JP5020861B2 - 表面に規則的なシワ構造を有する球状ポリマー微粒子の製造法およびその微粒子を含んでなるスクラブ剤 - Google Patents
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Description
本発明の方法により得られたポリマー微粒子は、適度の柔軟性と、粒子表面に規則的なシワ状構造および、スクラブ剤に適した粒子径を有しているので、この微粒子を配合したスクラブ化粧料は、皮膚表面の老廃物や皮脂、皮膚表面に付着した塵埃や油汚れ等を効率よく除去することができ、しかも使用感は極めて良好である。
懸濁重合によるポリマー微粒子の製造においては、液状の重合性ビニルモノマーは水性媒体中でその表面張力のため通常は球状となり、重合して得られるポリマー微粒子は表面が平滑な球状微粒子となる。
意図的に表面が平滑でない異形ポリマー粒子を製造する法としては、たとえば重合性ビニルモノマーとして親水性ビニルモノマーを用い、架橋性モノマーを油溶性物質の存在下で懸濁重合させ、椀状のポリマー微粒子を得る方法(特許文献1および2)が知られている。
一方、疎水性の重合性ビニルモノマー、架橋性ビニルモノマーおよびスチレン−ブタジエン共重合体を水性媒体中で懸濁重合させる表面に規則的なシワ構造を有する平均粒子径2〜300μmの球状ポリマー微粒子の製造法(特許文献3)が知られているが、得られた微粒子表面の皺の形成状態の点でスクラブ剤としては必ずしも適したものではない。
すなわち、本発明は、
(1)疎水性の重合性ビニルモノマー40〜90重量%および架橋性モノマー5〜40重量%の混合物にスチレン−ノルマルブチルメタクリレート共重合体5〜30重量%を溶解させ、水性媒体中で懸濁重合させる表面に規則的なシワ構造を有する平均粒子径50〜400μmの球状ポリマー微粒子の製造法、
(2)重合性ビニルモノマーが(メタ)アクリル酸アルキルエステルである(1)記載の製造法、
(3)(1)又は(2)記載の製造法により得られた微粒子、
(4)(3)記載の微粒子を含んでなるスクラブ剤、
である。
なおここにいう疎水性とは、20℃の水100mLに対する溶解度が10重量%以下のものをいう。
本発明に用いられる架橋性モノマーとしては、例えばジビニルベンゼン、ジビニルトルエンなどの芳香族ジビニル化合物、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のグリコールジ(メタ)アクリレート、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート、テトラ(メタ)アクリレートなど重合性不飽和結合を1分子中に2個以上有する架橋性ジビニルモノマーが挙げられる。
これらのスチレン−ノルマルブチルメタクリレート共重合体は一種あるいは二種以上の組み合わせで用いることができる。
モノマー混合物中の前記疎水性の重合性ビニルモノマー、架橋性モノマーおよびスチレン−ノルマルブチルメタクリレート共重合体の各使用割合は、重量%で通常40〜90:5〜40:5〜30、好ましくは45〜80:10〜30:10〜25である。
疎水性の重合性ビニルモノマー、架橋性モノマーおよびスチレン−ノルマルブチルメタクリレート共重合体の使用量が上記の範囲を外れるとその粒子表面に充分且つ規則的なシワ構造を有する球状ポリマー微粒子が得られないことがある。
前記油溶性溶剤としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酪酸ブチル、酪酸イソアミル等のエステル類、ジエチルケトン、メチルエチルケトン等のケトン類、さらにはベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ブタン、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素類、オリーブ油、ラート油、ヤシ油、ヒマシ油等の長鎖アルキル誘導体等を挙げることができる。
これらの油溶性溶剤、低結晶性エラストマーや液状ゴムはモノマー混合物100重量部に対し5〜20重量部程度用いられる。
本発明に用いられる前記各モノマーとスチレン−ノルマルブチルメタクリレート共重合体を溶解した溶液を水性媒体中に液滴化した分散液は次の工程で懸濁重合させるが、原料液滴及び生成重合体粒子の分散性向上のため、各種の界面活性剤や高分子保護コロイド等の分散安定剤の適量が用いられる。
これらの分散安定剤は単独でもまた二種以上の組み合わせでも用いられる。
これらの分散安定剤は、通常の懸濁重合の際に用いられる使用量で安定に重合を行うことができる。
重合開始剤としてはこの種の反応に通常用いられるもの、例えば過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル等の過酸化物系開始剤、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−イソバレロニトリル等のアゾ重合開始剤が挙げられる。
これらの重合開始剤は重合性モノマーに溶解させて使用される。
連鎖移動剤もこの種の反応に通常用いられるものでよく、例えばモノチオール、ポリチオール、キサントゲンジスルフィド、チウラムジスルフィド、メルカプト酢酸2−エチルヘキシルエステル、オクタン酸2−メルカプトエチルエステル、メルカプト酢酸メトキシブチルエステル、メルカプトプロピオン酸メトキシブチルエステル、α−メチルスチレンダイマー、ターピノーレン等が好ましく用いられる。
液滴径の大小は分散安定剤の種類と使用量の選択およびホモミキサー等の強制分散機の回転数等により、任意に制御できる。目的の粒径の液滴を調整し、続いて重合させることにより、任意に50〜400μmのポリマー微粒子を製造することができるが、特に80〜200μmが好ましい。
懸濁重合後、球状ポリマー微粒子を濾別し、水洗後乾燥することにより粒子表面が規則的なシワ状構造を有する微粒子が得られる。
得られた混合液をホモミキサー(特殊機化工業(株)製)を用いて、3,000rpmで20分間撹拌し、原料分散液を調製した。
この原料分散液を撹拌機及び還流冷却器を備えた重合反応容器内に仕込み、窒素気流下撹拌しながら80℃に昇温し、3時間重合させた。
得られたポリマー微粒子分散液を脱水、洗浄、乾燥し、篩別することにより平均粒径100μmの粒子表面にシワ状構造を有するポリマー微粒子〔図1〕85部を得た。
合成例1
合成例2
合成例3
合成例4
実験例1
その後、ジステアリン酸エチレングリコールを表1に記載の配合量だけ添加し、それぞれ実施例1、2、合成例1〜4で製造されたスクラブ剤およびトウモロコシの穂軸の粉砕物(不定形で粒径200〜500μm)を表1に記載の配合量だけ添加し、均一に混合した。
これを30℃まで冷却し、白色不透明のスクラブ剤入り液体洗浄剤を製造した。
このスクラブ剤入り液体洗浄剤を用い、下記の方法で、肌への刺激の強さと洗浄効果を試験した。その結果を表2に示す。
10人のパネラーにより、手のひら及び手の甲に少量の洗浄剤をつけ、指による摩擦洗浄を行った。
その評価を下記の3段階で評価した。
なお、10人中最も多かった評価を試験結果とした。
○:なめらかな感触と、同時に適度な刺激があり心地よい。
△:なめらかな感触であるが、適度な刺激がなく満足する使用感が得られない。
×:ザラつきが強く、痛い感じがする。
カーボンブラックで着色したモデル皮脂を手のひらに2mg/cm2塗布し、乾燥後、洗浄料をつけて指による摩擦洗浄を一定回数行い、さらに、水洗、乾燥後、手のひらに残ったモデル皮脂の度合いを実体顕微鏡で観察した。
なお、評価は下記の5段階とした。
5:洗浄力高い(皮膚細部の汚れがほぼ全量除去)
4:洗浄力高い(皮膚細部の汚れが8〜9割程度除去)
3:洗浄力中位(皮膚細部の汚れが6〜7割程度除去)
2:洗浄力中位(皮膚細部の汚れが4〜5割程度除去)
1:洗浄力低い(皮膚細部の汚れが2〜3割程度除去)
得られた混合物を45℃まで冷却し、さらに、スクラブ剤を表3の配合量だけ添加して均一に混合し、スクラブ剤入りクレンジングクリームを製造した。
その結果を表4に示す。
液体洗浄剤の場合もクレンジングクリームの場合もいずれの場合であっても、実施例1、2で合成されたスクラブ剤を用いた実験例1、2及び8、9においては、皮膚への感触が滑らかでかつ適度な刺激があり、さらに、洗浄力も高く皮膚細部の汚れ除去にも極めて有効であった。
Claims (4)
- 疎水性の重合性ビニルモノマー40〜90重量%および架橋性モノマー5〜40重量%の混合物にスチレン−ノルマルブチルメタクリレート共重合体5〜30重量%を溶解させ、水性媒体中で懸濁重合させる表面に規則的なシワ構造を有する平均粒子径50〜400μmの球状ポリマー微粒子の製造法。
- 重合性ビニルモノマーが(メタ)アクリル酸アルキルエステルである請求項1記載の製造法。
- 請求項1又は請求項2記載の製造法により得られた微粒子。
- 請求項3記載の微粒子を含んでなるスクラブ剤。
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