JP6836133B2 - 量子ドット - Google Patents

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Description

本発明は、コアシェル構造を有する量子ドットに関する。
数nm〜十数nm程度にまで小さく(細く,薄く)された物質は、バルク状態とは異なる物性を示すようになる。このような現象・効果は、(3次元〜1次元)キャリア閉じ込め効果や量子サイズ効果などと呼ばれ、また、このような効果が発現する物質は、量子ドット(量子ワイヤ,量子ウェル)や半導体ナノ粒子などと呼ばれる(たとえば特許文献1)。量子ドットは、サイズ(全体的な大きさ)を変化させることで、そのバンドギャップ(光吸収波長や発光波長)を調整することができる。
半導体材料を含む量子ドットの用途として、蛍光体がある。高エネルギーの光や粒子線を受けて所定波長の蛍光を発することが可能である。量子ドットを均等に分布させ、蛍光を発生させることにより、面光源を得ることができる。
量子ドットには、コア(核)部分をシェル層が被覆する、コアシェル構造を有するものがある(特許文献2〜5)。このような量子ドットは、たとえば液相成長法により、製造することができる(特許文献4〜6)。
特開2014−132086号公報 特開2011−076827号公報 特開2012−087220号公報 特許第4936338号公報 特許第4318710号公報 特許第4502758号公報
本発明の主な目的は、信頼性が高く、効率のよい量子ドットを得ることにある。
本発明の主な観点によれば、II−VI族半導体から形成され、少なくとも表面に第1のIII族元素が添加されている下地粒子と、前記第1のIII族元素及び該第1のIII族元素とは異なる第2のIII族元素を含む窒化物半導体から形成され、前記下地粒子の表面に設けられた半導体層と、を有する量子ドット、が提供される。
信頼性が高く、効率のよい量子ドットを得ることができる。
図1は、ZnOS混晶系、GaInN混晶系、AlInN混晶系の格子定数とエネルギーギャップの関係を示すグラフである。 図2は、ZnO1−x混晶系、Ga1−xInN混晶系、Al1−xInN混晶系の組成xに対する格子定数の変化を示すグラフである。 図3Aおよび図3Bは、第1実施例および第2実施例による量子ドットを概略的に示す断面図である。 図4は、加圧反応容器の例を概略的に示す側面図である。 図5は、反応容器の例を概略的に示す側面図である。
現在、可視光域の量子ドットとしてエネルギーギャップの小さいコアにエネルギーギャップの大きいシェルを積層したCdSe/ZnSやInP/ZnS等が利用されている。異なる化合物材料でコアシェル構造を構成した場合、格子不整合(CdSe/ZnS:11.1%,InP/ZnS:7.8%)が生じる。格子不整合は、結晶格子を歪ませ、発光効率や信頼性を低下させる原因となりうる。
図1は、ZnOS混晶系、GaInN混晶系、AlInN混晶系の格子定数とエネルギーギャップの関係を示すグラフである。「混晶系」は、両端物質と中間の混晶を含む系を表す用語である。横軸がnm(ナノメータ)を単位とする格子定数を示し、縦軸がeV(エレクトロンボルト)を単位とするエネルギーギャップを示す。発光波長を決定するエネルギーギャップは、ZnO:3.2eV、ZnS:3.8eV、AlN:6.2eV、GaN:3.4eV、InN:0.64eVである。
六方晶系の結晶をc軸方向に結晶成長する場合、成長面内の格子定数としてa軸方向の格子定数を用いる。ZnO、ZnSの格子定数はa軸0.324nm、0.382nmであり、AlN、GaN、InNの格子定数はa軸0.311nm、0.320nm、0.355nmである。
化合物を対とする場合、格子定数の1番近い組み合わせでも、ZnOの0.324nmとGaNの0.320nmであり、1%を超える格子不整が存在する。
図2は、ZnO1−x混晶系、Ga1−xInN混晶系、Al1−xInN混晶系の組成xに対する格子定数(a軸方向)の変化を概略的に示すグラフである。横軸が組成xを示し、縦軸が格子定数を示す。ZnOSとAlGaInNは同じ六方晶系のウルツ鉱結晶構造を持つ。混晶を形成すると両端物質の中間の格子定数を調整でき、格子整合を実現できる。
格子定数、エネルギーギャップ、組成は一定の関係にあり、図2は、基本的に図1と同じ内容を示す。着目するパラメータに従って、グラフを使い分ける。例えば、格子整合する組成は、図2において、縦軸(格子定数)が同一となる組成である。好ましい格子整合の整合範囲は、小さい方の格子定数を基準(100%)として、格子定数の差が±1.0%以内であろう。
ZnO1−xと、Al1−yInNおよびGa1-zInNと、が格子整合可能な領域を四角で囲って示す。Al1−xInN(x:0.3〜1.0),Ga1−yInN(y:0.15〜1.0),ZnO1−z(z:0.47〜1.0)の組成範囲において、ZnOSとAlInNおよびGaInNとの格子整合が可能である。
ZnOSを下地結晶とし、その上(その周囲)に格子整合するAlGaInNを成長する場合、界面における歪みを低減できる。歪みを低減することにより、結晶欠陥を防止し、高効率な量子ドットを実現できよう。
また、下地結晶(ZnOS)において、ZnがIII族元素(Al,GaまたはIn)に置換されたサイトが存在すると、その上にIII族窒化物結晶(AlGaInN)を成長する際に、当該置換サイトがIII族窒化物結晶の成長の起点となり、III族窒化物結晶の成長を促進しうる。また、これにより、高品質なIII族窒化物結晶が成長しうる。下地結晶(ZnOS)に、その上に成長するIII族窒化物結晶(AlGaInN)に含まれるIII族元素(Al,GaまたはIn)を添加することは有効であると考えられる。なお、ZnOSにIII族元素が添加されても(いくつかのZnがIII族元素に置換しても)、ZnOSの格子定数は大きく変わらないと考えられる。
図3Aは、第1実施例による量子ドット20を示す断面図である。量子ドット20は、下地粒子(コア)22と、それを被覆する半導体層(シェル)24と、を含む。下地粒子22は、たとえばGaが添加されたZnO0.700.30から構成され、半導体層24は、たとえばGaを含有しているIn0.60Ga0.40Nから構成される。
図3Aを参照して、量子ドット20の製法例を説明する。1粒の量子ドットを示すが、以下に説明する合成によれば、多数の量子ドットが同時に製造される。量子ドットの大きさは、反応条件などによって制御できる。例えば、平均粒子径を、10nm以下として、液相中で懸濁可能にできる。
まず、一般に知られているソルボサーマル法により、Gaが添加されたZnO0.700.30粒子(下地粒子)22を合成する。GaとZnの組成比率は、Ga:Zn=5:95とする。
ヒータ付きオートクレーブ容器(圧力容器)を準備する。
反応前駆体として、Zn(亜鉛)の供給源である硝酸亜鉛六水和物(4.75mmol)、S(硫黄)の供給源であるチオ尿素(1.5mmol)、Ga(ガリウム)の供給源である硝酸ガリウムn水和物(0.25mmol)、酸素の供給源である水酸化ナトリウム(30mmol)を用意する。これらを反応溶媒である脱水メタノールに溶解させ、先に示したモル数になるようにオートクレーブ容器に、各種反応前駆体を投入する。なお、反応前駆体の比率を変更すると、ナノ粒子の組成を変更できる。なお、分散剤として、さらに、ポリビニルピロリドン、ドデシル硫酸ナトリウム、または、メルカプトプロピオン酸など、を加えてもよい。
続いて、オートクレーブ容器内の混合溶液を、200℃で24時間加熱する。これにより、2nm〜10nm程度の粒径を有するナノサイズのGa添加ZnOS(Ga:ZnOS)が合成できる。なお、加熱温度ないし加熱時間を変更すると、ナノ粒子のサイズを変更できる。
以上により、Ga:ZnO0.700.30粒子22が合成される。その後、脱水メタノール用いた遠心分離(10,000rpm、30分間)を繰り返して精製する。繰り返すことで、不要な原料や溶媒を完全に除去する。
次に、Ga:ZnO0.700.30粒子22の表面に、Gaを含有しているIn0.60Ga0.40N層(窒化物半導体層)24を成長する。In0.60Ga0.40Nは、Ga:ZnO0.700.30と格子整合するので、良好な結晶性を有するエピタキシャル層を成長できる。また、Ga:ZnO0.700.30には、In0.60Ga0.40Nの成長の起点となるIII族元素(Ga)が添加されているので、効率的にエピタキシャル層を成長できる。
図4は、本工程で使用する圧力制御可能なエピタキシャル成長装置の概略を示す断面図である。以下の試料調整に関する全ての操作は、真空乾燥(140℃)した器具および装置を用いてグローブボックス内で実施するものとする。
原料を入れるステンレス製の反応容器32(外側:ステンレス製、内側:ハステロイ製)には、外部から窒素分圧が制御できるポート33、窒素分圧源34を備える。反応容器32内の圧力を確認するための圧力ゲージ35を配置する。反応容器32は加熱ヒータ36で加熱が可能である。温度は、熱電対37で測定する。また、反応容器内に設置した攪拌羽38によって合成中に反応容器内の原料を攪拌させることが可能である。
Ga(ガリウム)の供給源であるGaI(0.11mmol)、In(インジウム)の供給源であるInI(0.07mmol)、N(窒素)の供給源であるNaNH(3.84mmol)、を溶媒であるベンゼン(6ml)の入った反応容器32に投入する。溶媒であるベンゼンには、Ga:ZnOS粒子(30mg)を予め投入し、超音波により分散させておく。
この混合液を270℃まで加熱し、270℃のまま180分間保持する。また、窒素分圧制御のために、窒素分圧源としてアンモニアガスを合成前に充填しておく。充填圧力は0.1MPaとした。なお、窒素分圧制御としては、ナトリウムアミドなどの窒素源の量を変えることで行ってもよい。例えば、ナトリウムアミドの投入量をIII族材料に対して増やすことで、実質的には窒素源を増やすことになり、窒素分圧の制御と同じ効果が得られる。
その後、反応液を室温まで冷却し、エタノールとヘキサンを交互に用いた遠心分離(4000rpm、10分間)を繰り返して精製する。これにより、不要な原料や溶媒を完全に除去する。
このような手順を経ることで、Ga:ZnO0.700.30粒子22の表面(ないし、その表面の一部)に、In0.60Ga0.40N層24がエピタキシャル成長した量子ドット20を得ることができる。量子ドット20の全体的なサイズ(粒径)は、10nm以下である。なお、In0.60Ga0.40N層24の厚みは、混合液の加熱時間を制御することにより、調整することができる。
ここでは、下地粒子としてZnO1−X混晶組成を例として選択したが、ほかの材料、たとえばZnOSeなどのII−VI族半導体材料を用いてもよいであろう。窒化物半導体層に含まれるIII族元素が添加できれば、どのような材料を用いてもかまわない。ただし、その窒化物半導体層と格子整合(たとえば格子定数の±1%以内)する材料であることが望ましい。
また、下地粒子は、少なくともその表面(窒化物半導体層との接触界面)に、III族元素が添加されていればよい。下地粒子の表面にIII族元素が存在すれば、その上に設けられるIII族窒化物結晶の成長の起点になりうるからである。
図3Bは、第2実施例による量子ドット21を示す断面図である。量子ドット21は、中心部26と表層部28とを有する下地粒子23と、それを被覆する半導体層24と、を含む。下地粒子の中心部26は、たとえばZnO0.700.30から構成され、表層部28は、たとえばGa:ZnO0.700.30(Ga:Zn=5:95)から構成される。また、半導体層24は、たとえばIn0.60Ga0.40Nから構成される。
図3Bを参照して、量子ドット21の製法例を説明する。まず、ソルボサーマル法により、ZnO0.700.30粒子(下地粒子の中心部)26を合成する。なお、このプロセスは、ZnO0.700.30を合成する点で、量子ドット20(第1実施例)の下地粒子22を合成するプロセスと基本的に同じプロセスである。
ヒータ付きオートクレーブ容器を準備する。また、反応前駆体として、Znの供給源である硝酸亜鉛六水和物(5mmol)、Sの供給源であるチオ尿素(1.5mmol)、酸素の供給源である水酸化ナトリウム(30mmol)を用意する。これらを反応溶媒である脱水メタノールに溶解させ、先に示したモル数になるようにオートクレーブ容器に、各種反応前駆体を投入する。なお、反応前駆体の比率を変更すると、ナノ粒子の組成を変更できる。なお、分散剤として、さらに、ポリビニルピロリドン、ドデシル硫酸ナトリウム、または、メルカプトプロピオン酸など、を添加してもよい。
続いて、オートクレーブ容器内の混合溶液を、150℃で6時間加熱する。これにより、ナノサイズのZnOSが合成できる。なお、加熱温度ないし加熱時間を変更すると、ナノ粒子のサイズを変更できる。
以上により、ZnO0.700.30粒子26が合成される。その後、脱水メタノール用いた遠心分離(10000rpm、30分間)を繰り返して精製する。ZnO0.700.30粒子が、メタノール中に分散する状態とする(分散溶液)。
次に、ZnO0.700.30粒子26の表面に、Ga:ZnO0.700.30層(下地粒子の表層部)28を成長する。GaとZnの組成比率は、Ga:Zn=5:95とする。なお、このプロセスは、Ga:ZnO0.700.30を合成する点で、量子ドット20(第1実施例)の下地粒子22を合成するプロセスと基本的に同じプロセスである。
再度、ヒータ付きオートクレーブ容器を準備する。また、反応前駆体として、Znの供給源である硝酸亜鉛六水和物(0.95mmol)、Sの供給源であるチオ尿素(0.3mmol)、Gaの供給源である硝酸ガリウムn水和物(0.05mmol)、酸素の供給源である水酸化ナトリウム(30mmol)を用意する。これらを反応溶媒である脱水メタノールに溶解させ、先に示したモル数になるようにオートクレーブ容器に、各種反応前駆体を投入する。
次いで、ZnO0.700.30粒子が分散する分散溶液を投入する。なお、分散剤として、さらに、ポリビニルピロリドン、ドデシル硫酸ナトリウム、または、メルカプトプロピオン酸など、を添加してもよい。
続いて、オートクレーブ容器内の混合溶液を、125℃で2時間加熱する。これにより、ナノサイズのGa:ZnOSが合成できる。
以上により、ZnO0.700.30粒子26を、Ga:ZnO0.700.30層28が被覆する下地粒子23が形成される。その後、脱水メタノールを用いた遠心分離(10000rpm、30分間)を繰り返して精製する。
次に、下地粒子23の表面(Ga:ZnO0.700.30層28の周囲)に、Gaを含有しているIn0.60Ga0.40N層(窒化物半導体層)24を成長する。下地粒子の表面(表層部28)にIII族元素が存在すれば、その上に設けられるIII族窒化物結晶の成長の起点になりうる。なお、このプロセスは、基本的に、量子ドット20(第1実施例)の半導体層24を合成するプロセスと同じであり、説明を省略する。
以上の手順を経ることで、ZnO0.700.30粒子26に、Ga:ZnO0.700.30層28およびIn0.60Ga0.40N層24が順次エピタキシャル成長した量子ドット21を得ることができる。量子ドット21の全体的なサイズ(粒径)は、10nm以下である。
以上では、下地粒子の製造方法としてソルボサーマル法を用いる例を説明したが、ほかの方法、たとえば熱分解法などを用いてもよい。また、下地粒子に添加するIII族元素ないし窒化物半導体層に含まれるIII族元素は、Gaに限らず、InやAlなどでもよい。
以下、第3実施例による量子ドットの製法例を説明する。第3実施例による量子ドットは、図3Aに示す第1実施例による量子ドット20と同じ構造、つまり下地粒子22および窒化物半導体層24を含む構造を有する。ただし、第3実施例では、下地粒子が、Inが添加されたZnO0.500.50(In:Zn=15:85)から構成され、半導体層が、Inを含有するInNから構成される。
InNは、In:ZnO0.500.50と格子整合するので、良好な結晶性を有するエピタキシャル層を成長できる。また、In:ZnO0.500.50には、InNの成長の起点となるIII族元素(In)が添加されているので、効率的にエピタキシャル層を成長できる。
In:ZnOSは、熱分解法により合成することができる。
図5に示すように、石英製フラスコ40を反応容器として準備する。フラスコ40はマントルヒータ49上に設置する。
フラスコ40は、取出し口の他、不活性ガス(窒素ガス)で置換でき、かつ、圧力制御できるポート46、および、熱電対を取り付けた温度測定部48を備える。ポート46には、不活性ガスをフラスコ内に注入するバルブ41、および、フラスコ内の圧力を制御するための排気ポンプ42、が接続されている。
反応前駆体として、Znの供給源であるZn(ACAC)(2mmol)、Sの供給源である1,3−ジブチルチオ尿素(1.2mmol)、Inの供給源であるIn(ACAC)(0.4mmol)、を調合する。なお、反応前駆体の比率を変更すると、ナノ粒子の組成を変更できる。
反応容器40内に、反応溶媒であるオレイルアミン(10ml)を入れ、さらに、各種反応前駆体を投入する。不活性ガス(N)雰囲気とし、スターラで撹拌しつつマントルヒータ49を使用して70℃に加熱し、すべてを溶解させる。
なお、反応溶媒としては、アミン系・エーテル系の有機溶媒や、トリオクチルホスフィンオキシド(TOPO)、オレイン酸などの高沸点有機溶媒を用いることができる。さらに、分散剤として、ポリオール系還元剤を添加してもよい。分散剤としては、たとえば、ヘキサデカンジオール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチルレングリコール、ジエチレングリコール、エチレングリコール、ステアリルグリコール等を用いることができる。
続いて、圧力をたとえば100pa〜50000paの範囲内、より具体的に10000paに減圧し、150℃で1時間、その後さらに、250℃で1時間加熱する。これにより、2nm〜10nm程度の粒径を有するナノサイズのIn:ZnO0.500.50粒子が合成できる。なお、加熱温度ないし加熱時間を変更すると、ナノ粒子のサイズを変更できる。
次に、In:ZnO0.500.50粒子(下地粒子)の表面に、InN層(窒化物半導体層)を成長する。なお、このプロセスは、基本的に、量子ドット20(第1実施例)の半導体層24を合成するプロセスと同じである。
In(インジウム)の供給源であるInI(0.18mmol)、N(窒素)の供給源であるNaNH(3.84mmol)、を溶媒であるベンゼン(6ml)の入った反応容器32(図4)に投入する。溶媒であるベンゼンには、In:ZnOS粒子(30mg)を予め投入し、超音波により分散させておく。
この混合液を270℃まで加熱し、270℃のまま180分間保持する。窒素分圧制御のために、窒素分圧源としてアンモニアガスを合成前に充填しておく。充填圧力は0.1MPaとした。その後、反応液を室温まで冷却し、エタノールとヘキサンを交互に用いた遠心分離(4000rpm、10分間)を繰り返して精製する。これにより、不要な原料や溶媒を完全に除去する。
このような手順を経ることで、In:ZnO0.500.50粒子の表面(ないし、その表面の一部)に、InN層がエピタキシャル成長した量子ドットを得ることができる。量子ドットの全体的なサイズ(粒径)は、10nm以下である。なお、InN層の厚みは、混合液の加熱時間を制御することにより、調整することができる。
以下、第4実施例による量子ドットの製法例を説明する。第4実施例による量子ドットは、第1実施例および第3実施例による量子ドットと同じ構造を有する。ただし、第4実施例では、下地粒子が、Alが添加されたZnO0.700.30(In:Zn=15:85)から構成され、半導体層が、Alを含有するIn0.70Al0.30Nから構成される。
In0.70Al0.30Nは、Al:ZnO0.700.30と格子整合するので、良好な結晶性を有するエピタキシャル層を成長できる。また、Al:ZnO0.700.30には、In0.70Al0.30Nの成長の起点となるIII族元素(Al)が添加されているので、効率的にエピタキシャル層を成長できる。
Al:ZnO0.700.30粒子(下地粒子)を合成する。なお、このプロセスは、基本的に、第3実施例による量子ドットの下地粒子を合成するプロセスと同じである。
反応前駆体として、Znの供給源であるZn(ACAC)(2mmol)、Sの供給源である1,3−ジブチルチオ尿素(1.2mmol)、Alの供給源であるAl(ACAC)(0.4mmol)、を調合する。なお、反応前駆体の比率を変更すると、ナノ粒子の組成を変更できる。
反応容器40(図5)内に、反応溶媒であるオレイルアミン(10ml)を入れ、さらに、各種反応前駆体を投入する。不活性ガス(N)雰囲気とし、スターラで撹拌しつつ70℃に加熱し、すべてを溶解させる。
続いて、圧力をたとえば10000paに減圧し、150℃で1時間、その後さらに、300℃で1時間加熱する。これにより、2nm〜10nm程度の粒径を有するナノサイズのAl:ZnO0.700.30粒子が合成できる。なお、加熱温度ないし加熱時間を変更すると、ナノ粒子のサイズを変更できる。
次に、Al:ZnO0.700.30粒子(下地粒子)の表面に、In0.70Al0.30N層(窒化物半導体層)を成長する。なお、このプロセスは、基本的に、量子ドット20(第1実施例)の半導体層24を合成するプロセスと同じである。
Inの供給源であるInI(0.18mmol)、Alの供給源であるAlI(0.05mmol)、Nの供給源であるNaNH(3.84mmol)、を溶媒であるベンゼン(6ml)の入った反応容器32(図4)に投入する。溶媒であるベンゼンには、Al添加ZnOS粒子(30mg)を予め投入し、超音波により分散させておく。
この混合液を270℃まで加熱し、270℃のまま180分間保持する。窒素分圧制御のために、窒素分圧源としてアンモニアガスを合成前に充填しておく。充填圧力は0.1MPaとした。その後、反応液を室温まで冷却し、エタノールとヘキサンを交互に用いた遠心分離(4000rpm、10分間)を繰り返して精製する。これにより、不要な原料や溶媒を完全に除去する。
このような手順を経ることで、Al:ZnO0.700.30粒子の表面(ないし、その表面の一部)に、In0.70Al0.30N層がエピタキシャル成長した量子ドットを得ることができる。量子ドットの全体的なサイズ(粒径)は、10nm以下である。なお、In0.70Al0.30N層の厚みは、混合液の加熱時間を制御することにより、調整することができる。
以上、実施例に沿って、本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。実施例で示した格子整合の範囲は一例であり、格子整合するよう組成を調整すれば、その積層構成を自由に組み合わせることが可能である。また、各種部材・材料は、製造条件や量子ドットの用途などに応じて、適宜変更してもかまわない。その他種々変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
20,21…量子ドット、22,23…下地粒子(コア)、24…半導体層(シェル)、26…中心部、28…表層部、32…反応容器、34…窒素分圧源、36…ヒータ、37…熱電対、38…撹拌羽、40…フラスコ、41…バルブ、42…排気ポンプ、46…ポート、48…温度測定部、49…ヒータ。

Claims (5)

  1. II−VI族半導体から形成され、少なくとも表面に第1のIII族元素が添加されている下地粒子と、
    前記第1のIII族元素及び該第1のIII族元素とは異なる第2のIII族元素を含む窒化物半導体から形成され、前記下地粒子の表面に設けられた半導体層と、
    を有する量子ドット。
  2. II−VI族半導体から形成され、少なくとも表面に第1のIII族元素が添加されているZnOSから形成される下地粒子と、
    前記第1のIII族元素を含む窒化物半導体から形成され、前記下地粒子の表面に設けられた半導体層と、
    を有する量子ドット。
  3. 前記半導体層は、前記第1のIII族元素に加え、さらに、該第1のIII族元素とは異なる第2のIII族元素を含む窒化物半導体から形成される請求項記載の量子ドット。
  4. 前記第1のIII族元素は、Al,GaまたはInである請求項1〜3いずれか1項記載の量子ドット。
  5. 前記下地粒子および前記半導体層を含む全体的なサイズは、10nm以下である請求項1〜4いずれか1項記載の量子ドット。
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