JP5014613B2 - 分岐含有量が低いポリブタジエンの製造方法 - Google Patents
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Description
分岐指数値(gM)が1未満であり、
0.01Hz、100℃およびひずみ1%で測定した、粘性率(G”)と弾性率(G’)との比の三角法正接である、tanδ=G”/G’として定義される減衰係数(tanδ)値が、0.80〜1.40であり、
ムーニー粘度が49未満であり、
Mw/Mnが2.5未満であり、
1,4−シス単位の百分率が93%を超える、
低分岐含有量ポリブタジエンを製造する方法であって、
(a)有機溶剤の存在下、
(a1)水および−COOH基を含まないネオジムカルボキシレートから選択されたネオジム誘導体、
(a2)一般式(Ia)AlR4 3、または(Ib)AlHnR4 3−n(式中、nは1〜2であり、R4は、同一であるか、または互いに異なるものであって、1〜10個の炭素原子を含むアルキル基を表す)のアルキルアルミニウム、
(a3)少なくとも一個のハロゲン原子、好ましくは塩素を含む有機アルミニウム誘導体、を含んでなる触媒系の存在下でブタジエンを重合させて、1,4−シス単位含有量が93%を超え、Mw/Mn比が2.5未満である線状ポリブタジエン(gM=1)を形成する工程、
(b)工程(a)の完了により得られた重合体溶液をカップリング剤で処理して、前記低分岐含有量ポリブタジエンを得る工程、
(c)工程(b)の完了により得られた低分岐含有量ポリブタジエンを回収する工程
を含んでなり、
前記カップリング剤が、
(i)不飽和天然油、
(ii)ブタジエンおよび/またはイソプレンオリゴマー、
(iii)ブタジエンおよび/またはイソプレンとビニルアレーンモノマーの共重合体
から選択されるものであり、
前記 (i)〜(iii)の化合物において、不飽和が、少なくとも部分的に、エポキシド、酸無水物およびエステルから、好ましくはエポキシドおよび無水コハク酸から選択される基で置換されてなることを特徴とする、方法に関する。
(x)多分散度指数2.0〜2.3、好ましくは2.1〜2.2、
(xi)tanδ値0.8〜1.40、好ましくは0.90〜1.30、
(xii)gM値0.92〜0.99、好ましくは0.93〜0.97、
(xiii)ムーニー粘度35〜48、好ましくは39〜46
の特徴を有する混合物に関する。
カーボンブラック20〜350部、好ましくは50〜200部、
鉱物充填材(好ましくは炭酸カルシウム、カオリン、シリカおよびタルクから選択される)0〜200部、好ましくは0〜50部、
可塑剤、例えば様々な組成の鉱油、部分的に芳香族系、ナフテン系およびパラフィン系、およびパラフィンワックス、0〜150部、好ましくは25〜90部、
処理添加剤(共助剤)、好ましくはステアリン酸およびポリエチレングリコール、0〜2部、
酸化防止剤0〜5部、
酸化亜鉛または酸化鉛0〜10部
である。
含水量の測定
Karl-Fischer法により測定
I.R.分光法により測定
重合体には通常、下記の分析測定を行う。
・ムーニー粘度、ASTM D1646法による
・微小構造(シス含有量)のIR分析
この方法は、1,4−トランスおよび1,2−ビニル異性体に帰せられる帯と、1312cm−1にある基準帯(社内標準)の強度比の計算に基づく(L.J. Bellamy, The Infrared Spectra of Complex Molecules, Vol. 1, The Third Edition, Chapman and Hall)。1,4−シス含有量は、100との差により求められる。試料調製は、溶液から出発し、KBr窓上で蒸発させることにより得られるポリブタジエンフィルムに対して行う。
・分子量分布(MWD)の測定、現在使用されている、テトラヒドロフラン中、T=25℃で、PL-MIXED A (X4)カラムおよびUniversal Calibration法(k=0.000457dl/gおよび□=0.693)による分子量測定を使用する、SEC−サイズ排除(exclusion)クロマトグラフィー−(GPC)による方法。
・平均分子量の測定およびSEC/MALLS技術による分岐度の測定、Application Note, No.9, Wyatt Technology and Pavel Kratochvil, Classical Light Scattering from Polymer Solutions, Polymer Science Library, 5, Elsevier Science Publishers B.V. 1987に記載されている研究から採った社内法による。多角度レーザー光散乱検出器(MALLS)を、伝統的なSEC/RI(屈折率検出によるサイズ排除クロマトグラフィー)溶離装置と組み合わせることにより、クロマトグラフィー系中で分離している巨大分子の分子量および回転半径を同時に絶対的に測定することができる。実際、溶液中の巨大分子化学種により拡散される光の量を直接使用し、その分子量を得ることができ、一方、散乱の角度的変動は、溶液中の分子の平均寸法に直接相関している。基本的な等式は、
K*=光学定数、使用する光の波長(これは、重合体のdn/dcおよび使用する溶剤によって異なる)
Mw=重量平均分子量
c=重合体溶液の濃度
Rθ=角度θで測定した拡散光の強度
Pθ=拡散光の角度変動を説明する関数
A2=溶剤の第二ビリアル係数、角度θ=0では1に等しい。)
非常に低い濃度(SEC系に典型的な)では、等式1は、
平均分岐指数gMは、そのような比の平均を、分子量分布の関数として表し、0〜1である。
本発明の方法の第一工程のみにより製造した線状重合体(A、B、C、D、E)、および対応する、本発明の方法により得た分岐した重合体(AM1、AM2、AM3、BM1、BM2、BM3、CM1、CM2、CM3、DM1、DM2、DM3、EM1、EM2、EM3)を、減衰ファクター、すなわち0.01Hz、100℃および1%ひずみにおけるtanδを測定することにより、動的−機械的分析を行った。
混合物の特性試験を下記のように行った。
・ASTM D1646によるムーニー粘度の測定(3回測定の平均値を報告する)
・混合物のΔムーニーの計算:重合体自体のムーニー粘度および混合物のムーニー粘度の差を計算する(表は、3回測定の平均値を報告する)
・混合物弾性率の動的−機械的測定:1Hz、100℃および1%ひずみにおけるG’(3回測定の平均値を報告する)
全体として、上記のパラメータは、重合体マトリックス中での充填材の配合速度および分散度に関する有効な指針を与える。
重合体合成は、5種類のNd−カルボキシレート、特に3種類のNd−バーサテート、すなわち異なった量の水およびバーサチック酸が存在するNdV31、NdV32およびNdV33、1種類のNd−ピバレートNdL34、および1種類のNd−2−エチル−ヘキサノエートNdL35、を使用して行う。
NdV32は、米国特許出願US−A−6,090,926に従って製造した。
NdV33は、試料NdV32のアリコートを高真空下、60℃で乾燥させ、バーサチック酸および水を除去することにより製造した。
NdL34およびNdL35は、上記の米国特許出願US−A−6,090,926に従って、バーサチック酸の代わりにそれぞれピバル酸および2−エチル−ヘキサン酸を使用し、得られた試料を高真空下で乾燥させ、酸および水を除去することにより製造した。
表1および2は、ポリブタジエンの製造条件および関連する特性をそれぞれ示す。
比較例1−NdV31触媒の存在下における重合体Aの合成
例1と同じ条件下で、NdバーサテートタイプNdV32の量をブタジエン1,000gあたり2.5mmolに減少させ、DIBAH/Ndの比を3.6に調節し、DEAC/Ndの比を2.6に調節する。重合体溶液の10リットルアリコートで測定して実質的に完全な転化(99.5%)が60分間以内に達成されるように、反応速度を増加させる。この溶液に、0.06重量%(重合体に対して)のIrganox(登録商標)1520を加え、例1と同様に溶剤を除去する。この重合体の分析により、例1の重合体に対してある程度の差が見られる。特に、GPCによるMw値は350,000であり、分散指数は2.6である。
例2と同じ条件下および同量の試薬で、ただし、固体型のNdV33バーサテートを使用し、表2に示す特性を有する重合体を製造する。ネオジムバーサテートNdV33は反応混合物中に、ガラス容器に供給すべき固体の量を正確に計量して供給し、次いで反応器の内側で直接粉砕する。この場合も、合成反応器から取り出した重合体溶液10リットルアリコートで測定する転化率は、実質的に60分後に完了する(99%)。このようにして、0.06重量%のIrganox(登録商標)1520を加えた後、重合体Cを回収する(その特性試験のため、表2参照)。合成反応器中に残っている重合体溶液を、例12、13および14に詳細に説明するように、様々なカップリング剤で処理する。
例2と同じ条件下および表1に示す量の試薬(ブタジエン1kgあたりNd2.6mmol、DIBAH/Ndのモル比3.6およびDEAC/Ndのモル比を2.7)で、ただし、固体のNdL34型Ndピバレートを使用し、表2に示す特性を有する重合体を製造する。ネオジムピバレートNdL34は反応混合物中に、ガラス容器に供給すべき固体の量を正確に計量して供給し、次いで反応器の内側で直接粉砕する。この場合も、合成反応器から取り出した重合体溶液10リットルアリコートで測定する転化率は、実質的に60分後に完了する(99%)。0.06重量%のIrganox(登録商標)1520を加えた後、重合体Dを回収する。合成反応器中に残っている重合体溶液を、例15、16および17に詳細に説明するように、様々なカップリング剤で処理する。
例2と同じ条件下および表1に示す量の試薬(ブタジエン1kgあたりNd2.4mmol、DIBAH/Ndのモル比3.7およびDEAC/Ndのモル比を2.4)で、ただし、固体のNdL35型Nd2−エチル−ヘキサノエートを使用し、表2に示す特性を有する重合体を製造する。ネオジム2−エチル−ヘキサノエートNdL35は反応混合物中に、ガラス容器に供給すべき固体の量を正確に計量して供給し、次いで反応器の内側で直接粉砕する。この場合も、合成反応器から取り出した重合体溶液10リットルアリコートで測定する転化率は、実質的に60分後に完了する(99%)。0.06重量%のIrganox(登録商標)1520を加えた後、重合体Eを回収する。合成反応器中に残っている重合体溶液を、例18、19および20に詳細に説明するように、様々なカップリング剤で処理する。
下記の例は、重合体A〜E(本発明の方法の工程b)の後変性、およびこのように変性したポリブタジエンの回収(本方法の工程c)に関する。
例1に記載する方法で行った反応の完了により得られた重合体溶液の10リットルアリコートを、別の20リットル反応器に移し、反応完了により重合体溶液が到達した温度90℃で、エポキシド化された大豆油Epoxol(登録商標)D65(Epoxol(登録商標)D65 0.25g/ブタジエン1,000g)のヘキサン中1%溶液と共に処理する。10分後、反応が完了し、該後変性反応器から取り出した溶液を、ミキサー中で水で処理し、触媒系の残留物を構成する過剰の有機金属化合物をすべて分解する。次いで、一次(Irganox(登録商標)565)および二次(TNPP)酸化防止剤を、ゴムに対してそれぞれ0.15および0.50重量%加える。105℃の蒸気を加えて溶剤を除去し、湿った固まりを分離し、プレス中で完全に乾燥させた後、重合体のムーニー粘度は45である(重合体AM1)。分子的な特性を表3および4に示す。
例1に記載する方法で行った反応の完了により得られた重合体溶液の10リットルアリコートを、別の20リットル反応器に移し、反応完了により重合体溶液が到達した温度90℃で、エポキシド化されたポリブタジエンPoly bd(登録商標)600E(Poly bd(登録商標)600E 1g/ブタジエン1,000g)のメシチレン中2.5%溶液と共に処理する。10分後、反応が完了し、該後変性反応器から取り出した溶液を、ミキサー中で水で処理し、触媒系の残留物を構成する過剰の有機金属化合物をすべて分解する。次いで、一次(Irganox(登録商標)565)および二次(TNPP)酸化防止剤を、ゴムに対してそれぞれ0.15および0.50重量%加える。105℃の蒸気を加えて溶剤を除去し、湿った固まりを分離し、プレス中で完全に乾燥させた後、重合体のムーニー粘度は44である(重合体AM2)。分子的な特性を表3および4に示す。
例1に記載する方法で行った反応の完了により得られた重合体溶液の10リットルアリコートを、別の20リットル反応器に移し、反応完了により重合体溶液が到達した温度90℃で、マレイン酸化したポリブタジエンRicon(登録商標)130MA8(Ricon(登録商標)130MA8 1.2g/ブタジエン1,000g)のヘキサン中4%溶液と共に処理する。10分後、反応が完了し、該後変性反応器から取り出した溶液を、ミキサー中で水で処理し、触媒系の残留物を構成する過剰の有機金属化合物をすべて分解する。次いで、一次(Irganox(登録商標)565)および二次(TNPP)酸化防止剤を、ゴムに対してそれぞれ0.15および0.50重量%加える。105℃の蒸気を加えて溶剤を除去し、湿った固まりを分離し、プレス中で完全に乾燥させた後、重合体のムーニー粘度は45である(重合体AM3)。分子的な特性を表3および4に示す。
例2に記載する方法で行った反応の完了により得られた重合体溶液の10リットルアリコートを、別の20リットル反応器に移し、反応完了により重合体溶液が到達した温度90℃で、エポキシド化された大豆油Epoxol(登録商標)D65のヘキサン混合物中1%溶液を加える。エポキシド化された油と出発ブタジエンの比は、0.2g/ブタジエン1,000gである。10分後、反応が完了し、該後変性反応器から取り出した溶液を、ミキサー中で水で処理し、触媒系の残留物を構成する過剰の有機金属化合物をすべて分解する。次いで、一次(Irganox(登録商標)565)および二次(TNPP)酸化防止剤を、ゴムに対してそれぞれ0.15および0.50重量%加える。105℃の蒸気を加えて溶剤を除去し、湿った固まりを分離し、プレス中で完全に乾燥させた後、重合体のムーニー粘度は46である(重合体BM1)。分子的な特性を表3および4に示す。
例2に記載する方法で行った反応の完了により得られた重合体溶液の10リットルアリコートを、別の20リットル反応器に移し、反応完了により重合体溶液が到達した温度90℃で、エポキシド化されたポリブタジエンPoly bd(登録商標)600E(1.1g/ブタジエン1,000g)のメシチレン中2.5%溶液を加える。10分後、反応が完了し、該後変性反応器から取り出した溶液を、ミキサー中で水で処理し、触媒系の残留物を構成する過剰の有機金属化合物をすべて分解する。次いで、一次(Irganox(登録商標)565)および二次(TNPP)酸化防止剤を、ゴムに対してそれぞれ0.15および0.50重量%加える。105℃の蒸気を加えて溶剤を除去し、湿った固まりを分離し、プレス中で完全に乾燥させた後、重合体のムーニー粘度は45である(重合体BM2)。分子的な特性を表3および4に示す。
例2に記載する方法で行った反応の完了により得られた重合体溶液の10リットルアリコートを、別の20リットル反応器に移し、反応完了により重合体溶液が到達した温度90℃で、マレイン酸化したポリブタジエンRicon(登録商標)130MA8(1.3g/ブタジエン1,000g)のヘキサン混合物中4%溶液を加える。10分後、反応が完了し、該後変性反応器から取り出した溶液を、ミキサー中で水で処理し、触媒系の残留物を構成する過剰の有機金属化合物をすべて分解する。次いで、一次(Irganox(登録商標)565)および二次(TNPP)酸化防止剤を、ゴムに対してそれぞれ0.15および0.50重量%加える。105℃の蒸気を加えて溶剤を除去し、湿った固まりを分離し、プレス中で完全に乾燥させた後、重合体のムーニー粘度は45である(重合体BM3)。分子的な特性を表3および4に示す。
例3に記載する方法で行った反応の完了により得られた重合体溶液の10リットルアリコートを、別の20リットル反応器に移し、反応完了により重合体溶液が到達した温度90℃で、エポキシド化された大豆油Epoxol(登録商標)D65(0.2g/1,000g)のヘキサン混合物中1%溶液を加える。10分後、反応が完了し、該後変性反応器から取り出した溶液を、ミキサー中で水で処理し、触媒系の残留物を構成する過剰の有機金属化合物をすべて分解する。次いで、一次(Irganox(登録商標)565)および二次(TNPP)酸化防止剤を、ゴムに対してそれぞれ0.15および0.50重量%加える。105℃の蒸気を加えて溶剤を除去し、湿った固まりを分離し、プレス中で完全に乾燥させた後、重合体のムーニー粘度は45である(重合体CM1)。分子的な特性を表3および4に示す。
例3に記載する方法で行った反応の完了により得られた重合体溶液の10リットルアリコートを、別の20リットル反応器に移し、反応完了により重合体溶液が到達した温度90℃で、エポキシド化されたポリブタジエンPoly bd(登録商標)600E(0.9g/1,000g)のメシチレン中2.5%溶液を加える。10分後、反応が完了し、該後変性反応器から取り出した溶液を、ミキサー中で水で処理し、触媒系の残留物を構成する過剰の有機金属化合物をすべて分解する。次いで、一次(Irganox(登録商標)565)および二次(TNPP)酸化防止剤を、ゴムに対してそれぞれ0.15および0.50重量%加える。105℃の蒸気を加えて溶剤を除去し、湿った固まりを分離し、プレス中で完全に乾燥させた後、重合体のムーニー粘度は46である(重合体CM2)。分子的な特性を表3および4に示す。
例3に記載する方法で行った反応の完了により得られた重合体溶液の10リットルアリコートを、別の20リットル反応器に移し、反応完了により重合体溶液が到達した温度90℃で、マレイン酸化したポリブタジエンRicon(登録商標)130MA8(1.2g/ブタジエン1,000g)のヘキサン混合物中4%溶液を加える。10分後、反応が完了し、該後変性反応器から取り出した溶液を、ミキサー中で水で処理し、触媒系の残留物を構成する過剰の有機金属化合物をすべて分解する。次いで、一次(Irganox(登録商標)565)および二次(TNPP)酸化防止剤を、ゴムに対してそれぞれ0.15および0.50重量%加える。105℃の蒸気を加えて溶剤を除去し、湿った固まりを分離し、プレス中で完全に乾燥させた後、重合体のムーニー粘度は43である(重合体CM3)。分子的な特性を表3および4に示す。
例4に記載する方法で行った反応の完了により得られた重合体溶液の10リットルアリコートを、別の20リットル反応器に移し、反応完了により重合体溶液が到達した温度90℃で、エポキシド化された大豆油Epoxol(登録商標)D65(0.25g/ブタジエン1,000g)のヘキサン混合物中1%溶液を加える。10分後、反応が完了し、該後変性反応器から取り出した溶液を、ミキサー中で水で処理し、触媒系の残留物を構成する過剰の有機金属化合物をすべて分解する。次いで、一次(Irganox(登録商標)565)および二次(TNPP)酸化防止剤を、ゴムに対してそれぞれ0.15および0.50重量%加える。105℃の蒸気を加えて溶剤を除去し、湿った固まりを分離し、プレス中で完全に乾燥させた後、重合体のムーニー粘度は44である(重合体DM1)。分子的な特性を表3および4に示す。
例4に記載する方法で行った反応の完了により得られた重合体溶液の10リットルアリコートを、別の20リットル反応器に移し、反応完了により重合体溶液が到達した温度90℃で、エポキシド化されたポリブタジエンPoly bd(登録商標)600E(1g/ブタジエン1,000g)のメシチレン中2.5%溶液を加える。10分後、反応が完了し、該後変性反応器から取り出した溶液を、ミキサー中で水で処理し、触媒系の残留物を構成する過剰の有機金属化合物をすべて分解する。次いで、一次(Irganox(登録商標)565)および二次(TNPP)酸化防止剤を、ゴムに対してそれぞれ0.15および0.50重量%加える。105℃の蒸気を加えて溶剤を除去し、湿った固まりを分離し、プレス中で完全に乾燥させた後、重合体のムーニー粘度は45である(重合体DM2)。分子的な特性を表3および4に示す。
例4に記載する方法で行った反応の完了により得られた重合体溶液の10リットルアリコートを、別の20リットル反応器に移し、反応完了により重合体溶液が到達した温度90℃で、マレイン酸化したポリブタジエンRicon(登録商標)130MA8(1.3g/ブタジエン1,000g)のヘキサン混合物中4%溶液を加える。10分後、反応が完了し、該後変性反応器から取り出した溶液を、ミキサー中で水で処理し、触媒系の残留物を構成する過剰の有機金属化合物をすべて分解する。次いで、一次(Irganox(登録商標)565)および二次(TNPP)酸化防止剤を、ゴムに対してそれぞれ0.15および0.50重量%加える。105℃の蒸気を加えて溶剤を除去し、湿った固まりを分離し、プレス中で完全に乾燥させた後、重合体のムーニー粘度は45である(重合体DM3)。分子的な特性を表3および4に示す。
例5に記載する方法で行った反応の完了により得られた重合体溶液の10リットルアリコートを、別の20リットル反応器に移し、反応完了により重合体溶液が到達した温度90℃で、エポキシド化された大豆油Epoxol(登録商標)D65(0.2g/ブタジエン1,000g)のヘキサン混合物中1%溶液を加える。10分後、反応が完了し、該後変性反応器から取り出した溶液を、ミキサー中で水で処理し、触媒系の残留物を構成する過剰の有機金属化合物をすべて分解する。次いで、一次(Irganox(登録商標)565)および二次(TNPP)酸化防止剤を、ゴムに対してそれぞれ0.15および0.50重量%加える。105℃の蒸気を加えて溶剤を除去し、湿った固まりを分離し、プレス中で完全に乾燥させた後、重合体のムーニー粘度は46である(重合体EM1)。分子的な特性を表3および4に示す。
例5に記載する方法で行った反応の完了により得られた重合体溶液の10リットルアリコートを、別の20リットル反応器に移し、反応完了により重合体溶液が到達した温度90℃で、エポキシド化されたポリブタジエンPoly bd(登録商標)600E(0.9g/ブタジエン1,000g)のメシチレン中2.5%溶液を加える。10分後、反応が完了し、該後変性反応器から取り出した溶液を、ミキサー中で水で処理し、触媒系の残留物を構成する過剰の有機金属化合物をすべて分解する。次いで、一次(Irganox(登録商標)565)および二次(TNPP)酸化防止剤を、ゴムに対してそれぞれ0.15および0.50重量%加える。105℃の蒸気を加えて溶剤を除去し、湿った固まりを分離し、プレス中で完全に乾燥させた後、重合体のムーニー粘度は45である(重合体EM2)。分子的な特性を表3および4に示す。
例5に記載する方法で行った反応の完了により得られた重合体溶液の10リットルアリコートを、別の20リットル反応器に移し、反応完了により重合体溶液が到達した温度90℃で、マレイン酸化したポリブタジエンRicon(登録商標)130MA8(1.2g/ブタジエン1,000g)のヘキサン混合物中4%溶液を加える。10分後、反応が完了し、該後変性反応器から取り出した溶液を、ミキサー中で水で処理し、触媒系の残留物を構成する過剰の有機金属化合物をすべて分解する。次いで、一次(Irganox(登録商標)565)および二次(TNPP)酸化防止剤を、ゴムに対してそれぞれ0.15および0.50重量%加える。105℃の蒸気を加えて溶剤を除去し、湿った固まりを分離し、プレス中で完全に乾燥させた後、重合体のムーニー粘度は45である(重合体EM3)。分子的な特性を表3および4に示す。
tanδを測定することにより、分子量分布と分岐の存在の組合せ効果を評価することができ、低いtanδ値は、弾性が大きい重合体に典型的である。高分子量の貢献(重合体A参照)により、弾性が良くなるが、急速な充填材配合(湿潤)には有害である。しかし、高分子量の低下(重合体B、C、D、E参照)により、湿潤は速くなるが、分散効率は良くならない。代わりに、本発明の重合体中に分岐を導入すること(tanδの低下)により、混合物を製造する際に充填材が分散し易くなる。
混合物の処方、製造条件および関連する特性を報告する。
元素 [mg/kg] [mmol/kg]
Al 330 12.22
Nd 135 0.94
S 300 9.38
Cl 225 6.36
元素 [mg/kg] [mmol/kg]
Al 220 8.15
Nd 110 0.76
S 95 2.97
Cl 115 3.25
一般的に、混合挙動に応じて、5種類の異なった重合体区分、すなわち
a)速い湿潤段階および最適な分散、
b)遅い湿潤段階および最適な分散、
c)速い湿潤段階および不十分な分散、
d)遅い湿潤段階および不十分な分散、
e)区分a)より速い湿潤段階および最適な分散
を識別することができる。
混合物の加硫
1.区分a)に対するBM1、BM2、BM3
2.区分e)に対するEM1、EM2、EM3
3.区分c)に対するBおよびC
4.区分d)に対するAM1、AM2、AM3
である。結果を表8に示す。
Claims (23)
- 分岐指数値(gM)が1未満であり、
0.01Hz、100℃およびひずみ1%で測定した、粘性率(G”)と弾性率(G’)との比の三角法正接である、tanδ=G”/G’として定義される減衰係数(tanδ)値が、0.80〜1.40であり、
ムーニー粘度が49未満であり、
Mw/Mnが2.5未満であり、
1,4−シス単位の百分率が93%を超える、
低分岐含有量ポリブタジエンを製造する方法であって、
(a)有機溶剤の存在下、
(a1)水および−COOH基を含まないネオジムカルボキシレートから選択されたネオジム誘導体、
(a2)一般式(Ia)AlR4 3、または(Ib)AlHnR4 3−n(式中、nは1〜2であり、R4は、同一であるか、または互いに異なるものであって、1〜10個の炭素原子を含むアルキル基を表す)のアルキルアルミニウム、
(a3)少なくとも一個のハロゲン原子を含む有機アルミニウム誘導体、を含んでなる触媒系の存在下でブタジエンを重合させて、1,4−シス単位含有量が93%を超え、Mw/Mn比が2.5未満である線状ポリブタジエン(gM=1)を形成する工程、
(b)工程(a)の完了により得られた重合体溶液をカップリング剤で処理して、前記低分岐含有量ポリブタジエンを得る工程、
(c)工程(b)の完了により得られた低分岐含有量ポリブタジエンを回収する工程
を含んでなり、
前記カップリング剤が、
(i)不飽和天然油、
(ii)ブタジエンおよび/またはイソプレンオリゴマー、
(iii)ブタジエンおよび/またはイソプレンとビニルアレーンモノマーの共重合体
から選択されるものであり、
前記 (i)〜(iii)の化合物において、不飽和が、少なくとも部分的に、エポキシド、酸無水物およびエステルから選択される基で置換されてなる、方法。 - 前記低分岐含有量ポリブタジエンの分岐指数(gM)が0.92〜0.99である、請求項1に記載の方法。
- 前記低分岐含有量ポリブタジエンの分岐指数(gM)が0.93〜0.97である、請求項2に記載の方法。
- 前記低分岐含有量ポリブタジエンがの減衰係数(tanδ)値が0.90〜1.30である、請求項1に記載の方法。
- 前記低分岐含有量ポリブタジエンの、ムーニー粘度が35〜48であり、Mw/Mnが2.0〜2.4であり、1,4−シス単位の百分率が94%を超える、請求項1に記載の方法。
- 前記低分岐含有量ポリブタジエンの、ムーニー粘度が35〜46であり、Mw/Mnが2.1〜2.2であり、1,4−シス単位の百分率が95%〜99%である、請求項5に記載の方法。
- 工程(a)において、Mw/Mn値2.0〜2.4の線状ポリブタジエンを得る、請求項1に記載の方法。
- 前記Mw/Mn値が2.1〜2.2である、請求項7に記載の方法。
- 工程(a)において使用する前記ネオジムカルボキシレートが、ネオジムバーサテート、ネオジムピバレート、およびネオジム2−エチル−ヘキサノエートから選択されるものである、請求項1に記載の方法。
- 工程(a)の温度が20〜120℃である、請求項1に記載の方法。
- 工程(a)において、(a1)成分と(a2)成分との比が、1/0.5〜1/30である、請求項1に記載の方法。
- 工程(a)において、(a1)成分と(a3)成分との比が、1/0.5〜1/10である、請求項1に記載の方法。
- 工程(a)において、前記(a1)成分が前記試薬混合物に最後の成分として加えられる、請求項1に記載の方法。
- 工程(b)における温度が20〜150℃である、請求項1に記載の方法。
- 工程(b)における温度が70〜120℃である、請求項14に記載の方法。
- 前記カップリング剤が、エポキシド化された種油、エポキシド化されたポリブタジエン、マレイン酸処理されたポリブタジエン、エポキシド化されたスチレン−ジエン共重合体、マレイン酸処理されたスチレン−ジエン共重合体、から選択される、請求項1に記載の方法。
- 前記化合物(i)〜(iii)が、分子1個あたり少なくとも1.5個の官能基を含んでなる、請求項1に記載の方法。
- 前記化合物(i)〜(iii)が、分子1個あたり2〜6個の官能基を含んでなる、請求項17に記載の方法。
- 工程(b)において使用されるカップリング剤が、系中に存在する重合体鎖の数に対して、0.1〜0.6当量の量で存在する、請求項1に記載の方法。
- 工程(b)の際に使用されるカップリング剤が、前記系の中に存在する重合体鎖の数に対して、0.2〜0.4当量の量で存在する、請求項19に記載の方法。
- 1,4−シス単位レベルが93%を超えるポリブタジエンを含んでなる硫黄加硫可能なエラストマー状混合物であって、上記のポリブタジエンが、
a)多分散度指数2.0〜2.3、
b)0.01Hz、100℃およびひずみ1%で測定した、粘性率(G”)と弾性率(G’)との比の三角法正接である、tanδ=G”/G’として定義される減衰係数(tanδ値)0.8〜1.40、
c)分岐指数値(gM値)0.92〜0.99、
d)ムーニー粘度35〜48
の特徴を有する、硫黄加硫可能なエラストマー状混合物。 - 前記ポリブタジエンが、
a)多分散度指数2.1〜2.2、
b)tanδ値0.90〜1.30、
c)gM値0.93〜0.97、
d)ムーニー粘度39〜46
の特徴を有する、請求項21に記載の硫黄加硫可能なエラストマー状混合物。 - カーボンブラックが、エラストマー状成分100部あたり20〜350部の量で含まれてなる、請求項21に記載の硫黄加硫可能なエラストマー状混合物。
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