JP2010267366A - 光情報記録媒体およびスパッタリングターゲット - Google Patents

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【課題】光情報記録媒体(例えばBD−ROM)の反射膜として適切な反射率を示すと共に、再生安定性に優れ、かつ耐久性にも極めて優れた反射膜を備えた、読み出し専用光情報記録媒体を提供する。
【解決手段】反射膜2を有する読み出し専用の光情報記録媒体であって、前記反射膜は、Siおよび/またはGeを5〜40%(特記しない限り、成分において%は原子%を意味する。以下同じ。)含むと共に、高融点金属元素および/または希土類元素(好ましくは、Ti、FeおよびMnよりなる群から選択される1種以上の元素)を0.7〜5%含むAl基合金からなることを特徴とする光情報記録媒体。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば青色レーザーを使用して再生を行う読み出し専用型のBD(ブルーレイディスク)等の光情報記録媒体、および該光情報記録媒体の反射膜形成用スパッタリングターゲットに関するものである。
光情報記録媒体(光ディスク)は、記録再生原理に基づき、読み出し専用型、追記型、書き換え型の3種類に大別される。
図1に、読み出し専用の光情報記録媒体(1層光ディスク)の代表的な構成を模式的に示す。図1に示すように、読み出し専用の光情報記録媒体は、透明プラスチックなどの基板1の上に、Ag、Al、Auなどを主成分とする反射膜2と、光透過層3とが順次積層された構造を有している。基板1には、ランド・ピットと呼ばれる凹凸の組み合わせによる情報が記録されており、例えば、厚さ1.1mm、直径12cmのポリカーボネート製基板が用いられる。光透過層3は、例えば光透過シートの貼り合せまたは光透過性樹脂の塗布・硬化によって形成される。記録データの再生は、光ディスクに照射されたレーザー光の位相差や反射差を検出することによって行われる。
図1には、ランド・ピット(記録データ)の組み合わせによる情報が記録された基板1上に、反射膜2および光透過層3がそれぞれ1層ずつ形成された1層光ディスクを示しているが、例えば図2に示すように、第1の情報記録面11および第2の情報記録面12を備えた2層光ディスクも用いられる。詳細には、図2の2層光ディスクは、凹凸のランド・ピット(記録データ)の組み合わせによる情報が記録された基板1上に、第1の反射膜2A、第1の光透過層3A、第2の反射膜2B、および第2の光透過層3Bが順次積層された構成を有しており、第1の光透過層3Aには、基板1とは別の情報がランド・ピットの組み合わせによって記録されている。
光ディスクに用いられる前記反射膜としては、これまで、Au、Cu、Ag、Al及びこれらを主成分とする合金が汎用されてきた。Al基合金を用いた反射膜として例えば特許文献1が挙げられる。
このうち、Auを主成分とする反射膜は、化学的安定性に優れ、記録特性の経時変化が少ないという利点を有するが、極めて高価であり、また、例えばBDの記録再生に使用される青色レーザー(波長405nm)に対し、充分高い反射率が得られないという問題がある。また、Cuを主成分とする反射膜は安価であるが、従来の反射膜材料のなかで最も化学的安定性に劣っているほか、Auと同様、青色レーザーに対する反射率が低いという欠点があり、用途が制限されている。これに対し、Agを主成分とする反射膜は、実用波長領域である400〜800nmの範囲で充分高い反射率を示しており、高い化学的安定性を持つことから、現在、青色レーザーを使用する光ディスクにおいて広く利用されている。
Alは波長405nmにおいて充分高い反射率を示し、Ag、Auに比べ価格が安価であるものの、Ag系やAu系の反射膜より化学的安定性に劣っている。よって、耐久性を確保すべく、反射膜の厚みを充分厚くする必要があり、例えばDVD−ROMでは、Al系反射膜の膜厚を充分厚くしている。しかし青色レーザーを使用するBD−ROM(読み出し専用型のブルーレイディスク)では、従来の様にAl系反射膜の膜厚を増加させると、記録信号(再生信号)の精度が低下(すなわち、ジッター値が上昇)し、安定した再生を行うことができないという問題がある。また、反射膜形成直後は優れた特性(初期反射
率、初期ジッター値)を有していても、高温高湿度下で長期保管した場合に、これらの特性が劣化するといった問題があることから、上記反射膜には耐久性にも優れていることが要求される。
WO01/008145号公報
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、光情報記録媒体(例えばBD−ROM)の反射膜として適切なディスク反射率(以下、単に反射率という)を示すと共に、再生安定性に優れ、かつ耐久性にも極めて優れた反射膜を備えた、光情報記録媒体、および上記反射膜の形成に有用なスパッタリングターゲットを提供することにある。
上記課題を解決し得た本発明の光情報記録媒体は、反射膜を有する読み出し専用の光情報記録媒体であって、前記反射膜が、Siおよび/またはGeを5〜40%(特記しない限り、成分において%は原子%を意味する。また、SiおよびGeを含む場合には、これらの合計量をいう。以下同じ)含むと共に、高融点金属元素および/または希土類元素(好ましくはTi、FeおよびMnよりなる群から選択される1種以上の元素)を0.7〜5%(2以上の元素を含む場合には、これらの合計量をいう。以下同じ)含むAl基合金からなるところに特徴を有する。
上記光情報記録媒体は、例えば、基板上に前記反射膜および光透過層の積層された構造を含み、かつ青色レーザーによって情報の再生を行う読み出し専用の光情報記録媒体として好適に用いることができる。
本発明には、前記光情報記録媒体に用いられる反射膜形成用のスパッタリングターゲットであって、Siおよび/またはGeを5〜40%(SiおよびGeを含む場合には、これらの合計量をいう。以下同じ)含むと共に、高融点金属元素および/または希土類元素(好ましくはTi、FeおよびMnよりなる群から選択される1種以上の元素)を0.7〜5%(2以上の元素を含む場合には、これらの合計量をいう。以下同じ)含むAl基合金からなるところに特徴を有する光情報記録媒体の反射膜形成用スパッタリングターゲットも含まれる。
本発明によれば、光情報記録媒体(例えばBD−ROM)の反射膜として適切な反射率を示すと共に再生安定性に優れ、かつ高温高湿度下で長期保管した場合にもこれらの特性が持続する優れた耐久性を示す反射膜を実現できるため、従来のAg合金を反射膜に使用した光情報記録媒体と比較して、製造コストの抑えられた光情報記録媒体を提供することができる。
本発明の光情報記録媒体は、特に、青色レーザーを用いて再生を行うBD−ROMなどの光情報記録媒体に好適に用いられる。
尚、本発明において、上記適切な反射率とは、後述する実施例に示す方法で測定する初期反射率が、40%以上75%以下の範囲内にあることを意味する。初期反射率は、その下限が50%であることが好ましい。一方、その上限は65%であることが好ましく、下記初期ジッター値を容易に達成する観点からは、60%未満であることがより好ましい。
再生安定性に優れるとは、後述する実施例に示す方法で測定する初期ジッター値が6.5%以下であることを意味する。また、耐久性に優れるとは、後述する実施例に示す通り、温度80℃、相対湿度約85%の環境下で96時間保持する加速環境試験を行ったときの、加速環境試験前後の反射率の変化量が±5%以内で、かつ加速環境試験前後のジッター値がいずれも6.5%以下であることを意味する。
図1は、読み出し専用の光情報記録媒体(1層光ディスク)の円周方向の要部を模式的に示す断面図である。 図2は、他の読み出し専用の光情報記録媒体(2層光ディスク)の円周方向の要部を模式的に示す断面図である。
本発明者らは、上記目的を達成すべく、特に光情報記録媒体(例えばBD−ROM)の反射膜として適切な反射率を示すと共に、再生安定性に優れ、かつ優れた耐久性を示す反射膜の素材に適したAl基合金について、様々な角度から検討した。
具体的には、まず前述した特許文献1等に記載の種々の合金元素を含むAl基合金を用いて、これらの合金元素が反射率や再生安定性、耐久性に及ぼす影響を詳細に検討した。より具体的には、ピット・ランドが形成されたポリカーボネート基板上に、スパッタリング法によって種々のAl合金膜を成膜した後、紫外線硬化樹脂の光透過層を成膜した1層BD−ROMを作製し、このBD−ROMについて、後述する実施例に示す方法で、初期反射率、初期ジッター値、および加速環境試験後の耐久性を評価した。その結果、光情報記録媒体(例えばBD−ROM)の反射膜として適切な反射率を示すと共に、再生安定性に優れた反射膜を実現するためには、Siおよび/またはGeを含有させることが不可欠であり、かつ、高温高湿度下で長期保管した場合にもこれらの特性が持続する優れた耐久性を発揮させるためには、高融点金属元素および/または希土類元素を更に含有させるのがよいことが分かり、本発明に到達した。
まず、本発明に係る反射膜に、Siおよび/またはGeを含有させることについて説明する。適切な反射率のみを確保するには、Al合金膜に含有させる合金元素としていくつか挙げられるが、この適切な反射率と、優れた再生安定性の2特性を同時に達成させるには、種々の合金元素の中でも特に、Siおよび/またはGeを含有させることが大変有効であることを見出し、本発明に想到した。上記元素が有効に作用する理由については定かではないが、次の様に考えられる。即ち、BDでは、ピットによるレーザー光の反射・干渉を利用し再生を行っているため、レーザー光の反射挙動が再生特性に影響を与えるものと考えられる。本発明では、この反射挙動を左右する反射膜を、Siおよび/またはGeを含むものとすることで、反射膜の光学定数が変化して最適化され、その結果、初期ジッター値上昇の抑制、即ち、再生安定性の向上に有効に作用するものと考えられる。
上記作用効果を充分に発揮させるには、Siおよび/またはGeを5%以上含有させる必要がある。5%未満では上記ジッター値を充分小さくする効果が不充分となる。Siの含有量を好ましくは10%以上、より好ましくは12%以上とし、Geの含有量を好ましくは7%以上、より好ましくは12%以上とする。一方、上記元素量の上限は40%とする。Si、Geのどちらについても、含有量を増加させると反射膜を構成するAl合金膜の吸収率が増加し、相対的に反射率が低下する。反射率とジッター値のバランスの観点から、Siおよび/またはGeの含有量を好ましくは30%以下、より好ましくは25%以下とする。
次に、本発明に係る反射膜に、高融点金属元素および/または希土類元素を含有させることについて説明する。
高融点金属元素は反射膜の結晶粒の微細化に寄与すると考えられる。スパッタリングによる膜の堆積初期において、高融点金属元素は核生成のポイントとなり、核密度を高める。このため、高融点金属がない場合と比較して堆積した膜の結晶粒が微細になると考えられる。また、希土類元素は反射膜中の組織構造をアモルファスライクにする。希土類元素とAlの原子半径は異なっており、そのため、膜中のAlが結晶格子を組みづらいと考えられ、そのために表面平滑性が向上すると考えられる。そして、加速試験後においても、反射膜の結晶組織の変化(例えば、結晶粒の粗大化)が抑制され、その結果、優れた耐久性が発揮されるものと考えられる。
上記高融点金属元素として、例えば、Ti、Fe、Mn、Ta、W、Mo、Cr、V、Zr、Nb、およびHfが挙げられ、希土類元素として、例えば、Nd、Y、Gd、La、およびDyが挙げられるが、好ましくは、Ti、FeおよびMnよりなる群から選択される1種類以上の元素である。Ti、FeおよびMnが好ましい理由は、入手がし易く、また融点が1200℃〜1700℃程度であるため、溶解法を用いたAl合金ターゲットが製造し易いからである。
上記作用効果を充分に発揮させるには、上記高融点金属元素および/または希土類元素を0.7%以上含有させる必要がある。0.7%未満では、組織変化の抑制が充分でなく、加速環境試験を行うとジッター値が初期ジッター値よりも著しく高くなり耐久性に劣る。一方、高融点金属元素および/または希土類元素量が5%を超えると、Al合金膜の光学定数が大きく変化するため、初期ジッター値が高くなり、再生安定性に劣る。よって本発明では、高融点金属元素および/または希土類元素量を5%以下とする。好ましくは2%以下である。
本発明に係る反射膜は、基本的に、Siおよび/またはGeを上記範囲で含むと共に、高融点金属元素および/または希土類元素(好ましくは、Ti、FeおよびMnよりなる群から選択される1種以上の元素)を上記範囲で含み、残部:Alおよび不可避不純物である。
本発明に係る反射膜は、膜厚を25nm以上とすることが好ましい。Alは大気中において透明な酸化皮膜(Al酸化膜)を形成する。酸化皮膜の成長に伴い、実質的なAl合金部分が減少して、反射率が低下しやすくなるためである。より好ましくは30nm以上である。一方、反射膜の膜厚が厚すぎると、成膜時間が長くなり製造コストが高くなる。よって生産性の観点から、膜厚は100nm以下とすることが好ましい。
本発明の光情報記録媒体は、前記成分組成を満たすAl基合金からなる反射膜を備えているところに特徴があり、当該反射膜が適用される光ディスクの構成については特に問わない。本発明に係る反射膜は、例えば前記図1の反射膜2や前記図2の第1の反射膜2Aとして好ましく用いることができる。また、光ディスクにおけるその他の構成部分(光透過層、基板などの種類)についても特に限定されず、通常、用いられるものを採用することができる。
例えば前記図1、2における基板1として、光ディスク用基板に汎用される樹脂、具体的には、例えば紫外線硬化樹脂やポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂などを用いることができる。価格や機械的特性などを考慮すると、ポリカーボネートの使用が好ましい。
基板1の厚さは、おおむね、0.4〜1.2mmの範囲内であることが好ましい。また、基板1上に形成されるピットの深さは、おおむね、50〜100nmの範囲内であることが好ましい。
前記図1、2における光透過層3、3A、3Bの種類も限定されず、例えば、紫外線硬化樹脂、ポリカーボネート樹脂等を用いることができる。光透過層の厚さは、1層光ディスクでは約100μm程度であることが好ましく、2層光ディスクでは、第1の光透過層3Aの厚さは約25μm程度、第2の光透過層3Bの厚さは約75μmであることが好ましい。
本発明に係る反射膜は、例えば、スパッタリング法、蒸着法などによって成膜することができるが、スパッタリング法が好ましい。スパッタリング法によれば、上記の合金元素がAlマトリックス中に均一に分散するので均質な膜が得られ、安定した光学特性や耐久性が得られるからである。
スパッタリング時における成膜条件は特に限定されないが、例えば、以下のような条件を採用することが好ましい。
・基板温度:室温〜50℃
・到達真空度:1×10-5Torr以下(1×10-3Pa以下)
・成膜時のガス圧:1〜4mTorr
・DCスパッタリングパワー密度(ターゲットの単位面積当たりのDCスパッタリングパワー):1.0〜20W/cm2
上記スパッタリング法で、本発明に係る反射膜を形成するには、用いるスパッタリングターゲットとして、Siおよび/またはGeを5〜40%含むと共に、高融点金属元素(例えば、Ti、Fe、Mn、Ta、W、Mo、Cr、V、Zr、Nb、およびHfよりなる群から選択される1種以上の元素)および/または希土類元素(例えば、Ndおよび/またはY)、好ましくは、Ti、FeおよびMnよりなる群から選択される1種以上の元素を0.7〜5%含むAl基合金からなるものであって、所望の成分・組成の反射膜とほぼ同一の成分・組成のAl基合金スパッタリングターゲットを用いれば、組成ズレすることなく、所望の成分・組成の反射膜を形成できるのでよい。
本発明のスパッタリングターゲットのAl基合金の化学成分組成は、上述の通りであり、残部はAlおよび不可避不純物である。
上記スパッタリングターゲットは、溶解・鋳造法、粉末焼結法、スプレーフォーミング法などのいずれの方法によっても製造することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
まず、ランド・ピットを有するNiスタンパーを用い、ポリカーボネートを射出成型することによって厚さ1.1mmの基板を得た。そして得られた基板上に、表1に示す膜厚の各成分組成のAl基合金反射膜を、DCマグネトロンスパッタリング法により形成した。上記反射膜の形成には、純Alスパッタリングターゲット上に各種合金添加用の純金属チップを配置した複合スパッタリングターゲット、またはAl基合金スパッタリングターゲットを用いた。
また、スパッタリング装置には、複数のターゲットの同時放電が可能な多元スパッタリング装置((株)アルバック製 CS−200、または(株)アルバック製 SIH−S100)を用いた。スパッタリング条件は、Arガス流量:20sccm、Arガス圧:約0.1Pa、DCスパッタリングパワー密度:2〜5W/cm2、到達真空度:2.0×10-6Torr以下とした。成膜したAl基合金反射膜の成分組成(表1)は、ICP発光分光法、ICP質量分析法、または蛍光X線分析によって求めた。
次いで、上記の様にして得られた反射膜の上に、スピンコート法により膜厚100μmとなるよう紫外線硬化樹脂を塗布し、紫外線を照射して樹脂の硬化を行い、光透過層を形成した。このようにして各種組成の反射膜をもつ1層BD−ROMを作製した。
(初期ジッター値の測定)
そして、パルステック社製ODU−1000および横河電機社製TA−810を用い、以下の条件でジッター値が最小になるよう、チルト及びフォーカスを調整し、初期ジッター値を測定した。そしてこの初期ジッター値が6.5%以下のものを合格とした。
再生レーザーパワー:0.35mW
ディスク回転速度:4.98m/s
(初期ディスク反射率の測定)
また、反射率の測定には、横河電機社製デジタルオシロスコープを用い、反射信号の最大レベルから反射率(ディスク反射率)を算出した。そしてこの反射率が40%以上で75%以下の範囲内にある場合を合格(適切な反射膜を示す)とした。
(加速環境試験)
上記反射膜の形成されたBD−ROMを用い、温度80℃、相対湿度85%の大気雰囲気中で96時間保持する加速環境試験(恒温恒湿試験)を行って、試験後のジッター値および試験後の反射率を上記と同様にして測定した。そして、加速環境試験前後の反射率の変化量が±5%以内で、かつ初期ジッター値(加速環境試験前のジッター値)および加速環境試験後のジッター値がいずれも6.5%以下である場合を、耐久性に優れると評価した。これらの結果を表1および、表2に併記する。なお、表1中、No.6、7の加速環境試験後のジッター値(96h)は測定できなかったことを示している。また、表中、0hは初期値、96hは加速環境試験後の値を示す。
Figure 2010267366
Figure 2010267366
表1より次の様に考察できる。即ち、No.1〜5は、反射膜が規定の成分・組成を満たすものであるため、適切な反射率を示すと共に、再生安定性に優れ、かつ耐久性にも優れていることがわかる。また、No.6〜15は、Al−Si−Ti合金反射膜におけるSi量をほぼ一定とし、Ti量を変化させた例であるが、これらより、高融点金属元素であるTiの含有量が0.7%を下回ると(No.6、7)、耐久性が悪く、加速環境試験後のジッター値の測定が不可となると共に、反射率の変化量も大きいのに対し、Ti量を0.7%以上とすることで、優れた耐久性を確保することができ、低ジッター値を維持できると共に反射率の変化量も小さくなることがわかる。また、No.14、15より、Ti量が過剰であると、初期ジッター値が大きくなることがわかる。
表2より次の様に考察ができる。即ち、No.16〜25は、反射膜が規定の成分・組成を満たすものであるため、適切な反射率を示すと共に、再生安定性に優れ、かつ耐久性も優れていることがわかる。
1 基板
2 反射膜
3 光透過層
2A 第1の反射膜
2B 第2の反射膜
3A 第1の光透過層
3B 第2の光透過層
11 第1の情報記録面
12 第2の情報記録面

Claims (5)

  1. 反射膜を有する読み出し専用の光情報記録媒体であって、前記反射膜が、Siおよび/またはGeを5〜40%(特記しない限り、成分において%は原子%を意味する。以下同じ。)含むと共に、高融点金属元素および/または希土類元素を0.7〜5%含むAl基合金からなることを特徴とする光情報記録媒体。
  2. 前記高融点金属元素が、Ti、Fe、Mn、Ta、W、Mo、Cr、V、Zr、Nb、およびHfよりなる群から選択される1種類以上の元素であって、前記希土類元素がNdおよび/またはYである請求項1に記載の光情報記録媒体。
  3. 基板上に前記反射膜および光透過層の積層された構造を含み、かつ青色レーザーによって情報の再生が行われる請求項1または2に記載の光情報記録媒体。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の光情報記録媒体に用いられる反射膜形成用のスパッタリングターゲットであって、Siおよび/またはGeを5〜40%含むと共に、高融点金属元素および/または希土類元素を0.7〜5%含むAl基合金からなることを特徴とする光情報記録媒体の反射膜形成用スパッタリングターゲット。
  5. 前記高融点金属元素がTi、Fe、Mn、Ta、W、Mo、Cr、V、Zr、Nb、およびHfよりなる群から選択される1種以上の元素であって、前記希土類元素がNdおよび/またはYである請求項4に記載のスパッタリングターゲット。
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