JP2013223880A - 消失模型鋳造法用発泡ブロック及びその加工品 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い内部融着性、高い表面硬度、低い連続気泡率及びカット面で亀甲模様の低発生率の消失模型鋳造法用発泡ブロックを提供することを課題とする。
【解決手段】z+1平均分子量が100万〜240万であるスチレン系樹脂を含む消失模型鋳造法用発泡ブロックであり、前記発泡ブロックが、35〜170μmの範囲の平均気泡径、0.5〜2.3μmの最表面膜厚、10%以下の連続気泡率を示すことを特徴とする消失模型鋳造法用発泡ブロックにより課題を解決する。
【選択図】なし

Description

本発明は、消失模型鋳造法用発泡ブロック及びその加工品に関する。更に詳しくは、本発明は、高い内部融着性、高い表面硬度及び低い連続気泡率の消失模型鋳造法用発泡ブロック及びその加工品に関する。
近年、発泡ブロックを用いた消失模型鋳造法が提案されている。消失模型鋳造法はフルモールド法とも言われ、発泡ブロックから製作した模型(消失模型)を鋳物砂に埋設したまま鋳型として利用するプロセスである。
発泡ブロックとして、例えば、特開2008−73720号公報(特許文献1)に、ビーズ法により形成された発泡ブロックを消失模型鋳造法用発泡ブロックとして使用することが提案されている。
特開2008−73720号公報
一般に、上記のようなビーズ法により得られた発泡ブロックは、予備発泡粒子同士を熱融着により一体化させているため、融着面の強度が融着面以外の部分より弱かった(内部融着性が低かった)。
鋳造法では、発泡ブロックの内部融着性が低いと加工の際に模型に欠損が発生し、その欠損が鋳物に転写してしまうことになる。従って、内部融着性が高い発泡ブロックが求められている。
また、消失模型を扱う際に表面が柔らかいと手の跡が付いてしまう問題があり、この問題の改善のために十分な表面硬度も求められている。
本発明の発明者は、発泡ブロックのz+1平均分子量、平均気泡径、最表面膜厚及び連続気泡率が特定の範囲であれば、内部融着性が顕著に向上できることを見出し、本発明に至った。
かくして本発明によれば、z+1平均分子量が100万〜240万であるスチレン系樹脂を含む消失模型鋳造法用発泡ブロックであり、
前記発泡ブロックが、35〜170μmの範囲の平均気泡径、0.5〜2.3μmの最表面膜厚、10%以下の連続気泡率を示すことを特徴とする消失模型鋳造法用発泡ブロックが提供される。
また、本発明によれば、上記消失模型鋳造法用発泡ブロックをニクロムカット又は切削加工を行って得られた消失模型鋳造法用加工品が提供される。
本発明によれば、高い内部融着性、高い表面硬度及び低い連続気泡率の発泡ブロック及びその加工品を提供できる。
また、発泡性スチレン系樹脂粒子が、更に可塑剤を0.2〜5質量%含む場合、より高い内部融着性、高い表面硬度及び低い連続気泡率の発泡ブロックを提供できる。
(発泡ブロック)
発泡ブロックは、z+1平均分子量が100万〜240万の範囲内であるスチレン系樹脂を含んでいる。
(a)スチレン系樹脂
発泡ブロックはスチレン系モノマー由来の樹脂成分を含む。スチレン系モノマーとしては、特に限定されず、公知のモノマーをいずれも使用できる。例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチレン等の単官能スチレン系モノマーが挙げられる。これらスチレン系モノマーは、一種類でも、複数種の混合物であってもよい。好ましいスチレン系モノマーは、スチレンである。
(b)他の樹脂成分
発泡ブロックは、スチレン系モノマー由来の樹脂成分以外の他の樹脂成分を含んでいてもよい。他の樹脂成分は、スチレン系モノマーと共重合していてもよく、共重合せずに発泡ブロック中に存在していてもよい。
例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜8のアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、ジメチルマレエート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、エチルフマレート等の単官能モノマーの他、ジビニルベンゼン、アルキレングリコールジメタクリレート等の二官能性モノマー、無水マレイン酸、N−ビニルカルバゾール等に由来する樹脂成分、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル等の樹脂成分が挙げられる。
発泡ブロック中、全樹脂成分に対して、他の樹脂成分が占める割合は50質量%未満であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。
(c)他の樹脂
他の樹脂を添加してもよい。他の樹脂としては、例えば、発泡ブロックの耐衝撃性を向上させるために、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジエン三次元共重合体等のジエン系のゴム状重合体を添加したゴム変性ポリスチレン系樹脂(いわゆるハイインパクトポリスチレン)や、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体等が挙げられる。
(d)他の添加剤
他の添加剤としては、物性を損なわない範囲内において、難燃剤、難燃助剤、可塑剤、滑剤、結合防止剤、融着促進剤、帯電防止剤、展着剤、気泡調整剤、架橋剤、充填剤、着色剤等が挙げられる。この内、可塑剤を含むことは、樹脂を軟化させ発泡性の向上、内部融着の向上という効果を生じるため好ましい。
可塑剤としては、トルエン、スチレン、キシレン、シクロヘキサン、フタル酸エステル、グリセリンジアセトモノラウレート、グリセリントリステアレート、ジアセチル化グリセリンモノステアレート等のグリセリン脂肪酸エステル、ジイソブチルアジペートのようなアジピン酸エステル等が挙げられる。可塑剤の含有量は、発泡ブロック製造用の発泡性スチレン系樹脂粒子に対して、0.2〜5質量%の範囲であることが好ましい。0.2質量%未満の場合、上記効果を生じ難くなる。5質量%より多い場合、樹脂が必要以上に軟化し、発泡時に発泡粒が収縮しやすかったり、成形時に成形品が収縮したり表面が溶けやすくなったりすることがある。より好ましい含有量は0.3〜4質量%の範囲であり、更に好ましい含有量は0.3〜5質量%の範囲である。
(e)z+1平均分子量
GPC法により測定される平均分子量には、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、z平均分子量(Mz)、z+1平均分子量(Mz+1)がある。Mnは、高分子化合物に含まれる低分子量物の寄与を敏感に受ける。Mwは、高分子量物の寄与をMnより敏感に受ける。Mzは、高分子量物の寄与をMwより敏感に受け、Mz+1は、高分子量物の寄与をMzより敏感に受ける。本発明では、発泡性粒子のMz+1が特定の範囲であることにより、高い内部融着性、高い表面硬度及び低い連続気泡率の発泡ブロックを与えうる発泡性粒子を提供できることを見い出している。
z+1の範囲は、100万〜240万である。Mz+1が100万未満の場合、内部融着が悪く、表面硬度が高く、連続気泡率が高くなることがある。240万より大きい場合、内部融着が悪く、発泡性が低くなることがある。好ましいMz+1の範囲は、120万〜220万であり、より好ましくは150万〜220万である。
(f)平均気泡径、最表面膜厚及び連続気泡率
発泡ブロックは、特定の範囲の平均気泡径、最表面膜厚及び連続気泡率を有している。
具体的な特定の範囲は、平均気泡径は35〜170μm、最表面膜厚は0.5〜2.3μm、連続気泡率は10%以下である。
平均気泡径が35μm未満の場合、内部融着が不十分となることがある。170μmより大きい場合、十分な表面硬度が得られなくなることがある。好ましい平均気泡径の範囲は45〜120μm、更に好ましい平均気泡径の範囲は60〜95μmである。
最表面膜厚が0.5μm未満の場合、内部融着が不十分、十分な表面硬度が得られなくなることがある。2.3μmより厚い場合、内部融着が不十分となることがある。好ましい最表面膜厚の範囲は0.7〜1.8μm、より好ましい最表面膜厚の範囲は0.9〜1.6μmである。
連続気泡率が10%より大きい場合、内部融着性が低下することがある。好ましい連続気泡率は8%以下であり、より好ましい連続気泡率は6%以下である。
(g)密度
発泡ブロックの密度は、0.01〜0.10g/cm3の範囲であることが好ましい。発泡ブロックの密度が0.01g/cm3より小さい場合、発泡ブロックに収縮が発生することがある。加えて発泡ブロックの機械的強度が低下することがある。一方、密度が0.10g/cm3より大きい場合、発泡ブロックの軽量性が低下することがある。
(発泡ブロックの製造方法)
発泡ブロックは、例えばビーズ法により形成できる。ビーズ法とは、樹脂粒子に発泡剤を含浸させて発泡性粒子とし、発泡性粒子を加熱して予備発泡粒子とし、予備発泡粒子を発泡成形することで発泡ブロックを得る方法である。
(a)発泡性粒子
発泡性粒子の製造方法は特に限定されない。例えば、スチレン系樹脂種粒子の存在下又は非存在下、水性媒体中で、スチレン系モノマーを撹拌しつつ重合させる懸濁重合法で樹脂粒子を得、この樹脂粒子に発泡剤を含浸させることで発泡性粒子を得ることができる。種粒子の非存在下でスチレン系モノマーを重合させることで、カット面での亀甲模様の発生率を低く抑えた発泡ブロックを与えうる発泡性粒子を得ることができる。
(1)重合工程
水性媒体中に分散させてなる分散液中に、スチレン系モノマーを、必要に応じて他のモノマーと共に、供給する。水性媒体としては、水、水と水溶性溶媒(例えば、アルコール)との混合媒体が挙げられる。
スチレン系モノマーには、重合開始剤を含ませてもよい。重合開始剤としては、従来からモノマーの重合に用いられているものであれば、特に限定されない。例えば、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、ラウリルパーオキサイド、t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−t−ブチルパーオキシブタン、t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物等が挙げられる。これら開始剤の内、残存モノマーを低減させるために、10時間の半減期を得るための分解温度が80〜120℃にある異なった二種以上の重合開始剤を併用することが好ましい。なお、重合開始剤は単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
水性媒体中には、モノマーの小滴の分散を安定させるために懸濁安定剤が含まれていてもよい。懸濁安定剤としては、従来からモノマーの懸濁重合に用いられているものであれば、特に限定されない。例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子、第三リン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム、酸化マグネシウム等の難溶性無機化合物等が挙げられる。
懸濁安定剤として難溶性無機化合物を用いる場合には、アニオン界面活性剤を併用するのが好ましく、このようなアニオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸石鹸、N−アシルアミノ酸又はその塩、アルキルエーテルカルボン酸塩等のカルボン酸塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキルナフタレンスルフォン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスルフォン酸塩等のスルフォン酸塩;高級アルコール硫酸エステル塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)、第二級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩等の硫酸エステル塩;アルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩等のリン酸エステル塩等が挙げられる。これら界面活性剤の内、ラウリル硫酸ナトリウムが好ましい。
重合工程は、使用するモノマー種、重合開始剤種、重合雰囲気種等により異なるが、通常、70〜130℃の加熱を、3〜10時間維持することにより行われる。重合工程は、モノマーを含浸させつつ行ってもよい。重合工程は、使用するモノマー全量を1段階で重合させてもよく、2段階以上に分けて重合させてもよい。
重合開始剤として好ましくはt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレートを使用し、これらを単独で用いてもその他重合開始剤を二種以上併用されてもよい。また、重合温度としては70〜100℃が好ましい。
スチレン系モノマー及び/又は水性媒体中には、可塑剤、帯電防止剤、充填剤、着色剤等を含ませてもよい。これら以外にも、滑剤、結合防止剤、融着促進剤、展着剤、気泡調整剤、架橋剤、核剤を含ませることができる。
滑剤としては、パラフィンワックス、ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸、エチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミド等のアミド化合物等、ステアリン酸トリグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド等の脂肪酸エステルが挙げられる。
結合防止剤としては、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、タルク、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の金属石鹸、水酸化アルミニウム、エチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、第三リン酸カルシウム、ジメチルシリコーン等が挙げられる。
融着促進剤としては、例えばステアリン酸、ステアリン酸トリグリセリド、ヒドロキシステアリン酸トリグリセリド、ステアリン酸ソルビタンエステル、ポリエチレンワックス等が挙げられる。
帯電防止剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ステアリン酸モノグリセリド、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
展着剤としては、ポリブテン、ポリエチレングリコール、シリコンオイル、プロピレングリコール、グリセリン、流動パラフィン等が挙げられる。
気泡調整剤としては、メタクリル酸エステル系共重合ポリマー、エチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミド等のアミド化合物、ポリエチレンワックス等のポリオレフィンワックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
核剤としては、従来からモノマーの重合に用いられているものであれば、特に限定されない。例えば、ポリエチレンワックス等のポリオレフィンワックス、ヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド等のアミド化合物、タルク、シリカ、炭酸カルシウム等の無機粉末等が挙げられる。核剤は、スチレン系モノマー100質量部に対して、0.01〜3質量部の範囲で使用されることが好ましい。
(2)含浸工程
発泡性粒子は、上記スチレン系樹脂粒子に発泡剤を含浸させることにより得ることができる。含浸は、重合と同時に湿式で行ってもよく、重合後に湿式又は乾式で行ってもよい。湿式で行う場合は、上記重合工程で例示した、懸濁安定剤及び界面活性剤の存在下で行ってもよい。
発泡剤の含浸温度は、60〜150℃が好ましい。60℃より低いと、樹脂粒子に発泡剤を含浸させるのに要する時間が長くなって生産効率が低下することがある。また、150℃より高いと、樹脂粒子同士が融着して結合粒が発生することがある。より好ましい含浸温度は、70〜120℃である。
発泡剤と同時に、発泡助剤を含浸させてもよい。
発泡剤としては、特に限定されず、公知のものをいずれも使用できる。特に、沸点がスチレン系樹脂の軟化点以下であり、常圧でガス状又は液状の有機化合物が適している。例えばプロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、シクロペンタン、シクロペンタジエン、n−ヘキサン、石油エーテル等の炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、メチルエチルエーテル等の低沸点のエーテル化合物、トリクロロモノフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、ジクロロメタン等のハロゲン含有炭化水素、炭酸ガス、窒素、アンモニア等の無機ガス等が挙げられる。これらの発泡剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。この内、炭化水素を使用するのが、オゾン層の破壊を防止する観点、及び空気と速く置換し、発泡ブロックの経時変化を抑制する観点で好ましい。炭化水素の内、沸点が−45〜40℃の炭化水素がより好ましく、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン等が更に好ましい。
更に、発泡剤の含有量は、2〜12質量%の範囲であることが好ましい。2質量%より少ないと、発泡性粒子から所望の密度の発泡ブロックを得られないことがある。加えて、型内発泡成形時の二次発泡力を高める効果が小さくなるために、発泡ブロックの外観が良好とならないことがある。12質量%より多いと、発泡ブロックの製造工程における冷却工程に要する時間が長くなって生産性が低下することがある。より好ましい発泡剤の含有量は、3〜10質量%である。
発泡助剤を、発泡剤と併用してもよい。発泡助剤としては、トルエン、スチレン、ジイソブチルアジペート、シクロヘキサン、エチルベンゼン等が挙げられる。
(3)発泡性粒子の形状
発泡性粒子の形状は特に限定されない。例えば、球状、円柱状等が挙げられる。この内、球状であるのが好ましい。発泡性粒子の平均粒子径は、用途に応じて適宜選択でき、例えば、0.2mm〜5mmの平均粒子径のものを使用できる。また、成形型内への充填性等を考慮すると、平均粒子径は、0.3mm〜2mmがより好ましく、0.3mm〜1.4mmが更に好ましい。
(b)発泡粒子
発泡粒子は、熱媒体(例えば、加圧水蒸気等)を用いて所望の嵩密度に発泡性粒子を発泡させることで得られる。
発泡粒子の嵩密度は、0.01〜0.10g/cm3の範囲であることが好ましい。発泡粒子の嵩密度が0.01g/cm3より小さい場合、次に得られる発泡ブロックに収縮が発生して外観性が低下することがある。加えて発泡ブロックの断熱性能及び機械的強度が低下することがある。一方、嵩密度が0.10g/cm3より大きい場合、発泡ブロックの軽量性が低下することがある。
なお、発泡前に、発泡性粒子の表面に、ステアリン酸亜鉛のような粉末状金属石鹸類を塗布しておくことが好ましい。塗布しておくことで、発泡性粒子の発泡工程において発泡粒子同士の結合を減少できる。
(c)発泡ブロック
発泡ブロックは、例えば以下の方法により得ることができる。
発泡粒子を多数の小孔を有する閉鎖金型内に充填し、熱媒体(例えば、加圧水蒸気等)で加熱発泡させ、発泡粒子間の空隙を埋めると共に、発泡粒子を相互に融着させることにより一体化させることで、発泡ブロックを製造できる。その際、発泡ブロックの密度は、例えば、金型内への発泡粒子の充填量を調整する、発泡粒子の嵩密度を調整等して調製できる。
加熱発泡は、例えば、110〜150℃の温度で0.04〜0.11MPaの成形蒸気圧(ゲージ圧)の熱媒体で、5〜50秒加熱することにより行うことができる。この条件であれば、粒子相互の良好な融着性を確保できる。より好ましくは、加熱発泡成形は、90〜120℃の熱媒体で、10〜50秒加熱することにより行うことができる。
発泡粒子は、発泡ブロックの成形前に、例えば常圧で、熟成させてもよい。発泡粒子の熟成温度は、20〜60℃が好ましい。熟成温度が低いと、発泡粒子の熟成時間が長くなることがある。一方、高いと、発泡粒子中の発泡剤が散逸して成形性が低下することがある。
(消失模型鋳造法)
発泡ブロックは、鋳造を所望する鋳物の形状に対応する模型(加工品)に成形された後、鋳物砂中に埋設される。次に、模型部分に金属の熔湯を流し込むことにより、発泡ブロック部分は蒸発や燃焼により消失して金属と置換される。置換した金属をその形状が保持可能な温度以下に冷却後取り出すことにより、所望形状の鋳物を得ることができる。
本発明の発泡ブロックは、内部融着性が高いため、加工の際に模型に欠損が発生し難く、その欠損の鋳物への転写を低減できる。また、表面硬度が高いため、消失模型を扱う際の手の跡の付着を低減できる。模型の成形法としては、例えば、電熱線(例えば、ニクロム線)によるカット(例えば、ニクロムカット)や、カッター、鑢、NC(Numerical Control)等での切削等が挙げられる。ニクロムカットと切削加工とを併用することで、より滑らかな表面の加工品を得ることができる。
なお、消失模型鋳造法における鋳造条件は、特に限定されず、公知の条件をいずれも採用できる。例えば、鋳物砂としては、珪砂、ジルコン砂、クロマイト砂、セラミック砂等が挙げられ、熔湯を構成する金属としては、鉄系金属、アルミニウム系金属等が挙げられる。
以下、実施例によって本発明の具体例を示すが、以下の実施例は本発明の例示にすぎず、本発明は以下の実施例のみに限定されない。
<z+1平均分子量の測定>
「z+1平均分子量(Mz+1)」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定したポリスチレン(PS)換算z+1平均分子量を意味する。
具体的には、試料3mgをテトラヒドロフラン(THF)10mLに溶解させ(完全溶解)、非水系0.45μmのクロマトディスクで濾過して分子量を測定する。予め測定し、作成しておいた標準ポリスチレンの検量線から試料のz+1平均分子量を求める。また、クロマトグラフの条件は下記の通りとする。
・装置:高速GPC装置
・商品名:東ソー社製 HLC−8320GPC EcoSEC-WorkStation(RI検出器内蔵)
・分析条件
カラム:TSKgel SuperHZM−H×2本(4.6mmI.D×15cmL×2本)
ガードカラム:TSKguardcolumn SuperHZ−H×1本(4.6mmID×2cmL)
流量:試料側 0.175mL/min、リファレンス側 0.175mL/min
検出器:内蔵型RI検出器
濃度:0.3g/L
注入量:50μL
カラム温度:40℃
システム温度:40℃
溶離液:THF
(検量線の作成)
検量線用標準ポリスチレン試料としては、東ソー社製商品名「TSK standard POLYSTYRENE」の重量平均分子量が、500、2630、9100、37900、102000、355000、3840000、及び5480000である標準ポリスチレン試料と、昭和電工社製商品名「Shodex STANDARD」の重量平均分子量が1030000である標準ポリスチレン試料を用いる。
検量線の作成方法は以下の通りである。まず、上記検量線用標準ポリスチレン試料をグループA(重量平均分子量が1030000のもの)、グループB(重量平均分子量が500、9100、102000及び3480000のもの)及びグループC(重量平均分子量が2630、37900、355000及び5480000のもの)にグループ分けする。グループAに属する重量平均分子量が1030000である標準ポリスチレン試料を5mg秤量した後にTHF20mLに溶解し、得られた溶液50μLを試料側カラムに注入する。グループBに属する重量平均分子量が500、9100、102000及び3480000である標準ポリスチレン試料をそれぞれ10mg、5mg、5mg、及び5mg秤量した後にTHF50mLに溶解し、得られた溶液50μLを試料側カラムに注入する。グループCに属する重量平均分子量が2630、37900、355000及び5480000である標準ポリスチレン試料をそれぞれ5mg、5mg、5mg、及び1mg秤量した後にTHF40mLに溶解し、得られた溶液50μLを試料側カラムに注入する。これら標準ポリスチレン試料の保持時間から較正曲線(三次式)をHLC−8320GPC専用データ解析プログラムGPCワークステーション(EcoSEC−WS)にて作成し、これをポリスチレン換算重量平均分子量測定の検量線として用いる。
また、測定は温度23±2℃、湿度50±5%の環境下で行う。
<予備発泡粒子の嵩密度>
予備発泡粒子の嵩密度は、JIS K6911:1995年「熱硬化性プラスチック一般試験方法」に準拠して測定する。具体的は、まず、予備発泡粒子を測定試料としてWg採取し、この測定試料をメスシリンダー内に自然落下させる。メスシリンダー内に落下させた測定試料の体積Vcm3をJIS K6911に準拠した見掛け密度測定器を用いて測定する。Wg及びVcm3を下記式に代入することで、予備発泡粒子の嵩密度を算出する。
予備発泡粒子の嵩密度(g/cm3)=測定試料の質量(W)/測定試料の体積(V)
<発泡ブロックの密度>
発泡ブロック(成形後、40℃で20時間以上乾燥させたもの)から切り出した試験片(例75×300×35mm)の質量(a)と体積(b)をそれぞれ有効数字3桁以上になるように測定し、式(a)/(b)により発泡ブロックの密度(g/cm3)を求める。
<平均気泡径>
測定装置として走査電子顕微鏡(JOEL社製 商品名「JSM−6360LV」)を用い、下記に記載の方法で測定を行う。具体的には、発泡ブロックの任意部分を平面に剃刀歯で切断し、切断面を走査電子顕微鏡を用いて30倍に拡大して撮影する。気泡が小さく、30倍で確認し難い場合はこの限りではなく、50倍、100倍など気泡が確認できる倍数でよい。
次に、撮影した画像をA4用紙上に印刷し、発泡ブロック内の発泡粒子内の任意の箇所に長さ60mmの直線を一本描き、この直線上に存在する気泡数から気泡の平均弦長(t)を下記式により算出する。
平均弦長t=60/(気泡数×写真の倍率)
なお、直線を描くにあたっては、できるだけ直線が気泡に点接触することなく貫通した状態となるようにする。また、一部の気泡が直線に点接触してしまう場合には、この気泡も気泡数に含める。更に、直線の両端部が気泡を貫通することなく、気泡内に位置した状態となる場合には、直線の両端部が位置している気泡も気泡数に含める。
そして、算出された平均弦長tに基づいて次式により平均気泡径を算出する。
平均気泡径(mm)D=t/0.616
更に、撮影した画像の任意の5箇所において上述と同様の要領で平均気泡径を算出し、これらの平均気泡径の相加平均値を発泡ブロックの平均気泡径とする。
<最表面膜厚>
測定装置として走査電子顕微鏡(JOEL社製 商品名「JSM−6360LV」)を用いる。
発泡ブロックの最表面に存在する発泡粒子から任意に選択した10個について、剃刀刃を用いて、それぞれ粒子の中心を通る平面で二等分する。その一方の切断面の最表層部を走査型電子顕微鏡を用いて、4000倍に拡大した画像を作成する。その後、測長機能を用いて最外にある非発泡層に任意に5点線を引き、厚みを測定する。各画像について、同様に測定し、計10画像分の平均値を最表層膜厚とする。
<表面硬度>
縦500mm×横400mm×厚さ300mmの発泡ブロックを60℃、3日間乾燥した後、縦225mm、275mmの位置にそれぞれ水平に電圧をかけたニクロム線よりカットし、縦50mm×横400mm×厚さ300mmの平板形状の試験片を得る。その試験片のニクロムカット面の表面硬度を表面硬度計(高分子計器社製 商品名「ASKER TYPE CS」)を用いて20点測定し、相加平均値を発泡ブロックの表面硬度とする。
表面硬度が:
50以上を特に良好(◎)
47以上、50未満を良好(○)
47未満を不良(×)
と評価する。
<融着率>
表面硬度を測定した縦50mm×横400mm×厚さ300mmの試験片に一対の長辺の中心同士を結ぶ直線に沿ってカッターナイフで深さ約5mmの切り込み線を入れた後、この切り込み線に沿って試験片を手で二分割し、その破断面における発泡粒子について、100〜150個を含む任意の範囲について、全粒子数(A)と粒子内で破断している粒子数(B)を計数し、以下の式により融着率(%)を算出する。
融着率=(B)×100/(A)
融着率が:
80%以上を特に良好(◎)
60%以上、80%未満を良好(○)
60%未満を不良(×)
と評価する。
<連続気泡率>
発泡ブロックについて、ASTM D2856−87記載の測定方法に準じて連続気泡率の測定を行う。すなわち6面共成形面等の表皮を有しない平滑な切断面で構成された試験片(25mmの立方体)を5個切り出し、ノギスを用いて見掛けの体積を測定し、次に空気比較式比重計(東京サイエンス社製 1000型)を用いて1−1/2−1気圧法により体積を測定する。
連続気泡率(%)=(見かけの体積−空気比較式比重計での測定体積)/見かけ体積×100
連続気泡率が:
10%以上を不良(×)
10%未満、5%以上を良好(○)
5%未満を特に良好(◎)
と評価する。
また、測定は、試験片を温度23±2℃、湿度50±5%の環境下で24時間以上静置させ、その後温度23±2℃、湿度50±5%の環境下で行う。
<総合判定>
内部融着、表面硬度及び連続気泡率の評価において、全て◎の場合及び2つ◎で1つ○の場合を◎、1つ◎で2つ○の場合及び全て○の場合を○、1つでも×があった場合を×と判定する。
実施例1
(スチレン系樹脂粒子の作製)
内容積100リットルの攪拌機付オートクレーブ(以下、反応器ともいう)にピロリン酸マグネシウム140g、ラウリル硫酸ナトリウム3.6g、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート162g、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート20g、イオン交換水40kg及びスチレン45kgを投入した後、60rpmの撹拌下で溶解及び分散させて懸濁液を形成した。
引き続き、攪拌羽を60rpmで撹拌しながらオートクレーブ内の温度を90℃まで昇温した後、90℃で6時間保持した。
その後、オートクレーブ内の温度を120℃まで昇温し、120℃で2時間保持した後、オートクレーブ内の温度を25℃まで冷却し、オートクレーブから内容物を取り出し、脱水・乾燥・分級して粒子径が0.6〜1.0mmでz+1平均分子量が175万のスチレン系樹脂粒子を得た。
(発泡剤含有粒子の作製)
次いで、内容積25リットルの攪拌機付オートクレーブに上記のスチレン系樹脂粒子10kg、蒸留水9kg、ピロリン酸マグネシウム20g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム6gを入れ、210rpmの攪拌下で懸濁させた。
次いで蒸留水1000gにピロリン酸マグネシウム10g、ドデシルベゼンスルホン酸ナトリウム2gに発泡助剤及び可塑剤としてトルエン100g、スチレン60gを加えてホモミキサーで攪拌して懸濁液を調製し、この懸濁液を反応器内に加えた。その後、105℃まで昇温し、発泡剤であるブタン(イソブタン:ノルマルブタン=30:70(質量比))800gを圧入して105℃で5時間保持した後、20℃まで冷却して取り出し、洗浄、脱水、乾燥した。発泡性ポリスチレン粒子の洗浄時に、JIS1000μm篩を通過しない合着粒子を除いた。更に発泡後の気泡径が完全に安定するまで15℃で3日間熟成させて発泡剤含有粒子を得た。
(発泡剤含有粒子の被覆)
発泡剤含有粒子5kgを松坂貿易社製レーディゲミキサーM20型(内容量20リットル)に投入した。次いでステアリン酸亜鉛(滑剤)5g、12−ヒドロキシステアリン酸トリグリセライド(融着促進剤)2.5g、ステアリン酸モノグリセライド(融着促進剤)2.5g、ステアリン酸トリグリセライド(融着促進剤)0.5gを順次投入し、230rpmで3分間攪拌した。次いで重量平均分子量300であるポリエチレングリコール(日本油脂社製PEG#300:帯電防止剤)2.5g、100csであるジメチルポリシロキサン(東レダウコーニング社製シリコンSH200−100CS:結合防止剤)1.0gを投入し230rpmで5分間攪拌した。これら撹拌の結果、滑剤、融着促進剤及び帯電防止剤で被覆された発泡剤含有粒子を得た。
(温風処理:気流乾燥)
その後、表面が被覆された発泡剤含有粒子を気流乾燥機による気流温度40℃で30分間乾燥を行うことで、発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。
(予備発泡粒子の製造)
続いて、発泡性スチレン系樹脂粒子を円筒型バッチ式予備発泡機に供給して、吹き込み圧0.05MPaの水蒸気により加熱し、予備発泡粒子を得た。得られた予備発泡粒子は、嵩密度0.017g/cm3(嵩発泡倍数60倍)であった。
(発泡ブロックの製造)
続いて、得られた予備発泡粒子を室温雰囲気下、24時間に亘って放置した後、縦500mm×横400mm×厚さ300mmの長方形状のキャビティを有する成形型内に予備発泡粒子を充填した。充填後、成形スチーム圧0.07MPa(ゲージ圧力)、金型加熱5秒、一方加熱15秒、両面加熱20秒、水冷30秒、設定取出面圧−0.02MPaの条件で成形を行った。得られた発泡ブロックは密度0.017g/cm3(発泡倍数60倍)であった。
実施例2
t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネートを113g使用し、z+1平均分子量が195万のスチレン系樹脂粒子を得たこと以外は実施例1と同様の方法で発泡ブロックを製造した。
実施例3
t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート315gを使用し、z+1平均分子量が160万のスチレン系樹脂粒子を得たこと以外は実施例1と同様の方法で発泡ブロックを製造した。
実施例4
t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネートの代わりに過酸化ベンゾイル(純度75%)を162g使用し、z+1平均分子量が110万のスチレン系樹脂粒子を得たこと以外は実施例1と同様の方法で発泡ブロックを製造した。
実施例5
t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネートに加え、過酸化ベンゾイル(純度75%)を60g使用し、z+1平均分子量が140万のスチレン系樹脂粒子を得たこと以外は実施例1と同様の方法で発泡ブロックを製造した。
実施例6
t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネートを99g使用し、z+1平均分子量が220万のスチレン系樹脂粒子を得たこと以外は実施例1と同様の方法で発泡ブロックを製造した。
実施例7
ラウリル硫酸ナトリウム4.5g、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネートを113g使用し、z+1平均分子量が195万のスチレン系樹脂粒子を得たこと以外は実施例1と同様の方法で発泡ブロックを製造した。
実施例8
(スチレン系樹脂粒子の作製)
内容積100リットルの攪拌機付オートクレーブ(以下、反応器ともいう)にピロリン酸マグネシウム140g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ4g、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート162g、ポリエチレンワックス(東洋アドレ社製POLYWAX1000−80M)27g、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート20g、イオン交換水40kg及びスチレン45kgを投入した後、60rpmの撹拌下で溶解及び分散させて懸濁液を形成した。
引き続き、攪拌羽を60rpmで撹拌しながらオートクレーブ内の温度を90℃まで昇温した後、90℃で6時間保持した。
その後、オートクレーブ内の温度を120℃まで昇温し、120℃で2時間保持した後、オートクレーブ内の温度を25℃まで冷却し、オートクレーブから内容物を取り出し、脱水・乾燥・分級して粒子径が0.6〜1.0mmでz+1平均分子量が175万のスチレン系樹脂粒子を得た。
(発泡剤含有粒子の作製)
次いで、内容積25リットルの攪拌機付オートクレーブに上記のスチレン系樹脂粒子10kg、蒸留水9kg、ピロリン酸マグネシウム20g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム6gを入れ、210rpmの攪拌下で懸濁させた。
次いで蒸留水1000gにピロリン酸マグネシウム10g、ドデシルベゼンスルホン酸ナトリウム2gに発泡助剤及び可塑剤としてトルエン100g、スチレン60gを加えてホモミキサーで攪拌して懸濁液を調製し、この懸濁液を反応器内に加えた。その後、105℃まで昇温し、発泡剤であるブタン(イソブタン:ノルマルブタン=30:70(質量比))800gを圧入して105℃で5時間保持した後、20℃まで冷却して取り出し、洗浄、脱水、乾燥した。発泡性ポリスチレン粒子の洗浄時に、JIS1000μm篩を通過しない合着粒子を除いた。さらに発泡後の気泡径が完全に安定するまで15℃で3日間熟成させて発泡剤含有粒子を得た。
(発泡剤含有粒子の被覆)
発泡剤含有粒子5kgを松坂貿易社製レーディゲミキサーM20型(内容量20リットル)に投入した。次いでステアリン酸亜鉛(滑剤)5g、12−ヒドロキシステアリン酸トリグリセライド(融着促進剤)2.5g、ステアリン酸モノグリセライド(融着促進剤)2.5g、ステアリン酸トリグリセライド(融着促進剤)0.5gを順次投入し、230rpmで3分間攪拌した。次いで重量平均分子量300であるポリエチレングリコール(日本油脂社製PEG#300:帯電防止剤)2.5g、100csであるジメチルポリシロキサン(東レダウコーニング社製シリコンSH200−100CS:結合防止剤)1.0gを投入し230rpmで5分間攪拌した。これら撹拌の結果、滑剤、融着促進剤及び帯電防止剤で被覆された発泡剤含有粒子を得た。
(温風処理:気流乾燥)
その後、表面が被覆された発泡剤含有粒子を気流乾燥機にて気流温度40℃で30分間乾燥を行うことで、発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。
(予備発泡粒子の製造)
続いて、発泡性スチレン系樹脂粒子を円筒型バッチ式予備発泡機に供給して、吹き込み圧0.05MPaの水蒸気により加熱し、予備発泡粒子を得た。得られた予備発泡粒子は、嵩密度0.017g/cm3(嵩発泡倍数60倍)であった。
(発泡ブロックの製造)
続いて、得られた予備発泡粒子を室温雰囲気下、24時間に亘って放置した後、縦500mm×横400mm×高さ300mmの長方形状のキャビティを有する成形型内に予備発泡粒子を充填した。充填後、成形スチーム圧0.07MPa(ゲージ圧力)、金型加熱5秒、一方加熱15秒、両面加熱20秒、水冷30秒、設定取出面圧−0.02MPaの条件で成形を行った。得られた発泡ブロックは密度0.017g/cm3(発泡倍数60倍)であった。
実施例9
ポリエチレンワックスを32g使用したこと以外は実施例8と同様の方法で発泡ブロックを製造した。
実施例10
ポリエチレンワックスを41g使用したこと以外は実施例8と同様の方法で発泡ブロックを製造した。
実施例11
ポリエチレンワックスを23g使用したこと以外は実施例8と同様の方法で発泡ブロックを製造した。
実施例12
ポリエチレンワックスを9g使用し、発泡性スチレン系樹脂粒子の被覆の際に気流乾燥を行わなかったこと以外は実施例8と同様の方法で発泡ブロックを製造した。
実施例13
ポリエチレンワックスを32g使用し、発泡性スチレン系樹脂粒子の被覆の際に気流乾燥を行わなかったこと以外は実施例8と同様の方法で発泡ブロックを製造した。
実施例14
ポリエチレンワックスを9g使用したこと以外は実施例8と同様の方法で発泡ブロックを製造した。
比較例1
t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネートの代わりに過酸化ベンゾイル(純度75%)を174g使用し、z+1平均分子量が85万のスチレン系樹脂粒子を得たこと以外は実施例1と同様の方法で発泡ブロックを製造した。
比較例2
t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネートを90g使用し、z+1平均分子量が250万のスチレン系樹脂粒子を得たこと以外は実施例1と同様の方法で発泡ブロックを製造した。
比較例3
ラウリル硫酸ナトリウムの代わりにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを3.6g使用したこと以外は実施例1と同様の方法で発泡ブロックを製造した。
比較例4
ポリエチレンワックスを使用せず、発泡性スチレン系樹脂粒子の被覆の際に気流乾燥を行わなかったこと以外は実施例8と同様の方法で発泡ブロックを製造した。
比較例5
ポリエチレンワックスを45g使用し、発泡性スチレン系樹脂粒子の被覆の際に気流乾燥を行わなかったこと以外は実施例8と同様の方法で発泡ブロックを製造した。
比較例6
ポリエチレンワックスを使用しなかったこと以外は実施例8と同様の方法で発泡ブロックを製造した。
比較例7
ポリエチレンワックスを41g使用し、発泡性スチレン系樹脂粒子の被覆の際に気流乾燥を行わなかったこと以外は実施例8と同様の方法で発泡ブロックを製造した。
上記実施例及び比較例から得られた各種測定値を表1及び2に示す。
実施例及び比較例から、特定の範囲のZ+1平均分子量、平均気泡径、最表面膜厚及び連続気泡率である場合、高い内部融着性、高い表面硬度及び低い連続気泡率の発泡ブロックが得られていることが分かる。

Claims (3)

  1. z+1平均分子量が100万〜240万であるスチレン系樹脂を含む消失模型鋳造法用発泡ブロックであり、
    前記発泡ブロックが、35〜170μmの範囲の平均気泡径、0.5〜2.3μmの最表面膜厚、10%以下の連続気泡率を示すことを特徴とする消失模型鋳造法用発泡ブロック。
  2. 前記消失模型鋳造法用発泡ブロックが、更に可塑剤を0.2〜5質量%含む請求項1に記載の消失模型鋳造法用発泡ブロック。
  3. 請求項1又は2いずれかに記載の消失模型鋳造法用発泡ブロックをニクロムカット又は切削加工を行って得られた消失模型鋳造法用加工品。
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JP2021147597A (ja) * 2020-03-24 2021-09-27 積水化成品工業株式会社 発泡性スチレン系樹脂粒子、予備発泡スチレン系樹脂粒子、およびスチレン系樹脂発泡成形体

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