JP5003446B2 - 電子写真感光体、及び、画像形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式の画像形成に使用される電子写真感光体、及び、画像形成方法に関する。
現在、レーザプリンター等に代表される、光源としてレーザを用いる電子写真装置が用いられている。光源のレーザとしては、発振波長が780〜800nmの半導体レーザが最もよく用いられている。しかし、近年、出力画像の高画質、高解像度化の要望が強くなっており、これに対応すべく種々の試みがなされている。書き込み光のスポット径の小径化はその1つである。スポット径の小径化には、書き込み光源を短波長化することで理論上かなり小さくすることが可能であり、潜像の書き込み密度、すなわち解像度を上げることに非常に有利である。そのため、発振波長が380〜500nmの半導体レーザまたはピーク波長が380〜500nmの発光ダイオード光源に適した高感度、高安定な電子写真感光体の開発が望まれている。
この短波長光源に対応した電子写真感光体の開発には、露光光により感光体上に電荷を発生させるいわゆる電荷発生物質と呼ばれる化合物の選択が重要なポイントの1つになる。そして、短波長のレーザ光に適した電荷発生物質の検討がこれまでも行われてきた。具体的には、電荷発生物質としてα型チタニルフタロシアニンを用いることにより、発振波長が400〜500nmのレーザ光に適した感光体を実現させた(例えば、特許文献1参照。)が、400nm付近の光に対して十分な機能が発現されなかった。
そこで、400nm以下の発振波長で高い感度特性を有する感光体の検討がなされ、たとえば、電荷発生物質として特定構造の多環キノン化合物やペリレン化合物を用いることにより、380〜500nmのレーザ光に対し感度特性が得られる電子写真感光体が開発された(例えば、特許文献2参照。)。
特開平9−240051号公報 特開2000−47408号公報
しかしながら、上記特許文献に記載された方法で作製した電子写真感光体を用い、380〜500nmの発振波長で画像形成を行った時、良好な画像形成が行える感光体が存在する反面、十分に画像形成が行えない感光体があった。すなわち、高い感度特性を有する感光体を安定して生産することが極めて難しいことが判明したのである。具体的には、画像形成を繰り返し行うと、それに伴って感度が低下して特に暗減衰が大きくなったのである。また、画像上でところどころに黒ポチの発生が見られた。それに伴い、発振波長が380〜500nmの短波長レーザ光で画像形成を行ったときに、高精細な画像形成がうまく行えない傾向がみられた。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたもので、発振波長が380〜500nmという短波長の露光光に対し、高い感度特性を有する電子写真感光体を安定して提供できる様にすることを目的とするものである。具体的には、発振波長が380〜500nmの範囲にあるいわゆる短波長光源による露光を行ったときに、感度低下を起こさず、また、繰り返し露光しても電子写真感光体上の暗部及び明部の電位変動がほとんどない電子写真感光体を提供することを目的とする。また、画像形成で得られたプリント画像も黒ポチ等の画像不良がなく、良好な微細ドット再現性と細線再現性を発現することが可能な電子写真感光体を提供することを目的とするものである。
本発明の目的は、下記構成を採ることにより達成される。
1.導電性支持体上に、臭素原子を結合する下記一般式(1)で表されるピランスロン化合物を電荷発生物質として含有する感光層を有する電子写真感光体であって、
前記電荷発生物質が、臭素原子の数が異なる前記ピランスロン化合物を2種類以上含有するものであり、
前記ピランスロン化合物は、CuKαを線源とするX線回折スペクトルにおいてブラッグ角(2θ±0.2°)16.9°、18.7°及び、20.6°にピークを示す結晶構造を有するものであることを特徴とする電子写真感光体。
Figure 0005003446
.前記電子写真感光体は、下記一般式(2)で表される化合物を電荷輸送物質として含有するものであることを特徴とする前記1に記載の電子写真感光体。
Figure 0005003446
(式中、Ar〜Arはそれぞれ独立して置換基を有していてもよアリール基を表し、ArとArはそれぞれ独立して置換基を有していてもよいアリーレン基を表す。また、ArとAr、及び、ArとArは結合して環を形成するものであってもよい。さらに、RとRは、それぞれ独立して水素原子または置換基を有していてもよいアルキル基、アラルキル基またはアリール基を表し、RとRは結合して環を形成するものであってもよい。)
.発振波長が380〜500nmで、書込みの主査方向の露光径が10〜50μmの露光手段を用いて、
前記1または2に記載の電子写真感光体上に露光を行うことを特徴とする画像形成方法。
.前記露光手段として、縦横それぞれ3本以上のレーザビーム発光点を有する面発光レーザアレイを用いて、前記電子写真感光体上に露光を行うことを特徴とする前記に記載の画像形成方法。
本発明によれば、発振波長が380〜500nmという短波長の露光光に対し、高い感度特性を有する電子写真感光体(以下、単に感光体ともいう)が安定して得られる様になった。つまり、本発明に係る電子写真感光体によれば、発振波長が380〜500nmの範囲にあるいわゆる短波長光源で露光を行ったとき、感度低下がほとんどなく、また、露光を繰り返しても感光体上の暗部及び明部では電位の変動がほとんどみられなかった。さらに、本発明に係る電子写真感光体を用いてプリント作成を行うことにより、黒ポチの様な画像不良を発生させず、微細なドット画像や細線画像を忠実に再現することが確認された。
以下、本発明について詳細に説明する。
最初に、本発明に使用可能なピランスロン化合物について説明する。本発明に係る電子写真感光体は、CuKα線に対するブラッグ角(2θ±0.2°)が16.9°、18.7°、及び、20.6°にピークを有し、かつ、分子中に臭素原子が1個乃至6個結合した構造のピランスロン化合物を含有するものである。すなわち、本発明に使用可能なピランスロン化合物は下記一般式(1)に示す構造のものである。
Figure 0005003446
一般式(1)で表されるピランスロン化合物は、1分子中に1個乃至6個の臭素原子を結合してなる構造を有するものである。1分子中に1個乃至6個の臭素原子を結合してなるピランスロン化合物の具体例を下記に示すが、本発明に使用可能なピランスロン化合物は以下に示すもののみに限定されるものではない。
Figure 0005003446
Figure 0005003446
一般式(1)で表されるピランスロン化合物の分子構造中に結合させる臭素原子の数は、後述するピランスロン化合物の合成例の記載にもある様に、臭素の添加量を変化させることにより制御が可能である。また、合成したピランスロン化合物分子に結合している臭素原子の数は、公知の質量分析法(Mass Spectrometry;マススペクトル法)により確認することができる。
次に、X線回折スペクトルについて説明する。
本発明に使用可能なピランスロン化合物は、CuKαを線源とするX線回折スペクトルにおいてブラッグ角(2θ±0.2°)16.9°、18.7°、及び、20.6°にピークを示す結晶構造を有するものである。ここで、ピークとは、X線回折スペクトル測定により作成されるスペクトルチャート上で鋭角な突出部として示されるもので、スペクトルチャート中のノイズとは、その形状が明らかに異なるものである。
なお、本発明に使用可能なピランスロン化合物は、上記ブラッグ角(2θ±0.2°)のピークに加え、他にピークを有するものであってもよい。
CuKαを線源とするX線回折スペクトルの測定方法としては、たとえば、粉末法や薄膜法等の公知の測定方法が挙げられ、これらはX線源としてCuKα(波長1.54178Å)を用いるものである。以下、X線回折スペクトルの測定方法の1つである薄膜法について説明する。
薄膜法によるX線回折スペクトル測定では、感光層自体の薄膜X線回折スペクトルが得られるメリットがある。測定方法の一例としては、感光層をガラス面上に形成し、これを測定する方法が挙げられる。以下に、感光層のCuKαを線源とするX線回折スペクトルの測定方法の手順をより具体的に説明する。
(1)測定試料の作製
無反射カバーガラスに、乾燥後の膜厚が10μm以上となるように感光層形成用塗布液を塗布し、乾燥する。
(2)測定装置及び測定条件
X線回折スペクトルを測定する測定装置としては、人工多層膜ミラーにて単色平行化したCuKα線を線源とする薄膜試料測定用のX線回折装置を用いる。たとえば、「リガクRINT2000(リガク(株))」等が挙げられる。X線回折スペクトルの測定条件は、以下のとおりである。すなわち、
X線出力電圧:50kV
X線出力電流:250mA
固定入射角(θ):1.0°
走査範囲(2θ):5〜35°
スキャンステップ幅:0.05°
入射ソーラースリット:5.0°
入射スリット:0.1mm
受光ソーラースリット:0.1°
上記測定条件に設定してX線回折スペクトルの測定を行うことが可能である。
本発明に係る感光体が380〜500nmの短波長光に対し良好な感度特性を有する理由は明らかではないが、おそらく、このピランスロン化合物が塗布液中での分散性向上に寄与したためと推測される。つまり、16.9°、18.7°、及び、20.6°にピークを示すピランスロン結晶は、結晶粒子間で適度な斥力が生ずることにより、この斥力の作用で結晶粒子の凝集が回避されるためと推測される。その結果、塗布液中でピランスロン化合物粒子が均一に分散できる様になったものと考えられる。
この様に、本発明は、16.9°、18.7°、及び、20.6°にピークを示す結晶構造を有するピランスロン化合物を電荷発生物質に用いることで、発振波長が380〜500nmの短波長光に対し良好な感度特性が発現されることを見出した。ピランスロン化合物を電荷発生物質として用いる有機感光体の技術は、特開昭55−17105号公報や前述の特許文献2等の様に、以前より存在こそしていた。しかしながら、過去の技術は、特定の結晶構造を有するピランスロン化合物を用いることで、380〜500nmの短波長光に対して良好な感度特性を有する感光体が得られるという本発明で見出した知見を示唆するものではなかった。つまり、本発明は、ブラッグ角16.9°、18.7°、及び、20.6°にピークを有する結晶構造のピランスロン化合物が前述した効果を奏する性質を有するものであることをはじめて見出した発明といえる。
CuKαを線源とするX線回折スペクトルでブラッグ角(2θ±0.2°)16.9°、18.7°、及び、20.6°にピークを示す結晶構造を有するピランスロン化合物は、たとえば、以下の手順により作製することができるものである。
(1)先ず、公知の合成方法によりアモルファス状態のピランスロン化合物を合成する。
(2)次に、公知の精製方法を用いて前記ピランスロン化合物を処理することにより、目標とする16.9°、18.7°、及び、20.6°にピークを有するピランスロン化合物が得られる。
ピランスロン化合物を精製する際、精製工程を複数回にわたり繰り返し行うほど、16.9°、18.7°、及び、20.6°にピークを有するピランスロン化合物の含有量が増大してその純度が高まる。この様に、精製工程を繰り返すほど、16.9°、18.7°、及び、20.6°にピークを有するピランスロン化合物の質量比や純度が高くなっていくが、これは、精製工程によりピランスロン分子が特定の結晶構造を形成する様になるためと推測される。
つまり、精製を繰り返す分、精製時間が長くなるので、より多くのピランスロン分子が16.9°、18.7°、及び、20.6°にピークを示す結晶構造形成に加担できるので、質量比や純度が上昇するものと考えられる。また、この結晶構造がピランスロン分子の結晶構造の中でも最も安定した構造なので、結晶形成が促進されるものと考えられる。
16.9°、18.7°、及び、20.6°にピークを有するピランスロン化合物を形成する精製方法には、多段昇華精製や分別昇華精製といった昇華法による精製方法や、高沸点溶媒中での加熱処理による方法等が挙げられる。
本発明に使用可能な前記一般式(1)で表されるピランスロン化合物を得るために最初に行うピランスロン化合物の合成方法は、特に限定されるものではないが、以下にその代表的な合成例を挙げる。
先ず、8,16−ピランスレンジオン5.0質量部とヨウ素0.25質量部をクロロ硫酸50質量部に溶解させておき、これに、臭素5.5質量部を滴下する。滴下終了後60℃で5時間の加熱撹拌を行って反応処理を行う。反応系を室温まで冷却し、500質量部の氷に反応系をあける。さらに、濾過処理を行った後、洗浄液が中性になるまで水洗を繰り返し、乾燥処理することにより臭素原子を結合してなるピランスロン化合物が得られる。
なお、上記ピランスロン化合物を質量分析法で測定したところ、臭素原子を4個結合してなる構造のものを含有するものであった。また、上記ピランスロン化合物を、CuKα線によりX線回折観察を行ったところ、16.9°、18.7°、及び、20.6°にピークを確認することはできなかった。
また、ピランスロン化合物に結合する臭素原子の数を制御するために、上記反応工程で臭素の添加量を1.9質量部に変更した他は同様の手順で反応させたところ、臭素原子が2つ結合してなる構造のものを含有するピランスロン化合物が得られた。また、臭素の添加量を3.1質量部に変更して他は同様の手順で反応させたところ、臭素原子が3つ結合してなる構造のものを含有するピランスロン化合物が得られた。この様に、上記合成例で、反応時に添加する臭素の量を変化させることにより、ピランスロン化合物に結合させる臭素原子数を制御することができる。
次に、上記合成例で作製したピランスロン化合物の精製方法について説明する。本発明に使用される16.9°、18.7°、及び、20.6°にピークを示すピランスロン化合物は精製工程を繰り返すことにより作製される。上記合成例で作製されたピランスロン化合物も精製により上記結晶構造を有するピランスロン化合物になる。精製方法の具体例としては、たとえば、多段昇華精製法や分別昇華精製法といった昇華法による精製法や高沸点溶媒中での加熱処理精製方法等が挙げられる。これらの精製方法について具体的に説明する。
(1)多段昇華精製法
多段昇華精製法は、2段階以上の昇華工程を経てピランスロン化合物の精製を行うものである。第1段階では、ピランスロン化合物の昇華温度より若干高めの温度に設定して、処理を行うピランスロン化合物全体の約1乃至10質量%分を昇華させて第1基体上に凝縮させる。次に、第2段階目以降ではピランスロン化合物の昇華温度よりも10乃至100℃高い温度に設定して、ピランスロン化合物の昇華処理を行い、第2基体上に昇華したピランスロン化合物を凝縮させる。この様に、昇華段階を多く設定することにより、揮発性不純物や分解不純物を含有しない高純度で、しかも、ブラッグ角16.9°、18.7°、及び、20.6°にピークを有するピランスロン化合物を形成する。多段昇華精製法では、場合によっては、3段階以上の昇華工程を用いることも可能である。
精製例1(多段昇華精製法の具体例)
第1段階として、上記合成例で作製したピランスロン化合物15質量部をるつぼに投入し、昇華装置のチャンバを約1×10-2Paに減圧する。この減圧状態の下で、るつぼの温度を420℃に上昇させ、420℃になったらこの温度で10分間維持する。その後、加熱を停止して冷却を開始し、るつぼの温度が200℃以下になったとき、チャンバ内の圧力を大気圧に戻す。第1段階の昇華工程後のピランスロン化合物についてCuKα線によるX線回折観察を行ったところ、ブラッグ角16.9°、18.7°、及び、20.6°の他にもピークを有するものであることが確認された。
次に、第2段階として、昇華装置のチャンバを約1×10-2Paに減圧し、この減圧状態の下で、るつぼの温度を450℃に上昇させた後、2時間加熱処理を行う。その後、加熱を停止して冷却を開始し、るつぼの温度が200℃以下になったら、チャンバ内の圧力を大気圧に戻す。第2段階の昇華精製工程を経たピランスロン化合物をCuKα線によるX線回折観察を行ったところ、ブラッグ角16.9°、18.7°、及び、20.6°にピークを有し、それ以外の個所にも目視でかろうじて確認可能なレベルの小さなピークを確認した。
さらに、第3段階として、昇華装置のチャンバを約1×10-2Paに減圧し、この減圧状態の下で、るつぼの温度を480℃に上昇させた後、2時間加熱処理を行う。その後、加熱を停止して冷却を開始し、るつぼの温度が200℃以下になったら、チャンバ内の圧力を大気圧に戻す。第3段階の昇華精製工程を経たピランスロン化合物をCuKα線によりX線回折観察したところ、ブラッグ角16.9°、18.7°、及び、20.6°のピークが第2段階で得られたピランスロン化合物よりもはるかに大きなものになり、それ以外の角度にはほとんどピークを確認することができなかった。
(2)分別昇華精製法
分別昇華精製法は、トレイン昇華法と呼ばれる精製方法等も含まれるものである。たとえば、温度勾配を有するガラスチューブにピランスロン化合物を投入し、ガラスチューブへの加熱位置を段階的に変えることにより、ピランスロン化合物への加熱温度を段階的に変えることができる。この様に、加熱温度を段階的に変えて昇華精製を行う精製法を分別昇華精製法という。
昇華精製法の具体的な手順は以下のとおりである。
先ず、顔料を第1位置で温度T1に加熱して顔料及びそれに含まれる揮発性不純物の蒸発を行い、次いでT1より低い温度T2に保った第2位置にて顔料蒸気を凝縮させ、続いてT2より低い温度T3に保った第3位置にて揮発性不純物の蒸気を凝縮させることによって行う。非昇華性不純物は出発物質をおいた第1位置に残存し、揮発性不純物からも分離した精製顔料が得られる。本発明の分別昇華法は、トレイン昇華のような公知の精製方法を含む。
この様な手順で、ピランスロン化合物の精製処理を行うことにより、以下に述べる様に、ブラッグ角16.9°、18.7°、及び、20.6°にピークを有するピランスロン化合物が得られる。
精製例2(分別昇華精製法の具体例)
上記合成例等で作製されたピランスロン化合物5質量部をパイレックス(登録商標)製のガラスチューブに投入する。このガラスチューブを、チューブの長さに沿って約480℃〜約20℃の温度勾配(長さが1mで、約480℃〜約20℃の温度勾配をつけることが可能)を付与する構造の炉の中に配置する。ガラスチューブ内を約1×10-2Paに減圧して、この状態で精製すべきピランスロン化合物を有するガラスチューブが置かれた位置を約480℃に加熱した。生成した蒸気をガラスチューブの低温側に移動させて凝縮を行う。約300〜420℃の間の領域で凝縮させたピランスロン化合物を収集した。精製されたピランスロン化合物をCuKα線によりX線回折を行ったところ、16.9°、18.7°、及び、20.6°にピークを有し、かつ、それ以外の個所にもピークを有していた。
(3)高沸点溶媒中での加熱処理精製法
高沸点溶媒中での加熱処理精製法は、未精製のピランスロン化合物を沸点150℃以上の高沸点溶媒中で加熱処理することにより、結晶形成を促進させるとともに、ピランスロン化合物に含まれている不純物を高沸点溶媒に溶解させて除去するものである。この精製法に使用可能な高沸点溶媒としては、たとえば、ニトロベンゼン、キノリン、スルホラン等が挙げられる。そして、高沸点溶媒下での加熱処理時間を長くするほど、ブラッグ角16.9°、18.7°、及び、20.6°に示すピークの強度が増大する傾向にある。
精製例3(加熱処理精製法の具体例)
合成例1等により作製されたピランスロン化合物5質量部をるつぼに投入し、昇華装置のチャンバを45Paに減圧した後、るつぼの温度を450℃に上げて2時間加熱して、ピランスロン化合物を昇華させる。上記加熱処理実施後、るつぼの冷却を開始し、るつぼの温度が室温になったところで、チャンバ内を大気圧にする。このとき、チャンバ内に設けられたコレクタ基体に加熱により昇華したピランスロン化合物が凝集している。
昇華を経て形成したピランスロン化合物1.0質量部をニトロベンゼン100質量部に懸濁させ、200℃にて1時間加熱処理した後、濾過を行い、アセトン、次いで、メタノールで洗浄処理を行った後、乾燥処理をして精製処理したピランスロン化合物を得た。精製されたピランスロン化合物をCuKα線によりX線回折観察したところ、16.9°、18.7°、及び、20.6°にピークを有し、かつ、それ以外の個所にもピークを有するものであった。
次に、本発明に係る電子写真感光体の構成について説明する。本発明に係る電子写真感光体は、CuKα線によるX線回折スペクトルにおいてブラッグ角16.9°、18.7°、及び、20.6°にピークを示す結晶構造を有する一般式(1)で表されるピランスロン化合物を電荷発生物質として含有する。また、本発明に係る電子写真感光体は、電荷発生機能と電荷輸送機能の少なくとも一方の機能を有機化合物を含有することにより発現させるもので、いわゆる有機感光体と呼ばれる範疇のものである。
本発明に係る電子写真感光体は、導電性支持体上に電荷発生物質として前述のピランスロン化合物を含有する感光層を有するものであり、その中でも、感光層が電荷発生層や電荷輸送層を順次積層されたいわゆる積層構造を有するものが好ましい。さらに、導電性支持体と感光層の間に中間層を設けるものが好ましく、また、感光層上に表面保護層を有する構成のものがさらに好ましい。
以下、本発明に係る電子写真感光体を構成する導電性支持体、中間層、感光層について、好ましい具体例を挙げて説明する。
(1)導電性支持体
本発明に係る感光体に使用可能な導電性支持体としては、たとえば、シート状あるいは円筒状の形状を有する導電性支持体が挙げられる。
円筒状の導電性支持体は、感光体の回転により感光体上にエンドレスに画像形成が行えるもので、その円筒度は5〜40μmが好ましく、7〜30μmがより好ましい。ここで、円筒度とはJIS規格(B0621−1984)により規定されるものである。すなわち、円筒基体を2つの同軸の幾何学的円筒で挟んだとき、同軸2円筒の間隔が最小となる位置を半径の差で表したもので、本発明では該半径の差をμmで表す。
円筒度は、円筒状基体の両端10mmの2点、中心部、両端と中心部の間を3等分した点の4点の、合計7点における真円度を測定することにより求められる。円筒度を測定する測定装置としては、たとえば、「非接触万能ロール径測定機((株)ミツトヨ製)」等が挙げられる。
導電性支持体の材質としては、アルミニウムやニッケル等の金属ドラムの他に、アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウム等を蒸着させたプラスチックドラム、導電性物質を塗布した紙製あるいはプラスチックドラムが挙げられる。導電性支持体の電気特性は、常温下での比抵抗が103Ωcm以下となることが好ましい。
また、導電性支持体表面に封孔処理を施してアルマイト膜を形成した導電性支持体を用いることも可能である。アルマイト処理は、通常はクロム酸や硫酸、シュウ酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸等の酸性浴中で行われるものであるが、その中でも、硫酸を用いての陽極酸化処理を施したものが最も好ましいものである。硫酸中で陽極酸化処理を行う場合、硫酸濃度を100〜200g/リットル、アルミニウムイオン濃度を1〜10g/リットル、液温を20℃前後、印加電圧を約20Vに設定して行うことが好ましいが、この条件に限定されるものではない。また、形成する陽極酸化被膜の平均膜厚を通常20μm以下、特に10μm以下にすることが好ましい。
(2)中間層
本発明に係る電子写真感光体では、導電性支持体と感光層の間に中間層を設けることも可能である。中間層を設ける場合、中間層中にN型半導電性粒子を含有させることが好ましい。N型半導電性粒子とは、主たる電荷キャリアが電子となる性質を有する粒子のことである。すなわち、主たる電荷キャリアが電子であることから、N型半導性粒子を用いた中間層は、基体からのホール注入を効率的にブロックし、また、感光層からの電子に対してブロッキング性が少なくなる性質を有する。具体的なN型半導電性粒子としては、酸化チタン(TiO2)や酸化亜鉛(ZnO)等があり、特に酸化チタンが特に好ましい。
N型半導電性粒子は、数平均一次粒子径が3〜200nmの範囲の大きさの粒子が用いられ、特に、5nm〜100nmの粒子が好ましい。数平均一次粒子径とは、N型半導電性粒子を透過型電子顕微鏡観察したときに10000倍に拡大した画像よりランダムに100個の粒子を一次粒子として観察し、画像解析によりフェレ方向平均径を測定値としたものである。N型半導電性粒子の数平均一次粒径が3nm未満になると、中間層を構成するバインダー中でN型半導性粒子が均一分散しにくくなるため、粒子が凝集し易くなり、その結果、凝集粒子が電荷トラップとなって転写メモリーを発生させ易くする。
一方、数平均一次粒径が200nmよりも大きくなると、N型半導電性粒子により中間層表面に凹凸が発生する様になり、この凹凸を介して画像ムラが発生し易くなる。また、数平均一次粒径が200nmよりも大きくなると、N型半導電性粒子が分散液中で沈澱しやすくなり、その結果、画像ムラを発生させる原因となる。
前記酸化チタン粒子は、結晶形としては、アナターゼ形、ルチル形、ブルッカイト形等が挙げられるが、この中でもルチル形またはアナターゼ形の酸化チタン粒子は、中間層を通過する電荷の整流性の向上に効果を有する。すなわち、電子の移動性を高め、帯電電位を安定させる作用を有するので、残留電位の増大が防止されて、高密度のドット画像形成に貢献することができる。
本発明に係る電子写真感光体に中間層を形成する場合、中間層塗布液を作製してこれを塗布する方法が主に採られるが、中間層塗布液中には前記表面処理酸化チタン等のN型半導電性粒子の他にバインダー樹脂や分散溶媒が含有される。
N型半導電性粒子の中間層中における比率は、中間層のバインダー樹脂との体積比(バインダー樹脂の体積を1とすると)で1.0〜2.0倍が好ましい。中間層中での比率をこの様に高密度にすることで、中間層の整流性が向上し、膜厚が厚くなっても残留電位の上昇や転写メモリーの発生を起こしにくくなる。したがって、黒ポチの発生を効果的に防止し、電位変動を小さく抑えることができる。
(3)感光層
(a)電荷発生層
本発明に係る電子写真感光体では、電荷発生物質として前記一般式(1)で表され、ブラッグ角16.9°、18.7°、及び、20.6°にピークを有するピランスロン化合物が用いられる。また、本発明では、電荷発生物質として、上記ピランスロン化合物の他に公知の電荷発生物質を併用することも可能である。
電荷発生層を構成するバインダーとしては、公知の樹脂が使用可能であるが、たとえば、ホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が最も好ましい樹脂として挙げられる。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し電荷発生物質を20〜600質量部にすることが好ましい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用に伴う残留電位の増加を抑制することができる。なお、電荷発生層の膜厚は0.3μm〜2μmが好ましい。
(b)電荷輸送層
電荷輸送層は、電荷輸送物質(CTM)及び電荷輸送物質を分散し製膜するバインダー樹脂より構成されるものである。電荷輸送層中には、上記構成物の他に、必要に応じて酸化防止剤等の添加剤を含有することも可能である。
電荷輸送物質(CTM)には、発振波長が380〜500nmの領域のレーザ光の吸収が小さく、かつ、高い電荷輸送能を有する有機化合物が好ましい。また、電荷輸送層を複数の電荷輸送層から構成するものにしてもよい。
本発明では、電荷輸送物質として下記一般式(2)で表される化合物を1種以上用いることが好ましい。
Figure 0005003446
なお、式中のAr1〜Ar4はそれぞれ独立して置換基を有していてもよりアリール基を表し、Ar5とAr6はそれぞれ独立して置換基を有していてもよいアリーレン基を表す。また、Ar1とAr2、及び、Ar3とAr4は結合して環を形成するものであってもよい。さらに、R1とR2は、それぞれ独立して水素原子または置換基を有していてもよいアルキル基、アラルキル基またはアリール基を表し、R1とR2は結合して環を形成してもよい。
上記一般式(2)で表される化合物の中でも、Ar5とAr6がそれぞれ置換基を有してもよいフェニル基となる下記一般式(3)で表される化合物が好ましい。
Figure 0005003446
上記一般式(3)では、R1とR2は、それぞれ独立して、アルキル基またはアリール基を表し、R1とR2が一体となって環構造を形成するものでもよい。R3とR4は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基またはアリール基を表すものである。なお、Ar1〜Ar4は上記一般式(2)で表される化合物と同じである。なお、式中のm、nは1〜4の整数を表すものである。
前記一般式(3)で表される化合物の具体例を以下に示す。
Figure 0005003446
Figure 0005003446
Figure 0005003446
Figure 0005003446
Figure 0005003446
Figure 0005003446
一般式(3)で表される化合物は公知の合成方法により作製することが可能である。以下に、一般式(3)で表される化合物の1つである前述のCTM−6で表される化合物の合成例を示す。
Figure 0005003446
上記CTM−6の合成スキームを解説する。先ず、4頭コルベンに冷却管、温度計、窒素導入管を装着し、マグネチックスターラーをセットする。この系内を減圧して、完全に窒素置換する。上記コルベン内に、
N,N−ビス(4−メチルフェニル)アニリン 4.00質量部
シクロヘキサノン 2.00質量部
酢酸 14.00質量部
メタンスルホン酸 0.09質量部
を順次投入する。この混合溶液を70℃で8時間反応させる。
その後、精製した固体をアセトンで洗浄し、さらに、テトラヒドロフラン(THF)とアセトンを用いて再結晶化することにより、目的物であるCTM−6が得られる。上記CTM−6が得られたことは、質量分析法(MS)や核磁気共鳴法(NMR)等の公知の構造解析方法を用いることにより確認することができる。
本発明に係る電子写真感光体に使用可能な電荷輸送物質(CTM)としては、一般式(2)あるいは(3)で表される化合物の他に、公知の正孔輸送性(P型)の電荷輸送物質(CTM)を用いることが可能である。たとえば、トリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物等が挙げられる。これらの電荷輸送物質を用いた電荷輸送層は、通常、適当なバインダー樹脂中にこれらの電荷輸送物質を溶解させ、溶解させた塗布液を用いて層形成を行うことができる。上記電荷輸送物質は、発振波長が380〜500nmの領域のレーザ光の吸収が小さく、かつ、高い電荷輸送能を有するものが好ましく用いられ、その中でも、前述の一般式(2)あるいは(3)で表される化合物が特に好ましい。
電荷輸送層に使用可能なバインダー樹脂としては、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂のいずれの樹脂でもよい。バインダー樹脂の具体例としては、たとえば、熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリメタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等のビニル系重合体よりなる樹脂が挙げられる。また、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂等の縮合系の高分子材料もある。また、熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂等が挙げられ、これらの樹脂の他にシリコーン樹脂も使用可能である。また、これらの樹脂を構成する繰り返し単位構造のうち2つ以上の繰り返し単位構造を有する共重合体樹脂やこれらの樹脂を2種類以上併用するいわゆるポリマーブレンドと呼ばれる樹脂等もある。さらに、これらの樹脂の他に、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体の挙げられる。これらの中でも、吸水率が小さく、電荷輸送物質を均一に分散させるとともに、良好な電子写真特性を発現するポリカーボネート樹脂が最も好ましい。
バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し電荷輸送物質を50〜200質量部とすることが好ましい。また、電荷輸送層の厚さは合計で30μm以下とすることが好ましく、10〜25μmとすることが特に好ましい。当該膜厚が30μmを超えると、電荷輸送層内で短波長レーザが吸収、散乱し易くなるので、形成画像の鮮鋭性が低下することになり、高解像の画像形成に不利である。また、残留電位の増大が起こり易くなるので、繰り返しの画像形成が不利になる。
次に、本発明に係る電子写真感光体を用いて実施可能な画像形成の説明を行う。本発明では、1分子中に1個乃至6個の臭素原子を有しブラッグ角16.9°、18.7°、及び、20.6°にピークを示すピランスロン化合物を電荷発生物質に用いることで、発振波長380〜500nmの露光光による良好な画像形成を実現する。この様に、従来技術では良好な像形成が困難とされていた発振波長が380〜500nmの短波長露光光源で良好なトナー画像形成が行えることを見出している。
以下、本発明に係る電子写真感光体が搭載可能な画像形成装置について説明する。
本発明に係る電子写真感光体が搭載可能な画像形成装置の一例を図1に示す。図1に示す画像形成装置1は、デジタル方式による画像形成が可能なものであり、大きく分けて画像読取部A、画像処理部B、画像形成部C、転写紙搬送部Dから構成される。
画像読取部Aの上部には、原稿を自動搬送する自動原稿送り手段が設けられ、原稿載置台11上に載置された原稿は原稿搬送ローラ12により1枚毎に分離搬送され、読取位置13aで画像の読取りが行われる。画像の読取りが終了した原稿は原稿搬送ローラ12によって原稿排紙皿14上に排出される。
図1の画像形成装置1は上述した自動での画像読取りの他に、プラテンガラス13上に原稿を1枚ずつ置いて読取りを行うことも可能である。プラテンガラス13上で読取りを行う場合、原稿画像の読取りは走査光学系を構成する照明ランプと第1ミラーからなる第1ミラーユニット15と2つのミラーをV字状に配置した構造の第2ミラーユニット16とをそれぞれ移動させて行う。図1の画像形成装置では、第1ミラーユニット15の移動速度をv、第2ミラーユニットの移動速度をv/2にして、原稿画像の読取りを行う。
画像読取部Aで前述の手順により読み取られた画像は、次の画像処理部Bでデジタルの画像信号に変換される。画像処理部Bでは、先ず、画像読取部Aで読み取られた画像が、投影レンズ17を通してラインセンサである撮像素子CCDの受光面に結像される。撮像素子CCD上に結像したライン状の光学画像は順次電気信号(輝度信号)に光電変換され、さらに、A(アナログ)/D(デジタル)信号に変換処理される。そして、デジタル信号に変換された画像信号は濃度変換やフィルタ処理等の処理が施され、形成された画像情報は画像信号としていったんメモリーに格納される。
画像形成部Cは、画像処理部Bで形成されたデジタル信号を用いてトナー画像形成を行うもので、図1に示す様に画像形成に使用する部品を組み立ててなるユニット構造を有するものである。画像形成部Cを構成する画像形成ユニットは、ドラム状の感光体21を有し、感光体21の外周に感光体21を帯電する帯電手段(帯電工程)22、感光体21にトナー供給を行う現像手段(現像工程)23等を配置している。また、感光体21の外周には、感光体21で形成したトナー画像を用紙P等上に転写する転写手段(転写工程)である転写搬送ベルト装置45、感光体21上の残留トナーを除去するクリーニング装置(クリーニング工程)26、次の画像形成に備えて感光体21表面を除電する光除電手段(光徐電工程)であるプレチャージランプ27が配置されている。感光体21の外周に配置された帯電手段22から光除電手段27に到るこれら部材は、画像形成時に行われる動作の順番に配置されている。
また、現像手段23の下流側には感光体21上に現像されたパッチ画像の反射濃度を測定する反射濃度検出手段222が設けられている。感光体21には、本発明に係る電子写真感光体であるブラッグ角16.9°、18.7°、及び、20.6°にピークを有するピランスロン化合物が電荷発生物質として使用され、感光体21は画像形成時に図示方向、すなわち、時計方向に駆動回転するものである。
次に、感光体21への露光方法について説明する。感光体21は図示しない駆動手段により回転し、感光体21は回転中に帯電手段22により一様帯電され、像露光手段(像露光工程)30で示す露光光学系により、画像処理部Bのメモリーから呼び出された画像信号に基づいて像露光される。
感光体21に画像情報を書込む書込手段に該当する像露光手段30は、図示しないレーザダイオードを発光光源とし、ポリゴンミラー31、fθレンズ34、シリンドリカルレンズ35及び反射ミラー32により送られてきた露光光により主走査を行う。この様に送られてきた露光光を図中の位置Aoで感光体21上に照射することにより像露光が行われ、感光体21の回転(副走査)により静電潜像が形成される。
本発明では、感光体21上に静電潜像を形成するに際、発振波長が380〜500nmの半導体レーザまたは発光ダイオードを露光光源として用い、これら露光光源からの露光光のドット径を10〜50μmに設定して露光を行うことが好ましい。露光光源の発振波長と露光ドット径が上記範囲内にあるいわゆる微細ドット光を用いた露光により、感光体21上にデジタル画像形成に対応可能な高精細なドット画像を形成することが可能になる。すなわち、発振波長と露光ドット径を上記範囲とすると、感光体21上にはたとえば1200dpi(dpi;1インチ(2.54cm)あたりのドット数)以上の高解像度の画像形成を行うことが可能になる。
また、上記露光ドット径は、当該露光ビームの強度がピーク強度の1/e2以上となる領域の主走査方向に沿った露光ビームの長さをいうものである。露光ビームの光源としては、たとえば、半導体レーザを用いた走査光学系や発光ダイオード(LED)を用いた固体スキャナー等が挙げられる。また、露光ビームの強度はガウス分布やローレンツ分布等により分布を表現することもできるが、本発明では光強度の分布を特定する必要はなく、ピーク強度の1/e2以上となる領域からなる直径が10〜50μmのドット径を形成することができればよい。
また、露光ビームとして、縦横それぞれ3本以上のレーザビーム発光点を有する面発光レーザアレイを用いると、電子写真感光体への静電潜像の書込みが迅速に行えるので、高速のプリント作製を行う上で好ましい。そして、画像形成を繰り返し行っても安定した潜像形成が可能な本発明に係る電子写真感光体上に面発光レーザアレイで露光を行うことにより、安定した画質を有するプリント物を迅速に作製することができる様になる。
感光体21上に形成された静電潜像は、現像手段23よりトナー供給を受けて現像が行われ、感光体21表面に可視像であるトナー画像が形成される。デジタル対応の高精細な画像形成を実現する上で、現像手段23により供給される現像剤は重合トナーを用いることが好ましい。すなわち、重合トナーは、その生産工程で形状や粒度分布を制御しながら作製することが行える。したがって、重合法による形状と大きさを揃えた小径トナーと、ブラッグ角16.9°、18.7°、及び、20.6°にピークを有するピランスロン化合物を含有する電子写真感光体とを併用することで、鮮鋭性に優れた高精細な画像形成を実現する。
次に、転写紙搬送部Dは、画像形成部Cで感光体21の外周に形成されたトナー画像を転写手段45により転写した用紙Pを次の定着手段50に向けて搬送するものである。転写紙搬送部Dには、画像形成ユニットの下方に異なるサイズの転写紙Pが収納された転写紙収納手段である給紙ユニット41(A)、41(B)、41(C)が設けられ、また、給紙ユニットの側方には手差し給紙を行う手差し給紙ユニット42が設けられている。これらの転写紙収納手段のいずれかより転写紙Pは選択され、案内ローラ43により搬送路40に沿って給紙される。
転写紙搬送部Dには、給紙される転写紙Pの傾きと偏りを修正する対で構成される給紙レジストローラ44が設けられ、給紙レジストローラ44により転写紙Pは一時停止を行った後再給紙される。再給紙された転写紙Pは、搬送路40、転写前ローラ43a、給紙経路46及び進入ガイド板47に案内される。
感光体21上に形成されたトナー画像は、転写位置Boにおいて転写極24及び分離極25により転写紙P上に転写される。このとき、転写紙Pは転写搬送ベルト装置45の転写搬送ベルト454に載置搬送された状態で紙面上にトナー画像の転写を受け、トナー画像が転写された転写紙Pは感光体21面より分離し、転写搬送ベルト装置45により定着手段50に向けて搬送される。
定着手段50は、定着ローラ51と加圧ローラ52とを有するもので、転写紙Pが定着ローラ51と加圧ローラ52の間を通過すると、加熱、加圧により、転写紙P上のトナー画像を定着させる。この様にして、トナー画像が転写紙P上に定着されると、転写紙Pは排紙トレイ64上に排出される。
以上の手順により、図1の画像形成装置は転写紙Pの片面にトナー画像を転写して、片面に画像を形成したプリント物を作成することができるが、転写紙Pの両面にトナー画像を転写したプリント物を作成することも可能である。
転写紙Pの両面にトナー画像を形成する場合、転写紙搬送部Dの排紙切換部材170が作動して、転写紙案内部177が開放され、片面にトナー画像を形成した転写紙Pは破線矢印の方向に搬送される。転写紙Pは、搬送機構178により下方に搬送され、転写紙反転部179でスイッチバック搬送させられ、転写紙Pの後端部だった側が先端になって両面プリント用給紙ユニット130内に搬送される。
転写紙Pは、両面複写用給紙ユニット130に設けられた搬送ガイド131を給紙方向に移動し、給紙ローラ132で転写紙Pが再度給紙されて、転写紙Pは搬送路40に案内される。そして、前述の手順により、感光体21方向に転写紙Pが搬送され、転写紙Pの裏面にもトナー画像が転写され、定着手段50で定着された後、排紙トレイ64に排紙される。この様な手順により、転写紙Pの両面にトナー画像を形成したプリント物を作成することが可能である。
また、図1に示す画像形成装置では、上記感光体21と、現像手段21、クリーニング装置26等の構成要素を一体に結合させたユニット構造のいわゆるプロセスカートリッジを形成し、これを装置本体に着脱自在に構成する方式を採ることもできる。また、プロセスカートリッジの様に全ての構成要素をユニット化するものの他に、帯電器、像露光器、現像手段23、転写又は分離装置、及び、クリーニング装置の少なくとも1つを感光体21と一体に支持した構造のカートリッジを形成し、装置本体に対して着脱自在にセット可能なユニットとすることも可能である。
本発明に係る電子写真感光体を用いた画像形成により形成されるトナー画像は、上記の様に、最終的に転写紙P上に転写され、定着工程を経て、転写紙P上に固定される。上記画像形成に使用される転写紙Pは、トナー画像を保持する支持体で、通常画像支持体、記録材あるいは転写材とも呼ばれるものである。具体的には普通紙や上質紙と呼ばれる市販のコピー用紙や、アート紙やコート紙等の塗工処理が施された印刷用紙、市販の和紙やはがき用紙、OHP用のプラスチックフィルム、布等が挙げられるが、本発明に使用可能なものはこれらに限定されるものではない。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。なお、下記文中に記載の「部」は「質量部」を表すものである。
1.ピランスロン化合物1〜9の作製
(1)ピランスロン化合物の合成
前述した合成方法の手順に基づいて反応を行うことにより、臭素原子を4個結合してなる構造のものを含有するピランスロン化合物を作製した。また、前述の反応工程で臭素の添加量を1.9質量部に変更した他は同様の手順で反応を行って、臭素原子を2つ結合してなる構造のものを含有するピランスロン化合物を作製した。さらに、前述の反応工程で臭素の添加量を3.1質量部に変更した他は同様の手順で反応を行うことで、臭素原子を3つ結合してなる構造のものを含有するピランスロン化合物を作製した。
これらの臭素原子を結合してなるピランスロン化合物を、それぞれCuKα線でX線回折測定を行ったところ、ブラッグ角16.9°、18.7°、及び、20.6°のピークは観察されなかった。なお、作製したピランスロン化合物に結合する臭素原子の数は質量分析装置でマススペクトル測定を行うことにより確認した。
(2)ピランスロン化合物の精製処理(化合物1〜7の作製)
上記臭素原子を4個結合したものを含有するピランスロン化合物に対し、昇華処理回数を変えて精製処理を行った。ここで、1回のみの昇華処理を行ったものを化合物1、2回行ったものを化合物2、3回の昇華処理を行ったものを化合物3とした。得られた化合物1〜3を用いて後述の方法により電荷発生層塗布液を調製し、無反射ガラスに乾燥後の膜厚が10μm以上となるように上記塗布液を塗布、乾燥し、CuKα線によりX線回折測定した。化合物1と化合物2はブラッグ角16.9°、18.7°、及び、20.6°にピークを有し、他にもいくつかのピークを観察した。このうち、化合物1は16.9°、18.7°、及び、20.6°のピークと他の個所でのピークの大きさに差は見られず、他の個所のピークでこれらよりも大きなところもあった。一方、化合物2は16.9°、18.7°、及び、20.6°に現れたピークが他の個所で出たピークよりも大きくなっていた。さらに、化合物3は16.9°、18.7°、及び、20.6°のピークが抜きんでて大きくなり、他のピークを目視で確認するのが困難になっていた。
また、上記臭素原子を2個結合してなるものを含有するピランスロン化合物については、化合物2と同様に2回の昇華処理を行って化合物4とした。得られた化合物4を用いて後述の方法により電荷発生層塗布液を調製し、無反射ガラスに乾燥後の膜厚が10μm以上となるように上記塗布液を塗布、乾燥し、CuKα線によりX線回折測定したところ、ブラッグ角16.9°、18.7°、及び、20.6°にピークを有し、かつ、他にも小さなピークをいくつか有することを観察した。
さらに、上記臭素原子を3個結合してなるものを含有するピランスロン化合物については、化合物2と同様に、昇華処理を2回行ったものを用意し、化合物5とした。
得られた化合物5を用いて後述の方法により電荷発生層塗布液を調製し、無反射ガラスに乾燥後の膜厚が10μm以上となるように上記塗布液を塗布、乾燥し、CuKα線によりX線回折測定したところ、ブラッグ角16.9°、18.7°、及び、20.6°にピークを有し、かつ、他にも小さなピークをいくつか有することを観察した。
(3)化合物6の作製
上記臭素原子を4個結合してなるものを含有するピランスロン化合物で1回目の昇華処理を行った後、昇華精製処理物1.0質量部をクロロ硫酸30質量部に溶解してアシッドペースティング処理を行った。アシッドペースティング処理後、処理物を氷500質量部にあけて、濾過処理を行い、洗浄液が中性になるまで水洗を繰り返し、乾燥処理を行ってアモルファス構造の化合物6を作製した。得られた化合物7を用いて後述の方法により電荷発生層塗布液を調製し、無反射ガラスに乾燥後の膜厚が10μm以上となるように上記塗布液を塗布、乾燥し、CuKα線によりX線回折測定したところ、ブラッグ角16.9°、18.7°、及び、20.6°にピークは観察されなかった。
(4)化合物7の作製
臭素原子を結合していないピランスロン化合物として、8,16−ピランスレンジオンを用意し、これに化合物3と同様に3回の昇華処理を行って化合物7を作製した。得られた化合物7を用いて後述の方法により電荷発生層塗布液を調製し、無反射ガラスに乾燥後の膜厚が10μm以上となるように上記塗布液を塗布、乾燥し、CuKα線によりX線回折測定したところ、ブラッグ角16.9°、18.7°、及び、20.6°にピークは観察されなかった。
以上の手順により、7種類のピランスロン化合物を作製した。
2.感光体1〜12の作製
以下の手順により、円筒状支持体上に、中間層、電荷発生層、電荷輸送層を順次形成してなる積層構造を有する感光体1〜12を作製した。
先ず、円筒形状のアルミニウム支持体表面を切削加工して、十点表面粗さが1.5μmの導電性支持体を用意した。
〈中間層の形成〉
上記導電性支持体上に、下記成分よりなる中間層塗布液を浸漬塗布法で塗布し、120℃の温度で30分間乾燥処理することで、乾燥膜厚が1.0μmの中間層を形成した。なお、下記中間層塗布液は、下記手順で調液を行った後、調液時に用いた混合溶媒と同じ混合溶媒で2倍に希釈し、一昼夜静置した後、濾過を行って作製したものである。濾過は、フィルタに公称濾過精度が5μmの「リジメッシュフィルタ(日本ポール社製)」を用い、50kPaの圧力の下で行ったものである。
バインダー樹脂(下記構造のポリアミド樹脂) 1.0部
Figure 0005003446
ルチル形酸化チタン(一次粒径35nm、;メチルハイドロジェンシロキサンとジメチルシロキサンとの共重合体(モル比1:1)を用い、酸化チタン全質量の5質量%の量で表面処理したもの) 3.5部
エタノール/n−プロピルアルコール/テトラヒドロフラン混合液(質量比;45/20/30) 10.0部
上記成分を混合後、サンドミル分散機を用いて10時間、バッチ式の分散処理を行って分散液を作製した後、上述した手順で中間層塗布液を作製した。
〈電荷発生層の作製〉
電荷発生物質 24.0部
ポリビニルブチラール樹脂「エスレックBL−1(積水化学社製)」 12.0部
2−ブタノン/シクロヘキサノン混合液(体積比;4/1) 300.0部
電荷発生物質として前述の化合物1〜7を用いた。
上記組成物を混合後、サンドミル分散機(ビーズ;オハラ社製ハイビーD24、充填率80%、回転数1000rpm)を用い、バッチ式にて14時間分散して電荷発生層塗布液を調製した。
この塗布液を用いて乾燥時の膜厚が0.5μmとなる様に浸漬塗布法で前記中間層上に塗布を行って電荷発生層を形成した。なお、各感光体に用いた電荷発生物質は表1に示すとおりである。
〈電荷輸送層の作製〉
電荷輸送物質 225.0部
ポリカーボネート「Z300(三菱ガス化学社製)」 300.0部
酸化防止剤「Irganox1010(日本チバガイギー社製)」 6.0部
テトラヒドロフラン/トルエン混合液(体積比;3/1) 2000.0部
シリコーンオイル「KF−54(信越化学社製)」 1.0部
電荷輸送物質として、前述のCTM−6、または、CTM−X、CTM−16、CTM−19、CTM−20、CTM−22のいずれかを用いた。上記組成物を混合し、電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を用いて乾燥時の膜厚が20μmとなる様に浸漬塗布法で前記電荷発生層上に塗布を行って電荷輸送層を形成した。なお、各感光体に使用した電荷輸送物質は表1に示すとおりである。
以上の手順により、後述する表1に示す「感光体1〜14」を作製した。
3.トナーK(黒色現像剤)の作製
(1)「樹脂粒子分散液1」の作製
撹拌装置を取り付けたフラスコに下記化合物を投入、溶解させて混合液を作製し、さらに80℃に加温した。
ペンタエリスリトールテトラステアリン酸エステル 72.0質量部
スチレン 115.1質量部
n−ブチルアクリレート 42.0質量部
メタクリル酸 10.9質量部
一方、撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を取り付けたセパラブルフラスコに、アニオン系界面活性剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム:SDS)7.08質量部をイオン交換水2760質量部に溶解させた界面活性剤溶液を投入し、窒素気流下で撹拌速度230rpmで撹拌しながら80℃に昇温させた。次いで、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス(エム・テクニック(株)製)」により、前記界面活性剤溶液(80℃)中に前記混合液(80℃)を混合分散させ、均一な分散粒子径を有する乳化粒子(油滴)が分散された乳化液を調製した。
この分散液に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)0.84質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、この系を80℃にて3時間にわたり加熱・撹拌して重合反応を行った。得られた反応溶液に、重合開始剤(KPS)7.73質量部をイオン交換水240質量部に溶解させた溶液を添加し、15分後に温度を80℃とした後、下記化合物よりなる混合液を100分間かけて滴下した。
スチレン 383.6質量部
n−ブチルアクリレート 140.0質量部
メタクリル酸 36.4質量部
n−オクチルメルカプタン 12質量部
この系を80℃で60分間にわたり加熱・撹拌させた後、40℃まで冷却することにより、ワックスを含有する樹脂粒子分散液(以下、「ラテックス(1)」という。)を作製した。
(2)「着色剤分散液K」の作製
一方、n−ドデシル硫酸ナトリウム9.2質量部をイオン交換水160質量部に撹拌溶解した。この溶液を撹拌しながら、着色剤としてカーボンブラック「モーガルL」(キャボット社製)20質量部を徐々に添加し、次いで、機械式分散機「クレアミックス」(エム・テクニック(株)製)を用いて分散処理することにより、「着色剤分散液K」を調製した。「着色剤分散液K」における着色剤粒子の粒子径を電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)で測定したところ、重量平均粒子径で120nmであった。(3)「着色粒子K」の作製
温度センサ、冷却管、撹拌装置(撹拌翼を2枚有し、交差角が20°)、形状モニタリング装置を取り付けた反応容器に、
「ラテックス(1)」 1250質量部(固形分換算)
イオン交換水 2000質量部
「着色剤分散液K」 全量
を投入し、内温を25℃に調整後、この分散液混合溶液に5mol/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10.0に調整した。
次いで、塩化マグネシウム・6水和物52.6質量部をイオン交換水72質量部に溶解した水溶液を、撹拌下25℃にて10分間かけて添加した。その後、直ちに昇温を開始し、この系を5分間かけて95℃まで昇温(昇温速度14℃/分)させた。
この状態で「マルチサイザー3(ベックマン・コールター社製)」にて凝集粒子の粒径を測定し、体積基準におけるメディアン径(D50)が6.5μmになった時点で、塩化ナトリウム115質量部をイオン交換水700質量部に溶解させた水溶液を添加して粒子成長を停止させた。さらに、液温度90℃にて8時間にわたり加熱撹拌(撹拌回転数120rpm)を行って融着を継続させて熟成処理した後、この系を10℃/分の条件で30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを3.0に調整し、撹拌を停止した。
生成した粒子を濾過し、イオン交換水で繰り返し洗浄して遠心分離装置によって液中分級処理し、その後、フラッシュジェットドライヤを用いて乾燥処理して含水率1.0質量%の「着色粒子1K」を生成した。
(4)「トナーK」の作製
上記「着色粒子K」に、数平均一次粒子径が12nm、疎水化度が65の疎水性シリカを0.8質量部、数平均一次粒子径が30nm、疎水化度が55の疎水性チタニアを0.5質量部添加し、ヘンシェルミキサーにて混合して、「トナーK」を作製した。なお、作製した「トナーK」は、体積基準におけるメディアン径(D50)が6.5μmのものであった。
さらに、上記「トナーK」に、シリコーン樹脂を被覆してなる体積基準メディアン径(D50)が45μmのフェライトキャリアを混合し、トナー濃度が6%の黒色現像剤を調製した。
4.評価実験
(1)評価その1
「感光体1〜14」の感度特性と繰り返し特性を評価するため、静電複写紙試験装置「EPA−8100(川口電機(株)製)」を用いて、以下のように評価した。
〈感度の評価〉
感光体の表面電位を−700Vになるようにコロナ帯電器で帯電し、次いでモノクロメータで分離した420nmの単色光で露光し、表面電位が−350Vまで減衰するのに必要な光量を測定し、感度(E1/2)を求めた。
同様に、380nm、500nmの単色光における感度を測定した。
〈繰り返し特性〉
初期暗部電位(Vd)及び初期明部電位(Vl)をそれぞれ−700V、−200Vに設定し、400nmの単色光を用いて帯電、露光を3000回繰り返し、Vd、Vlの変動量(ΔVd、ΔVl)を測定した。
以上の結果を表1に示す。表1中のマイナス記号は電位の低下を表し、プラス記号は電位の上昇を表す。
Figure 0005003446
表1に示す様に、本発明に該当する「感光体1〜12」は、380〜500nmという短波長光源に対し、感度及び繰り返し特性が「感光体13、14」よりも優れていることが確認された。
(2)評価その2
上記表1に示す「感光体1〜14」と前述した「黒色現像剤」を用い、基本的に図1の構成を有する市販のデジタルプリンタ「Di351(コニカミノルタビジネステクノロジーズ(株)製)」の改造機(露光光源に405nmの半導体レーザを使用)にてA4判上質紙(64g/m2)上に3000枚にわたる間欠プリント作成を行い、画像評価を行った。
ここで、間欠プリント作成とは、作成中のプリントが排紙トレイ上に搬送されたら次のプリント作成を行う様に設定したものである。プリント作成は、常温常湿環境(20℃、55%RH)下で行い、約40枚目付近及び約3000枚目付近で出力したプリント物を用いて画像評価を行った。なお、上記短波長レーザ光の露光手段として、縦方向及び横方向それぞれに3本のレーザビーム発光点を有してなる面発光レーザアレイを用いた。
画像評価は、黒ポチ発生、ドット再現性、細線再現性を評価したものである。なお、プリント時の出力画像は、細線画像(8本/mm、6本/mm、4本/mm)、ハーフトーン画像(画素濃度0.80)、白地画像、ベタ画像(画素濃度1.30)がそれぞれ1/4等分にあるA4サイズの画像(画素率に換算して7%)のものである。
〈黒ポチ〉
黒ポチ評価は、40枚目と3000枚目のプリント物上のハーフトーン画像上及び白地画像上に目視による確認が可能な大きさの黒ポチ(径0.4mm以上)が何個あるかを観察し、観察結果からA4判上での発生個数に換算した値で評価を行った。10個/A4判以下を合格とし、3個/A4判以下のものを特に良好と評価した。
〈ドット再現性〉
プリント作成中、40枚目付近及び3000枚目付近になったとき、レーザ光の露光径を変化させてプリント作成を行い、作成プリント上のハーフトーン画像を構成するドットの独立性を倍率10倍のルーペで観察して評価を行った。具体的には、書込み主査方向の露光径を10μm、21μm、50μmに変更してプリント作成を行い、38枚目と2998枚目を10μm、39枚目と2999枚目を21μm、40枚目と3000枚目を50μmに設定した。なお、露光径10μmは約2500dpiのドット数、21μmは約1200dpiのドット数、50μmは約500dpiのドット数に該当するものである。観察結果を下記ランクと照合させて評価を行い、ランクA〜Cを合格とした。
ランクA:10μm(2500dpi相当)、21μm(1200dpi相当)、50μm(500dpi相当)ともに、ハーフトーン画像を構成する各ドットが独立して形成されていることが確認され、非常に良好な高画質特性が得られた
ランクB:50μm(500dpi相当)と21μm(1200dpi相当)のハーフトーン画像では明瞭なドット独立性が確認できたが、10μm(2500dpi相当)のハーフトーン画像は各ドットの独立性が不十分だった
ランクC:50μm(500dpi相当)のハーフトーン画像ではドット独立性が明瞭に確認されたが、21μm(1200dpi相当)と10μm(2500dpi相当)のハーフトーン画像では各ドットの独立性が不十分だった
ランクD:50μm(500dpi相当)のハーフトーン画像も各ドットの独立性が不十分になっていた。
〈細線再現性〉
細線再現性は、39枚目と2999枚目のプリント物上に作成された細線画像で評価した。倍率10倍のルーペを用いて細線部を拡大し、1mm中に確認される細線数を目視で評価した。具体的には、前述した様に細線画像は、8本/mm、6本/mm、4本/mmの3種類の細線画像よりなり、各細線画像を構成する細線上にかすれや膨らみの発生があるものを不良品として判断した。6本/mm以上を合格とした。
以上の結果を表2に示す。
Figure 0005003446
表2に示す様に、本発明に該当する「電子写真感光体11、12」を用いた「実施例11、12」は、黒ポチ、ドット画像再現性、細線再現性のいずれも満足する結果が得られた。この様に、実施例の結果から本発明に係る電子写真感光体を用いることで、短波長レーザ光による画像形成が円滑に行えることが確認された。
一方、本発明外の「電子写真感光体13、14」を用いた「比較例1、2」は、黒ポチ、ドット画像形成、細線再現性のいずれかで所定の結果が得られなかった。
デジタル方式による画像形成が可能な画像形成装置の断面図である。
符号の説明
1 画像形成装置
21 感光体(電子写真感光体)
22 帯電手段
23 現像手段
26 クリーニング装置
27 光除電手段
30 像露光手段
45 転写手段
50 定着手段
A 画像読取部
B 画像処理部
C 画像形成部
D 転写紙搬送部
P 転写紙

Claims (4)

  1. 導電性支持体上に、臭素原子を結合する下記一般式(1)で表されるピランスロン化合物を電荷発生物質として含有する感光層を有する電子写真感光体であって、
    前記電荷発生物質が、臭素原子の数が異なる前記ピランスロン化合物を2種類以上含有するものであり、
    前記ピランスロン化合物は、CuKαを線源とするX線回折スペクトルにおいてブラッグ角(2θ±0.2°)16.9°、18.7°及び、20.6°にピークを示す結晶構造を有するものであることを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0005003446
  2. 前記電子写真感光体は、下記一般式(2)で表される化合物を電荷輸送物質として含有するものであることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
    Figure 0005003446
    (式中、Ar 〜Ar はそれぞれ独立して置換基を有していてもよいアリール基を表し、Ar とAr はそれぞれ独立して置換基を有していてもよいアリーレン基を表す。また、Ar とAr 、及び、Ar とAr は結合して環を形成するものであってもよい。さらに、R とR は、それぞれ独立して水素原子または置換基を有していてもよいアルキル基、アラルキル基またはアリール基を表し、R とR は結合して環を形成するものであってもよい。)
  3. 発振波長が380〜500nmで、書込みの主査方向の露光径が10〜50μmの露光手段を用いて、
    請求項1または2に記載の電子写真感光体上に露光を行うことを特徴とする画像形成方法。
  4. 前記露光手段として、縦横それぞれ3本以上のレーザビーム発光点を有する面発光レーザアレイを用いて、前記電子写真感光体上に露光を行うことを特徴とする請求項3に記載の画像形成方法。
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