先述された画像読取装置A及びBにおいて、処理速度優先読取処理を行うと、CISによって画像が読み取られるので、CCDを用いた画質優先読取処理を行う場合よりも画質が劣ることが知られている。また、CCD及びCISを通過する1パス目において、CCD及びCISにより両面の画像を読み取る処理において、読み取られた一方の面の画像と、読み取られた他方の面の画像との間で、画質に差が生じる。そのため、原稿の両面の画像が高画質であることをユーザが所望する際には、画像読取装置A及びBに対して、画質優先読取処理を実行させるべきである。
しかしながら、このような画質優先読取処理においても、以下の問題が生じる。つまり、画質優先読取処理が実行される際に使用される読取位置(以下、画質優先読取位置という)に、ゴミ、埃、汚れ、キズ(以下、ノイズ混入要因という)が存在すれば、読み取られた画像において、副走査方向に筋状のノイズが混入する。
このように、画質優先読取位置に存在するノイズ混入要因の影響によるノイズは、原稿に元々存在する画像そのものであるのか、画質優先読取位置に存在するノイズ混入要因の影響によるものであるのか、の区別が困難である。
また、画質優先読取位置に存在するノイズ混入要因の影響によるノイズは、白基準板が用いられても検出されにくい。図9は、画像読取装置A及びBに備えられるプラテン213の周辺を表す拡大図である。以下、読取窓230の上にノイズ混入要因が存在することは、読取位置Pにおいてノイズ混入要因が存在することと同義とされる。
図9に示されるように、読取窓230、及び、白基準板232は、副走査方向に離れて配設されていることが通例である。そのため、読取窓230の上にノイズ混入要因(例えばゴミD)が存在している際には、白基準板232の画像を読み取っても、画像はノイズ混入要因の影響を受けない。従って、読取窓230の上部に位置する読取位置Pにおいて存在するノイズは検出されない。
ところで、例えば、白基準板232が、読取窓230の真上に配設された際には、白基準板232が読み取られて生成された基準画像において、読取位置Pに存在するノイズ混入要因の影響により筋状のノイズが混入しうる。この場合には、白基準板232が用いられて、読取位置Pに存在するノイズ混入要因の影響によるノイズが検出される。しかしながら、白基準板232の配設場所を変更する必要がある。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、機械的な構成の設計が変更されることが要されずに、画像に混入したノイズが、画質優先読取位置に存在するノイズ混入要因の影響によるノイズであることを、容易に検出することができる画像読取装置、画像形成装置、及び、ノイズ混入要因検出方法を提供することを目的とする。
本発明の一局面に係る画像読取装置は、画質優先読取位置とされており原稿が有する表面及び裏面のいずれか一方の面の画像を読み取るための第1読取位置、及び、処理速度優先読取位置とされており、前記原稿が有する表面及び裏面のうち前記第1読取位置において読み取られる前記面とは異なる面の画像を読み取るための第2読取位置を有する搬送経路と、前記第1読取位置において前記原稿の画像を読み取る第1読取手段と、前記第2読取位置において前記原稿の画像を読み取る第2読取手段と、前記原稿を反転して表裏を逆とするための反転手段と、前記搬送経路を通じて前記原稿を搬送しながら、前記第1読取位置において、前記原稿が有する一方の面の画像を読み取る第1読取処理と、前記搬送経路を通じて前記原稿を搬送しながら、前記第2読取位置において、前記原稿が有する他方の面の画像を読み取る第2読取処理と、前記第1読取処理及び前記第2読取処理によって前記原稿が有する一方の面及び他方の面の画像が読み取られた前記原稿を反転して表裏を逆とする反転処理と、反転された前記原稿を前記搬送経路を通じて搬送しながら、前記第1読取位置において前記原稿が有する他方の面の画像を読み取る第3読取処理と、反転された前記原稿を前記搬送経路を通じて搬送しながら、前記第2読取位置において前記原稿が有する一方の面の画像を読み取る第4読取処理と、を実行する制御手段と、前記第1読取処理において読み取られた前記原稿が有する一方の面の画像と、前記第4読取処理において読み取られた前記原稿が有する一方の面の画像と、を比較して、前記第1読取処理において読み取られた前記原稿が有する一方の面の画像のみにノイズが混入しているか否かを判定する判定手段と、を備えており、前記制御手段は、前記判定手段によって前記第1読取処理において読み取られた前記原稿が有する一方の面の画像のみに前記ノイズが混入していると判定された際には、前記第1読取位置において前記ノイズ混入要因が存在していることを検出することを特徴とする(請求項1)。
この構成によれば、原稿が、画質優先読取位置とされる第1読取位置、及び、処理速度優先読取位置とされる第2読取位置を通過した際には(1パス目)、第1読取位置において原稿の一方の面(例えば表面)の画像が読み取られ、第2読取位置において原稿の他方の面(例えば裏面)の画像が読み取られる。その後、原稿が反転されて表裏が逆とされ、反転された原稿が第1読取位置及び第2読取位置を通過した際には(2パス目)、第1読取位置において原稿の他方の面(例えば裏面)の画像が読み取られ、第2読取位置において原稿の一方の面(例えば表面)の画像が読み取られる。
そして、第1読取位置において読み取られた原稿の一方の面(例えば表面)の画像と、第2読取位置において読み取られた原稿の一方の面(例えば表面)の画像とが比較され、第1読取位置において読み取られた原稿の一方の面(例えば表面)の画像のみにノイズが混入している際には、第1読取位置においてノイズ混入要因が存在することが検出される。そのため、機械的な構成の設計が変更されることが要されずに、画像に混入したノイズが、画質優先読取位置に存在するノイズ混入要因の影響によるノイズであることが、容易に検出される。
また、本発明の他の局面に係る画像読取装置は、画質優先読取位置とされており原稿が有する表面及び裏面のいずれか一方の面の画像を読み取るための第1読取位置、及び、処理速度優先読取位置とされており、前記原稿が有する表面及び裏面のうち前記第1読取位置において読み取られる前記面とは異なる面の画像を読み取るための第2読取位置を有する搬送経路と、前記第1読取位置において前記原稿の画像を読み取る第1読取手段と、前記第2読取位置において前記原稿の画像を読み取る第2読取手段と、前記原稿を反転して表裏を逆とするための反転手段と、前記搬送経路を通じて前記原稿を搬送しながら、前記第1読取位置において、前記原稿が有する一方の面の画像を読み取る第1読取処理と、前記搬送経路を通じて前記原稿を搬送しながら、前記第2読取位置において、前記原稿が有する他方の面の画像を読み取る第2読取処理と、前記第1読取処理及び前記第2読取処理によって前記原稿が有する一方の面及び他方の面の画像が読み取られた前記原稿を反転して表裏を逆とする反転処理と、反転された前記原稿を前記搬送経路を通じて搬送しながら、前記第1読取位置において前記原稿が有する他方の面の画像を読み取る第3読取処理と、反転された前記原稿を前記搬送経路を通じて搬送しながら、前記第2読取位置において前記原稿が有する一方の面の画像を読み取る第4読取処理と、を実行する制御手段と、前記第2読取処理において読み取られた前記原稿の他方の面の画像と、前記第3読取処理において読み取られた前記原稿の他方の面の画像と、を比較して、前記第3読取処理において読み取られた前記原稿が有する他方の面の画像のみにノイズが混入しているか否かを判定する判定手段と、を備えており、前記制御手段は、前記判定手段によって、前記第3読取処理において読み取られた前記原稿の他方の面の画像のみに前記ノイズが混入していると判定された際には、前記第1読取位置において前記ノイズ混入要因が存在していることを検出することを特徴とする(請求項2)。
この構成によれば、原稿が、画質優先読取位置とされる第1読取位置、及び、処理速度優先読取位置とされる第2読取位置を通過した際には(1パス目)、第1読取位置において原稿の一方の面(例えば表面)の画像が読み取られ、第2読取位置において原稿の他方の面(例えば裏面)の画像が読み取られる。その後、原稿が反転されて表裏が逆とされ、反転された原稿が第1読取位置及び第2読取位置を通過した際には(2パス目)、第1読取位置において原稿の他方の面(例えば裏面)の画像が読み取られ、第2読取位置において原稿の一方の面(例えば表面)の画像が読み取られる。
そして、第1読取位置において読み取られた原稿の他方の面(例えば裏面)の画像と、第2読取位置において読み取られた原稿の他方の面(例えば裏面)の画像とが比較され、第1読取位置において読み取られた原稿の他方の面(例えば裏面)の画像のみにノイズが混入している際には、第1読取位置においてノイズ混入要因が存在することが検出される。そのため、機械的な構成の設計が変更されることが要されずに、画像に混入したノイズが、画質優先読取位置に存在するノイズ混入要因の影響によるノイズであることが、容易に検出される。
また、上記構成において、前記制御手段によって、前記第1読取位置において前記ノイズ混入要因が存在していることが検出された際には、前記第1読取位置において読み取られた前記原稿の画像に混入しているノイズを除去するノイズ除去手段と、前記ノイズ除去手段によって前記ノイズが除去された前記画像を、出力用の画像として設定する設定手段と、前記出力用の画像を出力する出力手段と、をさらに備えている構成とすることができる(請求項3)。
また、上記構成において、前記制御手段によって、前記第1読取位置において前記ノイズ混入要因が存在していることが検出された際には、前記第2読取位置において読み取られた前記画像を出力用の画像として設定する設定手段と、前記出力用の画像を出力する出力手段と、をさらに備えている構成とすることができる(請求項4)。これらの構成(請求項3及び請求項4の構成)によれば、画質優先読取位置に存在するノイズ混入要因による影響を受けない画像が実現される。
また、本発明の他の局面に係る画像形成装置は、請求項3又は請求項4に記載の画像読取装置と、前記画像読取装置から出力された前記出力用の画像を記録媒体に形成する画像形成手段と、を備えていることを特徴とする(請求項5)。この構成によれば、画像優先読取位置において存在するノイズ混入要因による影響を受けていない画像が形成される。
また、本発明の他の局面に係るノイズ混入要因検出方法は、画像読取装置が、原稿の画像を読み取り、その後、反転された前記原稿の画像を読み取るための読取位置において存在するノイズ混入要因を検出するノイズ混入要因検出方法であって、前記画像読取装置は、画質優先読取位置とされており、前記原稿を搬送しながら前記原稿が有する表面及び裏面のいずれか一方の面の画像を読み取るための第1読取位置において、前記原稿が有する一方の面の画像を読み取る第1読取ステップと、処理速度優先読取位置とされており、前記原稿を搬送しながら、前記原稿が有する表面及び裏面のうち前記第1読取位置において読み取られる前記面とは異なる面の画像を読み取るための第2読取位置において、前記原稿が有する他方の面の画像を読み取る第2読取ステップと、前記第1読取ステップ及び前記第2読取ステップによって前記原稿が有する一方の面及び他方の面の画像が読み取られた前記原稿を反転して表裏を逆とする反転ステップと、前記反転ステップによって反転された前記原稿を搬送しながら、前記第1読取位置において前記原稿が有する他方の面の画像を読み取る第3読取ステップと、前記反転ステップによって反転された前記原稿を搬送しながら、前記第2読取位置において前記原稿が有する一方の面の画像を読み取る第4読取ステップと、前記第1読取ステップにおいて読み取られた前記原稿が有する一方の面の画像と、前記第4読取ステップにおいて読み取られた前記原稿が有する一方の面の画像と、を比較して、前記第1読取ステップにおいて読み取られた前記原稿が有する一方の面の画像のみにノイズが混入しているか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップにおいて前記第1読取ステップにおいて読み取られた前記原稿が有する一方の面の画像のみに前記ノイズが混入していると判定された際には、前記第1読取位置において前記ノイズ混入要因が存在していることを検出する検出ステップと、を実行することを特徴とする(請求項6)。
この方法によれば、原稿が、画質優先読取位置とされる第1読取位置、及び、処理速度優先読取位置とされる第2読取位置を通過した際には(1パス目)、第1読取位置において原稿の一方の面(例えば表面)の画像が読み取られ、第2読取位置において原稿の他方の面(例えば裏面)の画像が読み取られる。その後、原稿が反転されて表裏が逆とされ、反転された原稿が第1読取位置及び第2読取位置を通過した際には(2パス目)、第1読取位置において原稿の他方の面(例えば裏面)の画像が読み取られ、第2読取位置において原稿の一方の面(例えば表面)の画像が読み取られる。
そして、第1読取位置において読み取られた原稿の一方の面(例えば表面)の画像と、第2読取位置において読み取られた原稿の一方の面(例えば表面)の画像とが比較され、第1読取位置において読み取られた原稿の一方の面(例えば表面)の画像のみにノイズが混入している際には、第1読取位置においてノイズ混入要因が存在することが検出される。
そのため、機械的な構成の設計が変更されることが要されずに、画像に混入したノイズが、画質優先読取位置に存在するノイズ混入要因の影響によるノイズであることが、容易に検出される。
また、本発明の他の局面に係るノイズ混入要因検出方法は、画像読取装置が、原稿の画像を読み取り、その後、反転された前記原稿の画像を読み取るための読取位置において存在するノイズ混入要因を検出するノイズ混入要因検出方法であって、前記画像読取装置は、画質優先読取位置とされており、前記原稿を搬送しながら前記原稿が有する表面及び裏面のいずれか一方の面の画像を読み取るための第1読取位置において、前記原稿が有する一方の面の画像を読み取る第1読取ステップと、処理速度優先読取位置とされており、前記原稿を搬送しながら、前記原稿が有する表面及び裏面のうち前記第1読取位置において読み取られる前記面とは異なる面の画像を読み取るための第2読取位置において、前記原稿が有する他方の面の画像を読み取る第2読取ステップと、前記第1読取ステップ及び前記第2読取ステップによって前記原稿が有する一方の面及び他方の面の画像が読み取られた前記原稿を反転して表裏を逆とする反転ステップと、前記反転ステップによって反転された前記原稿を搬送しながら、前記第1読取位置において前記原稿が有する他方の面の画像を読み取る第3読取ステップと、前記反転ステップによって反転された前記原稿を搬送しながら、前記第2読取位置において前記原稿が有する一方の面の画像を読み取る第4読取ステップと、前記第2読取ステップにおいて読み取られた前記原稿が有する他方の面の画像と、前記第3読取ステップにおいて読み取られた前記原稿が有する他方の面の画像と、を比較して、前記第3読取ステップにおいて読み取られた前記原稿が有する一方の面の画像のみにノイズが混入しているか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップにおいて、前記第3読取ステップにおいて読み取られた前記原稿が有する他方の面の画像のみに前記ノイズが混入していると判定された際には、前記第1読取位置において前記ノイズ混入要因が存在していることを検出する検出ステップと、を実行することを特徴とする(請求項7)。
この方法によれば、原稿が、画質優先読取位置とされる第1読取位置、及び、処理速度優先読取位置とされる第2読取位置を通過した際には(1パス目)、第1読取位置において原稿の一方の面(例えば表面)の画像が読み取られ、第2読取位置において原稿の他方の面(例えば裏面)の画像が読み取られる。その後、原稿が反転されて表裏が逆とされ、反転された原稿が第1読取位置及び第2読取位置を通過した際には(2パス目)、第1読取位置において原稿の他方の面(例えば裏面)の画像が読み取られ、第2読取位置において原稿の一方の面(例えば表面)の画像が読み取られる。
そして、第1読取位置において読み取られた原稿の他方の面(例えば裏面)の画像と、第2読取位置において読み取られた原稿の他方の面(例えば裏面)の画像とが比較され、第1読取位置において読み取られた原稿の他方の面(例えば裏面)の画像のみにノイズが混入している際には、第1読取位置においてノイズ混入要因が存在することが検出される。
そのため、機械的な構成の設計が変更されることが要されずに、画像に混入したノイズが、画質優先読取位置に存在するノイズ混入要因の影響によるノイズであることが、容易に検出される。
本発明によれば、原稿が、画質優先読取位置とされる第1読取位置、及び、処理速度優先読取位置とされる第2読取位置を通過した際には(1パス目)、第1読取位置において原稿の一方の面(例えば表面)の画像が読み取られ、第2読取位置において原稿の他方の面(例えば裏面)の画像が読み取られる。その後、原稿が反転されて表裏が逆とされ、反転された原稿が第1読取位置及び第2読取位置を通過した際には(2パス目)、第1読取位置において原稿の他方の面(例えば裏面)の画像が読み取られ、第2読取位置において原稿の一方の面(例えば表面)の画像が読み取られる。
そして、第1読取位置において読み取られた原稿の一方の面(例えば表面)の画像と、第2読取位置において読み取られた原稿の一方の面(例えば表面)の画像とが比較され、第1読取位置において読み取られた原稿の一方の面(例えば表面)の画像のみにノイズが混入している際には、第1読取位置においてノイズ混入要因が存在することが検出される。そのため、機械的な構成の設計が変更されることが要されずに、画像に混入したノイズが、画質優先読取位置に存在するノイズ混入要因の影響によるノイズであることが、容易に検出される。
以下に、本発明に係る画像読取装置及び画像形成装置の一実施形態が説明される。図1は、本発明の一実施形態に係る画像読取装置及び画像形成装置の内部構成を模式的に示した縦断面図である。尚、以下の説明において、「画像」とは、「画像データ」の意である。
画像形成装置1は、大きく分けて、画像読取装置2と装置本体3とからなる。画像読取装置2は、原稿給紙部21、スキャナ部22、CIS(第2読取手段)231、操作部5、後述される原稿反転機構の他、給紙トレイ211に載置された原稿を、後述される第1読取位置P1及び第2読取位置P2を通じて排紙トレイ215へ搬送するための搬送経路219、及び、制御部61(図2参照)を備えている。尚、以下の説明において、第1読取位置P1は画質優先読取位置とされ、第2読取位置P2は処理速度優先読取位置とされる。
原稿給紙部21は、ADFを備え、給紙トレイ211、ピックアップローラ212、プラテン213、排紙ローラ214及び排紙トレイ215を有する。給紙トレイ211には、読取対象とされる原稿が載置される。給紙トレイ211に載置された原稿は、1枚ずつピックアップローラ212によって取り込まれ、間隙を介して順次プラテン213へ搬送される。プラテン213を経由した原稿は、排紙ローラ214によって排紙トレイ215へ順次排出される。
スキャナ部22は、原稿を光学的に読み取って画像を生成するものである。スキャナ部22は、ガラス221、光源222、第1ミラー223、第2ミラー224、第3ミラー225、第1キャリッジ226、第2キャリッジ227、結像レンズ228、CCD(第1読取手段;電荷結合素子)229を備える。このスキャナ部22は、光源222として冷陰極蛍光管等の白色蛍光ランプが用いられ、第1ミラー223、第2ミラー224、第3ミラー225、第1キャリッジ226、第2キャリッジ227及び結像レンズ228により、原稿からの光をCCD229に導く。スキャナ部22は、光源222として冷陰極蛍光管等の白色蛍光ランプを用いて構成されていることから、光源として3色LED等が用いられる後述のCIS231よりも色再現性に優れる。
ガラス221には、原稿給紙部21によらない原稿読取時に、ユーザの手動により原稿が載置される。光源222及び第1ミラー223は第1キャリッジ226によって支持され、第2ミラー224及び第3ミラー225は第2キャリッジ227によって支持されている。
画像読取装置2の原稿読取方式としては、ガラス221上に載置された原稿をスキャナ部22が読み取るフラットベッド読取処理と、原稿を原稿給紙部21(ADF)によって取り込み、その搬送途中で原稿を読み取るADF読取処理がある。
フラットベッド読取処理では、光源222がガラス221上に載置された原稿を照射し、主走査方向1ライン分の反射光が第1ミラー223、第2ミラー224、第3ミラー225の順に反射して、結像レンズ228に入射する。結像レンズ228に入射した光はCCD229の受光面で結像される。CCD229は一次元のイメージセンサであり、1ライン分の原稿の画像を同時に処理する。第1キャリッジ226及び第2キャリッジ227は、主走査方向と直交する方向(副走査方向、矢印Y方向)に移動可能に構成されており、1ライン分の読み取りが終了すると、副走査方向に第1キャリッジ226及び第2キャリッジ227が移動し、次のラインの読み取りが行われる。
ADF読取処理では、原稿給紙部21が給紙トレイ211に載置された原稿をピックアップローラ212によって1枚ずつ取り込む。このとき、第1キャリッジ226及び第2キャリッジ227は、読取窓230の下方に配置される。
原稿給紙部21による原稿搬送で、プラテン213から排紙トレイ215への搬送経路219上に存在する第1読取位置P1を通過するとき、原稿が読取窓230上を通過する。この際、光源222が原稿を照射し、主走査1ライン分の反射光が第1ミラー233、第2ミラー224、第3ミラー225の順に反射して、結像レンズ228に入射する。結像レンズ228に入射した光はCCD229の受光面で結像される。続いて原稿は原稿給紙部21によって搬送され、次のラインが読み取られる。
更に、原稿給紙部21は、切換ガイド216、反転ローラ217及び反転搬送路218を備えた原稿反転機構(反転手段)を有する。この原稿反転機構が、1回目のADF読み取りによって表面(原稿の一方の面)が読み取られた原稿を表裏反転させて第1読取位置P1を再度通過させる。このとき、再度CCD229によって原稿の裏面(原稿の他方の面)の読み取りが行われる。この原稿反転機構は、両面読み取り時にのみ動作し、片面読み取り時は動作しない。片面読み取り時及び両面読み取り時において裏面の読み取り後、切換ガイド216は上側に切り替えられ、プラテン213を経た原稿は、排紙ローラ214によって排紙トレイ215に排紙される。両面読み取り時における表面読み取り後、切換ガイド216は下側に切り替えられ、プラテン213を経た原稿は反転ローラ217によって反転搬送路218へ搬送される。その後、切換ガイド216は上側へ切り替わり、反転ローラ217が逆回転して原稿をプラテン213へ再給紙する。以下、原稿反転機構を用いて原稿の両面を読み取らせる処理を画質優先読取処理と呼ばれる。
更に、本実施形態の画像読取装置2は、ADF読取処理時において、前述したように原稿の搬送途中でCCD229(スキャナ部22)によって原稿の表面の読み取りを行わせると略同時に(略並行して)、CIS231によって原稿の裏面の読み取りを行わせることが可能である。この場合、給紙トレイ211から原稿給紙部21により搬送された原稿は、第1読取位置P1を通過するときにCCD229によって表面が読み取られ、更に、CIS231が画像を読み取ることができる領域に存在する第2読取位置P2を通過する際に裏面が読み取られる。
なお、CIS231では、光源としてRGBの3色LED等が用いられる。このようにCCD229とCIS231を用いることで、原稿給紙部21による給紙トレイ211から排紙トレイ215までの一回の原稿搬送操作(ワンパス)によって原稿の表裏両面の読み取りが可能となる。以下、このようにCCD229とCIS231を用いて原稿の両面を読み取らせる処理を処理速度優先読取処理と表記する。
画像形成装置1は、装置本体3と、装置本体3の左方に配設されたスタックトレイ6とを有している。装置本体3は、複数の給紙カセット461と、給紙カセット461から記録紙(記録媒体)を1枚ずつ繰り出して画像形成部40へ搬送する給紙ローラ462と、給紙カセット461から搬送されてきた記録紙に画像を形成する画像形成部40とを備える。また、装置本体3は、記録紙トレイ471と該記録紙トレイ471に載置された原稿を1枚ずつ画像形成部40に向けて繰り出す繰り出しローラ472とを備える。
記録部(画像形成部)40は、感光体ドラム43の表面から残留電荷を除電する除電装置421と、除電後の感光体ドラム43の表面を帯電させる帯電装置422と、スキャナ部22で取得された画像データに基づいてレーザ光を出力して感光体ドラム43表面を露光し、当該感光体ドラム43の表面に静電潜像を形成する露光装置423と、前記静電潜像に基づいて感光体ドラム43上に、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)及びブラック(K)の各色のトナー像を形成する現像装置44K,44Y,44M,44Cと、感光体ドラム43に形成された各色のトナー画像が転写されて重ね合わせされる転写ドラム49と、転写ドラム49上のトナー像を用紙に転写させる転写装置41と、トナー像が転写された用紙を加熱してトナー像を用紙に定着させる定着装置45とを備えている。なお、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの各色に対するトナーの供給は、図略のトナー供給容器(トナーカートリッジ)から行われる。また、画像形成部40を通過した記録紙をスタックトレイ6又は排出トレイ48まで搬送する搬送ローラ463,464等が設けられている。
記録紙の両面に画像を形成する場合は、画像形成部40で記録紙の一方の面に画像を形成した後、この記録紙を排出トレイ48側の搬送ローラ463にニップされた状態とする。この状態で搬送ローラ463を反転させて記録紙をスイッチバックさせ、記録紙を用紙搬送路Lに送って画像形成部40の上流域に再度搬送し、画像形成部40により他方の面に画像を形成した後、記録紙をスタックトレイ6又は排出トレイ48に排出する。
また、装置本体3の前方には、ユーザが操作画面や各種メッセージ等を視認することができる表示部や、種々の操作命令を入力するための操作ボタンを有する操作部5が備えられている。
図2は、画像形成装置1の電気的な構成を示すブロック図である。尚、図1に示される各部と同一のものには同一の符号が付され、説明が省略される。図2において、画像形成装置1は、制御部(制御手段)61、原稿給紙部21、スキャナ部22、CIS231、操作部5、記憶部67、画像形成部(画像形成手段)40、通信部66、切換ガイド216及び反転ローラ217を少なくとも含む原稿反転機構(反転手段)、及び、ページメモリ1(68)〜ページメモリ4(71)、を備える。
このような画像形成装置1において、制御部61、原稿給紙部21、スキャナ部22、CIS231、操作部5、記憶部67、切換ガイド216及び反転ローラ217を少なくとも含む原稿反転機構(反転手段)、及び、ページメモリ1(68)〜ページメモリ4(71)、が、画像読取装置2を構成している。
このような画像形成装置1において、原稿給紙部21は、ADF読取処理で原稿のコピーやスキャンが行われる際に、給紙トレイ211に載置された原稿を自動的に取り込んで、CCD229やCIS231による原稿の読み取りが可能なように搬送する。操作部5は、図1に示す操作部5に相当するものである。スキャナ部22及びCIS231は、図1に示すスキャナ部22及びCIS231に相当する。
操作部5は、使用者がコピー機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能及びスキャナ機能等に関する操作を行うために使用され、使用者による操作命令(コマンド)等を制御部61に与える。
画像形成部40は、CCD229又はCIS231によって得られ、記憶部67へ記憶されている画像や、パーソナルコンピュータやファクシミリ装置等から通信部66を介して転送された画像を記録紙に形成する。通信部66は、図略のネットワークインターフェースを用い、ネットワークを介して接続されたコンピュータやファクシミリ装置等の外部装置との間で、種々のデータの送受信を行う。例えば、通信部66は、記憶部67へ記憶されている画像を外部装置へ送信することができる。
記憶部67は、スキャナ部22及びCIS231の読取動作により得られ、かつ、後述される制御部61により処理された画像を記憶する記憶部や、ファクシミリ通信を行う時の短縮釦登録の相手先名称やファクシミリ番号、或いは、ネットワークスキャナとして使用される際の送信相手先のIPアドレスなどを予め記憶したりする記憶部を有して構成されている。
ページメモリ1(68)〜ページメモリ4(71)は、後述されるノイズ混入要因検出処理、ノイズ除去処理、及び、画像選別処理において使用される。これら各々の処理において、ページメモリ1(68)には第1読取位置P1において読み取られた原稿の一方の面(例えば表面)の画像がページ単位で記憶される。また、ページメモリ2(69)には第1読取位置P1において読み取られた原稿の他方の面(例えば裏面)の画像がページ単位で記憶される。また、ページメモリ3(70)には第2読取位置P2において読み取られた原稿の一方の面(例えば表面)の画像がページ単位で記憶される。また、ページメモリ4(71)には第2読取位置P2において読み取られた原稿の他方の面(例えば裏面)の画像がページ単位で記憶される。
尚、ページメモリ1(68)〜ページメモリ4(71)の各々は、1つのメモリが、ページメモリ1(68)〜ページメモリ4(71)の各々のメモリ領域に区分されて構成されていてもよい。
制御部61は、画像形成装置1全体の動作制御を司るものであり、CPU、RAM及びROM等によって構成される。原稿給紙部21、スキャナ部22、CIS231、操作部5、画像形成部40及び通信部66は、制御部61による制御の下で動作する。制御部61は、ユーザから操作部5に入力された各種の指示信号等に応じて、図略のROM又は前記記憶部67に記憶されている動作制御プログラムに基づいた処理を実行し、各機能部への指示信号の出力、データ転送等を行って画像形成装置1を統括的に制御する。
このような制御部61は、判定部(判定手段)611、ノイズ除去部(ノイズ除去手段)612、設定部(設定手段)613、及び、出力部(出力手段)614、を備える。判定部611は、後述されるノイズ混入要因検出処理において使用される。このような判定部611は、第1読取位置P1において読み取られた原稿の表面(一方の面)の画像と、第2読取位置P2において読み取られた原稿の表面(一方の面)の画像とを比較して、第1読取位置P1において読み取られた原稿の表面の画像にのみノイズが混入しているか否かを判定する。又は、判定部611は、第1読取位置P1において読み取られた原稿の裏面(他方の面)の画像と、第2読取位置P2において読み取られた原稿の裏面(他方の面)の画像とを比較して、第1読取位置P1において読み取られた原稿の裏面の画像にのみノイズが混入しているか否かを判定する。尚、具体的な判定手法は後述される。
ノイズ除去部612は、第1読取位置P1において読み取られた原稿の表面(一方の面)の画像、及び、第1読取位置P1において読み取られた原稿の裏面(他方の面)の画像のいずれか一方の画像に混入しているノイズを除去する。尚、具体的な除去方法は後述される。
設定部613は、ノイズ除去処理においてノイズが除去された画像、又は、画像選別処理において選別された画像を出力用の画像として記憶部67へ記憶させる。出力部614は、記憶部67へ出力用の画像として記憶された画像を、画像形成部40又は通信部66へ出力する。
以上のような構成を有する画像形成装置1において、ADF読取処理において原稿搬送部5により搬送される原稿に対して画像読取装置2により読取動作を行う場合に、読取窓230において、先述されたノイズ混入要因が存在していると、以下の問題が生じうる。つまり、同一の画素が各撮像タイミングでノイズ混入要因の影響を受けて、得られた画像のうち、前記同一の画素の画素位置に対応する主走査方向の位置に、副走査方向に延びる筋状の画像(以下、ノイズという)が形成されうる。以下、読取窓230の上にノイズ混入要因が存在することは、第1読取位置P1においてノイズ混入要因が存在することと同義とされる。
図3は、画像読取装置2に備えられるプラテン213の周辺を表す拡大図である。図3に示されるように、第1読取位置P1においてノイズ混入要因が存在していれば、原稿の画像を第1読取位置P1において読み取った際には、第1読取位置P1において存在するノイズ混入要因の影響を受けて、得られた原稿の画像に副走査方向にノイズが混入する。画像読取装置2は、このようなノイズ混入要因を、第1読取位置P1において読み取られた原稿の画像、及び、第2読取位置P2において読み取られた原稿の画像を用いて検出する装置である。
図4は、ノイズ混入要因を検出する原理を説明するための図である。図4(a)は第2読取位置P2においてCIS231によって読み取られた原稿の一方の面(ここでは表面)の画像D1を示している。図4(b)は第1読取位置P1においてCCD229によって読み取られた原稿の一方の面(ここでは表面)の画像D2を示している。
ノイズ混入要因を検出するために、画像D1と画像D2とが比較されて、画像D1及び画像D2のうちいずれの画像にノイズが混入しているかが判定される。図4において、画像D1にはノイズが混入していないが、画像D2にはノイズNが混入している。このような場合には、第1読取位置P1においてノイズ混入要因が存在していると検出される。
以下に、ノイズ混入要因を検出する原理が詳述される。つまり、画像読取装置2は、画像読取位置P1において読み取った原稿の一方の面(例えば表面)の画像D1をページメモリ1(68)に記憶させる。一方、画像読取装置2は、画像読取位置P2において読み取った、画像読取位置P1において読み取った原稿の面と同じ面(例えば表面)の画像D2をページメモリ3(70)に記憶させる。
また、画像読取装置2は、画像読取位置P1において読み取った原稿の他方の面(例えば裏面)の画像D1をページメモリ2(69)に記憶させる。一方、画像読取装置2は、画像読取位置P2において読み取った、画像読取位置P1において読み取った原稿の面と同じ面(例えば裏面)の画像D2をページメモリ4(71)に記憶させる。尚、以下の説明において、用語「アドレス」は、ページメモリ1(68)〜ページメモリ4(71)のいずれかを選択するためのアドレス(チップセレクト用のアドレス)よりも下位のアドレスを意味している。
そして、画像読取装置2は、ページメモリ1(68)に記憶された画像D1と、ページメモリ3(70)に記憶された画像D2とを比較して、いずれの画像D1,D2にノイズが混入しているかを判定する。または、画像読取装置2は、ページメモリ2(69)に記憶された画像D1と、ページメモリ4(71)に記憶された画像D2とを比較して、画像D2のみにノイズが混入しているか否かを判定する。
画像D2のみにノイズが混入しているか否かを判定する手法は、例えば、以下の手法が挙げられる。つまり、画像読取装置2は、ページメモリ3(70)に記憶された画像D2をなす画素の各々の階調値を順次判定する。そして、画像読取装置2は、画像D2において予め定められた閾値以上となる階調値を有する画素が副走査方向に並んでいれば、画像D2においてノイズNが混入していると判定する。ここに、予め定められた閾値以上となる階調値を有する画素が画像D2において副走査方向に配列していることは、ページメモリ3(70)において各画素が位置するアドレスを参照することで判定されうる。
そして、画像読取装置2は、画像D2においてノイズNをなす副走査方向に並ぶ各画素の階調値と、ページメモリ1(68)に記憶された画像D1をなす画素のうち、画像D2においてノイズNをなす副走査方向に並ぶ各画素と同一のアドレスに位置する画素の階調値と、の差を求め、その値が予め設定された閾値以上である際には、画像D2においてのみノイズNが混入していると判定する。このような手法により、画像D2においてのみノイズNが混入していることが判定される。
尚、画像D2においてノイズNが混入していると判定されないとき、及び、画像D1をなす画素のうち、画像D2においてノイズNをなす副走査方向に並ぶ各画素と同一のアドレスに位置する画素の階調値と、の差が予め設定された閾値未満である際には、画像D2のみにノイズが混入しているとは判定されない。
または、画像読取装置2は、以下の手法によっても、画像D2のみにノイズNが混入していることを判定することができる。つまり、画像読取装置2は、ページメモリ4(71)に記憶された画像D2をなす画素の各々の階調値を順次判定する。そして、画像読取装置2は、予め定められた閾値以上となる階調値を有する画素が画像D2において副走査方向に並んでいれば、画像D2においてノイズNが混入していると判定する。
そして、画像読取装置2は、画像D2においてノイズNをなす副走査方向に並ぶ各画素の階調値と、ページメモリ2(69)に記憶された画像D1をなす画素のうち、画像D2においてノイズNをなす副走査方向に並ぶ各画素と同一のアドレスに位置する画素の階調値と、の差を求め、その値が予め設定された閾値以上である際には、画像D2においてのみノイズNが混入していると判定する。このような手法によっても、画像D2においてのみノイズNが混入していることが判定される。
または、画像読取装置2は、以下の手法によっても、画像D2のみにノイズNが混入していることを判定することができる。つまり、ページメモリ1(68)に記憶された画像D2の各画素の階調値と、ページメモリ3(70)に記憶された画像D1の各画素のうち、画像D2の各画素が位置するアドレスと同一のアドレスに位置する各画素の階調値との差を、画像D2の各画素毎に求める。そして、各画素毎に求められた階調値の差が予め定められた閾値以上となる画像D2をなす画素が副走査方向に並んでいれば、画像D2においてのみノイズNが混入していると判定する。又は、画像読取装置2は、ページメモリ2(69)に記憶された画像D2をなす各画素の階調値と、ページメモリ4(71)に記憶された画像D1をなす各画素の階調値との差を用いても、先述されたような判定を行うことができる。
画像読取装置1において、以下に示されるノイズ混入要因検出処理が実現される。図5は、ノイズ混入要因検出処理の概要の一例について説明するためのフローチャートである。
画像読取装置1において、制御部61は、搬送経路219を通じて原稿を第1読取位置P1まで搬送し、第1読取位置P1において原稿の一方の面(例えば表面)の画像を読み取る(ステップS1;第1読取ステップ)。ついで、制御部61は、搬送経路219を通じて原稿を第2読取位置P2まで搬送し、第2読取位置P2において原稿の他方の面(例えば裏面)の画像を読み取る(ステップS2;第2読取ステップ)。
ついで、制御部61は、原稿反転機構によって原稿を反転させて表裏を逆にする(ステップS3;反転ステップ)。この反転ステップにおいて、原稿は、反転搬送路218を通じて再度、搬送経路219へ搬送される。
ついで、制御部61は、搬送経路219を通じて原稿を第1読取位置P1まで搬送し、第1読取位置P1において原稿の他方の面(例えば裏面)の画像を読み取る(ステップS3;第3読取ステップ)。ついで、制御部61は、搬送経路219を通じて原稿を第2読取位置P2まで搬送し、第2読取位置P2において原稿の一方の面(例えば表面)の画像を読み取る(ステップS4;第4読取ステップ)。
ついで、制御部61は、判定部611によって判定ステップを行う。つまり、判定部611が、第1読取ステップにおいて読み取られた一方の面(ここでは表面)の画像と、第4読取ステップにおいて読み取られた一方の面(ここでは表面)の画像とを比較する(ステップS6)。そして、制御部61は、判定部611によって、第1読取ステップにおいて読み取られた画像にのみノイズが混入しているか否かを判定する(ステップS7)。
制御部61は、判定部611によって第1読取ステップにおいて読み取られた表面の画像にのみノイズが混入していると判定された際には(ステップS7のYES)、以下の検出ステップを行う。つまり、制御部61は、検出ステップにおいて、第1読取位置P1においてノイズ混入要因が存在していることを検出する(ステップS8)。
このように、画像読取装置2において、原稿が、画質優先読取位置とされる第1読取位置P1、及び、処理速度優先読取位置とされる第2読取位置P2を通過した際には(1パス目)、第1読取位置P1において原稿の表面の画像が読み取られ、第2読取位置P2において原稿の裏面の画像が読み取られる。その後、原稿が反転されて表裏が逆とされ、反転された原稿が第1読取位置P1及び第2読取位置P2を通過した際には(2パス目)、第1読取位置P1において原稿の裏面の画像が読み取られ、第2読取位置P2において原稿の表面の画像が読み取られる。
そして、第1読取位置P1において読み取られた原稿の表面の画像と、第2読取位置P2において読み取られた原稿の表面の画像とが比較され、第1読取位置P1において読み取られた原稿の表面の画像のみにノイズが混入している際には、第1読取位置P1においてノイズ混入要因が存在することが検出される。
そのため、機械的な構成の設計が変更されることが要されずに、画像に混入したノイズが、画質優先読取位置に存在するノイズ混入要因の影響によるノイズであることが、容易に検出される。
また、画像読取装置1において、以下に示されるノイズ混入要因検出処理も実現される。図6は、ノイズ混入要因検出処理の概要の他の例について説明するためのフローチャートである。
画像読取装置1において、制御部61は、図5におけるステップS1〜S4に示される各々と同一の処理であるステップS10〜S14の各々の処理(第1読取ステップ〜第4読取ステップ)を行う。これらの処理において、第1読取位置P1及び第2読取位置P2の各々において、原稿の表裏の面の画像が読み取られる。
ついで、制御部61は、判定部611によって以下の判定ステップを行う。つまり、判定部611が、第2読取ステップにおいて読み取られた一方の面(ここでは裏面)の画像と、第3読取ステップにおいて読み取られた一方の面(ここでは裏面)の画像とを比較する(ステップS15)。そして、制御部61は、判定部611によって、第3読取ステップにおいて読み取られた画像にのみノイズが混入しているか否かを判定する(ステップS16)。
制御部61は、判定部611によって第3読取ステップにおいて読み取られた表面の画像にのみノイズが混入していると判定された際には(ステップS16のYES)、以下の検出ステップを行う。つまり、制御部61は、検出ステップにおいて、第1読取位置P1においてノイズ混入要因が存在していることを検出する(ステップS17)。
このように、画像読取装置2において、第1読取位置P1において読み取られた原稿の裏面の画像と、第2読取位置P2において読み取られた原稿の裏面の画像とが比較され、第1読取位置P1において読み取られた原稿の裏面の画像のみにノイズが混入している際には、第1読取位置P1においてノイズ混入要因が存在することが検出される。
そのため、機械的な構成の設計が変更されることが要されずに、画像に混入したノイズが、画質優先読取位置に存在するノイズ混入要因の影響によるノイズであることが、容易に検出される。
画像読取装置1は、以上に示されたノイズ混入要因検出処理を行うことを前提として、以下に示されるノイズ除去処理及び画像選別処理を行うことができる。図7は、ノイズ除去処理の概要の一例を説明するためのフローチャートである。
つまり、画像読取装置1において、制御部61は、原稿1枚単位で、以下のステップS20〜S23に示される処理を、給紙トレイ211に載置された原稿が無くなるまで繰り返す(ステップS24)。ここに、ステップS20において先述されたノイズ混入要因検出処理が行われる(ステップS20)。このようなノイズ混入要因検出処理が行われた結果、第1読取位置P1においてノイズ混入要因が存在していることが検出された際には(ステップS21のYES)、ノイズ除去部612によって、第1読取位置P1において読み取られた画像に混入しているノイズが除去される(ステップS22)。ここに、ノイズを除去する手法として、様々な周知の手法が挙げられる。例えば、ノイズが混入している画素の周辺に位置する複数の画素の階調値の平均値を算出し、ノイズが混入している画素の階調値に代えてこの平均値を採用する周知の処理が採用可能である。ついで、第1読取位置P1において読み取られ、且つ、ノイズが除去された画像が出力用の画像として記憶部67へ記憶される(ステップS23)。尚、第1読取位置P1においてノイズ混入要因が存在していることが検出されない際には(ステップS21のNO)、第1読取位置P1において読み取られた画像がそのまま出力用の画像として記憶部67へ記憶される(ステップS23)。
このように、第1読取位置P1においてノイズ混入要因が存在していることが検出された際には、第1読取位置P1において読み取られ、且つ、ノイズが除去された画像が出力用の画像として記憶部67に記憶される。そのため、第1読取位置P1に存在するノイズ混入要因による影響を受けない画像が実現される。
尚、図7に示される処理において、原稿1枚毎にノイズ混入要因検出処理及びノイズ除去処理が行われているが、以下の処理によっても、第1読取位置P1に存在するノイズ混入要因による影響を受けない画像が実現される。
すなわち、画像読取装置2は、プレスキャン用の原稿1枚の表裏を、第1読取位置P1及び第2読取位置P2の各々において読み取るプレスキャンによってノイズ混入要因を検出するとともに、第1読取位置P1において読み取られた画像において、ノイズが混入している画素のアドレスを特定する。そして、画像読取装置2は、出力用の画像が読み取られるべき原稿の表裏を第1読取位置P1において読み取り、第1読取位置P1において読み取られた画像から、プレスキャンにおいて特定されたアドレスに位置する画素に混入しているノイズを除去して、出力用の画像として記憶部67に記憶させる。このような処理によっても、第1読取位置P1に存在するノイズ混入要因による影響を受けない画像が実現される。
図8は、画像選別処理の概要の一例を説明するためのフローチャートである。
つまり、画像読取装置1において、制御部61は、原稿1枚単位で、以下のステップS30〜S35に示される処理を、給紙トレイ211に載置された原稿が無くなるまで繰り返す(ステップS36)。ここに、ステップS30において先述されたノイズ混入要因検出処理が行われる。このようなノイズ混入要因検出処理が行われた結果、第1読取位置P1においてノイズ混入要因が存在していることが検出された際には(ステップS31のYES)、第2読取位置P2において読み取られた画像が出力用の画像として記憶部67へ記憶される(ステップS32)。そして、第1読取位置P1において読み取られた画像は破棄される(ステップS33)。
一方、第1読取位置P1においてノイズ混入要因が存在していることが検出されない際には(ステップS31のNO)、第1読取位置P1において読み取られた画像が出力用の画像として記憶部67へ記憶される(ステップS34)。そして、第2読取位置P2において読み取られた画像は破棄される(ステップS35)。
このように、第1読取位置P1においてノイズ混入要因が存在していることが検出された際には、第2読取位置P2において読み取られた画像が出力用の画像として記憶部67に記憶される。そのため、第1読取位置P1に存在するノイズ混入要因による影響を受けない画像が実現される。
尚、画像読取装置2において、第1読取位置P1において読み取られた画像だけではなく、第2読取位置P2において読み取られた画像にもノイズが混入した結果、画像D2においてノイズNをなす副走査方向に並ぶ各画素の階調値と、画像D1をなす画素のうち、画像D2においてノイズNをなす副走査方向に並ぶ各画素と同一のアドレスに位置する画素の階調値と、の差が前記閾値未満となる場合があり得る。
このような場合には、制御部61は、第1読取位置P1において読み取られた画像に混入しているノイズを除去して、第1読取位置P1において読み取られ、且つ、ノイズが除去された画像を出力用の画像とすることができる。また、制御部61は、画像D2においてノイズNをなす副走査方向に並ぶ各画素の階調値と、画像D1をなす画素のうち、画像D2においてノイズNをなす副走査方向に並ぶ各画素と同一のアドレスに位置する画素の階調値と、のうち、階調値が小さな画素が副走査方向に並ぶ画像を選択して、出力用の画像とすることもできる。これらの処理によっても、第1読取位置P1に存在するノイズ混入要因による影響を受けない画像が実現される。