JP5914080B2 - 発泡性スチレン系樹脂粒子及びその製造方法 - Google Patents

発泡性スチレン系樹脂粒子及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、発泡性スチレン系樹脂粒子及びその製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、高い内部融着性、高い表面硬度及び低い連続気泡率の発泡成形体を与えうる発泡性スチレン系樹脂粒子及びその製造方法に関する。
従来、発泡成形体は軽量かつ、断熱性に優れることから魚箱や食品容器等の輸送用梱包材に使用されている。その中でも発泡性樹脂粒子を原料として製造される型内発泡成形体は所望の形状を得やすい等の利点から多く使用されている。
発泡成形体を製造するための原料である発泡性樹脂粒子として、発泡性スチレン樹脂粒子が汎用されており、例えば次のようにして発泡成形体が得られている。即ち、発泡性スチレン樹脂粒子のような発泡性粒子を蒸気で加熱して予備発泡させて発泡粒子(予備発泡粒子)を得る。得られた予備発泡粒子を金型のキャビティ内に充填する。次いで、充填された予備発泡粒子を蒸気で二次発泡させつつ、予備発泡粒子同士の熱融着により一体化させることで発泡成形体を得ることができる。この発泡成形体の製造法は、ビーズ法と称されている。
一般に、上記のようなビーズ法により得られた発泡成形体は、予備発泡粒子同士を熱融着により一体化させているため、融着面の強度が融着面以外の部分より弱かった(内部融着性が低かった)。この内部融着性の低さは、発泡成形体の曲げ強度や引張強度を劣らせるという短所につながっている。
内部融着性を向上させる技術として、特開2003−277541号公報(特許文献1)に記載された技術が提案されている。この技術では、表面から中心まで実質的に均一な気泡径の気泡から構成される予備発泡粒子により、予備発泡粒子同士の合着性が向上し、その結果、内部融着性が高い発泡成形体が得られるとされている。
特開2003−277541号公報
上記公報に記載された技術でも、十分な内部融着性を有する発泡成形体を得ることができる。しかし、更なる内部融着性の向上が望まれていた。
更に、近年、発泡成形体を用いた消失模型鋳造法が提案されている。消失模型鋳造法はフルモールド法とも言われ、発泡成形体にて製作した模型(消失模型)を鋳物砂に埋設したまま鋳型として利用するプロセスである。
この鋳造法では、発泡成形体の内部融着性が低いと加工の際に模型に欠損が発生し、その欠損が鋳物に転写してしまうことになる。従って、この観点からも内部融着性が高い発泡成形体が求められている。
また、消失模型を扱う際に成形体表面が柔らかいと手の跡が付いてしまい、これを改善するために十分な表面硬度も求められている。
本発明の発明者は、発泡成形体の内部融着性を向上するために、予備発泡粒子に特定の範囲の平均気泡径及び最表面膜厚、発泡成形体に特定の範囲の連続気泡率を与える発泡性スチレン系樹脂粒子であれば、内部融着性が顕著に向上できることを見出し、本発明に至った。
かくして本発明によれば、スチレン系樹脂と発泡剤とを含む発泡性スチレン系樹脂粒子であり、
前記発泡性スチレン系樹脂粒子を嵩発泡倍数X倍に発泡させたときの発泡粒子の平均気泡径D1‘を次式(1)
(式中、D1は嵩発泡倍数60倍に換算した発泡粒子の平均気泡径(μm)、D1‘は嵩発泡倍数X倍に発泡させたときの発泡粒子の平均気泡径(μm)を表す)を用いて嵩倍数60倍に換算した発泡粒子の平均気泡径D1が30μm≦D1≦140μmを満たし、
前記発泡性スチレン系樹脂粒子を嵩発泡倍数X倍に発泡させたときの発泡粒子の最表面膜厚T1‘を次式(2)
(式中、T1は嵩発泡倍数60倍に換算した発泡粒子の最表層膜厚(μm)、T1‘は嵩発泡倍数X倍に発泡させたときの発泡粒子の最表層膜厚(μm)を表す)を用いて嵩倍数60倍に換算した発泡粒子の最表層膜厚T1が0.8μm≦T1≦2.5μmを満たし、
10%以下の連続気泡率を示す発泡成形体を与える
ことを特徴とする発泡性スチレン系樹脂粒子が提供される。
本発明によれば、上記発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法であり、
スチレン系モノマーを撹拌しつつ、水性媒体中で懸濁重合させて樹脂粒子を得る工程と、
前記懸濁重合中の樹脂粒子と同時又は懸濁重合後の樹脂粒子に発泡剤を含浸させて発泡剤含有粒子を得る工程と、
前記発泡剤含有粒子を気流温度30〜60℃で10〜50分間の温風処理に付すことで発泡性スチレン系樹脂粒子を得る工程とを含み、
前記懸濁重合が、核剤としてのポリオレフィン系ワックスの存在下で行われる発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法が提供される。
本発明によれば、高い内部融着性、高い表面硬度及び低い連続気泡率の発泡成形体を与えうる発泡性スチレン系樹脂粒子及びその製造方法を提供できる。
また、発泡性スチレン系樹脂粒子の製造において、懸濁重合が、硫酸エステル系アニオン界面活性剤が含まれた水性媒体中で行われる場合、より高い内部融着性、高い表面硬度及び低い連続気泡率の発泡成形体を与えうる発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法を提供できる。
懸濁重合が、硫酸エステル系アニオン界面活性剤と、無機塩からなる懸濁安定剤とが含まれた水性媒体中で行われる場合、より高い内部融着性、高い表面硬度及び低い連続気泡率の発泡成形体を与えうる発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法を提供できる。
無機塩が、ピロリン酸マグネシウムである場合、より高い内部融着性、高い表面硬度及び低い連続気泡率発泡成形体を与えうる発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法を提供できる。
懸濁重合が、核剤としてのポリオレフィン系ワックスの存在下で行われる場合、より高い内部融着性、高い表面硬度及び低い連続気泡率発泡成形体を与えうる発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法を提供できる。
(発泡性スチレン系樹脂粒子)
発泡性スチレン系樹脂粒子(発泡性粒子ともいう)は、スチレン系樹脂と発泡剤とを含む発泡性スチレン系樹脂粒子である。
(a)スチレン系樹脂
発泡性粒子はスチレン系モノマー由来の樹脂成分を含む。スチレン系モノマーとしては、特に限定されず、公知のモノマーをいずれも使用できる。例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチレン等の単官能スチレン系モノマーが挙げられる。これらスチレン系モノマーは、一種類でも、複数種の混合物であってもよい。好ましいスチレン系モノマーは、スチレンである。
(b)他の樹脂成分
発泡性粒子は、スチレン系モノマー由来の樹脂成分以外の他の樹脂成分を含んでいてもよい。他の樹脂成分は、スチレン系モノマーと共重合していてもよく、共重合せずに粒子中に存在していてもよい。
例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜8のアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、ジメチルマレエート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、エチルフマレート等の単官能モノマーの他、ジビニルベンゼン、アルキレングリコールジメタクリレート等の二官能性モノマー、無水マレイン酸、N−ビニルカルバゾール等に由来する樹脂成分、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル等の樹脂成分が挙げられる。
発泡性粒子中、全樹脂成分に対して、他の樹脂成分が占める割合は50質量%未満であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。
(c)他の樹脂
他の樹脂を添加してもよい。他の樹脂としては、例えば、発泡成形体の耐衝撃性を向上させるための、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジエン三次元共重合体等のジエン系のゴム状重合体を添加したゴム変性ポリスチレン系樹脂(いわゆるハイインパクトポリスチレン)や、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体等が挙げられる。
(d)他の添加剤
他の添加剤としては、物性を損なわない範囲内において、難燃剤、難燃助剤、可塑剤、滑剤、結合防止剤、融着促進剤、帯電防止剤、展着剤、気泡調整剤、架橋剤、充填剤、着色剤等が挙げられる。この内、可塑剤を含むことは、樹脂を軟化させ発泡性の向上、内部融着の向上という効果を生じるため好ましい。
可塑剤としては、トルエン、スチレン、キシレン、シクロヘキサン、フタル酸エステル、グリセリンジアセトモノラウレート、グリセリントリステアレート、ジアセチル化グリセリンモノステアレート等のグリセリン脂肪酸エステル、ジイソブチルアジペートのようなアジピン酸エステル等が挙げられる。可塑剤の含有量は、発泡性スチレン系樹脂粒子に対して、0.2〜5質量%の範囲であることが好ましい。0.2質量%未満の場合、上記効果を生じ難くなる。5質量%より多い場合、樹脂が必要以上に軟化し、発泡時に発泡粒が収縮しやすかったり、成形時に成形体が収縮したり表面が溶けやすくなったりすることがある。より好ましい含有量は0.3〜4質量%の範囲であり、更に好ましい含有量は0.3〜3質量%の範囲である。
難燃剤としては、テトラブロモシクロオクタン、ヘキサブロモシクロドデカン、トリスジブロモプロピルホスフェート、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモ−2−メチルプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)等が挙げられる。
難燃助剤としては、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン、3,4−ジメチル−3,4−ジフェニルヘキサン、ジクミルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイドの有機過酸化物が挙げられる。
滑剤としては、パラフィンワックス、ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸、エチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミド等のアミド化合物等、ステアリン酸トリグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド等の脂肪酸エステルが挙げられる。
結合防止剤としては、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、タルク、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の金属石鹸、水酸化アルミニウム、エチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、第三リン酸カルシウム、ジメチルシリコーン等が挙げられる。
融着促進剤としては、例えばステアリン酸、ステアリン酸トリグリセリド、ヒドロキシステアリン酸トリグリセリド、ステアリン酸ソルビタンエステル、ポリエチレンワックス等が挙げられる。
帯電防止剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ステアリン酸モノグリセリド、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
展着剤としては、ポリブテン、ポリエチレングリコール、シリコンオイル、プロピレングリコール、グリセリン、流動パラフィン等が挙げられる。
気泡調整剤としては、メタクリル酸エステル系共重合ポリマー、エチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミド等のアミド化合物、ポリエチレンワックス等のポリオレフィンワックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
(e)発泡剤
発泡剤としては、特に限定されず、公知のものをいずれも使用できる。特に、沸点がスチレン系樹脂の軟化点以下であり、常圧でガス状又は液状の有機化合物が適している。例えばプロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、シクロペンタン、シクロペンタジエン、n−ヘキサン、石油エーテル等の炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、メチルエチルエーテル等の低沸点のエーテル化合物、トリクロロモノフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、ジクロロメタン等のハロゲン含有炭化水素、炭酸ガス、窒素、アンモニア等の無機ガス等が挙げられる。これらの発泡剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。この内、炭化水素を使用するのが、オゾン層の破壊を防止する観点、及び空気と速く置換し、発泡成形体の経時変化を抑制する観点で好ましい。炭化水素の内、沸点が−45〜40℃の炭化水素がより好ましく、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン等が更に好ましい。
更に、発泡剤の含有量は、2〜12質量%の範囲であることが好ましい。2質量%より少ないと、発泡性粒子から所望の密度の発泡成形体を得られないことがある。加えて、型内発泡成形時の二次発泡力を高める効果が小さくなるために、発泡成形体の外観が良好とならないことがある。12質量%より多いと、発泡成形体の製造工程における冷却工程に要する時間が長くなって生産性が低下することがある。より好ましい発泡剤の含有量は、3〜10質量%である。
発泡助剤を、発泡剤と併用してもよい。発泡助剤としては、トルエン、スチレン、ジイソブチルアジペート、シクロヘキサン、エチルベンゼン等が挙げられる。
(f)平均気泡径、最表面膜厚及び連続気泡率
発泡性粒子は、嵩発泡倍数で60倍に発泡させた場合、特定の範囲の平均気泡径及び最表面膜厚を発泡粒子に与え、特定の範囲の連続気泡率を発泡成形体に与える。
具体的な特定の範囲は、平均気泡径は30〜140μm、最表面膜厚は0.8〜2.5μm、連続気泡率は10%以下である。
平均気泡径が30μm未満の場合、成形時に収縮、溶けが発生したり、内部融着不良となることがある。140μmより大きい場合、十分な表面硬度が得られなくなることがある。好ましい平均気泡径の範囲は40〜100μm、更に好ましい平均気泡径の範囲は50〜90μmである。
最表面膜厚が0.8μm未満の場合、成形時に収縮、溶けが発生したり、内部融着不良となることがある。2.5μmより厚い場合もまた内部融着不良となることがある。好ましい最表面膜厚の範囲は1.0〜2.0μm、より好ましい最表面膜厚の範囲は1.2〜1.8μmである。
連続気泡率が10%より大きい場合、内部融着性が低下することがある。好ましい連続気泡率は8%以下であり、より好ましい連続気泡率は6%以下である。
なお、60倍以外の嵩発泡倍数の発泡性粒子から測定される平均気泡径及び最表面膜厚は、以下の式により、それぞれ60倍の平均気泡径及び最表面膜厚に換算可能である。
(f−1)平均気泡径の換算式
(式中、D1は嵩発泡倍数60倍に換算した発泡粒子の平均気泡径(μm)、D1‘は嵩発泡倍数X倍に発泡させたときの発泡粒子の平均気泡径(μm)を表す)
(f−2)最表面膜厚の換算式
(式中、T1は嵩発泡倍数60倍に換算した発泡粒子の最表層膜厚(μm)、T1‘は嵩発泡倍数X倍に発泡させたときの発泡粒子の最表層膜厚(μm)を表す)
(g)発泡性スチレン系樹脂粒子の形状
発泡性粒子の形状は特に限定されない。例えば、球状、円柱状等が挙げられる。この内、球状であるのが好ましい。発泡性粒子の平均粒子径は、用途に応じて適宜選択でき、例えば、0.2mm〜5mmの平均粒子径のものを使用できる。また、成形型内への充填性等を考慮すると、平均粒子径は、0.3mm〜2mmがより好ましく、0.3mm〜1.4mmが更に好ましい。
(発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法)
発泡性粒子の製造方法は特に限定されない。例えば、スチレン系樹脂種粒子の非存在下、水性媒体中で、スチレン系モノマーを撹拌しつつ重合させる懸濁重合法で樹脂粒子を得、この樹脂粒子に発泡剤を含浸させることで発泡剤含有粒子を得、この発泡剤含有粒子を特定範囲の温風処理に付すことで発泡性粒子を得ることができる。また、樹脂粒子は、スチレン系樹脂製の種粒子の存在下でスチレン系モノマーを重合させるシード重合法で得てもよい。
(a)重合工程
水性媒体中に分散させてなる分散液中に、スチレン系モノマーを、必要に応じて他のモノマーと共に、供給する。水性媒体としては、水、水と水溶性溶媒(例えば、アルコール)との混合媒体が挙げられる。
スチレン系モノマーには、重合開始剤を含ませてもよい。重合開始剤としては、従来からモノマーの重合に用いられているものであれば、特に限定されない。例えば、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、ラウリルパーオキサイド、t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−t−ブチルパーオキシブタン、t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物等が挙げられる。これら開始剤の内、残存モノマーを低減させるために、10時間の半減期を得るための分解温度が80〜120℃にある異なった二種以上の重合開始剤を併用することが好ましい。なお、重合開始剤は単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
スチレン系モノマーには、核剤を含ませてもよい。核剤としては、従来からモノマーの重合に用いられているものであれば、特に限定されない。例えば、ポリエチレンワックス等のポリオレフィンワックス、ヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド等のアミド化合物、タルク、シリカ、炭酸カルシウム等の無機粉末等が挙げられる。核剤は、スチレン系モノマー100質量部に対して、0.01〜3質量部の範囲で使用されることが好ましい。
水性媒体中には、モノマーの小滴の分散を安定させるために懸濁安定剤が含まれていてもよい。懸濁安定剤としては、従来からモノマーの懸濁重合に用いられているものであれば、特に限定されない。例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子、第三リン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム、酸化マグネシウム等の難溶性無機化合物等が挙げられる。
懸濁安定剤として難溶性無機化合物を用いる場合には、アニオン界面活性剤を併用するのが好ましく、このようなアニオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸石鹸、N−アシルアミノ酸又はその塩、アルキルエーテルカルボン酸塩等のカルボン酸塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキルナフタレンスルフォン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスルフォン酸塩等のスルフォン酸塩;高級アルコール硫酸エステル塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)、第二級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩等の硫酸エステル塩;アルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩等のリン酸エステル塩等が挙げられる。これら界面活性剤の内、ラウリル硫酸ナトリウムが好ましい。
重合工程は、使用するモノマー種、重合開始剤種、重合雰囲気種等により異なるが、通常、70〜130℃の加熱を、3〜10時間維持することにより行われる。重合工程は、モノマーを吸収させつつ行ってもよい。重合工程は、使用するモノマー全量を1段階で重合させてもよく、2段階以上に分けて重合させてもよい。
(b)含浸工程
上記スチレン系樹脂粒子に発泡剤を含浸させることにより発泡剤含有粒子が得られる。含浸は、重合と同時に湿式で行ってもよく、重合後に湿式又は乾式で行ってもよい。湿式で行う場合は、上記重合工程で例示した、懸濁安定剤及び界面活性剤の存在下で行ってもよい。
発泡剤の含浸温度は、60〜150℃が好ましい。60℃より低いと、樹脂粒子に発泡剤を含浸させるのに要する時間が長くなって生産効率が低下することがある。また、150℃より高いと、樹脂粒子同士が融着して結合粒が発生することがある。より好ましい含浸温度は、70〜120℃である。
発泡剤と同時に、発泡助剤を含浸させてもよい。
(c)温風処理
発泡剤含有粒子は、温風処理に付されて発泡性粒子となる。温風処理は、気流温度30〜60℃で10〜50分間の条件で行われる。この温風処理により、発泡性粒子を嵩発泡倍数で60倍に発泡させた場合、特定の範囲の平均気泡径及び最表面膜厚を発泡粒子に、特定の範囲の連続気泡率を発泡成形体に与えることができる。
より好ましい気流温度は30〜50℃の範囲であり、処理時間は10〜40分間の範囲である。
なお、温風処理は、特定の範囲の平均気泡径及び最表面膜厚の発泡粒子が、特定の範囲の連続気泡率の発泡成形体が得られさえすれば、必ずしも行う必要はない。
(発泡粒子)
発泡粒子は、熱媒体(例えば、加圧水蒸気等)を用いて所望の嵩密度に発泡性粒子を発泡させることで得られる。発泡粒子は、クッションの充填材等の用途ではそのまま使用でき、更に型内発泡させるための発泡成形体の原料として使用できる。発泡成形体の原料の場合、発泡粒子は予備発泡粒子と、発泡粒子を得るための発泡は予備発泡と、通常称される。
発泡粒子の嵩密度は、0.01〜0.10g/cm3の範囲であることが好ましい。発泡粒子の嵩密度が0.01g/cm3より小さい場合、次に得られる発泡成形体に収縮が発生して外観性が低下することがある。加えて発泡成形体の断熱性能及び機械的強度が低下することがある。一方、嵩密度が0.10g/cm3より大きい場合、発泡成形体の軽量性が低下することがある。
なお、発泡前に、発泡性粒子の表面に、ステアリン酸亜鉛のような粉末状金属石鹸類を塗布しておくことが好ましい。塗布しておくことで、発泡性粒子の発泡工程において発泡粒子同士の結合を減少できる。
(発泡成形体)
発泡成形体は、例えば、消失模型鋳造法に使用される模型の原料や、魚、農産物等の梱包材、床断熱用の断熱材、盛土材、畳の芯材等に使用できる。特に、発泡成形体は、十分な表面硬度を有しているため、模型の原料として使用した際に、表面に手の跡が付きにくいという効果を奏する。
発泡成形体の密度は、0.01〜0.10g/cm3の範囲であることが好ましい。発泡成形体の密度が0.01g/cm3より小さい場合、発泡成形体に収縮が発生して外観性が低下することがある。加えて発泡成形体の機械的強度が低下することがある。一方、密度が0.10g/cm3より大きい場合、発泡成形体の軽量性が低下することがある。
発泡成形体は、例えば以下の方法により得ることができる。
発泡粒子を多数の小孔を有する閉鎖金型内に充填し、熱媒体(例えば、加圧水蒸気等)で加熱発泡させ、発泡粒子間の空隙を埋めると共に、発泡粒子を相互に融着させることにより一体化させることで、発泡成形体を製造できる。その際、発泡成形体の密度は、例えば、金型内への発泡粒子の充填量を調整する等して調製できる。
加熱発泡は、例えば、110〜150℃の温度で0.04〜0.11MPaの成形蒸気圧(ゲージ圧)の熱媒体で、5〜50秒加熱することにより行うことができる。この条件であれば、粒子相互の良好な融着性を確保できる。より好ましくは、加熱発泡成形は、90〜120℃の熱媒体で、10〜50秒加熱することにより行うことができる。
発泡粒子は、発泡成形体の成形前に、例えば常圧で、熟成させてもよい。発泡粒子の熟成温度は、20〜60℃が好ましい。熟成温度が低いと、発泡粒子の熟成時間が長くなることがある。一方、高いと、発泡粒子中の発泡剤が散逸して成形性が低下することがある。
以下、実施例によって本発明の具体例を示すが、以下の実施例は本発明の例示にすぎず、本発明は以下の実施例のみに限定されない。
<平均分子量>
発泡性スチレン系樹脂粒子0.08gをテトラヒドロフラン10mlに溶解し、下記の条件にてGPC測定を行う。
・装置:高速GPC装置(HLC−8320GPC)EcoSEC−WorkStation(東ソー社製)
・分析条件
カラム:TSKgel SuperMultiporeHZ−M×2
流量:0.35ml/min
検出器:HLC−8320GPC内蔵RI検出器/UV−8320
検出器条件:Pol(+)、Res(0.5s)/λ(254nm)、Pol(+)、Res(0.5s)
濃度:0.2wt%
注入量:10μL
圧力:3.5MPa
カラム温度:40℃
システム温度:40℃
溶離液:THF
<予備発泡粒子の平均気泡径>
測定装置として走査電子顕微鏡(JOEL社製 商品名「JSM−6360LV」)を用い、ASTM D3576−77の試験方法に準拠して測定を行う。具体的には、予備発泡粒子の中心近傍を通る平面で剃刀歯で切断し、切断面を走査電子顕微鏡を用いて30倍に拡大して撮影する。
次に、撮影した画像をA4用紙上に印刷し、予備発泡粒子中の任意の箇所に長さ60mmの直線を一本描き、この直線上に存在する気泡数から気泡の平均弦長(t)を下記式により算出する。
平均弦長t=60/(気泡数×写真の倍率)
なお、直線を描くにあたっては、できるだけ直線が気泡に点接触することなく貫通した状態となるようにする。また、一部の気泡が直線に点接触してしまう場合には、この気泡も気泡数に含める。更に、直線の両端部が気泡を貫通することなく、気泡内に位置した状態となる場合には、直線の両端部が位置している気泡も気泡数に含める。
そして、算出された平均弦長tに基づいて次式により平均気泡径を算出する。
平均気泡径(mm)D=t/0.616
更に、撮影した画像の任意の5箇所において上述と同様の要領で平均気泡径を算出し、これらの平均気泡径の相加平均値を予備発泡粒子の平均気泡径とする。
<予備発泡粒子の最表面膜厚>
測定装置として走査電子顕微鏡(JOEL社製 商品名「JSM−6360LV」)を用いる。
予備発泡粒子の中から任意に選択した10個について、剃刀刃を用いて、それぞれ粒子の中心を通る平面で二等分する。その一方の切断面の最表層部を走査型電子顕微鏡を用いて、4000倍に拡大した画像を作成する。その後、測長機能を用いて最外にある非発泡層に任意に5点線を引き、厚みを測定する。各画像について、同様に測定し、計10画像分の平均値を最表層膜厚とする。
<表面硬度>
縦500mm×横400mm×厚さ300mmの発泡成形体を60℃、3日間乾燥した後、縦225mm、275mmの位置にそれぞれ水平に電圧をかけたニクロム線より切削し、縦50mm×横400mm×厚さ300mmの平板形状の試験片を得る。その試験片のニクロムカット面の表面硬度を表面硬度計(高分子計器社製 商品名「ASKER TYPE CS」)を用いて20点測定し、相加平均値を発泡成形体の表面硬度とする。
表面硬度が:
50以上を特に良好(◎)
47以上、50未満を良好(○)
47未満を不良(×)
と評価する。
<融着率>
表面硬度を測定した縦50mm×横400mm×厚さ300mmの試験片に一対の長辺の中心同士を結ぶ直線に沿ってカッターナイフで深さ約5mmの切り込み線を入れた後、この切り込み線に沿って試験片を手で二分割し、その破断面における発泡粒子について、100〜150個を含む任意の範囲について、全粒子数(A)と粒子内で破断している粒子数(B)を計数し、以下の式により融着率(%)を算出する。
融着率=(B)×100/(A)
融着率が:
80%以上を特に良好(◎)
60%以上、80%未満を良好(○)
60%未満を不良(×)
と評価する。
<連続気泡率>
発泡成形体について、ASTM D2856−87記載の測定方法に準じて連続気泡率の測定を行う。すなわち6面共成形面等の表皮を有しない切断面で構成された試験片(25mmの立方体)を5個切り出し、ノギスを用いて見掛けの体積を測定し、次に空気比較式比重系(東京サイエンス社製 1000型)を用いて1−1/2−1気圧法により体積を測定する。
連続気泡率(%)=(見かけの体積−空気比較式比重計での測定体積)/見かけ体積×100
連続気泡率が:
10%以上を不良(×)
10%未満、5%以上を良好(○)
5%未満を特に良好(◎)
と評価する。
<予備発泡粒子の嵩密度>
予備発泡粒子の嵩倍数は、JIS K6911:1995年「熱硬化性プラスチック一般試験方法」に準拠して測定する。具体的は、まず、予備発泡粒子を測定試料としてWg採取し、この測定試料をメスシリンダー内に自然落下させる。メスシリンダー内に落下させた測定試料の体積Vcm3をJIS K6911に準拠した見掛け密度測定器を用いて測定する。Wg及びVcm3を下記式に代入することで、予備発泡粒子の嵩密度を算出する。
予備発泡粒子の嵩密度(g/cm3)=測定試料の質量(W)/測定試料の体積(V)
<発泡成形体の密度>
発泡成形体(成形後、40℃で20時間以上乾燥させたもの)から切り出した試験片(例75×300×35mm)の質量(a)と体積(b)をそれぞれ有効数字3桁以上になるように測定し、式(a)/(b)により発泡成形体の密度(g/cm3)を求める。
<総合判定>
内部融着、表面硬度及び連続気泡率の評価において、全て◎の場合及び2つ◎で1つ○の場合を◎、1つ◎で2つ○の場合及び全て○の場合を○、1つでも×があった場合を×と判定する。
実施例1
(スチレン系樹脂粒子の作製)
内容積100リットルの攪拌機付オートクレーブ(以下、反応器ともいう)にピロリン酸マグネシウム140g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ4g、過酸化ベンゾイル(純度75%)152g、ポリエチレンワックス(東洋アドレ社製POLYWAX1000−80M)27g、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート20g、イオン交換水40kg及びスチレン45kgを投入した後、60rpmの撹拌下で溶解及び分散させて懸濁液を形成した。
引き続き、攪拌羽を60rpmで撹拌しながらオートクレーブ内の温度を90℃まで昇温した後、90℃で6時間保持した。
その後、オートクレーブ内の温度を120℃まで昇温し、120℃で2時間保持した後、オートクレーブ内の温度を25℃まで冷却し、オートクレーブから内容物を取り出し、脱水・乾燥・分級して粒子径が0.6〜1.0mmで重量平均分子量が30万のスチレン系樹脂粒子を得た。
(発泡剤含有粒子の作製)
次いで、内容積25リットルの攪拌機付オートクレーブに上記のスチレン系樹脂粒子10kg、蒸留水9kg、ピロリン酸マグネシウム20g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム6gを入れ、210rpmの攪拌下で懸濁させた。
次いで蒸留水1000gにピロリン酸マグネシウム10g、ドデシルベゼンスルホン酸ナトリウム2gに発泡助剤及び可塑剤としてトルエン100g、スチレン60gを加えてホモミキサーで攪拌して懸濁液を調製し、この懸濁液を反応器内に加えた。その後、105℃まで昇温し、発泡剤であるブタン(イソブタン:ノルマルブタン=30:70(質量比))800gを圧入して105℃で5時間保持した後、20℃まで冷却して取り出し、洗浄、脱水、乾燥した。発泡剤含有粒子の洗浄時に、JIS1000μm篩を通過しない合着粒子を除いた。さらに発泡後の気泡径が完全に安定するまで15℃で3日間熟成させて発泡剤含有粒子を得た。
(発泡剤含有粒子の被覆)
発泡剤含有粒子5kgを松坂貿易社製レーディゲミキサーM20型(内容量20リットル)に投入した。次いでステアリン酸亜鉛(滑剤)5g、12−ヒドロキシステアリン酸トリグリセライド(融着促進剤)2.5g、ステアリン酸モノグリセライド(融着促進剤)2.5g、ステアリン酸トリグリセライド(融着促進剤)0.5gを順次投入し、230rpmで3分間攪拌した。次いで重量平均分子量300であるポリエチレングリコール(日本油脂社製PEG#300:帯電防止剤)2.5g、100csであるジメチルポリシロキサン(東レダウコーニング社製シリコンSH200−100CS:結合防止剤)1.0gを投入し230rpmで5分間攪拌した。これら撹拌の結果、滑剤、融着促進剤及び帯電防止剤で被覆された発泡剤含有粒子を得た。
(温風処理:気流乾燥)
その後、表面が被覆された発泡剤含有粒子を気流乾燥機にて気流温度40℃で30分間乾燥を行うことで、発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。
(予備発泡粒子の製造)
続いて、発泡性スチレン系樹脂粒子を円筒型バッチ式予備発泡機に供給して、吹き込み圧0.05MPaの水蒸気により加熱し、予備発泡粒子を得た。得られた予備発泡粒子は、嵩密度0.017g/cm3(嵩発泡倍数60倍)であった。
(発泡成形体の製造)
続いて、得られた予備発泡粒子を室温雰囲気下、24時間に亘って放置した後、縦400mm×横300mm×高さ300mmの長方形状のキャビティを有する成形型内に予備発泡粒子を充填した。充填後、成形スチーム圧0.07MPa(ゲージ圧力)、金型加熱5秒、一方加熱15秒、両面加熱20秒、水冷30秒、設定取出面圧−0.02MPaの条件で成形を行った。得られた発泡性形体は密度0.017g/cm3(発泡倍数60倍)であった。
実施例2
ポリエチレンワックスを32g使用したこと以外は実施例1と同様の方法で発泡成形体を製造した。
実施例3
ポリエチレンワックスを41g使用したこと以外は実施例1と同様の方法で発泡成形体を製造した。
実施例4
ポリエチレンワックスを23g使用したこと以外は実施例1と同様の方法で発泡成形体を製造した。
実施例5
ポリエチレンワックスを9g使用し、発泡性スチレン系樹脂粒子の被覆の際に気流乾燥を行わなかったこと以外は実施例1と同様の方法で発泡成形体を製造した。
実施例6
ポリエチレンワックスを32g使用し、発泡性スチレン系樹脂粒子の被覆の際に気流乾燥を行わなかったこと以外は実施例1と同様の方法で発泡成形体を製造した。
実施例7
ポリエチレンワックスを9g使用したこと以外は実施例1と同様の方法で発泡成形体を製造した。
比較例1
ポリエチレンワックスを使用せず、発泡性スチレン系樹脂粒子の被覆の際に気流乾燥を行わなかったこと以外は実施例1と同様の方法で発泡成形体を製造した。
比較例2
ポリエチレンワックスを45g使用し、発泡性スチレン系樹脂粒子の被覆の際に気流乾燥を行わなかったこと以外は実施例1と同様の方法で発泡成形体を製造した。
比較例3
ポリエチレンワックスを使用しなかったこと以外は実施例1と同様の方法で発泡成形体を製造した。
比較例4
ポリエチレンワックスを41g使用し、発泡性スチレン系樹脂粒子の被覆の際に気流乾燥を行わなかったこと以外は実施例1と同様の方法で発泡成形体を製造した。
上記実施例及び比較例から得られた各種測定値を表1に示す。
実施例1〜7及び比較例から、特定の範囲の平均気泡径及び最表面膜厚の発泡粒子を、特定の範囲の連続気泡率の発泡成形体を与える発泡性粒子である場合、高い内部融着性及び高い表面硬度の発泡成形体を与えうる発泡性スチレン系樹脂粒子が得られていることが分かる。

Claims (5)

  1. スチレン系樹脂と発泡剤とを含む発泡性スチレン系樹脂粒子であり、
    前記発泡性スチレン系樹脂粒子を嵩発泡倍数X倍に発泡させたときの発泡粒子の平均気泡径D1‘を次式(1)
    (式中、D1は嵩発泡倍数60倍に換算した発泡粒子の平均気泡径(μm)、D1‘は嵩発泡倍数X倍に発泡させたときの発泡粒子の平均気泡径(μm)を表す)を用いて嵩倍数60倍に換算した発泡粒子の平均気泡径D1が30μm≦D1≦140μmを満たし、
    前記発泡性スチレン系樹脂粒子を嵩発泡倍数X倍に発泡させたときの発泡粒子の最表面膜厚T1‘を次式(2)
    (式中、T1は嵩発泡倍数60倍に換算した発泡粒子の最表層膜厚(μm)、T1‘は嵩発泡倍数X倍に発泡させたときの発泡粒子の最表層膜厚(μm)を表す)を用いて嵩倍数60倍に換算した発泡粒子の最表層膜厚T1が0.8μm≦T1≦2.5μmを満たし、
    10%以下の連続気泡率を示す発泡成形体を与える
    ことを特徴とする発泡性スチレン系樹脂粒子。
  2. 上記請求項1に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法であり、
    スチレン系モノマーを撹拌しつつ、水性媒体中で懸濁重合させて樹脂粒子を得る工程と、
    前記懸濁重合中の樹脂粒子と同時又は懸濁重合後の樹脂粒子に発泡剤を含浸させて発泡剤含有粒子を得る工程と、
    前記発泡剤含有粒子を気流温度30〜60℃で10〜50分間の温風処理に付すことで発泡性スチレン系樹脂粒子を得る工程とを含み、
    前記懸濁重合が、核剤としてのポリオレフィン系ワックスの存在下で行われる発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
  3. 前記懸濁重合が、硫酸エステル系アニオン界面活性剤が含まれた前記水性媒体中で行われる請求項2に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
  4. 前記懸濁重合が、硫酸エステル系アニオン界面活性剤と、無機塩からなる懸濁安定剤とが含まれた前記水性媒体中で行われる請求項2又は3に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
  5. 前記無機塩が、ピロリン酸マグネシウムである請求項4に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
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