以下、本発明の実施の形態について添付の図面を参照にして具体的に説明する。
(配線基板)
図1(a),(b)は、本発明の第1実施形態の配線基板の構造の例を示す断面図と平面図である。図1に示す金属ポスト付き配線基板30は、少なくとも1層以上の絶縁層16と、少なくとも2層以上の配線層とにより構成された基体10の片方の面に、半導体素子を搭載する半導体素子搭載領域12が設けられている。そして、この半導体素子搭載領域12を取り囲むように、複数個の金属ポスト11が半導体素子搭載領域12の周囲に配置されている。
金属ポスト11は、例えば銅、ニッケル、アルミニウム、金、銀、パラジウム、白金、鉄、ステンレス鋼、亜鉛、マグネシウム、チタン、42アロイ、クロム、バナジウム、ロジウム、モリブデン、及びコバルトのいずれか又は複数の材料から構成されている。特に、コスト及び加工性の点から銅が適している。このため、本実施形態では、金属ポスト11を銅により形成する。金属ポスト11の形状は、金属ポスト11のピッチが狭ピッチである場合でも均一であり、半導体素子搭載領域12の周囲の金属ポスト11が配置された位置が異なる場合においても均一である。金属ポスト11の形状が均一とは、金属ポスト11の高さと、金属ポストの上端の直径(上端横断面積)と、金属ポストの下端の直径(下端横断面積)とが、各金属ポスト11でほぼ等しいことを指す。金属ポスト11が狭ピッチで配置されている場合とは、例えば、金属ポスト11が10μm〜300μmの範囲のピッチで配置されていることを指す。また、金属ポスト11の配置位置が異なるとは、例えば、図1(b)に示すように、複数個の金属ポスト11が、半導体素子搭載領域12を中心として、その周囲にこれを取り囲むように、図示例では三重になって配置されているが、半導体素子搭載領域12を取り囲む列が、金属ポスト(A)11−aと、金属ポスト(B)11−bのように異なることを意味しており、このため、金属ポスト(A)11−aと、金属ポスト(B)11−bとでは、それが属するポスト列(金属ポスト(A)11−aは最外周の列、金属ポスト(B)11−bはその内側の列)に配置されている金属ポスト11の数が異なることも意味している。
半導体素子搭載領域12は、基体10上に複数箇所存在し、各半導体素子搭載領域が分離した状態で配置されていてもよい。
基体10は、一例として図2に示すとおり、絶縁層16と配線層9とを有するものであり、配線層16は、絶縁層16の下面に形成された下層配線13と、上面に形成された上層配線14と、絶縁層16を貫通して下層配線13と上層配線14とを接続するビア15とから構成されている。なお、図2では、絶縁層16が1層、配線層9が2層の構成を示しているが、これに限定されることなく、絶縁層16及び配線層9は必要とされる層数で構成すればよい。
絶縁層16は、例えば感光性又は非感光性の有機材料で形成されており、有機材料は、例えば、エポキシ樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、BCB(benzocyclobutene)、PBO(polybenzoxazole)、ポリノルボルネン樹脂等、並びに、ガラスクロス若しくはアラミド繊維等で形成された織布又は不織布にエポキシ樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、BCB(benzocyclobutene)、PBO(polybenzoxazole)、ポリノルボルネン樹脂等を含浸させた材料を使用することができる。本実施形態では、例えば、アラミド繊維に含浸させたエポキシ樹脂を使用する。
配線層9は、例えば、銅、銀、金、ニッケル、アルミニウム、及びパラジウムからなる群から選択された少なくとも1種の金属又はこれらを主成分とする合金を使用することができる。特に、電気抵抗値及びコストの観点から、配線層9は銅により形成することが望ましい。本実施形態では、銅を使用する。
下層配線13と上層配線14は、例えば、サブトラクティブ法、セミアディティブ法又はフルアディティブ法等の方法により形成する。サブトラクティブ法は、基板上に設けられた銅箔上に所望のパターンのレジストを形成し、不要な銅箔をエッチングした後に、レジストを剥離して所望のパターンを得る方法である。セミアディティブ法は、無電解めっき法、スパッタ法、CVD(chemical vapor deposition)法等で給電層を形成した後、所望のパターンに開口されたレジストを形成し、レジスト開口部内に電解めっき法による金属を析出させ、レジストを除去した後に給電層をエッチングして所望の配線パターンを得る方法である。フルアディティブ法は、基板上に無電解めっき触媒を吸着させた後に、レジストでパターンを形成し、このレジストを絶縁膜として残したまま触媒を活性化し、無電解めっき法により絶縁膜の開口部に金属を析出させることで所望の配線パターンを得る方法である。本実施形態では、セミアディティブ法を採用する。
下層配線13と上層配線14は、絶縁層16内に設けられたビア15にて電気的に接続されている。絶縁層16が有機材料を使用する場合、ビア15を設ける絶縁層16の開口部はフォトリソグラフィー法により形成され、開口部内に銅、銀、金、ニッケル、アルミニウム、及びパラジウムからなる群から選択された少なくとも1種の金属又はこれらを主成分とする合金を充填する。充填方法は、電解めっき、無電解めっき、印刷法、溶融金属吸引法等で行う。非感光性の有機材料又は感光性の有機材料でパターン解像度が低い有機材料を使用する場合、ビア15を設ける絶縁層16の開口部は、レーザー加工法、ドライエッチング法又はプラズマ法により形成し、銅、銀、金、ニッケル、アルミニウム、及びパラジウムからなる群から選択された少なくとも1種の金属又はこれらを主成分とする合金を充填する。充填方法は、電解めっき、無電解めっき、溶融金属吸引法等で行う。また、ビア15の位置に予め通電用のポストを形成した後に、絶縁層16を形成し、研磨により絶縁層16の表面を削って、通電用ポストを露出させてビア15を形成する方法によれば、絶縁層16を開口させる必要はない。本実施形態では、非感光性の有機材料とレーザー加工法を採用し、下層配線13、上層配線14、ビア15の材料はいずれも銅とした。
絶縁層16上には、上層配線14の一部を露出させ、残部を覆うように、ソルダーレジスト17が形成されている。本実施形態では、ソルダーレジスト17の材料は、感光性レジストインクを用いた。上層配線14の露出部はパッド電極となる。
また、配線基板の所望の位置に、回路のノイズフィルターの役割を果たすコンデンサを設けてもよい。コンデンサを構成する誘電体材料としては、酸化チタン、酸化タンタル、Al2O3、SiO2、ZrO2、HfO2又はNb2O5等の金属酸化物、BST(BaxSr1−xTiO3)、PZT(PbZrxTi1−xO3)又はPLZT(Pb1−yLayZrxTi1−xO3)等のペロブスカイト系材料若しくはSrBi2Ta2O9等のBi系層状化合物を使用することが好ましい。但し、0≦x≦1、0<y<1である。また、コンデンサを構成する誘電体材料として、無機材料や磁性材料を混合した有機材料等を使用してもよい。
本実施形態により、基体10上の半導体素子搭載領域12の外周に、金属ポスト11が狭ピッチで均一な形状で配置しているため、金属ポスト11が高密度で安定した外部端子としての機能を実現する。また、金属ポストの形状において、金属ポストのボトム径が、金属ポストのトップ径よりも大きいことから、銅ポストと配線基板との密着性・安定性が高く、熱時・落下時の変形が少なくなるため、信頼性が向上する。
図3(a),(b)は、本発明の第2実施形態に係る配線基板の構造の例を示す断面図及び上面図である。図3に示す金属ポスト付き配線基板30は、少なくとも1層以上の配線層と少なくとも2層以上の配線層を有した基体10の片方の面に半導体素子搭載領域12があり、半導体素子搭載領域12を取り囲むように、その周囲に複数個の金属ポスト11の群を配置すると共に、この金属ポスト群の内側に、半導体素子搭載領域12を取り囲むように、金属犠牲層18aが連続的に形成されており、金属ポスト群の外側に、半導体素子形性領域12と共に金属ポスト群を取り囲むように、金属犠牲層18bが連続的に形成されている。なお、図3において、図1と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
このように、金属犠牲層18a、18bは、複数列状に配置した金属ポスト11の群の内周と外周に配置されている。金属犠牲層18a、18bの高さは、金属ポスト11の高さと同じか、又はそれ以下である。図4は金属犠牲層18a、18bの高さが、金属ポスト11の高さよりも低い構造の断面図を示す。
本実施形態においては、基体10上の半導体素子搭載領域12の外周に、金属ポスト11が狭ピッチで均一な形状で配置されているため、金属ポスト11が高密度で安定した外部端子としての機能をもつ。また、基体10上に金属犠牲層18a、18bが配置されているため、基体10の機械的強度を向上させるので、反り及びうねりが抑制される。また、金属犠牲層18を高放熱性の材料とすることで、基体10の熱拡散性を向上させ、優れた放熱特性を得ることができる。更に、金属犠牲層18を金属ポスト11と同様に外部端子として機能させることができ、金属犠牲層18をグランド回路と接続することで、電磁シールド効果により、電磁波妨害を規制し、ノイズを低減することができる。また、金属ポストの形状においては、金属ポストの下端の直径(横断面積)が、金属ポストの上端の直径(横断面積)よりも大きいことから、銅ポストと配線基板との密着性及び安定性が高く、熱付加時及び落下時の変形が少なくなるため、信頼性が向上する。
図5(a)は、基体10上に金属犠牲層18を設けず、金属ポスト11を配置した配線基板の実物の上面の光学顕微鏡像写真を示す。また、図5(b)は、本実施形態の基体10上に金属犠牲層18を設けて、金属ポスト11を配置した配線基板の実物の上面の光学顕微鏡像写真を示す。これらの図に示すように、基体10上に金属犠牲層18を設けることで、金属ポスト11の形状が均一となる結果が得られた。
図6は、本発明の第3実施形態の配線基板の構造の例を示す上面図である。図6に示す金属ポスト付き配線基板30は、少なくとも1層以上の絶縁層と少なくとも2層以上の配線層を有する基体10の片面に、半導体素子搭載領域12が設けられており、半導体素子搭載領域12を取り囲むように金属ポスト11が半導体素子搭載領域12の周囲に配置されている。そして、金属犠牲層18cが半導体素子搭載領域12を中心としてその周囲に碁盤目のように形成されている。この金属犠牲層18cの各碁盤目の中心に、金属ポスト11が配置されており、これにより、金属犠牲層18cが各金属ポスト11を個別に取り囲むように連続的に形成されている。
金属犠牲層18は、金属ポスト11と同一材料で形成しても良く、また、別の材料で形成しても良い。本実施形態では、金属犠牲層18として金属ポスト11と同一材料の銅を使用する。また、金属犠牲層18は、複数列状に配置した金属ポスト11の群の各金属ポスト11を個別に取り囲むように配置されているが、その金属犠牲層18の高さは、金属ポスト11の高さと同じか、又はそれ以下である。
本実施形態においては、基体10上の半導体素子搭載領域12の外周に、第1の実施形態(図1)及び第2の実施形態(図3)よりも、金属ポスト11を狭ピッチで均一な形状で配置することができるため、金属ポスト11がより高密度で安定した外部端子として機能する。また、基体10上に金属犠牲層18cが、個々の金属ポスト11を取り囲むように配置されているため、基体10の機械的強度を効果的に向上させることができ、反り及びうねりを極めて抑制することができる。また、第2実施形態と同様に、金属犠牲層18cを高放熱性材料とすることで、基体10の熱拡散性を効果的に向上させて、優れた放熱特性を実現できると共に、金属犠牲層18cを金属ポスト11と同様に外部端子として機能させることができ、金属犠牲層18cをグランド回路と接続することで、電磁シールド効果により電磁波妨害規制対策及びノイズ低減対策に有効である。特に、本実施形態は、各金属ポストに関して同軸構造となるため、第2実施形態(図3)の場合より電磁シールド効果が高まる。また、金属ポストの形状においては、金属ポストの下端の直径を、金属ポストの上端の直径よりも大きくすることにより、銅ポストと配線基板との密着性及び安定性が高くない、熱付加時及び落下時の変形が少なくなるため、信頼性が向上する。
図7は、本発明の第4実施形態の配線基板の構造の一例を示す上面図である。本実施形態の金属ポスト付き配線基板30は、第3実施形態の金属ポスト付き配線基板30に対して、金属犠牲層18dが個々の金属ポスト11の外周を完全に取り囲んだ状態ではなく、四辺に空間部を設けている点が異なる。それ以外の点は、第3実施形態の配線基板と同様である。
この本実施形態の配線基板が第3実施形態の配線基板と異なる部分について、以下に説明する。特に、説明のない部分は、第2の実施形態及び第3実施形態の配線基板と同じである。金属犠牲層18dは、複数列状に配置した金属ポスト11の各金属ポスト11を中心として相互に等間隔でその金属ポスト11から等距離の位置に複数個(図示例は4個)配置されている。即ち、図3に示す第3実施形態の碁盤目の各交点に、金属犠牲層18dが配置されており、碁盤目の各辺の中間には、金属犠牲層18dが欠落している。金属犠牲層18dの高さは、金属ポスト11の高さと同じか、又はそれ以下である。金属犠牲層18dの形状は、図6に示す形状のように、個々の金属ポスト11の外周から等間隔に配置されていることが望ましい。
本実施形態により、基体10上の半導体素子搭載領域12の外周に、第1の実施形態(図1)、第2の実施形態(図3)、第3の実施形態(図6)よりも、金属ポスト11を狭ピッチで均一な形状で配置することができるため、金属ポスト11がより高密度で安定した外部端子としての機能を果たすことができる。その他、本実施形態の配線基板は、第1乃至第4実施形態の配線基板と同様の作用効果を奏する。なお、本実施形態は、金属犠牲層18dが、複数列状に配置した個々の金属ポスト11の周囲に点在させて配置しているので、金属ポスト11と金属犠牲層18dを有する基体10上に半導体素子20を搭載し、それらを絶縁樹脂で封止する場合に、絶縁樹脂の周り込み性が、第3の実施形態(図6)の場合よりも良好になる。
なお、第2の実施形態(図3)、第3の実施形態(図6)、及び第4の実施形態(図7)で示した各金属犠牲層18a、18b,18c,18dは、それらを組合せて一つの半導体素子搭載領域の周囲に配置しても良い。
(半導体装置)
図8は、本発明の第5実施形態の半導体装置の構造を示す断面図である。本実施形態は,第1実施形態の配線基板に、半導体素子を搭載したものである。図8に示す金属ポスト付き半導体装置31は、少なくとも1層以上の絶縁層16と少なくとも2層以上の配線層9を有した基体10上に、半導体素子20が半田ボール19を介してフリップチップ接続され、アンダーフィル樹脂21が注入されたものである。図8は、図1(a)に示す配線基板に半導体素子20を搭載した半導体装置を示すが、図3、図6,図7に示す第2実施形態乃至第4実施形態の配線基板に、半導体素子20を搭載しても良いことは勿論である。また、半導体素子20の数も、一つに限らず、複数個の半導体素子を搭載することもできる。
半導体素子20は、半田ボール19を介して基体10と半導体素子20の両電極を電気的に接続することにより、基体10上に搭載されており、半導体素子20と基体10との間の空間がアンダーフィル樹脂21により充填されている。アンダーフィル樹脂21は、半導体素子20との熱膨張率差を小さくして半田ボール19が破壊することを防止する。半田ボール19が高い信頼性を確保できる強度を有していれば、アンダーフィル樹脂21は必要ない。半田ボール19は、半田材料からなるボールで、基体10上にめっき法、ボール転写法又は印刷法により取り付けられる。半田ボール19は、鉛錫合金の共晶半田又は鉛フリーの半田材料を使用して形成することができる。アンダーフィル樹脂21はエポキシ材料等に、シリカフィラーなどが添加された材料から構成されている。基体10と半導体素子20の接合は、半田ボール19の代わりに導電性ペースト又は銅バンプを使用しても良い。本実施形態では、半田ボール19を使用する。また、金属ポスト付き半導体装置31は、スティフナー、又はヒートスプレッダーを搭載することも可能である。
図8に示す配線基板30は、図1に示す第1実施形態の金属ポスト付き配線基板30と同様の構造を有する。本実施形態においては、基体10上の半導体素子搭載領域12の周囲に、金属ポスト11が狭ピッチで均一な形状で配置されているため、金属ポスト11が金属ポスト付き半導体装置31の高密度で安定した外部端子としての機能を実現する。
また、図3、図6及び図7に示すように、基体10上に金属犠牲層18a〜18dを設けた場合、金属ポスト付き半導体装置31の機械的強度を効果的に向上させ、反り及びうねりを抑制することができる。その結果、半導体装置の組立歩留まりが向上する。また、機械的強度が高くなるため、熱付加時の変形が少なくなり、半導体装置を機器に実装したときの二次実装信頼性が向上する。また、金属犠牲層18a〜18dを高放熱材料とすることで、金属ポスト付き半導体装置31の熱拡散性を効果的に向上させ、優れた放熱特性が実現できる。更に、金属犠牲層18a〜18dを金属ポスト11と同様に外部端子として機能させることができ、金属犠牲層18a〜18dをグランド回路と接続することで、電磁シールド効果により電磁波妨害規制対策及びノイズ低減が実現できる。また、金属ポストの形状において、金属ポストの下端の直径を、金属ポストの上端の直径よりも大きくすることにより、銅ポストと配線基板との密着性及び安定性が高く、熱付加時及び落下時の変形が少なくなるため、信頼性が向上する。また、同一径でその側面が直線的に伸びる金属ポストと比較して、金属ポストの側面の表面積が大きいことから、金属ポストを樹脂で封止した場合において、金属ポストと樹脂との密着性を向上させ、信頼性が向上する。
図9は、本発明の第6実施形態の半導体装置の構造を示す断面図である。図9に示す金属ポスト付き半導体装置31は、基体10上に、半導体素子20がワイヤボンディング接続されている。図9は、図1に示す第1実施形態の配線基板に半導体素子が搭載されている状態を示すが、配線基板は、これに限らず、図3、図6及び図7に示す配線基板上に半導体素子をワイヤボンディング接続により搭載することもできる。また、同一基体上に、半導体素子20を1個に限らず、複数個搭載できることも勿論である。
基体10上には、接着剤22により半導体素子20が接着され、半導体素子20の基体10との接着面の反対面と基体10とがボンディングワイヤ23により接続されている。接着材22は、有機材料や銀ペーストなどを使用することができる。ボンディングワイヤ23は、主に金からなる材料からなり、半導体素子20と配線基板の両電極とを電気的に接続する。また、金属ポスト付き半導体装置31は、スティフナー、ヒートスプレッダーを搭載していてもよい。
本実施形態も、図8に示す第5実施形態と同様の作用効果を奏する。
図10は、本発明の第7実施形態に係る半導体装置の構造を示す断面図である。図10に示す金属ポスト付き半導体装置31は、基体10上に、半導体素子20が半田ボール19を介してフリップチップ接続され、アンダーフィル樹脂21が注入されたものである。本実施形態において,第5及び第6実施形態と同一構成物には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
本実施形態においては、半導体素子20が絶縁材料24で埋め込まれている。この図10には、半導体素子20が絶縁材料24に埋め込まれているが、半導体素子20又は金属ポスト11のうちのいずれか一方が絶縁材料24で埋め込まれていても良く、また基体10上に金属犠牲層18が設けられている場合は、半導体素子20又は金属ポスト11又は金属犠牲層18のうちいずれか一方が、絶縁材料24に埋め込まれている構造でも良い。金属ポスト11又は金属犠牲層18が絶縁材料24に埋め込まれている場合は、金属ポスト11と金属犠牲層18の基体10に接する面の反対側の露出面は、絶縁材料24の表面に対して、面一でも、突出していても、また窪んでいても良い。
金属ポスト11又は金属犠牲層18の前記露出面が、絶縁材料24の表面と面一になる場合は、この露出面を、他の配線基板又は半導体装置と接続する際に、接続しやすくなる。また、金属ポスト11又は金属犠牲層18の前記露出面が、絶縁材料24の表面よりも窪んでいる場合は、金属ポスト11又は金属犠牲層18の前記露出面に半田ボール等を形成する際に、絶縁材料24がレジストとして機能し、窪み部分のみに半田ボール等を形成することができ、別途半田ボール形成のためのレジストパターンを設ける必要がなくなるため好ましい。金属ポスト11又は金属犠牲層18の前記露出面が、絶縁材料24の表面よりも突出している場合は、前記露出面が、他の配線基板又は半導体装置と接続する際の狭ピッチ化に対応することができる。
半導体素子20の電極と基体10の電極とが半田ボール19により電気的に接続され、半導体素子20と基体10との間の空間がアンダーフィル樹脂21により充填されていることは、第5実施形態と同様である。また、本実施形態も、第5及び第6実施形態と同様の作用効果を奏する。
図11は、本発明の第8実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。図11に示す金属ポスト付き半導体装置31は、図8に示す第5実施形態の半導体装置に対し、金属ポスト11が絶縁材料24で埋め込まれている点が異なる。図11において、図8と同一構成物には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。本実施形態においては、絶縁材料24に埋め込まれているのは金属ポスト11であるが、基体10上に金属犠牲層18が設けられている場合は、半導体素子20又は金属ポスト11又は金属犠牲層18のうちいずれか2つが、絶縁材料24に埋め込まれているような構造でも良い。金属ポスト11又は金属犠牲層18が絶縁材料24に埋め込まれている場合は、金属ポスト11と金属犠牲層18の基体10に接する面の反対側の露出面は、絶縁材料24の表面に対して、面一でも、突出しているも、又は窪んでいても良い。
金属ポスト11又は金属犠牲層18の基体10と接する面の反対側の露出面が、絶縁材料24の表面と面一になる場合、前記露出面が、他の配線基板又は半導体装置と接続する際に、接続しやすくなる。また、金属ポスト11又は金属犠牲層18の前記露出面が、絶縁材料24の表面よりも窪んでいる場合は、前記露出面に半田ボール等を形成する際に、絶縁材料24がレジストとして機能し、窪み部分のみに半田ボール等を形成することができ、別途半田ボール形成のためのレジストパターンを設ける必要がなくなる。更に,金属ポスト11又は金属犠牲層18の前記露出面が、絶縁材料24の表面よりも突出している場合は、前記露出面が、他の配線基板又は半導体装置と接続する際の狭ピッチ化に対応することができる。
本実施形態も、第5乃至第7実施形態と同様の作用効果を奏する。
図12は、本発明の第9実施形態に係る半導体装置の構造を示す断面図である。図12に示す金属ポスト付き半導体装置31は、基体10上に、半導体素子20が半田ボール19を介してフリップチップ接続され、アンダーフィル樹脂21が注入されたものである。また、金属ポスト11及び半導体素子20が絶縁材料24で埋め込まれている。
図12では、絶縁材料24に埋め込まれているのは、半導体素子20と金属ポスト11であるが、金属犠牲層18も同時に埋め込まれていても良い。金属ポスト11又は金属犠牲層18が絶縁材料24に埋め込まれている場合、金属ポスト11と金属犠牲層18の基体10に接する面の反対側の露出面は絶縁材料24の表面に対して、面一でも、突出しているも、又は窪んでいても良い。
半導体素子20と金属ポスト11又は半導体素子20と金属ポスト11と金属犠牲層18が、絶縁材料24に埋め込まれていることから、半導体装置の第4の実施形態の図11よりも金属ポスト付き半導体装置31の剛性を強くすることができ、金属ポスト付き半導体装置31の反りの低減と信頼性が向上する。
本実施形態も、第5乃至第8実施形態と同様の作用効果を奏する。
図13は金属ポスト付き半導体装置31の片面にヒートスプレッダー32を搭載した第10実施形態を示す断面図である。図13のヒートスプレッダー32はフィン付きであるが、フィンが付いていなくても良い。本実施形態は、金属ポスト付き半導体装置31にヒートスプレッダー32を搭載したものであり、熱を金属ポスト11を介してヒートスプレッダー32に逃がすことができ、金属ポスト付き半導体装置31の放熱性を向上させることができる。
図14は、本発明の第11実施形態に係る半導体装置の構造を示す断面図である。図14に示す半導体装置34は、2つの半導体装置33を積層したものである。半導体装置33は、上層配線14,ビア15及び下層配線13からなる配線層9と、絶縁層16とを含む基体10に、半導体素子20が半田ボール19により搭載され、半導体素子20と基体10との間にアンダーフィル樹脂21を充填して構成されており、この半導体装置33の下層配線13には半田ボール19が配置され、その周囲はソルダーレジスト1により充填されている。上層配線14には、金属ポスト11が接続されており、この金属ポスト11が設けられた基体10の面上に、図3に示す金属犠牲層18が設けられている。金属ポスト11と金属犠牲層18と半導体素子20が絶縁材料24で埋め込まれ、金属ポスト11と金属犠牲層18の基体10と接する面の反対側の露出面が絶縁材料24から露出している。そして、上方の半導体装置33の下層配線13と、下方の半導体装置33の金属ポスト11とが、半田ペースト等の導電性ペーストからなる接合材料25により接合されている。このようにして、2つの半導体装置33を積層した積層型の半導体装置34が構成されている。上方の半導体装置33の金属ポスト11は外部端子部として機能する。外部端子として機能とは、少なくとも電気的に外部の素子と接続させる機能があれば良い。
図14では、図3に示す第2実施形態の配線基板に半導体素子20を搭載し、それらを絶縁材料24で埋め込んだ半導体装置を例として用いているが、第1乃至第4実施形態のいずれの配線基板を使用しても良い。また、図14では、各半導体装置33において搭載されている半導体素子20はひとつとしたが、複数個搭載しても良い。図14では半導体素子20と基体10との接合をフリップチップ接続としているが、ワイヤーボンディング接続としても構わない。また、図14では、ふたつの半導体装置33が積層されているが、複数個積層することもできる。また、図14では、金属犠牲層18を設けているが、図1に示すように、設けていなくても構わない。
本実施形態により、基体10上の半導体素子搭載領域12の外周に、金属ポスト11が狭ピッチで均一な形状で配置しているため、金属ポスト11が金属ポスト付き半導体装置31の高密度で安定した外部端子としての機能を実現する。また、基体10上に金属犠牲層18を設けた場合、金属ポスト付き半導体装置31の機械的強度を効果的に向上させ反りやうねりの抑制が実現できる。その結果、半導体装置の組立歩留まりが向上する。また、機械的強度が高くなるため熱時の変形が少なくなり、半導体装置を機器に実装したときの二次実装信頼性が向上する。また、金属犠牲層18を高放熱材料とすることで、金属ポスト付き半導体装置31の熱拡散性を効果的に向上させ優れた放熱特性が実現できる。さらに、金属犠牲層18を金属ポスト11と同様に外部端子として機能させることができ、金属犠牲層18をグランド回路と接続することで、電磁シールド効果により電磁波妨害規制対策やノイズ低減が実現できる。また、半導体装置の積層構造により、半導体装置の複数段の積層が可能であること、半導体素子の組み合わせ自由度が高いこと、メモリ容量変更等に対するプロセスの柔軟度が高い等の利点を有する。
図15は、図14に示すパッケージ積層構造の下段用の半導体装置の断面の光学顕微鏡写真を示す。この図15に示すように、金属ポスト11と金属犠牲層18と半導体素子20が絶縁材料24に埋め込まれ、金属ポスト11の配線基板11と接する面の反対側の面が絶縁材料24から露出している様子がわかる。また、金属ポストの形状において、金属ポストのボトム径が、金属ポストのトップ径よりも大きいことから、銅ポストと配線基板との密着性・安定性が高く、熱時・落下時の変形が少なくなるため信頼性が向上する。また、垂直方向に伸びる金属ポストと比較して、金属ポストの側面の表面積が大きいことから、金属ポストを樹脂で封止した場合において、金属ポストと樹脂との密着性を向上させ、信頼性が向上する。
(配線基板の製造方法)
図16(a)乃至(e)は、本発明の第12実施形態に係る配線基板の製造方法を工程順に示す断面図である。この製造方法は、図1に示す第1実施形態の配線基板を製造するためのものである。
先ず、図16(a)に示すように、金属体26を用意し、必要に応じてウェット洗浄、ドライ洗浄、平坦化、粗化などの処理を施す。金属体26は、最終的に金属ポスト11として機能させるため、例えば、銅、アルミニウム、ニッケル、ステンレス鋼、鉄、マグネシウム、及び亜鉛からなる群から選択された少なくとも1種の金属又はこれらを主成分とする合金を用いる。特に、電気抵抗値及びコストの観点から銅を選択することが望ましい。本実施形態では、銅を用いる。
次に、図16(b)に示すように、金属体26上に少なくとも1層以上の絶縁層16と少なくとも2層以上の配線層9から構成される基体10を形成する。
ここで、図17(a)乃至(f)を使用して、基体10について説明する。先ず、図17(a)に示すように、金属体26を用意する。
次に、図17(b)に示すように、金属体26上に、例えば、サブトラクティブ法、セミアディティブ法又はフルアディティブ法等の方法により下層配線13を形成する。サブトラクティブ法は、基板上に設けられた銅箔上に所望のパターンのレジストを形成し、不要な銅箔をエッチングした後に、レジストを剥離して所望のパターンを得る方法である。セミアディティブ法は、無電解めっき法、スパッタ法、CVD(chemical vapor deposition)法等で給電層を形成した後、所望のパターンに開口されたレジストを形成し、レジスト開口部内に電解めっき法による金属を析出させ、レジストを除去した後に給電層をエッチングして所望の配線パターンを得る方法である。フルアディティブ法は、基板上に無電解めっき触媒を吸着させた後に、レジストでパターンを形成し、このレジストを絶縁膜として残したまま触媒を活性化し、無電解めっき法により絶縁膜の開口部に金属を析出させることで所望の配線パターンを得る方法である。下層配線13は、例えば、銅、銀、金、ニッケル、アルミニウム、及びパラジウムからなる群から選択された少なくとも1種の金属もしくはこれらを主成分とする合金を用いる。特に、電気抵抗値及びコストの観点から銅により形成することが望ましい。本実施形態では、銅を用いた。
次に、図17(c)に示すように、下層配線13上に絶縁層16を積層させる。絶縁層16は、例えば感光性又は非感光性の有機材料で形成されており、有機材料は、例えば、エポキシ樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、BCB(benzocyclobutene)、PBO(polybenzoxazole)、ポリノルボルネン樹脂等の材料か、又はガラスクロス又はアラミド繊維等で形成された織布又は不織布に、エポキシ樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、BCB(benzocyclobutene)、PBO(polybenzoxazole)、ポリノルボルネン樹脂等を含浸させた材料を用いる。本実施形態では、アラミド繊維にエポキシ樹脂を含浸させた材料を使用する。
次に、図17(d)に示すように、絶縁層16内にビアホール29を設ける。ビアホール29は、絶縁層16が感光性の材料を使用する場合、フォトリソグラフィーにより形成される。絶縁層16が非感光性の材料又は、感光性の材料でパターン解像度が低い材料を使用する場合、ビアホール29は、レーザー加工法、ドライエッチング法又はブラスト法により形成される。本実施形態では、レーザー加工法を用いた。
次に、図17(e)に示すように、ビアホール29内に例えば、銅、銀、金、ニッケル、アルミニウム、及びパラジウムからなる群から選択された少なくとも1種の金属又はこれらを主成分とする合金を充填させ、ビア15を形成する。充填方法は、電解めっき、無電解めっき、印刷法、溶融金属吸引法等で行う。また、ビア15の位置に予め通電用のポストを形成したあとに絶縁層16を形成し、研磨により絶縁層16表面を削って通電用ポストを露出させてビア15を形成する方法によれば、絶縁層16を開口させる必要はない。また、上層配線14と同じ工程でビア15を形成しても良い。さらに、ビア15上に、例えば、サブトラクティブ法、セミアディティブ法又はフルアディティブ法等の方法により上層配線14を形成する。サブトラクティブ法は、基板上に設けられた銅箔上に所望のパターンのレジストを形成し、不要な銅箔をエッチングした後に、レジストを剥離して所望のパターンを得る方法である。セミアディティブ法は、無電解めっき法、スパッタ法、CVD(chemical vapor deposition)法等で給電層を形成した後、所望のパターンに開口されたレジストを形成し、レジスト開口部内に電解めっき法による金属を析出させ、レジストを除去した後に給電層をエッチングして所望の配線パターンを得る方法である。フルアディティブ法は、基板上に無電解めっき触媒を吸着させた後に、レジストでパターンを形成し、このレジストを絶縁膜として残したまま触媒を活性化し、無電解めっき法により絶縁膜の開口部に金属を析出させることで所望の配線パターンを得る方法である。上層配線14は、例えば、銅、銀、金、ニッケル、アルミニウム、及びパラジウムからなる群から選択された少なくとも1種の金属もしくはこれらを主成分とする合金を用いる。特に、電気抵抗値及びコストの観点から銅により形成することが望ましい。本実施形態では、セミアディティブ法を用い、下層配線13、上層配線14、ビア15は銅を用いた。
次に、図17(f)に示すように、上層配線14上にソルダーレジスト17のパターンを形成する。ソルダーレジスト17は、配線基板の表面回路保護と難燃性を発現するために形成される。材料は、エポキシ系、アクリル系、ウレタン系、ポリイミド系の有機材料からなり、必要に応じて無機材料や有機材料のフィラーが添加されていても良い。また、配線基板としてソルダーレジスト17を設けなくても良い。このようにして、基体10が製造される。
なお、図17(a)乃至(f)では配線層から形成する例を示したが、絶縁層から形成する方法としても良い。図17(a)乃至(f)では、導体2層、絶縁1層の例を示したが、上記の工程を所望する層数に合わせて回数繰り返すことで、基体10を形成しても構わない。
次に、図16(c)に示すとおり、金属ポスト用エッチングマスク27と金属犠牲層用エッチングマスク28を金属体26の基体10と接する面の反対側の露出面に、少なくとも1以上の有機材料又は少なくとも1以上の金属体26とは異なる金属材料を0.01μm乃至100μmの厚さで、金属ポスト11と金属犠牲層18を設ける所望の位置に形成する。金属ポスト用エッチングマスク27と金属犠牲層用エッチングマスク28を有機材料とする場合、有機材料が液状であれば、スピンコート法、ダイコート法、カーテンコート法又は印刷法等により積層し、有機材料がドライフィルムであればラミネート法等により積層する。有機材料を積層後、乾燥等の処理により、有機材料を硬化させ、有機材料が感光性であればフォトプロセス等により、有機材料が非感光性であればレーザー加工法等により、金属ポスト11と金属犠牲層18を設ける所望の位置に有機材料が形成される。
金属ポスト用エッチングマスク27と金属犠牲層用エッチングマスク28を金属材料とする場合、金属体26の基体10と接する面の反対面に、めっきレジストを積層する。めっきレジストが液状であれば、スピンコート法、ダイコート法、カーテンコート法又は印刷法等により積層し、めっきレジストがドライフィルムであればラミネート法等により積層する。めっきレジストを積層後、乾燥等の処理により、めっきレジストを硬化させ、めっきレジストが感光性であればフォトプロセス等により、めっきレジストが非感光性であればレーザー加工法等により、金属ポスト11と金属犠牲層18を設ける所望の位置にめっきレジストの開口部を設ける。その後、めっきレジストの開口部に電解めっき法又は無電解めっき法により、金属体26とは異なる金属材料を析出させ、めっきレジストを除去することにより、金属材料が金属ポスト11と金属犠牲層18を設ける所望の位置に形成される。又は、金属体26上に設けられた金属材料上に、金属ポスト11と金属犠牲層18を設ける位置以外に保護膜を形成し、不要な金属材料をエッチングした後に、保護膜を剥離して金属ポスト11と金属犠牲層18上に金属材料を設ける方法でも構わない。本実施形態では、金属ポスト用エッチングマスク27と金属犠牲層用エッチングマスク28に金属材料(ニッケル)を適用し、めっきレジストに感光性の液状めっきレジスト(東京応化工業:PMER P−LA900)を用い、スピンコート法により金属体26に塗布し、フォトリソグラフィー法によりめっきレジストの開口部を設け、電解めっき法によりめっきレジストの開口部にニッケルを電解めっきし、厚さを10μmとした。
ここで、エッチングマスクについて説明する。ウェットエッチングでは、サイドエッチングが生じるため、目的とする構造体を形成するためには、サイドエッチング量を考慮してエッチングマスクを設計する必要がある。つまりは、エッチングマスクの大きさを大きめにする。しかしながら、図16(c)に示す金属犠牲層用エッチングマスク28は、エッチング終了後に、金属犠牲層18がエッチングによりすべて消失するように、エッチングマスクの大きさを適度に小さく設計する。
次に、図16(d)に示すように、金属ポスト用エッチングマスク27と金属犠牲層用エッチングマスク28の上面から、エッチング液を用いて金属体26をエッチングする。エッチング方法は、ディップ法又はスプレー法により行う。本実施形態では、アンモニアを主成分とするアルカリ銅エッチング液(メルテックス:エープロセス)を用いて、スプレーエッチング法により行った。この際、金属犠牲層用のエッチングマスク27とその下部に存在する形成途中の金属犠牲層18をオーバーエッチングし、金属犠牲層用エッチングマスク28と金属犠牲層18を除去することで、配線基板上に金属ポスト用エッチングマスク27を有した金属ポスト11を形成する。
次に、図16(e)に示すとおり、金属ポスト用エッチングマスク27を除去し、基体10上に金属ポスト11を形成する。
以上の金属ポスト付き配線基板30の製造方法では、金属犠牲層18は金属ポスト11と同じ材料からなるものとしているが、別の材料であっても良い。その場合、金属ポスト11と異なる材料の金属犠牲層18は、基体10上に金属ポスト11を製造した後に、めっき法、スパッタ法、CVDにより所望の箇所に所望の高さになるように製造される。又は、予め、金属犠牲層18を製造しておき、それを金属ポスト11付き配線基板上に搭載する方法でも構わない。また、金属ポスト11と同じ材料からなる金属犠牲層18の上に、又はその周辺に金属ポスト11と異なる材料からなる金属犠牲層18を設けても良い。
本実施形態をとることで、基体10が効率よく形成される。基体10上の半導体素子搭載領域12の外周に、金属ポスト11が狭ピッチで均一な形状で配置しているため、金属ポスト11が高密度で安定した外部端子としての機能を実現する。また、金属ポストの形状において、金属ポストのボトム径が、金属ポストのトップ径よりも大きいことから、銅ポストと配線基板との密着性・安定性が高く、熱付加時及び落下時の変形が少なくなるため信頼性が向上する。
図18(a)乃至(e)は、本発明の第13実施形態に係る配線基板の製造方法を工程順に示す断面図である。本実施形態の製造方法は、図3に示す本発明の第2実施形態の配線基板を製造するためのものである。
先ず、図18(a)に示すように、金属体26を用意し、必要に応じてウェット洗浄、ドライ洗浄、平坦化、粗化などの処理を施す。金属体26は、最終的に金属ポスト11として機能させるため、例えば、銅、アルミニウム、ニッケル、ステンレス鋼、鉄、マグネシウム、及び亜鉛からなる群から選択された少なくとも1種の金属又はこれらを主成分とする合金を用いる。特に、電気抵抗値及びコストの観点から銅を選択することが望ましい。本実施形態では、銅を用いる。
次に、図18(b)に示すように、金属体26上に少なくとも1層以上の絶縁層16と少なくとも2層以上の配線層9から構成される基体10を形成する。基体10の製造方法は、配線基板の製造方法の配線基板の第1の実施形態で説明した図17(a)乃至(f)に示す配線基板の製造方法と同じである。
次に、図18(c)に示すとおり、金属ポスト用エッチングマスク27と金属犠牲層用エッチングマスク28を金属体26の基体10と接する面の反対側の露出面に、少なくとも1以上の有機材料又は少なくとも1以上の金属体26とは異なる金属材料を0.01μmから100μmの厚さで、金属ポスト11と金属犠牲層18を設ける所望の位置に形成する。具体的な形成方法は、図16(c)と同様である。
次に、図18(d)に示すとおり、金属ポスト用エッチングマスク27と金属犠牲層用エッチングマスク28の上面から、エッチング液を用いて金属体26をエッチングする。具体的なエッチング方法は、図16(d)と同様である。
次に、図18(e)に示すように、金属ポスト用エッチングマスク27と金属犠牲層用エッチングマスク28を除去し、基体10上に金属ポスト11と金属犠牲層18を形成する。
本実施形態も、第12実施形態と同様の作用効果を奏する。更に、本実施形態においては、基体10上に金属犠牲層18が配置しているため、基体10の機械的強度を向上させ反り及びうねりを抑制することができる。また、金属犠牲層18を高放熱性材料とすることで、基体10の熱拡散性を向上させ、優れた放熱特性が実現できる。更に、金属犠牲層18を金属ポスト11と同様に外部端子として機能させることができ、金属犠牲層18をグランド回路と接続することで、電磁シールド効果により電磁波妨害規制対策及びノイズ低減に有効である。また、金属ポストの形状において、金属ポストのボトム径が、金属ポストのトップ径よりも大きいことから、銅ポストと配線基板との密着性・安定性が高く、熱時・落下時の変形が少なくなるため信頼性が向上する。
次に、図19(a)乃至(e)を参照して、本発明の第14実施形態に係る配線基板の製造方法について説明する。図19(a)乃至(e)はこの第14実施形態の製造方法を工程順に示す断面図である。本実施形態の製造方法は、図4に示す第2の実施形態の変形例の配線基板を製造するためのものである。
先ず、図19(a)に示すように、金属体26を用意し、必要に応じて、ウェット洗浄、ドライ洗浄、平坦化、粗化などの処理を施す。金属体26は、最終的に金属ポスト11として機能させるため、例えば、銅、アルミニウム、ニッケル、ステンレス鋼、鉄、マグネシウム、及び亜鉛からなる群から選択された少なくとも1種の金属又はこれらを主成分とする合金を用いる。特に、電気抵抗値及びコストの観点から銅を選択することが望ましい。本実施形態では、銅を用いる。
次に、図19(b)に示すように、金属体26上に少なくとも1層以上の絶縁層16と少なくとも2層以上の配線層9から構成される基体10を形成する。基体10の製造方法は、図17(a)乃至(f)に示す基体10の製造方法と同じである。
次に、図19(c)に示すとおり、金属ポスト用エッチングマスク27と金属犠牲層用エッチングマスク28を金属体26の基体10と接する面の反対面に、少なくとも1以上の有機材料又は少なくとも1以上の金属体26とは異なる金属材料を0.01μm乃至100μmの厚さで、金属ポスト11と金属犠牲層18を設ける所望の位置に形成する。具体的な形成方法は、図16(c)と同様である。
ここで、エッチングマスクの説明をする。ウェットエッチングでは、サイドエッチングが生じるため、目的とする構造体を形成するためには、サイドエッチング量を考慮してエッチングマスクを設計する必要がある。つまりは、エッチングマスクの大きさを大きめにする。しかしながら、図19(c)に示す金属犠牲層用エッチングマスク28は、エッチング終了後に、金属犠牲層18の高さが、金属ポスト11の高さよりも低くなるように、エッチングマスクの大きさを適度に小さく設計する。
次に、図19(d)に示すように、金属ポスト用エッチングマスク27と金属犠牲層用エッチングマスク28の上面から、エッチング液を用いて金属体26をエッチングする。エッチング方法は、ディップ法又はスプレー法により行う。本実施形態では、アンモニアを主成分とするアルカリ銅エッチング液(メルテックス:エープロセス)を用いて、スプレーエッチング法により行った。この際、金属犠牲層用のエッチングマスク27の下部に存在する形成途中の金属犠牲層18をオーバーエッチングし、金属犠牲層用エッチングマスク28を除去することで、金属ポスト11よりも高さの小さい金属犠牲層18を形成する。
次に、図19(e)に示すように、金属ポスト用エッチングマスク27を除去し、基体10上に金属ポスト11と金属犠牲層18を形成する。
(半導体装置の製造方法)
図20(a)乃至(f)は、本発明の第15実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。本実施形態の製造方法は、図10に示す半導体装置の製造方法である。
本実施例では、図20(d)に示す基体10上に金属ポスト11を形成した状態(金属ポスト付き配線基板30)から説明する。金属ポスト付き配線基板30は、図1乃至図7に示すいずれのものを使用してもよい。
次に、図20(e)に示すように、基体10の金属ポスト11が形成されている面の反対面に半田ボール19を介して半導体素子20と基体10とをフリップチップ接続する。その後、半田ボール19が形成されている配線基板と半導体素子20との間にアンダーフィル樹脂21を充填する。アンダーフィル樹脂21は、半導体素子20との熱膨張率差を小さくして半田ボール19が破断することを防止する目的で使用される。半田ボール19が所望の信頼性を確保できる強度を有していれば、アンダーフィル樹脂21は必ずしも充填する必要はない。半田ボール19は、半田材料からなる微小ボールでめっき法、ボール転写、印刷法により形成される。半田ボール19の材料は、鉛錫の共晶半田や鉛フリーの半田材料から適宜選択することができる。アンダーフィル樹脂21はエポキシ系の材料から構成され、半導体素子20が半田ボール19により接続された後で、充填される。また、半導体素子20と配線基板の接続は、半田材料からなる微小ボールではなく、例えば銅のような金属バンプでも構わない。
また、図20(e)では、フリップチップ接続による半導体素子20の接続形態について記載したが、ワイヤーボンディングによる接続方式でも、バンプ及びワイヤーボンディングを用いずに、半導体素子20の接続端子部分に直接配線を形成する接続方式としても良い。
次に、図20(f)に示すように、半導体素子20のみを絶縁材料24で埋め込むことで半導体装置を作製できる。図20(f)では、絶縁材料24に埋め込まれているのは、半導体素子20であるが、半導体素子20又は金属ポスト11のうちのいずれか一方が、又は基体10上に金属犠牲層18が設けられている場合は半導体素子20又は金属ポスト11又は金属犠牲層18のうちいずれか一方が、絶縁材料24に埋め込まれている構造でも良い。
絶縁材料24は、エポキシ系の材料にシリカフィラーを混ぜた材料からなり、搭載されている半導体素子20と接続部分の配線を覆う様に金型を用いたトランスファーモールディング法、圧縮形成モールド法、印刷法、真空プレス、真空ラミネートなどで設けられる。金属ポスト11又は金属犠牲層18の基体10と接する面の反対側の露出面と、絶縁材料24の表面が面一であるか、又は前記露出面が、絶縁材料24の表面よりも窪んでいるか、又は前記露出面が、絶縁材料24の表面よりも突出している構造のいずれでも良い。金属ポスト11の基体10と接する面の反対側の露出面が、絶縁材料24の表面と面一となるように形成する方法は、絶縁材料24をトランスファーモールディング法、圧縮形成モールド法、印刷法、真空プレス、真空ラミネートにより形成する際、金属ポスト11の基体10と接する面の反対側の面が絶縁材料24に完全に埋没するようにする。その後、研磨等により、絶縁材料24の表面から、金属ポスト11の基体10と接する面の反対側の面を露出させ、絶縁材料24の表面と略同一の面一とする。また、金属ポスト11の基体10と接する面の反対側の面が、絶縁材料24の表面よりも窪んでいるように形成する場合は、前述のようにして、金属ポスト10の露出面が面一になるように形成した後、露出した金属ポスト11の露出面を、所定の深さ分だけウェットエッチング又はドライエッチングで除去する。更に、金属ポスト11の露出面が、絶縁材料24の表面よりも突出しているように形成する方法は、絶縁材料24をトランスファーモールディング法、圧縮形成モールド法、印刷法、真空プレス、真空ラミネートにより形成する際、金属ポスト11の基体10と接する面の反対側の面が埋没しないようにすればよい。
本実施形態をとることで、半導体装置が効率よく形成される。半導体装置の半導体素子搭載領域12の外周に、金属ポスト11が狭ピッチで均一な形状で配置しているため、金属ポスト11が高密度で安定した外部端子としての機能を実現する。また、半導体装置に金属犠牲層18を設けていれば、半導体装置の機械的強度を向上させ反り及びうねりを抑制することができる。また、金属犠牲層18を高放熱材料とすることで、半導体装置の熱拡散性を向上させ優れた放熱特性が実現できる。さらに、金属犠牲層18を金属ポスト11と同様に外部端子として機能させることができ、金属犠牲層18をグランド回路と接続することで、電磁シールド効果により電磁波妨害規制対策及びノイズ低減が可能となる。また、金属ポストの形状において、金属ポストのボトム径が、金属ポストのトップ径よりも大きいことから、銅ポストと配線基板との密着性・安定性が高く、熱時・落下時の変形が少なくなるため信頼性が向上する。また、垂直方向に伸びる金属ポストと比較して、金属ポストの側面の表面積が大きいことから、金属ポストを樹脂で封止した場合において、金属ポストと樹脂との密着性を向上させ、信頼性が向上する。
図21(a)乃至(f)は、本発明の第16実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。本実施形態の半導体装置の製造方法は、図11に示す半導体装置を製造する方法である。
本実施例では、図21(d)に示す基体10上に金属ポスト11を形成した状態から説明する。
次に、図21(e)に示すように、基体10の金属ポスト11が形成されている面に半田ボール19を介して半導体素子20と基体10とをフリップチップ接続する。その後、半田ボール19が形成されている配線基板と半導体素子20との間にアンダーフィル樹脂21を充填する。アンダーフィル樹脂21は、半導体素子20との熱膨張率差を小さくして半田ボール19が破断することを防止する目的で使用される。半田ボール19が所望の信頼性を確保できる強度を有していれば、アンダーフィル樹脂21は必ずしも充填する必要はない。半田ボール19は、半田材料からなる微小ボールで、めっき法、ボール転写、印刷法により形成される。半田ボール19の材料は、鉛錫の共晶半田や鉛フリーの半田材料から適宜選択することができる。アンダーフィル樹脂21はエポキシ系の材料から構成され、半導体素子20が半田ボール19により接続された後で、充填される。また、半導体素子20と配線基板の接続は、半田材料からなる微小ボールではなく、例えば銅のような金属バンプでも良い。
また、図21(e)では、フリップチップ接続による半導体素子20の接続形態について記載したが、ワイヤーボンディングによる接続方式でも、バンプ及びワイヤーボンディングを用いずに、半導体素子20の接続端子部分に直接配線を形成する接続方式としても良い。以上の工程により、図21(e)に示すように、図8に示す半導体装置を形成することができる。
次に、図21(f)に示すように、金属ポスト11のみを絶縁材料24で埋め込むことで半導体装置を作製できる。図21(f)では、絶縁材料24に埋め込まれているのは、金属ポスト11であるが、基体10上に金属犠牲層18が設けられている場合、半導体素子20又は金属ポスト11又は金属犠牲層18のうちいずれか2つが、絶縁材料24に埋め込まれている構造でも良い。絶縁材料24の形成方法は前述のとおりである。
本実施形態で製造される半導体装置は、半導体素子20又は金属ポスト11又は金属犠牲層18のうちいずれか2つが、絶縁材料24に埋め込まれていることから、図20に示す方法で製造された半導体装置よりも剛性を強くすることができ、半導体装置の反りの低減と信頼性が向上する。また、金属ポストの形状において、金属ポストのボトム径が、金属ポストのトップ径よりも大きいことから、銅ポストと配線基板との密着性及び安定性が高く、熱付加時及び落下時の変形が少なくなるため信頼性が向上する。また、垂直方向に伸びる金属ポストと比較して、金属ポストの側面の表面積が大きいことから、金属ポストを樹脂で封止した場合において、金属ポストと樹脂との密着性を向上させ、信頼性が向上する。
図22(a)乃至(f)は、本発明の第17実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。本実施形態の製造方法は、図12に示す半導体装置を製造する場合のものである。
本実施形態では、図22(d)に示す基体10上に金属ポスト11を形成した状態から説明する。
次に、図22(e)に示すように、基体10の金属ポスト11が形成されている面に、半田ボール19を介して半導体素子20を搭載し、半導体素子20と基体10とをフリップチップ接続する。その後、半田ボール19が形成されている配線基板と半導体素子20との間にアンダーフィル樹脂21を充填する。半導体素子20と配線基板の接続は、半田材料からなる微小ボールではなく、例えば銅のような金属バンプでも良い。
また、図22(e)では、フリップチップ接続により半導体素子20を配線基板30上に搭載しているが、これに限らず、ワイヤーボンディングによる接続方式並びにバンプ及びワイヤーボンディングを使用せずに、半導体素子20の接続端子部分に直接配線を形成する接続方式としても良い。以上の工程により、図8に示す半導体装置を製造することができる。
次に、図22(f)に示すように、金属ポスト11と半導体素子20を絶縁材料24で埋め込むことで半導体装置が完成する。図22(f)では、絶縁材料24に埋め込まれているのは、半導体素子20と金属ポスト11であるが、金属犠牲層18も同時に埋め込まれていても構わない。絶縁材料24については、前述のとおりである。
本実施形態も、他の実施形態と同様の作用効果を奏する。更に、本実施形態で製造される半導体装置は、半導体素子20と金属ポスト11又は半導体素子20と金属ポスト11と金属犠牲層18の全てが、絶縁材料24に埋め込まれていることから、図21で製造される半導体装置よりも剛性を強くすることができ、半導体装置の反りを一層低減でき、信頼性が更に向上する。また、金属ポストの形状において、金属ポストのボトム径が、金属ポストのトップ径よりも大きいことから、銅ポストと配線基板との密着性・安定性が高く、熱時・落下時の変形が少なくなるため信頼性が向上する。また、垂直方向に伸びる金属ポストと比較して、金属ポストの側面の表面積が大きいことから、金属ポストを樹脂で封止した場合において、金属ポストと樹脂との密着性を向上させ、信頼性が向上する。
図23(a)及び(b)は、本発明の第18実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。本実施形態の製造方法は、図14に示す積層型の半導体装置から、金属犠牲層18を省略したものを製造する方法である。
本実施形態では、先ず、図22(f)に示す基体10上に設けられた金属ポスト11と半導体素子20が絶縁材料24で埋め込まれ、金属ポスト11の基体10と接する面の反対側の面が露出している状態の半導体装置(下段パッケージ)と、基体10上に金属ポスト11を有さず半導体素子20が絶縁材料24で埋め込まれている状態の半導体装置(上段パッケージ)について説明する。なお、図8乃至図13に示した半導体装置のいずれの半導体装置も、図23に示すように、積層することができる。
上段パッケージには、下段パッケージの金属ポスト11の露出面に相当する箇所に接合材料25を有している。この接合材料25は、例えば半田ペーストである。
先ず、下段パッケージの上層に、搭載機を用いて、上段パッケージを積層させる。又は、下段パッケージをボード上に実装してから上段パッケージを搭載しても構わない。下段パッケージの金属ポスト11は外部端子部として機能する。外部端子として機能とは、少なくとも電気的に外部の素子と接続させる機能があれば良い。次に、その状態を保ちながら、リフロー炉に投入し接合材料25の融点以上の温度を与えることで、接合材料25と金属ポスト11が接続される。リフローではなく、搭載機により接合材料25を溶融させる方法を行っても良い。
図23に示す半導体装置は、各配線基板に搭載される半導体素子は1つであり、二段積層の構造例を示しているが、これに限らず、配線基板に複数の半導体素子を搭載し、3以上の半導体装置を積層した構造にしても良い。
本実施形態をとることで、半導体装置が効率よく形成される。半導体装置の半導体素子搭載領域12の外周に、金属ポスト11が狭ピッチで均一な形状で配置しているため、金属ポスト11が高密度で安定した外部端子としての機能を実現する。また、半導体装置に金属犠牲層18を設けていれば、半導体装置の機械的強度を向上させ、反り及びうねりの抑制が実現される。また、金属犠牲層18を高放熱材料とすることで、半導体装置の熱拡散性を向上させ優れた放熱特性が実現できる。更に、金属犠牲層18を金属ポスト11と同様に外部端子として機能させることができ、金属犠牲層18をグランド回路と接続することで、電磁シールド効果により電磁波妨害規制対策及びノイズ低減に有効である。更に、半導体装置の積層構造により、半導体装置の複数段の積層が可能であること、半導体素子の組み合わせ自由度が高いこと、メモリ容量変更等に対するプロセスの柔軟度が高い等の利点を得ることができる。