JP5011427B2 - 空気調和装置 - Google Patents

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Description

本発明は、空気調和装置、特に、調和空気を吹き出す吹出流路を備えた空気調和装置における風向変更のための構成に関する。
従来より、特許文献1(特開2009−145008号公報)に示されるような壁掛型の空気調和装置がある。この空気調和装置は、吹出流路を通じて吹き出される調和空気の上下方向の風向を変更するためのフラップを有している。
上記従来の空気調和装置では、空調室内のユーザにドラフト感を極力与えないようにするために、冷房時には調和空気を水平向きに吹き出し、暖房時には調和空気を鉛直下向きに吹き出す制御を行うことが要求されている。
しかし、上記の制御要求は、調和空気の上下方向の転向角度が大きいことから、この制御要求をフラップの制御によって行うと、調和空気の圧力損失が大きくなり、また、フラップの形状等の工夫も必要になる。このため、調和空気を送風するためのファンの消費動力が増加し、また、調和空気の風向を変更するための構造が複雑化する。
本発明の課題は、調和空気を吹き出す吹出流路を備えた空気調和装置において、調和空気の圧力損失の増大や調和空気の風向を変更するための構造の複雑化を抑えつつ、調和空気の風向変更を大きな転向角度で確実に行うことができるようにすることにある。
第1の発明にかかる空気調和装置は、調和空気を吹き出す吹出流路を備えた空気調和装置において、吹出流路は、断面視において、流路幅が縮小する又は略同一の流路幅の上流部と、流路幅が拡大する下流部とを有している。下流部は、湾曲度合いが大きい案内壁と、案内壁に対向しており直線状を含む湾曲度合いが小さい対向壁とを有している。この空気調和装置は、対向壁側から吹出流路内に突出させることが可能であり、吹出流路内に突出する際に、上流部と下流部との境界付近に配置されるように設けられている突出部材を有している。そして、この空気調和装置では、突出部材の突出又は非突出の切り換えのみによって、調和空気の風向を案内壁に沿う風向とする第1吹出状態と、調和空気の風向を対向壁に沿う風向とする第2吹出状態とに切り換えることができる。しかも、案内壁は、吹出流路側に凸状に湾曲している。また、案内壁は、上流部と下流部との境界付近の湾曲部分における曲率半径に比べて、境界付近の湾曲部分よりも下流側の湾曲部分における曲率半径が大きくなるように、かつ、下流側の湾曲部分における曲率半径だけで案内壁が形成される場合に比べて、下流部の流れ方向の長さが短くなるように、形成されている。尚、ここで、対向壁における「湾曲」とは、曲線状だけでなく直線状も含む。
この空気調和装置では、突出部材を対向壁側から吹出流路内に突出させない場合には、上流部から下流部へ流入する調和空気が慣性により対向壁に付着するため、案内壁側に偏向されにくい。これにより、吹出流路から吹き出される調和空気の風向は、対向壁に沿う風向である第2吹出状態になる。一方、この空気調和装置では、突出部材を対向壁側から吹出流路内に突出させる場合には、上流部から下流部へ流入する調和空気の風向が突出部材によって対向壁から剥離する方向に偏向されやすくなる。このため、上流部から下流部へ流入する調和空気は、コアンダ効果によって、案内壁に沿って流れようとし、これにより、調和空気の風向は、案内壁に沿う風向である第1吹出状態になる。そして、この空気調和装置に用いられている風向変更構造では、上記のような突出部材を用いているため、調和空気の圧力損失の増大に影響しにくく、また、構造が簡単であるため、従来のフラップを用いた風向変更構造に比べて、調和空気の圧力損失の増大や調和空気の風向を変更するための構造の複雑化を抑えることができ、これにより、調和空気の風向変更を大きな転向角度で行うことができる。
しかも、案内壁は湾曲度合いが大きいのに対して対向壁は湾曲度合いが小さいため、突出部材を対向壁側から吹出流路内に突出させない場合には、上流部から下流部へ流入する調和空気が、対向壁から剥離しにくく、第2吹出状態が維持されやすくなっている。また、案内壁は吹出流路側に凸状に湾曲しているため、突出部材を対向壁側から吹出流路内に突出させる場合には、対向壁から剥離する方向に偏向された調和空気が、案内壁に沿いやすく、第1吹出状態が得られやすくなっている。このため、この空気調和装置に用いられている風向変更構造では、上記のような吹出流路を用いているため、第1吹出状態と第2吹出状態との切り換えを確実に行うことができる。
このように、この空気調和装置では、調和空気の圧力損失の増大や調和空気の風向を変更するための構造の複雑化を抑えつつ、調和空気の風向変更を大きな転向角度で確実に行うことができる。
ここで、案内壁の曲率半径を大きくすると、下流部において調和空気が案内壁の下流側まで付着しやすくなるが、突出部材を突出させなくても、調和空気がコアンダ効果により案内壁に引き寄せられて第1吹出状態となってしまう可能性がある。また、下流部の流れ方向の長さが長くなる。一方、案内壁の曲率半径を小さくすると、突出部材を突出させない場合の案内壁側におけるコアンダ効果が生じにくくなるために、第1吹出状態と第2吹出状態との切り換えを確実に行うことができ、かつ下流部の流れ方向の長さが短くなるものの、下流側に向かうにつれて調和空気が案内壁から剥離しやすくなる。
そこで、この空気調和装置では、上流部と下流部との境界付近の部分における曲率半径に比べて、境界付近の湾曲部分よりも下流側の湾曲部分における曲率半径が大きくなるように、かつ、下流側の湾曲部分における曲率半径だけで形成される場合に比べて、下流部の流れ方向の長さが短くなるように、案内壁を形成している。
これにより、この空気調和装置では、調和空気が案内壁から剥離するのを抑えつつ、調和空気の風向の転向角度を大きくとることができ、下流部の流れ方向の長さを極力短くすることができる。
さらに、この空気調和装置では、突出部材による調和空気の風向を対向壁から剥離する方向への偏向を、上流部と下流部との境界付近から生じさせることができるため、突出部材による調和空気の風向を対向壁から剥離する方向への偏向を確実に行うことができる。
これにより、この空気調和装置では、突出部材の対向壁側からの突出距離を小さくすることができ、調和空気の圧力損失の増大をさらに抑えることができる。
第2の発明にかかる空気調和装置は、第1の発明にかかる空気調和装置において、上流部と下流部との境界において、案内壁の接線と案内壁につながる上流部の壁面の接線とは一致しない。
上流部と下流部との境界において、案内壁の接線と案内壁につながる上流部の壁面の接線とが一致するように構成すると、突出部材を突出させなくても、調和空気がコアンダ効果により案内壁に引き寄せられて第1吹出状態となってしまう可能性がある。また、下流部の流れ方向の長さが長くなる。
そこで、この空気調和装置では、上流部と下流部との境界において、案内壁の接線と案内壁につながる上流部の壁面の接線とが一致しないように構成している。
これにより、この空気調和装置では、第1吹出状態と第2吹出状態との切り換えをより確実に行うことができ、下流部の調和空気の流れ方向の長さを短くすることができる。
第3の発明にかかる空気調和装置は、第1又は第2の発明にかかる空気調和装置において、吹出流路内には、突出部材が吹出流路内に突出する位置よりも上流側に、突出部材が第1及び第2吹き出し状態のいずれにおいても対向壁に沿う方向に調和空気を案内する整流部材が設けられている。
上流部における調和空気の風向が対向壁に対して案内壁側に斜めに傾斜している場合には、突出部材を対向壁側から突出させなくても、調和空気が案内壁に沿って流れやすく、調和空気の風向が第1吹出状態に近い風向になるおそれがある。また、上流部における調和空気の流速分布が対向壁側の流速が小さい流速分布である場合には、突出部材を対向壁側から突出させても、調和空気の風向が対向壁から剥離する方向へ偏向されにくく、調和空気の風向が第2吹出状態に近い風向になるおそれがある。このように、上流部における調和空気の風向や流速分布の影響によって、突出部材による調和空気の風向変更が不十分になるおそれがある。
そこで、この空気調和装置では、吹出流路内に、突出部材が吹出流路内に突出する位置よりも上流側に整流部材を設けるようにしている。
これにより、この空気調和装置では、調和空気の風向が対向壁に沿うように、また、調和空気の速度分布が偏りの少ない流速分布になるように整流することができ、突出部材による調和空気の風向変更を確実に行うことができる。
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
第1の発明では、調和空気の圧力損失の増大や調和空気の風向を変更するための構造の複雑化を抑えつつ、調和空気の風向変更を大きな転向角度で確実に行うことができる。しかも、調和空気が案内壁からの剥離するのを抑えつつ、下流部の調和空気の流れ方向の長さを極力短くすることができ、調和空気の風向の転向角度を大きくすることができる。さらに、突出部材の対向壁側からの突出距離を小さくすることができ、調和空気の圧力損失の増大をさらに抑えることができる。
第2の発明では、下流部の調和空気の流れ方向の長さを短くすることができる。
第3の発明では、調和空気の風向が対向壁に沿うように、また、調和空気の速度分布が偏りの少ない流速分布になるように整流することができ、突出部材による調和空気の風向変更を確実に行うことができる。
本発明にかかる空気調和装置の第1実施形態としての壁掛型室内ユニットの断面図である。 図1、図9及び図12〜図17のA部の拡大図であって、突出部材及びその駆動機構を示す断面図である。 本発明にかかる突出部材を用いた風向変更構造を示す模式図であって、第2吹出状態を示す図である。 本発明にかかる突出部材を用いた風向変更構造を示す模式図であって、第1吹出状態を示す図である。 対向壁の湾曲度合いを大きくした場合における比較例の風向変更構造を示す模式図であって、第1吹出状態と第2吹出状態が制御できない状態を示す図である。 対向壁の湾曲度合いを大きくした場合における比較例の風向変更構造を示す模式図であって、第2吹出状態を示す図(対向壁側及び案内壁側に突出部材を設けた場合)である。 本発明にかかる突出部材を用いた風向変更構造を示す模式図であって、第1吹出状態を示す図(案内壁の曲率半径を単一にし、かつ、小さくした場合)である。 本発明にかかる突出部材を用いた風向変更構造を示す模式図であって、第1吹出状態を示す図(案内壁の曲率半径を単一にし、かつ、大きくした場合)である。 第1実施形態の変形例1の壁掛型室内ユニットを示す図であって、図3に相当する図である。 第1実施形態の変形例2の壁掛型室内ユニットの断面図である。 本発明にかかる突出部材を用いた風向変更構造を示す模式図であって、第2吹出状態を示す図(整流部材を設けた場合)である。 本発明にかかる突出部材を用いた風向変更構造を示す模式図であって、第1吹出状態を示す図(整流部材を設けた場合)である。 第1実施形態の変形例3の壁掛型室内ユニットの断面図である。 第1実施形態の変形例4の壁掛型室内ユニットの断面図である。 本発明にかかる空気調和装置の第2実施形態としての天井吊下型室内ユニットの断面図である。 第2実施形態の変形例の天井吊下型室内ユニットの断面図である。 本発明にかかる空気調和装置の第3実施形態としての天井埋込型室内ユニットの断面図である。 第3実施形態の変形例の天井埋込型室内ユニットの断面図である。 本発明にかかる空気調和装置の第4実施形態としてのダクト空調システムの断面図である。 第4実施形態の変形例のダクト空調システムの断面図である。
以下、本発明にかかる空気調和装置としての室内ユニットの実施形態について、図面に基づいて説明する。
(1)第1実施形態
<構成>
図1は、本発明にかかる空気調和装置の第1実施形態としての壁掛型室内ユニット1の断面図である。図2は、図1のA部の拡大図であって、突出部材6及びその駆動機構7を示す断面図である。図3は、突出部材6を用いた風向変更構造を示す模式図であって、第2吹出状態を示す図である。図4は、突出部材6を用いた風向変更構造を示す模式図であって、第1吹出状態を示す図である。
壁掛型室内ユニット1は、空調室内の壁面に設置されており、空調室の冷房や暖房を行うためのユニットである。壁掛型室内ユニット1は、主として、ケーシング2と、熱交換器3と、送風ファン4とを有している。
ケーシング2の上部には、空調室内の空気を吸い込むための吸込口2aが形成されている。ケーシング2の下部には、調和空気を吹き出すための吹出口2bが略前方を向くように形成されている。
熱交換器3は、略逆V字の断面を有するフィンアンドチューブ型の熱交換器であり、ケーシング2内に配置されている。熱交換器3は、吸込口2aから吸い込まれる空気を冷房時には冷却し、暖房時には加熱することによって、調和空気を生成する。
送風ファン4は、クロスフローファンであり、ケーシング2内に配置されている。送風ファン4は、吸込口2aから吹出口2bに至る空気の流れに対して、熱交換器3の下流側に配置されている。送風ファン4は、吸込口2aから空気をケーシング2内に吸い込んで、吹出口2bから吹き出す気流を生成する。送風ファン4は、熱交換器3において生成した調和空気を吹出流路5を通じて吹出口2bから吹き出す。
吹出流路5は、送風ファン4によって送り出された調和空気を吹出口2bに送るための流路である。吹出流路5は、断面視において、上流部51と、下流部52とを有している。
上流部51は、吹出流路5のうち、上流部51と下流部52との境界点O1、O2から上流側の部分である。ここで、上流部51の下流部52との境界における流路幅を流路幅Hとする。また、ここでは、上流部51は、略同一の流路幅を有している。
下流部52は、吹出流路5のうち、上流部51と下流部52との境界点O1、O2から下流側の流路幅が拡大する部分である。下流部52は、断面視において、案内壁53と、案内壁53に対向する対向壁54とを有している。
案内壁53は、湾曲度合いが大きい壁面であり、略水平方向から下方向に向かって延びている。吹出流路5側に凸状に湾曲している。また、案内壁53は、上流部51と下流部52との境界点O1付近の部分における曲率半径に比べて、境界点O1付近の部分よりも下流側の部分における曲率半径が大きくなるように形成されている。ここで、案内壁53のうち上流部51と下流部52との境界点O1付近の部分を第1壁部53aとし、第1壁部53aにおける曲率半径を曲率半径R1とする。また、境界点O1付近の部分である第1壁部53aよりも下流側の部分を第2壁部53bとし、第2壁部53bにおける曲率半径を曲率半径R2とする。すなわち、曲率半径R2は、曲率半径R1よりも大きくなっている。
対向壁54は、湾曲度合いが小さい壁面であり、略水平方向に向かって延びている。このため、下流部52は、断面視において、片側の壁面(ここでは、案内壁53)が吹出流路側に凸状に湾曲することによって流路幅が拡大する形状を有していることになる。
また、壁掛型室内ユニット1は、上流部51と下流部52との境界点O2付近において、対向壁54側から吹出流路5内に突出させることが可能な突出部材6を有している。突出部材6は、板状の部材であり、断面視において、吹出流路5の上流部51と下流部52との境界点O2付近に形成された突出孔55に挿入されている。ここでは、突出部材6は、ラック/ピニオン方式の駆動機構7によって、吹出流路5内への突出又は非突出の切り換えを行うことができるようになっている。この駆動機構7は、突出部材6に形成されたラックギア61と、ラックギア61に噛み合うピニオンギア62と、ピニオンギア62を駆動する駆動モータ63とを有している。また、突出部材6及び突出孔55は、突出部材6が吹出流路5内に突出する際に、突出部材6及び突出孔55の最も下流側の部分が、上流部51と下流部52との境界点O2に位置するように配置されている。すなわち、ここでは、突出部材6が、吹出流路5内に突出する際に、上流部51に配置されるように設けられている。
<動作>
本実施形態の壁掛型室内ユニット1の動作について、図1〜図4を用いて説明する。
まず、本実施形態の壁掛型室内ユニット1の風向変更構造について説明する。
この壁掛型室内ユニット1では、突出部材6を対向壁54側から吹出流路5内に突出させない場合には、上流部51から下流部52へ流入する調和空気が慣性により対向壁に付着するため、案内壁53側に偏向されにくい。これにより、吹出流路5から吹き出される調和空気の風向は、対向壁54に沿う風向Xである第2吹出状態になる。一方、この壁掛型室内ユニット1では、突出部材6を対向壁54側から吹出流路5内に突出させる場合には、上流部51から下流部52へ流入する調和空気の風向が突出部材6によって対向壁54から剥離する方向に偏向されやすくなる。このため、上流部51から下流部52へ流入する調和空気は、コアンダ効果によって、案内壁53に沿って流れようとし、これにより、調和空気の風向は、案内壁53に沿う風向Yである第1吹出状態になる。
このように、この壁掛型室内ユニット1では、突出部材6を用いた風向変更構造が採用されており、突出部材6の突出又は非突出の切り換えによって、調和空気の風向を案内壁53に沿う風向Yとする第1吹出状態と、調和空気の風向を対向壁54に沿う風向Xとする第2吹出状態とに切り換えることができるようになっている。
そして、この壁掛型室内ユニット1では、冷房時には、調和空気を水平向きに吹き出すことが好ましいため、突出部材6を対向壁54側から突出させないようにして、対向壁54に沿う風向Xである第2吹出状態が得られるようにしている。また、暖房時には、調和空気を鉛直下向きに吹き出すことが好ましいため、突出部材6を対向壁54側から突出させて、案内壁53に沿う風向Yである第1吹出状態が得られるようにしている。
<特徴>
本実施形態の壁掛型室内ユニット1の特徴について、図1〜図8を用いて説明する。ここで、図5は、対向壁54の湾曲度合いを大きくした場合における比較例の風向変更構造を示す模式図であって、第1吹出状態と第2吹出状態が制御できない状態を示す図である。図6は、対向壁54の湾曲度合いを大きくした場合における比較例の風向変更構造を示す模式図であって、第2吹出状態を示す図(対向壁54側及び案内壁53側に突出部材6を設けた場合)である。図7は、突出部材6を用いた風向変更構造を示す模式図であって、第1吹出状態を示す図(案内壁53の曲率半径を単一にし、かつ、小さくした場合)である。図8は、突出部材6を用いた風向変更構造を示す模式図であって、第1吹出状態を示す図(案内壁53の曲率半径を単一にし、かつ、大きくした場合)である。
この壁掛型室内ユニット1では、吹出流路5を通じて吹き出される調和空気の風向変更構造として、上記のような突出部材6を用いているため、調和空気の圧力損失の増大に影響しにくく、また、構造が簡単であるため、従来のフラップを用いた風向変更構造に比べて、調和空気の圧力損失の増大や調和空気の風向を変更するための構造の複雑化を抑えることができ、これにより、調和空気の風向変更を大きな転向角度で行うことができる。
しかも、案内壁53は湾曲度合いが大きいのに対して対向壁54は湾曲度合いが小さいため、突出部材6を対向壁54側から吹出流路5内に突出させない場合には、上流部51から下流部52へ流入する調和空気が、対向壁54から剥離しにくく、第2吹出状態が維持されやすくなっている。また、案内壁53は吹出流路5側に凸状に湾曲しているため、突出部材6を対向壁54側から吹出流路5内に突出させる場合には、対向壁54から剥離する方向に偏向された調和空気が、案内壁53に沿いやすく、第1吹出状態が得られやすくなっている。
ここで、例えば、図5に示すように、対向壁54の湾曲度合いを案内壁53と同様の湾曲度合いにした場合には、突出部材6を対向壁54側から吹出流路5内に突出させないとき、調和空気が対向壁54に沿うのか(図5の破線で示された空気流を参照)、案内壁53に沿うのか(図5の実線で示された空気流を参照)が制御できなくなる。このような状態を防ぐためには、図6に示すように、突出部材6を対向壁54と案内壁53側に設ける必要があるが、これにより、構造が複雑になる。このため、突出部材6を用いた風向変更構造において、案内壁53の湾曲度合いを大きくし、かつ、対向壁54の湾曲度合いを小さくする点、及び、案内壁53が吹出流路5側に凸状に湾曲している点は、調和空気の風向変更を確実に行うために重要である。
このように、この壁掛型室内ユニット1では、調和空気の圧力損失の増大や調和空気の風向を変更するための構造の複雑化を抑えつつ、調和空気の風向変更を大きな転向角度で確実に行うことができる。
また、この壁掛型室内ユニット1では、図3及び図4に示すように、上流部51と下流部52との境界点O1付近の部分(ここでは、第1壁部53a)における曲率半径R1に比べて、境界点O1付近の部分よりも下流側の部分(ここでは、第2壁部53b)における曲率半径R2が大きくなるように案内壁53を形成している。これにより、この壁掛型室内ユニット1では、調和空気が案内壁53からの剥離するのを抑えつつ、下流部52の調和空気の流れ方向の長さLを極力短くすることができ、調和空気の風向の転向角度を大きくすることができる。
ここで、例えば、図8に示すように、案内壁53の曲率半径を大きくすると(図8では、案内壁53を曲率半径R2の壁部だけにしている)、下流部52において調和空気が案内壁53の下流側まで付着しやすくなるが、突出部材6を突出させなくても、調和空気がコアンダ効果により案内壁53に引き寄せられて第1吹出状態となってしまう可能性がある。また、下流部52の流れ方向の長さLが長くなる。
一方、図7に示すように、案内壁53の曲率半径を小さくすると(図7では、案内壁53を曲率半径R1の壁部だけにしている)、突出部材6を突出させない場合の案内壁53側におけるコアンダ効果が生じにくくなるために、第1吹出状態と第2吹出状態との切り換えを確実に行うことができ、かつ下流部52の流れ方向の長さLが短くなるものの、下流側に向かうにつれて調和空気が案内壁53から剥離しやすくなる。
このため、突出部材6を用いた風向変更構造において、図3、4のように、上流部51と下流部52との境界点O1付近の部分における曲率半径に比べて、境界点O1付近の部分よりも下流側の部分における曲率半径が大きくなるように案内壁53を形成する点は、下流部52の長さを短くしつつ、調和空気の転向角度を大きくするという観点で好ましい構成である。尚、ここでは、案内壁53の曲率半径を第1壁部53a(曲率半径R1)と第2壁部53b(曲率半径R2)の2段階に変化させているが、さらに多段階に曲率半径を変化させるようにしてもよい。
また、この壁掛型室内ユニット1では、突出部材6が、吹出流路5内に突出する際に、上流部51に配置されるように設けられている。これにより、突出部材6による調和空気の風向を対向壁54から剥離する方向への偏向を上流部51と下流部52との境界付近から生じさせることができるため、突出部材6による調和空気の風向を対向壁54から剥離する方向への偏向を確実に行うことができる。そして、この壁掛型室内ユニット1では、突出部材6の対向壁54側からの突出距離h(図4参照)を小さくすることができ、調和空気の圧力損失の増大をさらに抑えることができる。尚、調和空気の風向を対向壁54から剥離する方向への偏向を上流部51と下流部52との境界付近から生じさせるという観点から見て、突出部材6が、吹出流路5内に突出する際に、この境界付近に配置されていればよい。
<変形例1>
上記実施形態の壁掛型室内ユニット1(図1、図3及び図4参照)において、図9に示すように、上流部51と下流部52との境界点O1において、案内壁53の接線Sと案内壁53につながる上流部51の壁面の接線Tとが一致しないように構成してもよい。
これにより、本変形例の壁掛型室内ユニット1では、下流部52の調和空気の流れ方向の長さLを短くすることができる。尚、本変形例では、上記実施形態の壁掛型室内ユニット1の構成を前提としているため、案内壁53の曲率半径を多段階(ここでは、曲率半径R1と曲率半径R2の2段階)に変化させる構成も併せて採用しているが、案内壁53の接線Sと案内壁53につながる上流部51の壁面の接線Tとが一致しない構成だけを採用してもよい。
<変形例2>
上記実施形態及びその変形例1の壁掛型室内ユニット1(図1、図3、図4及び図9参照)において、上流部51から下流部52へ流入する調和空気の風向は、対向壁54に沿う風向であることが好ましく、また、上流部51から下流部52へ流入する調和空気の流速分布は、偏りのない流速分布であることが好ましい。
しかし、上記実施形態の壁掛型室内ユニット1において、図11に示すように、上流部51における調和空気Zの風向が対向壁54に対して案内壁53側に斜めに傾斜している場合には、突出部材6を対向壁54側から突出させなくても、調和空気が案内壁53に沿って流れやすく、調和空気の風向が第1吹出状態(すなわち、風向Y)に近い風向になるおそれがある。また、上記実施形態の壁掛型室内ユニット1において、図12に示すように、上流部51における調和空気Zの流速分布が対向壁54側の流速が小さい流速分布である場合には、突出部材6を対向壁54側から突出させても、調和空気の風向が対向壁54から剥離する方向へ偏向されにくく、調和空気の風向が第2吹出状態(すなわち、風向X)に近い風向になるおそれがある。このように、上記実施形態の壁掛型室内ユニット1においては、上流部51における調和空気の風向や流速分布の影響によって、突出部材6による調和空気の風向変更が不十分になるおそれがある。
そこで、本変形例の壁掛型室内ユニット1では、図10、図11及び図12に示すように、吹出流路5内に、突出部材6が吹出流路5内に突出する位置よりも上流側に整流部材8を設けるようにしている。ここで、整流部材8は、対向壁54に沿う方向に延びる板状の部材である。整流部材8は、吹出流路5の断面視において、複数並んで配置されている。尚、その他の構成は、上記実施形態及びその変形例1の壁掛型室内ユニット1と同様であるため、ここでは、説明を省略する。
これにより、本変形例の壁掛型室内ユニット1では、上流部51における調和空気の風向が対向壁54に沿うように、また、調和空気の速度分布が偏りの少ない流速分布になるように整流することができ、突出部材6による調和空気の風向変更を確実に行うことができる。
<変形例3>
上記実施形態及びその変形例1の壁掛型室内ユニット1(図1、図3、図4及び図9参照)では、調和空気を吹き出すための吹出口2bを略前方を向くようにケーシング2に形成しているが、調和空気を吹き出すための吹出口2bを略下方を向くようにケーシング2に形成してもよい。
本変形例の壁掛型室内ユニット1では、図13に示すように、略下方を向く吹出口2bであることから、案内壁53が下方向から略水平方向に向かって延びるように形成されており、対向壁54が略下方向に延びるように形成されている。そして、冷房時には、調和空気を水平向きに吹き出すために、突出部材6を対向壁54側から突出させて、案内壁53に沿う風向Yである第1吹出状態が得られるようにしている。また、暖房時には、調和空気を鉛直下向きに吹き出すために、突出部材6を対向壁54側から突出しないようにして、対向壁54に沿う風向Xである第2吹出状態が得られるようにしている。
このような本変形例の壁掛型室内ユニット1においても、上記実施形態及びその変形例1の壁掛型室内ユニット1と同様の作用効果を得ることができる。
<変形例4>
また、変形例3の壁掛型室内ユニット1(図13参照)において、図14に示すように、変形例2の壁掛型室内ユニット1(図10参照)と同様、整流部材8を設けるようにしてもよい。
このような本変形例の壁掛型室内ユニット1においても、上記変形例2の壁掛型室内ユニット1と同様の作用効果を得ることができる。
(2)第2実施形態
上記第1実施形態及びその変形例では、突出部材6を用いた風向変更構造を壁掛型室内ユニット1に採用しているが、図15に示すように、突出部材6を用いた風向変更構造を天井吊下型室内ユニット101に採用してもよい。
<構成>
天井吊下型室内ユニット101は、空調室内の天井面に設置されており、空調室の冷房や暖房を行うためのユニットである。天井吊下型室内ユニット1は、主として、ケーシング102と、熱交換器103と、送風ファン104とを有している。
ケーシング102の後方部には、空調室内の空気を吸い込むための吸込口102aが形成されている。ケーシング102の前方部には、調和空気を吹き出すための吹出口102bが略前方を向くように形成されている。
送風ファン104は、シロッコファンであり、ケーシング102内に配置されている。送風ファン104は、吸込口102aから吹出口102bに至る空気の流れに対して、熱交換器103の上流側に配置されている。送風ファン104は、吸込口102aから空気をケーシング102内に吸い込んで、吹出口102bから吹き出す気流を生成する。送風ファン104は、熱交換器103において生成した調和空気を吹出流路5を通じて吹出口102bから吹き出す。
熱交換器103は、略矩形状の断面を有するフィンアンドチューブ型の熱交換器であり、ケーシング102内に配置されている。熱交換器103は、吸込口102aから吸い込まれる空気を冷房時には冷却し、暖房時には加熱することによって、調和空気を生成する。
吹出流路5は、熱交換器103によって生成した調和空気を吹出口102bに送るための流路である。吹出流路5は、断面視において、上流部51と、下流部52とを有している。尚、吹出流路5の構成は、上記第1実施形態の壁掛型室内ユニット1の吹出流路5と同様であるため、ここでは、説明を省略する。
また、天井吊下型室内ユニット101は、上流部51と下流部52との境界点O2付近において、対向壁54側から吹出流路5内に突出させることが可能な突出部材6を有している。尚、突出部材6及びその周辺の構成は、上記第1実施形態の壁掛型室内ユニット1の突出部材6及びその周辺の構成と同様であるため、ここでは、説明を省略する。
<動作>
本実施形態の天井吊下型室内ユニット101では、上記第1実施形態の壁掛型室内ユニット1と同様に、冷房時には、調和空気を水平向きに吹き出すことが好ましいため、突出部材6を対向壁54側から突出させないようにして、対向壁54に沿う風向Xである第2吹出状態が得られるようにしている。また、暖房時には、調和空気を鉛直下向きに吹き出すことが好ましいため、突出部材6を対向壁54側から突出させて、案内壁53に沿う風向Yである第1吹出状態が得られるようにしている。
<特徴>
このような本実施形態の天井吊下型室内ユニット101においても、上記第1実施形態の壁掛型室内ユニット1と同様の作用効果を得ることができる。
<変形例>
また、上記実施形態の天井吊下型室内ユニット101(図15参照)において、図16に示すように、上記第1実施形態の変形例2の壁掛型室内ユニット1(図10参照)と同様、整流部材8を設けるようにしてもよい。
このような本変形例の天井吊下型室内ユニット101においても、上記第1実施形態の変形例2の壁掛型室内ユニット1と同様の作用効果を得ることができる。
(3)第3実施形態
上記第1、第2実施形態及びその変形例では、突出部材6を用いた風向変更構造を壁掛型室内ユニット1や天井吊下型室内ユニット101に採用しているが、図17に示すように、突出部材6を用いた風向変更構造を天井埋込型室内ユニット201に採用してもよい。
<構成>
天井埋込型室内ユニット201は、空調室内の天井面に設置されており、空調室の冷房や暖房を行うためのユニットである。天井埋込型室内ユニット201は、主として、ケーシング202と、熱交換器203と、送風ファン204とを有している。
ケーシング202は、ケーシング本体211と、ケーシング本体211の下面に装着される化粧パネル212とを有している。化粧パネル212の平面視略中央には、空調室内の空気を吸い込むための吸込口202aが形成されている。化粧パネル212には、調和空気を吹き出すための吹出口202bが、吸込口202aを取り囲み、かつ、略下方を向くように形成されている。
送風ファン204は、ターボファンであり、ケーシング202内に配置されている。送風ファン204は、吸込口202aから吹出口202bに至る空気の流れに対して、熱交換器203の上流側に配置されている。送風ファン204は、吸込口202aから空気をケーシング202内に吸い込んで、吹出口202bから吹き出す気流を生成する。送風ファン204は、熱交換器203において生成した調和空気を吹出流路5を通じて吹出口202bから吹き出す。
熱交換器203は、略矩形状の断面を有するフィンアンドチューブ型の熱交換器であり、ケーシング202内に送風ファン104を取り囲むように配置されている。熱交換器203は、吸込口202aから吸い込まれる空気を冷房時には冷却し、暖房時には加熱することによって、調和空気を生成する。
吹出流路5は、熱交換器203によって生成した調和空気を吹出口202bに送るための流路である。吹出流路5は、断面視において、上流部51と、下流部52とを有している。尚、吹出流路5の構成は、対向壁54が湾曲している点に違いがあるが、この点を除いては、上記第1実施形態の壁掛型室内ユニット1の吹出流路5と同様であるため、ここでは、説明を省略する。
また、天井埋込型室内ユニット201は、上流部51と下流部52との境界点O2付近において、対向壁54側から吹出流路5内に突出させることが可能な突出部材6を有している。尚、突出部材6及びその周辺の構成は、上記第1実施形態の壁掛型室内ユニット1の突出部材6及びその周辺の構成と同様であるため、ここでは、説明を省略する。
<動作>
本実施形態の天井埋込型室内ユニット201では、上記第1実施形態の変形例3の壁掛型室内ユニット1と同様に、略下方を向く吹出口202bであることから、案内壁53が下方向から略水平方向に向かって延びるように形成されており、対向壁54が略下方向に延びるように形成されている。そして、冷房時には、調和空気を水平向きに吹き出すことが好ましいため、突出部材6を対向壁54側から突出させて、案内壁53に沿う風向Yである第1吹出状態が得られるようにしている。また、暖房時には、調和空気を鉛直下向きに吹き出すことが好ましいため、突出部材6を対向壁54側から突出させないようにして、対向壁54に沿う風向Xである第2吹出状態が得られるようにしている。
<特徴>
このような本実施形態の天井埋込型室内ユニット201においても、上記第1、第2実施形態の壁掛型室内ユニット1や天井吊下型室内ユニット101と同様の作用効果を得ることができる。
<変形例>
また、上記実施形態の天井埋込型室内ユニット201(図17参照)において、図18に示すように、上記第1実施形態の変形例2の壁掛型室内ユニット1(図10参照)や上記第2実施形態の変形例の天井吊下型室内ユニット101(図16参照)と同様、整流部材8を設けるようにしてもよい。
このような本変形例の天井埋込型室内ユニット201においても、上記第1実施形態の変形例2の壁掛型室内ユニット1や上記第2実施形態の変形例の天井吊下型室内ユニット101と同様の作用効果を得ることができる。
(4)第4実施形態
上記第1〜第3実施形態及びその変形例では、突出部材6を用いた風向変更構造を壁掛型室内ユニット1や天井吊下型室内ユニット101、天井埋込型室内ユニット201に採用しているが、図19に示すように、突出部材6を用いた風向変更構造を、天井埋込ダクト型室内ユニット301aを使用したダクト空調システム301に採用してもよい。
<構成>
ダクト空調システム301は、空調室内の天井裏空間に設置されており、主として、天井埋込ダクト型室内ユニット301aと、吹出ダクト301bと、吹出ユニット301cとを有している。
天井埋込ダクト型室内ユニット301aは、空調室内の天井裏空間(図19に二点鎖線で図示)に設置されており、空調室の冷房や暖房を行うためのユニットである。天井埋込ダクト型室内ユニット301aは、主として、ケーシング302と、熱交換器303と、送風ファン304とを有している。
ケーシング302の後方部には、図示しない吸込ダクトに接続されて空調室内の空気を吸い込むための吸込開口302aが形成されている。ケーシング302の前方部には、調和空気を吹き出すための吹出開口302cが略前方を向くように形成されている。
送風ファン304は、シロッコファンであり、ケーシング302内に配置されている。送風ファン304は、吸込開口302aから吹出開口302cに至る空気の流れに対して、熱交換器303の上流側に配置されている。送風ファン304は、吸込開口302aから空気をケーシング302内に吸い込んで、吹出開口302cから吹き出す気流を生成する。送風ファン304は、熱交換器303において生成した調和空気を、吹出開口302cに接続された吹出ダクト301b及び吹出ユニット301cによって形成される吹出流路5を通じて吹出ユニット301cの吹出口302bから吹き出す。
熱交換器303は、略矩形状の断面を有するフィンアンドチューブ型の熱交換器であり、ケーシング302内に配置されている。熱交換器303は、吸込開口302aから吸い込まれる空気を冷房時には冷却し、暖房時には加熱することによって、調和空気を生成する。
吹出流路5は、熱交換器303によって生成した調和空気を吹出口302bに送るための流路であり、上記のように、吹出ダクト301b及び吹出ユニット301cによって形成されている。すなわち、ここでは、熱交換器303や送風ファン304が収容されたユニット301a内ではなく、その下流側に接続された吹出ダクト301b及び吹出ユニット301cに吹出流路5が形成されている。吹出流路5は、断面視において、上流部51と、下流部52とを有している。上流部51には、調和空気が下流に向かうにつれて縮流するように湾曲した断面形状をなす縮流部51aが形成されている。縮流部51aの湾曲線は、正弦曲線や3次曲線をなしている。このように、吹出流路5の構成は、天井埋込ダクト型ユニット301aの下流側に接続された吹出ダクト301b及び吹出ユニット301cに形成されている点、及び、上流部51に縮流部51aを有する点に違いがあるが、これらの点を除いては、上記第1実施形態の壁掛型室内ユニット1の吹出流路5と同様であるため、ここでは、説明を省略する。
また、ダクト空調システム301の吹出ユニット301cは、上流部51と下流部52との境界点O2付近において、対向壁54側から吹出流路5内に突出させることが可能な突出部材6を有している。尚、突出部材6及びその周辺の構成は、上記第1実施形態の壁掛型室内ユニット1の突出部材6及びその周辺の構成と同様であるため、ここでは、説明を省略する。
<動作>
本実施形態のダクト空調システム301では、上記第1実施形態の壁掛型室内ユニット1と同様に、冷房時には、調和空気を水平向きに吹き出すことが好ましいため、突出部材6を対向壁54側から突出させないようにして、対向壁54に沿う風向Xである第2吹出状態が得られるようにしている。また、暖房時には、調和空気を鉛直下向きに吹き出すことが好ましいため、突出部材6を対向壁54側から突出させて、案内壁53に沿う風向Yである第1吹出状態が得られるようにしている。
<特徴>
このような本実施形態のダクト空調システム301においても、上記第1実施形態の壁掛型室内ユニット1と同様の作用効果を得ることができる。
<変形例>
また、上記実施形態のダクト空調システム301(図19参照)において、図20に示すように、上記第1実施形態の変形例2の壁掛型室内ユニット1(図10参照)と同様、整流部材8を設けるようにしてもよい。
このような本変形例のダクト空調システム301においても、上記第1実施形態の変形例2の壁掛型室内ユニット1と同様の作用効果を得ることができる。
(5)他の実施形態
以上、本発明の実施形態及びその変形例について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態及びその変形例に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
<A>
上記実施形態及びその変形例では、壁掛型室内ユニット1、天井吊下型室内ユニット101、天井埋込型室内ユニット201及びダクト空調システム301に突出部材6を用いた風向変更構造を採用しているが、これに限定されず、他の型式の空気調和装置や空調システムに突出部材6を用いた風向変更構造を採用してもよい。
<B>
上記実施形態及びその変形例では、調和空気の上下方向の風向変更構造として、突出部材6を用いた風向変更構造を採用しているが、これに限定されず、上下方向以外の風向変更構造として、突出部材6を用いた風向変更構造を採用してもよい。
<C>
上記実施形態及びその変形例では、突出部材6を駆動するための駆動機構として、ラック/ピニオン方式の駆動機構7を採用しているが、これに限定されず、他の方式の駆動機構を採用してもよい。
<D>
上記実施形態及びその変形例では、突出部材6を用いた風向変更構造を空気調和装置に採用しているが、ダクトの吹出口にも採用可能である。
本発明は、調和空気を吹き出す吹出流路を備えた空気調和装置に広く適用可能である。
1 壁掛型室内ユニット(空気調和装置)
5 吹出流路
6 突出部材
8 整流部材
51 上流部
52 下流部
53 案内壁
54 対向壁
101 天井吊下型室内ユニット(空気調和装置)
201 天井埋込型室内ユニット(空気調和装置)
301 ダクト空調システム(空気調和装置)
特開2009−145008号公報

Claims (3)

  1. 調和空気を吹き出す吹出流路(5)を備えた空気調和装置において、
    前記吹出流路は、断面視において、流路幅が縮小する又は略同一の流路幅の上流部(51)と、流路幅が拡大する下流部(52)とを有し、
    前記下流部は、湾曲度合いが大きい案内壁(53)と、前記案内壁に対向しており直線状を含む湾曲度合いが小さい対向壁(54)とを有し、
    前記対向壁側から前記吹出流路内に突出させることが可能であり、前記吹出流路内に突出する際に、前記上流部と前記下流部との境界付近に配置されるように設けられている突出部材(6)を有し、
    前記突出部材の突出又は非突出の切り換えのみによって、前記調和空気の風向を前記案内壁に沿う風向とする第1吹出状態と、前記調和空気の風向を前記対向壁に沿う風向とする第2吹出状態とに切り換えることができ、
    前記案内壁は、前記吹出流路側に凸状に湾曲しており、
    前記案内壁は、前記上流部と前記下流部との境界付近の湾曲部分における曲率半径に比べて、前記境界付近の湾曲部分よりも下流側の湾曲部分における曲率半径が大きくなるように、かつ、前記下流側の湾曲部分における曲率半径だけで前記案内壁が形成される場合に比べて、前記下流部の流れ方向の長さが短くなるように、形成されている、
    空気調和装置(1、101、201、301)。
  2. 前記上流部(51)と前記下流部(52)との境界において、前記案内壁(53)の接線と前記案内壁につながる前記上流部の壁面の接線とは一致しない、請求項1に記載の空気調和装置(1、101、201、301)。
  3. 前記吹出流路(5)内には、前記突出部材(6)が前記吹出流路内に突出する位置よりも上流側に、前記突出部材が前記第1及び第2吹き出し状態のいずれにおいても前記対向壁(54)に沿う方向に前記調和空気を案内する整流部材(8)が設けられている、請求項1又は2に記載の空気調和装置(1、101、201、301)。
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