混合し、押出機を使用して溶融混合しペレッ
トを得、このペレットと(ロ)飽和脂肪酸の金属塩を混
合し別の押出機を使用して溶融混合し所要の組成物のペ
レットを得る方法、本発明で用いる(ロ)飽和脂肪酸の
金属塩以外の成分を混合し、押出機を使用して溶融混合
した組成物を別の押出機に移し、併せて(ロ)飽和脂肪
酸の金属塩を添加して溶融混合し、所要の組成物のペレ
ットを得る方法が用いられる。押出機としては1軸ない
しは2軸の押出機が好ましくベントを有するものが特に
好ましい。押出機のシリンダー温度としては150〜2
50℃の温度が好ましく選択され、特に190〜230
℃の温度が好ましく選択される。ベント口から脱気する
場合、押出機中1〜100Torrの減圧下で溶融混合
する方法が好ましい。好ましくは(イ)化合物を添加し
た30秒以上30分以内に、より好ましくは(イ)化合
物を添加した1分以上20分以内に、(ロ)飽和脂肪酸
の金属塩を添加するとよい。末端分解の観点からは上記
下限以上であることが好ましく、熱による着色の観点か
らは上記上限以下であることが好ましい。かくして得ら
れる本発明のポリオキシメチレン樹脂組成物は通常公知
の射出成形、押出成形、プレス成形、加熱加圧成形、ス
タンピング成形等の方法で成形が可能である。
【0023】本発明により得られるポリオキシメチレン
樹脂組成物は、ポリオキシメチレン樹脂が本来有する優
れた特性を損なうことなく、熱安定性が大幅に改良され
た樹脂組成物であり、センサー、LEDランプ、コネク
ター、ソケット、抵抗器、リレーケース、スイッチ、コ
イルボビン、コンデンサー、バリコンケース、光ピック
アップ、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリン
ト基板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘ
ッドフォン、小型モーター、磁気ヘッドケース、パワー
モジュール、半導体、液晶、FDDキャリッジ、FDD
シャーシ、磁気テープカセットリール、モーターブラッ
シュホルダー、パラボラアンテナ、コンピューター関連
部品などに代表される電気・電子部品用途に好適に用い
られるが、その他の用途すなわちVTR部品、VTRカ
メラ部品、テレビ部品、アイロン、ヘアドライヤー、シ
ェーバー、扇風機、ジューサー、炊飯器部品、電子レン
ジ部品、ヘッドフォンステレオ・ラジカセ・オーディオ
・レーザーディスク(登録商標)・コンパクトディスク
などの音響機器部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン
部品、タイプライター部品、電卓、ワードプロセッサー
部品などに代表される家庭、事務電気製品部品、オフィ
スコンピューター関連部品、電話機関連部品、ファクシ
ミリ関連部品、複写機関連部品、洗浄用治具、モーター
部品、ライター、タイプライターなどに代表される機械
関連部品、顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計などに代表さ
れる光学機器、精密機械関連部品、オルタネーターター
ミナル、オルタネーターコネクター、ICレギュレータ
ー、ライトディヤー用ポテンシオメーターベース、排気
ガスバルブなどの各種バルブ、燃料関係・排気系・吸気
系各種パイプ、エアーインテークノズルスノーケル、イ
ンテークマニホールド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジ
ョイント、キャブレターメインボディー、キャブレター
スペーサー、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温
センサー、ブレーキパットウェアーセンサー、スロット
ルポジションセンサー、クランクシャフトポジションセ
ンサー、エアーフローメーター、ブレーキパッド摩耗セ
ンサー、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フ
ローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラ
ッシュホルダー、ウォーターポンプインペラー、タービ
ンベイン、ワイパーモーター関係部品、デュストリビュ
ーター、スタータースイッチ、スターターリレー、トラ
ンスミッション用ワイヤーハーネス、エアコンパネルス
イッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイル、ヒューズ用コ
ネクター、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ステッ
プモーターローター、ランプソケット、ランプリフレク
ター、ランプハウジング、ブレーキピストン、ソレノイ
ドボビン、エンジンオイルフィルター、点火装置ケー
ス、ラジエタードレーンコック、インタンクフェエルポ
ンプ、ダイヤフラム弁、オートアンテナギアケース、ド
アロック、ウインカースイッチ、ワイパーギア、ワイパ
ーピポットベアリング、スピードメーターギア、パー
ツ、ハウジング、ウインドウガラスボトムチャネル、シ
ートベルトハウジング、シートベルトリトラクターパー
ツ、ヒーターコントロールレバー、インサイドドアハン
ドル、レギュレーターハンドル、アウタードアハンド
ル、サンバイザーブラケット、コラプシブルルームミラ
ーステー、シートフック、フェンダーミラーケース、フ
ューエルカップ、ウインドウォッシャーノズル、各種バ
ルブなどの自動車・車両関連部品、自転車、芝刈り機、
間仕切りコーナーピース、カーテンランナー、ブライン
ドギア、戸車、ビンディング、オフィス家具パーツ、各
種ファスナー、配管システム、ホースジョイント、バル
ブ、とめ具、アジャスト、メーター、シューズ部品、ス
ポーツ用具、玩具、オルゴール、くしなどの美容製品、
キャスターブラケット、ローラー、キャップ、メジャー
部品、エアゾールホースなどその他各種一般機器部品な
どに用いることも可能である。
【0024】以下実施例を挙げて説明するが、本発明
は、これらに限定されるものではない。
【0025】
【実施例】以下実施例によって本発明を説明する。な
お、実施例中の%及び部はすべて重量基準である。ま
た、実施例及び比較例中に示される成形品のMI値、機
械物性、加熱分解率Kx、連続成形時におけるホルムア
ルデヒド臭気の発生状況、低モールドデポジット性、ポ
リマの溶融滞留安定性は次のようにして測定、あるい
は、観察した。
【0026】・成形:5オンスの射出能力を有する射出
成形機を用いて、シリンダ温度190℃、金型温度65
℃、成形サイクル50秒に設定して、ASTM1号ダン
ベル試験片を射出成形した。
【0027】・MI値:80℃の熱風オーブン中で3時
間乾燥したペレットを用い、ASTMD−1238法に
従って、温度190℃、荷重2160グラムで測定し
た。
【0028】・機械物性:上記射出成形で得られたAS
TM1号ダンベル試験片を用い、ASTM D−638
法に準じて引張強度を測定した。
【0029】・加熱分解率Kx:Kxは、x℃で一定時
間放置したときの分解率を意味する。熱天秤装置を使用
して、約15ミリグラムのサンプルを、空気雰囲気下、
x℃で放置し、次式で求めた。 Kx=[(W0−Wy)×100]/W0 (%) ここで、W0は加熱前のサンプル重量、Wyはy時間加
熱後のサンプル重量を意味する。なお、熱天秤装置は、
セイコー電子社のTG/DTA200を使用し、x=2
20℃、y=60分間で測定した。
【0030】・連続成形時におけるホルムアルデヒド臭
気の発生状況:前述の成形条件で10,000ショット
の連続成形を行い、そのときにおけるホルムアルデヒド
臭気の発生状況を次のように評価した。 ○:ほとんどホルムアルデヒド臭気がしない。 △:少しホルムアルデヒド臭気がする。 ×:かなりホルムアルデヒド・ガスが発生し、その場に
いると目、喉が痛くなる、あるいは、ホルムアルデヒド
・ガスの発生が激しくその場に留まることができない。
【0031】・低モールドデポジット性:型締圧60ト
ンを有する射出成形機を用いて、シリンダ温度220
℃、金型温度80℃、成形サイクル20秒に設定して、
ASTM1号ダンベル試験片を射出成形し、5,000
ショットの連続成形後、金型を観察し、白色固体状の物
質が付着しているかどうかを観察し以下の基準で評価し
た。 ◎:付着物が全く観察されない。 ○:付着物がほとんど観察されない。 △:わずかに白色状の固体物付着が認められる。 ×:はっきりと白色状の固体物の付着が認められる。
【0032】・ポリマの溶融滞留安定性:メルトインデ
クサ中でポリマを190℃で2時間溶融滞留させたの
ち、ASTM D−1238法に準じて、荷重2160
グラムでMI値を測定した。このときのMI値をM
I’、溶融滞留前のMI値をMI0とすると、溶融滞留
安定性は△MI=MI’−MI0で示した。
【0033】実施例および比較例では、下記の方法で製
造したオキシメチレン共重合体(P−1)を使用した。
【0034】・オキシメチレン共重合体(P−1)の製
造方法 2軸押出機型重合機(100mmφ、シリンダー長
(L)/シリンダー径(D)=10.2)にトリオキサ
ン(22.5kg/h),1,3−ジオキソラン(70
0g/h),また、トリオキサンに対して触媒として1
00ppmの三フッ化ホウ素・ジエチルエーテラート
(2.5%ベンゼン溶液)、分子量調節剤として600
ppmのメチラールをそれぞれ供給し、連続重合を行っ
た。重合は外部ジャケットを60℃にコントロールし、
回転数は100rpmで行った。メチラールはトリオキ
サン中に溶解した。また、1,3−ジオキソランと触媒
溶液は重合機へ供給する直前に予備混合されるように予
備混合ゾーンを設けた。重合体は白色微粉末として2
2.4kg/hで得られた。
【0035】このようにして得られた微粉末5kgに対
して、9.0gの”サノール”LS765[三共製薬、
ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリ
ジニル)セバケート、三級アミン型のヒンダードアミン
系化合物]を50mlのベンゼンに溶解した溶液を添加
し、ヘンシェルミキサー中で3分間撹拌して触媒失活を
行い、オキシメチレン共重合体(P−1)を得た。
【0036】実施例1〜9、比較例1〜6 ポリオキシメチレン樹脂(P−1)5kg(これを10
0重量部とする)に対して、”イルガノックス”245
[チバガイギー、トリエチレングリコール−ビス{3−
(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート}、ヒンダードフェノール系化合
物]、アルカリ金属無機化合物、アルカリ土類金属無機
化合物を表1記載の割合であらかじめ予備混合し、図1
に示す中間部に2つの添加口を有する日本製鋼所製ベン
ト付2軸30mmφ押出機5の第1添加口1より添加
し、シリンダー温度210℃、第1ベント口2から脱気
し、10Torrの減圧下で2分間溶融押出混合し、さらに
中間部の第2添加口3より表1記載の割合で飽和脂肪酸
の金属塩を添加し、シリンダー温度210℃、第2ベン
ト口4から脱気し、10Torrの減圧下で2分間溶融押出
混合した。
【0037】図1は、上記2軸30mmφ押出機の第
1、2添加口、第1、2ベント口の位置関係を示す概略
図であり、ベント付2軸30mmφ押出機5は、第1添
加口1から下流にむけて第1ベント口、第2添加口、第
2ベント口の順に配置されている。
【0038】得られた組成物はストランドとして押出さ
れ、カッタによってペレタイズされた。このペレットを
熱風循環オーブン中、80℃で3時間乾燥したのち、成
形を行い、機械物性の測定に供した。また、連続成形時
におけるホルムアルデヒド臭気の発生状況を評価した。
更に乾燥したペレットを用いて溶融滞留安定性の評価を
行った。これらの結果を表1にまとめた。
【0039】比較例7 実施例1において、飽和脂肪酸の金属塩を中間部の添加
口より添加する替わりに、アルカリ金属無機化合物及び
アルカリ土類金属無機化合物と同時に添加した以外は、
全て実施例1と同様にして、表1に示す結果を得た。
【0040】
【表1】 表1の結果からは次の事項が明らかである。 (1)ポリオキシメチレン樹脂100重量部に対して、ア
ルカリ金属無機化合物およびアルカリ土類金属無機化合
物より選ばれる1種又は2種以上の化合物を0.001
〜5重量部添加した後に、飽和脂肪酸の金属塩を0.0
01〜5重量部添加することで、熱安定性にきわめて優
れた樹脂組成物が得られる(実施例1〜5)。 (2)さらに飽和脂肪酸の金属塩の種類を変えた場合(実
施例6)、アルカリ金属無機化合物およびアルカリ土類
金属無機化合物の種類を変えた場合(実施例7〜9)に
おいても、実施例1と同等またはそれ以上の優れた特性
が発揮される。 (3)ポリオキシメチレン樹脂100重量部に対して、ア
ルカリ金属無機化合物およびアルカリ土類金属無機化合
物より選ばれる1種又は2種以上の化合物が少なすぎる
場合(比較例1)、また飽和脂肪酸の金属塩が少なすぎ
る場合(比較例2)には、加熱分解率が悪化するばかり
か、成形時のホルムアルデヒド臭が強くなり、低モール
ドデポジット性、溶融滞留安定性も悪化する。 (4)ポリオキシメチレン樹脂100重量部に対して、ア
ルカリ金属無機化合物およびアルカリ土類金属無機化合
物より選ばれる1種又は2種以上の化合物が多すぎる場
合(比較例3)、また飽和脂肪酸の金属塩が多すぎる場
合(比較例4)には、機械物性が低下するばかりか、加
熱分解率が悪化し、成形時のホルムアルデヒド臭が強く
なり、低モールドデポジット性、溶融滞留安定性も悪化
する。 (5)飽和脂肪酸の金属塩を添加しない場合(比較例5)
には、加熱分解率が悪化するばかりか、成形時のホルム
アルデヒド臭が強くなり、低モールドデポジット性、溶
融滞留安定性も悪化する。 (6)アルカリ金属無機化合物およびアルカリ土類金属無
機化合物より選ばれる1種又は2種以上の化合物を添加
しない場合(比較例6)にも、加熱分解率が悪化するば
かりか、成形時のホルムアルデヒド臭が強くなり、低モ
ールドデポジット性、溶融滞留安定性も悪化する。 (7)ポリオキシメチレン樹脂100重量部に対して、ア
ルカリ金属無機化合物およびアルカリ土類金属無機化合
物より選ばれる1種又は2種以上の化合物と、飽和脂肪
酸の金属塩を同時に添加した場合(比較例7)には、熱
分解率が悪化するばかりか、成形時のホルムアルデヒド
臭が強くなり、低モールドデポジット性、溶融滞留安定
性も悪化する。
【0041】
【発明の効果】本発明のポリオキシメチレン樹脂組成物
は、成形時のホルムアルデヒド臭やモールドデポジット
がきわめて少なく、熱安定性に優れている。従って、熱
安定性に優れている上に、作業環境がきわめて良好であ
るために、成形品の長期連続生産が可能となることか
ら、電気・電子分野、自動車分野などの機械機構部品と
して広範囲に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例で用いた2軸30mmφ押出機
の第1、2添加口、第1、2ベント口の位置関係を示す
概略図である。
【符号の説明】
1 第1添加口 2 第1ベント口 3 第2添加口 4 第2ベント口 5 ベント付2軸30mmφ押出機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 CB001 DE056 DE066 DE086 DE096 DE226 DE236 EF037 EF057 EF097 EG027 EG037 EG047 EJ068 EU019 EU079 EU189 FD036 FD037 FD208 FD209 GN00 GQ01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオキシメチレン樹脂100重量部に対
    して、(イ)アルカリ金属無機化合物およびアルカリ土
    類金属無機化合物より選ばれる1種又は2種以上の化合
    物を0.001〜5重量部添加した後に、(ロ)飽和脂
    肪酸の金属塩を0.001〜5重量部添加することを特
    徴とする飽和脂肪酸の金属塩含有ポリオキシメチレン樹
    脂組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】(イ)化合物が、アルカリ金属の炭酸塩、
    アルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ金属のリン酸塩、
    アルカリ土類金属のリン酸塩、アルカリ金属の水酸化
    物、アルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ金属の酸化
    物およびアルカリ土類金属の酸化物から選択される1種
    又は2種以上の化合物である請求項1記載のポリオキシ
    メチレン樹脂組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】(ロ)飽和脂肪酸の金属塩が水酸基を有す
    ることを特徴とする請求項1記載のポリオキシメチレン
    樹脂組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】更に下記(A)および(B)から選ばれる
    1種以上の化合物を含有してなる請求項1〜3いずれか
    記載のポリオキシメチレン樹脂組成物の製造方法。 (A)ポリオキシメチレン樹脂100重量部に対して、
    分子量400以上のヒンダードフェノール系化合物0.
    01〜10重量部 (B)ポリオキシメチレン樹脂100重量部に対して、
    分子量400以上のヒンダードアミン系化合物0.01
    〜10重量部
  5. 【請求項5】(A)の化合物がトリエチレングリコール
    −ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒド
    ロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサン
    ジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
    ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリス
    リチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−
    4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]から選ばれ
    た1種以上の化合物である請求項4記載のポリオキシメ
    チレン樹脂組成物の製造方法。
  6. 【請求項6】(B)の化合物がビス(2,2,6,6,
    −テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス
    (1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニ
    ル)セバケート、コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロ
    キシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テト
    ラメチルピペリジン重縮合物、N,N’−ビス(3−ア
    ミノプロピル)エチレンジアミン・2,4−ビス[N−
    ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4
    −ピペリジニル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−
    トリアジン縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テ
    トラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−
    2,4−ジイル}{2,2,6,6−テトラメチル−4
    −ピペリジニル}イミノ]ヘキサメチレン{(2,2,
    6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]]
    から選ばれた1種以上の化合物である請求項4または5
    記載のポリオキシメチレン樹脂組成物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021102736A (ja) * 2019-12-25 2021-07-15 ポリプラスチックス株式会社 ポリアセタール樹脂組成物、そのポリアセタール樹脂組成物を用いた成形品および自動車部品、ならびに酸性液体耐性を向上させる方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021102736A (ja) * 2019-12-25 2021-07-15 ポリプラスチックス株式会社 ポリアセタール樹脂組成物、そのポリアセタール樹脂組成物を用いた成形品および自動車部品、ならびに酸性液体耐性を向上させる方法
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