JP5010206B2 - 熱交換器用アルミニウムフィン材及びそれを用いた熱交換器 - Google Patents

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Description

本発明は、熱交換器用アルミニウムフィン材及びそれを用いた熱交換器に関する。なお、本明細書中の「アルミニウム」は、アルミニウムを主体とする金属及び合金の総称であり、純アルミニウム及びアルミニウム合金を含む概念である。
空調機や冷蔵庫における熱交換器としては、多数のプレートフィンとチューブとを組み合わせて構成されるプレートフィンチューブ熱交換器が多用されている。従来、上記プレートフィンには、軽量で熱伝導性及び加工性に優れていることからアルミニウムが使用されている。上記プレートフィンは、アルミニウム板よりなる熱交換器用フィン材に、上記チューブを挿通して固定するための1〜4mm程度の高さのフィンカラー部をプレス加工して作製する。このクロスフィンチューブ熱交換器を構成するクロスフィンチューブは、空気側のアルミニウムからなるフィン材と、冷媒側の銅または銅合金からなる冷媒配管とから構成されている。
上記プレートフィンチューブ熱交換器のフィン表面は結露状態となる。そのため、アルミニウム板よりなる上記熱交換器用フィン材の表面には、結露水を均一な水膜とし、円滑に落下、排出させ、結露水による通風抵抗(空気がフィン間を通過する際の抵抗)を低くし、熱交換器の性能を維持するために親水性塗膜が形成されている。
また、家庭内エアコンの室内機に用いられる熱交換器において、空気中に浮遊しているホコリ、チリ等で代表される汚染物質がフィンの表面に付着すると、結露水などの影響でフィン表面が湿潤状態となり、汚染物質を栄養源とするカビや細菌が繁殖しやすい。そのため、エアコンの運転に伴い、カビの胞子や細菌のコロニー等が空気中に飛散し、また、部屋に不快臭がすることもあり、衛生面において問題が生じてきた。それ故、防カビ性や抗菌性が必要となった。
このような問題を解決するために、熱交換器用のフィン材について、防カビ性あるいは抗菌性を有する物質を塗膜中に含有させた発明(特許文献1〜8)が多く報告されている。
また、最近、特に家庭用エアコンの室内機においては、使用者の熱交換器の清掃のわずらわしさを解消するために、メンテナンスが長期間不要であることの要求が高まってきた。それに伴い、フィン材の防カビ性または抗菌性も長期にわたって持続するよう、要求度が格段に上がってきた。従来の発明では、近年の長年に亘る持続性の要求に十分に応えるものはなく、このような特性を有したフィン材の開発が渇望されていた。
特開平3−240528号公報 特開平3−244997号公報 特開平6−080852号公報 特開平7−268009号公報 特開平7−294185号公報 特開平11−281294号公報 特開2000−171191号公報 特開2006−078134号公報
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、優れた親水性を有すると共に、防カビ性及び/または抗菌性の速効性及び持続性に優れた熱交換器用アルミニウムフィン材及びそれを用いた熱交換器を提供しようとするものである。なお、「防カビ性及び/または抗菌性」という表現は、「防カビ性」と「抗菌性」の少なくとも一方、つまり、「防カビ性」と「抗菌性」のいずれか一方の機能を発揮する場合と、「防カビ性」と「抗菌性」の両方の機能を発揮する場合があることを意味している。
第1の発明は、アルミニウムよりなる基板と、該基板の表面に形成した第1塗膜と、該第1塗膜の表面に形成した第2塗膜とからなる熱交換機用アルミニウムフィン材であって、
上記第1塗膜は、第1の防カビ性及び/または抗菌性を有する物質(以下、第1抗菌剤という)を含有するウレタン系樹脂からなると共に、膜厚が0.5〜10μmであり、
上記ウレタン系樹脂は、ガラス転移温度が0〜100℃であり、
該第1塗膜における上記第1抗菌剤の含有量は、第1塗膜全体の乾燥後重量を100重量部とすると、1〜30重量部であり、
上記第1抗菌剤は、水溶解度が0ppm超え10ppm以下であり、
上記第1抗菌剤の平均粒径は、0.1〜1μmであると共に、上記第1塗膜の膜厚以下であり、
上記第2塗膜は、第2の防カビ性及び/または抗菌性を有する物質(以下、第2抗菌剤という)を含有する親水性塗膜からなると共に、膜厚が0.5〜2μmであり、
該第2塗膜における上記第2抗菌剤の含有量は、第2塗膜全体の重量を100重量部とすると、0.1〜5重量部であり、
上記第2抗菌剤の平均粒径は、上記第2塗膜の膜厚以下であることを特徴とする熱交換機用アルミニウムフィン材にある(請求項1)。
本発明の熱交換器用アルミニウムフィン材の上記第1塗膜は、上述したように、第1抗菌剤を含有するウレタン系樹脂からなり、第1抗菌剤の水溶解度(20℃の飽和溶液中における溶質の濃度)が0ppm超え10ppm以下つまり難溶性であること、上記第1抗菌剤の平均粒径が0.1〜1μmであると共に上記第1塗膜の膜厚以下であること、上記第1抗菌剤の含有量は、第1塗膜全体の乾燥後重量を100重量部とすると1〜30重量部であること、上記ウレタン樹脂のガラス転移温度が0〜100℃であること、かつ、膜厚が0.5〜10μmであることが必須要件である。
第1塗膜が上記複数の必須要件を同時に具備し、第1抗菌剤残留率を調整することによって、熱交換器用アルミニウムフィン材に、防カビ性及び/または抗菌性の持続性を付与することができる。
すなわち、上記第1抗菌剤の粒径及び含有量を限定することにより、第1抗菌剤をウレタン系樹脂中に埋め込む様に保持することができる。更に、上記ウレタン樹脂のガラス転移温度を限定し、上記第1抗菌剤の水溶解度を限定することにより、第1抗菌剤がウレタン系樹脂中から適度に溶出するようにコントロールすることができる。これにより、第1抗菌剤を結露水に、長年に亘って少しずつ溶解させることが可能となるため、第1塗膜により、防カビ性及び/または抗菌性の持続性を得ることができる。
また、上記第2塗膜は、第2抗菌剤を含有する親水性塗膜からなり、第2抗菌剤の平均粒径が上記第2塗膜の膜厚以下であること、第2抗菌剤の含有量が、第2塗膜全体の重量を100重量部とすると、0.1〜5重量部であること、第2塗膜の膜厚が0.5〜2μmであることが必須である。また、上記第2抗菌剤は、少しでも水に溶解するものであればよい。
上記第2塗膜が上述の複数の必須要件を同時に具備することによって、熱交換器用アルミニウムフィン材に、親水性及び防カビ性及び/または抗菌性の初期効果を付与することができる。上記親水性塗膜により、熱交換器用アルミニウムフィン材の表面で結露水を均一な水膜とし、円滑に落下、排出させ、結露水による通風抵抗を低くし、熱交換器の性能を維持するための優れた親水性を有することができる。そして、上記第2抗菌剤の粒径及び含有量を限定することにより、親水性を阻害することなく、防カビ性及び/または抗菌性の効果が、熱交換器用アルミニウムフィン材の表面が結露状態となった初期の時点から発揮され、防カビ性及び/または抗菌性の速効性を得ることができる。
このように、上記第2塗膜によって、優れた親水性を得ることができると共に、防カビ性及び/または抗菌性の初期効果(速効性)を得ることができ、更に、第1塗膜によって、防カビ性及び/または抗菌性の持続性を得ることができる。そのため、本発明の熱交換器用アルミニウムフィン材は、防カビ性及び/または抗菌性の効果が、使用初期から得られると共に、近年の長年に亘る持続性の要求に十分に応えることができる。
第2の発明は、銅合金からなる冷媒配管を、アルミニウムからなるフィンに設けられた円筒状のカラー部内に挿入配設することにより上記冷媒配管と上記フィンとを一体的に組み付けてなるクロスフィンチューブからなる熱交換器であって、
上記フィンは、第1の発明に記載の熱交換器用アルミニウムフィン材を用いて形成されていることを特徴とする熱交換器にある(請求項8)。
本発明の熱交換器は、上述したごとく、第1の発明の熱交換器用アルミニウムフィン材を用いている。そのため、優れた親水性を有すると共に、防カビ性及び/または抗菌性の速効性と持続性を兼ね備え、長年に亘る持続性の要求に応えることが可能な熱交換器を得ることができる。
なお、上記「銅合金」は、銅を主体とする金属及び合金の総称であり、純銅、及び銅合金を含む概念である。
第1の発明の熱交換器用アルミニウムフィン材の上記第1塗膜は、上述したごとく、第1抗菌剤を含有するウレタン系樹脂からなると共に、膜厚が0.5〜10μmである。
上記第1塗膜の膜厚は厚い程、第1抗菌剤残留率は高くなる。
上記膜厚が0.5μm未満の場合には、第1抗菌剤を保持できないという問題があり、一方、上記膜厚が10μmを超える場合には、熱交換器用アルミニウムフィン材の伝熱性が劣るという問題がある。
また、上記ウレタン系樹脂は、ガラス転移温度0〜100℃である。
上記ウレタン系樹脂は、耐食性、対アルカリ性に優れ、上記第2塗膜の親水性を阻害しない。
また、上記ウレタン系樹脂のガラス転移温度が0℃未満の場合には、ゴム状態の塗膜となり、プレコートにより塗膜が形成されたアルミニウム同士がくっつくいわゆるブロッキングが生じるという問題や、第1塗膜が第1抗菌剤を保持する力が弱く、該第1抗菌剤が短時間で溶出してしまうという問題があり、一方、上記ガラス転移温度が100℃を超える場合には、塗膜が硬過ぎて、上記第1抗菌剤を少しずつ溶出させることが困難になるという問題がある。
また、上記ウレタン系樹脂としては、例えば、ポリエーテル系ウレタン樹脂、無黄変性ポリエーテル系ウレタン樹脂、芳香族イソシアネート系エーテル系ウレタン樹脂、ポリエステル系ウレタン樹脂、無黄変性ポリエステル系ウレタン樹脂、芳香族イソシアネート系エステル系ウレタン樹脂、ポリエーテル・ポリエステル系ウレタン樹脂、無黄変性ポリエーテル・ポリエステル系ウレタン樹脂等が挙げられる。
上記ポリエーテル系ウレタン樹脂としては、例えば、大日本インキ化学工業株式会社製の水分散型ウレタン樹脂VONDIC 1040NS、同社製の水性ウレタン樹脂HYDRAN HW−D01等が挙げられる。
また、上記無黄変性ポリエーテル系ウレタン樹脂としては、例えば、大日本インキ化学工業株式会社製の水分散型ウレタン樹脂VONDIC 1930A−LS、第一工業製薬株式会社製のスーパーフレックス 110、600等が挙げられる。
また、上記芳香族イソシアネート系エーテル系ウレタン樹脂としては、第一工業製薬株式会社製のスーパーフレックス 870等が挙げられる。
上記ポリエステル系ウレタン樹脂としては、例えば、大日本インキ化学工業株式会社製の水性ウレタン樹脂HYDRAN HW−301、HW−311、HW−337、HW−340、HW−350、AP−60LM等が挙げられる。
また、上記無黄変性ポリエステル系ウレタン樹脂としては、例えば、大日本インキ化学工業株式会社製の水分散型ウレタン樹脂VONDICシリーズ 1670NS、2210、2220、同社製の水性ウレタン樹脂HYDRAN HW−112、HW−140SF、AP−10、AP−20、AP−70、第一工業製薬株式会社製のスーパーフレックス 620、E−2500等が挙げられる。
また、上記芳香族イソシアネート系エステル系ウレタン樹脂としては、第一工業製薬株式会社製のスーパーフレックス 700、750、820、830、840、860等が挙げられる。
また、上記無黄変性ポリエーテル・ポリエステル系ウレタン樹脂としては、例えば、第一工業製薬株式会社製のスーパーフレックス 126、150、150HS、170等が挙げられる。
また、上記第1塗膜における上記第1抗菌剤の含有量は、第1塗膜全体の乾燥後重量を100重量部とすると、1〜30重量部である。
上記第1抗菌剤の含有量は多いほど第1抗菌剤残留率が高くなる。
上記第1抗菌剤の含有量が1重量部未満の場合には、防カビ性及び/または抗菌性の効果を得ることができないという問題があり、一方、上記第1抗菌剤の含有量が30重量部を超える場合には、第1抗菌剤の含有量が多すぎて、第1塗膜が脆弱になり、熱交換器用アルミニウムフィン材の耐食性、耐アルカリ性に劣るという問題がある。
また、上記第1抗菌剤は、水溶解度が0ppm超え10ppm以下であり、該第1抗菌剤の平均粒径は、0.1〜1μmであり、かつ、上記第1塗膜の膜厚以下である。
上記抗菌剤の水溶解度が、10ppmを超える場合には、上記第1抗菌剤が第1塗膜から短時間で溶出してしまい、防カビ性及び/または抗菌性を持続させることが困難になるという問題がある。
また、上記第1抗菌剤の平均粒径が小さいほど、第1抗菌剤残留率が高くなる。
上記第1抗菌剤の平均粒径が0.1μm未満の場合には、第1抗菌剤が短時間で溶出してしまい防カビ性及び/または抗菌性を持続させることが困難になるという問題があり、一方、上記平均粒径が1μmの場合、あるいは、上記平均粒径が上記第1塗膜の膜厚を超える場合には、第1抗菌剤が、第1塗膜の表面から露出し易くなり、短時間で溶出し易くなるため、防カビ性及び/または抗菌性を持続させることが困難になるという問題がある。
上記第1抗菌剤としては、例えば、イミダゾール系、チアゾール系、イソチアゾリン系、ピリジン系、トリアジン系、アルデヒド系、フェノール系、ピグアナイド系、ニトリル系、ハロゲン系、アニリド系、ジスルフィド系、チオカーバメート系、4級アンモニウム塩系、有機金属系、アルコール系、カルボン酸系、天然系等がある。
また、上記第1抗菌剤としては、特に、塩化銀、トリフルアニド、ジクロルフルアニド、Bu−BIT、フルオロフォルペット、ジンクピリチオン(ZPT)、2−ベンゾイミダゾールカルバミン酸メチル(BCM)、2−(4−チアゾリル)ベンゾイミダゾール(TBZ)、TCMSP等を用いることが好ましい。
また、上記第2塗膜は、上記第2抗菌剤を含有する親水性塗膜からなると共に、膜厚が0.5〜2μmである。
上記親水性塗膜としては、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂(ポリビニルアルコールとその誘導体)、ポリアクリルアミド系樹脂(ポリアクリルアミドとその誘導体)、ポリアクリル酸系樹脂(ポリアクリル酸とその誘導体)、セルロース系樹脂(カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロース系アンモニウム等)、ポリエチレングリコール系樹脂(ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド等)等が挙げられる。
また、上記第2塗膜は、水分散性シリカ(コロイダルシリカ)、アルカリケイ酸塩(水ガラス)等を含んでも良い。
上記第2塗膜の膜厚が0.5μm未満の場合には、親水性の効果を発揮することができないという問題がある。一方、上記膜厚が2μmを超える場合には、熱交換器用アルミニウムフィン材の伝熱性を低下させるという問題がある。
また、上記第2塗膜における上記第2抗菌剤の含有量は、第2塗膜全体の重量を100重量部とすると、0.1〜5重量部である。
上記第2抗菌剤の含有量が0.1重量部未満の場合には、防カビ性及び/または抗菌効果を得ることができず、一方、上記第2抗菌剤の含有量が5重量部を超える場合には、親水性塗膜の親水性を阻害するおそれがある。
また、上記第2抗菌剤は、平均粒径が第2塗膜の膜厚以下である。上記平均粒径が上記第2塗膜の膜厚を超える場合には、第2抗菌剤が第2塗膜から脱落し、防カビ性及び/または抗菌効果の速効性を得難いという問題や、第2塗膜を形成することが困難になるという問題がある。
また、上記第1抗菌剤及び第2抗菌剤としては、疎水性であり、かつ、皮膚刺激性のないものを用いることが好ましい。
本発明の熱交換器用アルミニウムフィン材において、上記第1抗菌剤及び第2抗菌剤は、ジンクピリチオン(ZPT)、2−ベンゾイミダゾールカルバミン酸メチル(BCM)、2−(4−チアゾリル)ベンゾイミダゾール(TBZ)の1種または2種以上であることが好ましい(請求項2)。
上記ZPT、BCM、及びTBZは、特に皮膚刺激性がなく、優れた防カビ性及び/または抗菌性を有する。
上記ZPTは、ピリジン系の防カビ・抗菌剤であり、皮膚刺激性がなく、水溶解度は1.5ppmである。また、上記BCMは、イミダゾール系の防カビ剤であり、皮膚刺激性がなく、水溶解度は8ppmである。また、上記TBZは、イミダゾール系の防カビ剤であり、皮膚刺激性がなく、水溶解度は3ppmである。
また、上記第1抗菌剤と上記第2抗菌剤は、同じものを用いても、異なるものを用いてもよい。
また、上記第1塗膜は、膜厚が1〜3μmであることが好ましい(請求項3)。
コスト、伝熱性等の観点から、第1塗膜の膜厚が上記範囲であることがより好ましい。
また、上記第1塗膜及び/または第2塗膜は、更に、界面活性剤を含有することが好ましい(請求項4)。
この場合には、第1抗菌剤及び/または第2抗菌剤を、第1塗膜及び/または第2塗膜に均一に分散させることができ、凝集を防止することができるため、さらに優れた親水性、防カビ性及び/または抗菌性の持続性効果を得ることができる。
上記界面活性剤としては、例えば、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤等が挙げられる。
上記ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のアルキルエーテル型、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のアルキルエーテル型、ポリオキシエチレンラウレート等のアルキルエステル型、ポリオキシエチレンラウリルアミン等のアルキルアミン型、ポリオキシエチレンソルビタンラウレート等のソルビタン誘導体等が挙げられる。
また、上記アニオン系界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸アンモニウム等のスルホネート型、Naジアルキルスルホサクシネート等のサクシネート系、Naポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルサルフェート等のサルフェート系、アルキルホスフェート等のホスフェート系等が挙げられる。
また、上記第1塗膜及び/または第2塗膜は、更に、架橋剤やワックスを含有してもよい。
上記架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メラミン系架橋剤等が挙げられる。
また、上記ワックスとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン分散体、ポリテトラフルオロエチレン等が挙げられる。
また、上記第2塗膜は、更に、ポリエチレングリコール(PEG)を含有することが好ましい(請求項7)。
この場合には、上記熱交換器用アルミニウムフィン材を、フィンにプレス加工する際に、優れたプレス加工性を有することができる。
また、上記第2塗膜の表面に、ポリエチレングリコール(PEG)からなる第3塗膜を形成することが好ましい(請求項6)。
この場合にも、上記熱交換器用アルミニウムフィン材を、フィンにプレス加工する際に、優れたプレス加工性を有することができる。
また、上記基板と上記第1塗膜との間に、下地処理層が形成されていることが好ましい(請求項7)。
この場合には、上記基板と、上記第1塗膜との密着性を向上することができる。
上記下地処理層としては、リン酸クロメート、クロム酸クロメート等のクロメート処理、また、クロム化合物以外のリン酸チタン、リン酸ジルコニウム、リン酸モリブデン、リン酸亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム等のノンクロメート処理等の化学皮膜処理(化成処理)により得られる皮膜がある。化学皮膜処理方法には、反応型及び塗布型があるが、本発明においては、いずれの手法が採用されてもよい。
(実施例1)
本例は、本発明の熱交換器用アルミニウムフィン材にかかる実施例について説明する。
本例の熱交換器用アルミニウムフィン材1は、図1に示すごとく、アルミニウムよりなる基板2と、該基板2の表面に形成した第1塗膜3と、該第1塗膜3の表面に形成した第2塗膜4とからなる。
上記第1塗膜3は、第1抗菌剤31を含有するウレタン系樹脂32からなると共に、膜厚が0.5〜10μmであり、
上記ウレタン系樹脂32は、ガラス転移温度0〜100℃であり、該第1塗膜3における上記第1抗菌剤31の含有量は、第1塗膜31全体の乾燥後重量を100重量部とすると、1〜30重量部である。
上記第1抗菌剤31は、水溶解度が0ppm超え10ppm以下であり、上記第1抗菌剤31の平均粒径は、0.1〜1μmであると共に、上記第1塗膜3の膜厚以下である。
上記第2塗膜4は、第2抗菌剤41を含有する親水性塗膜42からなると共に、膜厚が0.5〜2μmであり、該第2塗膜4における上記第2抗菌剤41の含有量は、第2塗膜4全体の重量を100重量部とすると、0.1〜5重量部である。上記第2抗菌剤41の平均粒径は、上記第2塗膜4の膜厚以下である。
以下、これを詳説する。
本例では、表1〜表4に示すごとく、本発明の実施例として、複数種類の熱交換器用アルミニウムフィン材(試料E1〜試料E10)と、表2に示すごとく、本発明の比較例として、複数種類の熱交換器用アルミニウムフィン材(試料C1〜試料C12)を作製し、各種性能の比較試験を行った。
各実施例及び比較例の熱交換器用アルミニウムフィン材における、ウレタン系樹脂の種類、そのガラス転移温度、第1抗菌剤の種類、水溶解度、粒径、含有量、第1塗膜の膜厚、親水性樹脂の種類、第2抗菌剤の種類、水溶解度、粒径、含有量、第2塗膜の膜厚等については、表1及び表2に示す。
Figure 0005010206
Figure 0005010206
表1、表2の記号について説明する。
A:第一工業製薬株式会社製の芳香族イソシアネート系エステル系ウレタン樹脂スーパーフレックス150
B:第一工業製薬株式会社製の無黄変型エステル・エーテル系ウレタン樹脂スーパーフレックス126
C:第一工業製薬株式会社製の無黄変型エーテル系ウレタン樹脂スーパーフレックス130
D:第一工業製薬株式会社製の無黄変型ポリエステル系ウレタン樹脂スーパーフレックス610
E:ポリビニルアルコール
F:ポリアクリルアミド
ZPT:ジンクピリチオン
BCM:2−ベンゾイミダゾールカルバミン酸メチル
TBZ:2−(4−チアゾル)ベンゾイミダゾール
IPBC:3−ヨード−2−プロピルブチルカルバメート
上記熱交換器用アルミニウムフィン材1の作成方法を説明する。まず、基板2として、JIS A 1050−H26、厚み0.1mmのアルミニウム板を準備し、リン酸クロメートを浸漬処理することにより、基板2の表面に化成皮膜5を形成した後、第1抗菌剤31を含有するウレタン系樹脂32をバーコーターを用いて塗布し、200〜250℃で10秒程度焼付けて第1塗膜3を形成した。空冷後、更に、その表面に、第2抗菌剤41を含有する親水性塗膜42をバーコーターを用いて塗布し、200〜250℃で10秒程度焼付けて第2塗膜4を形成して熱交換器用アルミニウムフィン材1を作製した。
次に、上記実施例(試料E1〜試料E10)及び上記比較例(試料C1〜試料12)を用いて、各種試験を次のように行った。
本発明の熱交換器用アルミニウムフィン材は、防カビ性及び/または抗菌性の速効性と持続性を有することを課題としている。ここで、図2は、そのような機能を有する熱交換器用アルミニウムフィン材を流水にさらした場合の、流水時間と第1抗菌剤と第2抗菌剤の合計の残存率との関係をイメージしたグラフ図である。同図は、横軸を流水時間(時間)、縦軸を第1抗菌剤と第2抗菌剤の合計含有量の残存率(%)とする。
優れた防カビ性及び/または抗菌性を、持続するためには、図2に示すように、流水開始直後から溶出し始め、以後、第1抗菌剤あるいは第2抗菌剤が徐々に溶出し続けることが重要である。
そこで、本例では、各試料を5L/時間の流水にさらし、流水開始から1時間後、流水開始から24時間後、流水開始から500時間後の試料について、それぞれ、必要に応じて、残存率試験、耐アルカリ性試験、防カビ性試験、抗菌性試験を行った。
本例で、第1抗菌剤あるいは第2抗菌剤として用いたBCM、TBZ、及びIPBCは防カビ性を有し、ZPTは防カビ・抗菌性を有する。そのため、第1抗菌剤として、ZPTを用いた場合に限り、流水24時間後及び流水500時間後の試料について抗菌性試験を行い、第2抗菌剤としてZPTを用いた場合に限り、流水1時間後及び流水24時間後の試料について抗菌性試験を行った。
流水1時間後の試料では、第2抗菌剤の効果である、防カビ性及び/または抗菌性の速効性を評価するために、防カビ性試験、抗菌性試験を行った。
流水24時間後の試料では、第1抗菌剤が溶出してきているか否かを評価するために、残存率試験、耐アルカリ性試験、防カビ性試験、抗菌性試験を行った。
流水500時間後の試料では、防カビ性及び/または抗菌性の持続性を評価するために、残存率試験、耐アルカリ性試験、防カビ性試験、抗菌性試験を行った。
以下、これを詳説する。
<残存率試験>
幅100mm、長さ100mmの試料について、第1抗菌剤と第2抗菌剤の合計の残存量を、メタノール抽出法あるいはアセトニトリル抽出法で抽出した後、HPLC(High−performance Liquid Chromatography、高速液体クロマトグラフィ)を用いて測定し、評価した。評価が○の場合を合格、評価が×の場合を不合格とする。結果を表3、表4に示す。
(流水24時間後の評価基準)
○:残存量が70%以上100%未満の場合
×:残存量が100%あるいは70%未満の場合
なお、流水24時間後の試料が合格の場合には、第1抗菌剤が溶出していることを確認できる。
(流水500時間後の評価基準)
○:残存量が10〜50%の場合
×:残存量が10%未満あるいは50%を超える場合
なお、流水500時間後の試料が合格の場合には、一般使用時に、防カビ性及び/または抗菌性を長年に亘り持続できることがいえる。
<耐アルカリ性試験>
耐アルカリ性は、幅50mm、長さ100mmの試料を、pH13の苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)水溶液に、20℃で1時間浸漬し、試料の外観を目視にて観察し、評価した。評価が○の場合を合格とし、評価が×の場合を不合格とする。結果を表3、表4に示す。
(評価基準)
○:変色が確認されない場合
×:変色が確認される場合
<カビ抵抗性試験>
カビ抵抗性試験は、JIS Z 2911(かび抵抗性試験方法)に準拠して行った。
まず、培地として、日水製薬株式会社製のサブロー寒天培地を、水1Lに対して、65.0g(ペプトン10.0g、ブドウ糖40.0g、寒天15.0g)溶解したものを準備した。
また、以下に示す8種類のかび胞子を用いて混合胞子懸濁液を準備した。
・アスペルギルス ニゲル FERM S−1(Aspergillus niger van Tieghem FERM S−1)
・アスペルギルス ニゲル FERM S−2(Aspergillus niger van Tieghem FERM S−2)
・ペニシリウム シトリナム FERM S−5(Penicillium citrinum Thom FERM S−5)
・ペニシリウム フニクロスム FERM S−6(Penicillium funiculosum Thom FERM S−6)
・クラドスポリウム クラドスポリオイデス FERM S−8(Cladosporium cladosporioides(Fresenius)de Vrieg FERM S−8)
・オーレオバシジウム プルランス FERM S−9(Aureobasidium Pullulans(de Bary)Arnaud FERM S−9)
・グリオクラジウム ビレンス FERM S−10(Gliocladium virens Miller,Giddens&Foster FERM S−10)
・フザリウム プロリフェラーツム FERM S−12(Fusarium Proliferatum(Matusima)Nirenbeg FERM S−12)
まず、直径90mmの滅菌したシャーレに、培地25mLを流し込み、平板培地とした。
次に、幅30mm、長さ30mmの試料を塗装面が上になるようにして上記平板培地の上にのせ、混合胞子懸濁液1mLを塗装面の中央付近に滴下し、28±2℃にて培養を行った。滴下した混合胞子懸濁液は、塗装面全面及びその周辺の培地上に拡がる。周辺に拡がらない場合は、滅菌したスプレッダーにて拡げる。培養は、培地の乾燥を防ぐために、28℃に保った恒温槽中をほぼ飽和湿度になるようにして行った。
培養開始から72時間後に、目視によりカビの繁殖頻度を観察し、カビの繁殖部分における阻止帯(試料端部の培地側に発生する)の有無によりカビ抵抗性を評価した。評価が○の場合を合格とし、評価が×の場合を不合格とする。結果を表3、表4に示す。
(評価基準)
○:阻止帯の形成がある場合
×:阻止帯の形成がない場合
なお、流水1時間後の試料が合格の場合には、第2抗菌剤による防カビ性の初期効果を確認することができ、流水24時間後の試料が合格の場合には、第1抗菌剤による防カビ性の効果を確認することができ、流水500時間後の試料が合格の場合には、長年に亘る防カビ性を有していることが確認できる。
<抗菌性試験>
抗菌性試験はJIS Z 2801:2000(抗菌加工製品−抗菌性試験方法・抗菌効果)に準拠して行った。
まず、菌として、大腸菌(Escherichia coli NBRC3972)及び黄色状ブドウ球菌(Staphylococcus aureus NBRC12732)を準備した。
前培養として、上記大腸菌及び黄色ブドウ球菌を、それぞれ、普通ブイヨン寒天培地で前培養し、精製水で500倍に希釈した普通ブイヨン培地に、上記前培養1白金耳の試験菌体を分散させ、菌数2.5〜10×10個/mlの試験菌液を調製した。
横50mm、長さ50mmに切断した各試料片の試験面を上にして滅菌済シャーレ内に置き、試験菌液を0.4ml滴下し、40mm角正方形の滅菌済みフィルムをかぶせ、試験菌液がフィルム全体に行きわたるように軽く押さえ、シャーレのふたをして、恒温恒湿器(35±1℃、Rh90%以上)にて24時間培養した。各試験片は3個ずつ試験を実施した。
培養後のシャーレにSCDLP培地10mlを加え、試験片とフィルムから試験菌をよく洗い出し、この洗い出し液の生菌数を寒天平板培養法にて測定し、その平均値を求めた。試験前の生菌数と試験後の生菌数から、抗菌活性値を求めた。
抗菌活性値は、以下の式に基づいて算出した。
抗菌活性値=Log(Y/X)・・・(I)
(上記式中、Xは、抗菌加工試験片の生菌個数平均値を、Yは、比較対照用の抗菌剤無添加の無加工試験片の生菌個数平均値を表す)
評価が○の場合を合格とし、評価が×の場合を不合格とする。結果を表3、表4に示す。
(評価基準)
○:抗菌活性値 2.0以上
×:抗菌活性値 2.0未満
なお、流水1時間後の試料が合格の場合には、第2抗菌剤による抗菌性の初期効果を確認することができ、流水24時間後の試料が合格の場合には、第1抗菌剤による抗菌性の効果を確認することができ、流水500時間後の試料が合格の場合には、長年に亘る抗菌性を有していることが確認できる。
また、総合評価は、評価を行った項目が全て合格のものを合格(○)とし、いずれか1つでも不合格がある場合には不合格(×)とする。結果を表3及び表4に示す。また、親水性については、全ての試料で良好な結果を示した。
Figure 0005010206
Figure 0005010206
表3より知られるごとく、本発明の実施例としての試料E1〜試料E10は、流水1時間後で、防カビ性及び/または抗菌性の初期効果を発揮し、流水24時間後、流水500時間後の、残存量、耐アルカリ性、カビ抵抗性、抗菌性のいずれの評価においても良好な結果を示した。これより、本発明の熱交換器用アルミニウムフィン材は、優れた親水性を有すると共に、防カビ性及び/または抗菌性の即効性及び持続性に優れていることがわかる。
また、表4より知られるごとく、本発明の比較例としての試料C1は、ウレタン系樹脂のガラス転移温度が本発明の上限を上回り、第2塗膜から第2抗菌剤が溶出できないため、流水500時間後の残存率、カビ抵抗性、及び抗菌性が不合格であった。
また、本発明の比較例としての試料C2は、ウレタン系樹脂のガラス転移温度が本発明の下限を下回り、第1塗膜が第1抗菌剤を保持する力が弱く、第1抗菌剤が短時間で全て溶出してしまうため、流水24時間後及び流水500時間後の残存率、耐アルカリ性、カビ抵抗性、抗菌性が不合格であった。
また、本発明の比較例としての試料C3は、第1抗菌剤の水溶解度が本発明の上限を上回り、溶出速度が速いため、流水24時間後の残存率、流水500時間後の残存率、耐アルカリ性、及びカビ抵抗性が不合格であった。
また、本発明の比較例としての試料C4は、第1抗菌剤の平均粒径が本発明の下限を下回り、第1抗菌剤の溶出速度が速いため、流水24時間後の残存率、流水500時間後の残存率、カビ抵抗性及び抗菌性が不合格であった。
また、本発明の比較例としての試料C5は、第1抗菌剤の平均粒径が本発明の上限を上回り、第1抗菌剤の溶出速度が速いため、流水24時間後の残存率、流水500時間後の残存率及びカビ抵抗性が不合格であった。
また、本発明の比較例としての試料C6は、第1抗菌剤の平均粒径が第1塗膜の膜厚を上回り、第1抗菌剤の溶出速度が速いため、流水24時間後の残留率、流水500時間後の残存率及びカビ抵抗性が不合格であった。
また、本発明の比較例としての試料C7は、第1抗菌剤の含有量が本発明の下限を下回り、第1抗菌剤の溶出量が少ないため、流水24時間後のカビ抵抗性、抗菌性、流水500時間後の残存量、カビ抵抗性、抗菌性が不合格であった。
また、本発明の比較例としての試料C8は、第1抗菌剤の含有量が本発明の上限を上回り、第1塗膜が脆弱になるため、流水24時間後及び流水500時間後の耐アルカリ性が不合格であった。
また、本発明の比較例としての試料C9は、第1塗膜の膜厚が本発明の下限を下回り、第1抗菌剤を保持できないため、流水24時間後の残存率、流水500時間後の残存率及びカビ抵抗性が不合格であった。
また、本発明の比較例としての試料C10は、第2抗菌剤の平均粒径が第2塗膜の膜厚を上回り、第2抗菌剤の溶出速度が速いため、流水24時間後の残存率、抗菌性、流水500時間後の残存率及びカビ抵抗性が不合格であった。
また、本発明の比較例としての試料C11は、第1抗菌剤を含有していないため、流水24時間後の残存率、カビ抵抗性、抗菌性、流水500時間後の残存率、及びカビ抵抗性が不合格であった。これにより、第1抗菌剤を含有していない場合には、防カビ性及び/または抗菌性の持続性を得ることができないことは明らかである。
また、本例の比較例としての試料C12は、第2抗菌剤を含有していないため、流水1時間後のカビ抵抗性が不合格であった。これにより、第2抗菌剤を含有していない場合には、防カビ性及び/または抗菌性の持続性を得ることができないことは明らかである。
(実施例2)
本例は、図3及び図4に示すごとく、銅合金からなる冷媒配管7を、アルミニウムからなるフィン11に設けられた円筒状のカラー部12内に挿入配設することにより上記冷媒配管7と上記フィン11とを一体的に組み付けてなるクロスフィンチューブ61からなる熱交換器6である。
上記フィン11は、本発明の熱交換器用アルミニウムフィン材を用いて形成されている。
熱交換器6を作製するにあたっては、具体的には、まず、熱交換器用アルミニウムフィン材に円筒状のカラー部12をプレス成形し、フィン材11とした。そして、フィン材11に設けられた円筒状のカラー部12内に上記冷媒配管7を挿入した。次いで、冷媒配管7を拡張し、フィン材11と冷媒配管7とを固着することによりクロスフィンチューブ61を作製した。
熱交換器用アルミウムフィン材としては、上記実施例1の試料E1を用いた。冷媒配管7に用いる銅合金としては、φ6.35mmの内面溝付き管を用いた。
実施例1における、熱交換器用アルミニウムフィン材を示す説明図。 流水時間と、第1抗菌剤及び第2抗菌剤の合計の残存量との関係のイメージを示すグラフ図。 実施例2における、熱交換器を示す説明図。 実施例2における、クロスフィンチューブを示す断面図。
符号の説明
熱交換器用アルミニウムフィン材
2 基板
3 第1塗膜
31 第1抗菌剤
32 ウレタン系樹脂
4 第2塗膜
41 第2抗菌剤
42 親水性塗膜

Claims (8)

  1. アルミニウムよりなる基板と、該基板の表面に形成した第1塗膜と、該第1塗膜の表面に形成した第2塗膜とからなる熱交換器用アルミニウムフィン材であって、
    上記第1塗膜は、第1の防カビ性及び/または抗菌性を有する物質(以下、第1抗菌剤という)を含有するウレタン系樹脂からなると共に、膜厚が0.5〜10μmであり、
    上記ウレタン系樹脂は、ガラス転移温度が0〜100℃であり、
    該第1塗膜における上記第1抗菌剤の含有量は、第1塗膜全体の乾燥後重量を100重量部とすると、1〜30重量部であり、
    上記第1抗菌剤は、水溶解度が0ppm超え10ppm以下であり、
    上記第1抗菌剤の平均粒径は、0.1〜1μmであると共に、上記第1塗膜の膜厚以下であり、
    上記第2塗膜は、第2の防カビ性及び/または抗菌性を有する物質(以下、第2抗菌剤という)を含有する親水性塗膜からなると共に、膜厚が0.5〜2μmであり、
    該第2塗膜における上記第2抗菌剤の含有量は、第2塗膜全体の重量を100重量部とすると、0.1〜5重量部であり、
    上記第2抗菌剤の平均粒径は、上記第2塗膜の膜厚以下であることを特徴とする熱交換器用アルミニウムフィン材。
  2. 請求項1において、上記第1抗菌剤及び第2抗菌剤は、ジンクピリチオン(ZPT)、2−ベンゾイミダゾールカルバミン酸メチル(BCM)、2−(4−チアゾリル)ベンゾイミダゾール(TBZ)の1種または2種以上であることを特徴とする熱交換器用アルミニウムフィン材。
  3. 請求項1または2において、上記第1塗膜は、膜厚が1〜3μmであることを特徴とする熱交換器用アルミニウムフィン材。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項において、上記第1塗膜及び/または第2塗膜は、更に、界面活性剤を含有することを特徴とする熱交換器用アルミニウムフィン材。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項において、上記第2塗膜は、更に、ポリエチレングリコール(PEG)を含有することを特徴とする熱交換器用アルミニウムフィン材。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項において、上記第2塗膜の表面に、ポリエチレングリコール(PEG)からなる第3塗膜を形成することを特徴とする熱交換器用アルミニウムフィン材。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項において、上記基板と上記第1塗膜との間に、下地処理層が形成されていることを特徴とする熱交換器用アルミニウムフィン材。
  8. 銅合金からなる冷媒配管を、アルミニウムからなるフィンに設けられた円筒状のカラー部内に挿入配設することにより上記冷媒配管と上記フィンとを一体的に組み付けてなるクロスフィンチューブからなる熱交換器であって、
    上記フィンは、請求項1〜7のいずれか一項に記載の熱交換器用アルミニウムフィン材を用いて形成されていることを特徴とする熱交換器。
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