JP5014653B2 - 発泡性スチレン系樹脂粒子及びスチレン系樹脂発泡成形品の製造方法 - Google Patents
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Description
特許文献1には、脂肪族カルボン酸と脂肪族アルコールのエステル(このエステルは、分子中に水酸基を有せず、常温で固体状である。)または該エステルと微粉滑剤の混合物を発泡性スチレン系樹脂粒子表面に被覆してなる新規発泡性スチレン系樹脂粒子が開示されている。
特許文献1記載の従来技術では、発泡時に発泡粒子の表面気泡に亀裂を入れて成形時の発泡剤拡散を促進するため、成形サイクルは短くなるが、表面気泡の亀裂のために成形品の強度が低下し、割れやすくなる問題がある。
また、前記亀裂のために成形品表面の光沢が無くなり、外観が悪化する問題がある。
また、混合物を多量に被覆すると、成形時の発泡力低下により発泡粒子同士の融着性が悪化する問題がある。
また、特許文献3の第3頁には、バインダーのシリコンオイルとして、25℃の粘度が3000センチストークス以下、好ましくは10〜1000センチストークスのシリコンオイル、中でも水酸基を有しないメチルフェニルポリシロキサンが特に好ましいとの記載があるが、0.1質量%を超える添加は成形時の発泡粒子同士の融着性が阻害されると記載されており、特定のメチルフェニルシリコーンオイルによる成形サイクル短縮、及び低圧での融着性向上については、なんら示唆されていない。また、実施例における成形条件は、0.7kgf/cm2Gの水蒸気で10秒加熱することが記載されている。
また、含浸条件の調整が難しいことに加えて、ポリジメチルシロキサンの含浸に長時間を要するため、生産性が悪い。実施例ではポリジメチルシロキサン(KF−96、粘度100cs)の含浸に100℃×12時間を要している。
また、ポリジメチルシロキサンを含浸させずにメチルフェニルシリコンオイルを表面に被覆した例示(比較例2)では、成形サイクルは短縮されておらず、特定のメチルフェニルシリコンオイルによる成形サイクル短縮、及び低圧での融着性向上については、なんら示唆されていない。
また臭素系難燃剤、及びトルエンを含有した発泡性スチレン系樹脂粒子に、この特定のメチルフェニルシリコーンオイルを被覆すると、成形サイクル短縮効果が小さく、成形品の融着性が悪化する傾向があり好ましくない。
本発明の製造方法において、型内発泡成形する際の成形蒸気圧は0.06MPaG〜0.05MPaGが好ましく、0.05MPaGがより好ましい。
嵩発泡倍数は予備発泡粒子(予備発泡後、23℃で24時間熟成させたもの)を試料としてメスシリンダー(例3000ml容量)内に自然落下させたのち、メスシリンダーの底をたたいて試料容積を一定にさせ、その容積と質量を測定し次式により算出した。質量は0.1g単位で測定し、樹脂比重はスチレン系樹脂の場合1.0とした。嵩発泡倍数は小数点以下1桁目を四捨五入した。
嵩発泡倍数(倍)=メスシリンダー中の試料容積(ml)/試料質量(g)×樹脂比重
<発泡倍数の測定方法>
発泡倍数は発泡成形品(成形後、40℃で20時間以上乾燥させたもの)から切り出した試験片(例75×300×35mm)の寸法と質量をそれぞれ有効数字3桁以上になるように測定し、次式により算出した。樹脂比重は、スチレン系樹脂の場合1.0とした。発泡倍数は小数点以下1桁目を四捨五入した。
発泡倍数(倍)=試験片体積(cm3)/試験片質量(g)×樹脂比重
<発泡粒子表層部の平均気泡径測定方法>
嵩発泡倍数60倍に発泡させた発泡粒子の中から、任意に選択した10個について、剃刀刃を用いて、それぞれ発泡粒子の中心付近を通る平面で二等分し、その一方の切断面を走査型電子顕微鏡(日立製作所製S−3000N)を用いて25〜200倍に拡大撮影した画像を作成した。
次に、発泡粒子切断面の画像上に、発泡粒子の中心から半径の90%に相当する距離を半径とする円を描き、この円の外側に存在する気泡を発泡粒子表層部の気泡と定義し、この気泡についてASTM D2842−69の試験方法に準拠して測定した。すなわち、各画像について円の外側の任意の部分に長さ60mmの直線を引き、この直線上にある気泡の個数を数え、次式によりこの気泡の平均弦長(t)を算出した。なお、直線の長さが60mmに満たない場合は、30mm又は20mmの気泡数を数え60mm分の気泡数に換算した。
平均弦長 t(μm)=(60×1000)/(気泡数×画像の拡大倍率)
次に次式により、この気泡の平均気泡径(D)を算出した。
平均気泡径 D(μm)=t/0.616
各画像について、円の外側の任意の6カ所について計測し、計10画像分の平均値を平均気泡径とした。
幅300mm、長さ400mm、厚み35mmの平板形状の発泡成形品の表面に、一対の長辺の中心同士を結ぶ直線に沿ってカッターナイフで深さ約2mmの切り込み線を入れた後、この切り込み線に沿って発泡成形品を手で二分割し、その破断面における発泡粒子について、100〜150個の任意の範囲について粒子内で破断している粒子の数(a)と粒子どうしの界面で破断している粒子の数(b)とを数え、式[(a)/((a)十(b))]×100に代入して得られた値を融着率(%)とした。
融着性の評価として、融着率70%以上を良好(○)、融着率70%未満を不良(×)とした。
発泡倍数60倍の発泡成形品を作製し、最大曲げ強さはJIS A9511:1999「発泡プラスチック保温材」記載の方法に準じて測定した。すなわち、テンシロン万能試験機UCT−10T(オリエンテック社製)を用い、試験体サイズは75×300×35mmで圧縮速度を10mm/min、先端治具は加圧くさび10R、支持台10Rで、支点間距離は200mmとして測定した。
測定方法試験装置:テンシロン万能試験機UCT−10T(オリエンテック社製)。
試験片:75×300×35mm。試験片の数は3個とする。
試験速度:10mm/min。
先端治具:加圧くさび…10R、支持台…10R。
支点間距離:200mm。JIS A9511規格に準じて、発泡成形品の曲げ強度を測定した。
曲げ強度測定に用いた試験片は、実施例・比較例で得られた成形品(300×400×35mm)から切り出して作製した。成形圧(水蒸気吹き込みゲージ圧)を0.07MPaG、0.06MPaG及び0.05MPaGとした場合のそれぞれの発泡成形品の曲げ強度を測定し、以下の基準で評価した
○:0.29MPa以上
△:0.25MPa以上0.29MPa未満
×:0.25MPa未満
完全に平滑な測定面を得るために、成形用型窩の移動型の表面に、顕微鏡用スライドグラス(松浪硝子工業株式会社製、レギュラースライドグラス、長さ76mm、幅26mm)5枚を市販の両面テープを用いて、型窩の蒸気導入スリットを避けた位置に貼り付けて、実施例・比較例に示す成形蒸気圧0.05MPaGの成形条件にて成形した。得られた成形品を常温で約70時間乾燥させてから、ピンセットを用いて慎重にスライドグラスを剥がし、光沢度測定用の完全に平滑な成形品表面を得た。次に、光沢計(ミノルタ株式会社製GM−060)を用いて、この光沢度測定用部位の任意の15点について、JIS Z8741に基づく60°/60°の光沢度を測定し、その平均値を光沢度とした。
光沢度は次の基準により評価した。
○:30以上
△:25以上30未満
×:25未満
3成形条件中、80%以上の融着率が得られる最も短い冷却時間を最短冷却時間とした。
成形機の型窩を、外寸300×400×100mmで25mmの均一な厚みを有する箱形の成形品(内寸250×350×75mm)が得られるものに取り替えて、成形蒸気圧0.07MPaGの前述成形条件にて成形して、箱形の成形品を得た。得られた成形品を常温で6時間放置した後、新聞紙の上に成形品を置き、この成形品に水溶性の赤インクで着色した水道水5リットルを入れて常温で更に72時間放置した後、成形品を取り除いて新聞紙を観察した。
成形品の水漏れは次の基準で評価した。
○:全く漏れていない
△:新聞紙に点状に僅かに着色が見られる
×:新聞紙に濡れており、全体が着色している
撹拌機を備えた内容積52リットルの反応器に、蒸留水18kg、ピロリン酸マグネシウム65g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2.5gを入れ、粒子径が約0.6mmで重量平均分子量が30万のスチレン樹脂種粒子(積水化成品工業株式会社製、SS−152)5.0kgを加えて撹拌し懸濁させた。
次いで予め用意した蒸留水1500g、ピロリン酸マグネシウム5.0g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.0gの分散液に、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド50.7g及びt−ブチルパーオキシベンゾエート16.9g、気泡調整剤としてジドデシル3,3’−チオジプロピオネート0.34gをスチレン2160gに溶解して添加し、ホモミキサーにかけて調製した懸濁液を71℃に保持した反応器に加えた。
撹拌しながら71℃で1時間保持し、スチレン樹脂種粒子に重合開始剤と気泡調整剤を吸収させた後、反応器内にスチレンを4920g/hrの速度で連続的に3.0時間供給するとともに、スチレン供給終了時に懸濁液が105℃となるように反応器を連続的に昇温した。引き続き120℃まで昇温して30分保持した後、蒸留水2000gにピロリン酸マグネシウム6.5g、ドデシルベゼンスルホン酸ナトリウム0.6gを加えた分散液に、発泡助剤としてシクロヘキサン175.3g、ジイソブチルアジペート(DIBA)153.4gを加えてホモミキサーにかけた懸濁液を反応器内に圧入した。その後、100℃まで冷却して工業用ブタン(イソブタン/ノルマルブタン=35/65)1975gを圧入して100℃で3時間保持した後、20℃まで冷却して取り出し、洗浄、脱水、乾燥した。さらに発泡後の気泡径が完全に安定するまで18℃で5日間熟成させて、粒子径約1.0mmの発泡性スチレン樹脂粒子を得た。この発泡性スチレン樹脂粒子を嵩発泡倍数60倍に発泡した発泡粒子表層部の平均気泡径は71μmであった。
この発泡性スチレン樹脂粒子10kgに対して、ステアリン酸亜鉛(大日化学工業株式会社製ダイワックスZF)13.0g、メチルフェニルシリコーンオイル(GE東芝シリコーン株式会社製TSF4300、25℃における粘度140mm2/s、屈折率1.498)5.0gを内容積約30リットルのタンブラーミキサーを用いて、毎分30回転で約15分間混合して、樹脂粒子の表面に被覆した。
得られた発泡性スチレン樹脂粒子を内容積約40リットルの小型バッチ式予備発泡機を用いて、常圧下で水蒸気により加熱し、嵩発泡倍数60倍に予備発泡した。得られた予備発泡粒子を目開き10mmの篩に通して、篩上に残った発泡時結合粒子の質量を、発泡に用いた発泡性樹脂粒子の質量で除して予備発泡時結合量を算出した。結合量は0.3%であった。
結合粒子を取り除いた予備発泡粒子を網袋に入れ、23℃で24時間熟成させた後、300×400×35mmの型窩を取り付けた発泡成形機(株式会社積水工機製作所製ACE−3SP)を用いて、下記3条件で成形を行った。水冷工程終了後から取出設定面圧0.02MPaになるまでの放冷時間を冷却時間とした。冷却時間は、1条件について各3枚成形してその平均値をとった。
成形条件(ACE−3SP QS成形モード)
成形蒸気圧 3条件(ゲージ圧0.07、0.06、0.05MPa)
金型加熱3秒
一方加熱(圧力設定0.03MPa)
逆一方加熱2秒
両面加熱10秒
水冷5秒
取出設定面圧0.02MPa
得られた幅300mm、長さ400mm、厚み35mmの成形品を、40℃の乾燥室内で20時間乾燥させ発泡倍数60倍の発泡成形品を得て、成形品の融着率、曲げ強度、光沢度等を測定した。結果を表1,2に示す。
メチルフェニルシリコーンオイルの被覆量を5.0gから1.0gに変えた以外は、実施例1と同様の操作を行い同様に評価した。結果を表1,2に示す。
メチルフェニルシリコーンオイルの被覆量を5.0gから15.0gに変えた以外は、実施例1と同様の操作を行い同様に評価した。結果を表1,2に示す。
被覆するメチルフェニルシリコーンオイルを信越化学工業株式会社製KF−56(25℃における粘度15mm2/s、屈折率1.500)に変えた以外は、実施例1と同様の操作を行い同様に評価した。結果を表1,2に示す。
被覆するメチルフェニルシリコーンオイルを東レダウコーニング株式会社製SH710(25℃における粘度500mm2/s、屈折率1.533)に変えた以外は、実施例1と同様の操作を行い同様に評価した。結果を表1,2に示す。
撹拌機を備えた内容積52リットルの反応器に、蒸留水18kg、ピロリン酸マグネシウム65g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2.5gを入れ、実施例1で用いたスチレン樹脂種粒子5.0kgを加えて撹拌し懸濁させた。
次いで予め用意した蒸留水1500g、ピロリン酸マグネシウム5.0g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.0gの分散液に、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド47.3g及びt−ブチルパーオキシベンゾエート16.9g、気泡調整剤としてジドデシル3,3’−チオジプロピオネート0.51gをスチレン2160gに溶解して添加し、ホモミキサーにかけて調製した懸濁液を69℃に保持した反応器に加えた。
撹拌しながら69℃で1時間保持し、スチレン樹脂種粒子に重合開始剤と気泡調整剤を吸収させた後、反応器内にスチレンを4920g/hrの速度で連続的に3.0時間供給するとともに、スチレン供給終了時に懸濁液が105℃となるように反応器を連続的に昇温した。引き続き120℃まで昇温して30分保持した後、蒸留水2000gにピロリン酸マグネシウム6.5g、ドデシルベゼンスルホン酸ナトリウム0.6gを加えた分散液に、発泡助剤としてシクロヘキサン175.3g、ジイソブチルアジペート(DIBA)153.4gを加えてホモミキサーにかけた懸濁液を反応器内に圧入した。その後、100℃まで冷却して工業用ブタン(イソブタン/ノルマルブタン=35/65)1975gを圧入して100℃で3時間保持した後、20℃まで冷却して取り出し、洗浄、脱水、乾燥した。さらに発泡後の気泡径が完全に安定するまで18℃で5日間熟成させて、粒子径約1.0mmの発泡性スチレン樹脂粒子を得た。この発泡性スチレン樹脂粒子を嵩発泡倍数60倍に発泡した発泡粒子表層部の平均気泡径は53μmであった。
この発泡性スチレン樹脂粒子について、実施例1と同様の操作を行い同様に評価した。結果を表1,2に示す。
撹拌機を備えた内容積52リットルの反応器に、蒸留水18kg、ピロリン酸マグネシウム65g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2.5gを入れ、実施例1で用いたスチレン樹脂種粒子5.0kgを加えて撹拌し懸濁させた。
次いで予め用意した蒸留水1500g、ピロリン酸マグネシウム5.0g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.0gの分散液に、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド67.6g及びt−ブチルパーオキシベンゾエート16.9g、気泡調整剤としてジドデシル3,3’−チオジプロピオネート0.17gをスチレン2160gに溶解して添加し、ホモミキサーにかけて調製した懸濁液を75℃に保持した反応器に加えた。
撹拌しながら75℃で1時間保持し、スチレン樹脂種粒子に重合開始剤と気泡調整剤を吸収させた後、反応器内にスチレンを5900g/hrの速度で連続的に2.5時間供給するとともに、スチレン供給終了時に懸濁液が105℃となるように反応器を連続的に昇温した。引き続き120℃まで昇温して30分保持した後、蒸留水2000gにピロリン酸マグネシウム6.5g、ドデシルベゼンスルホン酸ナトリウム0.6gを加えた分散液に、発泡助剤としてシクロヘキサン175.3g、ジイソブチルアジペート(DIBA)153.4gを加えてホモミキサーにかけた懸濁液を反応器内に圧入した。その後、100℃まで冷却して工業用ブタン(イソブタン/ノルマルブタン=35/65)1975gを圧入して100℃で3時間保持した後、20℃まで冷却して取り出し、洗浄、脱水、乾燥した。さらに発泡後の気泡径が完全に安定するまで18℃で5日間熟成させて、粒子径約1.0mmの発泡性スチレン樹脂粒子を得た。この発泡性スチレン樹脂粒子を嵩発泡倍数60倍に発泡した発泡粒子表層部の平均気泡径は126μmであった。
この発泡性スチレン樹脂粒子について、実施例1と同様の操作を行い同様に評価した。結果を表1,2に示す。
メチルフェニルシリコーンオイルを被覆しなかった以外は、実施例1と同様の操作を行い同様に評価した。結果を表1,2に示す。
メチルフェニルシリコーンオイルを被覆しなかった以外は、実施例7と同様の操作を行い同様に評価した。結果を表1,2に示す。
メチルフェニルシリコーンオイルの被覆量を5.0gから0.2gに変えた以外は、実施例1と同様の操作を行い同様に評価した。結果を表1,2に示す。
メチルフェニルシリコーンオイルの被覆量を5.0gから50.0gに変えた以外は、実施例1と同様の操作を行い発泡性スチレン樹脂粒子に被覆した結果、ベタツキが大きく樹脂粒子の流動性が非常に悪くなったため、これについては発泡、成形評価を取りやめた。
メチルフェニルシリコーンオイルを、ジメチルシリコーンオイル(信越化学工業株式会社製KF−96−100cs、25℃における粘度100mm2/s、屈折率1.403)に代えた以外は、実施例1と同様の操作を行い同様に評価した。結果を表1,2に示す。
メチルフェニルシリコーンオイルを、屈折率の低いもの(東レダウコーニング製SH510、25℃における粘度100mm2/s、屈折率1.425)に代えた以外は、実施例1と同様の操作を行い同様に評価した。結果を表1,2に示す。
ステアリン酸亜鉛の被覆量を13.0gから1.0gに変更した以外は、実施例3と同様の操作を行い予備発泡した結果、篩上に残った発泡時結合量は10.1%と非常に多くなり、篩を通過したものにも、双子や三つ子状に結合した粒子が多数認められる為、成形評価は取りやめた。
ステアリン酸亜鉛の被覆量を13.0gから35.0gに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い同様に評価した。結果を表1,2に示す。
気泡調整剤の添加量を0.51gから1.01gに変更した以外は、実施例6と同様の操作を行い粒子径約1.0mmの発泡性スチレン樹脂粒子を得た。この発泡性スチレン樹脂粒子を嵩発泡倍数60倍に発泡した発泡粒子表層部の平均気泡径は35μmであった。
この発泡性スチレン樹脂粒子について、実施例1と同様の操作を行い同様に評価した。結果を表1,2に示す。
撹拌機を備えた内容積52リットルの反応器に、蒸留水18kg、ピロリン酸マグネシウム65g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2.5gを入れ、実施例1で用いたスチレン樹脂種粒子5.0kgを加えて撹拌し懸濁させた。
次いで予め用意した蒸留水1500g、ピロリン酸マグネシウム5.0g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.0gの分散液に、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド76.1g及びt−ブチルパーオキシベンゾエート16.9gをスチレン2160gに溶解して添加し、ホモミキサーにかけて調製した懸濁液を76℃に保持した反応器に加えた。
撹拌しながら76℃で1時間保持し、スチレン樹脂種粒子に重合開始剤と気泡調整剤を吸収させた後、反応器内にスチレンを5900g/hrの速度で連続的に2.5時間供給するとともに、スチレン供給終了時に懸濁液が106℃となるように反応器を連続的に昇温した。引き続き120℃まで昇温して30分保持した後、蒸留水2000gにピロリン酸マグネシウム6.5g、ドデシルベゼンスルホン酸ナトリウム0.6gを加えた分散液に、発泡助剤としてシクロヘキサン175.3g、ジイソブチルアジペート(DIBA)153.4gを加えてホモミキサーにかけた懸濁液を反応器内に圧入した。その後、100℃まで冷却して工業用ブタン(イソブタン/ノルマルブタン=35/65)1975gを圧入して100℃で3時間保持した後、20℃まで冷却して取り出し、洗浄、脱水、乾燥した。さらに発泡後の気泡径が完全に安定するまで18℃で5日間熟成させて、粒子径約1.0mmの発泡性スチレン樹脂粒子を得た。この発泡性スチレン樹脂粒子を嵩発泡倍数60倍に発泡した発泡粒子表層部の平均気泡径は182μmであった。
この発泡性スチレン樹脂粒子について、実施例1と同様の操作を行い同様に評価した。結果を表1,2に示す。
発泡助剤(シクロヘキサン175.3g、DIBA153.4g)の他に、ジメチルシリコーンオイル(信越化学工業株式会社製KF−96−100cs、25℃における比重0.965)21.1g加えてホモミキサーにかけた懸濁液を反応器に圧入し、工業用ブタン圧入後100℃で12時間保持した以外は、実施例1と同様の操作を行い粒子径約1.0mmのジメチルシリコーンオイルが粒子表層付近に含浸された発泡性スチレン樹脂粒子を得た。この発泡性スチレン樹脂粒子を嵩発泡倍数60倍に発泡した発泡粒子表層部の平均気泡径は68μmであった。
この発泡性スチレン樹脂粒子10kgに対して、比較例6で用いたメチルフェニルシリコーンオイル(SH510)5.0gを内容積約30リットルのタンブラーミキサーを用いて、毎分30回転で約5分間混合して樹脂粒子の表面に被覆した後、ベヘン酸トリグリセライド14.0g、エチレンビスステアリン酸アミド6.0gを添加して更に15分間混合して、樹脂粒子の表面に被覆した。
得られた発泡性スチレン樹脂粒子について、実施例1と同様の評価を行った。この発泡性スチレン樹脂粒子から得られた成形品は、光沢度が低く、水漏れ試験において容器底部の全面から水漏れが認められた。結果を表1,2に示す。
実施例1で得られた発泡性スチレン樹脂粒子10kgに対して、メチルフェニルシリコーンオイル(信越化学工業株式会社製KF−54、25℃における粘度400mm2/s、屈折率1.505)5.0g、ステアリン酸亜鉛10.0g、硬化牛脂油60.0g(日本油脂株式会社製、牛脂極度硬化油、融点約59℃、主成分はステアリン酸トリグリセライド及びパルミチン酸トリグリセライド混合物)を内容積約30リットルのタンブラーミキサーを用いて、毎分30回転で約15分間混合して、樹脂粒子の表面に被覆した。
得られた発泡性スチレン樹脂粒子について、実施例1と同様の評価を行った。この発泡性スチレン樹脂粒子からは短い冷却時間で成形品を得ることができるが、得られた成形品は強度が著しく劣り、光沢度の低いものであった。結果を表1,2に示す。
Claims (7)
- 発泡剤を含有するスチレン系樹脂からなり、嵩発泡倍数60倍に発泡させたときの発泡粒子表層部の平均気泡径Dが、40μm≦D≦150μmの関係を満たす発泡性スチレン系樹脂粒子本体100質量部に対して、25℃での屈折率が1.45以上であるメチルフェニルシリコーンオイル0.01〜0.2質量部と、高級脂肪酸の金属塩0.05〜0.2質量部とが粒子表面に被覆され、かつ、分子中に水酸基を有しない高級脂肪酸トリグリセライドの被覆量が0.05質量部未満であることを特徴とする発泡性スチレン系樹脂粒子。
- 前記発泡性スチレン系樹脂粒子を加熱して得られた予備発泡粒子を成形型のキャビティ内に充填し、蒸気圧0.05MPaGで型内発泡成形して得られた発泡倍数60倍の発泡成形品の曲げ強度(JIS A9511)が0.25MPa以上であることを特徴とする請求項1に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
- 前記発泡性スチレン系樹脂粒子を加熱して得られた予備発泡粒子を成形型のキャビティ内に充填し、蒸気圧0.05MPaGで型内発泡成形して得られた発泡倍数60倍の発泡成形品の表面光沢度(JIS Z8741、60°/60°)が25以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
- トルエン及び臭素系難燃剤を含有せず、発泡助剤としてシクロヘキサンをスチレン系樹脂100質量部に対し0.5〜1.5質量部の範囲で含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の発泡性スチレン系樹脂粒子を加熱して得られた予備発泡粒子を成形型のキャビティ内に充填し、型内発泡成形してスチレン系樹脂発泡成形品を得ることを特徴とするスチレン系樹脂発泡成形品の製造方法。
- 発泡倍数が20〜90倍の範囲内であることを特徴とする請求項6に記載のスチレン系樹脂発泡成形品の製造方法。
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