JP2002038145A - アミノ基を結合してなる半導体超微粒子 - Google Patents

アミノ基を結合してなる半導体超微粒子

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多様な化学構造を連結可能なアミノ基を結合
し、かつ、耐水性等、半導体結晶の量子効果による吸発
光特性が安定化された、新規な半導体超微粒子を提供す
る。 【解決手段】 炭素数5〜40の連結有機残基を介して
アミノ基が半導体結晶表面に結合されてなる半導体超微
粒子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の連結有機残
基を介してアミノ基を結合した半導体超微粒子に関す
る。本発明の半導体超微粒子は、該連結有機残基の効果
により、耐水性等、超微粒子の主体を成す半導体結晶の
吸光あるいは発光特性が外界の影響から保護されたもの
であり、しかも該アミノ基の反応性を利用して所望の化
学構造を結合することができる。従って、例えば抗体タ
ンパク質等の基質特異的親和性を有する化学構造を結合
した場合、生物学的分析等の基質特異的分析試薬として
利用される。あるいは親水性基を結合した場合、水性又
はアルコール性溶剤等の対環境安全性に優れた溶媒に可
溶な半導体超微粒子となるので、水性又はアルコール性
の吸光性あるいは発光性塗料原料として利用される。
【0002】
【従来の技術】量子効果による制御された吸光あるいは
発光特性(以下、吸発光特性と呼ぶ)を有する半導体超
微粒子は、分析プローブとして活用される。例えば米国
特許5990479号(1999)には、半導体ナノ結
晶表面に、特定の物質(Substance)との親和
力を有する「親和性分子」(Affinity mol
ecules:例えば抗体、核酸、タンパク質、多糖
類、あるいは糖、ペプチド、薬剤、配位子等の低分子)
を「連結剤」(Linking agent)を介して
結合した、生物学的応用を主な目的とする半導体ナノ結
晶プローブの概念が開示されている。この特許公報で
は、「親和性分子」を将来結合可能な官能基(例えばカ
ルボキシル基、アミノ基、あるいは尿素基−NHCON
2、等)を有する「連結剤」を半導体ナノ結晶表面に
結合した半導体超微粒子の合成までを実施例とし、これ
ら官能基に「親和性分子」としてアビジン(Avidi
n)やストレプトアビジン(Streptavidi
n)等のアビジン類が結合可能であること、更に、生物
学的分析において既に広く用いられているアビジン類と
ビオチン(Biotin)残基との特異的親和力を利用
することにより、ビオチン残基で標識した任意の基質が
原理的に分析可能であるとの概念を述べている。
【0003】しかし、この技術における前記の「連結
剤」の構造は半導体ナノ結晶の発光強度に大きな影響を
及ぼすにもかかわらず十分な検討がなされておらず、分
析試薬として有用な輝度を得られない場合があった。即
ち、例えばアミノ基を末端に結合した該「連結基」とし
て、N−(3−アミノプロピル)3−メルカプトベンズ
アミド等の芳香環が半導体ナノ結晶に隣接する構造のよ
うに半導体ナノ結晶の量子効果による吸発光特性をクエ
ンチ(消光)する場合がある構造、あるいは3−アミノ
プロピルトリメトキシシランや3−ヒドラジドプロピル
トリメトキシシラン等の炭素数が高々3程度の比較的短
い脂肪鎖を含有する構造のように該吸発光特性を外界の
影響から保護するに不十分な構造等のみが例示されてい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記実情に鑑
みてなされたものであり、その目的は、多様な化学構造
を連結可能なアミノ基を結合し、かつ、耐水性等、半導
体結晶の量子効果による吸発光特性が安定化された半導
体超微粒子の提供にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の目的を
達成すべく鋭意検討を重ねた結果、アミノ基を、例えば
11−メルカプトウンデカン酸等のω−メルカプト脂肪
酸の残基を介して半導体結晶表面に結合した場合、該半
導体結晶の優れた吸発光能を維持可能であることを見い
だし、本発明に到達した。
【0006】即ち本発明の要旨は、炭素数5〜40の連
結有機残基を介してアミノ基が半導体結晶表面に結合さ
れてなる半導体超微粒子に存する。
【0007】
【発明の実施の形態】[連結有機残基]本発明の半導体
超微粒子においては、アミノ基が、炭素数5〜40の連
結有機残基を介して後述する半導体結晶の表面に結合さ
れる。ここでいう連結有機残基は、アミノ基と半導体結
晶の両者を連結することを目的とする任意の有機構造を
有する2価の残基であり、これが含有する5〜40の炭
素原子は、アルカン(飽和脂肪族)、あるいはアルケン
やアルキン(不飽和脂肪族)等任意の脂肪族構造、ベン
ゼン環やナフタレン環等の炭化水素芳香環、ピリジン環
等の含窒素芳香環、フラン環やチオフェン環等の含カル
コゲン芳香環等任意の芳香族構造、カルボニル基(ケト
ン基、カルボキシル基、エステル結合、アミド結合、カ
ーボネート結合、ウレタン結合、尿素結合等の任意の含
カルボニル基構造を含む)等、任意の有機構造を形成し
ていて構わない。また、本発明の半導体超微粒子は、複
数種の連結有機残基を結合していても構わない。
【0008】本発明における連結有機残基に結合したア
ミノ基とは、1級アミノ基又は2級アミノ基を意味す
る。これは、該アミノ基が有する活性水素を置換する反
応により、所望の化学構造を将来結合するためである。
かかる連結有機残基の役割は、一定の距離の疎水的環境
を介してアミノ基を半導体結晶表面に結合し、その結果
として半導体結晶の量子効果による吸発光能を有用に制
御する点にある。かかる効果の源泉は、半導体結晶の吸
発光収率を阻害する任意の外界の化学種、例えば電子受
容能のある化学種、あるいはプロトン酸、アルカリ、イ
オン等の高い極性や電荷を有する特に水溶性化学種の半
導体結晶表面への接近を抑制する点に存するものと推測
される。かかる理由により、前記の連結有機残基は、電
子受容能のあるπ電子系構造、特に芳香環を含有しない
ことが望ましい。
【0009】連結有機残基の含有する炭素原子数は、好
ましくは6〜30、更に好ましくは7〜25、最も好ま
しくは8〜20とする。該連結有機残基に含有させるの
に好ましい構造単位としては、n−ブチレン基、n−ヘ
キシレン基、イソヘキシレン基、n−ヘプチレン基、イ
ソヘプチレン基、n−オクチレン基、イソオクチレン
基、n−デシレン基、n−ウンデシレン基、n−トリデ
シレン基、n−ペンタデシレン基、n−ヘプタデシレン
基等の炭素数が4〜17のアルキレン基が挙げられ、中
でもn−ヘプチレン基、n−オクチレン基、n−デシレ
ン基、n−ウンデシレン基、n−トリデシレン基等の炭
素数が7〜13の直鎖状アルキレン基が更に好適であ
る。
【0010】前記の連結有機残基が半導体結晶に結合す
る様式に制限はないが、通常、配位結合、共有結合、あ
るいはイオン結合による。具体的には、例えば該連結有
機残基の片方の末端に半導体結晶の含有元素に対する配
位能力を有する官能基、例えば、メルカプト基(別称チ
オール基:−SH)、スルフィド結合(別称チオエーテ
ル結合:−S−)、ジスルフィド結合(−S−S−)、
チオフェン環、チオカルボニル基(C=S)等の硫黄含
有基、ホスフィンオキシド基(P=O)やホスフィン基
等のリン含有基、ニトリル基、アミノ基、アミド結合
(−CONH−)、ピリジン環等の窒素含有基、水酸基
やカルボニル基等の酸素含有基等を結合することによ
り、これらの官能基の配位力を利用して該連結有機残基
の片方の末端を半導体結晶の表面に結合させることが可
能である。これらの官能基のうち好適に用いられるのは
メルカプト基とホスフィンオキシド基であり、特にメル
カプト基は最適である。メルカプト基等の前記に例示し
た配位能力を有する官能基と半導体結晶表面との実際の
結合構造は明らかではないが、例えばメルカプト基の硫
黄原子の配位結合、あるいは金属元素と該硫黄原子との
共有結合あるいはイオン結合等の存在が推定される。
【0011】本発明に好適に用いられる前記の連結有機
残基として、下記一般式(1)で表されるω−メルカプ
ト脂肪酸アミドアミンの残基が例示される。
【0012】
【化4】 HS−(CH2n−CONR2−R1−NHR2 (1) 但し一般式(1)において、nは17以下の自然数を、
1は炭素数2〜18のアルキレン基又は炭素数6〜1
8のアリーレン基を、R2は水素原子又は炭素数6以下
のアルキル基を、それぞれ表す。なおここで接頭語「ω
−」は、分子末端に結合することを示す化学構造命名法
における一般的な接頭語である。一般式(1)の構造に
おいて、メルカプト基は半導体結晶表面への結合を目的
とするものである。
【0013】かかるω−メルカプト脂肪酸アミドアミン
は、アミド基の優れた化学的安定性のため、耐加水分解
性等の耐水性に優れた構造である。これは、ω−メルカ
プト脂肪酸及びジアミン類とのアミド化反応により合成
され、前者は一般式(1)の構造における「HS−(C
2n−CO」部分構造に誘導され、後者は同じく「N
H−R1−NHR2」部分構造に誘導される。かかるアミ
ド化反応は、具体的には、ω−メルカプト脂肪酸又はそ
のエステル(好ましくはメチルエステル又はエチルエス
テル)に対して、過剰当量のジアミン類(好ましくは溶
媒として使用する)を混合して加熱して縮合することで
行う。この場合、精製する水又はアルコールを減圧除去
することで反応の平衡を移動させることが好ましい。ま
た、ω−メルカプト脂肪酸又はそのエステルの代わり
に、ω−メルカプト脂肪酸の酸塩化物等の酸ハロゲン化
物、あるいは酸無水物等を適当な塩基存在下で縮合する
方法も可能である。これらの方法のうち、ω−メルカプ
ト脂肪酸又はそのエステルを過剰当量のジアミン類と減
圧下で縮合する方法が大量合成の点で好ましく、中でも
該エステルを使用する方法は反応速度が大きく比較的低
温で進行する点では最適である。
【0014】一般に、前記一般式(1)で表される構造
中の総炭素数が少ない場合、即ち該式中の自然数nとR
1の炭素数との総和が小さい場合、半導体結晶の発光能
が低下する場合がある。これは、半導体結晶表面が、外
界化学種の接近を受けやすくなるためと推測される。前
記のω−メルカプト脂肪酸アミドアミンを得るアミド化
反応に使用されるω−メルカプト脂肪酸としては、メル
カプト酢酸、3−メルカプトプロパン酸、4−メルカプ
トブタン酸、5−メルカプトペンタン酸、6−メルカプ
トヘキサン酸、7−メルカプトヘプタン酸、8−メルカ
プトオクタン酸、9−メルカプトノナン酸、10−メル
カプトデカン酸、11−メルカプトウンデカン酸、12
−メルカプトドデカン酸、14−メルカプトテトラデカ
ン酸、16−メルカプトヘキサデカン酸、18−メルカ
プトオクタデカン酸等が例示される。これらのうち好ま
しいのは4−メルカプトブタン酸、6−メルカプトヘキ
サン酸、7−メルカプトヘプタン酸、8−メルカプトオ
クタン酸、9−メルカプトノナン酸、10−メルカプト
デカン酸、11−メルカプトウンデカン酸、12−メル
カプトドデカン酸、14−メルカプトテトラデカン酸等
の炭素数4〜14のω−メルカプト脂肪酸であり、更に
好ましいのは6−メルカプトヘキサン酸、7−メルカプ
トヘプタン酸、8−メルカプトオクタン酸、9−メルカ
プトノナン酸、10−メルカプトデカン酸、11−メル
カプトウンデカン酸、12−メルカプトドデカン酸等の
炭素数6〜12のω−メルカプト脂肪酸であり、最も好
ましいのは8−メルカプトオクタン酸、9−メルカプト
ノナン酸、10−メルカプトデカン酸、11−メルカプ
トウンデカン酸等の炭素数8〜11のω−メルカプト脂
肪酸である。
【0015】前記のω−メルカプト脂肪酸アミドアミン
を得るアミド化反応に使用されるジアミン類としては、
1,2−ジアミノエタン、1,3−ジアミノプロパン、
1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、
1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタ
ン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナ
ン、1,10−ジアミノデカン、1,12−ジアミノド
デカン、1,14−ジアミノテトラデカン、1,16−
ジアミノヘキサデカン、1,18−ジアミノオクタデカ
ン等の炭素数2〜18のω,ω’−ジアミノアルカン
類、これら例示のω,ω’−ジアミノアルカン類の任意
の炭素原子が炭素数1〜8のアルキル基を結合し総炭素
数が2〜18である分岐構造を有するジアミノアルカン
類、1,4−ジアミノベンゼン(別称p−フェニレンジ
アミン)、1,3−ジアミノベンゼン(別称m−フェニ
レンジアミン)、ジアミノナフタレン類、ジアミノピリ
ジン類等の芳香族ジアミン類、これら例示の芳香族ジア
ミン類の任意の芳香環の水素原子が炭素数1〜8のアル
キル基で置換され総炭素数が2〜18である置換芳香族
ジアミン類、1,4−ビス(アミノメチル)ベンゼン、
1,3−ビス(アミノメチル)ベンゼン等のアミノ基を
結合しない芳香環を含有するジアミン類、更に、前記に
例示した任意のジアミン類のアミノ基の1つの水素原子
が炭素数6以下のアルキル基(好ましくはメチル基、エ
チル基、n−プロピル基、及びイソプロピル基等の炭素
数3以下のアルキル基)で置換された2級ジアミン類等
が例示される。これらのうち好ましいのは、1,2−ジ
アミノエタン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジ
アミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジ
アミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−
ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10
−ジアミノデカン、1,12−ジアミノドデカン、1,
14−ジアミノテトラデカン等の炭素数2〜14のω,
ω’−ジアミノアルカン類、更に好ましいのは1,3−
ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−
ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7
−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,
9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン等の炭
素数3〜10のω,ω’−ジアミノアルカン類、最も好
ましいのは1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミ
ノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミ
ノヘキサン等の炭素数3〜6のω,ω’−ジアミノアル
カン類である。
【0016】なお、前記例示の任意のω−メルカプト脂
肪酸分子中の、任意のメチレン基が炭素数6以下程度の
アルキル基を分岐として結合した分岐ω−メルカプト脂
肪酸類(例えば2−メルカプトプロパン酸)や、メルカ
プトコハク酸(別称チオリンゴ酸)等のメルカプト基を
有する多価脂肪族カルボン酸類等も、前記例示のω−メ
ルカプト脂肪酸と同様に使用可能である場合がある。
【0017】本発明に好適に用いられる前記の連結有機
残基である前記一般式(1)で表されるω−メルカプト
脂肪酸アミドアミンの残基の特に好適な具体構造とし
て、下記一般式(2)の11−メルカプトウンデカン酸
アミドアミンの残基が例示される。
【0018】
【化5】 HS−(CH210−CONH−(CH2m−NH2 (2) (但し一般式(2)においてmは3〜10の整数であ
り、好ましい整数mの範囲は3〜8、更に好ましくは3
〜6である。) かかる11−メルカプトウンデカン酸アミドアミンの残
基は、実際には、下記一般式(3)で表される末端アミ
ノ基がアルコキシカルボニル基により保護されていても
構わない11−メルカプトウンデカン酸アミドとして半
導体結晶表面に結合されるのが最も好ましい。かかるア
ルコキシカルボニル基は、後に選択的に除去されアミノ
基を再生することが可能である。
【0019】
【化6】 HS−(CH210−CONH−(CH2m−NHL (3) (但し一般式(3)においてmは3〜10の整数であ
り、Lは水素原子又は炭素数10以下のアルコキシカル
ボニル基を表す。) 前記一般式(3)におけるLとして使用される炭素数1
0以下のアルコキシカルボニル基としては、メトキシカ
ルボニル基、ジイソプロピルメチルオキシカルボニル
基、イソブチルオキシカルボニル基、tert−ブチル
オキシカルボニル基(以下、BOC基と略)、ベンジル
オキシカルボニル基(以下、CBZ基と略)等のアルコ
キシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエチルオキ
シカルボニル基、2−ヨードエチルオキシカルボニル
基、1,1−ジメチル−2−クロロエチルオキシカルボ
ニル基等の2−ハロエチルオキシカルボニル基、1,1
−ジメチル−2−シアノエチルオキシカルボニル基、
1,1−ジメチル−2−ニトロエチルオキシカルボニル
基等の電子吸引性基を結合したBOC基、2,4−ジク
ロロベンジルオキシカルボニル基、p−ニトロベンジル
オキシカルボニル基、p−シアノベンジルオキシカルボ
ニル基等の耐酸性を向上しBOC基の脱保護条件での安
定性を向上したCBZ基誘導体、ビニルオキシカルボニ
ル基、アリルオキシカルボニル基等の不飽和結合を有す
るアルコキシカルボニル基等が例示され、これらのう
ち、BOC基や1,1−ジメチル−2−シアノエチルオ
キシカルボニル基等のBOC基誘導体、CBZ基、2,
4−ジクロロベンジルオキシカルボニル基、p−ニトロ
ベンジルオキシカルボニル基、p−シアノベンジルオキ
シカルボニル基等のCBZ基誘導体等が好適に用いら
れ、中でもBOC基とCBZ基が最も好適に用いられ
る。
【0020】前記一般式(3)におけるLとして使用さ
れるアルコキシカルボニル基の除去は、例えばBOC基
の場合、通常酸性条件や加熱により行われ、かかる酸性
条件としては、例えば、トリフルオロ酢酸、メタンスル
ホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p−トルエン
スルホン酸、塩酸等の強酸、あるいは酢酸や蟻酸等の弱
酸を溶液に適量添加する方法、あるいはスルホン酸基や
カルボキシル基を担持した酸性イオン交換樹脂を溶液中
で作用させる方法等により達成可能であるが、酸性度が
強すぎる場合、半導体超微粒子の表面が好ましくない変
化を受けてその吸発光能が低下する場合がある。一方、
保護基がCBZ基の場合、溶液において常法のパラジウ
ム担持炭素(Pd−C)触媒による水素添加反応により
脱保護反応を行う。いずれの場合も、通常−50〜10
0℃程度、好ましくは−30〜70℃程度、更に好まし
くは−10〜50℃程度、最も好ましく−5〜30℃程
度の温度範囲で反応を行う。
【0021】[半導体超微粒子]本発明の半導体超微粒
子は、後述するような半導体結晶を主体とし、その表面
に、アミノ基を前記の連結有機残基を介して結合したも
のである。従って、本発明の半導体超微粒子は、半導体
結晶本体、その表面に結合した前記の連結有機残基、及
びアミノ基の3者を必須構成成分とする。
【0022】本発明に用いられる半導体結晶は、ナノメ
ートル(nm)レベルの超微粒とすることで、量子効果
により生ずる量子準位エネルギーギャップの存在に起因
する電磁波の吸収及び/又は発生(以下、吸発光と呼称
する)現象を示すものであるのが好ましい。応用上特に
有用な吸発光波長範囲は遠紫外〜赤外領域の光であり、
通常150〜10000nm、好ましくは180〜80
00nm、更に好ましくは200〜6000nm、最も
好ましくは220〜4000nm程度の範囲である。前
記の量子準位エネルギーギャップは、現象論的には該半
導体結晶の粒径に依存する。
【0023】該半導体結晶は、半導体単結晶、複数半導
体結晶組成が相分離した混晶、相分離の観察されない混
合半導体結晶のいずれでも構わず、後述するコア−シェ
ル構造をとっていても構わない。かかる半導体結晶の粒
径は、重量平均粒径として通常0.5〜20nm、吸発
光等の電磁気学的特性の点で好ましくは1〜15nm、
更に好ましくは2〜12nm、最も好ましくは2〜10
nmとする。半導体結晶の量子効果による吸発光特性は
かかる粒径により制御され、これは透過型電子顕微鏡
(TEM)による観察で通常決定可能である。半導体結
晶が含有する元素の原子番号が小さく電子線によるコン
トラストが得にくい場合には、半導体超微粒子の原子間
力顕微鏡(AFM)による観察や溶液での光散乱や中性
子散乱測定に、元素分析、熱重量分析(TG)、並びに
NMR等の組成・構造分析結果を組み合わせても見積も
ることができる(例えば、S.A.Majetich
ら;J.Phys.Chem.,98巻,13705頁
(1994)におけるプロトンNMRの利用を参照)。
【0024】該半導体結晶の粒径分布に制限はないが、
半導体結晶の量子効果による吸発光特性を利用する場
合、かかる分布を変えることで必要とする吸発光波長幅
を変化させることができる。なお、かかる波長幅を狭く
する必要がある場合には該粒径分布を狭くするが、通
常、標準偏差として±40%以内、好ましくは±30%
以内、更に好ましくは±20%以内、最も好ましくは±
10%以内とする。この標準偏差の範囲を超えた粒径分
布の場合、量子効果による発光波長幅を狭くする目的を
十分に達成することが困難となる。
【0025】[半導体結晶の組成]本発明における半導
体超微粒子に含まれる半導体結晶組成には特に制限はな
い。具体的な組成例としては、炭素、ケイ素、ゲルマニ
ウム、錫等の周期表第14族元素の単体、リン(黒リ
ン)等の周期表第15族元素の単体、セレン、テルル等
の周期表第16族元素の単体、炭化ケイ素(SiC)等
の複数の周期表第14族元素からなる化合物、酸化錫
(IV)(SnO2)、硫化錫(II,IV)(Sn(II)Sn
(IV)S3)、硫化錫(IV)(SnS2)、硫化錫(II)
(SnS)、セレン化錫(II)(SnSe)、テルル化
錫(II)(SnTe)、硫化鉛(II)(PbS)、セレ
ン化鉛(II)(PbSe)、テルル化鉛(II)(PbT
e)等の周期表第14族元素と周期表第16族元素との
化合物、窒化ホウ素(BN)、リン化ホウ素(BP)、
砒化ホウ素(BAs)、窒化アルミニウム(AlN)、
リン化アルミニウム(AlP)、砒化アルミニウム(A
lAs)、アンチモン化アルミニウム(AlSb)、窒
化ガリウム(GaN)、リン化ガリウム(GaP)、砒
化ガリウム(GaAs)、アンチモン化ガリウム(Ga
Sb)、窒化インジウム(InN)、リン化インジウム
(InP)、砒化インジウム(InAs)、アンチモン
化インジウム(InSb)等の周期表第13族元素と周
期表第15族元素との化合物(あるいはIII−V族化合
物半導体)、硫化アルミニウム(Al23)、セレン化
アルミニウム(Al2Se3)、硫化ガリウム(Ga
23)、セレン化ガリウム(Ga2Se3)、テルル化ガ
リウム(Ga2Te3)、酸化インジウム(In23)、
硫化インジウム(In23)、セレン化インジウム(I
2Se3)、テルル化インジウム(In2Te3)等の周
期表第13族元素と周期表第16族元素との化合物、塩
化タリウム(I)(TlCl)、臭化タリウム(I)
(TlBr)、ヨウ化タリウム(I)(TlI)等の周
期表第13族元素と周期表第17族元素との化合物、酸
化亜鉛(ZnO)、硫化亜鉛(ZnS)、セレン化亜鉛
(ZnSe)、テルル化亜鉛(ZnTe)、酸化カドミ
ウム(CdO)、硫化カドミウム(CdS)、セレン化
カドミウム(CdSe)、テルル化カドミウム(CdT
e)、硫化水銀(HgS)、セレン化水銀(HgS
e)、テルル化水銀(HgTe)等の周期表第12族元
素と周期表第16族元素との化合物(あるいはII−VI族
化合物半導体)、硫化砒素(III)(As23)、セレ
ン化砒素(III)(As2Se3)、テルル化砒素(III)
(As2Te3)、硫化アンチモン(III)(Sb
23)、セレン化アンチモン(III)(Sb2Se3)、
テルル化アンチモン(III)(Sb2Te3)、硫化ビス
マス(III)(Bi23)、セレン化ビスマス(III)
(Bi2Se3)、テルル化ビスマス(III)(Bi2Te
3)等の周期表第15族元素と周期表第16族元素との
化合物、酸化銅(I)(Cu2O)、セレン化銅(I)
(Cu2Se)等の周期表第11族元素と周期表第16
族元素との化合物、塩化銅(I)(CuCl)、臭化銅
(I)(CuBr)、ヨウ化銅(I)(CuI)、塩化
銀(AgCl)、臭化銀(AgBr)等の周期表第11
族元素と周期表第17族元素との化合物、酸化ニッケル
(II)(NiO)等の周期表第10族元素と周期表第1
6族元素との化合物、酸化コバルト(II)(CoO)、
硫化コバルト(II)(CoS)等の周期表第9族元素と
周期表第16族元素との化合物、四酸化三鉄(Fe
34)、硫化鉄(II)(FeS)等の周期表第8族元素
と周期表第16族元素との化合物、酸化マンガン(II)
(MnO)等の周期表第7族元素と周期表第16族元素
との化合物、硫化モリブデン(IV)(MoS2)、酸化
タングステン(IV)(WO2)等の周期表第6族元素と
周期表第16族元素との化合物、酸化バナジウム(II)
(VO)、酸化バナジウム(IV)(VO2)、酸化タン
タル(V)(Ta25)等の周期表第5族元素と周期表
第16族元素との化合物、酸化チタン(TiO2、Ti2
5、Ti23、Ti59等)等の周期表第4族元素と
周期表第16族元素との化合物、硫化マグネシウム(M
gS)、セレン化マグネシウム(MgSe)等の周期表
第2族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化カド
ミウム(II)クロム(III)(CdCr24)、セレン
化カドミウム(II)クロム(III)(CdCr2
4)、硫化銅(II)クロム(III)(CuCr24)、
セレン化水銀(II)クロム(III)(HgCr 2Se4
等のカルコゲンスピネル類、バリウムチタネート(Ba
TiO3)等が挙げられる。なお、G.Schmid
ら;Adv.Mater.,4巻,494頁(199
1)に報告されている(BN)75(BF21515や、
D.Fenskeら;Angew.Chem.Int.
Ed.Engl.,29巻,1452頁(1990)に
報告されているCu146Se73(トリエチルホスフィ
ン)22のように構造の確定されている半導体クラスター
も同様に例示される。
【0026】これらのうち、後述する半導体超微粒子の
製造方法に適した実用的に重要なものを組成式で示す
と、例えばSnS2、SnS、SnSe、SnTe、P
bS、PbSe、PbTe等の周期表第14族元素と周
期表第16族元素との化合物、GaN、GaP、GaA
s、GaSb、InN、InP、InAs、InSb等
のIII−V族化合物半導体、Ga23、Ga23、Ga2
Se3、Ga2Te3、In23、In23、In2
3、In2Te3等の周期表第13族元素と周期表第1
6族元素との化合物、ZnO、ZnS、ZnSe、Zn
Te、CdO、CdS、CdSe、CdTe、HgO、
HgS、HgSe、HgTe等のII−VI族化合物半導
体、As23、As23、As2Se3、As2Te3、S
23、Sb23、Sb2Se3、Sb2Te3、Bi
23、Bi23、Bi2Se3、Bi2Te3等の周期表第
15族元素と周期表第16族元素との化合物、MgS、
MgSe等の周期表第2族元素と周期表第16族元素と
の化合物であり、中でも、GaN、GaP、InN、I
nP、Ga23、Ga23、In23、In23、Zn
O、ZnS、CdO、CdS等は毒性の高い陰性元素を
含まないので耐環境汚染性や生物への安全性の点で好ま
しく、この観点で毒性の指摘される金属元素を含まない
ZnO及びZnSは更に好ましく、ZnSは後述する様
々なドープ物質による発光波長可変性により最も好まし
い。
【0027】本発明に用いられる半導体超微粒子の主体
である半導体結晶は、例えばA.R.Kortanら;
J.Am.Chem.Soc.,112巻,1327頁
(1990)あるいは米国特許5985173号公報
(1999)に報告されているように、その半導体結晶
の吸発光特性を改良する目的で内核(コア)と外殻(シ
ェル)からなるいわゆるコア−シェル構造としても構わ
ない。この場合、コアの半導体結晶構造よりもバンドギ
ャップエネルギーの大きな半導体結晶構造をシェルとし
て起用することにより、該コア結晶の量子効果による理
想的な発光効率を減衰させる表面準位や結晶格子欠陥準
位等を経由する非発光エネルギー損失を防ぐことが可能
な場合がある。かかるシェルに好適用いられる半導体結
晶構造としては、コア半導体結晶のバンドギャップエネ
ルギーにもよるが、バルク状態のバンドギャップが温度
300Kにおいて2.0電子ボルト以上であるもの、例
えば窒化ホウ素(BN)、砒化ホウ素(BAs)、窒化
ガリウム(GaN)やリン化ガリウム(GaP)等の周
期表第13族元素と周期表第15族元素との化合物(II
I−V族化合物半導体)、酸化亜鉛(ZnO)、硫化亜
鉛(ZnS)、セレン化亜鉛(ZnSe)、テルル化亜
鉛(ZnTe)、酸化カドミウム(CdO)、硫化カド
ミウム(CdS)等の周期表第12族元素と周期表第1
6族元素との化合物(II−VI族化合物半導体)、硫化マ
グネシウム(MgS)、セレン化マグネシウム(MgS
e)等の周期表第2族元素と周期表第16族元素との化
合物等が好適に用いられる。これらのうちより好ましい
シェルとなる半導体結晶組成は、BN、BAs、GaN
等のIII−V族化合物半導体、ZnO、ZnS、ZnS
e、CdSII−VI族化合物半導体、MgS、MgSe等
の周期表第2族元素と周期表第16族元素との化合物等
のバルク状態のバンドギャップが温度300Kにおいて
2.3電子ボルト以上のものであり、最も好ましいのは
BN、BAs、GaN、ZnO、ZnS、ZnSe、M
gS、MgSe等のバルク状態のバンドギャップが温度
300Kにおいて2.5電子ボルト以上のものである。
【0028】前記で例示した任意の半導体結晶組成に
は、必要に応じて微量のドープ物質(故意に添加する不
純物の意味)として例えばAl、Mn、Cu、Zn、A
g、Cl、Ce、Eu、Tb、Er、Tm等の元素を加
えても構わない。かかるドープ物質の添加により半導体
結晶の発光強度や発光波長等の特性が実用上好ましく改
善される場合があり、特にZnSに対してMnやCu等
の遷移金属元素、TbやEu等のランタノイド元素をド
ープした半導体結晶組成は、可視領域での発光能の点で
前記のコア結晶組成として非常に好ましい。
【0029】[ポリアルキレングリコール残基]本発明
の半導体超微粒子は、末端にアミノ基を結合した前記の
連結有機残基以外の有機成分として、ポリアルキレング
リコール残基を結合せしめると、水溶性並びに基質特異
的親和性の向上の点で優れた性質を発揮する場合があ
る。ここで言うポリアルキレングリコール残基とは、下
記一般式(4)で表される重合体である。
【0030】
【化7】−(R1O)p−R2 (4) (但し一般式(4)において、R1は炭素数2〜6のア
ルキレン基を、R2は水素原子、炭素数1〜7のアルキ
ル基、及び炭素数10以下のアリール基からなる群から
任意に選択される構造を、pは50以下の自然数をそれ
ぞれ表す。) 一般式(4)におけるR1の具体例としては、エチレン
基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレ
ン基、イソブチレン基、n−ペンチレン基、シクロペン
チレン基、n−ヘキシレン基、シクロヘキシレン基等が
挙げられ、水溶性の点で好ましくはエチレン基、n−プ
ロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基等の炭
素数2〜4のアルキレン基が、更に好ましくはエチレン
基、n−プロピレン基、イソプロピレン基等の炭素数2
又は3のアルキレン基が、最も好ましくはエチレン基が
使用される。一般式(4)において、1残基中に複数種
のR1が混在していても構わず、この場合の共重合順序
(シークエンス)にも制限はない。
【0031】一般式(4)におけるR2に使用されるア
ルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−
プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチ
ル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、シクロペ
ンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、ベンジ
ル基等が挙げられ、水溶性の点で好ましくはメチル基、
エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等の炭素数
3以下のアルキル基が、更に好ましくはメチル基又はエ
チル基が、最も好ましくはメチル基が使用される。該R
2に使用されるアリール基の具体例としては、フェニル
基、トルイル基(モノメチルフェニル基)、ジメチルフ
ェニル基、エチルフェニル基、イソプロピルフェニル
基、4−tert−ブチルフェニル基、ピリジル基、モ
ノメチルピリジル基、ジメチルピリジル基等が挙げら
れ、水溶性の点で好ましくはフェニル基あるいはピリジ
ル基が使用される。水溶性の点で水素原子もR2として
好適に使用されるが、この場合末端の水酸基を形成し水
素結合におけるプロトン供与体となるので、ペプチド、
タンパク質、DNAやRNA等の核酸類、あるいは糖質
等の水素結合形成性の生体物質等との非特異的吸着が増
大する場合があり、本発明の半導体超微粒子の基質特異
的親和性が低下する場合がある。
【0032】一般式(4)における自然数pは、好まし
くは40以下、より好ましくは30以下、更に好ましく
は20以下、最も好ましくは10以下である。一般式
(4)の特に好ましい構造として、トリエチレングリコ
ール残基(R1がエチレン基、p=3)が挙げられ、更
に好ましいのはR2がメチル基又はエチル基であるトリ
エチレングリコールモノアルキルエーテル残基であり、
最も好ましいのはR2がメチル基であるトリエチレング
リコールモノメチルエーテル残基(以下MTEG残基と
略記)である。
【0033】かかるポリアルキレングリコール残基が半
導体結晶表面に結合する様式に制限はなく、前記の連結
有機残基が半導体結晶に結合する様式に関する記述がそ
のまま適用される。即ち、例えばポリアルキレングリコ
ール残基の片方の末端に半導体結晶の含有元素に対する
配位能力を有する前記例示の官能基を結合することによ
って行われる。これらの官能基のうち好適に用いられる
のはメルカプト基とホスフィンオキシド基であり、特に
メルカプト基は最適である。
【0034】本発明の半導体超微粒子は、複数種のポリ
アルキレングリコール残基を結合していても構わない。
本発明においてポリアルキレングリコール残基は、ω−
メルカプト脂肪酸残基を介して特に好ましく半導体結晶
表面に結合される。ここで言うω−メルカプト脂肪酸の
概念と具体例は、前記のω−メルカプト脂肪酸アミドア
ミンを得るアミド化反応に使用されるものの場合と同一
である。
【0035】ポリアルキレングリコール残基とω−メル
カプト脂肪酸残基との結合様式には制限はないが、通
常、エステル結合、アミド結合、あるいは炭素−炭素単
結合のいずれかとする。即ち、エステル結合とする場
合、前記一般式(4)における左端R1の炭素原子とω
−メルカプト脂肪酸残基におけるカルボニル基の炭素原
子とが例えば1つの酸素原子を介して結合する様式が、
あるいはアミド結合とする場合は同様に1つの窒素原子
を介して結合する様式等が例示される。かかるアミド結
合には1級アミドと2級アミドの両者が可能である。
【0036】配位子として好ましく使用されるポリアル
キレングリコール残基とω−メルカプト脂肪酸残基とが
結合した分子構造としては、ω−メルカプト脂肪酸のト
リエチレングリコールエステル類が例示される。特に好
ましい具体的化合物としては、下記式(5)の11−メ
ルカプトウンデカン酸MTEGエステルが例示される。
【0037】
【化8】 HS(CH210COO(CH2O)3CH3 (5) ω−メルカプト脂肪酸のエステル類は、例えば、3−メ
ルカプトプロパン酸や11−メルカプトウンデカン酸等
のω−メルカプト脂肪酸と過剰当量のポリアルキレング
リコールとを硫酸やp−トルエンスルホン酸等の酸触媒
存在下脱水エステル化させる方法(必要に応じ加熱や減
圧脱水を施し平衡反応を加速する)、該ω−メルカプト
脂肪酸のメチルエステルやエチルエステル等の低級アル
キルエステルと過剰当量のポリアルキレングリコールと
を硫酸やp−トルエンスルホン酸等の強酸やルイス酸等
の触媒存在下エステル交換反応させる方法(必要に応じ
加熱や減圧を施し平衡反応を加速する)、該ω−メルカ
プト脂肪酸を相当する酸塩化物や酸無水物等の活性種に
変換し次いで塩基存在下ポリアルキレングリコールと縮
合反応させる方法等により合成される。
【0038】本発明の半導体超微粒子におけるポリアル
キレングリコール残基の含有量は、通常、全有機成分に
おける重量百分率として0〜99%、半導体超微粒子の
基質特異的親和性や水溶性の制御の点で好ましくは3〜
90%、更に好ましくは5〜80%、最も好ましくは1
0〜70%とする。かかる重量百分率は、半導体超微粒
子の元素分析、熱重量分析(TG)、あるいは核磁気共
鳴スペクトル(NMR)や赤外吸収スペクトル(IR)
等のスペクトル測定を組み合わせて決定される。
【0039】[補助的配位子]本発明の半導体結晶超微
粒子は、凝集等の好ましくない作用を抑制して安定化さ
せる目的で、前記の末端にアミノ基を結合した連結有機
残基やポリアルキレングリコール残基以外の構造を、補
助的配位子としてその表面に有していても構わない。か
かる補助的配位子を以下例示する。 (a)硫黄含有化合物・・・メルカプトエタン、1−メ
ルカプト−n−プロパン、1−メルカプト−n−ブタ
ン、1−メルカプト−n−ヘキサン、メルカプトシクロ
ヘキサン、1−メルカプト−n−オクタン、1−メルカ
プト−n−デカン等のメルカプトアルカン類、3−メル
カプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト基を
有するアルコキシシラン類、チオフェノール、4−メチ
ルチオフェノール、4−tert−ブチルチオフェノー
ル等のチオフェノール誘導体、ジメチルスルフィド、ジ
エチルスルフィド、ジブチルスルフィド、ジヘキシルス
ルフィド、ジオクチルスルフィド、ジデシルスルフィド
等のジアルキルスルフィド類、ジメチルスルホキシド、
ジエチルスルホキシド、ジブチルスルホキシド、ジヘキ
シルスルホキシド、ジオクチルスルホキシド、ジデシル
スルホキシド等のジアルキルスルホキシド類、ジメチル
ジスルフィド、ジエチルジスルフィド、ジブチルジスル
フィド、ジヘキシルジスルフィド、ジオクチルジスルフ
ィド、ジデシルジスルフィド等のジアルキルジスルフィ
ド類、チオ尿素、チオアセタミド等のチオカルボニル基
を有する化合物、チオフェン等の硫黄含有芳香族化合物
等。 (b)リン含有化合物・・・トリエチルホスフィン、ト
リブチルホスフィン、トリヘキシルホスフィン、トリオ
クチルホスフィン、トリデシルホスフィン等のトリアル
キルホスフィン類、トリエチルホスフィンオキシド、ト
リブチルホスフィンオキシド、トリヘキシルホスフィン
オキシド、トリオクチルホスフィンオキシド、トリデシ
ルホスフィンオキシド等のトリアルキルホスフィンオキ
シド類、トリフェニルホスフィンやトリフェニルホスフ
ィンオキシド等の芳香族ホスフィンあるいは芳香族ホス
フィンオキシド類等。 (c)窒素含有化合物・・・ピリジンやキノリン等の窒
素含有芳香族化合物、トリメチルアミン、トリエチルア
ミン、トリブチルアミン、トリヘキシルアミン、トリオ
クチルアミン、トリデシルアミン、トリフェニルアミ
ン、メチルジフェニルアミン、ジエチルフェニルアミ
ン、トリベンジルアミン等の3級アミン類、ジエチルア
ミン、ジブチルアミン、ジヘキシルアミン、ジオクチル
アミン、ジデシルアミン、ジフェニルアミン、ジベンジ
ルアミン等の2級アミン類、ヘキシルアミン、オクチル
アミン、デシルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシル
アミン、オクタデシルアミン、フェニルアミン、ベンジ
ルアミン等の1級アミン類、3−アミノプロピルトリエ
トキシシラン等のアミノ基を有するアルコキシシラン
類、ニトリロ三酢酸トリエチルエステル等のアミノ基を
有するカルボン酸エステル類等。
【0040】これら例示した補助的配位子のうち好まし
いのは、メルカプトエタン、1−メルカプト−n−プロ
パン、1−メルカプト−n−ブタン、1−メルカプト−
n−ヘキサン、メルカプトシクロヘキサン等の炭素数6
以下のメルカプトアルカン類、チオフェノール、4−メ
チルチオフェノール、4−tert−ブチルチオフェノ
ール等のチオフェノール誘導体、ジメチルスルフィド、
ジエチルスルフィド、ジブチルスルフィド等の総炭素数
8以下のジアルキルスルフィド類、ジメチルスルホキシ
ド、ジエチルスルホキシド、ジブチルスルホキシド等の
総炭素数8以下のジアルキルスルホキシド類等の硫黄含
有化合物、トリブチルホスフィン、トリヘキシルホスフ
ィン、トリオクチルホスフィン等の総炭素数24以下の
トリアルキルホスフィン類、トリエチルホスフィンオキ
シド、トリブチルホスフィンオキシド、トリヘキシルホ
スフィンオキシド、トリオクチルホスフィンオキシド等
の総炭素数24以下のトリアルキルホスフィンオキシド
類、トリフェニルホスフィンやトリフェニルホスフィン
オキシド等の芳香族ホスフィンあるいは芳香族ホスフィ
ンオキシド類等のリン含有化合物、及びピリジン等の窒
素含有芳香族化合物であり、中でもメルカプトエタン、
1−メルカプト−n−ブタン等の炭素数4以下のメルカ
プトアルカン類、チオフェノール、4−メチルチオフェ
ノール、4−tert−ブチルチオフェノール等のチオ
フェノール誘導体、ジメチルスルフィド、ジエチルスル
フィド、ジブチルスルフィド等の総炭素数8以下のジア
ルキルスルフィド類、ジメチルスルホキシド、ジエチル
スルホキシド、ジブチルスルホキシド等の総炭素数8以
下のジアルキルスルホキシド類等の硫黄含有化合物、ト
リブチルホスフィン、トリヘキシルホスフィン等の総炭
素数18以下のトリアルキルホスフィン類、トリエチル
ホスフィンオキシド、トリブチルホスフィンオキシド、
トリヘキシルホスフィンオキシド等の総炭素数18以下
のトリアルキルホスフィンオキシド類、トリフェニルホ
スフィンやトリフェニルホスフィンオキシド等の芳香族
ホスフィンあるいは芳香族ホスフィンオキシド類等のリ
ン含有化合物が更に好適である。
【0041】[半導体結晶の製造方法]従来行われてい
る下記の半導体結晶の製造方法等、任意の方法を使用し
て構わない。 (a)分子ビームエピタキシー法あるいはCVD法等の
高真空プロセス。この方法により組成が高度に制御され
た高純度の半導体超微粒子が得られるが、ホスフィンや
アルシン等の有毒気体を原料とする場合があり、且つ高
価な製造装置を要するので生産性の点で産業上の利用に
制限がある。 (b)原料水溶液を非極性有機溶媒(例えばn−ヘプタ
ン、n−オクタン、イソオクタン等のアルカン類、ベン
ゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等)中の
逆ミセルとして存在させ該逆ミセル相中にて結晶成長さ
せる方法(以下、逆ミセル法と呼ぶ)であり、例えば
B.S.Zouら;Int.J.Quant.Che
m.,72巻,439(1999)に報告されている方
法である。汎用的な反応釜において公知の逆ミセル安定
化技術が利用でき、しかも水の沸点を超えない比較的低
温で行われるため工業生産に適した方法である。逆ミセ
ル法で合成された半導体結晶は、逆ミセルを構成する溶
媒を留去する方法、あるいはメルカプト基やホスフィン
オキシド基等の強配位性官能基を有する有機物(例えば
チオフェノールやn−オクタンチオール等のメルカプト
基を含有する化合物、トリブチルホスフィンオキシドや
トリオクチルホスフィンオキシド等のホスフィンオキシ
ド類等)を逆ミセルに添加して該半導体結晶表面に配位
せしめこれを沈殿させる方法等、任意の方法で単離精製
可能である。 (c)熱分解性原料を高温の液相有機媒体に注入して結
晶成長させる方法(以下、ホットソープ法と呼ぶ)であ
り、例えばX.Pengら;J.Am.Chem.So
c.,119巻,7019頁(1997)、あるいは
M.A.Hinesら;J.Phys.Chem.B,
102巻,3655頁(1998)に報告されている方
法である。逆ミセル法に比べて粒径分布と純度に優れた
半導体結晶が得られ、生成物は有機溶剤に通常可溶であ
る特徴がある。ホットソープ法における液相での結晶成
長の過程の反応速度を望ましく制御する目的で、半導体
構成元素に適切な配位力のある配位性有機化合物が液相
成分として選択される。かかる配位性有機化合物の例と
しては、トリブチルホスフィン、トリヘキシルホスフィ
ン、トリオクチルホスフィン等のトリアルキルホスフィ
ン類、トリブチルホスフィンオキシド、トリヘキシルホ
スフィンオキシド、トリオクチルホスフィンオキシド、
トリデシルホスフィンオキシド等のトリアルキルホスフ
ィンオキシド類、オクチルアミン、デシルアミン、ドデ
シルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミ
ン、オクタデシルアミン等のω−アミノアルカン類、ジ
メチルスルホキシドやジブチルスルホキシド等のジアル
キルスルホキシド類等が挙げられる。これらのうち、ト
リブチルホスフィンオキシドやトリオクチルホスフィン
オキシド等のトリアルキルホスフィンオキシド類やドデ
シルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン
等の炭素数12以上のω−アミノアルカン類等が好適で
あり、中でもトリオクチルホスフィンオキシド等のトリ
アルキルホスフィンオキシド類、及びヘキサデシルアミ
ン等の炭素数16以上のω−アミノアルカン類は最適で
ある。 (d)前記のホットソープ法と類似の半導体結晶成長を
伴う溶液反応であるが、酸塩基反応を駆動力として比較
的低い温度で行う方法が古くから知られている(例えば
P.A.Jackson;J.Cryst.Growt
h,3−4巻,395頁(1968)等)。最近では
D.Diazら;J.Phys.Chem.B,103
巻,9854頁(1999)には、カドミウム(II)の
カルボン酸塩と硫化ナトリウムとを原料としジメチルス
ルホキシド(DMSO)を溶媒とした硫化カドミウム
(CdS)ナノ結晶の合成が例示される。また、無機蛍
光体産業において「共沈法」として古くから行われてい
る水溶液あるいは含水溶液中で半導体結晶を析出せしめ
る方法もこの範疇に該当する。
【0042】前記(b)〜(d)に例示した好ましい液
相製造方法において、一定容量の反応器中に一定量の原
料を仕込む回分(バッチ)法、あるいは管状反応器中に
液相を所定の速度で流して一定の反応滞留時間を確保し
ながら連続的に原料を供給する流通法のいずれにも適用
可能である。反応系は、乾燥アルゴン等の乾燥希ガスや
乾燥窒素等の不活性気体雰囲気下とするのが、大気の混
入による熱酸化や加水分解を防ぐ目的で好ましい。いず
れの場合も、生成する超微粒子の粒径は、例えば少量の
反応液を適宜抜き出して吸収スペクトルや発光スペクト
ルを測定することで監視することが可能である。
【0043】かかる液相製造方法に使用可能な半導体原
料物質としては、周期表第2〜15族から選ばれる陽性
元素を含有する物質と、周期表第15〜17族から選ば
れる陰性元素を含有する物質が挙げられる。なお周期表
第15族元素は、例えば理化学辞典(第4版、岩波書
店、1987年)に記載の硫化ビスマスやテルル化ビス
マスのように3価の陽性元素としても半導体を構成する
ことが知られている。
【0044】半導体原料物質が複数種ある場合、これら
をあらかじめ混合しておいても良く、あるいはこれらを
それぞれ単独で反応液相に注入しても良い。これら原料
は、適当な希釈溶媒を用いて溶液にして使用しても構わ
ない。半導体原料物質となる陽性元素含有物質の例とし
ては、マグネシウム、チタン、バナジウム、タンタル、
クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、コ
バルト、ニッケル、銅、亜鉛、カドミウム、水銀、ホウ
素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、錫、鉛、ア
ンチモン、ビスマス等の単体、ジエチルマグネシウムや
ジ−n−ブチルマグネシウム等の周期表第2族元素のジ
アルキル化物、塩化メチルマグネシウム、臭化メチルマ
グネシウム、ヨウ化メチルマグネシウム、塩化エチニル
マグネシウム等の周期表第2族元素のアルキルハロゲン
化物、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マ
グネシウム、塩化カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化
カルシウム等の周期表第2族元素のジハロゲン化物、硝
酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、過塩素酸マグネシ
ウム、マグネシウムテトラフルオロボレート[Mg(B
42]、マグネシウムヘキサフルオロホスフェート
[Mg(PF62]、硝酸カルシウム、酢酸カルシウ
ム、過塩素酸カルシウム、カルシウムテトラフルオロボ
レート[Ca(BF42]、カルシウムヘキサフルオロ
ホスフェート[Ca(PF62]等の周期表第2族元素
の塩類、四塩化チタン(IV)、四臭化チタン(IV)、四
ヨウ化チタン(IV)等の周期表第4族元素のハロゲン化
物、二塩化バナジウム(II)、四塩化バナジウム(I
V)、二臭化バナジウム(II)、四臭化バナジウム(I
V)、二ヨウ化バナジウム(II)、四ヨウ化バナジウム
(IV)、五塩化タンタル(V)、五臭化タンタル
(V)、五ヨウ化タンタル(V)等の周期表第5族元素
のハロゲン化物、三臭化クロム(III)、三ヨウ化クロ
ム(III)、四塩化モリブデン(IV)、四臭化モリブデ
ン(IV)、四ヨウ化モリブデン(IV)、四塩化タングス
テン(IV)、四臭化タングステン(IV)等の周期表第6
族元素のハロゲン化物、二塩化マンガン(II)、二臭化
マンガン(II)、二ヨウ化マンガン(II)等の周期表第
7族元素のハロゲン化物、二塩化鉄(II)、三塩化鉄
(III)、二臭化鉄(II)、三臭化鉄(III)、二ヨウ化
鉄(II)、三ヨウ化鉄(III)等の周期表第8族元素の
ハロゲン化物、二塩化コバルト(II)、二臭化コバルト
(II)、二ヨウ化コバルト(II)等の周期表第9族元素
のハロゲン化物、二塩化ニッケル(II)、二臭化ニッケ
ル(II)、二ヨウ化ニッケル(II)等の周期表第10族
元素のハロゲン化物、ヨウ化銅(I)等の周期表第11
族元素のハロゲン化物、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、
ジ−n−プロピル亜鉛、ジイソプロピル亜鉛、ジ−n−
ブチル亜鉛、ジイソブチル亜鉛、ジ−n−ヘキシル亜
鉛、ジシクロヘキシル亜鉛、ジメチルカドミウム、ジエ
チルカドミウム、ジメチル水銀(II)、ジエチル水銀
(II)、ジベンジル水銀(II)等の周期表第12族元素
のジアルキル化物、塩化メチル亜鉛、臭化メチル亜鉛、
ヨウ化メチル亜鉛、ヨウ化エチル亜鉛、塩化メチルカド
ミウム、塩化メチル水銀(II)等の周期表第12族元素
のアルキルハロゲン化物、二塩化亜鉛、二臭化亜鉛、二
ヨウ化亜鉛、二塩化カドミウム、二臭化カドミウム、二
ヨウ化カドミウム、二塩化水銀(II)、塩化ヨウ化亜
鉛、塩化ヨウ化カドミウム、塩化ヨウ化水銀(II)、臭
化ヨウ化亜鉛、臭化ヨウ化カドミウム、臭化ヨウ化水銀
(II)等の周期表第12族元素のジハロゲン化物、硝酸
亜鉛、酢酸亜鉛、過塩素酸亜鉛、亜鉛テトラフルオロボ
レート[Zn(BF42]、亜鉛ヘキサフルオロホスフ
ェート[Zn(PF62]、硝酸カドミウム、酢酸カド
ミウム、過塩素酸カドミウム、カドミウムテトラフルオ
ロボレート[Cd(BF42]、カドミウムヘキサフル
オロホスフェート[Cd(PF62]、硝酸水銀(I
I)、酢酸水銀(II)、過塩素酸水銀(II)、水銀(I
I)テトラフルオロボレート[Hg(BF42]、水銀
(II)ヘキサフルオロホスフェート[Hg(PF62
等の周期表第12族元素の塩類、トリメチルホウ素、ト
リ−n−プロピルホウ素、トリイソプロピルホウ素、ト
リメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ
−n−ブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミ
ニウム、トリオクチルアルミニウム、トリ−n−ブチル
ガリウム(III)、トリメチルインジウム(III)、トリ
エチルインジウム(III)、トリ−n−ブチルインジウ
ム(III)等の周期表第13族元素のトリアルキル化
物、塩化ジメチルアルミニウム、塩化ジエチルアルミニ
ウム、塩化ジ−n−ブチルアルミニウム、臭化ジエチル
アルミニウム、ヨウ化ジエチルアルミニウム、塩化ジ−
n−ブチルガリウム(III)、塩化ジ−n−ブチルイン
ジウム(III)等の周期表第13族元素のジアルキルモ
ノハロゲン化物、二塩化メチルアルミニウム、二塩化エ
チルアルミニウム、二臭化エチルアルミニウム、二ヨウ
化エチルアルミニウム、二塩化n−ブチルアルミニウ
ム、二塩化n−ブチルガリウム(III)、二塩化n−ブ
チルインジウム(III)等の周期表第13族元素のモノ
アルキルジハロゲン化物、三塩化ホウ素、三臭化ホウ
素、三ヨウ化ホウ素、三塩化アルミニウム、三臭化アル
ミニウム、三ヨウ化アルミニウム、三塩化ガリウム(II
I)、三臭化ガリウム(III)、三ヨウ化ガリウム(II
I)、三塩化インジウム(III)、三臭化インジウム(II
I)、三ヨウ化インジウム(III)、二塩化臭化ガリウム
(III)、二塩化ヨウ化ガリウム(III)、塩化二ヨウ化
ガリウム(III)、二塩化ヨウ化インジウム(III)等の
周期表第13族元素のトリハロゲン化物、硝酸アルミニ
ウム、酢酸アルミニウム、過塩素酸アルミニウム、アル
ミニウムテトラフルオロボレート[Al(BF42]、
アルミニウムヘキサフルオロホスフェート[Al(PF
62]硝酸ガリウム(III)、酢酸ガリウム(III)、過
塩素酸ガリウム(III)、ガリウム(III)テトラフルオ
ロボレート[Ga(BF42]、ガリウム(III)ヘキ
サフルオロホスフェート[Ga(PF62]、硝酸イン
ジウム(III)、酢酸インジウム(III)、過塩素酸イン
ジウム(III)、インジウム(III)テトラフルオロボレ
ート[In(BF42]、インジウム(III)ヘキサフ
ルオロホスフェート[In(PF62]等の周期表第1
3族元素の塩類、四塩化ゲルマニウム(IV)、四臭化ゲ
ルマニウム(IV)、四ヨウ化ゲルマニウム(IV)、二塩
化錫(II)、四塩化錫(IV)、二臭化錫(II)、四臭化
錫(IV)、二ヨウ化錫(II)、四臭化錫(IV)、二塩化
二ヨウ化錫(IV)、四ヨウ化錫(IV)、二塩化鉛(I
I)、二臭化鉛(II)、二ヨウ化鉛(II)等の周期表第
14族元素のハロゲン化物、トリメチルアンチモン(II
I)、トリエチルアンチモン(III)、トリ−n−ブチル
アンチモン(III)、トリメチルビスマス(III)、トリ
エチルビスマス(III)、トリ−n−ブチルビスマス(I
II)等の周期表第15族元素のトリアルキル化物、二塩
化メチルアンチモン(III)、二臭化メチルアンチモン
(III)、二ヨウ化メチルアンチモン(III)、二ヨウ化
エチルアンチモン(III)、二塩化メチルビスマス(II
I)、二ヨウ化エチルビスマス(III)等の周期表第15
族元素のモノアルキルジハロゲン化物、三塩化砒素(II
I)、三臭化砒素(III)、三ヨウ化砒素(III)、三塩
化アンチモン(III)、三臭化アンチモン(III)、三ヨ
ウ化アンチモン(III)、三塩化ビスマス(III)、三臭
化ビスマス(III)、三ヨウ化ビスマス(III)等の周期
表第15族元素のトリハロゲン化物等が挙げられる。
【0045】これらのうち、特に前記のホットソープ法
の陽性元素含有原料に好適なのは、ジエチルマグネシウ
ムやジ−n−ブチルマグネシウム等の周期表第2族元素
のジアルキル化物、塩化メチルマグネシウム、臭化メチ
ルマグネシウム、ヨウ化メチルマグネシウム等の周期表
第2族元素のアルキルハロゲン化物、ジメチル亜鉛、ジ
エチル亜鉛、ジ−n−プロピル亜鉛、ジイソプロピル亜
鉛、ジ−n−ブチル亜鉛、ジイソブチル亜鉛、ジ−n−
ヘキシル亜鉛、ジメチルカドミウム、ジエチルカドミウ
ム等の周期表第12族元素のジアルキル化物、塩化メチ
ル亜鉛、臭化メチル亜鉛、ヨウ化メチル亜鉛、ヨウ化エ
チル亜鉛、塩化メチルカドミウム等の周期表第12族元
素のアルキルハロゲン化物、三ヨウ化アルミニウム、三
塩化ガリウム(III)、三臭化ガリウム(III)、三ヨウ
化ガリウム(III)、三塩化インジウム(III)、三臭化
インジウム(III)、三ヨウ化インジウム(III)等の周
期表第13族元素のトリハロゲン化物等であり、中でも
ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジ−n−プロピル亜鉛、
ジイソプロピル亜鉛、ジ−n−ブチル亜鉛、ジメチルカ
ドミウム、ジエチルカドミウム等の周期表第12族元素
のジアルキル化物、三塩化ガリウム(III)、三塩化イ
ンジウム(III)等の周期表第13族元素のトリハロゲ
ン化物等が最適である。
【0046】一方、前記の逆ミセル法の陽性元素含有原
料に好適なのは、塩化マグネシウム、臭化マグネシウ
ム、ヨウ化マグネシウム、塩化カルシウム、臭化カルシ
ウム、ヨウ化カルシウム等の周期表第2族元素のジハロ
ゲン化物、硝酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、過塩
素酸マグネシウム、マグネシウムテトラフルオロボレー
ト[Mg(BF42]、マグネシウムヘキサフルオロホ
スフェート[Mg(PF 62]、硝酸カルシウム、酢酸
カルシウム、過塩素酸カルシウム、カルシウムテトラフ
ルオロボレート[Ca(BF42]、カルシウムヘキサ
フルオロホスフェート[Ca(PF62]等の周期表第
2族元素の塩類、二塩化亜鉛、二臭化亜鉛、二ヨウ化亜
鉛、二塩化カドミウム、二臭化カドミウム、二ヨウ化カ
ドミウム、二塩化水銀(II)、塩化ヨウ化亜鉛、塩化ヨ
ウ化カドミウム、塩化ヨウ化水銀(II)、臭化ヨウ化亜
鉛、臭化ヨウ化カドミウム、臭化ヨウ化水銀(II)等の
周期表第12族元素のジハロゲン化物、硝酸亜鉛、酢酸
亜鉛、過塩素酸亜鉛、亜鉛テトラフルオロボレート[Z
n(BF42]、亜鉛ヘキサフルオロホスフェート[Z
n(PF62]、硝酸カドミウム、酢酸カドミウム、過
塩素酸カドミウム、カドミウムテトラフルオロボレート
[Cd(BF42]、カドミウムヘキサフルオロホスフ
ェート[Cd(PF62]、硝酸水銀(II)、酢酸水銀
(II)、過塩素酸水銀(II)、水銀(II)テトラフルオ
ロボレート[Hg(BF42]、水銀(II)ヘキサフル
オロホスフェート[Hg(PF62]等の周期表第12
族元素の塩類、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素、三ヨウ化
ホウ素、三塩化アルミニウム、三臭化アルミニウム、三
ヨウ化アルミニウム、三塩化ガリウム(III)、三臭化
ガリウム(III)、三ヨウ化ガリウム(III)、三塩化イ
ンジウム(III)、三臭化インジウム(III)、三ヨウ化
インジウム(III)、二塩化臭化ガリウム(III)、二塩
化ヨウ化ガリウム(III)、塩化二ヨウ化ガリウム(II
I)、二塩化ヨウ化インジウム(III)等の周期表第13
族元素のトリハロゲン化物、硝酸アルミニウム、酢酸ア
ルミニウム、過塩素酸アルミニウム、アルミニウムテト
ラフルオロボレート[Al(BF42]、アルミニウム
ヘキサフルオロホスフェート[Al(PF62]硝酸ガ
リウム(III)、酢酸ガリウム(III)、過塩素酸ガリウ
ム(III)、ガリウム(III)テトラフルオロボレート
[Ga(BF42]、ガリウム(III)ヘキサフルオロ
ホスフェート[Ga(PF62]、硝酸インジウム(II
I)、酢酸インジウム(III)、過塩素酸インジウム(II
I)、インジウム(III)テトラフルオロボレート[In
(BF42]、インジウム(III)ヘキサフルオロホス
フェート[In(PF62]等の周期表第13族元素の
塩類等であり、中でも塩化マグネシウム、臭化マグネシ
ウム、塩化カルシウム、臭化カルシウム等の周期表第2
族元素のジハロゲン化物、硝酸マグネシウム、酢酸マグ
ネシウム、マグネシウムテトラフルオロボレート[Mg
(BF42]、硝酸カルシウム、酢酸カルシウム、カル
シウムテトラフルオロボレート[Ca(BF42]等の
周期表第2族元素の塩類、二塩化亜鉛、二臭化亜鉛、二
塩化カドミウム、二臭化カドミウム、二塩化水銀(II)
等の周期表第12族元素のジハロゲン化物、硝酸亜鉛、
酢酸亜鉛、過塩素酸亜鉛、亜鉛テトラフルオロボレート
[Zn(BF42]、硝酸カドミウム、酢酸カドミウ
ム、過塩素酸カドミウム、カドミウムテトラフルオロボ
レート[Cd(BF42]、硝酸水銀(II)、酢酸水銀
(II)、過塩素酸水銀(II)、水銀(II)テトラフルオ
ロボレート[Hg(BF42]等の周期表第12族元素
の塩類、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素、三塩化アルミニ
ウム、三臭化アルミニウム、三塩化ガリウム(III)、
三臭化ガリウム(III)、三塩化インジウム(III)、三
臭化インジウム(III)等の周期表第13族元素のトリ
ハロゲン化物、硝酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、
アルミニウムテトラフルオロボレート[Al(B
42]、硝酸ガリウム(III)、酢酸ガリウム(II
I)、過塩素酸ガリウム(III)、ガリウム(III)テト
ラフルオロボレート[Ga(BF42]、硝酸インジウ
ム(III)、酢酸インジウム(III)、過塩素酸インジウ
ム(III)、インジウム(III)テトラフルオロボレート
[In(BF42]等の周期表第13族元素の塩類は更
に好適であり、塩化マグネシウム、塩化カルシウム等の
周期表第2族元素のジハロゲン化物、硝酸マグネシウ
ム、酢酸マグネシウム、硝酸カルシウム、酢酸カルシウ
ム等の周期表第2族元素の塩類、二塩化亜鉛、二塩化カ
ドミウム、二塩化水銀(II)等の周期表第12族元素の
ジハロゲン化物、硝酸亜鉛、酢酸亜鉛、亜鉛テトラフル
オロボレート[Zn(BF42]、硝酸カドミウム、酢
酸カドミウム、カドミウムテトラフルオロボレート[C
d(BF 42]、硝酸水銀(II)等の周期表第12族元
素の塩類、三塩化ホウ素、三塩化アルミニウム、三塩化
ガリウム(III)、三塩化インジウム(III)等の周期表
第13族元素のトリハロゲン化物、硝酸アルミニウム、
酢酸アルミニウム、硝酸ガリウム(III)、酢酸ガリウ
ム(III)、ガリウム(III)テトラフルオロボレート
[Ga(BF42]、硝酸インジウム(III)、酢酸イ
ンジウム(III)、インジウム(III)テトラフルオロボ
レート[In(BF42]等の周期表第13族元素の塩
類は最も好適である。
【0047】なお、四塩化ゲルマニウム(IV)、四臭化
ゲルマニウム(IV)、四ヨウ化ゲルマニウム(IV)、二
塩化錫(II)、四塩化錫(IV)、二臭化錫(II)、四臭
化錫(IV)、二ヨウ化錫(II)、四臭化錫(IV)、二塩
化二ヨウ化錫(IV)、四ヨウ化錫(IV)、二塩化鉛(I
I)、二臭化鉛(II)、二ヨウ化鉛(II)等の周期表第
14族元素のハロゲン化物は、単独でゲルマニウムや錫
等の周期表第14族元素の単体半導体の超微粒子の原料
として使用可能な場合がある。
【0048】半導体原料物質となる陰性元素含有物質の
例としては、窒素、リン、砒素、アンチモン、ビスマ
ス、酸素、硫黄、セレン、テルル、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素等の周期表第15〜17族元素の単体、アン
モニア、ホスフィン(PH3)、アルシン(AsH3)、
スチビン(SbH3)等の周期表第15族元素の水素化
物、トリス(トリメチルシリル)アミン、トリス(トリ
メチルシリル)ホスフィン、トリス(トリメチルシリ
ル)アルシン等の周期表第15族元素のシリル化物、硫
化水素、セレン化水素、テルル化水素等の周期表第16
族元素の水素化物、ビス(トリメチルシリル)スルフィ
ド(別称ヘキサメチルジシラチアン:Hexameth
yldisilathiane)、ビス(トリメチルシ
リル)セレニド等の周期表第16族元素のシリル化物、
硫化ナトリウム、セレン化ナトリウム等の周期表第16
族元素のアルカリ金属塩、トリブチルホスフィンスルフ
ィド、トリヘキシルホスフィンスルフィド、トリオクチ
ルホスフィンスルフィド、トリブチルホスフィンセレニ
ド、トリヘキシルホスフィンセレニド、トリオクチルホ
スフィンセレニド等のトリアルキルホスフィンカルコゲ
ニド類、フッ化水素、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素
等の周期表第17族元素の水素化物、トリメチルシリル
クロリド、トリメチルシリルブロミド、トリメチルシリ
ルヨージド等の周期表第17族元素のシリル化物が挙げ
られる。これらのうち、反応性や化合物の安定性・操作
性の点で、リン、砒素、アンチモン、ビスマス、硫黄、
セレン、テルル、ヨウ素等の周期表第15〜17族元素
の単体、トリス(トリメチルシリル)ホスフィン、トリ
ス(トリメチルシリル)アルシン等の周期表第15族元
素のシリル化物、硫化水素、セレン化水素、テルル化水
素等の周期表第16族元素の水素化物、ビス(トリメチ
ルシリル)スルフィド、ビス(トリメチルシリル)セレ
ニド等の周期表第16族元素のシリル化物、硫化ナトリ
ウム、セレン化ナトリウム等の周期表第16族元素のア
ルカリ金属塩、トリブチルホスフィンスルフィド、トリ
ヘキシルホスフィンスルフィド、トリオクチルホスフィ
ンスルフィド、トリブチルホスフィンセレニド、トリヘ
キシルホスフィンセレニド、トリオクチルホスフィンセ
レニド等のトリアルキルホスフィンカルコゲニド類、ト
リメチルシリルクロリド、トリメチルシリルブロミド、
トリメチルシリルヨージド等の周期表第17族元素のシ
リル化物等が好適に用いられ、中でもリン、砒素、アン
チモン、硫黄、セレン等の周期表第15及び16族元素
の単体、トリス(トリメチルシリル)ホスフィン、トリ
ス(トリメチルシリル)アルシン等の周期表第15族元
素のシリル化物、ビス(トリメチルシリル)スルフィ
ド、ビス(トリメチルシリル)セレニド等の周期表第1
6族元素のシリル化物、硫化ナトリウム、セレン化ナト
リウム等の周期表第16族元素のアルカリ金属塩、トリ
ブチルホスフィンスルフィド、トリオクチルホスフィン
スルフィド、トリブチルホスフィンセレニド、トリオク
チルホスフィンセレニド等のトリアルキルホスフィンカ
ルコゲニド類等が特に好適に用いられる。
【0049】特に前記の逆ミセル法の陰性元素含有原料
として特に好ましいのは、水溶性を有するもの、即ち、
アンモニア、ホスフィン(PH3)、アルシン(As
3)、スチビン(SbH3)等の周期表第15族元素の
水素化物、硫化水素、セレン化水素、テルル化水素等の
周期表第16族元素の水素化物、硫化ナトリウム、セレ
ン化ナトリウム、硫化カリウム、セレン化カリウム、水
硫化ナトリウム(NaHS)、水セレン化ナトリウム
(NaHSe)等の周期表第16族元素のアルカリ金属
塩、フッ化水素、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素等の
周期表第17族元素の水素化物等が挙げられる。
【0050】特に好ましい液相製造方法であるホットソ
ープ法における前記原料化合物の反応液相への供給速度
には制限はないが、生成する半導体結晶の粒径分布を狭
くする場合には0.1〜60秒程度の短時間に所定量を
注入することが好適な場合がある。また、原料溶液の注
入後の適切な結晶成長反応時間(流通法の場合には滞留
時間)は、半導体種や所望の粒径あるいは反応温度によ
り変動するが、代表的な条件としては200〜350℃
程度の反応温度で1分〜10時間程度である。
【0051】かかるホットソープ法では半導体結晶の成
長反応終了後、通常単離精製を行う。この方法として
は、液相成分の濃縮、あるいは沈殿法が好適である。沈
殿法の好ましい代表的な手順は以下の通りである。即
ち、反応液の固化温度に至らない程度に冷却後トルエン
やヘキサン等を添加して室温での固化性を抑制し、次い
で半導体超微粒子の貧溶媒、例えばメタノール、エタノ
ール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール、n
−ブタノール等の低級アルコール類、あるいは水と混合
して半導体超微粒子を析出せしめ、これを遠心分離やデ
カンテーション等の物理的な手段で分離する手順であ
る。こうして得られる析出物をトルエンやヘキサン等に
再度溶解し析出・分離の手順を繰り返すことで更に精製
度を上げることが可能である。沈殿溶媒は混合溶媒とし
ても構わない。
【0052】[配位子交換による有機成分組成の制御]
前記に例示したような任意の製造方法で得られる半導体
結晶に、前記の末端にアミノ基を結合した連結有機残
基、ポリアルキレングリコール残基、あるいは補助的配
位子を所望量導入する目的で、合成された半導体結晶表
面での配位子交換反応を行うことが可能である。具体的
には、例えば、前記のホットソープ法により得られるト
リオクチルホスフィンオキシド等の配位性有機化合物を
表面に有する半導体超微粒子に対して、前記の末端にア
ミノ基を結合した連結有機残基やポリアルキレングリコ
ール残基を含有する配位子(以下、「機能配位子」と呼
ぶ)を液相で接触させる配位子交換反応が可能である。
この場合、必要に応じて後述するような溶剤を使用した
液相としても良く、使用する機能配位子が反応条件にお
いて液体である場合には、それ自身を溶媒とし他の溶剤
を添加しない反応形式も可能である。
【0053】かかる配位子交換反応条件としては、例え
ば、X.Pengら;Angew.Chem.Int.
Ed.Engl.,36巻,145頁(1997)に記
載の方法に準じてメタノール等アルコール類中で行う方
法、M.Bruchez Jr.ら;Science,
281巻,2013頁(1998)に記載の方法に準じ
てジメチルスルホキシドとメタノール等アルコール類の
混合溶媒中で行う方法、あるいはC.W.Warren
ら;Science,281巻,2016頁(199
8)に記載の方法に準じてクロロホルム等ハロゲン化溶
剤中で行う方法等が挙げられる。また、前記のX.Pe
ngら;J.Am.Chem.Soc.,119巻,7
019頁(1997)に報告されているように、前記の
ホットソープ法により得られるトリオクチルホスフィン
オキシド等の配位性有機化合物を表面に有する半導体超
微粒子をピリジン等の弱配位性化合物(通常溶媒として
大過剰量用いる)含む液相に分散して該配位性有機化合
物を除去する方法も応用可能である。即ちピリジン等の
弱配位性化合物中で配位性有機化合物を除去する第一工
程、次いで、機能配位子を加える第二工程からなる二段
階反応である。
【0054】かかる配位子交換反応に用いられる溶剤に
制限はないが、例えば、ピリジン、ルチジン、コリジ
ン、あるいはキノリン等の含窒素芳香族化合物、塩化メ
チレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロ
エタン等のハロゲン化アルキル類、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、ナフタレン、クロロベンゼン、ジクロロ
ベンゼン等の芳香族炭化水素類、n−ペンタン、n−ヘ
キサン、シクロヘキサン、n−オクタン、イソオクタン
等のアルカン類、ジエチルエーテルやテトラヒドロフラ
ン等の脂肪族エーテル類、アセトンやメチルエチルケト
ン等の脂肪族ケトン類、酢酸メチルや酢酸エチル等のエ
ステル系溶剤、メタノール、エタノール、n−プロパノ
ール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、エチ
レングリコール等のアルコール類、フェノールやクレゾ
ール等のフェノール類、及び水等の水酸基を有する化合
物、ブチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルア
ミン、オクチルアミン、デシルアミン、ドデシルアミ
ン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、フェニ
ルアミン、アニリン等の炭素数20以下程度の1級アミ
ン類、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ジヘキシルア
ミン、ジオクチルアミン、ジデシルアミン、ジフェニル
アミン、メチルフェニルアミン、ピロリジン、ピペリジ
ン、モルホリン、メチルアニリン等の炭素数20以下程
度の2級アミン類、トリエチルアミン、トリブチルアミ
ン、エチルジイソプロピルアミン、トリヘキシルアミ
ン、フェニルジメチルアミン、メチルジフェニルアミ
ン、N−メチルピロリジン、N−メチルピペリジン、N
−メチルモルホリン、ジメチルアニリン等の炭素数20
以下程度の3級アミン類、N,N−ジメチルホルムアミ
ド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA
c)、N−メチルピロリドン(NMP)等のアミド系非
プロトン性溶剤、ジメチルスルホキシド等のスルホキシ
ド類、あるいは水や二硫化炭素等の極性溶媒等が例示さ
れる。これらの溶剤は、半導体超微粒子やその生成物等
の溶解度調整等の必要に応じて、任意の種類・組み合わ
せ・比において混合して使用して構わない。
【0055】前記の配位子交換反応において、使用する
各機能配位子の量を制御することにより、半導体結晶表
面に所望量の各機能配位子を結合することが可能であ
る。かかる機能配位子の結合量の制御により、本発明の
半導体超微粒子の親水性、水溶性、あるいは基質特異的
親和性を制御することが可能である。前記の配位子交換
反応は、通常−10〜250℃程度の温度範囲で行わ
れ、有機物の熱劣化や交換反応の未完結を避けるため好
ましくはこの温度範囲を0〜200℃程度、更に好まし
くは10〜150℃程度、最も好ましくは20〜120
℃程度とする。一方反応時間は原料や温度にもよるが、
通常1分〜100時間、好ましくは5分〜70時間、更
に好ましくは10分〜50時間、最も好ましくは10分
〜30時間程度である。また、かかる配位子交換反応に
おいて、半導体超微粒子と機能配位子を反応液に加える
順序に制限はない。
【0056】かかる配位子交換反応は、酸化等の副反応
を避けるため、窒素やアルゴン等の不活性気体雰囲気に
おいて行うのが望ましい。また、かかる配位子交換反応
だけでなく超微粒子製造の後処理工程は、遮光条件が好
ましい場合もある。かかる配位子交換反応の後、製品を
単離するには、濾過、沈殿と遠心分離の併用、蒸留、昇
華等の任意の方法を使用して構わないが、特に有効なの
は、半導体結晶の比重が通常の有機化合物より大きいこ
とを利用した沈殿と遠心分離の併用である。遠心分離
は、配位子交換反応の生成物を含有する溶液を、機能配
位子を結合した本発明の半導体超微粒子の貧溶媒(例え
ばn−ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、イソオクタン等の炭化水素を含む有機溶剤)中に投
入し、生成する沈殿を含む懸濁液を遠心分離して行われ
る。得られた沈殿は、デカンテーション等により上澄み
液と分離し、必要に応じ溶媒洗浄や再溶解と再沈殿/遠
心分離を繰り返して精製度を向上させることも可能であ
る。遠心分離の回転数は、通常毎分100〜8000回
転程度、好ましくは毎分300〜6000回転程度、更
に好ましくは毎分500〜4000回転程度、最も好ま
しくは毎分700〜3000回転程度とし、温度は通常
−10〜100℃程度、好ましくは0〜80℃程度、更
に好ましくは10〜70℃程度、最も好ましくは20〜
60℃程度の範囲で行う。また、かかる精製工程も、酸
化等の副反応を避けるため、窒素やアルゴン等の不活性
気体雰囲気において行うのが望ましい場合もある。
【0057】[アミノ基への化学構造の結合]本発明の
半導体超微粒子が結合するアミノ基には、例えばアミド
化反応やアルキル化反応等の該アミノ基の活性水素が置
換される任意の反応により、所望の化学構造を結合可能
である。特に好適な反応は、カルボキシル基とのアミド
化反応であり、これにより、カルボキシル基を有する任
意の化学構造、例えばタンパク質等の有用な生物学的物
質を結合することができる。
【0058】かかるアミド化反応は、カルボキシル基あ
るいはその誘導基(エステル、酸無水物、酸塩化物に代
表される酸ハロゲン化物等)と、本発明の半導体超微粒
子が結合するアミノ基の縮合により行われる。酸無水物
や酸ハロゲン化物を用いる場合には塩基を共存させる。
カルボン酸のメチルエステルやエチルエステル等のエス
テルを用いる場合には、生成するアルコールを除去する
ために加熱や減圧が有効である場合がある。カルボキシ
ル基を直接アミド化する場合には、任意のアミド化試
薬、縮合添加剤、あるいは活性エステル剤等のアミド化
反応を促進する物質を、反応に共存させたりあらかじめ
予備反応させておいても良い。アミド化試薬としては、
例えばN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(通
称DCC)、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミ
ド、1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリノエチ
ル)カルボジイミドmetho−p−トルエンスルホナ
ート(通称Morpho−CDI)、1−(3−ジメチ
ルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドメチオ
ジド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピ
ル)カルボジイミド塩酸塩(通称Water−solu
bleカルボジイミド)等のカルボジイミド類が代表的
であり、中でも1−エチル−3−(3−ジメチルアミノ
プロピル)カルボジイミド塩酸塩は、含水系やアルコー
ル性の反応系で好ましく用いられる。また、縮合添加剤
として3,4−ジヒドロキシ−3−ヒドロキシ−4−オ
キソ−1,2,3−ベンゾトリアジン、1−ヒドロキシ
ベンゾトリアゾール(通称HBT)、N−ヒドロキシ−
5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド等が例
示され、活性エステル剤としては、N,N’−ジスクシ
ンイミジルカーボネート、N,N’−ジスクシンイミジ
ルオキサレート、N−ヒドロキシフタルイミド、N−ヒ
ドロキシスクシンイミド、等のイミジルエステルを与え
る化合物、p−ニトロフェニルトリフルオロアセテート
等の電子吸引性基を結合したフェニルエステルを与える
化合物、あるいはペンタクロロフェノール、ペンタフル
オロフェノール、2,4,5−トリクロロフェノール等
のハロフェノール類等が例示される。
【0059】
【実施例】以下に実施例により本発明の具体的態様を更
に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限
り、これらの実施例によって限定されるものではない。
なお、原料試薬は、特に記載がない限り、Aldric
h社より供給されるものを精製を加えず使用した。但
し、市販の溶剤を以下のような精製操作により精製溶媒
とした。
【0060】精製トルエン・・・濃硫酸、水、飽和重曹
水、更に水の順序で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾
燥次いで濾紙で濾過し、五酸化二リン(P25)を加え
て大気圧にて蒸留した。 精製メタノール・・・硫酸カルシウムと水素化カルシウ
ムで乾燥した後更に水素化ナトリウムを加え、ここから
大気圧にて直接蒸留した。
【0061】精製塩化メチレン・・・五酸化二リン(P
25)で乾燥した後、ここから大気圧にて直接蒸留し
た。 [測定装置と条件等] (1)核磁気共鳴(NMR)スペクトル:日本電子
(株)製JNM−EX270型FT−NMR( 1H:2
70MHz,13C:67.8MHz)。溶媒は特に断ら
ない限り重水素化クロロホルムを溶媒として使用し、テ
トラメチルシランを0ppm対照として23℃にて測定
した。 (2)赤外吸収(IR)スペクトル:日本分光工業
(株)製FT/IR−8000型FT−IR。23℃に
て測定した。 (3)X線回折(XRD)スペクトル:リガク(株)製
RINT1500(X線源:銅Kα線、波長1.541
8Å)。23℃にて測定した。 (4)透過型電子顕微鏡(TEM)観察:日立製作所
(株)製H−9000UHR型透過電子顕微鏡(加速電
圧300kV、観察時の真空度約7.6×10-9Tor
r)にて行った。 (5)光励起発光(PL)スペクトル:日立製作所
(株)製F−2500型分光蛍光光度計にて、スキャン
スピード60nm/分、励起側スリット5nm、蛍光側
スリット5nm、フォトマル電圧400Vの条件で、光
路長1cmの石英製セルを用いて測定した。
【0062】合成例1<CdSeナノ結晶の合成> 空冷式のリービッヒ還流管と反応温度調節のための熱電
対を装着した無色透明のパイレックス(登録商標)ガラ
ス製3口フラスコにトリオクチルホスフィンオキシド
(以下TOPOと略記;4g)を入れ、マグネチックス
ターラーで攪拌しながら乾燥アルゴンガス雰囲気で36
0℃に加熱した。別途、乾燥窒素雰囲気のグローブボッ
クス内で、セレン(単体の黒色粉末;0.1g)をトリ
ブチルホスフィン(以下TBPと略記;6.014g)
に溶解した液体に更にジメチルカドミウム(Strem
Chemical社;97%;0.216g)を混合
溶解した原料溶液Aを、ゴム栓(Aldrich社から
供給されるセプタム)で封をしアルミニウム箔ですき間
なく包んで遮光したガラス瓶中に調製した。この原料溶
液Aの一部(2.0mL)を、前記のTOPOの入った
フラスコに注射器で一気に注入し、この時点を反応の開
始時刻とした。反応開始20分後に熱源を除去し約50
℃に冷却された時点で精製トルエン(2mL)を注射器
で加えて希釈し、更に前記の精製メタノール(10m
L)を注入して不溶物を生じさせた。この不溶物を遠心
分離(3000rpm)し、デカンテーションにより上
澄み液を除去して分離し、室温にて約14時間真空乾燥
して固形粉体を得た。
【0063】この固形粉体のXRDスペクトルにおい
て、Wurtzite型CdSe結晶の002面及び1
10面に帰属される回折ピークを観測したことからCd
Seナノ結晶の生成を確認した。また、このCdSeナ
ノ結晶の平均粒径は、TEM観察によれば約4nmであ
った。このCdSeナノ結晶は、精製トルエン溶液にお
いて、366nm波長の励起光を照射すると赤色の発光
帯(ピーク波長595nm、半値幅43nm)を与え
た。
【0064】合成例2<ZnSシェルを有するCdSe
ナノ結晶の合成> B.O.Dabbousiら;J.Phys.Che
m.B,101巻,9463頁(1997)に記載の方
法に準じて行った。これを以下説明する。乾燥アルゴン
ガス雰囲気の褐色ガラス製の3口フラスコ中にTOPO
(15g)を入れ、減圧下130〜150℃での溶融状
態で約2時間攪拌した。この間、残留する空気や水分を
置換する目的で、乾燥アルゴンガスにより大気圧に復圧
する操作を数回行った。温度設定を100℃として約1
時間後、合成例1で得たCdSeナノ結晶の固形粉体
(0.094g)のトリオクチルホスフィン(1.5
g、以下TOPと略記)溶液を加えて、CdSeナノ結
晶を含む透明溶液を得た。これを100℃の減圧下で更
に約80分間攪拌後、温度を180℃に設定して乾燥ア
ルゴンガスで大気圧に復圧した。別途、乾燥窒素雰囲気
のグローブボックス内で、ジエチル亜鉛の1N濃度n−
ヘキサン溶液(1.34mL;1.34ミリモル)とビ
ス(トリメチルシリル)スルフィド(0.239g;
1.34ミリモル)とをTOP(9mL)に溶解した原
料溶液Bを、合成例1で使用のセプタムで封をしアルミ
ニウム箔ですき間なく包んで遮光したガラス瓶中に調製
した。この原料溶液Bを、注射器により、前記の180
℃のCdSeナノ結晶を含む透明溶液に20分間かけて
滴下し、90℃に降温後約1時間攪拌を継続した。室温
で約14時間静置した後、再び90℃で3時間加熱攪拌
した。熱源を除去し、Aldrich社から供給される
無水グレード(99.8%)のn−ブタノール(8m
L)を反応液に加えて室温まで冷却して、透明な赤色溶
液を得た。
【0065】この赤色溶液には、原料のビス(トリメチ
ルシリル)スルフィド等の硫黄化合物の臭気はなく、代
わりにセレン特有のニラ様臭気があった。合成例1で得
たCdSeナノ結晶の溶液にはこのようなセレン臭はな
かったので、該CdSeナノ結晶表面での意図した硫化
物生成反応の進行とともに、該ナノ結晶表面における硫
黄原子によるセレン原子の置換反応等何らかの機構によ
るセレンの遊離があったものと推測され、前記文献記載
同様にZnSシェルを有するCdSeナノ結晶が生成し
たものと考えられた。
【0066】この赤色溶液の一部(8mL)を、乾燥窒
素気流下、室温で精製メタノール(16mL)中に滴下
し20分間攪拌を継続する沈殿操作により赤色不溶物を
得た。この赤色不溶物を合成例1同様に遠心分離及びデ
カンテーションにより分離し、精製トルエン(14m
L)に再溶解した。この再溶解トルエン溶液を用いて、
再び同様の沈殿操作、遠心分離、及びデカンテーション
の一連の精製操作を行って固体生成物を得た。この固体
生成物は、1mLの精製メタノールと振り混ぜて洗浄
後、デカンテーションで分離した。この固体生成物は透
明赤色の精製トルエン溶液を与え、ここに468nm波
長の励起光を照射すると赤色の発光帯(ピーク波長59
7nm、半値幅41nm)を与えた。この発光は同程度
の溶液濃度において、合成例1で得たCdSeナノ結晶
の場合よりも明らかに発光強度が大きかったことから、
ZnSシェルを有するCdSeナノ結晶に変換され、表
面準位等を経由する非発光過程の寄与が抑制されたもの
と考えられた。また、この生成物のIRスペクトルは、
TOPOのアルキル基に由来すると考えられる3つの鋭
い吸収ピークを2940,2920,及び2850cm
-1に与えた。
【0067】合成例3<11−メルカプトウンデカン酸
MTEGエステルの合成> 11−メルカプトウンデカン酸(1.70g)と東京化
成(株)から供給されたトリエチレングリコールモノメ
チルエーテル(以下TEGMMEと略記:50mL)、
及び濃硫酸(国産化学(株);5滴)を乾燥窒素雰囲気
のフラスコ内に混合し、60℃で攪拌しながら30mm
Hg以下の圧力での減圧脱水を延べ約36時間行った。
反応液を大量の氷水に攪拌しながら徐々に加えて得た析
出物をn−ヘキサン/酢酸エチル(5/1容量比)混合
溶媒で抽出し、この有機相を飽和重曹水、次いで水で洗
浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥後濾過して濃縮した。こ
の生成物は、IRスペクトルにおいて1730cm-1
エステル基、及び2870cm-1のピークと2820c
-1の肩を含む3050〜2650にかけてのブロード
な領域にTEGMME由来の炭化水素構造にそれぞれ帰
属される吸収帯を与えたことから、前記式(4)に該当
する11−メルカプトウンデカン酸MTEGエステル
(以下HS−C11−MTEGと略記)の生成を確認し
た。
【0068】実施例1<N−(3−アミノプロピル)−
11−メルカプトウンデカンアミドの合成> 11−メルカプトウンデカン酸(6.73g)を純正化
学(株)から供給されたエタノール(99.5%;75
g)と濃硫酸(0.35g)の共存溶液中で加熱還流し
た。反応液は、3割程度の容量まで減圧濃縮して生成す
る水をエタノールとともに除去する操作を数時間おきに
数回繰り返し、更に、乾燥窒素雰囲気で加熱活性化した
モレキュラーシーブズ3Aを円筒濾紙に入れたSoxl
et連続抽出管を通じた加熱還流による連続脱水を行っ
て、11−メルカプトウンデカン酸エチルエステルを生
成せしめた(IRスペクトルにおいて1730cm-1
エステル基の吸収を確認)。ここに、キシダ化学(株)
から供給された1,3−ジアミノプロパン(30mL)
を加え、大気圧での蒸留によりエタノールを留去し、更
に60℃で攪拌しながら30mmHg以下の圧力での減
圧を延べ約22時間行い、脱エタノールによるエステル
交換アミド化反応を行った。60℃の反応液を約900
mLの氷水に激しく攪拌しながら徐々に加えて得た析出
物を、濾紙により濾別した。濾別した固体は、水、希水
酸化ナトリウム水溶液、希塩酸、最後に水の順で洗浄
し、真空乾燥した。この生成物のIRスペクトルにおい
て、1635cm-1にアミド基、3440cm-1と33
00cm-1に1級アミノ基の吸収帯がそれぞれ観測さ
れ、かつ1730cm-1のエステル基の吸収が消失した
ことから、前記式(2)においてm=3に該当するN−
(3−アミノプロピル)−11−メルカプトウンデカン
アミド(以下HS−C11−NH2と略記)の生成を確認
した。
【0069】実施例2<HS−C11−NH2のBOC基
による保護> 実施例1で得たHS−C11−NH2(1当量)を純正化
学(株)から供給されたn−ブタノールに溶解し、東京
化成(株)から供給されたトリエチルアミン(1当量)
を混合し、ここに東京化成(株)から供給された汎用の
BOC化試剤であるジ−tert−ブチルジカーボネー
ト(1.1当量)を加えた。室温で1晩放置した後、減
圧濃縮した。こうして得た生成物は、1H−NMRスペ
クトルにおいて、BOC基のtert−ブチル基に典型
的なメチル基のシングレットシグナルを与え、更にIR
スペクトルにおいてアミド基に帰属される吸収帯を与え
たことから、HS−C11−NH2のアミノ基がBOC基
によるカーバメート結合により保護された化合物(以下
HS−C11−NHBOCと略記)の生成を確認した。
【0070】実施例3<HS−C11−NH2を配位子と
して含有する半導体超微粒子の合成> 合成例2で得たZnSシェルを有するCdSeナノ結晶
を、アルミニウム箔で隙間なく包んで遮光したガラス容
器内で乾燥窒素雰囲気下、精製塩化メチレン溶液(約1
0mL)とした。これを室温で攪拌しながら、合成例3
で得たHS−C 11−MTEGと実施例2で得たHS−C
11−NHBOCとの2:1のモル比混合物を反応液中に
存在するCd原子の当量に対して大過剰量となるように
加えて、室温遮光条件で延べ24時間攪拌した。ここに
触媒量のトリフルオロ酢酸を加えて室温で1晩放置した
後、反応液を減圧濃縮して塩化メチレンとトリフルオロ
酢酸を留去した。こうして得た残渣を精製トルエンに溶
解し、トリエチルアミンを触媒量加え、0.5μmのメ
ンブレンフィルターで濾過した後、9倍容量のn−ヘキ
サンと混合し、得られた不溶物を遠心分離とデカンテー
ションにより分離する精製操作を行った。こうして分離
した不溶物を再度精製トルエンに溶解し、同様な精製操
作(約9倍容量のn−ヘキサン添加、次いで遠心分離及
びデカンテーション)を繰り返して固体生成物を得た。
こうして得た固体生成物は、水溶性と発光能を兼ね備え
ていた。また、こうして得た固体生成物のIRスペクト
ルは、HS−C11−MTEG由来のエステル基、HS−
11−NH2由来のアミド基にそれぞれ帰属される吸収
帯を与え、しかも前記の合成例2で述べたTOPOのア
ルキル基に由来すると考えられる3つの鋭い吸収ピーク
は観測されなかった。また、後述する応用例のように、
この固体生成物はアミド化反応を受けることから、TO
POがHS−C11−MTEGとHS−C11−NH2で置
換された半導体超微粒子が得られたものと考えられた。
【0071】応用例<半導体超微粒子への保護されたア
ミノ酸のアミド化反応> 実施例3で得た半導体超微粒子をエタノールに溶解し、
アミノ基がCBZ基で保護されたグリシン(以下CBZ
化グリシンと呼ぶ)を、1−エチル−3−(3−ジメチ
ルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩の存在下で室
温で作用させるアミド化反応を行った。反応液を減圧濃
縮後、精製トルエンに溶解し、0.5μmのメンブレン
フィルターで濾過した後、9倍容量のn−ヘキサンと混
合し、得られた不溶物を遠心分離とデカンテーションに
より分離する精製操作を行った。こうして分離した不溶
物を再度精製トルエンに溶解し、同様な精製操作(約9
倍容量のn−ヘキサン添加、次いで遠心分離及びデカン
テーション)を繰り返して固体生成物を得た。こうして
得た固体生成物は、水溶性と発光能を兼ね備えていた。
また、こうして得た固体生成物のIRスペクトルは、H
S−C11−MTEG由来のエステル基、HS−C11−N
2由来のアミド基にそれぞれ帰属される吸収帯を与
え、1H−NMRスペクトルにおいてCBZ基のベンゼ
ン環に帰属されるシグナルを与えたことから、CBZ化
グリシンが半導体超微粒子にアミド結合されたものと考
えられた。
【0072】
【発明の効果】本発明の連結有機残基を介してアミノ基
を結合した半導体超微粒子は、該連結有機残基の効果に
より、耐水性等、超微粒子の主体を成す半導体結晶の吸
光あるいは発光特性が外界の影響から保護されたもので
あり、しかも該アミノ基の反応性を利用して所望の化学
構造を結合することができる。従って、例えば抗体タン
パク質等の基質特異的親和性を有する化学構造を結合し
た場合、生物学的分析等の基質特異的分析試薬として利
用される。あるいは親水性基を結合した場合、水性又は
アルコール性溶剤等の対環境安全性に優れた溶媒に可溶
な半導体超微粒子となるので、水性又はアルコール性の
吸光性あるいは発光性塗料原料として利用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 51/00 C01B 19/04 C // C01B 19/04 H01L 29/06 H01L 29/06 29/28

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数5〜40の連結有機残基を介し
    て、アミノ基が半導体結晶表面に結合されてなる半導体
    超微粒子。
  2. 【請求項2】 半導体結晶が、下記一般式(1)で表さ
    れるω−メルカプト脂肪酸アミドアミンを配位子として
    有するものである請求項1に記載の半導体超微粒子。 【化1】 HS−(CH2n−CONR2−R1−NHR2 (1) (但し一般式(1)において、nは17以下の自然数
    を、R1は炭素数2〜18のアルキレン基又は炭素数6
    〜18のアリーレン基を、R2は水素原子又は炭素数6
    以下のアルキル基を、それぞれ表す。)
  3. 【請求項3】 ω−メルカプト脂肪酸アミドアミンが、
    下記一般式(2)で表されるものである請求項2に記載
    の半導体超微粒子。 【化2】 HS−(CH210−CONH−(CH2m−NH2 (2) (但し一般式(2)においてmは3〜10の整数であ
    る。)
  4. 【請求項4】 半導体結晶表面に、ポリアルキレングリ
    コール残基を結合してなる請求項1〜3のいずれかに記
    載の半導体超微粒子。
  5. 【請求項5】 半導体結晶がII−VI族化合物半導体組成
    又はIII−V族化合物半導体組成を主体とするものであ
    る請求項1〜4のいずれかに記載の半導体超微粒子。
  6. 【請求項6】 半導体結晶が硫化亜鉛(ZnS)組成を
    主体とするものである請求項5に記載の半導体超微粒
    子。
  7. 【請求項7】 半導体結晶がコア−シェル構造をなすも
    ものである請求項1〜6のいずれかに記載の半導体超微
    粒子。
  8. 【請求項8】 下記一般式(3)で表される11−メル
    カプトウンデカン酸アミド。 【化3】 HS−(CH210−CONH−(CH2m−NHL (3) (但し一般式(3)においてmは3〜10の整数であ
    り、Lは水素原子又は炭素数10以下のアルコキシカル
    ボニル基を表す。)
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