JP5024623B2 - 免震機構 - Google Patents

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本発明は、地震動入力に対する構造体の応答加速度と応答変位をともに低減させるための免震機構に関する。
免震建物や機器設置架台を対象としてその振動を低減するための機構として、たとえば特許文献1に示されているような所謂チューンド・マス・ダンパー(Tuned Mass Damper:TMD)が知られている。
これは、地盤などの固定端に対してバネおよび減衰を介して相対振動を生じるように支持されている構造体に対し、付加バネおよび付加減衰を介して付加質量を設置し、その付加質量と付加バネとからなる付加振動系の固有(角)振動数を構造体の固有(角)振動数に同調させることによって構造体の共振点近傍における応答を低減させるものである。
また、免震構造物の変位を抑制する機構として、慣性質量ダンパー(慣性接続要素ともいわれる)を構造体バネと並列に設置する機構や、付加バネと直列にして構造体バネと並列に設置する機構も知られている。慣性質量ダンパーとしてはボールねじとフライホイール(回転体錘)を組み合わせたものが多用されており、それによれば実際の回転体質量の数百倍と桁違いに大きな質量効果が得られることから、そのような回転慣性機構を利用した免震システムとしてたとえば特許文献2に示されるものが知られている。
特開昭63−156171号公報 特開2006−16935号公報
特許文献1に示されるような従来一般のTMDでは、大きな振動低減効果を得るためには付加質量を充分に大きくする必要があるが、構造体に対してあまり大きな質量を付加することは現実的ではないので、通常は構造体の質量の1〜2%程度に過ぎず、したがって振動低減効果にも自ずと限界がある。
また、慣性質量ダンパーを利用する場合にもその設置の形態により一長一短があり、応答加速度と応答変位の双方を同時に低減することは困難である。
すなわち、慣性質量ダンパーを構造体バネに並列に設置する場合には、構造体質量に慣性質量が加わることで固有振動数が小さく(長周期化)なり、加振力が低減されるために応答変位も低下できるが、高振動数域では加速度応答倍率が増大してしまう。
また、慣性質量ダンパーを付加バネと直列に設置した場合には、付加振動系の固有周期近傍で応答変位が低減するが、固有周期の前後の振動数域で応答加速度が増大してしまう問題があった。
なお、特許文献2において提案されている免震システムは、変位を抑制しつつ構造物に作用する地震力を軽減することを目的としているが、そのために水平振動を上下振動に変換するという複雑な機構となっており、普及するに至っていない。
上記事情に鑑み、本発明は慣性質量ダンパーを利用して応答加速度と応答変位の双方をともに低減させ得る有効適切な免震機構を提供することを目的としている。
本発明は地震動入力に対する構造体の応答加速度と応答変位をともに低減させるための免震機構であって、構造体を構造体バネと構造体減衰を介して固定端に接続し、前記構造体と前記固定端との間に、第1の慣性質量ダンパーを前記構造体バネと並列に設けて、該第1の慣性質量ダンパーの慣性質量を、入力地震動による高振動数域における加速度応答倍率および変位応答倍率が目標値を超えないように設定し、かつ、前記構造体と前記固定端との間に、第2の慣性質量ダンパーと付加バネとを直列に接続した付加振動系を設けて、該付加振動系の振動数を免震振動数に同調させるように設定してなることを特徴とする。
本発明の免震機構においては、前記構造体と前記固定端との間に、リリーフ機構付きダンパーを設置することが好ましい。
本発明によれば、構造体と固定端の間に第1の慣性質量ダンパーを構造体バネと並列に設置することにより構造体が長周期化され、それによる振動低減効果が得られる。また、第2の慣性質量ダンパーと付加バネを直列に接続した付加振動系を構造体と固定端との間に設置することにより、その付加振動系がTMDとして機能して大きな付加質量(第2の慣性質量)を付加したことと等価となり、それにより大きな振動低減効果を得られる。
そして、並列型および直列型の2タイプの第1、第2の慣性質量ダンパーを併用したことにより、それらの相乗効果によって加速度と変位の双方を同時に低減することができる。
さらに、リリーフ機構付きダンパーを併用することにより、構造体に作用する制御力が過大にならないように頭打ちにでき、それにより応答変位や加速度をさらに低減させることができる。
本発明の免震機構は2つの慣性質量ダンパーを用いるものであって、第1の慣性質量ダンパーを構造体バネに直列に設置するとともに、第2の慣性質量ダンパーを付加バネと直列に設置することにより、変位を抑制しつつ優れた免震効果を得るものである。
本発明の免震機構の構造モデルを図1に示す。構造体1を構造体バネ2と構造体減衰3を介して固定端に接続し、その構造体1と固定端との間に第1の慣性質量ダンパー4を構造体バネ2と並列に設け、さらに第2の慣性質量ダンパー5を付加バネ6と直列にして設置する。付加減衰は第2の慣性質量量ダンパー5と並列に設置するか、あるいは付加バネ6と並列に設置すれば良いが、それらの双方に設置しても良く、本例では図示例のように双方に付加減衰7,8を設置している。
この場合、固定端から構造体1に入力される地震動は、震源位置や断層形態、震源から建設地までの経路、敷地地盤の条件(卓越周期など)により設定される。床免震など建物内における部分免震の場合には建物の振動特性(固有振動数)にも依存する。このように入力振動数はいくつもの要因によって変化するが、地盤条件や建物振動特性は特に影響が大きい。
そこで本発明では、想定される地震動において応答に大きな影響を及ぼす振動数(以下、免震振動数という)を対象として、第2の慣性質量ダンパー5と付加バネ6からなる付加振動系の振動数(固有角振動数)をその免震振動数に同調させることにより、構造体1の応答変位を制御(大幅に低減)する。
また、高振動数域における加速度応答倍率および変位応答倍率が目標値を超えないように、第1の慣性質量ダンパー4の慣性質量Ψ1を適正に設定する。
具体的には、以下のように各諸元を設定することにより、応答変位と応答加速度の双方を同時に一定以下とする。
構造体1の質量m、付加バネ6のバネ定数k2(以下、単に付加バネk2と記す場合がある)、第1の慣性質量ダンパー4の慣性質量Ψ1、第2の慣性質量ダンパー5の慣性質量Ψ2とすると、慣性質量比( ̄Ψ1),( ̄Ψ2)、高振動数域における加速度応答倍率および変位応答倍率、付加振動系の固有角振動数は、それぞれ次式で示される。
なお、上記の( ̄Ψ1)、( ̄Ψ2)は式中に示されているようにΨ1、Ψ2の上部に ̄(バー)がつく記号を示すものである。
本実施形態のシステムでは振動数無限大において次式が成立する。また、応答変位とは「固定端に対する構造体の相対変位」を指し、応答倍率とは「加振振幅に対する応答振幅の比率」を表したものである。
Figure 0005024623
そこで、本実施形態では、設計目標値と入力地震動より高振動数域(短周期領域)での応答加速度倍率の許容値を設定し、加速度応答倍率が設定値を超えないように第1の慣性質量ダンパー4の慣性質量Ψ1を上式に基づき決定する。
また、入力地震動の加振成分から変位を抑制するべき免震振動数を設定し、付加振動系の固有角振動数をその免震振動数に同調させるように、第2の慣性質量ダンパー5の慣性質量Ψ2と付加バネk2の比を上式に基づき決定する。
この場合、慣性質量Ψ2が大きいほどその角振動数近傍での変位が抑制されるが、加速度は逆に大きくなるので、慣性質量Ψ2や付加バネk2は入力地震動のスペクトル特性と設計条件も考慮して適切に設定する。
たとえば、図1に示す免震機構において、第1の慣性質量ダンパー4の慣性質量比
( ̄Ψ1)=Ψ1/m=0.4、第2の慣性質量ダンパー5の慣性質量比( ̄Ψ2)=Ψ2/m=0.5、構造体バネK、減衰定数h=0.2とする。付加振動系の付加バネ6はk2/K=2.5となるように設定し、慣性質量Ψ2に対する減衰定数は付加減衰7のh1=0.3、付加減衰8のh2=1.0とする。構造体1の質量mと構造体バネKにより定まる固有角振動数ω0、加振角振動数ωとした場合の応答倍率を図2に示す。比較のために、慣性質量ダンパーなしの場合と、第1の慣性質量ダンパー4のみを設置した場合を併せて示す。
図2(a)に示されるように、第1、第2の慣性質量ダンパー4,5を設置することにより、高振動数域では加速度応答倍率が漸減し、第1の慣性質量ダンパー4のみを設置した場合に漸近する(図示例の場合では加振振動数比ξが大きくなると応答倍率がともに0.286に収斂する)。慣性質量ダンパーなしの場合には加振振動数が大きくなると加速度応答倍率が0に漸近するが、慣性質量Ψ1を大きくしなければ、本実施形態の場合でも高振動数域での応答を一定レベル以下に抑制できる。
また、図2(b)に示すように、慣性質量ダンパーなしの場合と比較して、高振動数域では変位応答倍率が低減され、第1の慣性質量ダンパー4のみを設置する場合に漸近する(図示例の場合では応答倍率がともに0.714に収斂する)。慣性質量ダンパーなしの場合には加振振動数が大きくなると変位応答倍率が1に漸近するが、本実施形態でも慣性質量Ψ1による入力低減により高振動数域での応答を一定レベル以下に抑制できる。
また、加振振動数比ξが1以下の低振動数領域では最大応答倍率が低減される。図示例では加速度応答倍率が1.5以下、変位応答倍率が1以下となり、低振動数領域(長周期領域)でも応答が励起されない。その範囲では加速度も変位も従来型(慣性質量ダンパーなし、あるいは第1の慣性質量ダンパー4のみ設置)より小さく、優れた応答低減効果を発揮している。
なお、加振振動数比ξが1〜3程度の範囲においては、付加振動系のインピーダンスが高くなるため、第1の慣性質量ダンパー4のみを設置する場合と比較して変位が抑制され加速度はやや大きくなる。これは、付加振動系の固有角振動数が同じでも慣性質量Ψ2や付加バネk2が大きいほどその傾向は顕著になり、それらを大きくすればその振動数領域での変位は大きく低減されるが加速度は増加する。
その例として図3に第2の慣性質量ダンパー5の慣性質量比( ̄Ψ2)=Ψ2/m=1.0とし、付加バネ6はk2/K=5.0とした場合の例を示す。図2と図3との比較から上記の傾向のあることが裏づけられている。
以上では線形振動モデルにおける周波数領域での性能を説明したが、以下に他の実施形態として非線形要素を組み込むことによりさらに応答低減効果を発揮する機構について説明し、時刻歴応答解析によりその有効性を示す。
本実施形態では、図4に示すように構造体1と固定端とを連結する主減衰系をリリーフ機構付きのオイルダンパー10により構成する。リリーフ機構とはオイルダンパーのシリンダー内圧が一定以上になった際、逃がし弁を開いて内圧を所定以内にするものであり、この機構を付加することで図5に示すようにオイルダンパーの負担力を頭打ちにすることができるものである。
なお、ここで用いるダンパーとしては、オイルダンパーに限らず、負担力を頭打ちにできるようなリリーフ機構付きのものであれば、他の形式のダンパーも採用可能である
また、付加バネ6に並列に設置した付加減衰8を同じくリリーフ機構付きのオイルダンパーとする。これにより、特に過渡特性において付加減衰系の制御力が過大になることを防止することができる。
さらに、構造体1と固定端との摺動(滑りや転がりを含む)に伴う摩擦抵抗力を履歴減衰として評価する。摩擦抵抗力は構造体自重Mに摩擦係数μを乗じて求められる。摩擦係数の値はリニアガイドでμ≦0.006、滑り支承でμ=0.013〜0.05程度が好適で、この値が大きいほど変形は抑制できるが加速度は大きくなる傾向にある。
以下に時刻例応答解析の結果を示す。
解析の基本的な条件は以下のとおりである。半導体工場の4階に設置する部分免震(建物内で一部の範囲だけ免震床とする)を対象とする。構造体1の質量M=109ton、構造体バネK=36kgf/cm、固有周期11秒とする。構造体1はリニアガイドにより支持され、その摩擦係数μ=0.006とし、構造体減衰は小さいため無視する。設計目標は、最大加速度120gal、最大変位50cmとする。
地震動を図6に示す上町断層波とし、建設地の地盤条件を考慮した建物の応答解析により免震設置階床の応答波を本検討用の入力地震動とした(最大425gal)。これは長期成分が大きいという特徴がある地震波である。
(I)従来の免震構造による場合(図7)
建物内にある部分免震なので風などの水平力を考慮する必要はなく、人や装置の移動による水平力については摩擦抵抗力以内なので、常時の水平変位は生じない。
従来の一般的な免震構造の考え方は、構造体を長周期化して減衰を増すことによって、地震動による揺れを回避しようとするものであり、ここでは入力地震動の長周期成分が大きいため、摺動摩擦抵抗と高減衰オイルダンパーを併用し、構造体バネKを小さくして固有周期19秒までのばし、加速度の増加を抑制することとした。
前記した条件以外の諸元は、構造体質量M1=109ton、構造体バネ(予引張バネ)K1=5.5kgf/cm、主系減衰C=76kgf/kineである。
この場合の解析結果を図7に示す。応答変位を50cm以下にしたときに最大応答加速度は約194galであって目標を満足しない。
(II)第2の慣性質量ダンパーと付加バネを直列にして構造体バネと並列に設置する場合(図8)
構造体の固有周期を11秒に設定し、振動諸元は、構造体質量M1=109ton、構造体バネK1=36kgf/cm、付加バネ(コイルばね)K2=62kgf/cm、付加減衰(オイルダンパー)C2=245kgf/kine、慣性質量ΔM=93tonとした(特記なきものは前と同じ)。
その結果を図8に示す。応答変位を50cm以下にしたときの最大応答加速度は約159galとなり、(1)の場合よりも改善されたが目標を満足しない。
(III)第1、第2の慣性質量ダンパーを併用しオイルダンパーのリリーフは無視する場合(図9)
構造体周期を11秒に設定し、目標とする加速度応答倍率≒1/3として慣性質量ΔM1=53tonとする。以下の諸元以外は上記と同じとした。
構造体質量M1=109ton、構造体バネK1=36kgf/cm、付加バネK2=62kgf/cm、付加減衰C2=40kgf/kine、主系減衰(オイルダンパー)C1=90kgf/kine、慣性質量ΔM1=53ton、慣性質量ΔM2=23tonとした。
その結果を図9に示す。応答変位を50cm以下にしたときの最大応答加速度は約152galとなり、(2)の場合よりも改善されて目標に近づき、変位も早く収斂する。
(IV)第1、第2の慣性質量ダンパーを併用しオイルダンパーのリリーフを考慮する場合(図10)
構造体の固有周期を11秒に設定し、図6に示したように入力地震動の主要な加振成分が3.4秒程度にあるので、減衰によってやや振動特性が変化することを考慮して付加振動系の固有周期を3.6秒に設定する。振動諸元は、構造体質量M1=109ton、構造体バネK1=36kgf/cm、付加バネK2=62kgf/cm、付加減衰C2=200kgf/kine、リリーフ3tonf、主系減衰C1=200kgf/kine、リリーフ2.4tonf、慣性質量ΔM1=52ton、慣性質量ΔM2=20tonとした(特記なきものは前と同じ)。
その結果を図10に示す。応答変位を50cm以下にしたときの最大応答加速度は約108galとなり、(3)の場合よりもさらに改善されて目標を満足する。
このように、慣性質量ダンパーを2つ用いるとともに、オイルダンパーのリリーフ特性を利用すれば、従来の免震では達成できなかった加速度と変位の双方を同時に抑制することが可能である。
以上で説明した免震機構の効果を以下に列挙する。
(1)免震で支持される構造体の加速度と変位を同時に低減することができる。従来のバネと減衰(オイルダンパー等)だけによる免震機構では変位と加速度を同時に抑制することは困難だったが、本発の免震機構により従来の方法では達成できない場合でも目標性能を満足することが可能になる。
(2)慣性質量効果を利用した2タイプ(並列型、直列型)を併用した応答低減機構であり、免震機構だけでその機能を実現できる。
質量効果を用いることによる具体的な特徴を以下に示す。
・長周期化
構造体の質量m、構造体バネと並列の慣性質量Ψ1としたとき、固有振動数が
Figure 0005024623
に長周期される。
・入力低減効果
構造体に入力される加振力が、
Figure 0005024623
に低減されるため、応答変位も低減する。
・TMD効果
付加バネk2と慣性質量Ψ2によって定まる付加振動系の固有振動数(固有周期)近傍での応答変位を低減できる。高振動数域(短周期領域)での変位応答倍率は慣性質量Ψ2によらず
Figure 0005024623
に収斂する。TMD効果は付加振動系の固有周期近傍だけに効果的なもので、高振動数域では付加振動系がないものと変わらない。
(3)減衰装置として用いるオイルダンパーをリリーフ機構付きとすることにより、構造体に作用する制御力が過大にならないようにすることができる。構造体に作用する力は質量×加速度なので、制御力を低減することは加速度を低減する(頭打ちにする)ことに効果的である。
(4)摩擦抵抗は自重に比例した抵抗力であり、積載荷重が変化した場合にも自重に比例した力なので、積載荷重を含む質量m、摩擦係数μとすると、摩擦力Fは
F=μ・mg=m(μg) と表せ、加速度が一定の値(μg)で動き始めることになる。したがって、摩擦力は制御力が頭打ちになることで、過大な加速度を生じさせないようにする効果がある。なお、摩擦力は積載荷重が変化してもこれに比例した減衰力となるので、荷重変動に対して応答加速度の変化を抑制できる特徴がある。
(5)上記(2)により応答変位を抑制し、上記(3)、(4)により応答加速度を抑制する機構である。また、慣性質量効果を利用した2タイプの応答低減機構を併用することで、応答低減する振動数領域が広く、地震のようなランダム振動入力や交通振動入力においても応答低減効果を発揮できる。
(6)長周期地震動では免震機構の固有振動数に近い加振振動数成分をもつ場合もある。たとえば加振振動数比ξ=0.7〜1.5の場合、従来の免震では応答低減効果が得られないが、第1の慣性質量ダンパー4(慣性質量Ψ1)を付加した免震ではやや改善され、第2の慣性質量ダンパー5(慣性質量Ψ)を付加することでさらに大幅な改善が見込める。
(7)減衰の大きい免震機構なので振動数依存性が小さい。そのため、付加振動系の振動数を同調させた地震動だけでなく、広範な入力地震動に対しても応答低減効果を発揮できる。なお、入力地震動の振動数成分から同調振動数を設定しているが、振動数成分に寄与する相当の部分は敷地の地盤構成や建物の振動特性であり、基盤地震動の振動数成分が支配的というわけではない。
本発明の実施形態である免震機構の概要を示すモデル図である。 同、解析結果を示す図である。 同、解析結果を示す図である。 本発明の他の実施形態である免震機構の概要を示すモデル図である。 同、リリーフ機構付きダンパーの特性についての説明図である。 同、解析に使用する地震波を示す図である。 同、解析結果を示す図である。 同、解析結果を示す図である。 同、解析結果を示す図である。 同、解析結果を示す図である。
符号の説明
1 構造体
2 構造体バネ
3 構造体減衰
4 第1の慣性質量ダンパー
5 第2の慣性質量ダンパー
6 付加バネ
7,8 付加減衰
10 オイルダンパー(リリーフ機構付きダンパー)

Claims (2)

  1. 地震動入力に対する構造体の応答加速度と応答変位をともに低減させるための免震機構であって、
    構造体を構造体バネと構造体減衰を介して固定端に接続し、
    前記構造体と前記固定端との間に、第1の慣性質量ダンパーを前記構造体バネと並列に設けて、該第1の慣性質量ダンパーの慣性質量を、入力地震動による高振動数域における加速度応答倍率および変位応答倍率が目標値を超えないように設定し、
    かつ、前記構造体と前記固定端との間に、第2の慣性質量ダンパーと付加バネとを直列に接続した付加振動系を設けて、該付加振動系の振動数を免震振動数に同調させるように設定してなることを特徴とする免震機構。
  2. 請求項1記載の免震機構であって、
    前記構造体と前記固定端との間に、リリーフ機構付きダンパーを設置してなることを特徴とする免震機構。
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