JP6815602B2 - 量子ドット - Google Patents

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Description

本発明は、コアシェル構造を有する量子ドットに関する。
数nm〜十数nm程度にまで小さく(細く,薄く)された物質は、バルク状態とは異なる物性を示すようになる。このような現象・効果は、(3次元〜1次元)キャリア閉じ込め効果や量子サイズ効果などと呼ばれ、また、このような効果が発現する物質は、量子ドット(量子ワイヤ,量子ウェル)や半導体ナノ粒子などと呼ばれる(たとえば特許文献1)。量子ドットは、サイズ(全体的な大きさ)を変化させることで、そのバンドギャップ(光吸収波長や発光波長)を調整することができる。
半導体材料を含む量子ドットの用途として、蛍光体がある。高エネルギーの光や粒子線を受けて所定波長の蛍光を発することが可能である。量子ドットを均等に分布させ、蛍光を発生させることにより、面光源を得ることができる。
量子ドットには、コア(核)部分をシェル層が被覆する、コアシェル構造を有するものがある(特許文献2〜5)。このような量子ドットは、たとえば液相成長法により、製造することができる(特許文献4〜6)。
特開2014−132086号公報 特開2011−076827号公報 特開2012−087220号公報 特許第4936338号公報 特許第4318710号公報 特許第4502758号公報
本発明の主な目的は、信頼性が高く、効率のよい量子ドットを得ることにある。
本発明の主な観点によれば、Gaを含むZnOから形成される中心部、及び、ZnOSから形成され、前記中心部を被覆する表層部であって、該中心部から離れるにしたがってSの組成比が増加する表層部、を含む下地粒子と、窒化物半導体から形成され、前記下地粒子を被覆する半導体層と、を有する量子ドット、が提供される。
本発明の他の観点によれば、Gaを含むZnOから形成される中心部と、ZnOSから形成され、前記中心部を被覆し、該中心部から離れるにしたがってSの組成比が増加する表層部と、を有する量子ドット、が提供される。
信頼性が高く、効率のよい量子ドットを得ることができる。
図1は、ZnOS混晶系、GaInN混晶系、AlInN混晶系の格子定数とエネルギーギャップの関係を示すグラフである。 図2は、ZnO1−x混晶系、Ga1−xInN混晶系、Al1−xInN混晶系の組成xに対する格子定数の変化を示すグラフである。 図3A〜図3Cは、参考例による量子ドット、ならびに、第1実施例および第2実施例による量子ドットを概略的に示す断面図である。 図4は、加圧反応容器の例を概略的に示す側面図である。 図5は、合成容器の例を概略的に示す側面図である。
現在、可視光域の量子ドットとしてエネルギーギャップの小さいコアにエネルギーギャップの大きいシェルを積層したCdSe/ZnSやInP/ZnS等が利用されている。異なる化合物材料でコアシェル構造を構成した場合、格子不整合(CdSe/ZnS:11.1%,InP/ZnS:7.8%)が生じる。格子不整合は、結晶格子を歪ませ、発光効率や信頼性を低下させる原因となりうる。
図1は、ZnOS混晶系、GaInN混晶系、AlInN混晶系の格子定数とエネルギーギャップの関係を示すグラフである。「混晶系」は、両端物質と中間の混晶を含む系を表す用語である。横軸がnm(ナノメータ)を単位とする格子定数を示し、縦軸がeV(エレクトロンボルト)を単位とするエネルギーギャップを示す。発光波長を決定するエネルギーギャップは、ZnO:3.2eV、ZnS:3.8eV、AlN:6.2eV、GaN:3.4eV、InN:0.64eVである。
六方晶系の結晶をc軸方向に結晶成長する場合、成長面内の格子定数としてa軸方向の格子定数を用いる。ZnO、ZnSの格子定数はa軸0.324nm、0.382nmであり、AlN、GaN、InNの格子定数はa軸0.311nm、0.320nm、0.355nmである。
化合物を対とする場合、格子定数の1番近い組み合わせでも、ZnOの0.324nmとGaNの0.320nmであり、1%を超える格子不整が存在する。
図2は、ZnO1−x混晶系、Ga1−xInN混晶系、Al1−xInN混晶系の組成xに対する格子定数(a軸方向)の変化を概略的に示すグラフである。横軸が組成xを示し、縦軸が格子定数を示す。ZnOSとAlGaInNは同じ六方晶系のウルツ鉱結晶構造を持つ。混晶を形成すると両端物質の中間の格子定数を調整でき、格子整合を実現できる。
格子定数、エネルギーギャップ、組成は一定の関係にあり、図2は、基本的に図1と同じ内容を示す。着目するパラメータに従って、グラフを使い分ける。例えば、格子整合する組成は、図2において、縦軸(格子定数)が同一となる組成である。好ましい格子整合の整合範囲は、小さい方の格子定数を基準(100%)として、格子定数の差が±1.0%以内であろう。
ZnO1−xと、Al1−yInNおよびGa1-zInNと、が格子整合可能な領域を四角で囲って示す。Al1−xInN(x:0.3〜1.0),Ga1−yInN(y:0.15〜1.0),ZnO1−z(z:0.47〜1.0)の組成範囲において、ZnOSとAlInNおよびGaInNとの格子整合が可能である。
ZnOSを下地結晶とし、その上(その周囲)に格子整合するAlGaInN(窒化物半導体)を成長する場合、界面における歪みを低減できる。歪みを低減することにより、結晶欠陥を防止し、高効率な量子ドットを実現できよう。
図3Aは、参考例による量子ドット20を示す断面図である。量子ドット20は、下地粒子(コア)22と、それを被覆する半導体層(シェル)24と、を含む。下地粒子22は、たとえばZnO0.700.30から構成され、半導体層24は、たとえばIn0.60Ga0.40Nから構成される。ZnO0.700.30とIn0.60Ga0.40Nは、格子整合する(図2参照)。
図3Aを参照して、量子ドット20の製法例を説明する。1粒の量子ドットを示すが、以下に説明する合成によれば、多数の量子ドットが同時に製造される。量子ドットの大きさは、反応条件などによって制御できる。
まず、一般に知られているソルボサーマル法により、ZnO0.700.30粒子(下地粒子)22を合成する。ヒータ付きオートクレーブ容器(圧力容器)を準備する。
反応前駆体として、Zn(亜鉛)の供給源である硝酸亜鉛六水和物(5mmol)、S(硫黄)の供給源であるチオ尿素(1.5mmol)、酸素の供給源である水酸化ナトリウム(30mmol)を用意する。これらを反応溶媒である脱水メタノールに溶解させ、先に示したモル数になるようにオートクレーブ容器に、各種反応前駆体を投入する。
なお、反応前駆体の比率を変更すると、ナノ粒子の組成を変更できる。たとえば、チオ尿素の比率を大きくすると、合成されるZnOSにおいてOに対するSの比率(組成比)が大きくなる。逆に、チオ尿素の比率を小さくすると、合成されるZnOSにおいてOに対するSの比率(組成比)が小さくなる。
続いて、オートクレーブ容器内の混合溶液を、200℃で24時間加熱する。これにより、ナノサイズのZnOSが合成できる。なお、加熱温度ないし加熱時間を変更すると、ナノ粒子のサイズを変更できる。
以上により、ZnO0.700.30粒子22が合成される。その後、ZnO0.700.30粒子22の表面に、In0.60Ga0.40N層(窒化物半導体層)24を成長する。In0.60Ga0.40Nは、ZnO0.700.30と格子整合するので、良好な結晶性を有するエピタキシャル層を成長できる。
図4は、本工程で使用する圧力制御可能なエピタキシャル成長装置の概略を示す断面図である。以下の試料調整に関する全ての操作は、真空乾燥(140℃)した器具および装置を用いてグローブボックス内で実施するものとする。
原料を入れるステンレス製の反応容器32(外側:ステンレス製、内側:ハステロイ製)には、外部から窒素分圧が制御できるポート33、窒素分圧源34を備える。反応容器32内の圧力を確認するための圧力ゲージ35を配置する。反応容器32は加熱ヒータ36で加熱が可能である。温度は、熱電対37で測定する。また、反応容器内に設置した攪拌羽38によって合成中に反応容器内の原料を攪拌させることが可能である。
Ga(ガリウム)の供給源であるGaI(0.11mmol)、In(インジウム)の供給源であるInI(0.07mmol)、N(窒素)の供給源であるNaNH(3.84mmol)、を溶媒であるベンゼン(6ml)の入った反応容器32に投入する。溶媒であるベンゼンには、ZnOS粒子(5mg)を予め投入し、超音波により分散させておく。
この混合液を270℃まで加熱し、270℃のまま180分間保持する。また、窒素分圧制御のために、窒素分圧源としてアンモニアガスを合成前に充填しておく。充填圧力は0.1MPaとした。
なお、窒素分圧制御としては、ナトリウムアミドなどの窒素源の量を変えることで行ってもよい。例えば、ナトリウムアミドの投入量をIII族材料に対して増やすことで、実質的には窒素源を増やすことになり、窒素分圧の制御と同じ効果が得られる。
このような手順を経ることで、ZnO0.700.30粒子22の表面(ないし、その表面の一部)に、In0.60Ga0.40N層24がエピタキシャル成長した量子ドット20を得ることができる。なお、In0.60Ga0.40N層24の厚みは、混合液の加熱時間を制御することにより、調整することができる。
本発明者らは、作製した量子ドット20について評価・検討を行い、その中でいくつかの技術的課題を見出した。
本発明者らの検討によれば、ソルボサーマル法でS(硫黄)の組成比が高いZnOS粒子(下地粒子)を合成する場合、つまり、ZnOSを合成するに際し、Sの供給源(ここではチオ尿素)の投入量を多くした場合、合成されるZnOSの組成のバラつきが大きくなる。具体的に、窒化物半導体層と格子整合する範囲(図2参照)でいえば、Sの組成比を2%(ZnO0.980.02)から50%(ZnO0.500.50)の範囲のいずれかにしようとした場合に、合成されるZnOSの組成のバラつきが大きくなる。また、高濃度のS組成のZnOSだけでなく、ZnSといった不要な核形成を起こし副生成物が発生しやすくなる。
量子ドットの製造において、その組成は、できるだけ揃っている(バラつきが小さい)ことが好ましい。物性(エネルギーギャップ等)の均一化や製造工程の簡素化などが、見込めるからである。
一方、ソルボサーマル法でS(硫黄)の組成比が低いZnOS粒子を合成する場合、極端には、ZnO粒子(Sの組成比が0)を合成する場合、合成されるZnO(S)の粒径の制御が難しくなる。具体的には、ZnO粒子を合成する場合、粒径を50nm以下にすることは困難である。
量子ドットの製造において、その粒径は、たとえば10nm以下で、容易に制御できることが好ましい。量子サイズ効果がより顕著に発現し、選択できる物性(エネルギーギャップや発光波長など)の範囲が広がるからである。
以下では、これらの課題を解決する実施例による量子ドットについて説明する。
図3Bは、第1実施例による量子ドット50を示す断面図である。量子ドット50は、ZnOSを含み、外側に向かってSの組成比が増加する下地粒子52と、それを被覆する半導体層58と、を備える。
下地粒子52は、Gaが添加されたZnO(Ga:ZnO)からなる中心部54と、Sの組成比が5%程度である第1のZnOS層(ZnO0.950.05層)56a、Sの組成比が10%程度である第2のZnOS層(ZnO0.900.10層)56b、および、Sの組成比が20%程度である第3のZnOS層(ZnO0.800.20層)56c、を含む表層部56と、を含む。また、半導体層58は、たとえばIn0.50Ga0.50Nから構成される。ZnO0.800.20(下地粒子52の最表層)とIn0.50Ga0.50N(半導体層58)は、格子整合する(格子定数の差が±1.0%以内,図2参照)。
図3Bを参照して、量子ドット50の製法例を説明する。まず、ソルボサーマル法により、Gaが添加されたZnO粒子(下地粒子の中心部)54を合成する。
本発明者らの検討によれば、ソルボサーマル法によりZnOを合成する際に、Gaを添加することで、合成粒子の粒径の制御が容易になる、つまり、その粒径をより小さくできることがわかっている。なお、ZnO(S)にGaが添加されても、その格子定数は大きく変わらない。
本実施例において、GaとZnの組成比率は、Ga:Zn=3:97とする。なお、このプロセスは、ZnO(S)を合成する点で、量子ドット20(参考例)の下地粒子22を合成するプロセスと基本的に同じプロセスである。
ヒータ付きオートクレーブ容器(圧力容器)を準備する。また、反応前駆体として、Zn(亜鉛)の供給源である硝酸亜鉛六水和物(5mmol)、Ga(ガリウム)の供給源である硝酸ガリウムn水和物(0.25mmol)、酸素の供給源である水酸化ナトリウム(30mmol)を用意する。これらを反応溶媒である脱水メタノールに溶解させ、先に示したモル数になるようにオートクレーブ容器に、各種反応前駆体を投入する。続いて、オートクレーブ容器内の混合溶液を、200℃で24時間加熱する。
これにより、2nm〜3nm程度の粒径を有するナノサイズのGa添加ZnO(Ga:ZnO)が合成できる。加熱温度ないし加熱時間を変更すると、ナノ粒子のサイズを変更できる。
なお、溶媒として、メタノールのほかに、エタノール、エチレングリコールなどを用いることができるし、水酸化ナトリウムの代わりに、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化セシウム、水酸化テトラメチルアンモニウムなどのアルカリ溶液を使用することもできる。亜鉛原料としては、塩化亜鉛などの塩化物系や酢酸亜鉛などの酢酸系を用いてもよい。同様に、ガリウム原料としては、塩化ガリウムや酢酸ガリウムなどを用いてもよい。また、各種反応前駆体に加え、さらに、分散剤として、ポリビニルピロリドン、ドデシル硫酸ナトリウム、または、メルカプトプロピオン酸など、を加えてもよい。
以上により、Ga:ZnO粒子54が合成される。その後、脱水メタノール用いた遠心分離(10000rpm、30分間)を繰り返して精製する。Ga:ZnO粒子が、メタノール中に分散する状態とする(分散溶液)。
次に、Ga:ZnO粒子54の表面に、半径方向の外側に向かってSの組成比が段階的に増加するZnOS積層(下地粒子の表層部)56を形成する。本発明者らの検討によれば、ZnO粒子(Sの組成比が0)の表面に、Sの組成比が小さいZnOS層から徐々にSの組成比が大きいZnOS層を積層していくことで、各層における組成のバラつきを抑制できることがわかっている。
本実施例において、Ga:ZnO粒子54の表面に成長するZnOS層56aのS組成比を5%(ZnO0.950.05)とし、その上に成長するZnOS層56bのS組成比を10%((ZnO0.900.10)とし、その上に成長し、最外層を構成するZnOS層56cのS組成比を20%(ZnO0.800.20)とする。なお、このプロセスも、ZnOSを合成する点で、量子ドット20(参考例)の下地粒子22を合成するプロセスと基本的に同じプロセスである。
反応前駆体として、Znの供給源である硝酸亜鉛六水和物(5mmol)、Sの供給源であるチオ尿素(0.25mmol)、酸素の供給源である水酸化ナトリウム(30mmol)を用意する。これらを反応溶媒である脱水メタノールに溶解させ、先に示したモル数になるようにオートクレーブ容器に、各種反応前駆体を投入する。次いで、Ga:ZnO粒子が分散する分散溶液を投入する。続いて、オートクレーブ容器内の混合溶液を、200℃で24時間加熱する。
溶媒として、メタノールのほかに、エタノール、エチレングリコールなどを用いることができるし、水酸化ナトリウムの代わりに、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化セシウム、水酸化テトラメチルアンモニウムなどのアルカリ溶液を使用することもできる。また、Zn原料としては、塩化亜鉛などの塩化物系や酢酸亜鉛などの酢酸系を用いてもよい。同様に、Ga原料としては、塩化ガリウムや酢酸ガリウムなどを用いてもよい。さらに、S原料としては、硫化ナトリウム、チオアセトアミドなどを用いることも可能である。
これにより、Ga:ZnO粒子54を、ZnO0.950.05層56aが被覆するナノ粒子が形成される。その後、脱水メタノールを用いた遠心分離(10000rpm、30分間)を繰り返して精製する。
次に、Sの供給源であるチオ尿素の投入量を0.5mmolとし、同様の工程を実施して、ZnOS層56aの上にZnO0.900.10層56bを形成する。さらに、Sの供給源であるチオ尿素の投入量を1.0mmolとし、同様の工程を実施して、ZnOS層56bの上にZnO0.800.20層56cを形成する。
以上により、Ga:ZnO粒子54を、ZnOS積層56(ZnOS層56a〜56c)が被覆する下地粒子52が形成される。下地粒子52の粒径は、たとえば5nm〜7nm程度である。
なお、ZnOS積層56の各層56a〜56cには、Gaが添加されていてもかまわない。合成時、反応前駆体として、たとえば硝酸ガリウムなどを加えることで、Gaが添加されたZnOS層を成膜することができる。ZnOSにGaが添加されても、その格子定数は大きく変わらない。
次に、下地粒子23の表面(ZnO0.800.20層56c上)に、In0.50Ga0.50N層(窒化物半導体層)58を成長する。なお、このプロセスは、基本的に、量子ドット20(参考例)の半導体層24を合成するプロセスと同じである。
Ga(ガリウム)の供給源であるGaI(0.11mmol)、In(インジウム)の供給源であるInI(0.07mmol)、N(窒素)の供給源であるNaNH(3.84mmol)、を溶媒であるジフェニルエーテル(6ml)の入った反応容器32(図4)に投入する。溶媒であるジフェニルエーテルには、下地粒子(3mg)を予め投入し、超音波により分散させておく。
なお、Ga原料としては、GaBrやGaClなども用いることができる。同様に、In原料としてはInBrやInClなども利用できる。さらに、N原料としてはリチウムアミドなども用いることができる。
この混合液を270℃まで加熱し、270℃のまま180分間保持する。窒素分圧制御のために、窒素分圧源としてアンモニアガスを合成前に充填しておく。充填圧力は0.1MPaとした。その後、反応液を室温まで冷却し、エタノールとヘキサンを交互に用いた遠心分離(4000rpm、10分間)を繰り返して精製する。これにより、不要な原料や溶媒を完全に除去する。
このような手順を経ることで、下地粒子52の表面(ないし、その表面の一部)に、In0.50Ga0.50N層58がエピタキシャル成長した量子ドット50を得ることができる。In0.50Ga0.50N層58の厚みは、約4nmであり、混合液の加熱時間を制御することにより、調整することができる。
第1実施例によれば、下地粒子の組成、特にその最表層の組成のバラつきを抑制することができる。これにより、下地粒子の上に、これと格子整合する、良好な結晶性を有する半導体層を、効率的に、成長することができる。また、第1実施例によれば、下地粒子の粒径、また、それを含む量子ドット全体の粒径の制御も容易となる。
なお、下地粒子は、全体として、中心部から離れるにしたがってSの組成比が増加する構成を有していればよく、中心部に多少のSを含んでいてもよい。また、ZnOS積層(表層部)の層数も3層に限らず、4層以上であってもよいし、2層でもあってもかまわない。または、Sの組成比が連続的に増加するような層構成としてもよい。
図3Cは、第2実施例による量子ドット60を示す断面図である。量子ドット60は、Gaが添加されたZnOからなる中心部64、および、ZnOSを含み、外側に向かってSの組成比が連続的に増加する表層部66を有する下地粒子62と、それを被覆する半導体層68と、を備える。
図3Cを参照して、量子ドット60の製法例を説明する。
まず、ソルボサーマル法により、Gaが添加されたZnO粒子(下地粒子の中心部)64を合成する。なお、このプロセスは、基本的に、第1実施例において下地粒子52の中心部54を合成するプロセスと同じであり、説明を省略する。
次に、Ga:ZnO粒子64の表面に、外側に向かってSの組成比が連続的に増加するZnOS層(下地粒子の表層部)66を形成する。本発明者らの検討によれば、ZnO粒子(Sの組成比が0)の表面に、半径方向の外側に向かってSの組成比が連続的に増加するZnOS層を形成することで、その最表層における組成のバラつきを抑制できることがわかっている。
図5は、本工程で使用するエピタキシャル成長装置の概略を示す断面図である。原料を入れる合成容器42には、原料を供給するポート45、圧送ポンプ等に接続される原料供給容器46を備える。合成容器42は加熱ヒータ47で加熱が可能である。温度は、熱電対48で測定する。
反応前駆体として、Znの供給源である硝酸亜鉛六水和物(5mmol)を用意する。合成容器42に、反応溶媒である、水酸化ナトリウムを溶解した脱水メタノールを入れ、次いで、Ga:ZnO粒子が分散する分散溶液、および、反応前駆体を投入する。また、原料供給容器46に、Sの供給源であるチオ尿素が溶解したメタノールを収容する。
合成容器42を加熱する。合成容器42内の混合溶液の温度が200℃になる直前に、原料供給容器46に収容される原料溶液を、合成容器42に注入する。30分合成を行った後、一度、合成容器42の温度を150℃にする。合成温度以下に下げればよい。
再び合成容器42を加熱する。合成容器42内の混合溶液の温度が200℃になる直前に、チオ尿素濃度が異なるものが充填された別の原料供給容器に収容される原料溶液を、合成容器42に注入する。2回目の原料供給容器内のチオ尿素濃度は1回目より濃いものを用いる。これを複数回繰り返すことで、半径方向の外側に向かってSの組成比が連続的に増加するZnOS層を形成することができる。
以上により、Ga:ZnO粒子64を、S組成比が外側に向かって連続的に増加するZnOS層66が被覆する下地粒子62が形成される。下地粒子62の粒径は、たとえば5nm〜7nm程度である。
なお、ZnOS層66には、Gaが添加されていてもかまわない。合成時、反応前駆体として、たとえば硝酸ガリウムなどを加えることで、Gaが添加されたZnOS層を成膜することができる。
次に、下地粒子23の表面(ZnO0.800.20層56c上)に、In0.50Ga0.50N層(窒化物半導体層)58を成長する。なお、このプロセスは、基本的に、第1実施例において半導体層54を合成するプロセスと同じであり、説明を省略する。
このような手順を経ることで、下地粒子62の表面(ないし、その表面の一部)に、In0.50Ga0.50N層68がエピタキシャル成長した量子ドット60を得ることができる。 第2実施例においても、下地粒子の組成、特にその最表層の組成のバラつきを抑制することができ、最終的には、これと格子整合し、良好な結晶性を有する半導体層を、効率的に、成長することができる。
以上、実施例に沿って、本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。実施例で示した格子整合の範囲は一例であり、格子整合するよう組成を調整すれば、その積層構成を自由に組み合わせることが可能である。また、各種部材・材料は、製造条件や量子ドットの用途などに応じて、適宜変更してもかまわない。その他種々変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
20,50,60…量子ドット、22,52,62…下地粒子、24,58,68…半導体層、54,64…中心部、56,66…表層部、32…反応容器、34…窒素分圧源、35…圧力ゲージ、36…ヒータ、37…熱電対、38…撹拌羽、42…合成容器、45…ポート、46…原料供給源、47…加熱ヒータ、48…熱電対。

Claims (5)

  1. Gaを含むZnOから形成される中心部、及び、ZnOSから形成され、前記中心部を被覆する表層部であって、該中心部から離れるにしたがってSの組成比が増加する表層部、を含む下地粒子と、
    窒化物半導体から形成され、前記下地粒子を被覆する半導体層と、
    を有する量子ドット。
  2. 前記表層部は、前記中心部から離れるにしたがってSの組成比が段階的に増加する請求項記載の量子ドット。
  3. 前記表層部は、前記中心部から離れるにしたがってSの組成比が連続的に増加する請求項記載の量子ドット。
  4. 前記下地粒子の最表層を構成する部材と前記半導体層を構成する部材は、格子整合する請求項1〜いずれか1項記載の量子ドット。
  5. Gaを含むZnOから形成される中心部と、
    ZnOSから形成され、前記中心部を被覆し、該中心部から離れるにしたがってSの組成比が増加する表層部と、
    を有する量子ドット。
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