JP2011234129A - 原稿読取装置および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】読み取った原稿画像に筋が発生するという読取異常の発生を未然に検知することができる原稿読取装置およびそれを用いた画像形成装置を提供する。
【解決手段】原稿読取装置は、基準画素値を予め記憶している基準画素値記憶部61と、原稿を搬送していない状態で、コンタクトガラスの原稿読取位置の領域のみならずその他の領域をも含むコンタクトガラス全域を読み取るように画像読取部2を制御する読取制御部62と、読み取った画素データの値と基準画素値とを比較して異常画素を検出する異常画素検出部64と、検出した異常画素に基づいて読み取り画像中に筋が発生する読取異常の可能性を判定する判定部65とを備えている。
【選択図】図4
【解決手段】原稿読取装置は、基準画素値を予め記憶している基準画素値記憶部61と、原稿を搬送していない状態で、コンタクトガラスの原稿読取位置の領域のみならずその他の領域をも含むコンタクトガラス全域を読み取るように画像読取部2を制御する読取制御部62と、読み取った画素データの値と基準画素値とを比較して異常画素を検出する異常画素検出部64と、検出した異常画素に基づいて読み取り画像中に筋が発生する読取異常の可能性を判定する判定部65とを備えている。
【選択図】図4
Description
本発明は、原稿を搬送しながら原稿の画像を撮像素子で読み取る原稿読取装置およびそれを用いた画像形成装置に関する。
複写機、イメージスキャナ、ファクシミリ装置などに備えられる原稿読取装置は、静止した読み取り光学系をコンタクトガラス下方の原稿読取位置に配し、原稿の画像が形成された面がコンタクトガラスに当接するように原稿を副走査方向に搬送しながら、読み取り光学系にて原稿を主走査方向にスキャンして画像を読み取るようになっている。
上記の原稿読取装置において、コンタクトガラス上の原稿読取位置に紙粉や塵などの異物が滞留した場合、当該異物の像は、副走査方向に原稿が搬送されている間、常時、原稿の画像と共に読み取られることとなる。このため、図8に示すように、読み取られた画像には、原稿搬送方向(副走査方向)に延びる筋が発生してしまうという不都合が生じる。
近年、上記のような不都合を回避するための技術が提案されている(例えば、特許文献1および特許文献2)。
特許文献1には、原稿読み取り中の異なる2ラインと、原稿読取終了後の1ラインを記憶しておき、主走査座標で異常画素が検出されると、その主走査位置に塵が存在するとして、原稿読み取り時のキャリッジ位置(原稿読取位置)を塵が存在しない位置へと変更する技術が提案されている。
また、特許文献2には、原稿を読み込む前に、原稿読取位置にある背板(原稿読取位置におけるコンタクトガラスと対向位置にある白色板)を読み取り、原稿読取位置において塵による異常画素が存在すればユーザに清掃を促すメッセージを表示する技術が提案されている。
前記特許文献1に記載の技術では、コンタクトガラス上の原稿読取位置に塵が存在しなければ、キャリッジ位置(原稿読取位置)を変更する動作は行われない。また、前記特許文献2に記載の技術でも、原稿読取位置に塵が存在しなければ、ユーザに清掃を促すメッセージを表示する動作は行われない。すなわち、前記特許文献1および特許文献2に記載の技術では、たとえ原稿読取位置に近接した位置に塵が存在したとしても、原稿読取位置に塵が存在しなければ動作しないのである。
しかしながら、コンタクトガラス上の塵は、常時、同一箇所に留まっているわけではなく、原稿読み取り前に原稿読取位置には塵が存在しなかったとしても、例えば原稿を読み込んでいる最中に移動することもある。すなわち、原稿読取位置に近接した位置に塵が存在する場合、その後、当該塵が原稿読取位置に移動することによって、読み取られた原稿画像に筋が発生する可能性が比較的高いにもかかわらず、前記特許文献1および特許文献2に記載の技術では、それを未然に防止することができないという課題がある。
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、読み取られた原稿画像に筋が発生するという異常の発生を未然に検知することができる原稿読取装置およびそれを用いた画像形成装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、原稿搬送部と、スキャナ部とを備え、前記原稿搬送部で原稿を搬送させながら原稿搬送経路に設けられたコンタクト透過板を通して前記スキャナ部が原稿の画像を読み取る原稿読取装置であって、前記コンタクト透過板に異物が存在しない状態で当該コンタクト透過板をスキャンして得られる基準画素値を予め記憶している基準画素値記憶部と、前記原稿搬送部で原稿を搬送していない状態で、前記コンタクト透過板の原稿読取位置の領域のみならずその他の領域をも含むコンタクト透過板領域を読み取るように前記スキャナ部を制御する読取制御部と、前記コンタクト透過板領域の読み取り画素データの値と前記基準画素値とを比較して異常画素を検出する異常画素検出部と、前記異常画素検出部が検出した異常画素に基づいて、読み取り画像中に筋が発生する読取異常の可能性を判定する判定部とを備えている原稿読取装置である。
上記の構成によれば、原稿搬送部で原稿を搬送していない状態で、コンタクト透過板をスキャナ部で読み取り、読み取った画素データを基準画素値記憶部に予め記憶している基準画素値と比較して、異常画素を検出するようになっている。ここで、原稿を搬送していない状態でコンタクト透過板をスキャナ部で読み取る場合、原稿読取位置の領域のみならずその他の領域をも含むコンタクト透過板領域を読み取る。これにより、コンタクト透過板における原稿読取位置以外の領域に紙粉等の異物が存在する場合でも、当該異物を異常画素として検出できる。
原稿読取装置で原稿が読み取られたときに発生する筋(図8参照)の多くは、コンタクト透過板上に貯まった原稿のゴミ(紙粉)が、搬送されている原稿に送られて原稿読取位置へと移動し、当該原稿読取位置に滞留して発生するものである。したがって、原稿の読み取り前に、原稿読取位置に紙粉等の異物が無くとも、コンタクト透過板上に異物が貯まっていれば、近い将来、読み取り画像中に筋が発生する可能性が高まる。
そこで、本発明の原稿読取装置では、上述のように、コンタクト透過板における原稿読取位置以外の領域に紙粉等の異物が存在する場合においても、当該異物を異常画素として検出しているのである。そして、このようにして検出した異常画素に基づいて、読み取り画像中に筋が発生する読取異常の可能性を判定部にて判定することにより、読み取り画像中の筋の発生を未然に検知することができる。よって、読み取り画像中の筋の発生を防止する対策を容易に講じることができる。
そして、請求項1に記載の原稿読取装置においては、請求項2に記載の発明のように、前記判定部は、前記異常画素検出部が検出した異常画素を計数し、異常画素数が閾値以上のとき、読み取り画像中に筋が発生する可能性が高い筋発生前状態になっていると判定するものとするとよい。
上記の構成によれば、コンタクト透過板領域に存在する異常画素を計数することにより、コンタクト透過板上の異物の量を定量的に求めることができる。そして、異常画素数が閾値以上のとき、異物の量が多いために、読み取り画像中に筋が発生する可能性が高いことを精度よく判定することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の原稿読取装置において、前記判定部が、前記コンタクト透過板領域における原稿読取位置よりも原稿搬送方向上流側に存在する異常画素の方が、原稿読取位置よりも原稿搬送方向下流側に存在する異常画素よりも相対的に重みを高くして、異常画素を計数するものとした構成である。
一般的に、コンタクト透過板上に貯まった紙粉等の異物は、搬送中の原稿に送られて、原稿搬送方向上流から下流へと移動し易い。このことを考慮すれば、原稿読取位置よりも原稿搬送方向上流側に存在する異常画素の方が、原稿読取位置よりも原稿搬送方向下流側に存在する異常画素よりも、原稿読取位置に近づき易いと言える。そこで、異常画素を計数する場合、原稿読取位置よりも原稿搬送方向上流側に存在する異常画素の方が、原稿読取位置よりも原稿搬送方向下流側に存在する異常画素よりも、相対的に重みを高くすることにより、読み取り画像中に筋が発生する可能性が高いことを、より高い精度で判定することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の原稿読取装置において、過去に検出された異常画素の位置情報を記憶する異常画素位置記憶部をさらに備え、前記判定部は、前記異常画素検出部が検出した異常画素の位置情報と、前記異常画素位置記憶部に記憶されている過去に検出された異常画素の位置情報とを比較し、異常画素の位置が、原稿読取位置よりも原稿搬送方向上流側からその下流の原稿読取位置へと向かって原稿読取位置に近づいているとき、読み取り画像中に筋が発生する可能性が高い筋発生前状態になっていると判定するものとした構成である。
前述のように、コンタクト透過板上に貯まった紙粉等の異物は、搬送中の原稿に送られて、原稿搬送方向上流から下流へと移動し易い。このようなコンタクト透過板上における異物の位置の変化状態をモニタすることによって、原稿読取位置へと異物が移動する可能性、すなわち、読み取り画像中に筋が発生する可能性が高い筋発生前状態を判定することができる。そこで、本発明の原稿読取装置は、過去に検出された異常画素の位置情報を異常画素位置記憶部に記憶しておき、今回検出した異常画素の位置と過去の異常画素の位置とを比較し、異常画素の位置が、原稿読取位置よりも原稿搬送方向上流側からその下流の原稿読取位置へと向かって原稿読取位置に近づいているのか、それとも原稿読取位置を通り過ぎて原稿読取位置から遠ざかっているのかを、判定部が判断する。これにより、異常画素の位置が原稿読取位置に近づいていることをもって、読み取り画像中に筋が発生する可能性が高い筋発生前状態であることを精度よく判定することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の原稿読取装置において、過去に検出された異常画素の位置情報を記憶する異常画素位置記憶部をさらに備え、前記判定部は、前記異常画素検出部が検出した異常画素の位置情報と、前記異常画素位置記憶部に記憶されている過去に検出された異常画素の位置情報とを比較し、異常画素の位置が、原稿読取位置よりも原稿搬送方向上流側からその下流の原稿読取位置へと向かって原稿読取位置に近づいており、且つ、異常画素の位置から原稿読取位置までの距離が閾値以下のときに、読み取り画像中に筋が発生する可能性が高い筋発生前状態になっていると判定するものとした構成である。
このように、異常画素の位置が原稿読取位置に近づいている場合であって、異常画素の位置から原稿読取位置までの距離が閾値以下の場合にのみ、読み取り画像中に筋が発生する可能性が高い筋発生前状態であると判定することにより、読み取り画像中に筋が発生する可能性がより高い状態を判定することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5の何れか1項に記載の原稿読取装置において、前記判定部が前記筋発生前状態を検出したとき、前記コンタクト透過板の清掃を促す警告処理を行う警告部をさらに備えている構成である。
このように、読み取り画像中に筋が発生する可能性が高い筋発生前状態が検出されたときに、ユーザにコンタクト透過板の清掃を促す警告処理を行うことによって、読み取り画像中の筋の発生を未然に防止することができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6の何れか1項に記載の原稿読取装置において、前記判定部が前記筋発生前状態を検出したとき、より筋発生の可能性が低い読み取り位置となるように、原稿読取位置を変更する読取位置変更部をさらに備えている構成である。
このように、読み取り画像中に筋が発生する可能性が高い筋発生前状態が検出されたときに、原稿読取位置を変更することによって、読み取り画像中の筋の発生を未然に防止することができる。
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7の何れか1項に記載の原稿読取装置において、前記コンタクト透過板と対向する位置に設けられ、原稿を搬送していない状態で前記スキャナ部が当該コンタクト透過板を読み取ったときの基準色を示す基準部材をさらに備え、前記基準部材が黒色である構成である。
上記の構成によれば、原稿を搬送していない状態で前記スキャナ部が当該コンタクト透過板を読み取ったとき、コンタクト透過板と対向する位置に設けられた基準部材の色の濃度を取得することとなる。この基準部材背板の色を黒色とすることにより、紙粉の存在を異常画素として検出する精度が高まる。なぜならば、読み取り画像中に筋が発生する原因の多くは、紙粉であると考えられるためである。すなわち、紙粉の色は、通常、黒よりも白に近い灰色であるため、基準部材を黒にする方がより紙粉の色との濃度差が大きくなり、紙粉の存在を異常画素として検出する精度が高まるのである。
請求項9に記載の発明は、請求項1ないし8の何れか1項に記載の原稿読取装置と、前記原稿読取装置によって読み取られた画像データに基づいて画像を形成する画像形成部とを備えている画像形成装置である。
これにより、読み取り画像中の筋の発生を未然に検知することができる画像形成装置を実現できる。
本発明によれば、コンタクト透過板における原稿読取位置以外の領域に紙粉等の異物が存在する場合においても、当該異物を異常画素として検出しているので、読み取り画像中に筋が発生する読取異常の可能性を精度よく判定することができ、読み取り画像中の筋の発生を未然に検知することができる。
(実施の形態1)
以下、本発明に係る原稿読取装置を備えた画像処理装置の実施の形態について図面を参照して説明する。尚、以下の実施の形態では、本発明に係る画像処理装置の一実施の形態として、カラーコピー、スキャナ、ファクシミリ、プリンタ等の機能を備えた複合機に集約した形態を例に説明する。
以下、本発明に係る原稿読取装置を備えた画像処理装置の実施の形態について図面を参照して説明する。尚、以下の実施の形態では、本発明に係る画像処理装置の一実施の形態として、カラーコピー、スキャナ、ファクシミリ、プリンタ等の機能を備えた複合機に集約した形態を例に説明する。
図1は、本実施の形態に係る複合機1の内部構成を模式的に示した縦断面図である。図1に示す複合機1は、大きく分けると原稿読取装置としての画像読取部2と画像形成部としての装置本体3とからなる。画像読取部2は、原稿給紙部21とスキャナ部22を備えて構成される。原稿給紙部21は、ADF(Auto Document Feeder)を実現するものであり、原稿トレイ241、給紙ローラ232、搬送ドラム233、排紙ローラ対234及び排紙トレイ235を有する。
原稿トレイ241は、原稿が載置される場所であり、原稿トレイ241に載置された原稿は1枚ずつ給紙ローラ232によって取り込まれて搬送ドラム233へと搬送される。搬送ドラム233を経由した原稿は排紙ローラ234によって排紙トレイ235へ排出される。
スキャナ部22は、原稿の画像を光学的に読み取って画像データを生成するものであり、装置本体3に設けられている。スキャナ部22は、コンタクトガラス221、光源222、第1ミラー223、第2ミラー224、第3ミラー225、第1キャリッジ226、第2キャリッジ227、結像レンズ228、及びラインセンサであるCCD(Charge Coupled Device)229を備える。
スキャナ部22は、光源222として冷陰極蛍光管等の白色蛍光ランプが用いられ、前記第1ミラー223、第2ミラー224、第3ミラー225、第1キャリッジ226、第2キャリッジ227及び結像レンズ228により、原稿からの光をCCD229に導くものである。スキャナ部22は、光源222として冷陰極蛍光管等の白色蛍光ランプを用いていることから、光源として3色LED等が用いられる後述のCIS(Contact Image Sensor)231よりも色再現性に優れる。
CIS231は、ラインセンサであり、原稿給紙部21の原稿搬送路においてスキャナ部22による原稿読取位置よりも原稿搬送方向下流側に設けられている。CIS231は、原稿搬送路において、スキャナ部22によって読み取られる原稿面とは反対側の面を読み取る位置に設けられている。
図2に示すように、コンタクトガラス221は、ADFスキャン用コンタクトガラス81(コンタクト透過板)と、テーブルスキャン用コンタクトガラス82と、原稿左位置ストッパ83とから構成される。
ADFスキャン用コンタクトガラス81(コンタクト透過板)は、原稿給紙部21により搬送される原稿の読み取り対象面が当接する位置に設けられ、光源222からのスキャン光を透過する。テーブルスキャン用コンタクトガラス82は、原稿給紙部21による原稿の搬送方向下流側に設けられ、原稿を載置できる表面積を有し、光源222からのスキャン光を透過する。原稿左位置ストッパ83は、ADFスキャン用コンタクトガラス81とテーブルスキャン用コンタクトガラス82との間に設けられ、テーブルスキャン用コンタクトガラス82に載置された原稿の左端部の位置決めに使用されるものである。
また、ADFスキャン用コンタクトガラス81の上方であって、当該ADFスキャン用コンタクトガラス81と対向する位置には、白色または黒色の背板84が設けられている。この背板84は、白色または黒色の基準となる基準部材である。この背板84は、スキャナ部22の配光特性や、スキャナ部22におけるCCD229の画素毎の感度差に起因する画像データの誤差を補正するためのシェーディング補正処理などに使用される。シェーディング補正では、原稿を搬送していない状態で背板84をスキャナ部22で読み取り、当該背板84の読み取りデータ(白色基準値または黒白色基準値)に基づいて、実際の原稿を当該スキャナ部22で読み取った場合に得られる原稿読取データを補正する。
また、スキャナ部22において、光源222及び第1ミラー223は、第1キャリッジ226によって支持されており、第2ミラー224及び第3ミラー225は、第2キャリッジ227によって支持されている。
画像読取部2の原稿読取モードとしては、テーブルスキャン用コンタクトガラス82上に載置された原稿を、スキャナ部22の光照射位置を移動させながら(走査しながら)読み取るフラットベッド読取モードがある。さらに、他の原稿読取モードとしては、原稿をADFによって取り込み、その搬送途中に設けられたADFスキャン用コンタクトガラス81に原稿の読み取り対象面を当接させながら原稿を搬送すると共に、スキャナ部22の光照射位置を固定して原稿を読み取るADF読取モードがある。
フラットベッド読取モードでは、光源222がテーブルスキャン用コンタクトガラス82上に載置された原稿を照射し、一次元のイメージセンサであるCCD229の各画素が並ぶ主走査方向1ライン分の反射光が第1ミラー223、第2ミラー224、第3ミラー225の順に反射して、結像レンズ228に入射する。結像レンズ228に入射した光はCCD229の受光面で結像される。このような動作が、主走査方向と直交する方向(副走査方向、矢印Y方向)への第1キャリッジ226及び第2キャリッジ227の移動と並行して1ラインずつ実施される。CCD229は、1ライン分の原稿の画像データを同時に処理し、画像データを1ライン単位でA/D変換部216(図3参照)に出力する。
ADF読取モードでは、原稿トレイ241に載置された原稿が給紙ローラ232によって原稿搬送経路に1枚ずつ取り込まれ、搬送ドラム233から排紙トレイ235への搬送経路に設けられたADFスキャン用コンタクトガラス81における画像読取位置230上を原稿が通過するとき、光源222が原稿を照射し、主走査1ライン分の反射光が第1ミラー223、第2ミラー224、第3ミラー225の順に反射して、結像レンズ228に入射する。結像レンズ228に入射した光はCCD229の受光面で結像される。このような動作が、搬送ドラム233による原稿の搬送と並行して1ラインずつ実施される。CCD229は、1ライン分の原稿の画像データを同時に処理し、画像データを1ライン単位でA/D変換部216(図3参照)に出力する。尚、以下の説明において、特に記載のないものについては、ADF読取モードによって原稿を自動給紙し、画像の読み取りを行うことを前提に説明を行う。
更に、原稿給紙部21は切換ガイド236、反転ローラ対237及び反転搬送路238からなる原稿反転機構を有する。1回目のADF読み取りによって表面(原稿の一方の面)が読み取られた原稿を、前記の原稿反転機構を用いて反転させて再搬送することによって、再度CCD229によって裏面(原稿の他方の面)の読み取りを行わせることができる。この原稿反転機構は、両面読み取り時にのみ動作し、片面読み取り時は動作しない。片面読み取り後、及び両面読み取り時において裏面の読み取り後、切換ガイド236は上側に切り替えられ、搬送ドラム233を経た原稿は排紙ローラ対234によって排紙トレイ235に排紙される。なお、両面読み取り時における表面読み取り後、切換ガイド236は下側に切り替えられ、搬送ドラム233を経た原稿は反転ローラ対237のニップ部へ搬送される。その後、切換ガイド236は上側へ切り替わって反転ローラ対237が逆回転することにより、原稿は反転搬送路238を介して搬送ドラム233へ再搬送される。
更に、本実施の形態の画像読取部2は、ADF読取モード時において、前記で説明したように原稿の搬送途中でCCD229によって原稿の表面の読み取りを行わせると同時に、CIS231によって原稿の裏面の読み取りを行わせることも可能である。つまり、原稿トレイ241から給紙された原稿は画像読取位置230上を通過するときにCCD229によって表面が読み取られ、更にCIS231を通過する際に裏面も読み取られる。このようにCCD229とCIS231を用いることで、ワンパスで原稿の両面の読み取りが可能となる。
複合機1は、装置本体3と、装置本体3の左方に配設されたスタックトレイ6とを有している。装置本体3は、複数の給紙カセット461と、給紙カセット461から用紙(記録媒体)を1枚ずつ繰り出して記録部(画像形成部)40へ搬送する給紙ローラ462と、給紙カセット461から搬送されてきた用紙に画像を形成する記録部40とを備える。更に手差しトレイ471を備え、この手差しトレイ471には何れの給紙カセットにも収納されていないサイズの用紙や、既に一方の面に画像形成がなされている用紙(裏紙)、OHPシートのような任意の記録媒体が載置可能であり、給紙ローラ472によって1枚ずつ装置本体3内に給紙される。
記録部40は、感光体ドラム43の表面から残留電荷を除電する除電装置421と、除電後の感光体ドラム43の表面を帯電させる帯電装置422と、スキャナ部22で取得された画像データに基づいてレーザ光を出力して感光体ドラム43表面を露光し、感光体ドラム43の表面に静電潜像を形成する露光装置423と、前記静電潜像に基づいて感光体ドラム43上に、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)及びブラック(K)の各色のトナー像を形成する現像装置44C、44M、44Y、44Kと、感光体ドラム43に形成された各色のトナー画像が転写されて重ね合わせされる転写ドラム49と、転写ドラム49上のトナー像を用紙に転写させる転写装置41と、トナー像が転写された用紙を加熱してトナー像を用紙に定着させる定着装置45とを備えている。なお、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの各色に対するトナーの供給は、不図示のトナー供給容器(トナーカートリッジ)から行われる。また、記録部40を通過した用紙をスタックトレイ6又は排出トレイ48まで搬送する搬送ローラ対463及び464等が設けられている。
用紙の両面に画像を形成する場合は、記録部40によって用紙の一方の面に画像の形成が施された後、この用紙を排出トレイ48側の搬送ローラ対463にニップされた状態にする。この状態で搬送ローラ対463を逆回転させて用紙をスイッチバックさせ、用紙を用紙搬送路Lに送って記録部40の上流域に再度搬送し、記録部40によって他方の面に画像の形成が施された後、用紙をスタックトレイ6又は排出トレイ48に排出する。
また、装置本体3の前方には、操作画面や各種メッセージ等の表示画面を表示する、例えばタッチパネルを備えた表示部51と、種々の操作命令を入力するための操作ボタン(数字キー群53、スタートボタン55等)とを有する操作部5が備えられている。表示部51は、LCD(Liquid Crystal Display)やELD(Electronic Luminescent Display)等によって構成され、紙サイズ選択、倍率選択、濃度選択等の選択画面が表示される。本実施の形態では、後述のように、ユーザにADFスキャン用コンタクトガラス81の清掃を促すメッセージが、表示部51に表示されるようになっている。
次に、複合機1の電気的構成を説明する。図3は、複合機1の電気的なハード構成を示すブロック図である。
図3に示すように、複合機1は、CPU211と、RAM212と、ROM213と、補助記憶装置214と、A/D変換部216と、画像処理部218と、入出力インタフェース219とを備え、これらの各部はデータバスBUSによって互いに通信可能に接続されている。
CPU211は、複合機1の全体的な動作制御を司るものであり、ROM212や補助記憶装置214としてのHDD等に記憶されているプログラムに従って複合機1における各部の動作を制御する。RAM212は、CPU211による前記プログラムに従った複合機1の各部の制御を行う時の作業領域として用いられるものである。ROM213は、前記プログラムを記憶するものである。
A/D変換部216は、スキャナ部22のCCD229やCIS231から送出されてくるアナログの電気信号からなる読取画像データを、所定ビット数からなるデジタルの読取画像データに変換するA/D変換処理を行うものである。A/D変換部216は、A/D変換後の読取画像データを画像処理部218等に出力する。
画像処理部218は、画像データに対して、レベル補正、ガンマ補正等の補正処理、画像データの圧縮又は伸長処理、拡大又は縮小処理などの画像加工処理を行う。
入出力インタフェース219には、通信部220等が接続されている。通信部220は、ネットワークに接続され、ネットワーク上の端末装置からのプリント要求を受け付ける。これにより、複合機1はリモートプリンタとして機能する。また、通信部220は、電話回線等に接続され、ファクシミリ信号の送受信を行う。これにより、複合機1はファクシミリ装置として機能する。
前記のCPU211、RAM212およびROM213は、複合機1の制御部210を構成する。この制御部210の有する主な機能を、図4に示す機能ブロック図に表している。
ADF読取モードにおいて原稿が読み取られたときに発生する筋(図8参照)の原因の多くは、ADFスキャン用コンタクトガラス81上に貯まった原稿のゴミ(紙粉)が、搬送されている原稿に送られて原稿読取位置へと移動し、当該原稿読取位置に滞留して発生するものである。
したがって、原稿の読み取り前に、原稿読取位置に紙粉等の異物が無くとも、ADFスキャン用コンタクトガラス81上に多くの異物が貯まっていれば、近い将来、読み取り画像中に筋が発生する可能性が高まる。そこで、本実施の形態の複合機1は、事前に(原稿の読み取り前などに)、ADFスキャン用コンタクトガラス81の略全域(原稿読取位置の領域のみならず、その他の領域をも含むADFスキャン用コンタクトガラス81の領域)をスキャンし、異物が存在する異常画素の数や頻度を判断して、ユーザに清掃を促す等の措置を講じることができる原稿読取装置の機能を実現する。
上記の機能を実現するために、制御部210は、図4に示すように、基準画素値記憶部61、読取制御部62、読取画素値記憶部63、異常画素検出部64、判定部65、警告部66、および読取位置変更部67を備えている。
基準画素値記憶部61は、予め清掃を行ってADFスキャン用コンタクトガラス81に異物が存在しない状態においてADFスキャン用コンタクトガラス81の全域をスキャンして得られた基準画素値を、所定の記憶領域に記憶している。
前記の基準画素値を得るには、いくつかの方法がある。たとえば、異物が存在しない状態のADFスキャン用コンタクトガラス81の全域を複数回スキャンし、得られた複数の読み取り画素データを画素位置毎に平均し、全ての画素位置の基準画素値をそれぞれ求める方法がある。このようにして得られた画素位置毎の基準画素値は、スキャナ部22における読み取りのバラつきの問題を、平均を取ることによって抑制した値となっているので、基準値としての精度が高い。
なお、異物が存在しない状態のADFスキャン用コンタクトガラス81の全域を1回だけスキャンして得られた画素位置毎の基準画素値を、基準画素値記憶部61に記憶することもできる。
また、ADFスキャン用コンタクトガラス81の全域をスキャンして得られる全ての画素位置の基準画素値を求めるのではなく、副走査方向に並ぶ複数の画素データの平均をとって副走査方向の画素毎の基準画素値を求める方法もある。この方法で求められた副走査方向の画素毎の基準画素値を基準画素値記憶部61に記憶することもできる。
また、ADFスキャン用コンタクトガラス81の全域をスキャンして得られる全ての画素位置の基準画素値を求めるのではなく、全ての画素位置にある全画素データの平均値をとり、全ての画素を代表する一つの基準画素値を求める方法もある。この方法で求められた一つの基準画素値を、基準画素値記憶部61に記憶することもできる。
なお、通常、前記の基準画素値は、複合機1の製品製造時において(製品としての出荷前において)、上記のいずれかの方法によって求められ、基準画素値記憶部61に記憶される。ただし、これに限定されるものではなく、任意のタイミングでユーザが複合機1を操作することにより、基準画素値記憶部61に記憶される基準画素値をセットまたはリセットすることも可能である。たとえば、複合機1が基準画素値設定モードを備え、ユーザが予め清掃を行ってADFスキャン用コンタクトガラス81に異物が存在しない状態とした後、基準画素値設定モードにすれば、自動的にADFスキャン用コンタクトガラス81の全域のスキャンが開始され、上記のいずれかの方法によって求められた基準画素値が基準画素値記憶部61に記憶されるようにしてもよい。
前記の読取制御部62は、原稿給紙部21が原稿を給紙していない状態においてADFスキャン用コンタクトガラス81の全域をスキャンするように、画像読取部2のスキャナ部22を制御する。
前記の読取画素値記憶部63は、読取制御部62の制御によって読み取られたADFスキャン用コンタクトガラス81全域の画素データを、所定の記憶領域に記憶する。
前記の異常画素検出部64は、読取画素値記憶部63に記憶されているADFスキャン用コンタクトガラス81全域の読み取り画素データの値と、基準画素値記憶部61に記憶されている基準画素値とを比較して、両者の値の差分が所定の閾値以上である画素を異常画素として検出する。
ところで、図2に示すように、ADFスキャン用コンタクトガラス81の上方であって、当該ADFスキャン用コンタクトガラス81と対向する位置には背板84(基準部材)が設けられている。よって、原稿を搬送していない状態でADFスキャン用コンタクトガラス81をスキャンすれば、背板84の色を取得することとなる。この背板84の色は、黒色であることが望ましい。なぜならば、読み取り画像中に筋が発生する原因の多くは、紙粉であると考えられるためである。すなわち、紙粉の色は、通常、黒よりも白に近い灰色であるため、背板84を黒にする方がより紙粉の色との濃度差が大きくなり、紙粉の存在を異常画素として検出する精度が高まるのである。
前記の判定部65は、異常画素検出部64にて検出された異常画素を計数し、計数した異常画素数が所定の閾値以上のとき、ADFスキャン用コンタクトガラス81上に多くの異物が貯まっていることにより、近い将来、読み取り画像中に筋が発生する可能性が高い状態(以下、筋発生前状態と称する)になっていると判断する。
ところで、ADFスキャン用コンタクトガラス81上に貯まった紙粉等の異物は、搬送されている原稿に送られて、原稿搬送方向上流から下流へと移動し易い。このことを考慮すれば、原稿読取位置よりも原稿搬送方向上流側に存在する異常画素の方が、原稿読取位置よりも原稿搬送方向下流側に存在する異常画素よりも、原稿読取位置に近づき易いと言える。
そこで、異常画素を計数する場合、原稿読取位置よりも原稿搬送方向上流側に存在する異常画素の方が、原稿読取位置よりも原稿搬送方向下流側に存在する異常画素よりも、相対的に重みを高くすることが望ましい。例えば、原稿読取位置よりも原稿搬送方向上流側に存在する異常画素の重み係数を1とし、原稿読取位置よりも原稿搬送方向下流側に存在する異常画素の重み係数を0.5とする。一例として、異常画素数の閾値を3とした場合、原稿読取位置よりも原稿搬送方向上流側に存在する異常画素が3つ以上であれば筋発生前状態と判定される一方、原稿読取位置よりも原稿搬送方向下流側に存在する異常画素の場合、6つ以上にならないと筋発生前状態とは判定されない。原稿読取位置よりも原稿搬送方向上流側にも下流側にも異常画素が存在する場合、上記の重み係数に基づく異常画素の計数値を求め、当該計数値が閾値以上のとき筋発生前状態と判定される。なお、上記の重み係数(1、0.5)および閾値(3)は一例であって、その他の値を任意に設定することが可能である。
また、ADFスキャン用コンタクトガラス81よりも原稿搬送方向下流側に配されたテーブルスキャン用コンタクトガラス82に紙粉や塵などの異物が存在する場合、当該異物がADFスキャン用コンタクトガラス81の原稿読取位置に移動することもある。そこで、ADFスキャン用コンタクトガラス81だけではなく、テーブルスキャン用コンタクトガラス82をもスキャンし、上記と同様にしてテーブルスキャン用コンタクトガラス82上の異常画素をも検出し、その異常画素数が所定の閾値以上になったとき、近い将来、読み取り画像中に筋が発生する可能性が高い筋発生前状態と判定する構成とすることもできる。
なお、判定部65は、ADFスキャン用コンタクトガラス81上の原稿読取位置に1つでも異常画素が存在する場合は、読み取り画像中に筋が発生する状態(以下、筋発生状態と称する)になっていると判断する。
前記の警告部66は、判定部65が筋発生前状態の判定をしたとき、表示部51に、ADFスキャン用コンタクトガラス81の清掃をユーザに促すメッセージを表示させる。また、警告部66は、判定部65が筋発生状態の判定をしたときも同様に、表示部51に、ADFスキャン用コンタクトガラス81の清掃をユーザに促すメッセージを表示させる。この場合において、判定結果が筋発生前状態と筋発生状態とで、警告表示レベルを異ならせ、メッセージを変えてもよい。例えば、筋発生前状態の場合、筋発生の可能性が高い旨をメッセージに含め、筋発生状態の場合、筋が発生する旨をメッセージに含めることができる。
前記の読取位置変更部67は、判定部65が筋発生前状態または筋発生状態の判定をしたとき、より筋発生の可能性が低い読み取り位置となるように、原稿読取位置を変更する。ここで、より筋発生の可能性が低い読み取り位置とは、検出された異常画素からより遠さかる読み取り位置とすることができる。
また、上述のように、ADFスキャン用コンタクトガラス81上に貯まった紙粉等の異物は、搬送されている原稿に送られて原稿搬送方向上流から下流へと移動し易い。よって、読取位置変更部67は、全ての異常画素よりも(換言すれば、最も上流に位置する異常画素よりも)読み取り位置が上流となるように原稿読取位置を変更することによっても、筋発生の可能性をより低減できる。
本実施の形態では、警告部66によるユーザに清掃を促すメッセージの表示動作と、読取位置変更部67による原稿読取位置の変更動作とが何れも可能であるが、何れか一方のみを行うようにしてもよい。
上記の構成において、本実施の形態に係る原稿読取装置は、スキャナ部22(読み取り光学系)をADFスキャン用コンタクトガラス81下方の原稿読取位置に静止させ、原稿の画像が形成された面がADFスキャン用コンタクトガラス81に当接するように原稿を副走査方向に搬送しながら、スキャナ部22にて原稿を主走査方向にスキャンして原稿の画像を読み取るようになっている。
本実施の形態に係る原稿読取装置(それを用いた複合機1)は、ADFスキャン用コンタクトガラス81上の原稿読取位置に異常画素が存在する場合は勿論のこと、原稿読取位置に異常画素が存在しない場合であったとしても、ADFスキャン用コンタクトガラス81上に閾値以上の異常画素が存在する場合は、ユーザに清掃を促すメッセージを表示する等の措置を講じるという特徴的な動作を行う。以下、この複合機1の動作を、図5のフローチャートを参照して説明する。
原稿給紙部21に原稿がセットされた状態で操作者によって操作部5のスタートボタン55が押下され、ADF読取モードによる画像読取指示が操作部5に受け付けられると(S1でYES)、読取制御部62が、原稿給紙部21が原稿を給紙していない状態において、ADFスキャン用コンタクトガラス81の全域をスキャンするように、画像読取部2のスキャナ部22を制御する(S2)。このとき、スキャナ部22にて読み取られたADFスキャン用コンタクトガラス81全域の画素データは、読取画素値記憶部63に記憶される。
次に、異常画素検出部64が、読取画素値記憶部63に記憶されたADFスキャン用コンタクトガラス81全域の読み取り画素データの値と、基準画素値記憶部61に予め記憶されている基準画素値とを比較して、両者の値の差分が所定の閾値以上である画素を異常画素として検出する(S3)。
次に、判定部65が、前記S3にて検出された異常画素を計数する(S4)。そして、S4で計数された異常画素数が所定の閾値以上のとき(S5でYES)、判定部65は、読み取り画像中に筋が発生する可能性が高い筋発生前状態と判断する。このとき、警告部66が、ADFスキャン用コンタクトガラス81の清掃をユーザに促すメッセージを表示部51に表示させる警告処理を行う(S6)。
なお、S6の警告処理に代えて、またはS6の警告処理と共に、読取位置変更部67による原稿読取位置の変更処理を行ってもよい。
なお、図5のフローチャートでは、便宜上、ADFスキャン用コンタクトガラス81上の原稿読取位置に異常画素が存在する筋発生状態が検出されたときの動作を省略している。
以上のように、本実施の形態に係る原稿読取装置およびそれを用いた画像形成装置(複合機1)は、ADFスキャン用コンタクトガラス81の原稿読取位置の領域のみならずその他の領域をも含むコンタクト透過板領域をスキャンし、原稿読取位置以外の領域に紙粉等の異物が存在する場合においても、当該異物を異常画素として検出している。そして、このようにして検出した異常画素に基づいて、読み取り画像中に筋が発生する読取異常の可能性を判定することにより、読み取り画像中の筋の発生を未然に検知することができるという効果を奏する。
(実施の形態2)
以下、図面を参照して本発明の実施の形態2を詳細に説明する。尚、実施の形態1と同一の構成部材には同一の部材番号を付与し、その説明を省略する。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態2を詳細に説明する。尚、実施の形態1と同一の構成部材には同一の部材番号を付与し、その説明を省略する。
前述のように、ADFスキャン用コンタクトガラス81上に貯まった紙粉等の異物は、搬送されている原稿に送られて、原稿搬送方向上流から下流へと移動し易い。このようなADFスキャン用コンタクトガラス81上における異物の位置の変化をモニタすることによって、原稿読取位置へと異物が移動する可能性、すなわち、読み取り画像中に筋が発生する可能性が高い状態(筋発生前状態)を判断することができる。
すなわち、本実施の形態2の複合機1は、前回または過去数回にわたって検出したADFスキャン用コンタクトガラス81上の異常画素の位置データを記憶しておき、今回検出した異常画素の位置が、過去の異常画素の位置と比較して原稿読取位置へ近づいているか否かを判断することによって、筋発生前状態を判定する機能を有する。
上記の機能を実現するために、本実施の形態2に係る原稿読取装置を備えた複合機1の制御部210は、図6に示すように、基準画素値記憶部61、読取制御部62、読取画素値記憶部63、異常画素検出部64、異常画素位置記憶部70、判定部75、警告部66、および読取位置変更部67を備えている。
なお、図1ないし図3に示す複合機1の基本構成は、実施の形態1と実施の形態2とで異なるところはない。
基準画素値記憶部61は、前述した実施の形態1のものと同様であるが、本実施の形態2では異常画素の位置情報(XY座標の位置情報)を扱う関係上、ADFスキャン用コンタクトガラス81のスキャン領域における全ての画素位置の基準画素値を記憶している。すなわち、基準画素値記憶部61は、XY座標の画素位置毎に基準画素値を有する。
異常画素位置記憶部70は、今回検出された異常画素の位置データだけではなく、前回または過去数回にわたって検出された異常画素の位置データを記憶する。
判定部75は、今回検出した異常画素の位置と、過去の異常画素の位置とを比較し、異常画素の位置が、原稿読取位置よりも原稿搬送方向上流側からその下流の原稿読取位置へと向かって原稿読取位置に近づいているのか、それとも原稿読取位置を通り過ぎて原稿読取位置から遠ざかっているのかを判断する。ここで、異常画素の位置が原稿読取位置に近づいている場合は、読み取り画像中に筋が発生する可能性が高い状態(筋発生前状態)であると判定することができる。
また、判定部75は、異常画素の位置が原稿読取位置に近づいている場合であって、原稿読取位置までの距離が閾値以下の場合にのみ、読み取り画像中に筋が発生する可能性が高い状態(筋発生前状態)であると判定するようにしてもよい。
その他の構成要素(読取制御部62、読取画素値記憶部63、異常画素検出部64、警告部66、および読取位置変更部67)については、実施の形態1と同様である。
上記の構成において、本実施の形態に係る複合機1の動作を、図7のフローチャートを参照して以下に説明する。
原稿給紙部21に原稿がセットされた状態で操作者によって操作部5のスタートボタン55が押下され、ADF読取モードによる画像読取指示が操作部5に受け付けられると(S11でYES)、読取制御部62が、原稿給紙部21が原稿を給紙していない状態において、ADFスキャン用コンタクトガラス81の全域をスキャンするように、画像読取部2のスキャナ部22を制御する(S12)。このとき、スキャナ部22にて読み取られたADFスキャン用コンタクトガラス81全域の画素データは、読取画素値記憶部63に記憶される。
次に、異常画素検出部64が、読取画素値記憶部63に記憶されたADFスキャン用コンタクトガラス81全域の読み取り画素データの値と、基準画素値記憶部61に予め記憶されている基準画素値とを比較して、両者の値の差分が所定の閾値以上である画素を異常画素として検出する(S13)。
次に、異常画素位置記憶部70は、今回検出された異常画素の位置データを記憶する(S14)。この異常画素位置記憶部70には、過去n回分(nは1以上の整数)の異常画素の位置データも記憶されている。なお、過去(n+1)回以前のデータは、今回の異常画素の位置データが記憶されたときに消去される(今回のデータによって上書きされる)。
次に、判定部75が、今回検出した異常画素の位置と、過去の異常画素の位置とを比較し、異常画素の位置が、原稿読取位置よりも原稿搬送方向上流側からその下流の原稿読取位置へと向かって原稿読取位置に近づいているのか、それとも原稿読取位置を通り過ぎて原稿読取位置から遠ざかっているのかを判断する(S15)。ここで、異常画素の位置が原稿読取位置から遠ざかっている場合(S15でNO)、警告処理等を行うことなく処理を終了する。
一方、異常画素の位置が原稿読取位置に近づいている場合(S15でYES)、判定部75は、現在の異常画素の位置における原稿読取位置までの距離が所定の閾値以下であるか否かを判定する(S16)。ここで、原稿読取位置までの距離が閾値より遠い場合(S16でNO)、警告処理等を行うことなく処理を終了する。一方、原稿読取位置までの距離が閾値以下の場合(S16でYES)、判定部75は、読み取り画像中に筋が発生する可能性が高い筋発生前状態と判断する。このとき、警告部66が、ADFスキャン用コンタクトガラス81の清掃をユーザに促すメッセージを表示部51に表示させる警告処理を行う(S17)。
上記では、S15でYESと判定(異常画素の位置が原稿読取位置に近づいていると判定)された後に、さらにS16にて異常画素の原稿読取位置までの距離の判定を行っているが、S15でYESと判定されたときにS17の警告処理を行うようにしてもよい。
また、S17の警告処理に代えて、またはS17の警告処理と共に、読取位置変更部67による原稿読取位置の変更処理を行ってもよい。また、図7のフローチャートでは、便宜上、ADFスキャン用コンタクトガラス81上の原稿読取位置に異常画素が存在する筋発生状態が検出されたときの動作を省略している。
本発明は、前記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、前記実施の形態1および2では、本発明に係る原稿読取装置を備えた画像形成装置の例として複合機1を示しているが、複合機1に限定されるものではなく、コピー機、ファクシミリ装置等であっても構わない。また、当然のことながら、他の装置に組み込まれていないイメージスキャナ装置等の単独の原稿読取装置であってもよい。
また、前記実施の形態1と実施の形態2との機能を両方とも備え、両方の機能を併せて読み取り画像中に筋が発生する可能性が高い筋発生前状態判定を行うこともできる。
1 複合機
2 画像読取部(原稿読取装置)
3 装置本体(画像形成部)
21 原稿給紙部
22 スキャナ部
61 基準画素値記憶部
62 読取制御部
63 読取画素値記憶部
64 異常画素検出部
65 判定部
66 警告部
67 読取位置変更部
70 異常画素位置記憶部
75 判定部
81 ADFスキャン用コンタクトガラス(コンタクト透過板)
82 テーブルスキャン用コンタクトガラス
84 背板(基準部材)
210 制御部
221 コンタクトガラス
2 画像読取部(原稿読取装置)
3 装置本体(画像形成部)
21 原稿給紙部
22 スキャナ部
61 基準画素値記憶部
62 読取制御部
63 読取画素値記憶部
64 異常画素検出部
65 判定部
66 警告部
67 読取位置変更部
70 異常画素位置記憶部
75 判定部
81 ADFスキャン用コンタクトガラス(コンタクト透過板)
82 テーブルスキャン用コンタクトガラス
84 背板(基準部材)
210 制御部
221 コンタクトガラス
Claims (9)
- 原稿搬送部と、スキャナ部とを備え、前記原稿搬送部で原稿を搬送させながら原稿搬送経路に設けられたコンタクト透過板を通して前記スキャナ部が原稿の画像を読み取る原稿読取装置であって、
前記コンタクト透過板に異物が存在しない状態で当該コンタクト透過板をスキャンして得られる基準画素値を予め記憶している基準画素値記憶部と、
前記原稿搬送部で原稿を搬送していない状態で、前記コンタクト透過板の原稿読取位置の領域のみならずその他の領域をも含むコンタクト透過板領域を読み取るように前記スキャナ部を制御する読取制御部と、
前記コンタクト透過板領域の読み取り画素データの値と前記基準画素値とを比較して異常画素を検出する異常画素検出部と、
前記異常画素検出部が検出した異常画素に基づいて、読み取り画像中に筋が発生する読取異常の可能性を判定する判定部とを備えていることを特徴とする原稿読取装置。 - 前記判定部は、前記異常画素検出部が検出した異常画素を計数し、異常画素数が閾値以上のとき、読み取り画像中に筋が発生する可能性が高い筋発生前状態になっていると判定することを特徴とする請求項1に記載の原稿読取装置。
- 前記判定部は、前記コンタクト透過板領域における原稿読取位置よりも原稿搬送方向上流側に存在する異常画素の方が、原稿読取位置よりも原稿搬送方向下流側に存在する異常画素よりも相対的に重みを高くして、異常画素を計数することを特徴とする請求項2に記載の原稿読取装置。
- 過去に検出された異常画素の位置情報を記憶する異常画素位置記憶部をさらに備え、
前記判定部は、前記異常画素検出部が検出した異常画素の位置情報と、前記異常画素位置記憶部に記憶されている過去に検出された異常画素の位置情報とを比較し、異常画素の位置が、原稿読取位置よりも原稿搬送方向上流側からその下流の原稿読取位置へと向かって原稿読取位置に近づいているとき、読み取り画像中に筋が発生する可能性が高い筋発生前状態になっていると判定することを特徴とする請求項1に記載の原稿読取装置。 - 過去に検出された異常画素の位置情報を記憶する異常画素位置記憶部をさらに備え、
前記判定部は、前記異常画素検出部が検出した異常画素の位置情報と、前記異常画素位置記憶部に記憶されている過去に検出された異常画素の位置情報とを比較し、異常画素の位置が、原稿読取位置よりも原稿搬送方向上流側からその下流の原稿読取位置へと向かって原稿読取位置に近づいており、且つ、異常画素の位置から原稿読取位置までの距離が閾値以下のときに、読み取り画像中に筋が発生する可能性が高い筋発生前状態になっていると判定することを特徴とする請求項1に記載の原稿読取装置。 - 前記判定部が前記筋発生前状態を検出したとき、前記コンタクト透過板の清掃を促す警告処理を行う警告部をさらに備えていることを特徴とする請求項1ないし5の何れか1項に記載の原稿読取装置。
- 前記判定部が前記筋発生前状態を検出したとき、より筋発生の可能性が低い読み取り位置となるように、原稿読取位置を変更する読取位置変更部をさらに備えていることを特徴とする請求項1ないし6の何れか1項に記載の原稿読取装置。
- 前記コンタクト透過板と対向する位置に設けられ、原稿を搬送していない状態で前記スキャナ部が当該コンタクト透過板を読み取ったときの基準色を示す基準部材をさらに備え、
前記基準部材は黒色であることを特徴とする請求項1ないし7の何れか1項に記載の原稿読取装置。 - 請求項1ないし8の何れか1項に記載の原稿読取装置と、
前記原稿読取装置によって読み取られた画像データに基づいて画像を形成する画像形成部と、を備えていることを特徴とする画像形成装置。
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JP2010102564A JP2011234129A (ja) | 2010-04-27 | 2010-04-27 | 原稿読取装置および画像形成装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016072738A (ja) * | 2014-09-29 | 2016-05-09 | ブラザー工業株式会社 | 画像読取装置および画像読取プログラム |
JP2016122871A (ja) * | 2014-12-24 | 2016-07-07 | ブラザー工業株式会社 | 画像読取装置 |
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-
2010
- 2010-04-27 JP JP2010102564A patent/JP2011234129A/ja active Pending
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