JP5020654B2 - 車両のシートベルト装置 - Google Patents
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Description
このような要望から、従来、モータに発電検出手段を設け、ベルトの引き出し時にベルトリールを介してモータが回転させられたときに、ベルトの引き出しに応じた電気量が発電検出手段によって検出されるようにしたものが案出されている。このシートベルト装置では、例えば、モータに断線や固着がある場合に規定の発電量が得られなくなるため、その結果からモータの故障を診断することができる(例えば、特許文献1参照)。
これにより、モータとベルトリールが連動する条件下において、故障診断手段によってリール回転状態検出手段の故障が診断されるようになる。
これにより、モータとベルトリールが連動する条件下において、故障診断手段によってモータの故障が診断されるようになる。
これにより、リール回転状態検出手段やモータの故障が検出されたときに通知手段による通知が行われ、例えば、故障表示インジケータを点灯させてユーザーに知らせたり、車内ネットワークを通して信号が共用される他の装置に故障信号を送ることが可能になる。
最初に、図1〜図4に示す参考例について説明する。
図1は、この参考例にかかるシートベルト装置1の全体概略構成を示すものであり、同図中2は、乗員3の着座するシートである。この参考例のシートベルト装置1は、所謂三点式のシートベルト装置であり、図示しないセンタピラーに取付けられたリトラクタ4からウェビング5が上方に引き出され、そのウェビング5がセンタピラーの上部側に支持されたスルーアンカ6に挿通されるとともに、ウェビング5の先端がシート2の車室外側寄りのアウタアンカ7を介して車体フロアに固定されている。そして、ウェビング5のスルーアンカ6とアウタアンカ7の間にはタングプレート8が挿通されており、そのタングプレート8は、シート2の車体内側寄りの車体フロアに固定されたバックル9に対して脱着可能となっている。
ウェビング5は、初期状態ではリトラクタ4に巻き取られており、乗員3が手で引き出してタングプレート8をバックル9に固定することにより、乗員3の主に胸部と腹部をシート2に対して拘束する。このシートベルト装置1の場合、衝突時におけるウェビング5の引き込みが電動式のモータ10によって行われ、このモータ10がプリテンション機構を構成するようになっている。
ベルトリール12の回転に応じてセンサ回路17からコントローラ18に入力されるパルス信号は、コントローラ18において、基本的にはモータ10を駆動するためのフィードバック信号として用いられる。つまり、コントローラ18においては、パルス信号をカウントすることによってベルトリール12の回転量(ウェビング5の引き出し量)を検出し、さらにパルス信号の変化速度(周波数)を演算することによってベルトリール12の回転速度(ウェビング5の引き出し速度)を求め、また、両パルス信号の波形の立ち上がりの比較によってベルトリール12の回転方向を検出する。
まず、ステップS100においては、現在、モータ10に電流が流れているかどうかを判定し、モータ10に電流が流れている場合には、ステップS101に進み、モータ10に電流が流れていない場合にはリターンする。なお、ウェビング5の巻取り時にはモータ10には通電電流が流れ、ウェビング5の引き出し時にはモータ10の回転に伴う発電電流が流れる。
なお、異常表示インジケータ25は、A相とB相で共通のものを一つ設けるようにしても、各相毎に各一つずつ設けるようにしても良い。各相毎に異常表示インジケータ25を設けるようにした場合には、いずれの相のセンサ部に異常があるかをユーザーに知らせることができる。
したがって、このシートベルト装置1においては多様な条件下において回転センサ14の故障診断を行うことができるため、故障を早期に発見することができる。
また、この参考例においては、コントローラ18に電流検出手段22を設け、電流検出手段22がモータ10の電流を検出したときに、一定時間の間にパルス検出手段23によるパルス検出があるかどうかをセンサ異常判定手段24で判定するようにしているが、電流検出手段22に代えてモータ10の電圧を検出する電圧検出手段を設け、電圧検出手段による電圧の検出があったときにパルス入力の有無の判定を行うようにしても良い。
まず、ステップS200においては、一定時間Tの間、モータ10に所定値I1以上の電流が流れたかどうかを判定し、一定時間Tの間、所定値I1以上の電流が流れた場合には、ステップS201に進み、流れない場合にはリターンする。
この第2の実施形態のシートベルト装置1Bで用いられるコントローラ18Bは、モータ10に流れる電流を検出する電流検出手段22(モータ電気状態検出手段)と、一定時間内にモータ10に供給される電力量またはモータ10で発電される電力量を演算する(図9参照)電力量演算手段40(モータ電気状態検出手段)と、この電力量演算手段40の演算結果を基にして一定時間内に回転センサ14から出力されるパルスの積算値範囲を予測するパルス積算値予測手段41と、回転センサ14(図2参照)の一方のホール素子16aに対応するA相と他方のホール素子16bに対応するB相のパルス入力を夫々カウントするパルスカウント手段32(リール回転状態検出手段)と、パルスカウント手段32のA相,B相の各カウント結果(パルス積算値)がパルス積算値予測手段41で予測した積算値範囲内にあるかどうかを判定し、各相の実際のパルス積算値が予測した積算値範囲内にない場合に「異常有り」の信号を出力するセンサ異常判定手段42(故障判定手段)と、を備えている。
まず、ステップS300においては、現在、モータ10に電流が流れているかどうかを判断し、モータ10に電流が流れている場合には、ステップS301に進み、モータ10に電流が流れていない場合にはリターンする。
ステップS303においては、一定時間の間のA相,B相の実際の各パルスのカウント値が予測したパルスの積算値範囲内にあるかどうかを判定する。実際のパルスのカウント値が予測積算値範囲内にある場合には、ステップS304に進んで回転センサ14に異常がないものと判定し、実際のパルスのカウント値が予測積算値範囲内にない場合には、ステップS305に進んで回転センサ14に異常があるものと判定する。なお、この実施形態の場合も、ステップS305に進んだ場合には異常表示インジケータ25を点灯させる。
この第3の実施形態のシートベルト装置1Cで用いられるコントローラ18Cは、回転センサ14(図2参照)のパルス入力をカウントするパルスカウント手段50(リール回転状態検出手段)と、パルスカウント手段50のカウント値を基にパルス速度(パルス周波数)を演算するパルス速度演算手段51と、このパルス速度演算手段51の演算結果を受けてパルス速度が所定値以上であるかどうかを判定するパルス速度判定手段52と、クラッチスイッチ53から信号を受けて動力伝達装置13(図2参照)のクラッチのオン・オフ状態を判定するクラッチON判定手段54と、パルス速度演算手段51の演算結果を基にしてモータ10に流れる電流値の範囲を予測する電流予測手段56と、モータ10に流れる電流を検出する電流検出手段57(モータ電気状態検出手段)と、電流検出手段57で検出した電流値が電流予測手段56で予測した電流値の範囲内であるかどうかを判定し、検出した電流値が予測した電流値範囲内にない場合に「異常有り」の信号を出力するモータ異常判定手段58(故障診断手段)と、モータ10とベルトリール12が安定的に連動作動しない条件下で、回転センサの検出信号のみを用いて回転センサ14の故障を診断するセンサ故障単独診断手段59(回転検出故障単独診断手段)と、を備えている。
まず、図12に示すステップS400においては、回転センサ14から出力されるパルスの速度が所定値以上であるかどうかを判定し、パルス速度が所定値に満たない場合には、回転センサ単独故障診断処理410に進み、パルス速度が所定値以上の場合には、ステップS401に進む。
ステップS401においては、クラッチがオンであるかオフであるかを判定し、オフの場合には、回転センサ単独故障診断処理410に進み、オンの場合には、ステップS402に進む。
ステップS402では、実際にモータ10に流れている電流が予測値の範囲内であるかどうかを判定し、実際にモータ10に流れている電流が予測値の範囲内にある場合には、ステップS403に進んでモータ10に異常がないものと判定し、予測値の範囲内にない場合には、ステップS404に進んでモータ10に異常があるものと判定する。そして、ステップS404に進んだ場合には異常表示インジケータ25を点灯させる。
以下に、回転センサ単独故障診断処理410の具体例について説明する。
図14は、回転センサ14のA相,B相のパルスの変化の様子の一例を上2段で示し、パルスのHi値とLow値に夫々0と1を対応させたときの各相の対応値の変化を中2段で示し、A相とB層の対応値が2進数で、かつA相の対応値がB相の対応値の1桁上の数であるとしたときに、両相の対応値を加算して10進数に変換したもの(以下、単に「A相とB相の加算値」と呼ぶ)を最下段で示している。
今、図14のA相,B相のパルス波形は、回転センサ14が正転(一方向に回転)するときのものであるとすると、A相とB相の加算値は…3→2→0→1…と変化し、回転センサが逆転する場合には、A相とB相の加算値は…3→1→0→2…と変化する。したがって、A相とB相の加算値の変化を調べ、上記の2パターン以外の変化があった場合に異常があるものと判定すれば良い。
また、A相とB相の加算値が…3→2→0→1…と変化する場合には、加算値の1変化(前回値−今回値)を+1とし、A相とB相の加算値が…3→1→0→2…と変化する場合には、加算値の1変化(前回値−今回値)を−1とすれば、ベルトリールが回転する間、A相とB相の加算値変化をカウントすることにより、以下の表1のようにウェビング5の引き出し量に応じたパルスの総カウント値を求めることができる。
なお、さらにバックル9(図1参照)の接続状態を検出するバックルスイッチを設け、バックルスイッチがオンの場合にだけ図12のフローチャートのステップS402以後の処理に進み、バックルスイッチがオフのときにリターンするようにしても良い。この場合には、不要な診断の実行を抑えてさらなる省電力化を図ることができる。
5…ウェビング
10…モータ
12…ベルトリール
13…動力伝達機構
14…回転センサ(リール回転状態検出手段)
22…電流検出手段(モータ電気状態検出手段)
23…パルス入力検出手段(リール回転状態検出手段)
34,42…センサ異常判定手段(故障診断手段)
25…異常表示インジケータ(通知手段)
30…安定電流判定手段(モータ電気状態検出手段)
32…パルスカウント手段(リール回転状態検出手段)
33…パルス速度演算手段(リール回転状態検出手段)
40…電力量演算手段(モータ電気状態検出手段)
50…パルスカウント手段(リール回転状態検出手段)
57…電流検出手段(モータ電気状態検出手段)
58…モータ異常判定手段(故障診断手段)
59…センサ故障単独診断手段(回転検出故障単独診断手段)
Claims (4)
- シートに着座した乗員を拘束するウェビングが巻回されるベルトリールと、
このベルトリールに動力伝達機構を介して接続され、このベルトリールを回転駆動するモータと、
前記ベルトリールの回転状態を検出するリール回転状態検出手段と、
前記モータに流れる電気の状態を検出するモータ電気状態検出手段と、
前記リール回転状態検出手段によって検出されるベルトリールの回転状態と、前記モータ電気状態検出手段によって検出されるモータの電気状態とに基づいて、前記リール回転状態検出手段の故障を診断する故障診断手段と、
を備え、
前記故障診断手段は、前記モータ電気状態検出手段によって検出される前記モータの電気状態量に基づいて対応するベルトリールの回転状態量の閾値範囲を予測し、前記リール回転状態検出手段によって検出される前記ベルトリールの回転状態量が前記予測した閾値範囲から外れるときに、前記リール回転状態検出手段に故障があるものと診断することを特徴とする車両のシートベルト装置。 - シートに着座した乗員を拘束するウェビングが巻回されるベルトリールと、
このベルトリールに動力伝達機構を介して接続され、このベルトリールを回転駆動するモータと、
前記ベルトリールの回転状態を検出するリール回転状態検出手段と、
前記モータに流れる電気の状態を検出するモータ電気状態検出手段と、
前記リール回転状態検出手段によって検出されるベルトリールの回転状態と、前記モータ電気状態検出手段によって検出されるモータの電気状態とに基づいて、前記モータの故障を診断する故障診断手段と、
を備え、
前記故障診断手段は、前記リール回転状態検出手段によって検出されるベルトリールの回転状態量に基づいて対応する前記モータの電気状態量の閾値範囲を予測し、前記ベルトリールとモータの間の動力伝達が有効である条件下で、前記モータ電気状態検出手段によって検出される前記モータの電気状態量が予測した閾値範囲から外れるときに、前記モータに異常があるものと診断することを特徴とする車両のシートベルト装置。 - 前記故障診断手段は、前記モータとベルトリールの間の動力伝達機構が無効であるときに、前記リール回転状態検出手段から正常ではあり得ない信号が出力されたか否かによって前記リール回転状態検出手段の故障診断を単独で実行する回転検出故障単独診断手段を備えていることを特徴とする請求項2に記載の車両のシートベルト装置。
- 前記リール回転状態検出手段またはモータの故障を通知可能な通知手段を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両のシートベルト装置。
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