JP2001248853A - 空気調和機用室内機 - Google Patents

空気調和機用室内機

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JP2001248853A
JP2001248853A JP2000063566A JP2000063566A JP2001248853A JP 2001248853 A JP2001248853 A JP 2001248853A JP 2000063566 A JP2000063566 A JP 2000063566A JP 2000063566 A JP2000063566 A JP 2000063566A JP 2001248853 A JP2001248853 A JP 2001248853A
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JP2000063566A
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Seiji Sato
誠司 佐藤
Tomohiro Suzuki
智博 鈴木
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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  • Air-Conditioning Room Units, And Self-Contained Units In General (AREA)
  • Air Filters, Heat-Exchange Apparatuses, And Housings Of Air-Conditioning Units (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 空気調和機用室内機において、低騒音化と低
動力化を実現するとともに、吹出口形状の多様化に対応
可能とする。 【解決手段】 空気通路4の吹出側通路部4aの通路壁
を少なくとも対向する一対の通路形成部材41,42で
構成するとともに、一対の通路形成部材41,42を上
下方向に相対移動可能とし、相対移動によって吹出口3
からの空調風の吹出方向を変更するように構成すること
で、例えば従来の空気調和機用室内機のように吹出口3
に偏向フラップを設けた構成とする場合に比して、吹出
口3から吹き出される空調風の乱れが可及的に抑制さ
れ、空気調和機用室内機における低騒音化及びファンモ
ータの低動力化による省エネ運転が実現されるととも
に、吹出口3の形状設定の自由度が向上し意匠の多様化
への対応が容易となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、空気調和機用室
内機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の空気調和機用室内機として、図1
0には壁掛型室内機Z01を、図11及び図12には天井
埋込型室内機Z02をそれぞれ示している。
【0003】壁掛型室内機Z01は、室内壁面59に掛止
固定されるとともにその前面及び上面にそれぞれ吸込口
52を、下面に吹出口53を、それぞれ設けたケーシン
グ51を備えている。また、上記ケーシング51の上記
吸込口52から吹出口53に向かう空気通路54途中に
は、熱交換器61が上記吸込口52に臨んで、ファン6
2が上記吹出口53に臨んで、それぞれ配置されてい
る。また、上記空気通路54のうち、上記吹出口53の
近傍に位置する吹出側通路部54aは、対向配置され該
空気通路54の室内寄りの壁面を構成する第1通路部材
55と壁面59寄りの壁面を構成する第2通路部材56
とによって形成されるとともに、上記吹出口53部分に
は偏向フラップ63が設けられている。この偏向フラッ
プ63は、上記吹出口53からの空調風の吹出方向を変
更することで快適な室内温度分布を確保するためのもの
であって、冷房運転時には同図に実線図示するように略
水平に角度設定されて流線A01で示すように空調風を略
水平方向に偏向させて室内へ吹き出させる一方、暖房運
転時には同図に鎖線図示するように略鉛直に角度設定さ
れて流線A02で示すように空調風を上記吹出口53から
略直下方向に向けて吹き出させるようになっている。
【0004】天井埋込型室内機Z02は、その本体部分を
天井60に埋込んだ状態で該天井60に取り付けられる
もので、該天井60側の中央部には吸込口52が、該吸
込口52の外側には該吸込口52を囲繞するようにした
直線状に延びる吹出口53,53,・・が、それぞれ設
けられている。そして、この吹出口53の上流側に連続
する空気通路54は、一体型の通路部材55によって形
成されるとともに、空気通路54の上記吹出口53に臨
む部位には偏向フラップ63が設けられており、冷房運
転時には図12に実線図示するように斜めに角度設定さ
れて流線A01で示すように空調風を略水平方向に偏向さ
せて室内へ吹き出させる一方、暖房運転時には同図に鎖
線図示するように略鉛直に角度設定されて流線A02で示
すように空調風を上記吹出口53から略直下方向に向け
て吹き出させるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述のよう
に従来の空気調和機用室内機においては、上記偏向フラ
ップ63の角度を冷房運転時と暖房運転時とで変更する
ことで空調風の吹出方向を変化させるようにしているの
で、該偏向フラップ63の角度によっては該偏向フラッ
プ63において気流の乱れが増大し(即ち、偏向フラッ
プ63の吹出気流に対して負圧側となる面に空気の剥離
に起因する乱流が発生し)、送風騒音の上昇とかファン
モータの動力増大等の運転上の問題が生じることにな
る。
【0006】また、例えば図11に示す矩形の平面形状
をもつ天井埋込型の室内機Z02においては、各吹出口5
3,53,・・に設けられる偏向フラップ63,63,
・・をその機能達成上、それぞれ独立した分割構造とせ
ざるを得ず、該偏向フラップ63,63,・・の端部に
おいて風切り音が発生するという問題もあった。
【0007】そこで本願発明では、偏向フラップを用い
ることなく吹出気流の方向制御を可能とすることで、低
騒音化と低動力化を実現するとともに、吹出口形状の多
様化に対応できるようにした空気調和機用室内機を提供
することを目的としてなされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願発明ではかかる課題
を解決するための具体的手段として次のような構成を採
用している。
【0009】本願の第1の発明では、吸込口2から吹出
口3に向かう空気通路4中に熱交換器とファンとを配置
し上記吹出口3から下方側に向けて空調風を吹き出すよ
うにした空気調和機用室内機において、上記空気通路4
の上記吹出口3の近傍に位置する吹出側通路部4aを少
なくとも対向する一対の通路形成部材41,42で構成
するとともに、該一対の通路形成部材41,42を上下
方向に相対移動可能とし、該相対移動によって上記吹出
口3からの空調風の吹出方向を変更するようにしたこと
を特徴としている。
【0010】本願の第2の発明では、上記第1の発明に
かかる空気調和機用室内機において、上記一対の通路形
成部材41,42のうちの何れか一方の通路形成部材4
1の通路壁41aをその上流側部位41a1が通路内側
へ膨出し下流側部位41a2が通路外側へ膨出する略S
字状の壁面形状とし、何れか他方の通路形成部材42の
通路壁42aを通路外側へ膨出する壁面形状としたこと
を特徴としている。
【0011】本願の第3の発明では、上記第2の発明に
かかる空気調和機用室内機において、上記一方の通路形
成部材41の通路壁41aの上記上流側部位41a
1に、該通路壁41aから通路内側へ突出する突起40
を設けたことを特徴としている。
【0012】本願の第4の発明では、上記第1、第2又
は第3の発明にかかる空気調和機用室内機において、上
記室内機を室内壁面59に取り付けられる壁掛型とし、
上記一対の通路形成部材41,42を上記吹出側通路部
4aを上記壁面59に直交する方向に挟んで対向させる
とともに、該一対の通路形成部材41,42のうち上記
吹出側通路部4aよりも室内寄りに位置する通路形成部
材41を固定し、該吹出側通路部4aよりも上記壁面5
9寄りに位置する通路形成部材42を上下方向に移動可
能としたことを特徴としている。
【0013】本願の第5の発明では、上記第1、第2又
は第3の発明にかかる空気調和機用室内機において、上
記室内機を室内天井60に埋込配置される天井埋込型ま
たは天井60に吊下配置される天井吊下型室内機とし、
上記吹出側通路部4aを円形環状又は矩形環状の平面形
状とするとともに、上記一対の通路形成部材41,42
のうち上記吹出側通路部4aの平面方向外側に位置する
通路形成部材41を固定し、平面方向内側に位置する通
路形成部材42を上下方向に移動可能としたことを特徴
としている。
【0014】本願の第6の発明では、上記第4又は第5
の発明にかかる空気調和機用室内機において、移動可能
な上記通路形成部材42を電動式の駆動手段43により
駆動することを特徴としている。
【0015】本願の第7の発明では、上記第4、第5又
は第6の発明にかかる空気調和機用室内機において、暖
房運転時には上記一対の通路形成部材41,42を接近
方向へ移動させて上記吹出側通路部4aの通路幅を縮小
させ、冷房運転時には上記一対の通路形成部材41,4
2を離間方向へ移動させて上記吹出側通路部4aの通路
幅を拡大させるように制御することを特徴としている。
【0016】
【発明の効果】本願発明ではかかる構成とすることによ
り次のような効果が得られる。
【0017】 本願の第1の発明にかかる空気調和機
用室内機によれば、上記空気通路4の上記吹出口3の近
傍に位置する吹出側通路部4aを少なくとも対向する一
対の通路形成部材41,42で構成するとともに、該一
対の通路形成部材41,42を上下方向に相対移動可能
とし、該相対移動によって上記吹出口3からの空調風の
吹出方向を変更するようにしているので、例えば、従来
の空気調和機用室内機のように吹出口3に偏向フラップ
を設けた構成とする場合に比して、上記吹出口3から吹
き出される空調風の乱れが可及的に抑制され、低騒音化
及びファンモータの低動力化が実現されるものである。
【0018】また、上記一対の通路形成部材41,42
の相対移動によって空調風の吹出方向を変更するもので
あることから、例えば従来のように偏向フラップによっ
て吹出方向を変更する構成のように該偏向フラップの作
動確保のために吹出口の形状を直線に近い形状としなけ
ればならないというような吹出口の形状設定における制
約がなく、上記吹出口3の形状設定の自由度が向上し、
室内機の意匠の多様化に容易に対処し得るものである。
【0019】 本願の第2の発明にかかる空気調和機
用室内機によれば、上記に記載の効果に加えて次のよ
うな特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記
一対の通路形成部材41,42のうちの何れか一方の通
路形成部材41の通路壁41aをその上流側部位41a
1が通路内側へ膨出し下流側部位41a2が通路外側へ膨
出する略S字状の壁面形状とし、何れか他方の通路形成
部材42の通路壁42aを通路外側へ膨出する壁面形状
としている。
【0020】従って、例えば、上記各通路形成部材4
1,42が相互に接近する方向へ移動し上記吹出側通路
部4aの通路幅が縮小されると、該吹出側通路部4aか
ら上記吹出口3を通しての空調風の吹出方向が上記一方
の通路形成部材41の通路壁41aの壁面形状に依存す
る度合いが高くなり、該吹出方向が上記一方の通路形成
部材41の壁面形状に沿って下方に設定される。一方、
上記各通路形成部材41,42が相互に離間する方向へ
移動し上記吹出側通路部4aの通路幅が拡大されると、
該吹出側通路部4aから上記吹出口3を通しての空調風
の吹出方向の依存度が上記一方の通路形成部材41の通
路壁41aの壁面形状から上記他方の通路形成部材42
の通路壁42aの壁面形状側へ移行し、該吹出方向が上
記他方の通路形成部材42の通路壁42aの壁面形状に
沿って水平に近い方向に設定される。この結果、上記各
通路形成部材41,42の上下方向への相対移動による
吹出方向の変更制御が確実に実現されることになる。
【0021】 本願の第3の発明にかかる空気調和機
用室内機によれば、上記に記載の効果に加えて次のよ
うな特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記
一方の通路形成部材41の通路壁41aの上記上流側部
位41a1に、該通路壁41aから通路内側へ突出する
突起40を設けている。
【0022】この場合、略S字状の壁面形状をもつ上記
一方の通路形成部材41の通路壁41a側においては、
コアンダ効果によって該通路壁41aに沿って流れる壁
面流が発生する。従って、例えば、上記突起40が設け
られていない場合には、上記各通路形成部材41,42
が相互に離間する方向に相対移動して上記吹出側通路部
4aの通路幅が拡大され上記吹出口3からの空調風の吹
出方向が上記他方の通路形成部材42の通路壁42aの
壁面形状に依存する度合いが高くなり且つその流速が低
下した状態においては、該他方の通路形成部材42側の
通路壁42aに沿って上記吹出口3から吹き出される主
流と上記壁面流とが干渉し、該主流に乱れが生じてその
吹出方向が不安定となる恐れがあるが、この発明におい
ては、上記一方の通路形成部材41の通路壁41aの上
流側部位41a1に上記突起40が設けられているの
で、該一方の通路形成部材41の通路壁41aに沿って
流れる壁面流が上記突起40部分において強制的な剥離
作用を受け該壁面流の流れが減衰され、該壁面流との干
渉による上記主流の乱れが可及的に防止され、その結
果、上記主流の吹出方向がより安定し、快適な空調性が
確保されるものである。
【0023】 本願の第4の発明にかかる空気調和機
用室内機によれば、上記,又はに記載の効果に加
えて次のような特有の効果が得られる。即ち、この発明
では、上記室内機を室内壁面59に取り付けられる壁掛
型とし、上記一対の通路形成部材41,42を上記吹出
側通路部4aを上記壁面59に直交する方向に挟んで対
向させるとともに、該一対の通路形成部材41,42の
うち上記吹出側通路部4aよりも室内寄りに位置する通
路形成部材41を固定し、該吹出側通路部4aよりも上
記壁面59寄りに位置する通路形成部材42を上下方向
に移動可能としている。
【0024】この場合、壁掛型空気調和機用室内機にお
いては、通常、室内寄りに位置する通路形成部材41側
には熱交換器が配置されていることからして、該熱交換
器が配置されていない側、即ち壁面59寄りに位置する
通路形成部材42を移動させる構造を採用することで、
例えば、室内寄りに位置する通路形成部材41側を移動
させる構造とする場合に比して、移動部分の設計が容易
となり、延いては空気調和機用室内機の低コスト化が促
進されることになる。
【0025】 本願の第5の発明にかかる空気調和機
用室内機によれば、上記,又はに記載の効果に加
えて次のような特有の効果が得られる。即ち、この発明
では、上記室内機を室内天井60に埋込配置される天井
埋込型または天井60に吊下配置される天井吊下型室内
機とし、上記吹出側通路部4aを円形環状又は矩形環状
の平面形状とするとともに、上記一対の通路形成部材4
1,42のうち上記吹出側通路部4aの平面方向外側に
位置する通路形成部材41を固定し、平面方向内側に位
置する通路形成部材42を上下方向に移動可能としてい
る。
【0026】この場合、天井埋込型又は天井吊下型の空
気調和機用室内機においては、通常、吹出側通路部4a
の平面方向外側に位置する通路形成部材41側に熱交換
器が配置されていることからして、該熱交換器が配置さ
れていない側、即ち上記吹出側通路部4aの平面方向内
側に位置する通路形成部材42を移動させる構造を採用
することで、例えば、吹出側通路部4aの平面方向外側
に位置する通路形成部材41側を移動させる構造とする
場合に比して、移動部分の設計が容易となり、延いては
空気調和機用室内機の低コスト化が促進されることにな
る。
【0027】 本願の第6の発明にかかる空気調和機
用室内機によれば、上記又はに記載の効果に加えて
次のような特有の効果が得られる。即ち、この発明で
は、移動可能な上記通路形成部材42を電動式の駆動手
段43により駆動するようにしているので、該通路形成
部材42の移動、即ち、吹出方向の変更を、例えば運転
形態とか吹出風量等の条件に対応させて自動制御するこ
とが容易となり、より快適な空調性を簡単に得ることが
できる。
【0028】 本願の第7の発明にかかる空気調和機
用室内機によれば、上記,又はに記載の効果に加
えて次のような特有の効果が得られる。即ち、この発明
では、暖房運転時には上記一対の通路形成部材41,4
2を接近方向へ移動させて上記吹出側通路部4aの通路
幅を縮小させ、冷房運転時には上記一対の通路形成部材
41,42を離間方向へ移動させて上記吹出側通路部4
aの通路幅を拡大させるように制御するようにしている
ので、暖房運転時には上記通路形成部材の通路幅が縮小
していることで空調風は上記吹出口3から略直下方向に
向けて比較的高速で吹き出される一方、冷房運転時には
上記通路形成部材の通路幅が拡大していることで空調風
は吹出口3から略水平方向に向けて比較的低速で吹き出
され、これによって暖房運転時及び冷房運転時の双方に
おいて室内の温度分布が可及的に均一化され、より快適
な空調性が確保される。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本願発明にかかる空気調和
機用室内機を好適な実施形態に基づいて具体的に説明す
る。
【0030】第1の実施形態 図1には、本願発明にかかる空気調和機用室内機の第1
の実施形態として壁掛型室内機Z1を示している。この
室内機Z1は、その基本構造を従来周知の室内機(図1
0参照)と同じにするものであって、室内の壁面11に
掛止固定されるとともに、その前面1aから上面1bに
かけての部位には吸込口2を、下面1d側には吹出口3
を、それぞれ設けたケーシング1を備えている。そし
て、上記ケーシング1内には、上記吸込口2から上記吹
出口3に向かって延びる空気通路4が形成されるととも
に、該空気通路4の上流側には熱交換器(図示省略)
が、下流側にはファン(図示省略)が、それぞれ配置さ
れ、該ファンの運転に伴って上記吸込口2から吸い込ま
れた室内空気は上記熱交換器での熱交換によって温風又
は冷風の空調風とされた後、上記吹出口3から室内へ吹
き出される。
【0031】ところで、この実施形態の室内機Z1にお
いては、上記吹出口3から吹き出される空調風の吹出方
向を、例えば暖房運転時と冷房運転時とで変更する手段
として、上記空気通路4の上記吹出口3の近傍に位置す
る吹出側通路部4aを、次述の第1通路形成部材41と
第2通路形成部材42の二部材で構成し、且つこれら両
通路形成部材41,42を上下方向に相対移動させる構
成を採用している。以下、これら各通路形成部材41,
42の具体的構造及び作動等を図2〜図4に基づいて説
明する。
【0032】上記第1通路形成部材41は、特許請求の
範囲の「一方の通路形成部材」に該当するものであっ
て、図2に示すように、上記ケーシング1の前面1a側
に固定配置され、その通路壁41aによって上記吹出側
通路部4aの室内寄りの壁面を構成する。また、この第
1通路形成部材41の通路壁41aは、その上流側部位
41a1を通路内側へ膨出させる一方、その下流側部位
41a2を通路外側へ膨出させた略S字状の壁面形状を
有しており、且つ該下流側部位41a2の下端部は略直
下方向へ指向している。さらに、上記通路壁41aの上
流側部位41a1の変曲点の近傍位置には、該通路壁4
1aから吹出側通路部4aの内側へ向けて突出する突起
40が設けられている。この突起40は、その上流側部
分を上記通路壁41aに滑らかに連続させる一方、下流
側部分を該通路壁41aに対して段状に連続させてい
る。
【0033】上記第2通路形成部材42は、特許請求の
範囲の「他方の通路形成部材」に該当するものであっ
て、図2に示すように、上記ケーシング1の背面1c側
において上下方向に移動可能に配置され、その通路壁4
2aによって上記吹出側通路部4aの室内寄りの壁面を
構成する。そして、この第2通路形成部材42の通路壁
42aは、上記吹出側通路部4aの外側へ膨出するよう
な湾曲状の壁面形状を有しており、且つその下端部は略
水平方向へ指向している。この第2通路形成部材42の
通路壁42aの下端部と上記第1通路形成部材41の通
路壁41aの下端部とで上記吹出口3が形成される。
【0034】また、この第2通路形成部材42の背面4
2bにはラックギヤ44が上下方向へ向けて固定されて
いるとともに、このラックギヤ44には上記ケーシング
1の背面1c側に取り付けられ且つ図示しないモータに
よって回転駆動されるピニオンギヤ45が噛合してい
る。従って、上記第2通路形成部材42は、モータによ
って上記ピニオンギヤ45が回転駆動されることで上下
方向に移動され、且つその移動範囲は、図2に示す最下
動位置から図4に示す最上動位置までの範囲とされる。
そして、上記第2通路形成部材42の最下動位置におい
ては、該第2通路形成部材42が上記第1通路形成部材
41に対して大きく離間し、これら両者間に形成される
上記吹出側通路部4aの通路幅は最大に拡大される。こ
れに対して、上記第2通路形成部材42の最上動位置に
おいては、該第2通路形成部材42の下端部が上記第1
通路形成部材41の通路壁41aに当接し上記吹出側通
路部4aが閉塞された状態となる。さらに、この第2通
路形成部材42の最下動位置と最上動位置との中間に、
図3に示すような中間移動位置があり、この中間位置位
置においては該第2通路形成部材42は上記第1通路形
成部材41に対して比較的接近し、これら両者間に形成
される上記吹出側通路部4aの通路幅は最下動位置にお
ける通路幅よりも狭くなっている。
【0035】尚、この実施形態においては、上記第2通
路形成部材42の移動位置を上記室内機Z1の運転状態
に応じて切り換えるものとし、基本的には、上記第2通
路形成部材42を、暖房運転時には最下動位置に、冷房
運転時には最下動位置に、運転停止時には最上動位置
に、それぞれ設定するものとする。そして、例外的に、
暖房運転時及び冷房運転時には、必要に応じて最下動位
置と中間移動位置の間の任意位置に設定できるようにし
ている。また、この実施形態においては、上記ラックギ
ヤ44とピニオンギヤ45及びモータによって特許請求
の範囲の「駆動手段43」が構成されている。
【0036】続いて、上記第2通路形成部材42を作動
させて行われる上記室内機Z1の吹出方向の基本的制御
を、該室内機Z1の運転状態毎に具体的に説明する。
【0037】冷房運転時の作動 冷房運転時には、図2に示すように、上記第2通路形成
部材42を最下動位置に設定する。この設定状態におい
ては、上記第1通路形成部材41と第2通路形成部材4
2とが上下方向に大きく離間するとともに、上記第1通
路形成部材41の通路壁41aの壁面形状が略S字状と
されていることから前後方向(即ち、壁面11の直交す
る方向)にも大きく離間し、これら両通路形成部材4
1,42の各通路壁41a,42a相互間に形成される
上記吹出側通路部4aの通路幅は拡大し最大となってい
る。
【0038】従って、この状態では、上記吹出側通路部
4aから上記吹出口3を通して室内側へ吹き出されるの
空調風の吹出方向は主として上記第2通路形成部材42
の通路壁42aの壁面形状に依存し、図2に流線Aで示
すように、該第2通路形成部材42の通路壁42aによ
り偏向されて上記吹出口3から略水平に近い方向とされ
る。また、この場合、上記吹出側通路部4aの通路幅が
拡大しているので、該吹出側通路部4aを流れる空気流
の流速は低く、従って該空気流の上記吹出口3からの吹
出方向は、コアンダ効果によって上記第1通路形成部材
41の通路壁41aに沿って流れる壁面流との干渉によ
って不安定となるおそれがあるが、この実施形態のもの
においては、上記第1通路形成部材41の通路壁41a
の上流側部位41a1に上記突起40を設けているの
で、該壁面流はこの突起40部分において剥離作用を受
けて可及的に減衰されるので、該壁面流との干渉による
影響はほとんどなく、空調風は上記吹出口3から略水平
に近い方向へ安定的に吹き出されることになる。この結
果、冷風(空調風)が室内上部領域に向けて比較的低速
で且つ安定的に吹き出されることで室内の上下方向にお
ける温度分布が可及的に均等化され、より一層良好な冷
房特性が得られるものである。
【0039】暖房運転時の作動 暖房運転時には、図3に示すように、上記第2通路形成
部材42を中間移動位置に設定する。この設定状態にお
いては、上記第1通路形成部材41と第2通路形成部材
42とが上下方向において接近するとともに、上記第1
通路形成部材41の通路壁41aの壁面形状が略S字状
とされていることから前後方向にも接近し、これら両通
路形成部材41,42の各通路壁41a,42a相互間
に形成される上記吹出側通路部4aの通路幅は冷房運転
時のそれよりも縮小されている。
【0040】従って、この状態では、上記吹出側通路部
4aから上記吹出口3を通して室内側へ吹き出される空
調風の吹出方向は主として上記第1通路形成部材41の
通路壁41aの壁面形状に依存し、上記吹出側通路部4
aを流れる空気流は、図3に流線Aで示すように、該第
1通路形成部材41の通路壁41aの壁面形状に沿って
略S字状に流れ、上記吹出口3からの吹出方向は略直下
方向とされる。また、上記吹出側通路部4aの通路幅が
縮小していることから、該吹出側通路部4aにおける空
気流の流速は速く、従って上記吹出口3から吹き出され
る空調風の指向性も高くなっている。
【0041】この結果、温風(空調風)が室内下部領域
に向けて高速で吹き出されることで該温風の室内床面側
への到達が促進され、室内の上下方向における温度分布
が可及的に均等化され、より一層良好な暖房特性が得ら
れるものである。
【0042】尚、暖房運転時においては、上記吹出側通
路部4aにおける空気流の流速が高いことから、上記第
1通路形成部材41の通路壁41aに沿って流れる壁面
流が吹出方向に与える影響は殆ど無い。
【0043】運転停止時 運転停止時には、図4に示すように、上記第2通路形成
部材42の最上動位置に設定される。従って、該第1通
路形成部材41の下端部が上記第2通路形成部材42の
通路壁42aに当接し、上記吹出側通路部4aの下流
端、即ち、上記吹出口3は閉塞される。このため、運転
停止中に上記吹出口3あるいは上記吹出側通路部4a部
分にホコリが侵入するということが確実に防止され、後
日の運転開始時に上記吹出口3から空調風とともにホコ
リが室内へ吹き出されるということがなく、運転開始時
における快適性が確保されるものである。
【0044】以上のように、この実施形態の室内機Z1
においては、上記吹出口3から吹き出される空調風の吹
出方向の変更を、上記第1通路形成部材41に対する上
記第2通路形成部材42の相対移動によって行うように
しているので、例えば吹出口に偏向フラップを設けた従
来の空気調和機用室内機のように該偏向フラップによっ
て空調風に乱れが生じるということがなく、その結果、
低騒音化及びファンモータの低動力化が実現されるもの
である。
【0045】また、上記各形成部材41,42の相対移
動によって空調風の吹出方向を変更するものであること
から、例えば、偏向フラップを備えた構成のような吹出
口3の形状設定における制約がなく、該吹出口3の形状
設定の自由度が高く、延いては上記室内機Z1の意匠の
多様化に容易に対処し得るものである。
【0046】さらに、この実施形態の室内機Z1におい
ては、熱交換器側に位置する上記第1通路形成部材41
を固定構造とし、この第1通路形成部材41に対して上
記第2通路形成部材42を可動構造としているので、移
動部分の設計が容易となり、延いては室内機Z1の低コ
スト化が促進される。尚、このように、上記第2通路形
成部材42のみを可動構造とするのに代えて、上記第1
通路形成部材41と第2通路形成部材42をともに可動
構造とすることもできることは勿論である。
【0047】また、この実施形態のように、上記第2通
路形成部材42を電動式の駆動手段43により駆動する
ようにしているので、該第2通路形成部材42の移動、
即ち、吹出方向の変更を、例えば運転形態とか吹出風量
等の条件に対応させて自動制御することが容易であり、
より快適な空調性を簡単に得ることができる。
【0048】第2の実施形態 図5及び図6には、本願発明にかかる空気調和機用室内
機の第2の実施形態として天井埋込型室内機Z2を示し
ている。この室内機Z2は、室内天井10に室内側から
埋込配置される矩形箱状のケーシング1を備えるととも
に、上記天井10側に露出する面の中央部には吸込口2
が、また該吸込口2の外側には該吸込口2の周囲を囲繞
するようにして矩形環状の平面形状をもつ吹出口3が、
それぞれ設けられている。そして、上記ケーシング1内
には、上記吸込口2から上記吹出口3に向かって延びる
空気通路4が形成されるとともに、該空気通路4には熱
交換器とファン(図示省略)が、それぞれ配置されてお
り、該ファンの運転に伴って上記吸込口2から吸い込ま
れた室内空気は上記熱交換器での熱交換によって温風又
は冷風の空調風とされた後、上記吹出口3から室内へ吹
き出される。
【0049】ところで、この実施形態の室内機Z2にお
いては、上記吹出口3から吹き出される空調風の吹出方
向を、例えば暖房運転時と冷房運転時とで変更する手段
として、上記第1の実施形態にかかる室内機Z1の場合
と同様に、上記空気通路4の上記吹出口3の近傍に位置
する吹出側通路部4aを、次述の第1通路形成部材41
と第2通路形成部材42の二部材で構成し、且つこれら
両通路形成部材41,42を上下方向に相対移動させる
構成を採用している。以下、これら各通路形成部材4
1,42の具体的構造及び作動等を図5〜図8に基づい
て説明する。
【0050】上記第1通路形成部材41は、特許請求の
範囲の「一方の通路形成部材」に該当するものであっ
て、図6に示すように、上記空気通路4の平面方向にお
ける外側に固定配置され、その通路壁41aによって上
記吹出側通路部4aの外側壁面を構成する。また、この
第1通路形成部材41の通路壁41aは、その上流側部
位41a1を通路内側へ膨出させる一方、その下流側部
位41a2を通路外側へ膨出させた略S字状の壁面形状
を有しており、且つ該下流側部位41a2の下端部は略
直下方向へ指向している。さらに、上記通路壁41aの
上流側部位41a1の変曲点の近傍位置には、該通路壁
41aから吹出側通路部4aの内側へ向けて突出する突
起40が設けられている。この突起40は、その上流側
部分を上記通路壁41aに滑らかに連続させる一方、下
流側部分を該通路壁41aに対して段状に連続させてい
る。
【0051】上記第2通路形成部材42は、特許請求の
範囲の「他方の通路形成部材」に該当するものであっ
て、図6に示すように、上記空気通路4の平面方向の内
側において上下方向へ移動可能に配置され、その通路壁
42aによって上記吹出側通路部4aの内側壁面を構成
する。そして、この第2通路形成部材42の通路壁42
aは、上記吹出側通路部4aの外側へ膨出するような湾
曲状の壁面形状を有しており、且つその下端部は略水平
方向へ指向している。この第2通路形成部材42の通路
壁42aの下端部と上記第1通路形成部材41の通路壁
41aの下端部とで上記吹出口3が形成される。
【0052】また、この第2通路形成部材42の背面4
2bにはラックギヤ44が上下方向へ向けて固定されて
いるとともに、このラックギヤ44には上記ケーシング
1側に取り付けられ且つ図示しないモータによって回転
駆動されるピニオンギヤ45が噛合している。従って、
上記第2通路形成部材42は、モータによって上記ピニ
オンギヤ45が回転駆動されることで上下方向に移動さ
れ、且つその移動範囲は、図6に示す最下動位置から図
8に示す最上動位置までの範囲とされる。そして、上記
第2通路形成部材42の最下動位置においては、該第2
通路形成部材42が上記第1通路形成部材41に対して
大きく離間し、これら両者間に形成される上記吹出側通
路部4aの通路幅は最大に拡大される。これに対して、
上記第2通路形成部材42の最上動位置においては、該
第2通路形成部材42の下端部が上記第1通路形成部材
41の通路壁41aに当接し上記吹出側通路部4aが閉
塞された状態となる。さらに、この第2通路形成部材4
2の最下動位置と最上動位置との中間に、図7に示すよ
うな中間移動位置があり、この中間位置位置においては
該第2通路形成部材42は上記第1通路形成部材41に
対して比較的接近し、これら両者間に形成される上記吹
出側通路部4aの通路幅は最下動位置における通路幅よ
りも狭くなっている。
【0053】尚、この実施形態においては、上記第2通
路形成部材42の移動位置を上記室内機Z2の運転状態
に応じて切り換えるものとし、基本的には、上記第2通
路形成部材42を、暖房運転時には最下動位置に、冷房
運転時には最下動位置に、運転停止時には最上動位置
に、それぞれ設定するものとする。そして、例外的に、
暖房運転時及び冷房運転時には、必要に応じて最下動位
置と中間移動位置の間の任意位置に設定できるようにし
ている。また、この実施形態においては、上記ラックギ
ヤ44とピニオンギヤ45及びモータによって特許請求
の範囲の「駆動手段43」が構成されている。
【0054】続いて、上記第2通路形成部材42を作動
させて行われる上記室内機Z2の吹出方向の基本的制御
を、該室内機Z2の運転状態毎に具体的に説明する。
【0055】冷房運転時の作動 冷房運転時には、図6に示すように、上記第2通路形成
部材42を最下動位置に設定する。この設定状態におい
ては、上記第1通路形成部材41と第2通路形成部材4
2とが上下方向に大きく離間するとともに、上記第1通
路形成部材41の通路壁41aの壁面形状が略S字状と
されていることから水平方向(即ち、天井10の面方
向)にも大きく離間し、これら両通路形成部材41,4
2の各通路壁41a,42a相互間に形成される上記吹
出側通路部4aの通路幅は拡大し最大となっている。
【0056】従って、この状態では、上記吹出側通路部
4aから上記吹出口3を通して室内側へ吹き出されるの
空調風の吹出方向は主として上記第2通路形成部材42
の通路壁42aの壁面形状に依存し、図6に流線Aで示
すように、該第2通路形成部材42の通路壁42aによ
り偏向されて上記吹出口3から略水平に近い方向とされ
る。また、この場合、上記吹出側通路部4aの通路幅が
拡大しているので、該吹出側通路部4aを流れる空気流
の流速は低く、従って該空気流の上記吹出口3からの吹
出方向は、コアンダ効果によって上記第1通路形成部材
41の通路壁41aに沿って流れる壁面流との干渉によ
って不安定となるおそれがあるが、この実施形態のもの
においては、上記第1通路形成部材41の通路壁41a
の上流側部位41a1に上記突起40を設けているの
で、該壁面流はこの突起40部分において剥離作用を受
ける可及的に減衰されるので、該壁面流との干渉による
影響はほとんどなく、空調風は上記吹出口3から略水平
に近い方向へ安定的に吹き出されることになる。この結
果、冷風(空調風)が室内上部領域に向けて比較的低速
で且つ安定的に吹き出されることで室内の上下方向にお
ける温度分布が可及的に均等化され、より一層良好な冷
房特性が得られるものである。
【0057】暖房運転時の作動 暖房運転時には、図7に示すように、上記第2通路形成
部材42を中間移動位置に設定する。この設定状態にお
いては、上記第1通路形成部材41と第2通路形成部材
42とが上下方向において接近するとともに、上記第1
通路形成部材41の通路壁41aの壁面形状が略S字状
とされていることから前後方向にも接近し、これら両通
路形成部材41,42の各通路壁41a,42a相互間
に形成される上記吹出側通路部4aの通路幅は冷房運転
時のそれよりも縮小されている。
【0058】従って、この状態では、上記吹出側通路部
4aから上記吹出口3を通して室内側へ吹き出される空
調風の吹出方向は主として上記第1通路形成部材41の
通路壁41aの壁面形状に依存し、上記吹出側通路部4
aを流れる空気流は、図7に流線Aで示すように、該第
1通路形成部材41の通路壁41aの壁面形状に沿って
略S字状に流れ、上記吹出口3からの吹出方向は略直下
方向とされる。また、上記吹出側通路部4aの通路幅が
縮小していることから、該吹出側通路部4aにおける空
気流の流速は速く、従って上記吹出口3から吹き出され
る空調風の指向性も高くなっている。
【0059】この結果、温風(空調風)が室内下部領域
に向けて高速で吹き出されることで該温風の室内床面側
への到達が促進され、室内の上下方向における温度分布
が可及的に均等化され、より一層良好な暖房特性が得ら
れるものである。
【0060】尚、暖房運転時においては、上記吹出側通
路部4aにおける空気流の流速が高いことから、上記第
1通路形成部材41の通路壁41aに沿って流れる壁面
流が吹出方向に与える影響は殆ど無い。
【0061】運転停止時 運転停止時には、図8に示すように、上記第2通路形成
部材42の最上動位置に設定される。従って、該第1通
路形成部材41の下端部が上記第2通路形成部材42の
通路壁42aに当接し、上記吹出側通路部4aの下流
端、即ち、上記吹出口3は閉塞される。このため、運転
停止中に上記吹出口3あるいは上記吹出側通路部4a部
分にホコリが侵入するということが確実に防止され、後
日の運転開始時に上記吹出口3から空調風とともにホコ
リが室内へ吹き出されるということがなく、運転開始時
における快適性が確保されるものである。
【0062】以上のように、この実施形態の室内機Z2
においては、上記吹出口3から吹き出される空調風の吹
出方向の変更を、上記第1通路形成部材41に対する上
記第2通路形成部材42の相対移動によって行うように
しているので、例えば吹出口に偏向フラップを設けた従
来の空気調和機用室内機のように該偏向フラップによっ
て空調風に乱れが生じるということがなく、その結果、
低騒音化及びファンモータの低動力化が実現されるもの
である。
【0063】また、上記各形成部材41,42の相対移
動によって空調風の吹出方向を変更するものであること
から、例えば、偏向フラップを備えた構成のような吹出
口3の形状設定における制約がなく、該吹出口3の形状
設定の自由度が高く、延いては上記室内機Z2の意匠の
多様化に容易に対処し得るものである。即ち、この実施
形態のように上記吹出口3を矩形環状に形成するのに代
えて、例えば図9に示す室内機Z3のように、該吹出口
3を円形環状に形成することもできるものである。
【0064】さらに、この実施形態の室内機Z2におい
ては、熱交換器側に位置する上記第1通路形成部材41
を固定構造とし、この第1通路形成部材41に対して上
記第2通路形成部材42を可動構造としているので、移
動部分の設計が容易となり、延いては室内機Z2の低コ
スト化が促進される。尚、このように、上記第2通路形
成部材42のみを可動構造とするのに代えて、上記第1
通路形成部材41と第2通路形成部材42をともに可動
構造とすることもできることは勿論である。
【0065】また、この実施形態のように、上記第2通
路形成部材42を電動式の駆動手段43により駆動する
ようにしているので、該第2通路形成部材42の移動、
即ち、吹出方向の変更を、例えば運転形態とか吹出風量
等の条件に対応させて自動制御することが容易であり、
より快適な空調性を簡単に得ることができる。
【0066】尚、図9に示す本願発明の第3の実施形態
にかかる室内機Z3は、上述のように、上記吹出口3の
形状が上記第2の上述の室内機Z2の場合と異なるのみ
で、その他の構造は全て該第2の実施形態の室内機Z2
と同様であるので、第2の実施形態の該当説明を援用す
ることで、ここでの説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1の実施形態にかかる壁掛型室内
機の斜視図である。
【図2】図1に示した室内機の吹出口部分の拡大断面図
である。
【図3】図2の状態変化図である。
【図4】図2の状態変化図である。
【図5】本願発明の第2の実施形態にかかる天井埋込型
内機の斜視図である。
【図6】図5に示した室内機の吹出口部分の拡大断面図
である。
【図7】図6の状態変化図である。
【図8】図6の状態変化図である。
【図9】本願発明の第3の実施形態にかかる天井埋込型
内機の斜視図である。
【図10】従来の壁掛型室内機の断面図である。
【図11】従来の天井埋込型室内機の断面図である。
【図12】図11の吹出口部分の拡大断面図である。
【符号の説明】
1はケーシング、2は吸込口、3は吹出口、4は空気通
路、4aは吹出側通路部、10は天井、11は壁面、4
0は突起、41は第1通路形成部材、41aは通路壁,
41a1は上流側部位、41a2は下流側部位、42は第
2通路形成部材、42aは通路壁、43は駆動手段、4
4はラックギヤ、45はピニオンギヤ、Aは吹出気流、
1〜Z3は室内機である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸込口(2)から吹出口(3)に向かう
    空気通路(4)中に熱交換器とファンとを配置し上記吹
    出口(3)から下方側に向けて空調風を吹き出すように
    した空気調和機用室内機であって、 上記空気通路(4)の上記吹出口(3)の近傍に位置す
    る吹出側通路部(4a)が少なくとも対向する一対の通
    路形成部材(41),(42)で構成されるとともに、
    該一対の通路形成部材(41),(42)が上下方向に
    相対移動可能とされ、該相対移動によって上記吹出口
    (3)からの空調風の吹出方向が変更されることを特徴
    とする空気調和機用室内機。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 上記一対の通路形成部材(41),(42)のうちの何
    れか一方の通路形成部材(41)の通路壁(41a)は
    その上流側部位(41a1)が通路内側へ膨出し下流側
    部位(41a2)が通路外側へ膨出する略S字状の壁面
    形状とされ、何れか他方の通路形成部材(42)の通路
    壁(42a)は通路外側へ膨出する壁面形状とされてい
    ることを特徴とする空気調和機用室内機。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 上記一方の通路形成部材(41)の通路壁(41a)の
    上記上流側部位(41a1)に、該通路壁(41a)か
    ら通路内側へ突出する突起(40)が設けられているこ
    とを特徴とする空気調和機用室内機。
  4. 【請求項4】 請求項1,2又は3において、 上記室内機が室内壁面(59)に取り付けられる壁掛型
    であって、上記一対の通路形成部材(41),(42)
    が上記吹出側通路部(4a)を上記壁面(59)に直交
    する方向に挟んで対向するとともに、該一対の通路形成
    部材(41),(42)のうち上記吹出側通路部(4
    a)よりも室内寄りに位置する通路形成部材(41)は
    固定され、該吹出側通路部(4a)よりも上記壁面(5
    9)寄りに位置する通路形成部材(42)は上下方向に
    移動可能とされていることを特徴とす空気調和機用室内
    機。
  5. 【請求項5】 請求項1,2又は3において、 上記室内機が室内天井(60)に埋込配置される天井埋
    込型または天井(60)に吊下配置される天井吊下型室
    内機であって、上記吹出側通路部(4a)が円形環状又
    は矩形環状の平面形状を有し、上記一対の通路形成部材
    (41),(42)のうち上記吹出側通路部(4a)の
    平面方向外側に位置する通路形成部材(41)は固定さ
    れ、平面方向内側に位置する通路形成部材(42)は上
    下方向に移動可能とされていることを特徴とする空気調
    和機用室内機。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5において、 移動可能な上記通路形成部材(42)を電動式の駆動手
    段(43)により駆動することを特徴とする空気調和機
    用室内機。
  7. 【請求項7】 請求項4,5又は6において、 暖房運転時には上記一対の通路形成部材(41),(4
    2)を接近方向へ移動させて上記吹出側通路部(4a)
    の通路幅を縮小し、冷房運転時には上記一対の通路形成
    部材(41),(42)を離間方向へ移動させて上記吹
    出側通路部(4a)の通路幅を拡大するように制御する
    ことを特徴とする空気調和機用室内機。
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