JP5019585B2 - エポキシ樹脂組成物及びその硬化物、繊維強化複合材料 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物及びその硬化物、繊維強化複合材料 Download PDF

Info

Publication number
JP5019585B2
JP5019585B2 JP2007045554A JP2007045554A JP5019585B2 JP 5019585 B2 JP5019585 B2 JP 5019585B2 JP 2007045554 A JP2007045554 A JP 2007045554A JP 2007045554 A JP2007045554 A JP 2007045554A JP 5019585 B2 JP5019585 B2 JP 5019585B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
epoxy resin
resin composition
formula
fiber
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007045554A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008208201A (ja
Inventor
健一 窪木
高男 須永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Kayaku Co Ltd filed Critical Nippon Kayaku Co Ltd
Priority to JP2007045554A priority Critical patent/JP5019585B2/ja
Publication of JP2008208201A publication Critical patent/JP2008208201A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5019585B2 publication Critical patent/JP5019585B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)

Description

本発明は、エポキシ樹脂組成物、それを強化繊維に含浸させたプリプレグ、エポキシ樹脂組成物の硬化物を構成成分として含む繊維強化複合材料に関する。詳しくは、高信頼性半導体封止用を始めとする電気・電子部品絶縁材料用、及び積層板(プリント配線ガラス繊維強化複合材料)やCFRP(炭素繊維強化複合材料)を始めとする各種複合材料用、各種接着剤用、各種塗料用、構造用部材等に有用なエポキシ樹脂組成物に関する。
一般に繊維強化複合材料に用いられるエポキシ樹脂組成物においてはアミン系の硬化剤が使用されていて、特に炭素繊維強化複合材には芳香族アミン系硬化剤が用いられることが多い。芳香族アミン系硬化剤としてはジアミノジフェニルメタンやジアミノジフェニルホンが主に用いられている。他方電機・電子材料用のガラス繊維強化複合材においてはジシアンジアミドが用いられることが多い。これらの硬化剤はそれぞれの複合材の製造法および複合材の性能の要求に幅広く答え、また様々な使用法、変性等が加えられて長年使用されてきた。しかしながら、近年繊維強化複合材の使用範囲、使用環境が急速に広がってきているため、従来品よりも電機特性、機械特性、耐水性などにおいて高度な性能が要求されるようになっている。
上述のように一般にエポキシ樹脂の芳香族アミン系硬化剤としてはジアミノジフェニルメタンやジアミノジフェニルホンが主に用いられている。ジアミノジフェニルメタンは融点が約90℃程度の結晶で供されていて、溶剤にも溶けやすいためエポキシ樹脂との混合も容易であるが、エポキシ基との反応性が良い為、エポキシ樹脂組成物の可使時間が短いという問題がある。ジアミノジフェニルスルホンは融点が約175℃の結晶で供されていて、ジアミノジフェニルメタンよりも反応性が劣るので可使時間は長くできるが、高融点かつ溶剤に溶け難い性質により、エポキシ樹脂との混合が困難である。また、電機・電子材料用のガラス繊維強化複合材料に多用されるジシアンジアミドは硬化の潜在性において優れているが、溶剤・エポキシ樹脂への溶解性は良いとは言えない。
また、航空機や自動車などの構造材用材料にはジアミノジフェニルメタンやジアミノジフェニルスルホンを使用することが多く、特に高耐熱性を得るためにジアミノジフェニルスルホンが用いられてはいるが、一方吸湿性が高くなり、吸湿後の物性の低下が問題となる。高信頼性を必要とする電子部品(車載用、CPUなど)などにおいてはジシアンジアミドを使用することが多く、やはり吸湿性が高いため、吸湿後の機械物性低下が問題となる。
特許文献1には、アニリンを、パラキシリレン骨格を介して結合した芳香族アミン樹脂を用いたエポキシ樹脂組成物が記載され、該樹脂組成物においても、高耐熱性、対衝撃性に優れた硬化物が得られているが、吸湿後の電気特性の低下は充分に要求を満たしているとは言えない。
特開平1−259024号公報
本発明は、可使用時間が幅広く調節可能で、しかも高耐熱、低吸湿、高耐衝撃性を有する硬化物を与えるエポキシ樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らはエポキシ樹脂硬化物を得ることのできるエポキシ樹脂組成物を求めて鋭意研究した結果、本発明を完成させるに到った。
すなわち本発明は
(1)下記式(1)
Figure 0005019585
(式中、複数存在するRはそれぞれ独立して存在し、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基もしくはフェニル基を表す。nは平均値であり1<n≦5を表す。)で表される芳香族アミン樹脂を硬化剤とし、下記式(2)
Figure 0005019585
(式中、複数存在するRはそれぞれ独立して存在し、Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基もしくはフェニル基を表す。nは平均値であり1<n≦10を表す。)で表されるエポキシ樹脂及び/または下記式(3)
Figure 0005019585
(式中、複数存在するXはそれぞれ独立して存在し、単結合、炭素数1〜9の炭化水素基、硫黄原子、酸素原子、−SO−、−SO−、−CO−、−CO−または−Si(CH−を表す。nは平均値であり1<n≦10を表す。)で表されるエポキシ樹脂、および必要により硬化促進剤を含有するエポキシ樹脂組成物
(2)上記(1)記載のエポキシ樹脂を強化繊維に含浸してなるプリプレグ
(3)上記(1)記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物と強化繊維を含む繊維強化複合材料
(4)強化繊維が炭素繊維である上記(3)記載の繊維強化複合材料
(5)強化繊維がガラス繊維である上記(3)記載の繊維強化複合材料
を、提供するものである。
本発明のエポキシ樹脂組成物は可使時間の調整幅が広くて且つその硬化物において高耐熱性、高耐衝撃性、耐水性に優れた特性を併せ持ち、高信頼性半導体封止用を始めとする電気・電子部品絶縁材料用、及び積層板(プリント配線ガラス繊維強化複合材料)やCFRP(炭素繊維強化複合材料)を始めとする各種複合材料用、各種接着剤用、各種塗料用、構造用部材等に有用である。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、硬化剤として式(1)の芳香族アミン樹脂と、エポキシ樹脂として式(2)及び/または式(3)のエポキシ樹脂を必須成分として含有する。
式(1)の化合物は、アニリン類とビスハロゲノメチルビフェニル類またはビスアルコキシメチルビフェニル類とを反応させることにより得られる。式(1)の化合物の製造に使用されるアニリン類としては、アニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、2−エチルアニリン、3−エチルアニリン、4−エチルアニリン、2,3−ジメチルアニリン、2,4−ジメチルアニリン、2,5−ジメチルアニリン、2,6−ジメチルアニリン、3,4−ジメチルアニリン、3,5−ジメチルアニリン、2−プロピルアニリン、3−プロピルアニリン、4−プロピルアニリン、2−イソプロピルアニリン、3−イソプロピルアニリン、4−イソプロピルアニリン、2−エチル−6−メチルアニリン、2−sec−ブチルアニリン、2−tert−ブチルアニリン、4−ブチルアニリン、4−sec−ブチルアニリン、4−tert−ブチルアニリン、2,6−ジエチルアニリン、2−イソプロピル−6−メチルアニリン、4−ペンチルアニリン、2−アミノビフェニル、4−アミノビフェニルなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
ビスハロゲノメチルビフェニル類またはビスアルコキシメチルビフェニル類としては、4,4´−ビス(クロロメチル)ビフェニル、4,4´−ビス(ブロモメチル)ビフェニル、4,4´−ビス(フルオロメチル)ビフェニル、4,4´−ビス(ヨードメチル)ビフェニル、4,4´−ジメトキシメチルビフェニル、4,4´−ジエトキシメチルビフェニル、4,4´−ジプロポキシメチルビフェニル、4,4´−ジイソプロポキシメチルビフェニル、4,4´−ジイソブトキシメチルビフェニル、4,4´−ジブトキシメチルビフェニル、4,4´−ジ−tert−ブトキシメチルビフェニルなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。ビスハロゲノメチルビフェニル類またはビスアルコキシメチルビフェニル類の使用量は、使用されるアニリン類1モルに対して通常0.05〜0.8モル、好ましくは0.1〜0.6モルである。
反応は必要により酸触媒を使用する。酸性触媒としては、例えば塩酸、燐酸、硫酸、蟻酸、塩化亜鉛、塩化第二鉄、塩化アルミニウム、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等が挙げられる。これらは単独でも二種以上併用しても良い。触媒の使用量は、使用されるアニリン類1モルに対して通常0.1〜0.8モル、好ましくは0.5〜0.7モルであり、多すぎると反応溶液の粘度が高すぎて攪拌が困難になり、少なすぎると反応の進行が遅くなる。
反応は必要によりトルエン、キシレンなどの有機溶剤を使用しても、無溶剤で行っても良い。例えば、アニリン類と溶剤の混合溶液に酸性触媒を添加した後、触媒が水を含む場合は共沸により水を系内から除く。しかる後に40〜100℃、好ましくは50〜80℃でビスハロゲノメチルビフェニル類またはビスアルコキシメチルビフェニル類を1〜5時間、好ましくは2〜4時間かけて添加し、その後溶剤を系内から除きながら昇温して180〜240℃、好ましくは190〜220℃で5〜30時間、好ましくは10〜20時間反応を行う。反応終了後、アルカリ水溶液で酸性触媒を中和後、油層に非水溶性有機溶剤を加えて排水が中性になるまで水洗を繰り返し、加熱減圧下で過剰のアニリン類や有機溶剤を留去することにより式(1)の化合物が得られる。
本発明のエポキシ樹脂組成物で使用される式(2)のエポキシ樹脂は、フェノール類とビスハロゲノメチルビフェニル類またはビスアルコキシメチルビフェニル類とを反応させることにより得られるフェノール樹脂と、エピハロヒドリンを反応させることにより合成される。また、式(3)で表されるエポキシ樹脂は、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールADを始めとするビスフェノール類とエピハロヒドリンとを反応させることにより得られる。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、硬化剤である式(1)の芳香族アミン樹脂は単独で、または他のエポキシ樹脂用硬化剤と併用して用いることが出来る。併用する場合、式(1)の芳香族アミン樹脂の全硬化剤中に占める割合は30重量%以上が好ましく、特に40重量%以上が好ましい。本発明のエポキシ樹脂組成物において、式(2)及び/または式(3)のエポキシ樹脂はそれぞれ単独でもしくは両者を組み合わせて、または他のエポキシ樹脂と併用して用いることが出来る。他のエポキシ樹脂と併用する場合、式(2)及び/または式(3)のエポキシ樹脂の全エポキシ樹脂中に占める割合は30重量%以上が好ましく、特に40重量%以上が好ましい。
式(2)または式(3)のエポキシ樹脂と併用し得る他のエポキシ樹脂の具体例としては、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、芳香族置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、アルキル置換ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)と各種アルデヒド(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アルキルアルデヒド、ベンズアルデヒド、アルキル置換ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、ナフトアルデヒド、グルタルアルデヒド、フタルアルデヒド、クロトンアルデヒド、シンナムアルデヒド等)との重縮合物、フェノール類と各種ジエン化合物(ジシクロペンタジエン、テルペン類、ビニルシクロヘキセン、ノルボルナジエン、ビニルノルボルネン、テトラヒドロインデン、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジイソプロペニルビフェニル、ブタジエン、イソプレン等)との重合物、フェノール類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン等)との重縮合物、ビスフェノール類と各種アルデヒドの重縮合物、アルコール類等をグリシジル化したグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、4−ビニル−1−シクロヘキセンジエポキシドや3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4´−エポキシシクロヘキサンカルボキシラートなどを代表とする脂環式エポキシ樹脂、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン(TGDDM)やトリグリシジル−p−アミノフェノールなどを代表とするグリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂等が挙げられるが、通常用いられるエポキシ樹脂であればこれらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
式(1)の芳香族アミン樹脂と併用し得る他の硬化剤としては、例えばアミン系化合物、酸無水物系化合物、アミド系化合物、フェノ−ル系化合物などが挙げられる。使用できる硬化剤の具体例としては、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンとより合成されるポリアミド樹脂、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、フェノ−ルノボラック、及びこれらの変性物、イミダゾ−ル、BF−アミン錯体、グアニジン誘導体などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物において硬化剤の使用量は、エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して0.7〜1.2当量が好ましい。エポキシ基1当量に対して0.7当量に満たない場合、或いは1.2当量を越える場合、いずれも硬化が不完全になり、良好な硬化物性が得られない恐れがある。
また本発明のエポキシ樹脂組成物においては式(1)の芳香族アミン樹脂は硬化促進剤を使用しなくても硬化はするがゲル化時間が比較的長い。そこで硬化促進剤を使用することによりゲル化時間を調整することも出来る。使用できる硬化促進剤の例としては2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール類、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等の第3級アミン類、トリフェニルホスフィンなどのホスフィン類、オクチル酸スズ等の金属化合物が挙げられる。硬化促進剤はエポキシ樹脂100重量部に対して0.02〜5.0重量部が必要に応じ用いられる。
更に本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて公知の添加剤を配合することが出来る。用いうる添加剤の具体例としては、ポリブタジエン及びこの変性物、アクリロニトリル共重合体の変性物、ポリフェニレンエーテル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリイミド、フッ素樹脂、マレイミド系化合物、シアネートエステル系化合物、シリコーンゲル、シリコーンオイル、並びにシリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、石英粉、アルミニウム粉末、グラファイト、タルク、クレー、酸化鉄、酸化チタン、窒化アルミニウム、アスベスト、マイカ、ガラス粉末等の無機充填材、シランカップリング剤のような充填材の表面処理剤、離型剤、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等の着色剤が挙げられる。
また本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて公知のマレイミド系化合物を配合することができる。用いうるマレイミド化合物の具体例としては、4,4´−ジフェニルメタンビスマレイミド、ポリフェニルメタンマレイミド、m−フェニレンビスマレイミド、2,2´−ビス〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン、3,3´−ジメチル−5,5´−ジエチル−4,4´−ジフェニルメタンビスマレイミド、4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミド、4,4´−ジフェニルエーテルビスマレイミド、4,4´−ジフェニルスルフォンビスマレイミド、1,3−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−マレイミドフェノキシ)ベンゼンなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。マレイミド系化合物を配合する際は、必要により硬化促進剤を配合するが、前記硬化促進剤や、有機化酸化物、アゾ化合物などのラジカル重合開始剤など使用できる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、各成分を均一に混合することにより得られる。本発明のエポキシ樹脂組成物は従来知られている方法と同様の方法で容易にその硬化物とすることが出来る。例えばエポキシ樹脂及び硬化剤ならびに必要により硬化促進剤、添加剤及びマレイミド系化合物を必要に応じて押出機、ニーダ、ロールなどを用いて均一になるまで十分に混合してエポキシ樹脂組成物を得、そのエポキシ樹脂組成物を溶融後注型あるいはトランスファー成型機などを用いて成型し、更に80〜200℃で2〜10時間加熱することにより硬化物を得ることが出来る。
本発明のエポキシ樹脂組成物に有機溶剤を添加しワニス状の組成物(以下、単にワニスという)とすることができる。用いられる溶剤としては、例えばγ−ブチロラクトン類、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルイミダゾリジノン等のアミド系溶剤、テトラメチレンスルフォン等のスルフォン類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のエーテル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶剤が挙げられる。溶剤は、得られたワニス中の溶剤を除く固形分濃度が通常10〜80重量%、好ましくは20〜70重量%となる範囲で使用する。
本発明のエポキシ樹脂組成物を加熱溶融して低粘度化してガラス繊維、カ−ボン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アルミナ繊維などの強化繊維に含浸させることにより本発明のプリプレグを得ることができる。
また、ワニス状のエポキシ樹脂組成物を、強化繊維に含浸させて加熱乾燥させることにより本発明のプリプレグを得ることもできる。
上記のプリプレグを所望の形に裁断、積層後、積層物にプレス成形法やオートクレーブ成形法、シートワインディング成形法などで圧力をかけながらエポキシ樹脂組成物を加熱硬化させることにより本発明の繊維強化複合材料を得ることができる。
また、プリプレグの積層時に銅箔や有機フィルムを積層することもできる。
以下、実施例、比較例により本発明を具体的に説明する。なお、以下において特に断りのない限り「部」は「重量部」を表す。
合成例1
温度計、冷却管、ディーンスターク共沸蒸留トラップ、撹拌機を取り付けたフラスコにアニリン559部とトルエン500部を仕込み、室温で35%塩酸167部を1時間で滴下した。滴下終了後加熱して共沸してくる水とトルエンを冷却・分液した後、有機層であるトルエンだけを系内に戻して脱水を行った。次いで4,4´−ビス(クロロメチル)ビフェニル251部を60〜70℃に保ちながら1時間かけて添加し、更に同温度で2時間反応を行った。反応終了後、昇温をしながらトルエンを留去して系内を190〜200℃とし、この温度で15時間反応をした。その後冷却しながら30%水酸化ナトリウム水溶液500部を系内が激しく還流しないようにゆっくりと滴下し、80℃以下で留去したトルエンを系内に戻し、70℃〜80℃で静置した。分離した下層の水層を除去し、反応液の水洗を洗浄液が中性になるまで繰り返した。次いで油層から加熱減圧下において過剰のアニリンとトルエンを留去することにより式(4)
Figure 0005019585
(式中nは平均値であり1<n≦5を表す。)の芳香族アミン樹脂335部(A1)を得た。芳香族アミン樹脂(A1)の軟化点は59℃、溶融粘度は0.05Pa・sであった。また、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した結果式(4)におけるnは1.6であった。
合成例2
合成例1においてアニリン559部を745部に、35%塩酸167部を292部に、30%水酸化ナトリウム水溶液500部を680部に変えた以外は同様の操作を行った。その結果式(4)の芳香族アミン樹脂343部(A2)を得た。芳香族アミン樹脂(A2)の軟化点は54℃、溶融粘度は0.04Pa・sであった。また、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した結果式(4)におけるnは1.4であった。
合成例3
合成例1においてアニリン559部を372部に、35%塩酸167部を20部に、30%水酸化ナトリウム水溶液500部を293部に変えた以外は同様の操作を行った。その結果式(4)の芳香族アミン樹脂343部(A3)を得た。芳香族アミン樹脂(A3)の軟化点は68℃、溶融粘度は0.11Pa・sであった。また、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した結果式(4)におけるnは2.1であった。
比較合成例1
合成例1において、アニリン559部を931部に、35%塩酸167部を417部に、4,4´−ビス(クロロメチル)ビフェニル251部をα,α´−ジクロロ−p−キシレン175部に、30%水酸化ナトリウム水溶液500部を800部に変えた以外は同様の操作を行った。その結果式(5)
Figure 0005019585
の油状の芳香族アミン樹脂(H1)270部を得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した結果式(5)におけるnは1.3であった。
比較合成例2
フェノール−キシリレングリコール縮合型樹脂XLC−4L(三井化学製)170部に対しエピクロルヒドリン370部、メタノール26部を仕込み撹拌下で約70℃に昇温し、完全に溶解させた後、還流条件化でフレーク状水酸化ナトリウム41部を100分かけて分割添加した。その後、更に70℃で1時間、後反応を行った。次いで水を150部加えて水洗を2回行い、加熱減圧下で油層から過剰のエピクロルヒドリンなどを除去した。残留分にメチルイソブチルケトン312部を加えて溶解し、70℃で30%水酸化ナトリウム水溶液10部を加えて1時間反応を行った。反応後、水洗を3回行い生成塩などを除去した。加熱減圧下でメチルイソブチルケトンを留去し、エポキシ樹脂(E4)203部を得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は238g/eq、軟化点は52℃であった。
実施例1〜6
合成例1〜3で得られた芳香族アミン樹脂(A1)〜(A3)を使用し、各種のエポキシ樹脂、硬化促進剤を表1の割合(重量部)で配合し、ミキシングロールで混練、タブレット化後、トランスファー成形で樹脂成形体を調製し、160℃で2時間、更に180℃で8時間硬化させた。また、組成物が室温で液状であるものは各成分を金属容器中で加熱溶融混合してそのまま金型に流し込み、160℃で2時間、更に180℃で8時間硬化させた。このようにして得られた硬化物の物性を以下の項目について測定した結果を表1に示す。
・ゲルタイム:175℃でのゲル化までの時間を測定
・ガラス転移温度:動的粘弾性試験機により測定し、tanδが最大値のときの温度。
・吸湿率:121℃/100%で24時間後の重量増加率。試験片は直径50mm×厚み4mmの円盤。
・アイゾッド衝撃試験値:JIS K7110に準拠して行った。
・誘電率:JIS K6991に準拠して行い、1GHzにおいて測定した。
比較例1〜4
比較製造例1,2で得られた樹脂と各種エポキシ樹脂・硬化剤を用い、実施例と同様に樹脂成形体を調製し、硬化物の物性を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0005019585
注)
(E1):式(2)においてRが水素原子である化合物。NC−3000(日本化薬製 エポキシ当量270g/eq)
(E2):ビスフェノールA型エポキシ樹脂(JER製 jER−828、エポキシ当量185g/eq)
(E3):ビスフェノールA型エポキシ樹脂(JER製 jER−1001、エポキシ当量480g/eq)
(E4):比較合成例2で合成したエポキシ樹脂
(A1)〜(A3):実施例1〜3で合成した芳香族アミン樹脂
DDM:4,4´−ジアミノジフェニルメタン
DDS:4,4´−ジアミノジフェニルメタン
H1:比較合成例1で合成した芳香族アミン樹脂
TAP:2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール

Claims (5)

  1. 下記式(1)
    Figure 0005019585
    (式中、複数存在するRはそれぞれ独立して存在し、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基もしくはフェニル基を表す。nは平均値であり1<n≦5を表す。)で表される芳香族アミン樹脂を硬化剤とし、下記式(2)
    Figure 0005019585
    (式中、複数存在するRはそれぞれ独立して存在し、Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基もしくはフェニル基を表す。nは平均値であり1<n≦10を表す。)で表されるエポキシ樹脂及び/または下記式(3)
    Figure 0005019585
    (式中、複数存在するXはそれぞれ独立して存在し、単結合、炭素数1〜9の炭化水素基、硫黄原子、酸素原子、−SO−、−SO−、−CO−、−CO−または−Si(CH−を表す。nは平均値であり1<n≦10を表す。)で表されるエポキシ樹脂、および必要により硬化促進剤を含有するエポキシ樹脂組成物。
  2. 請求項1記載のエポキシ樹脂組成物を強化繊維に含浸してなるプリプレグ。
  3. 請求項1記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物と強化繊維を含む繊維強化複合材料。
  4. 強化繊維が炭素繊維である請求項3記載の繊維強化複合材料。
  5. 強化繊維がガラス繊維である請求項3記載の繊維強化複合材料。
JP2007045554A 2007-02-26 2007-02-26 エポキシ樹脂組成物及びその硬化物、繊維強化複合材料 Active JP5019585B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007045554A JP5019585B2 (ja) 2007-02-26 2007-02-26 エポキシ樹脂組成物及びその硬化物、繊維強化複合材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007045554A JP5019585B2 (ja) 2007-02-26 2007-02-26 エポキシ樹脂組成物及びその硬化物、繊維強化複合材料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008208201A JP2008208201A (ja) 2008-09-11
JP5019585B2 true JP5019585B2 (ja) 2012-09-05

Family

ID=39784801

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007045554A Active JP5019585B2 (ja) 2007-02-26 2007-02-26 エポキシ樹脂組成物及びその硬化物、繊維強化複合材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5019585B2 (ja)

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6429862B2 (ja) * 2014-04-02 2018-11-28 日本化薬株式会社 芳香族アミン樹脂、マレイミド樹脂、硬化性樹脂組成物およびその硬化物
JP6636665B2 (ja) * 2014-08-01 2020-01-29 日本化薬株式会社 炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物、プリプレグ、炭素繊維強化複合材料
US10550244B2 (en) 2014-11-06 2020-02-04 Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. Resin composition, prepreg, metal foil-clad laminate, resin composite sheet, and printed wiring board
WO2016117584A1 (ja) * 2015-01-21 2016-07-28 日本化薬株式会社 芳香族アミン樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
KR102476086B1 (ko) 2015-06-25 2022-12-09 닛뽄 가야쿠 가부시키가이샤 에폭시 수지 조성물 및 그 경화물
JPWO2017099193A1 (ja) * 2015-12-11 2018-09-27 日本化薬株式会社 エポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂組成物成型体、硬化物および半導体装置
WO2017099194A1 (ja) * 2015-12-11 2017-06-15 日本化薬株式会社 エポキシ樹脂組成物、プリプレグ、エポキシ樹脂組成物成型体及びその硬化物
JP2019001841A (ja) * 2017-06-12 2019-01-10 信越化学工業株式会社 エポキシ樹脂組成物及び該組成物の硬化物を備える半導体装置
JP6636599B2 (ja) * 2018-11-30 2020-01-29 日本化薬株式会社 エポキシ樹脂組成物、プリプレグ及び金属張積層板、プリント配線基板
EP3932994A4 (en) 2019-02-28 2022-11-02 Idemitsu Kosan Co., Ltd. RESIN COMPOSITION AND MOLDED BODY THEREOF
JP6836622B2 (ja) * 2019-04-17 2021-03-03 日本化薬株式会社 芳香族アミン樹脂、マレイミド樹脂、硬化性樹脂組成物およびその硬化物
JP6836621B2 (ja) * 2019-04-17 2021-03-03 日本化薬株式会社 マレイミド樹脂、硬化性樹脂組成物およびその硬化物
JP7236794B1 (ja) * 2021-10-27 2023-03-10 日本化薬株式会社 アミン化合物、マレイミド化合物、硬化性樹脂組成物およびその硬化物

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0816151B2 (ja) * 1987-10-08 1996-02-21 三井東圧化学株式会社 芳香族アミン樹脂およびその製造方法
JP2546860B2 (ja) * 1987-11-10 1996-10-23 三井東圧化学株式会社 芳香族アミン樹脂の製造方法
JP2622147B2 (ja) * 1988-04-08 1997-06-18 三井東圧化学株式会社 エポキシ樹脂組成物
JP2004035702A (ja) * 2002-07-03 2004-02-05 Toray Ind Inc 繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物、繊維強化複合材料および繊維強化複合材料の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008208201A (ja) 2008-09-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5019585B2 (ja) エポキシ樹脂組成物及びその硬化物、繊維強化複合材料
JP5030297B2 (ja) 積層板用樹脂組成物、プリプレグ及び積層板
JP6429862B2 (ja) 芳香族アミン樹脂、マレイミド樹脂、硬化性樹脂組成物およびその硬化物
JP6764470B2 (ja) マレイミド樹脂、硬化性樹脂組成物およびその硬化物
JP6789936B2 (ja) エポキシ樹脂組成物およびその硬化物
JP6660890B2 (ja) 芳香族アミン樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP6963565B2 (ja) アルケニル基含有樹脂、硬化性樹脂組成物およびその硬化物
JP6620981B2 (ja) 熱硬化性成形材料、その製造方法および半導体封止材
WO2022209642A1 (ja) エポキシ樹脂及びその製造方法、硬化性樹脂組成物、およびその硬化物
JP7268256B1 (ja) エポキシ樹脂、硬化性樹脂組成物、およびその硬化物
JP2015212356A (ja) フェノール樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、およびその硬化物
JP5448137B2 (ja) 多価フェノール樹脂、エポキシ樹脂組成物、およびその硬化物
WO2013035808A1 (ja) エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、およびその硬化物
JP5170724B2 (ja) エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP7240989B2 (ja) 硬化性樹脂組成物およびその硬化物
JP2000103941A (ja) エポキシ樹脂組成物及び半導体封止材料
JP7230285B1 (ja) エポキシ樹脂、硬化性樹脂組成物、およびその硬化物
WO2022107678A1 (ja) エポキシ樹脂、硬化性樹脂組成物、およびその硬化物
JP6942550B2 (ja) 樹脂組成物、樹脂ワニス、積層板の製造方法、熱硬化性成型材料、封止材、およびプロペニル基含有樹脂の製造方法
JP2022147099A (ja) エポキシ樹脂、硬化性樹脂組成物、およびその硬化物
JPH03221516A (ja) エポキシ樹脂の製造方法とエポキシ樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090904

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110127

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120611

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120611

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5019585

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150622

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250