JP5016295B2 - スパッタリングターゲット及び追記型光記録媒体 - Google Patents

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Description

本発明は、光記録媒体の構成層である酸化物記録層を製膜するために用いるスパッタリングターゲットに係る。また、そのスパッタリングターゲットを用いて製造した光記録媒体、特に青色レーザ波長領域でも高密度記録が可能な追記型光記録媒体に関する。
青色レーザ波長以下で記録再生が可能な追記型光記録媒体を提供するため、超高密度の記録が可能となる青色レーザの開発は急速に進んでおり、それに対応した追記型光記録媒体の開発が行われている。
本出願人は先願(特許文献1参照)において、Bi、Fe、及び酸素を含む膜を用いた追記型光記録媒体が優れた特性を示すことを開示した。また、この層を形成する方法としてスパッタリング法を用いることも開示した。また、Bi、Fe、及びOを含むスパッタリングターゲットについて特願2005−113466などで開示した。
スパッタリング法は薄膜の気相形成法の1つとして従来から広く知られており、工業的な薄膜製造にも利用されてきた。スパッタリング法では、目的とする膜の成分と同じ成分のターゲット材を用意し、通常は、このターゲット材にグロー放電で発生させたアルゴンガスイオンを衝突させてターゲット材の構成原子を叩き出し、基板上に原子を堆積させることにより製膜が行われる。酸化物は一般に融点が高いため、蒸着法などの方法は好ましくなく、高周波を印加する高周波スパッタリングがよく用いられる。
公知技術としては、例えば特許文献2に、誘電体膜形成用のスパッタリングターゲットとしてBi系の酸化物のターゲットが開示されている。しかし、この文献にはFeを含むターゲットについての記述はない。故に、この文献に開示された知見は本発明の参考にはならない。
また、特許文献3には、BiFe12の薄膜製造用のターゲットの記述がある。しかし、この発明は、磁気光学効果が大きい、いわゆるガーネット構造の薄膜を製造するためのものであって本発明とは異なる上に、充填率と媒体特性との関係に関する記述はない。
また、特許文献4には、少なくともTe、Ge、及びSbより構成され、充填率が80%以上の情報記録薄膜形成用スパッタリングターゲットが開示されている。そして、充填率が80%以上であれば、前もって1時間スパッタリングを行うことにより、以後、組成変動はなく長時間にわたって同じ組成が得られるという記載と共に、70%、80%、及び90%の比較データが示されている。しかし、このターゲットの組成は本発明とは異なる上に、90%を超える場合の詳細な比較検討はなされていない。従って、本発明の組成のターゲットを用いて追記型光記録媒体を作製したときに、96%という殆ど100%に近い位置において、媒体特性との関係で臨界が存在するという本発明者等の知見に関して、参考になるような記載はない。
スパッタリング法に用いられる酸化物ターゲットは、一般に金属等に比べると製膜速度が遅く、またターゲットが破損しやすいといった問題がある。
これに対して本発明者らは、特願2005−113466において、充填密度を65〜96%とすることで、製膜時間の短縮、高いターゲット強度、膜組成などの所望の膜質を実現できることを示した。
しかし、本発明者らが鋭意検討した結果、特願2005−113466の酸化物ターゲットを用いて光記録媒体を連続製膜した場合、媒体特性の再現性に問題があることが分った。例えば、初期に作製した光記録媒体と1,000枚目の光記録媒体とでは最適な記録パワーが変化してしまう。
特開2005−108396号公報 特開平11−92922号公報 特公平2−42899号公報 特許2769153号公報
本発明は、従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、再現性良く光記録媒体を量産するのに適するスパッタリングターゲットと、そのスパッタリングターゲットを用いた青色レーザ波長領域でも高密度の記録が可能な追記型光記録媒体の提供を目的とする。
上記課題は、次の<1>〜<6>の発明(以下、本発明1〜6という)によって解決される。
<1> BiとFeを主成分とし、充填密度が96%よりも高いことを特徴とするスパッタリングターゲットである。
<2> Bi、Fe、及びOを主成分とし、充填密度が96%よりも高いことを特徴とするスパッタリングターゲットである。
<3> BiとFeを主成分とし、充填密度が96%よりも高いことを特徴とする追記型光記録媒体の記録層形成用スパッタリングターゲットである。
<4> Bi、Fe、及びOを主成分とし、充填密度が96%よりも高いことを特徴とする追記型光記録媒体の記録層形成用スパッタリングターゲットである。
<5> 前記<3>記載のスパッタリングターゲットを用いて製膜したBiとFeを主成分とする記録層を有することを特徴とする追記型光記録媒体である。
<6> 前記<4>記載のスパッタリングターゲットを用いて製膜したBi、Fe、及びOを主成分とする記録層を有することを特徴とする追記型光記録媒体である。
本発明によれば、再現性良く光記録媒体などを量産するのに適したスパッタリングターゲット、及び、そのターゲットを用いた追記型光記録媒体を提供できる。
以下、上記本発明について詳しく説明する。
前述した先願では、充填密度が65%〜96%の範囲を外れると製膜時にターゲットが破損しやすいという理由で限定を行ったが、その後の検討で、上記範囲では量産における媒体特性の再現性に問題があることが分った。
そこで本発明者らは、この問題を解決するため実験を重ねた結果、ターゲットの表面と内部におけるBiFeターゲットの酸化度やBiFeOターゲットの酸素欠損量の違いが膜質のばらつきに反映しているものと推定した。そして解決方法の一つとして充填密度に着目した。充填密度が低いターゲットは空孔の割合が多く、ぼそぼその形態となる。密度に不均一性も生じやすいと考えられる。このため、ターゲットを構成する元素は焼結した後においても酸化度が変化しやすいと考えられる。ターゲットの表面に近いほど酸化が進行するため、表面と内部とで酸素の濃度勾配が生じやすくなると考えられる。また空孔の密度分布等によって内部への酸素の拡散距離に分布が生じ、酸素欠損量にばらつきが生じやすいと考えられる。そこで、できるだけ充填密度を高くすることについて検討した結果、充填密度を96%よりも高くすれば、再現性良く光記録媒体を量産するのに適するスパッタリングターゲットが得られることを見出した。充填密度に上限はなく、100%でもよい。好ましい充填密度の範囲は97.5〜99.5%である。
なお、ここでいう充填密度とは、実際に作製したターゲットの重量と、ターゲットの体積を100%目的の物質で占めたときの重量(計算で求める)の比である。即ち、充填密度は次の式で表される。
充填密度=(作製したターゲットの重量/計算で求めた重量)×100(%)
上述したように、組成に該当する化合物があれば、その密度から充填密度を決定するが、組成に該当する物質がなければ、BiとFeなどのように単純な物質の密度を使って充填密度を決定する。例えば、BiとFeが1:1の組成とする。この組成では、BiFeOという安定化合物が存在するので、その化合物が生成されているとしてその化合物の密度を文献値と測定値とを比べ、充填密度を計算する。このように化合物が存在しない組成では、X線回折で含まれている物質を決定し、組成を分析してその割合で化合物が含まれているとして充填密度を決定する。例えば、BiとFeが2:1の組成では、BiとBiFeOが1:2で存在しているとして充填密度を計算する。複数の結晶系が存在しているような複雑な系になる組成では、BiとFeの存在する比率でBiとFeが存在しているとして充填密度を計算することができる。
本発明のスパッタリングターゲットは、原料の金属粉末又は酸化物粉末を混合焼成することにより作製される。Biの粉末とFeの粉末、又は、Biの酸化物粉末とFeの酸化物粉末を秤量し、混合、分散、成型、焼結、加工というプロセスで作製することが可能である。焼成法としては、ホットプレス法やHIP法などの加圧加熱焼成法を用いることができる。焼成温度に関しては、粒子間の結合を進行させて充填密度を高めるには高温であることが好ましいが、混合物の融点に応じて、その融点を超えないように制御する必要がある。例えば、Biの酸化物とFeの酸化物を焼結する場合は、Biの酸化物の融点が最も低いので、その融点である800℃程度を超えない温度で焼結する必要がある。
先願発明で問題にした製膜時のターゲットの破損については、原料粉の粒径の微細化、或いは、ガラス形成酸化物、中間酸化物、網目修飾酸化物、助焼結剤等を添加するなどして解決することができる。例えば、B、Si、Ge、Pの酸化物、Sc、La、Y、Sn、Ba、Ca、Sr、Mg、Li、Na、K、Rb、Csの酸化物を添加することが有効である。これらを酸化物の形ではなく元素として添加することも有効である。
スパッタリングターゲットの製造法の大まかな工程を示すと、例えば、Biの酸化物とFeの酸化物を用いるとした場合、Biの酸化物としてごく普通に存在するBiの粉末と、Feの酸化物としてごく普通に存在するFeの粉末を、乾式又は湿式で粉砕し、分級して粒径の揃った粉末にする。次いでこれらを混合し、加熱加圧成型して形状を整えたのち焼成を行う。焼成は例えば大気中で750℃に保持することにより行う。一度焼成したものを再度粉砕し加熱加圧成型を行うという工程を繰り返すことにより、ターゲットの強度を向上させることも可能である。このようにして焼成したターゲットを金属ボンディング又は樹脂ボンディングにより、無酸素銅製のバッキングプレートにボンディングすることにより、スパッタリングターゲットが得られる。
上記のような方法で作製される本発明1〜4のスパッタリングターゲットは、必然的にBiとFe、又は、Bi、Fe、及びOを主成分とするものになるが、ここで主成分とは、通常の場合、原料中に含まれる不純物を除き、上記元素のみからなることを意味する。但し、媒体特性の改善等の目的で必要に応じて微量の添加元素を加えても構わない。
本発明5、6は、それぞれ本発明3、4のスパッタリングターゲットを用いて製膜したBiとFe、又は、Bi、Fe、及びOを主成分とする記録層を有する追記型光記録媒体に関する。
追記型光記録媒体の作製に際しては、ポリカーボネートなどの樹脂基板の上に必要な膜
を製膜する。樹脂基板にはトラッキングなどの制御を行うための溝やピットを形成しても良い。BiとFe、又は、Bi、Fe、Oを主成分とする記録膜は、真空中で、アルゴン、又は、アルゴンと酸素ガスを導入しつつスパッタリングして製膜する。必要に応じて、反射層や特性向上のための保護層などを設けても良い。
次に、本発明の追記型光記録媒体の構成を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の追記型光記録媒体の構成例を示すもので、基板11上に下引層12、記録層13、上引層14、反射層15、保護層16が設けられている。
下引層12及び上引層14の材料としては、SiOx、ZnO、SnO、Al、TiO、In、MgO、ZrO、Ta等の金属酸化物、Si、AlN、TiN、BN、ZrN等の窒化物、AgS、AlS、BS、BaS、BiS、CaS、CdS、CoS、CrS、CuS、FeS、GeS、InS、KS、LiS、MgS、MnS、MoS、NaS、NbS、NiS、PbS、SbS、SnS、SrS、WS、ZnS、TaS等の硫化物、SiC、TaC、BC、WC、TiC、ZrC等の炭化物が挙げられる。これらの材料は、単体で下引層又は上引層として用いることができ、また、混合物として用いることもできる。例えば、混合物としては、ZnSとSiOx、TaとSiOxが挙げられる。これらの材料を下引層12、上引層14として用いる際に考慮すべき材料物性としては、熱伝導率、比熱、硬さ、屈折率、及び基板材料又は記録層材料との密着性等があり、融点が高く、密着性がよいといったことが要求される。
本発明者らの知見によると、記録特性の観点から、下引層12と上引層14の少なくとも一方は硫化物を含んでいることが好ましい。
ここで、下引層12は、記録感度、反射率、あるいはその他の記録再生特性を改善する効果と共に、記録層の信頼性を改善する効果を担う。即ち、光記録媒体の基板には、コストの面から、通常、ポリカーボネートが使用されるが、ポリカーボネートは水分や酸素などのガスバリア性が低いため、基板上に直接記録層を設けると記録層が劣化しやすい。そこで、この記録層の劣化を抑制するため下引層を設けることが好ましい。但し、基板材料としてガスバリア性の高い材料を使用した場合、あるいは基板のレーザ入射面側にガスバリア層が設けられた場合等は、下引層を設けなくてもよい。本発明者らの知見によると、Al、ZnS−SiO、AlN、ZrN、SiNなどが特に好ましい。
上引層14は記録時にレーザー光照射による記録層に加わった熱をこもらせて蓄熱する一方で、反射層に伝熱し、熱を逃がす役割を担う。本発明者らの知見によると、ZnSとSiOとの混合物とするのが好ましい。
下引層12の厚さは10〜150nm、好ましくは15〜100nm、更に好ましくは15〜50nmとする。下引層の材料や膜質に大きく依存するものの、10nm未満では記録層の信頼性の確保が十分でなくなるし、150nmを超えると、スパッタ法等による製膜過程において、膜温度の上昇により膜剥離やクラックが生じたり生産性が悪くなるため好ましくない。
上引層14の厚さは5〜200nm、好ましくは8〜150nm、より好ましくは10〜30nmとする。5nmより薄いと、記録感度が低下し好ましくなく、200nmより厚くなると、温度上昇による膜剥離、変形などがあり好ましくない。
記録層13の膜厚は3〜30nmとすることが好ましく、より好ましくは5〜20nm、更に好ましくは5〜15nmである。3nm未満になると記録感度が著しく悪化し、かつ、十分な変調度を得にくくなる。また、30nmを超えると記録特性が悪化する傾向が見られる。
基板の材料としては、熱的、機械的に優れた特性を有し、基板側から(基板を通して)記録再生が行われる場合には光透過特性にも優れたものであれば、特に限定されず、例えば、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、非晶質ポリオレフィン、セルロースアセテート、ポリエチレンテレフタレート等が挙げられるが、ポリカーボネートや非晶質ポリオレフィンが好適である。
基板の厚さは、用途により適宜設定することができ、特に限定されない。
反射層15を設ける場合、その材料としては、再生光の波長で反射率が充分高いものが好ましく、例えば、Au、Al、Ag、Cu、Ti、Cr、Ni、Pt、Ta、Pd等の金属を単独で、あるいは合金として適用できる。また、上記金属を主成分として他の元素を含んでいても良く、他の元素としては、Mg、Se、Hf、V、Nb、Ru、W、Mn、Re、Fe、Co、Rh、Ir、Zn、Cd、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi等の金属及び半金属を挙げることができる。中でもAg、Alを主成分とするものは、コストが安く高反射率が得られやすいという観点から特に好適である。また、金属以外の材料で低屈折率薄膜と高屈折率薄膜を交互に積み重ねて多層膜を形成し、反射層として用いることも可能である。
反射層を形成する方法としては、例えば、スパッタ法、イオンプレーティング法、化学蒸着法、真空蒸着法等が挙げられる。
反射層の膜厚は、単層構成の場合、40〜300nmが好適である。
多層構造の場合、レーザ光の入射側から見て最奥の層以外では、反射層は、レーザ光を透過させる必要があることから、一般的に反射層ではなく半透明層と呼ばれるが、この場合、半透明層の膜厚は、3〜40nmが好適である。また、基板の上や反射層の下に、反射率の向上、記録特性の改善、密着性の向上等のために公知の無機系又は有機系の中間層や接着層を設けてもよい。
上記反射層上や、その他の構成層間に適宜保護層16を設けてもよい。
保護層の材料としては、外力から保護する機能を有するものであれば、従来公知の材料を何れも適用できる。有機材料としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂等が挙げられる。また、無機材料としては、SiO、SiN、MgF、SnO等が挙げられる。紫外線硬化性樹脂としては、例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレートなどのアクリレート系樹脂が挙げられる。これらの材料は単独で用いても混合して用いても良いし、1層だけでなく多層膜にして用いても良い。
保護層の形成方法としては、記録層と同様にスピンコート法やキャスト法等の塗布法、スパッタ法、化学蒸着法等が用いられるが、特にスピンコート法が好ましい。
熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の膜は、材料を適当な溶剤に溶解して塗布し乾燥することによって形成することができる。
紫外線硬化性樹脂の膜は、材料をそのまま又は適当な溶剤に溶解して塗布し、紫外線を照射して硬化させることによって形成できる。
保護層の膜厚は、一般に0.1〜100μmとするが、特に3〜30μmが好ましい。
本発明の追記型光記録媒体は、所定の構成層上に更に基板を貼り合わせてもよく、また構成層を内面として対向させた多層構造としてもよい。
或いは、所定の構成層上に、紫外線硬化型樹脂などで案内溝を形成した上に、更に所定の構成層を設けるなどした多層構造の光記録媒体としてもよい。
更には、基板鏡面側に、表面保護やゴミ等の付着防止のために紫外線硬化樹脂層や、無機系薄膜等を成膜してもよい。
また、本発明の追記型光記録媒体は、基板側からのみ光を照射して記録再生する構成に限られず、構成層上に所定のカバー層を設け、このカバー層側から光を照射して記録再生するようにしてもよい。薄いカバー層を設け、このカバー層側から記録再生することで、更なる高記録密度化を図ることができる。なお、このようなカバー層は、ポリカーボネートシートや、紫外線硬化型樹脂により形成されるのが一般的である。また、本発明で言うカバー層には、カバー層を接着するための層を含めてもよい。
本発明の追記型光記録媒体に使用されるレーザ光は、高密度記録のため波長が短いほど好ましいが、特に350〜530nmのレーザ光が好ましく、その代表例としては、中心波長405nmのレーザ光が挙げられる。
本発明5、6の追記型光記録媒体には、1回だけ記録できるもの、何回かに分けて文字通り追記可能であるが、同じ場所には一度しか記録できないもの、いわゆるwirte once(ライトワンス)のものの全てを含んでいる。
また、本発明1、2のスパッタリングターゲットは、追記型以外の光記録媒体(例えば光磁気記録媒体)であっても使用は可能である。更に、光記録媒体を中心に説明したが、本発明のスパッタリングターゲットの用途は、光記録媒体に限られる訳ではなく、膜の性能さえ適合すれば他の用途に用いることもできる。例えば、磁性材料薄膜の製膜、光制御用アイソレータを作製するための薄膜の製膜、光スイッチ用薄膜の製膜などに用いることが可能である。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例により限定されるものではない。
参考例
BiとFeの粉末をBiとFeの原子比が6:5になるように混合し、ボールミルで1時間乾式混合した。この混合粉末を100〜200MPaで加圧成型し、Ar中810℃で5時間焼成することによりスパッタリングターゲットを作製した。ターゲットの大きさは、直径200mmφ、厚さ4mmとした。このターゲットを金属ボンディングにより無酸素銅製のバッキングプレートにボンディングし、スパッタリングターゲット1を得た。このターゲットの充填密度は97%、比抵抗は1,000Ωcm以上であった。以上のように、ターゲットの充填密度が96%よりも高いので、再現性良く光記録媒体を量産することができる。
参考例
参考例1で作製したスパッタリングターゲットを記録層材料に用い、図1に示す層構成の追記型光記録媒体を作製した。
即ち、案内溝(溝深さ21nm、トラックピッチ0.43μm、図示せず)を有するポリカーボネート基板11上に、スパッタリング法を用いて、膜厚15nmのAlからなる下引層12、膜厚13nmのBiFeOからなる記録層13、膜厚20nmのZnSSiO(モル比80:20)からなる上引層14、膜厚100nmのAlTi(Ti:1重量%)からなる反射層15を順に設け、更にその上に、スピンコート法で紫外線硬化型樹脂(日本化薬社製アクリル樹脂:A081)からなる膜厚約5μmの保護層16を設けて追記型光記録媒体を得た。スパッタリングには、Unaxis製のDVDスプリンタ装置を用いた。
この「Unaxis製のDVDスプリンタ装置」という記述は、「Unaxis社製のDVD sprinterという製膜装置」を意味する。なお、直径76.2mmのターゲットの場合は、CFS−8EP−55という製膜装置を用いて製膜し、直径200mmのターゲットの場合は、Unaxis社製のDVD sprinterという製膜装置を用いて製膜する。
上記光記録媒体に対し、パルステック工業(株)製の光ディスク評価装置DDU−1000(波長:405nm、NA:0.65)を用いて、以下の条件で二値記録を行った。
・変調方式 : 1−7変調
・記録線密度 : 最短マーク長(2T)=0.204(μm)
・記録線速度 : 6.61(m/s)
そして、1〜10枚目、1,001〜1,010枚目、2,001〜2,010枚目・・・・・9,001〜9,010枚目というように1,000枚置きに10枚をサンプルとして抜き取り、10枚平均の特性を比較した。
その結果、全てのサンプルについて、連続記録部において、記録パワー6mWで6%台という良好なジッタ値(リミットイコライザ使用)が得られた。また変調度(Modulated amplitude)60%以上を有し、記録極性がHigh to Lowである良好な記録再生特性を実現することができた。更に、HD DVD−R規格に準拠した評価では(基板のトラックピッチを0.40μmとした)、PRSNR=20以上が実現でき、非常に良好な記録再生特性が実現された。なお、PRSNR(Partial Response Signal to Noise Ratio)は、HD DVD−R規格に基づく信号品質を評価する指標である。
参考例
BiとFeの粉末をBiとFeの原子比が2:1になるように混合した点以外は、参考例1と同様にしてスパッタリングターゲット2を得た。このターゲット2の充填密度は99%、比抵抗は1,000Ωcm以上であった。以上のように、ターゲットの充填密度が96%よりも高いので、再現性良く光記録媒体を量産することができる。
参考例
参考例3で作製したスパッタリングターゲットを記録層材料に用い、図1に示す層構成の追記型光記録媒体を作製した。
即ち、案内溝(溝深さ21nm、トラックピッチ0.43μm、図示せず)を有するポリカーボネート基板11上に、スパッタリング法を用いて、膜厚15nmのAlからなる下引層12、膜厚8nmのBiFeOからなる記録層13、膜厚14nmのZnSSiO(モル比80:20)からなる上引層14、膜厚100nmのAlTi(Ti:1重量%)からなる反射層15を順に設け、更にその上に、スピンコート法で紫外線硬化型樹脂(日本化薬社製アクリル樹脂:A081)からなる膜厚約5μmの保護層16を設けて追記型光記録媒体を得た。スパッタリングには、Unaxis製のDVDスプリンタ装置を用いた。
上記光記録媒体に対し、パルステック工業(株)製の光ディスク評価装置DDU−1000(波長:405nm、NA:0.65)を用いて、以下の条件で二値記録を行った。
・変調方式 : 1−7変調
・記録線密度 : 最短マーク長(2T)=0.204(μm)
・記録線速度 : 6.61(m/s)
そして、1〜10枚目、1,001〜1,010枚目、2,001〜2,010枚目・・・・・9,001〜9,010枚目というように1,000枚置きに10枚をサンプルとして抜き取り、10枚平均の特性を比較した。
その結果、全てのサンプルについて、連続記録部において、記録パワー5mW台で5%台という良好なジッタ値(リミットイコライザ使用)が得られた。また変調度(Modulated amplitude)65%以上を有し、記録極性がHigh to Lowである良好な記録再生特性を実現することができた。更に、HD DVD−R規格に準拠した評価では(基板のトラックピッチを0.40μmとした)、PRSNR=20、SbER=4.3×10−6が実現でき、非常に良好な記録再生特性が実現された。なお、SbER(Simulated bit Error Rate)は、HD DVD−R規格におけるエラーレートを示す値である。
参考例
BiとFeの粉末をBiとFeの原子比が1:1になるように混合した点以外は、参考例1と同様にしてスパッタリングターゲット3を得た。このターゲットの充填密度は96.5%、比抵抗は1,000Ωcm以上であった。以上のように、ターゲットの充填密度が96%よりも高いので、再現性良く光記録媒体を量産することができる。
参考例
参考例5で作製したスパッタリングターゲットを記録層材料に用い、図1に示す層構成の追記型光記録媒体を作製した。
即ち、案内溝(溝深さ21nm、トラックピッチ0.43μm、図示せず)を有するポリカーボネート基板11上に、スパッタリング法を用いて、膜厚20nmのAlからなる下引層12、膜厚15nmのBiFeOからなる記録層13、膜厚20nmのZnSSiO(モル比80:20)からなる上引層14、膜厚100nmのAlTi(Ti:1重量%)からなる反射層15を順に設け、更にその上に、スピンコート法で紫外線硬化型樹脂(日本化薬社製アクリル樹脂:A081)からなる膜厚約5μmの保護層16を設けて追記型光記録媒体を得た。スパッタリングには、Unaxis製のDVDスプリンタ装置を用いた。
上記光記録媒体に対し、パルステック工業(株)製の光ディスク評価装置DDU−1000(波長:405nm、NA:0.65)を用いて、以下の条件で二値記録を行った。
・変調方式 : 1−7変調
・記録線密度 : 最短マーク長(2T)=0.204(μm)
・記録線速度 : 6.61(m/s)
そして、1〜10枚目、1,001〜1,010枚目、2,001〜2,010枚目・・・・・9,001〜9,010枚目というように1,000枚置きに10枚をサンプルとして抜き取り、10枚平均の特性を比較した。
その結果、全てのサンプルについて、連続記録部において、記録パワー6mW台で6%台という良好なジッタ値(リミットイコライザ使用)が得られた。また変調度(Modulated amplitude)65%以上を有し、記録極性がHigh to Lowである良好な記録再生特性を実現することができた。更に、HD DVD−R規格に準拠した評価では(基板のトラックピッチを0.40μmとした)、PRSNR=20、SbER=4.3×10−6が実現でき、非常に良好な記録再生特性が実現された。
実施例7
BiとFeの粉末をBiとFeの原子比が2:1になるように混合し、ボールミルで1時間乾式混合した。この混合粉末をホットプレス法により100〜200MPaで加圧成型し、真空中280℃で6時間焼成することによりスパッタリングターゲットを作製した。ターゲットの大きさは、直径200mmφ、厚さ4mmとした。このターゲットを金属ボンディングにより無酸素銅製のバッキングプレートにボンディングし、スパッタリングターゲット4を得た。このターゲットの充填密度は97%、比抵抗は83Ωcm以上であった。以上のように、ターゲットの充填密度が96%よりも高いので、再現性良く光記録媒体を量産することができる。
実施例8
実施例7で作製したスパッタリングターゲットを記録層材料に用い、図1に示す層構成の追記型光記録媒体を作製した。
即ち、案内溝(溝深さ21nm、トラックピッチ0.43μm、図示せず)を有するポリカーボネート基板11上に、スパッタリング法を用いて、膜厚15nmのAlからなる下引層12、膜厚8nmのBiFeOからなる記録層13、膜厚14nmのZnSSiO(モル比80:20)からなる上引層14、膜厚100nmのAlTi(Ti:1重量%)からなる反射層15を順に設け、更にその上に、スピンコート法で紫外線硬化型樹脂(日本化薬社製アクリル樹脂:A081)からなる膜厚約5μmの保護層16を設けて追記型光記録媒体を得た。スパッタリングには、Unaxis製のDVDスプリンタ装置を用いた。また、BiFeO記録層の製膜は、Arと酸素(Ar流量:40sccm、酸素流量:1sccm)の混合ガス中で行った。
上記光記録媒体に対し、パルステック工業(株)製の光ディスク評価装置DDU−1000(波長:405nm、NA:0.65)を用いて、以下の条件で二値記録を行った。
・変調方式 : 1−7変調
・記録線密度 : 最短マーク長(2T)=0.204(μm)
・記録線速度 : 6.61(m/s)
そして、1〜10枚目、1,001〜1,010枚目、2,001〜2,010枚目・・・・・9,001〜9,010枚目というように1,000枚置きに10枚をサンプルとして抜き取り、10枚平均の特性を比較した。
その結果、全てのサンプルについて、連続記録部において、記録パワー5mW台で5%台という良好なジッタ値(リミットイコライザ使用)が得られた。また変調度(Modulated amplitude)65%以上を有し、記録極性がHigh to Lowである良好な記録再生特性を実現することができた。更に、HD DVD−R規格に準拠した評価では(基板のトラックピッチを0.40μmとした)、PRSNR=20、SbER=4.3×10−6が実現でき、非常に良好な記録再生特性が実現された。
参考例
Biとα−Feの粉末をBiとFeの原子比が2:1になるように混合し、ボールミルで1時間乾式混合した。この混合粉末を、100〜200MPaで加圧成型し、大気中750℃で5時間焼成することにより、ターゲットを作製した。ターゲットの大きさは、直径76.2mmφ、厚さ4mmとした。このターゲットを金属ボンディングにより無酸素銅製のバッキングプレートにボンディングし、ターゲットAを得た。このターゲットAの充填密度は99%、比抵抗は1,000Ωcm以上であった。以上のように、ターゲットの充填密度が96%よりも高いので、再現性良く光記録媒体を量産することができる。
上記ターゲットのX線回折パターンを測定した。測定条件は表1に示した通りである。測定結果を図2に示す。
この測定で得られた回折ピークの位置を同定するために検索を行い、既存物質との照合を行った。図2の一番上に示されている(a)がターゲットAの回折パターンであり、その下の(b)はBiFeOの回折ピークが出る位置を既知のデータで示したものである。X線回折には過去に測定されたデータなどから既知物質の回折線がどこに出てどの程度の強度なのかがデータベース化されており、そのデータと比較することにより測定物質を同定することができる。
(b)で示したBiFeOのデータと(a)の測定データを比較して検索した結果、○印を付けたピークがBiFeOのピークであるということが分かった。
(c)は、α−Feの既知データ、(d)は、Biの既知データであり、同様にしてα−Fe、Biの同定を行ったが、顕著なピークは見当たらなかった。
以上の結果から、最も大きなピークは、BiFeOのピークであり、この化合物が主に存在していることが明らかとなった。
参考例10
参考例9で作製したターゲットAを用いて光記録媒体を作製した。
案内溝(溝深さ21nm、トラックピッチ0.43μm)を有するポリカーボネート基板上に、スパッタリング法で、膜厚15nmのAl層、膜厚13nmのBiFeO層、膜厚20nmのZnS・SiO層、膜厚100nmのAlTi(Ti:1重量%)層を順に設け、更にその上に、スピンコート法で紫外線硬化型樹脂(サンノプコ社製:ノプコキュア134)からなる膜厚約5μmの保護層を設けて追記型光記録媒体を得た。スパッタリング製膜には、芝浦メカトロニクス製のスパッタリング装置(CFS−8EP−55)を用いた。スパッタリング条件は、Ar流量:40sccm、電力:100Wである。ターゲットをボンディングした無酸素銅製のバッキングプレートの裏面には、マグネトロンスパッタリング用のマグネットが配置されている。BiFeO層の製膜は、RFマグネトロンスパッタリングにより行った。
上記光記録媒体に対し、パルステック工業(株)製の光ディスク評価装置DDU−1000(波長:405nm、NA:0.65)を用いて、以下の条件で二値記録を行った。
・変調方式 : 1−7変調
・記録線密度 : 最短マーク長(2T)=0.204(μm)
・記録線速度 : 6.61(m/s)
その結果、連続記録部において、記録パワーが6.4mWで6.2%という良好なジッタ値(リミットイコライザ使用)が得られ、かつ変調度(Modulated amplitude)62%で、記録極性がHigh to Lowである良好な記録再生特性を実現することができた。また、HD DVD−R規格に準拠した評価では(基板のトラックピッチを0.40μmとした)、PRSNR=23、SbER=5.8×10−7が得られ、非常に良好な記録再生特性が実現できた。ここで、PRSNRは、HD DVD−R規格に基く信号品質を表す指標であり、SbERは、HD DVD−R規格におけるエラーレートを示す値である。
参考例11
Biとα−Feの粉末及びBiとFeの粉末をBiとFeの原子比が1:1になるように混合し、ボールミルで1時間乾式混合した。この混合粉末を800℃で5時間焼成し、焼成の終わった粉末をX線回折で確認したところ、BiFeOの粉末が形成されていた。
一方、Biとα−Feの粉末及びBiとFeの粉末を、BiとFeの原子比が25:1になるように混合し、ボールミルで1時間乾式混合した。この混合粉末を800℃で5時間焼成し、焼成の終わった粉末をX線回折で確認したところ、Bi25FeO40の粉末が形成されていた。
上記2つの粉末を23:1のモル比で混合し、ボールミルで1時間乾式混合した。この混合粉末をホットプレス法により900℃、100〜200MPaで加圧成型し、3時間焼成することによりターゲットを作製した。ターゲットの大きさは、直径76.2mmφ、厚さ4mmとした。このターゲットを金属ボンディングにより無酸素銅製のバッキングプレートにボンディングし、ターゲットBを得た。このターゲットBの充填密度は97%、比抵抗は1,000Ωcm以上であった。以上のように、ターゲットの充填密度が96%よりも高いので、再現性良く光記録媒体を量産することができる。
参考例12
参考例11で作製したターゲットBを用いた点以外は、参考例10と同様にして光記録媒体を作製し、二値記録を行った。
その結果、連続記録部において、記録パワーが6.1mWで5.9%という良好なジッタ値(リミットイコライザ使用)が得られ、かつ変調度(Modulated amplitude)62%で、記録極性がHigh to Lowである良好な記録再生特性を実現することができた。また、HD DVD−R規格に準拠した評価では(基板のトラックピッチを0.40μmとした)、PRSNR=21、SbER=2.1×10−6が得られ、非常に良好な記録再生特性が実現できた。
参考例13
Biとα−Feの粉末をBiとFeの原子比が6:5になるように混合し、ボールミルで1時間乾式混合した。この混合粉末を100〜200MPaで加圧成型し、大気中750℃で5時間焼成することによりターゲットを作製した。ターゲットの大きさは、直径200mmφ、厚さ6mmとした。このターゲットを金属ボンディングにより無酸素銅製のバッキングプレートにボンディングし、ターゲットCを得た。このターゲットCの充填密度は99%、比抵抗は1,000Ωcm以上であった。以上のように、ターゲットの充填密度が96%よりも高いので、再現性良く光記録媒体を量産することができる。
参考例14
参考例13で作製したターゲットCを用いて光記録媒体を作製した。
案内溝(溝深さ21nm、トラックピッチ0.43μm)を有するポリカーボネート基板上に、スパッタリング法で、膜厚10nmのAl層、膜厚13nmのBiFeO層、膜厚20nmのZnS・SiO層、膜厚100nmのAg層を順に設け、更にその上に、スピンコート法で、紫外線硬化型樹脂(サンノプコ社製:ノプコキュア134)からなる膜厚約5μmの保護層を設けて追記型光記録媒体を得た。スパッタリング製膜には、UNAXIS製のスパッタリング装置(DVD Sprinter)を用いた。スパッタリング条件は、Ar流量:20sccm、電力:1.2kWである。ターゲットをボンディングした無酸素銅製のバッキングプレートの裏面には、マグネトロンスパッタリング用のマグネットが配置されている。BiFeO層の製膜は、RFマグネトロンスパッタリングにより行った。
上記光記録媒体に対し、参考例10と同様にして二値記録を行った。
その結果、連続記録部において、記録パワーが8.8mWで5.5%という良好なジッタ値(リミットイコライザ使用)が得られ、かつ変調度(Modulated amplitude)55%で、記録極性がHigh to Lowである良好な記録再生特性を実現することができた。また、HD DVD−R規格に準拠した評価では(基板のトラックピッチを0.40μmとした)、PRSNR=33、SbER=9.6×10−10
得られ、非常に良好な記録再生特性が実現できた。
参考例15
BiとFeの粉末をBiとFeの原子比が2:1になるように混合し、ボールミルで1時間乾式混合した。この混合粉末を、ホットプレス法により、100〜200MPaで加圧成型し、大気中780℃で5時間焼成した後、図3のように加工を行い溝を形成した。ターゲットの大きさは、直径200mmφ、厚さ6mmとした。このターゲットを金属ボンディングにより無酸素銅製のバッキングプレートにボンディングし、スパッタリングターゲットを得た。このターゲットの充填密度は97%、比抵抗は1,000Ωcm以上であった。比抵抗が大きいため、高周波スパッタリングにより製膜を行った。ターゲットの充填密度が96%よりも高く、マグネトロンスパッタをより効率よく行うことができ、製膜時のプラズマ放電が安定するので、再現性良く光記録媒体を量産することができる。
参考例16
BiNiとFeNiの粉末をBiとFeの原子比が2:5になるように混合し、ボールミルで1時間乾式混合した。この混合粉末をホットプレス法により100〜200MPaで加圧成型し、Ar中450℃で10時間焼成することにより、スパッタリングターゲットを作製した。ターゲットの大きさは、直径76.2mm、厚さ4mmとした。このターゲットを金属ボンディングにより無酸素銅製のバッキングプレートにボンディングし、スパッタリングターゲットを得た。このターゲットの充填密度は、98%、比抵抗は、10μΩcm程度であった。以上のように、ターゲットの充填密度が96%よりも高いので、再現性良く光記録媒体を量産することができる。
このスパッタリングターゲットを用いて記録層を製膜して光記録媒体を作製し評価したところ、ジッタ値9.6と良好な特性を示した。
参考例17
BiとFeの粉末をBiとFeの原子比が2:1になるように混合し、ボールミルで1時間乾式混合した。この混合粉末を、ホットプレス法により、100〜200MPaで加圧成型し、大気中780℃で5時間焼成することによりスパッタリングターゲットを作製した。ターゲットの大きさは、直径200mmφ、厚さ6mmとした。このターゲットを金属ボンディングにより無酸素銅製のバッキングプレートにボンディングし、スパッタリングターゲットを得た。このターゲットの充填密度は97%、比抵抗は1,000Ωcm以上であった。比抵抗が大きいため、高周波スパッタリングにより製膜を行った。以上のように、ターゲットの充填密度が96%よりも高いので、再現性良く光記録媒体を量産することができる。
参考例18
また、BiとFeとZnOの粉末をモル比が6:1:3になるように混合し、ボールミルで1時間乾式混合した。この混合粉末をホットプレス法により100〜300MPaで加圧成型し、大気中800℃で5時間焼成することにより、スパッタリングターゲットを作製した。ターゲットの大きさは、直径200mmφ、厚さ6mmとした。このターゲットを金属ボンディングにより無酸素銅製のバッキングプレートにボンディングし、スパッタリングターゲットを得た。このターゲットの充填密度は99%、比抵抗は7mΩcmであった。Arガス中で直流スパッタリングによりBi―Fe―Zn−O記録層を製膜した。製膜速度が上記参考例17の1.7倍となり、生産性が向上する効果があった。また、ターゲットの充填密度が96%よりも高いので、再現性良く光記録媒体を量産することができる。また、記録層での光の吸収が大きくなり、光記録媒体への記録時の感度も向上するという効果もあった。
比較例1
BiとFeの粉末をBiとFeの原子比が2:5になるように混合した点以外は、参考例1と同様にしてスパッタリングターゲットを得た。このターゲットの充填密度は94%、比抵抗は1,000Ωcm以上であった。
次いで、上記のターゲットを用いた点以外は、参考例2と同様にして追記型光記録媒体を作製した。
この光記録媒体に対し、参考例2と同様にして二値記録を行い、1,000枚おきに10枚抜き取って特性を比較した結果、2,000枚目以降は、連続記録部において、PRSNR=20未満となった。
以上のように、ターゲットの充填密度が96%以下であるので、再現性良く光記録媒体を量産することができない。
比較例2
BiとFeの粉末をBiとFeの原子比が3:5になるように混合した点以外は、参考例1と同様にしてスパッタリングターゲットを得た。このターゲットの充填密度は95%であった。
次いで、上記のターゲットを用いた点以外は、参考例2と同様にして追記型光記録媒体を作製した。
この光記録媒体に対し、参考例2と同様にして二値記録を行い、1,000枚おきに10枚抜き取って特性を比較した結果、3,000枚目以降は、連続記録部において、PRSNR=20未満となった。
以上のように、ターゲットの充填密度が96%以下であるので、再現性良く光記録媒体を量産することができない。
比較例3
BiとFeの粉末をBiとFeの原子比が2:1になるように混合し、ボールミルで1時間乾式混合した。この混合粉末をホットプレス法により100〜200MPaで加圧成型し、大気中780℃で5時間焼成することにより、スパッタリングターゲットを作製した。ターゲットの大きさは、直径76.2mm、厚さ4mmとした。このターゲットを金属ボンディングにより無酸素銅製のバッキングプレートにボンディングし、スパッタリングターゲットを得た。このターゲットの充填密度は71%、比抵抗は1MΩcm以上であった。
このスパッタリングターゲットを用いて直流スパッタリングを試みたが、プラズマ放電が起きず、製膜できなかった。
また、ターゲットの充填密度が96%以下であるので、再現性良く光記録媒体を量産することができない。
図1は、本発明に係る光記録媒体の層構成を示す図である。 図2は、ターゲット1のX線回折パターンの測定結果を示す図である。 図3は、ターゲット表面に溝を設けた構造を示す図である。
符号の説明
11 基板
12 下引層
13 記録層
14 上引層
15 反射層
16 保護層

Claims (2)

  1. 真空中で焼成して得られ、BiとFeを主成分とし、充填密度が96%よりも高いことを特徴とするスパッタリングターゲット。
  2. 真空中で焼成して得られ、BiとFeを主成分とし、充填密度が96%よりも高いことを特徴とする追記型光記録媒体の記録層形成用スパッタリングターゲット。
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