JP5024291B2 - 蛍光半導体微粒子、その製造方法、それを用いた生体物質蛍光標識剤及びそれを用いたバイオイメージング法 - Google Patents

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Description

本発明は、蛍光半導体微粒子、その製造方法、それを用いた生体物質蛍光標識剤及びそれを用いたバイオイメージング法に関する。
より詳しくは、分散安定であり、粒径分布の良好な蛍光半導体微粒子とその製造方法に関する。更には、細胞の動態解析を行う生物学や免疫解析分野における動態イメージングに有効な生体物質蛍光標識剤及びそれを用いたバイオイメージング法に関する。
近年、粒径により蛍光波長を制御可能である半導体ナノ粒子の研究が盛んに行われている。半導体ナノ粒子は蛍光波長の制御性、高退光性、表面修飾の自由度の高さを有することから生体内外の蛍光マーカーとして応用され、研究されている。
特に最近、バルクの生体認識で定性的なアッセイから、より分子レベルで動態を解析することにより生細胞内生体分子の反応機構を掴む基礎医学的研究や、疾病の原因となるウイルス・細菌の生態作用、薬の生体作用を解明しようとするバイオイメージングの研究が盛んであり、特に分子イメージングに代表されるように蛍光標識剤1分子又は数分子に対し標識される生体物質(細胞内の核、小胞体、ゴルジ体、蛋白、抗体、DNA、RNA、)1分子が結合し、所定の励起光を照射することによる発光を検知することで、これまで得られなかった生体情報(DNA転写mRNA・蛋白形成に至る動態や細胞アポトーシス動態等)が得られようになっている。この場合、標的となる生体分子の生体内での本来の動態を追跡することが重要であり、そのため標的分子に吸着もしくは結合する標識物質は標的の動きを阻害しないものであることが望まれていた。また1分子の動態追跡であるがために、従来から1検体当りの検知する発光量が乏しく精度に乏しいことが指摘されており、更なる精度向上も望まれていた(例えば、特許文献1〜3参照)。
更に従来生体標識に使われてきた有機色素、蛍光タンパクにおいては発光量が乏しいことから検出性を上げる工夫(例えば、励起光強度の増大化、焦点を絞ることによる励起量の増加等の工夫)をしようとした場合に速やかな退色が生じ、検出性と耐久性のバランスがとれずにイメージングの精度が低いことが指摘され、特に分子イメージングにおいては難題となっていた。
一方、生体適用の標識剤とするためには水溶液に分散安定であることが必要であり、粒径分布の良い粒子が分散したまま生体に供与されることが検出性に重要である。従来使用されてきた半導体微粒子(CdSe、CdTeなど)はその比重などの性質上、溶液中に良好に分散するには多くの分散剤(活性剤類)を表面に付着させておく必要があり、またすぐに沈降してしまう問題があり分散液状態での合成供給に課題があった。分散を良好にするために分散剤を多く付着さシェルと粒子は大粒径化して標的分子の動態を阻害し、沈降し凝集体形成すると粗大粒子が増え粒径分布も劣化するために検出が一様でなくなり精度を著しくおとすこととなるという問題が指摘されていた。
特開2003−329686号公報 特開2005−172429号公報 特表2003−524147号公報
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、検出精度の高い動態イメージング性を実現する蛍光半導体微粒子、その製造方法、それを用いた生体物質蛍光標識剤及びバイオイメージング法を提供することである。
本発明に係る上記課題は下記の手段により解決される。
1.半導体微粒子からなるコア粒子と該コア粒子を被覆するシェル層とで構成されるコア/シェル構造を有する蛍光半導体微粒子であって、該コア粒子とシェル層の化学組成が相異し、該コア粒子の平均粒径が1〜15nmであり、比重が1.0〜3.0であり、かつ該コア/シェル構造を有する蛍光半導体微粒子の比重が0.8〜3.2であることを特徴とする蛍光半導体微粒子。
2.前記シェル層の比重が、前記コア/シェル構造を有する蛍光半導体微粒子の比重が0.8〜3.2になるように、コア粒子とシェル層の体積比により調整されることを特徴とする前記1に記載の蛍光半導体微粒子。
3.前記1又は2に記載の蛍光半導体微粒子であって、前記コア粒子の平均粒径が1〜10nmであり、かつコア/シェル構造を有する蛍光半導体微粒子の平均粒径が3〜15nmであることを特徴とする蛍光半導体微粒子。
4.前記1〜3のいずれか一項に記載の蛍光半導体微粒子であって、前記コア粒子の平均粒径が1〜5nmであり、かつコア/シェル構造を有する蛍光半導体微粒子の平均粒径が3〜10nmであることを特徴とする蛍光半導体微粒子。
5.前記1〜4のいずれか一項に記載の蛍光半導体微粒子の製造方法であって、液相法によりコア粒子又はシェル層を形成することを特徴とする蛍光半導体微粒子の製造方法。
6.前記1〜4のいずれか一項に記載の蛍光半導体微粒子の表面上に生体物質に結合する官能基と該蛍光半導体微粒子の表面に結合する官能基をもつ表面修飾化合物を有することを特徴とする生体物質蛍光標識剤。
7.前記6に記載の生体物質蛍光標識剤であって、その平均粒径が1〜20nmであることを特徴とする生体物質蛍光標識剤。
8.前記6又は7に記載の生体物質蛍光標識剤であって、その平均粒径が1〜10nmであることを特徴とする生体物質蛍光標識剤。
9.前記6〜8のいずれか一項に記載の生体物質蛍光標識剤を用いて蛍光動態イメージングを行うことを特徴とするバイオイメージング法。
本発明の上記手段により、分散安定で粒径分布が良好で、検出精度の高い動態イメージング性を実現する蛍光半導体微粒子、その製造方法、それを用いた生体物質蛍光標識剤及びバイオイメージング法を提供することができる。
なお、本発明により、特に1分子イメージングの研究分野において高感度高精度測定法を提供することができる。
以下、本発明とその構成要素等について詳細な説明をする。
(蛍光半導体微粒子)
本発明の蛍光半導体微粒子は半導体微粒子からなるコア粒子と該コア粒子を被覆するシェル層とで構成されるコア/シェル構造を有する蛍光半導体微粒子であって、該コア粒子とシェル層の化学組成が相異し、該コア粒子の平均粒径が1〜15nmであり、比重が1.0〜3.0であり、かつ該コア/シェル構造を有する蛍光半導体微粒子の比重が0.8〜3.2であることを特徴とする。また、前記シェル層の比重が、前記コア/シェル構造を有する蛍光半導体微粒子の比重が0.8〜3.2になるように、コア粒子とシェル層の体積比により調整されることを特徴とする。
ここで、「比重」とは、一般的に表現される同じ体積での4℃の水に対する質量比をいう。
本発明に係るコア粒子の比重は、上記のように1.0〜3.0であることが必要であり、好ましくは1.0〜2.5である。
本発明の本発明の蛍光半導体微粒子の平均粒径は、3〜15nmが好ましく、更に好ましくは3〜10nmである。
後述する生体標識剤の粒径は、その効果を発現さシェルために1〜20nmであることが好ましい、そのため本発明の蛍光半導体微粒子の平均粒径は1〜10nmであることが特に好ましい。
ここで、「平均粒径」とは、レーザー散乱法により測定される累積50%体積粒径をいう。
なお、シェル層の厚みもしくはコア/シェル構造蛍光半導体微粒子の検出法としてはTEM(透過型顕微鏡)を観察し、コア粒子とコア/シェル構造粒子を比較することによっても求めることができるし、各々の粒径測定によっても求めることができる。
〈コア粒子〉
本発明に係るコア粒子は、本発明のコア/シェル構造を有する蛍光半導体微粒子のコア部分を形成する構成要素であるが、上記比重の条件を満たすことができる半導体材料により構成されることを要する。なお、必要があればGaなどのドープ材料を極微量含んでもよい。
コアに用いられる半導体材料としては、本発明に係る上記比重条件を満たす使用方法において、種々の半導体材料を用いることができる。具体例としては、例えば、MgS、MgSe、MgTe、CaS、CaSe、CaTe、SrS、SrSe、SrTe、BaS、BaTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、GaAs、GaP、GaSb、InGaAs、InP、InN、InSb、InAs、AlAs、AlP、AlSb、AlS、PbS、PbSe、Ge、Si、又はこれらの混合物等が挙げられる。本発明において、特に好ましい半導体材料は、Siである。
なお、上記の半導体材料等を用いて本発明に係る半導体ナノ粒子を形成する際には、上記の比重についての条件を満たすよう混合比率等を調整することが必要である。
本発明に係るコアの平均粒径に関しては、発明の効果発現のために、1〜15nmであることを要する。なお、平均粒径を1〜10nmとすることにより小粒径の生体分子の標識及び検知が可能となり、更に、1〜5nmであれば、十分に生体1分子に対する標識並びに動態イメージングが可能となる。従って、より好ましいのは1〜10nm、特に好ましいのは1〜5nmである。
なお、本発明に係るコアの「平均粒径」とは、レーザー散乱法により測定される累積50%体積粒径をいう。
〈シェル層〉
本発明に係るシェル層は、本発明の蛍光半導体微粒子において、上記コア粒子を被覆する層であり、コア/シェル構造を形成するための構成層であるが、上記比重の条件を満たすことができる半導体材料により構成されることを要する。
なお、本発明に係るシェル層は、コア粒子が部分的に露出して弊害を生じない限り、コア粒子の全表面を完全に被覆するものでなくてもよい。
シェルに用いられる半導体材料としては、本発明に係る上記比重条件を満たす使用方法において、種々の半導体材料を用いることができる。具体例としては、例えば、ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdO、CdS、CdSe、CdTe、MgS、MgSe、GaS、GaN、GaP、GaAs、GaSb、InAs、InN、InP、InSb、AlAs、AlN、AlP、AlSb、又はこれらの混合物等が挙げられる。
なお、好ましいシェルの材料としては、半導性ナノ結晶コアより高いバンドギャップエネルギーを有する半導性材料が挙げられる。
半導性微粒子結晶コアより高いバンドギャップエネルギーを有することに加えて、シェルに適切な材料は、コア半導性ナノ結晶に関して、良好な伝導性および原子価バンドオフセットを有するべきである。従って、伝導性バンドは、コア半導性ナノ結晶の伝導性バンドよりも望ましくは高く、そして原子価バンドは、コア半導性ナノ結晶の原子価バンドよりも望ましくは低い。可視で(例えば、Si、Ge、GaP、)または近赤外で(例えば、InP、InN、PbS、PbSe)エネルギーを放出する半導性ナノ結晶コアについて、紫外線領域でバンドギャップエネルギーを有する材料が使用され得る。具体例としては、例えば、ZnS、GaNおよびマグネシウムカルコゲニド(例えば、MgS、MgSeおよびMgTe)が挙げられる。
近赤外で放出する半導性ナノ結晶コアについて、可視でバンドギャップエネルギーを有する材料もまた使用され得る。
本発明において、特に好ましい半導体材料は、SiO2、ZnSである。
〈蛍光半導体微粒子の製造方法〉
本発明の蛍光半導体微粒子の製造については、従来公知の種々の方法を用いることができる。
液相法の製造方法としては、沈殿法である、共沈法、ゾルーゲル法、均一沈殿法、還元法などがある。そのほかに、逆ミシェル法、超臨界水熱合成法、などもナノ粒子を作製する上で優れた方法である(例えば、特開2002−322468号、特開2005−239775号、特開平10−310770号、特開2000−104058号公報等を参照。)。
気相法の製造方法としては、(1)対向する原料半導体を電極間で発生させた第一の高温プラズマによって蒸発させ、減圧雰囲気中において無電極放電で発生させた第二の高温プラズマ中に通過さシェル方法(例えば特開平6−279015号公報参照。)、(2)電気化学的エッチングによって、原料半導体からなる陽極からナノ粒子を分離・除去する方法(例えば特表2003−515459号公報参照。)、レーザーアブレーション法(例えば特開2004−356163号参照。)などが用いられる。また、原料ガスを低圧状態で気相反応させて、粒子を含む粉末を合成する方法も、好ましく用いられる。
本発明の蛍光半導体微粒子の製造方法としては、特に液相法による製造方法が好ましい。すなわち、本発明においては、蛍光半導体微粒子のコア及びシェルが上記比重になる組成を選択する必要があるため、液相法による場合には、粒子形成後の分散液中の粒子沈降がほとんど無く良好に分散していることにより、粒径分布も狭い目的粒径に沿う粒子を形成しやすいからである。
〈蛍光半導体微粒子の表面修飾〉
本発明の蛍光半導体微粒子を生体適用の標識剤とするためには、当該蛍光半導体微粒子の表面を表面修飾化合物を用いて修飾することを要する。
表面修飾化合物としては、少なくとも1つの官能基と少なくとも1つの蛍光半導体微粒子に結合する基を有する化合物であることが好ましい。後者は疎水性の蛍光半導体微粒子に吸着できる基であり、他方は生体物質に親和性があり生体分子に結合する官能基である。互いの表面修飾化合物は互いをつなぐ各種のリンカーを使用してもよい。
蛍光半導体微粒子に結合する基としては、前記のシェル層若しくはコア粒子を形成するための半導体材料に結合する官能基であれば良い。従って、シェル層若しくはコア粒子の組成に応じて好ましい官能基を選択することが好ましい。本発明においては、当該官能基として、特にチオール基が好ましい。
生体物質に親和的に結合する官能基としては、カルボキシル基、アミノ基、フォスフォン酸基、スルホン酸基などが挙げられる。
なお、ここで、「生体物質」とは、細胞、DNA、RNA、オリゴヌクレオチド、蛋白質、抗体、抗原、小胞体、核、ゴルジ体等を指す。
又、蛍光半導体微粒子に結合さシェル方法としては、表面修飾に適するpHに調整することによりメルカプト基を粒子に結合さシェルことができる。それぞれ他端にはアルデヒド基、アミノ基、カルボキシル基が導入され、生体のアミノ基、カルボキシル基とペプチド結合することができる。また、DNA、オリゴヌクレオチドなどにアミノ基、アルデヒド基、カルボキシル基を導入しても同様に結合さシェルことができる。
蛍光半導体微粒子の表面修飾のための具体的調製は、例えば、Dabbousiら(1997)J.Phys.Chem.B101:9463、Hinesら(1996)J.Phys.Chem.100:468−471、Pengら(1997)J.Am.Chem.Soc.119:7019−7029、及びKunoら(1997)J.Phys.Chem.106:9869に記載されている方法に準拠して行うことができる。
(生体物質蛍光標識剤とそれを用いるバイオイメージング法)
本発明の蛍光半導体微粒子は、以下に説明する事由に基づき、生体物質蛍光標識剤に適応することができる。また、標的(追跡)物質を有する生細胞もしくは生体に本発明に係る生体物質蛍光標識剤を添加することで、標的物質と結合もしくは吸着し、該結合体もしくは吸着体に所定の波長の励起光を照射し、当該励起光に応じて蛍光半導体微粒子から発生する所定の波長の蛍光を検出することにより、上記標的(追跡)物質の蛍光動態イメージングを行うことができる。すなわち、本発明に係る生体物質蛍光標識剤は、バイオイメージング法(生体物質を構成する生体分子やその動的現象を可視化する技術手段)に利用することができる。
以下、生体物質蛍光標識剤及び関連技術等について詳しく説明する。
本発明に係る表面修飾した蛍光半導体微粒子(以下「表面修飾半導体微粒子」ともいう。)は、表面修飾化合物の官能基により、結合対の第1のメンバーとして働く親和性分子に結合させ得る。例えば、表面修飾化合物の親水性構造部分内に存在するイオン化可能基は、親和性分子への結合手段を提供し得る。
なお、親和性分子に分子および分子セグメントを結合する適切な方法については、例えば、Hermanson、Bioconjugate Techniques(Academic Press,NY,1996)に記載されている。
親和性分子によるこのような表面修飾半導体微粒子との「結合体」は、生体物質すなわち生物学的化合物および化学的化合物の存在および/または量、生物系、生物学的プロセスにおける相互作用、生物学的プロセスの変更あるいは生物学的化合物の構造における変化を検出するために使用され得る。すなわち、表面修飾半導体微粒子に結合した場合、親和性分子は、結合対の第2のメンバーとして働く生物学的標的と相互作用し、生物学的プロセスまたは応答を検出するか、あるいは生物学的分子またはプロセスを変化させ得る。
好ましい態様としては、親和性分子および生物学的標的の相互作用は、特異的結合を伴い、そして共有結合、非共有結合、疎水性、親水性、ファンデルワールスまたは磁性の相互作用を伴い得る。更に、親和性分子は生物学的標的と物理的に相互作用させ得る。
表面修飾半導体微粒子に結合する親和性分子は、天然に存在し得るかまたは化学的に合成され得、そして所望の物理学的、化学的または生物学的特性を有することが選択され得る。
このような特性としては、タンパク質、核酸、シグナル伝達分子、原核生物細胞または真核生物細胞、ウイルス、細胞内オルガネラおよび他の任意の生物学的化合物との共有結合および非共有結合等が挙げられるが、これらに制限されない。
このような分子の他の特性としては、生物学的プロセス(例えば、細胞周期、血液凝固、細胞死、転写、翻訳、シグナル伝達、DNA損傷またはDNA切断、ラジカル生成、ラジカル除去など)に影響を与える能力、および生物学的化合物の構造(例えば、架橋、タンパク質分解切断、ラジカル損傷など)を変化さシェル能力等挙げられるが、これらに制限されない。
好ましい実施形態において、表面修飾半導体微粒子結合体は、調整可能な波長で光を放射する半導体微粒子を含み、そして核酸に結合される。当該結合は、直接的または間接的であり得る。核酸は、任意のリボ核酸、デオキシリボ核酸、ジデオキシリボ核酸または任意の誘導体およびその組み合わせであり得る。核酸はまた、任意の長さのオリゴヌクレオチドであり得る。このオリゴヌクレオチドは、一本鎖、二本鎖、三本鎖またはより高位の立体配置(例えば、ホリデー結合、環状一本鎖DNA、環状二本鎖DNA、DNA立方体(Seeman(1998)Ann.Rev.Biophys.Biomol.Struct.27:225248を参照のこと))であり得る。
本発明に係る半導体微粒子結合体のとりわけ好ましい使用態様は、以下のような核酸の検出および/または定量である:(a)ウイルス核酸;(b)細菌核酸;および(c)目的の多くのヒトの配列(例えば、単鎖ヌクレオチド多型)。本発明の範囲を制限することなしに、蛍光半導体微粒子結合体は、個々のヌクレオチド、デオキシヌクレオチド、ジデオキシヌクレオチドまたは任意の誘導体およびその組み合わせに結合する蛍光半導体微粒子を含み得、そしてDNA重合反応(例えば、DNA配列決定、DNAへのRNAの逆転写およびポリメラーゼ連鎖反応(PCR))において使用される。
ヌクレオチドとしてはまた、一リン酸塩、二リン酸塩および三リン酸塩ならびに環状誘導体(例えば、環状アデニン一リン酸(cAMP))が挙げられる。
核酸に結合した蛍光半導体微粒子の他の使用態様としては、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)が含まれる。この好ましい実施形態において、蛍光半導体微粒子はインビボで特異的な配列にハイブリダイズするように設計されたオリゴヌクレオチドに結合される。ハイブリダイゼーションに関して、蛍光半導体微粒子タグは、細胞において所望のDNA配列の位置を可視化するために使用される。例えば、そのDNA配列が部分的または完全に既知である遺伝子の細胞内局在は、FISHを用いて決定され得る。
その配列が部分的または完全に既知である任意のDNAまたはRNAは、FISHを用いて視覚的に標識され得る。例えば、本発明の範囲を制限することなしに、メッセンジャーRNA(mRNA)、DNAテロメア、他の高反復DNA配列および他のコードされていないDNA配列がFISHにより標的化され得る。
蛍光半導体微粒子結合体はまた、生物学的化合物(例えば、酵素、酵素基質、酵素インヒビター、細胞内オルガネラ、脂質、リン脂質、脂肪酸、ステロール、細胞膜、シグナル伝達に関する分子、レセプターおよびイオンチャネル)の検出のための分子または試薬と結合して、本明細書中で提供されるような表面修飾蛍光半導体微粒子を含む。
当該結合体はまた、細胞形態および流体の流れ;細胞生存能力、増殖および機能;エンドサイトーシスおよびエキソサイトーシス(Betzら(1996)Curr.Opin.Neurobiol.6(3):365−71);および反応性酸素種(例えば、スーパーオキシド、一酸化窒素、ヒドロキシラジカル、酸素ラジカル)を検出するために使用され得る。さらに、結合体は、生物系の疎水性領域または親水性領域を検出するために使用され得る。
生体物質蛍光標識剤(蛍光半導体微粒子結合体)はまた、他の多くの生物学的および非生物学的な用途における有用性を見い出し、ここで、発光マーカー、特に蛍光マーカーが代表的に使用される。例えば、Haugland、R.P.Handbook of Fluorescent Probes and Research Chemicals(Molecular Probes、Eugene、OR.第6版1996;Website,www.probes.com.)が参考になる。
本発明に係る生体物質蛍光標識剤が有用である領域の例としては、蛍光免疫細胞化学、蛍光顕微鏡法、DNA配列分析、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)、フローサイトメトリー(蛍光活性化シェルソーター;FACS)および生物系についての診断アッセイ等が挙げられるが、これらに制限されない。
上記の領域におけるナノ結晶結合体の有用性に関するさらなる議論については、Bawendiらに対する国際特許公開WO 00/17642が参考になる。
以上、上述のように、本発明の応用範囲は固定細胞を用いた免疫染色、細胞観察やレセプター・リガンド(低分子、薬物)相互作用のリアルタイムトラッキング、1分子蛍光イメージングでなどが挙げられる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1
(Siコア粒子及びSi/SIO2・コア/シェル粒子の調製)
〈HFエッチング法〉
熱処理したSiOx(x−1.999)のフッ酸中溶解によりSiの蛍光半導体微粒子(以下において「Si半導体微粒子」又は「Siコア粒子」ともいう。)を製造する場合、先ず、プラズマCVDによりシリコンウエハー上に成膜したSiOx(x−1.999)を不活性ガス雰囲気中で1100℃、1時間程度アニールを行う。これにより、SiO2膜中にSi半導体微粒子(結晶)が析出する。
次に、このシリコンウエハーを室温で1%程度のフッ酸水溶液で処理することによりSiO2膜を除去し、液面に凝集した数nmサイズのSi半導体微粒子を回収する。なお、このフッ酸処理により、半導体微粒子(結晶)表面のSi原子のダングリングボンド(未結合手)が水素終端され、Si結晶が安定化する。その後、回収したSi半導体微粒子の表面を酸素雰囲気中で自然酸化し、又は加熱して熱酸化し、Si半導体微粒子からなるコアの周囲にSiO2からなるシェル層を形成する。
〈陽極酸化法〉
また、p型シリコンウエハーの陽極化成によりSi半導体微粒子を製造する場合、先ず、フッ酸(46%)、メタノール(100%)及び過酸化水素水(30%)を1:2:2の割合で混合した溶液中で、p型シリコンウエハー及び白金を対向電極として320mA/cm2で約1時間通電し、Si半導体微粒子(結晶)を析出さシェル。このようにして得られたSi半導体微粒子の表面を酸素雰囲気中で自然酸化し、又は加熱して熱酸化し、Si結晶からなるコアの周囲にSiO2からなるシェル層を形成する。
(Si/ZnS・コア/シェル粒子の調製)
上記で得られたSiコア粒子をピリジン中に分散させ100℃に保温。別途、Zn(C252と((CH33Si)2S、P(C493をアルゴンガス雰囲気下、超音波をかけながらpHを制御しながらゆっくり混合した。
これをピリジン分散液に滴下して添加。添加後、温度を適正に制御し、pHを一定(25℃において8.5)に保ちゆっくり30分攪拌した。これの遠心分離を行い沈降した粒子を捕集した。得た粒子の元素分析を行ってみたところSiとZnSが確認され、XPS分析によりZnSがSiの表面に被覆していることがわかった。
(比較粒子形成1:CdSe/SiO2・コア/シェル粒子の調製)
酢酸カドミウム0.14gとトリオクチルフォスフィンオキシド(TOPO)5.0gをナスフラスコに入れ、アルゴンで系内を満たした後、所定の温度(150〜250℃)まで加熱した。この溶液に、25mg/cm3の濃度となるようにセレンを溶解させたトリn−オクチルフォスフィン溶液1.44cm3を、激しく撹拌しながら素早く注入し、さらに1時間撹拌することによりTOPO安定化CdSe(以下、「TOPO/CdSe」と呼ぶ。)を得た。200℃及び150℃でTOPO/CdSeを合成した場合、CdSe半導体微粒子の吸収スペクトルの立ち上がり波長は、それぞれ、650nmと610nmであり、その平均粒径は、それぞれ5.5nmと4.5nmであった。このTOPO/CdSe粉末を用いて、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランでCdSe半導体微粒子表面を修飾しさらに加水分解することにより粒子表面にシリカ薄膜を形成させCdSe・コア/シリカ・シェル構造体(以下、「CdSe/SiO2」と呼ぶ。)を得た。
得られたコア/シェル構造体を光溶解液中で単色光(560nm)を照射することで、コア/シェル構造体内部のセレン化カドミウム(CdSe)半導体微粒子にサイズ選択光エッチングを適用し、セレン化カドミウム(CdSe)半導体微粒子の粒径を約3.5nmにまで減少させた、コア/シェル構造体からなる蛍光半導体微粒子を得た。
(比較粒子形成2:CdSe/ZnS・コア/シェル粒子の調製)
酢酸カドミウム0.14gとトリオクチルフォスフィンオキシド(TOPO)5.0gをナスフラスコに入れ、アルゴンで系内を満たした後、所定の温度(150〜250℃)まで加熱した。この溶液に、25mg/cm3の濃度となるようにセレンを溶解させたトリn−オクチルフォスフィン溶液1.44cm3を、激しく撹拌しながら素早く注入し、さらに1時間撹拌することによりTOPO安定化CdSe(以下、「TOPO/CdSe」と呼ぶ。)を得た。
上記で得られたCdSeコア粒子をピリジン中に分散させ100℃に保温。別途、Zn(C252と((CH33Si)2S、P(C493をアルゴンガス雰囲気下、ゆっくり混合した。
これをピリジン分散液に滴下して添加。添加後、温度を適正に制御し、pHを一定(25℃において8.5)に保ちゆっくり30分攪拌した。これの遠心分離を行い沈降した粒子を捕集した。得た粒子の元素分析を行ってみたところInPとZnSが確認され、XPS分析によりZnSがCdSeの表面に被覆していることがわかった。
以上のように製造されたコア及びコアシェル粒子の粒径をシスメックス社製:ゼータサイザーZSで測定し、比重をメトラー社製:SGM−6で測定し、結果を表1に示した。
(修飾官能基の導入)
上記蛍光半導体微粒子により生体物質を標識する場合、当該粒子と生体物質のどちらかもしくは双方に、互いに結合する官能基等を導入する必要があるが、下記のように行った。
〈Si/SiO2・コア/シェル粒子への修飾官能基の導入〉
メルカプト基(SH基)同士の結合を利用して蛍光半導体微粒子にカルボキシル基を導入する。
先ず、上記のSiコア粒子を30%過酸化水素水中に10分間分散させ、結晶表面を水酸化さシェル。次に、溶剤をトルエンに置換し、メルカプトプロピルトリエトキシシランをトルエンの2%加えて、2時間程度かけてSiコア粒子の最表面のSiO2をシラン化すると共にメルカプト基を導入する。続いて、溶剤を純水に置換してバッファ塩を添加し、さらに一端にメルカプト基の導入された11−メルカプトウンデカン酸を適量加えて3時間攪拌することで、Siコア粒子と11−メルカプトウンデカン酸とを結合さシェル。これは、本発明においては生体に対し親和結合する修飾基を導入した例である。これを標識Aとする。
〈Si/ZnS・コアシェル粒子への修飾官能基の導入〉
上記で得たSi/ZnS・コア/シェル粒子をバッファ塩溶液に分散して、11−メルカプトウンデカン酸を適量加えて適温で2時間攪拌し、粒子表面にメルカプト基を結合させた。これにより表面にカルボキシル基が導入される。これを標識Bとする。
〈CdSe/SiO2・コア/シェル粒子への修飾官能基の導入〉
標識Aと同様な方法で11−メルカプトウンデカン酸を表面に結合し、カルボキシル基を導入した。標識Cとする。
〈CdSe/ZnSコアシェル粒子への修飾官能基の導入〉
標識Bと同様な方法で11−メルカプトウンデカン酸を表面に結合し、カルボキシル基を導入した。標識Dとする。
<蛍光強度解析>
各標識について405nmの光を励起光とし、蛍光スペクトロメーターFP−6500(日本分光)にて蛍光強度を評価した。標識Aを基準100として相対値で表し、表1に示した。
<細胞への取り込み染色解析>
上記で得た標識を事前に羊血清アルブミン(SSA)と等濃度で混和し、個別にVero細胞へ取り込ませた。37℃2時間培養した後、トリプシン処理して5%FBS加DMEM再浮遊させ、同一ガラスボトムディッシュに播種した。37℃で一晩培養した細胞は4%ホルマリンで固定しDAPIで核を染色して、共焦点レーザースキャン顕微鏡(励起405nm)で蛍光観察を行った。
本標識の細胞質のエンドソームへの集積状態を蛍光強度に依存する濃度および分散状態で評価した。即ち本標識が細胞へ取り込まれてエンドソームへ移動集積の移動効率が高い場合はエンドソームでの蛍光強度が高く、その分布面積も広い。一方、粒経および比重などの影響で取り込み、移動率が低い場合には蛍光強度は低く、面積も小さい。この観察の様子を表1に記した。
またテキサスレッドで標識して染色した結果も表1に併せて記した。
表1に示した結果からわかるように本発明に係る標識A、Bは細胞への取り込み移動度が良く細胞イメージング観察に適していることがわかる。また色素に比べても蛍光強度が高く、耐久性も多角よりイメージングに最適であることも理解できる。
実施例2
実施例1で調製したコア/シェル粒子を用いてアビジン修飾を行った。
Si/SiO2・コア/シェル粒子を濃硫酸と過酸化水素水との3:1混合液中で10分程反応させ、結晶粒子表面を水酸化さシェル。水洗後、水とエタノールの1:1混合溶液中でアミノプロピルトリエトキシシランを当該粒子の最表面の水酸基と反応させ、粒子にアミノ基を導入する。反応後水洗し、溶媒をアセトンに置換して1mol/lの濃度になるようにマレイン酸を加え、30〜45分程度、沸点近くまで加熱・還流することで、アミノプロピルエトキシシランのアミノ基とマレイン酸のカルボキシル基を結合さシェル。反応後水洗し、869mMのN−ヒドロキシスクシンイミド水溶液と、522mMのN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミトーヒドロクロライド水溶液の1:1混合液に分散させ10分程度反応さシェル。反応後水洗し、室温・水溶液中で2.21μMのアビジンと2時間反応させた後、1mMのエタノールアミンを加え、室温で10分間攪拌する。これにより粒子にアビジンが結合される。これを標識A−2とする。
〈Si/ZnS・コア/シェル粒子へのアビジンの導入〉
3−メルカプト1−アミノプロパンを用いてメルカプト基で粒子に結合さえて表面にアミノ基を導入した後、上記標識A−2と同様に行い、アビジン結合標識B−2を得た。
〈CdSe/SiO2・コア/シェル粒子へのアビジンの導入〉
上記標識A−2と同様にしてアビジン結合標識C−2を得た。
〈CdSe/ZnS・コア/シェル粒子へのアビジンの導入〉
上記標識B−2と同様にしてアビジン結合標識D−2を得た。
<免疫染色>
核膜孔輸送を担うGTP分解酵素Panを上記各標識で染色を試みた。GTP分解酵素Panと標識とを混和しVero細胞に取り込ませた。37℃2時間培養した後共焦点レーザースキャン顕微鏡(励起405nm)で蛍光観察を行った。核の染色の状態を評価し表2に記した。観察された蛍光強度が高く、面積が大きければ標識コンジュゲートの移動効率は高く、本発明標識の特長を表すものである。染色がほとんど観察されない場合は比重が高すぎるために沈降・沈降するなどの理由で移動できなかったことが示す。
表2に示すように本発明に基づく標識は動態を伴うイメージングに有効であることが分かる。すなわち、生体物質の動態イメージングの描写性を大きく向上できることが分かる。

Claims (9)

  1. 半導体微粒子からなるコア粒子と該コア粒子を被覆するシェル層とで構成されるコア/シェル構造を有する蛍光半導体微粒子であって、該コア粒子とシェル層の化学組成が相異し、該コア粒子の平均粒径が1〜15nmであり、比重が1.0〜3.0であり、かつ該コア/シェル構造を有する蛍光半導体微粒子の比重が0.8〜3.2であることを特徴とする蛍光半導体微粒子。
  2. 前記シェル層の比重が、前記コア/シェル構造を有する蛍光半導体微粒子の比重が0.8〜3.2になるように、コア粒子とシェル層の体積比により調整されることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の蛍光半導体微粒子。
  3. 請求の範囲第1項又は第2項に記載の蛍光半導体微粒子であって、前記コア粒子の平均粒径が1〜10nmであり、かつコア/シェル構造を有する蛍光半導体微粒子の平均粒径が3〜15nmであることを特徴とする蛍光半導体微粒子。
  4. 請求の範囲第1項乃至第3項のいずれか一項に記載の蛍光半導体微粒子であって、前記コア粒子の平均粒径が1〜5nmであり、かつコア/シェル構造を有する蛍光半導体微粒子の平均粒径が3〜10nmであることを特徴とする蛍光半導体微粒子。
  5. 請求の範囲第1項乃至第4項のいずれか一項に記載の蛍光半導体微粒子の製造方法であって、液相法によりコア粒子又はシェル層を形成することを特徴とする蛍光半導体微粒子の製造方法。
  6. 請求の範囲第1項乃至第4項のいずれか一項に記載の蛍光半導体微粒子の表面上に生体物質に結合する官能基と該蛍光半導体微粒子の表面に結合する官能基をもつ表面修飾化合物を有することを特徴とする生体物質蛍光標識剤。
  7. 請求の範囲第6項に記載の生体物質蛍光標識剤であって、その平均粒径が1〜20nmであることを特徴とする生体物質蛍光標識剤。
  8. 請求の範囲第6項又は第7項に記載の生体物質蛍光標識剤であって、その平均粒径が1〜10nmであることを特徴とする生体物質蛍光標識剤。
  9. 請求の範囲第6項乃至第8項のいずれか一項に記載の生体物質蛍光標識剤を用いて蛍光動態イメージングを行うことを特徴とするバイオイメージング法。
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