JP5365267B2 - 電子写真感光体、及び、画像形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式の画像形成に使用される電子写真感光体、及び、画像形成方法に関する。
複写機やプリンターなどの電子写真方式の画像形成技術分野では、デジタル技術の進展に伴い、最近ではたとえば1200dpi(dpi;1インチ(2.54cm)あたりのドット数)レベルのドット画像再現を実現する画像形成も可能になってきた。この様な微小なドット画像形成を行う上で、半導体レーザーを露光光源として用いることは有効である。すなわち、半導体レーザーでは発振波長を短波長化することによって、スポット径を絞ることが可能である。そして、最近では発光ダイオード技術の発達により、発振波長が350〜500nmという短波長のレーザー光を実現することも可能になった。この様に、半導体レーザー技術の発展に伴って露光光源の短波長化が進み、これまで以上に小さなドット画像が形成され、電子写真画像の高解像度化に拍車をかけている。
ところで、電子写真画像の高解像度化を実現するには、上述した短波長の露光光に適した感光体の設計が必要になり、そのため、露光光により感光体上に電荷を発生させるいわゆる電荷発生物質と呼ばれる化合物の選択が重要なポイントの1つになる。そして、短波長のレーザー光に適した電荷発生物質の検討がこれまでも行われてきた。具体的には、電荷発生物質としてα型チタニルフタロシアニンを用いることにより、発振波長が400〜500nmのレーザー光に適した感光体を実現させた(たとえば、特許文献1参照)が、400nm付近の光に対して十分な機能が発現されなかった。
そこで、400nm以下の発振波長で高い感度特性を有する感光体の検討がなされ、たとえば、電荷発生物質として特定構造の多環キノン化合物やペリレン化合物を用いることにより、380〜500nmのレーザー光に対し感度特性が得られる電子写真感光体が開発された(たとえば、特許文献2参照)。
特開平9−240051号公報 特開2000−47408号公報
しかしながら、上記特許文献に記載された方法で作製した電子写真感光体を用い、350〜500nmの発振波長で画像形成を行った時、良好な画像形成が行える感光体が存在する反面、十分に画像形成が行えない感光体があった。すなわち、高い感度特性を有する感光体を安定して生産することが極めて難しいことが判明したのである。具体的には、画像形成を繰り返し行うと、それに伴って感度が低下して特に暗減衰が大きくなったのである。また、画像上でところどころに黒ポチの発生が見られた。それに伴い、発振波長が350〜500nmの短波長レーザー光で画像形成を行ったときに、高精細な画像形成がうまく行えない傾向がみられた。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたもので、発振波長が350〜500nmという短波長の露光光に対し、高い感度特性を有する電子写真感光体を安定して提供できる様にすることを目的とするものである。具体的には、発振波長が350〜500nmの範囲にあるいわゆる短波長光源による露光を行ったときに、感度低下を起こさず、また、繰り返し露光しても感光体上の暗部及び明部の電位変動がほとんどない電子写真感光体を提供することを目的とする。また、画像形成で得られたプリント画像も黒ポチ等の画像不良がなく、良好な微細ドット再現性と細線再現性を発現することが可能な電子写真感光体を提供することを目的とするものである。
上記課題は、下記に記載のいずれかの構成により解消されることが確認された。
1.導電性支持体上に、下記一般式(1)で表されるピランスロン化合物を含有する感光層を有する電子写真感光体であって、
前記ピランスロン化合物は、CuKαを線源とするX線回折スペクトルにおいて少なくともブラッグ角(2θ±0.2°)12.5°、及び、17.0°にピークを示す結晶構造を有し、かつ、ピーク強度比R(17.0°/12.5°)が1.0〜6.0の範囲であることを特徴とする電子写真感光体。
.前記感光層が、臭素原子の数が異なる前記ピランスロン化合物を2種類以上含有するものであることを特徴とする前記1に記載の電子写真感光体。
.前記ピランスロン化合物が、昇華開始温度をTs(℃)、捕集部の基板温度をTx(℃)とした時、下記式(1)を満たす昇華温度条件での昇華精製法により精製されたものであることを特徴とする前記1または2に記載の電子写真感光体。
50≦Ts−Tx≦100 式(1)
.前記電子写真感光体は、下記一般式(2)で表される化合物を電荷輸送物質として含有するものであることを特徴とする前記1〜のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
(式中、Ar1〜Ar4はそれぞれ独立して置換基を有していてもよアリール基を表し、Ar5とAr6はそれぞれ独立して置換基を有していてもよいアリーレン基を表す。
また、Ar1とAr2、及び、Ar3とAr4は結合して環を形成するものであってもよい。さらに、R1とR2は、それぞれ独立して水素原子または置換基を有していてもよいアルキル基、アラルキル基またはアリール基を表し、R1とR2は結合して環を形成するものであってもよい。)
.発振波長が350nm以上500nm以下で、書込みの主査方向の露光径が10μm以上50μm以下の露光手段を用いて、
前記1〜のいずれか1項に記載の電子写真感光体上に露光を行うことを特徴とする画像形成方法。
本発明によれば、発振波長が350〜500nmという短波長の露光光に対し、高い感度特性を有する電子写真感光体が安定して得られる様になった。つまり、本発明に係る電子写真感光体によれば、発振波長が350〜500nmの範囲にあるいわゆる短波長光源で露光を行ったとき、感度低下がほとんどなく、また、露光を繰り返しても感光体上の暗部及び明部では電位の変動がほとんどみられなかった。さらに、本発明に係る電子写真感光体を用いてプリント作成を行うことにより、黒ポチの様な画像不良を発生させず、微細なドット画像や細線画像を忠実に再現することが確認された。
デジタル方式による画像形成が可能な画像形成装置の断面図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
最初に、本発明に使用可能なピランスロン化合物について説明する。本発明に係る電子写真感光体は、CuKαを線源とするX線回折スペクトルにおいて少なくともブラッグ角(2θ±0.2°)12.5°、及び、17.0°にピークを有するピランスロン化合物を含有するものである。すなわち、本発明に使用可能なピランスロン化合物は下記一般式(1)に示す構造のものである。
以下、一般式(1)で表されるピランスロン化合物の具体例を下記に示すが、本発明に使用可能なピランスロン化合物は以下に示すもののみに限定されるものではない。
なお、一般式(1)で表されるピランスロン化合物の分子構造中の臭素原子の数は、後述するピランスロン化合物の合成例の記載にもある様に、臭素の添加量を変化させることにより制御が可能である。また、合成したピランスロン化合物分子に結合している臭素原子の数は、公知の質量分析法(Mass Spectrometry;マススペクトル法)により確認することができる。
次に、X線回折スペクトルに着いて説明する。
本発明に使用可能なピランスロン化合物は、CuKαを線源とするX線回折スペクトルにおいてブラッグ角(2θ±0.2°)12.5°、及び、17.0°にピークを示す結晶構造を有するものである。
また、好ましくは、X線回折スペクトルでのピーク強度比R(17.0°/12.5°)が1.0〜6.0の範囲であると良い。
ここで、ピークとは、X線回折スペクトル測定により作成されるスペクトルチャート上で鋭角な突出部として示されるもので、スペクトルチャート中のノイズとは、その形状が明らかに異なるものである。
なお、本発明に使用可能なピランスロン化合物は、上記ブラッグ角(2θ±0.2°)のピークに加え、他にピークを有するものであってもよい。
CuKαを線源とするX線回折スペクトルの測定方法としては、たとえば、粉末法や薄膜法等の公知の測定方法が挙げられ、これらはX線源としてCuKα(波長1.54178Å)を用いるものである。以下、X線回折スペクトルの測定方法の1つである薄膜法について説明する。
薄膜法によるX線回折スペクトル測定では、感光層自体の薄膜X線回折スペクトルが得られるメリットがある。測定方法の一例としては、感光層をガラス面上に形成し、これを測定する方法が挙げられる。以下に、感光層のCuKαを線源とするX線回折スペクトルの測定方法の手順をより具体的に説明する。
(1)測定試料の作製
無反射カバーガラスに、乾燥後の膜厚が10μm以上となる様に感光層形成用塗布液を塗布し、乾燥する。
(2)測定装置および測定条件
X線回折スペクトルを測定する測定装置としては、人工多層膜ミラーにて単色平行化したCuKα線を線源とする薄膜試料測定用のX線回折装置を用いる。たとえば、「リガクRINT2000(リガク(株))」等が挙げられる。X線回折スペクトルの測定条件は、以下のとおりである。すなわち、
X線出力電圧:50kV
X線出力電流:250mA
固定入射角(θ):1.0°
走査範囲(2θ):3〜40°
スキャンステップ幅:0.05°
入射ソーラースリット:5.0°
入射スリット:0.1mm
受光ソーラースリット0.1°
上記測定条件に設定してX線回折スペクトルの測定を行うことが可能である。
本発明に係る感光体が350〜500nmの短波長光に対し良好な感度特性を有する理由は明らかではないが、おそらく、このピランスロン化合物が塗布液中での分散性向上に寄与したためと推測される。つまり、12.5°、及び、17.0°にピークを示すピランスロン結晶は、結晶粒子間で適度な斥力が生ずることにより、この斥力の作用で結晶粒子の凝集が回避されるためと推測される。その結果、塗布液中でピランスロン化合物粒子が均一に分散できる様になったものと考えられる。
この様に、本発明は、12.5°、及び、17.0°にピークを示す結晶構造を有するピランスロン化合物を電荷発生物質に用いることで、発振波長が350〜500nmの短波長光に対し良好な感度特性が発現されることを見出した。ピランスロン化合物を電荷発生物質として用いる有機感光体の技術は、特開昭55−17105号公報や前述の特許文献2等の様に、以前より存在こそしていた。しかしながら、過去の技術は、特定の結晶構造を有するピランスロン化合物を用いることで、350〜500nmの短波長光に対して良好な感度特性を有する感光体が得られるという本発明で見出した知見を示唆するものではなかった。つまり、本発明は、ブラッグ角12.5°、及び、17.0°にピークを有する結晶構造のピランスロン化合物が前述した効果を奏する性質を有するものであることをはじめて見出した発明といえる。
本発明に用いられるピランスロン化合物は、たとえば、以下の手順により作製することができるものである。
(1)先ず、公知の合成方法によりアモルファス状態のピランスロン化合物を合成する。(2)次に、昇華による精製法を用いて前記ピランスロン化合物を処理することにより、目標とする12.5°及び、17.0°にピークを有するピランスロン化合物が得られる。昇華精製方法には、多段昇華精製や分別昇華精製といった方法等が挙げられる。
ピランスロン化合物を精製する際、精製工程を複数回にわたり繰り返し行うほど、12.5°及び、17.0°ピークを有するピランスロン化合物の含有量が増大してその純度が高まるが、通常の精製条件下においては、精製工程を繰り返すほど、ピーク強度比R(17.0°/12.5°)は好ましい領域(1.0〜6.0)から外れていく。これは12.5°と17.0°のピークはそれぞれピランスロン化合物の異なる結晶構造に帰属されるものであり、精製を繰り返すことにより、特定の偏った結晶構造を形成する様になるためと推測される。
本発明に用いられるピランスロン化合物を得る為には、昇華精製の条件として、原料ピランスロン化合物の昇華開始温度Ts(℃)と昇華した精製後のピランスロン化合物を捕集部の基板温度Tx(℃)を下記式(1)に従って精製することが好ましい。
50≦Ts−Tx≦100 式(1)
昇華開始温度Tsは、昇華精製装置の形状、及び真空度によって変化する。
この条件に合うようにTs、及びTxを設定すると、本発明に用いられるCuKαを線源とするX線回折スペクトルにおいて少なくともブラッグ角(2θ±0.2°)12.5°、及び、17.0°にピークを示す結晶構造を有するピランスロン化合物を、容易に得ることができる。
本発明に使用可能な前記一般式(1)で表されるピランスロン化合物を得るために最初に行うピランスロン化合物の合成方法は、特に限定されるものではないが、以下にその代表的な合成例を挙げる。
先ず、8,16−ピランスレンジオン5.0質量部とヨウ素0.25質量部をクロロ硫酸50質量部に溶解させておき、これに、臭素5.9質量部を滴下する。滴下終了後、反応系を70℃に昇温させた後、5時間の加熱撹拌を行って反応処理を行う。5時間の反応処理を終えたら、反応系を室温まで冷却し、500質量部の氷に反応系をあける。さらに、ろ過処理を行った後、洗浄液が中性になるまで水洗を繰り返し、乾燥処理することにより本発明で用いられるピランスロン化合物が得られる。
なお、上記ピランスロン化合物を質量分析法で測定したところ、臭素原子を4個結合してなる構造のものを含有するものであった。また、上記ピランスロン化合物を、CuKα線によりX線回折観察を行ったところ、12.5°及び、17.0°にピークを確認することはできなかった。
また、ピランスロン化合物に結合する臭素原子の数を制御するために、上記反応工程で臭素の添加量を1.5質量部に変更した他は同様の手順で反応させたところ、臭素原子が1つ結合してなる構造のものを含有するピランスロン化合物が得られた。また、臭素の添加量を9.0質量部に変更して他は同様の手順で反応させたところ、臭素原子が6つ結合してなる構造のものを含有するピランスロン化合物が得られた。また、臭素の添加量を4.5質量部に変更して他は同様に反応させたところ、臭素原子が3つ結合してなる構造のものを含有するピランスロン化合物が得られた。さらに、上記反応工程で臭素の添加量を7.5質量部に変更した他は同様に反応させると、臭素原子が5個結合してなる構造のものを含有するピランスロン化合物が得られた。この様に、上記合成例で、反応時に添加する臭素の量を変化させることにより、ピランスロン化合物に結合させる臭素原子数を制御することができる。
次に、上記合成例で作製したピランスロン化合物の精製方法について説明する。本発明に使用される12.5°及び、17.0°にピークを示すピランスロン化合物は精製工程を繰り返すことにより作製される。上記合成例で作製されたピランスロン化合物も精製により上記結晶構造を有するピランスロン化合物になる。精製方法の具体例としては、たとえば、多段昇華精製法や分別昇華精製法といった昇華法による精製法等が挙げられる。そのとき、昇華開始温度をTs(℃)、捕集部の基板温度をTx(℃)とした時、50≦Ts−Tx≦100を満たす温度条件で捕集するように設定する。
次に、本発明に係る電子写真感光体の構成について説明する。本発明に係る電子写真感光体は、一般式(1)で表されるピランスロン化合物を電荷発生物質として含有する。また、本発明に係る電子写真感光体は、電荷発生機能と電荷輸送機能の少なくとも一方の機能を有する有機化合物を含有することにより発現させるもので、いわゆる有機感光体と呼ばれる範疇のものである。
本発明に係る電子写真感光体は、導電性支持体上に電荷発生物質として前述のピランスロン化合物を含有する感光層を有するものであり、その中でも、感光層が電荷発生層や電荷輸送層を順次積層されたいわゆる積層構造を有するものが好ましい。さらに、導電性支持体と感光層の間に中間層を設けるものが好ましく、また、感光層上に表面保護層を有する構成のものがさらに好ましい。
以下、本発明に係る電子写真感光体を構成する導電性支持体、中間層、感光層について、好ましい具体例を挙げて説明する。
(1)導電性支持体
本発明に係る感光体に使用可能な導電性支持体としては、たとえば、シート状あるいは円筒状の形状を有する導電性支持体が挙げられる。
円筒状の導電性支持体は、感光体の回転により感光体上にエンドレスに画像形成が行えるもので、その円筒度は5〜40μmが好ましく、7〜30μmがより好ましい。ここで、円筒度とはJIS規格(B0621−1984)により規定されるものである。すなわち、円筒基体を2つの同軸の幾何学的円筒で挟んだとき、同軸2円筒の間隔が最小となる位置を半径の差で表したもので、本発明では該半径の差をμmで表す。
円筒度は、円筒状基体の両端10mmの2点、中心部、両端と中心部の間を3等分した点の4点の、合計7点における真円度を測定することにより求められる。円筒度を測定する測定装置としては、たとえば、「非接触万能ロール径測定機((株)ミツトヨ製)」等が挙げられる。
導電性支持体の材質としては、アルミニウムやニッケル等の金属ドラムの他に、アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウム等を蒸着させたプラスチックドラム、導電性物質を塗布した紙製あるいはプラスチックドラムが挙げられる。導電性支持体の電気特性は、常温下での比抵抗が10Ωcm以下となることが好ましい。
また、導電性支持体表面に封孔処理を施してアルマイト膜を形成した導電性支持体を用いることも可能である。アルマイト処理は、通常はクロム酸や硫酸、シュウ酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸等の酸性浴中で行われるものであるが、その中でも、硫酸を用いての陽極酸化処理を施したものが最も好ましいものである。硫酸中で陽極酸化処理を行う場合、硫酸濃度を100〜200g/リットル、アルミニウムイオン濃度を1〜10g/リットル、液温を20℃前後、印加電圧を約20Vに設定して行うことが好ましいが、この条件に限定されるものではない。また、形成する陽極酸化被膜の平均膜厚を通常20μm以下、特に10μm以下にすることが好ましい。
(2)中間層
本発明に係る電子写真感光体では、導電性支持体と感光層の間に中間層を設けることも可能である。中間層を設ける場合、中間層中にN型半導電性粒子を含有させることが好ましい。N型半導電性粒子とは、主たる電荷キャリアが電子となる性質を有する粒子のことである。すなわち、主たる電荷キャリアが電子であることから、N型半導性粒子を用いた中間層は、基体からのホール注入を効率的にブロックし、また、感光層からの電子に対してブロッキング性が少なくなる性質を有する。具体的なN型半導電性粒子としては、酸化チタン(TiO)や酸化亜鉛(ZnO)等があり、特に酸化チタンが好ましい。
N型半導電性粒子は、数平均一次粒子径が3〜200nmの範囲の大きさの粒子が用いられ、特に、5nm〜100nmの粒子が好ましい。数平均一次粒子径とは、N型半導電性粒子を透過型電子顕微鏡観察したときに10000倍に拡大した画像よりランダムに100個の粒子を一次粒子として観察し、画像解析によりフェレ方向平均径を測定値としたものである。N型半導電性粒子の数平均一次粒径が3nm未満になると、中間層を構成するバインダ中でN型半導性粒子が均一分散しにくくなるため、粒子が凝集し易くなり、その結果、凝集粒子が電荷トラップとなって転写メモリを発生させ易くする。
一方、数平均一次粒径が200nmよりも大きくなると、N型半導電性粒子により中間層表面に凹凸が発生する様になり、この凹凸を介して画像ムラが発生し易くなる。また、数平均一次粒径が200nmよりも大きくなると、N型半導電性粒子が分散液中で沈澱しやすくなり、その結果、画像ムラを発生させる原因となる。
前記酸化チタン粒子は、結晶形としては、アナターゼ形、ルチル形、ブルッカイト形等が挙げられるが、この中でもルチル形またはアナターゼ形の酸化チタン粒子は、中間層を通過する電荷の整流性の向上に効果を有する。すなわち、電子の移動性を高め、帯電電位を安定させる作用を有するので、残留電位の増大が防止されて、高密度のドット画像形成に貢献することができる。
本発明に係る電子写真感光体に中間層を形成する場合、中間層塗布液を作製してこれを塗布する方法が主に採られるが、中間層塗布液中には前記表面処理酸化チタン等のN型半導電性粒子の他にバインダ樹脂や分散溶媒が含有される。
N型半導電性粒子の中間層中における比率は、中間層のバインダ樹脂との体積比(バインダ樹脂の体積を1とすると)で1.0〜2.0倍が好ましい。中間層中での比率をこの様に高密度にすることで、中間層の整流性が向上し、膜厚が厚くなっても残留電位の上昇や転写メモリの発生を起こしにくくなる。したがって、黒ポチの発生を効果的に防止し、電位変動を小さく抑えることができる。
(3)感光層
(a)電荷発生層
本発明に係る電子写真感光体では、電荷発生物質として前記一般式(1)で表されるピランスロン化合物が用いられる。また、本発明では、電荷発生物質として、上記ピランスロ化合物の他に公知の電荷発生物質を併用することも可能である。
電荷発生層を構成するバインダとしては、公知の樹脂が使用可能であるが、たとえば、ホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が最も好ましい樹脂として挙げられる。バインダ樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダ樹脂100質量部に対し電荷発生物質を20〜600質量部にすることが好ましい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用に伴う残留電位の増加を抑制することができる。なお、電荷発生層の膜厚は0.3μm〜2μmが好ましい。
(b)電荷輸送層
電荷輸送層は、電荷輸送物質(CTM)及び電荷輸送物質を分散し製膜するバインダ樹脂より構成されるものである。電荷輸送層中には、上記構成物の他に、必要に応じて酸化防止剤等の添加剤を含有することも可能である。
電荷輸送物質(CTM)には、発振波長が350〜500nmの領域のレーザー光の吸収が小さく、かつ、高い電荷輸送能を有する有機化合物が好ましい。また、電荷輸送層を複数の電荷輸送層から構成するものにしてもよい。
本発明では、電荷輸送物質として下記一般式(2)で表される化合物を1種以上用いることが好ましい。
なお、式中のAr〜Arはそれぞれ独立して置換基を有していてもよりアリール基を表し、ArとArはそれぞれ独立して置換基を有していてもよいアリーレン基を表す。また、ArとAr、及び、ArとArは結合して環を形成するものであってもよい。さらに、RとRは、それぞれ独立して水素原子または置換基を有していてもよいアルキル基、アラルキル基またはアリール基を表し、RとRは結合して環を形成してもよい。
上記一般式(2)で表される化合物の中でも、ArとArがそれぞれ置換基を有してもよいフェニル基となる下記一般式(3)で表される化合物が好ましい。
上記一般式(3)では、RとRは、それぞれ独立して、アルキル基またはアリール基を表し、RとRが一体となって環構造を形成するものでもよい。RとRは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基またはアリール基を表すものである。なお、Ar〜Arは上記一般式(2)で表される化合物と同じである。なお、式中のm、nは1〜4の整数を表すものである。
前記一般式(3)で表される化合物の具体例を以下に示す。
一般式(3)で表される化合物は公知の合成方法により作製することが可能である。
本発明に係る電子写真感光体に使用可能な電荷輸送物質(CTM)としては、一般式(2)あるいは(3)で表される化合物の他に、公知の正孔輸送性(P型)の電荷輸送物質(CTM)を用いることが可能である。たとえば、トリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物等が挙げられる。これらの電荷輸送物質を用いた電荷輸送層は、通常、適当なバインダ樹脂中にこれらの電荷輸送物質を溶解させ、溶解させた塗布液を用いて層形成を行うことができる。上記電荷輸送物質は、発振波長が350〜500nmの領域のレーザー光の吸収が小さく、かつ、高い電荷輸送能を有するものが好ましく用いられ、その中でも、前述の一般式(2)あるいは(3)で表される化合物が特に好ましい。
電荷輸送層に使用可能なバインダ樹脂としては、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂のいずれの樹脂でもよい。バインダ樹脂の具体例としては、たとえば、熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリメタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等のビニル系重合体よりなる樹脂が挙げられる。また、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂等の縮合系の高分子材料もある。また、熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂等が挙げられ、これらの樹脂の他にシリコーン樹脂も使用可能である。また、これらの樹脂を構成する繰り返し単位構造のうち2つ以上の繰り返し単位構造を有する共重合体樹脂やこれらの樹脂を2種類以上併用するいわゆるポリマーブレンドと呼ばれる樹脂等もある。さらに、これらの樹脂の他に、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体がある。これらの中でも、吸水率が小さく、電荷輸送物質を均一に分散させるとともに、良好な電子写真特性を発現するポリカーボネート樹脂が最も好ましい。
バインダ樹脂と電荷輸送物質との割合は、バインダ樹脂100質量部に対し電荷輸送物質を50〜200質量部とすることが好ましい。また、電荷輸送層の暑さは合計で30μm以下とすることが好ましく、10〜25μmとすることが特に好ましい。当該膜厚が30μmを超えると、電荷輸送層内で短波長レーザーが吸収、散乱し易くなるので、形成画像の鮮鋭性が低下することになり、高解像の画像形成に不利である。また、残留電位の増大が起こり易くなるので、繰り返しの画像形成が不利になる。
次に、本発明に係る電子写真感光体を用いて実施可能な画像形成の説明を行う。本発明では、ブラッグ角12.5°及び、17.0°にピークを示すピランスロン化合物を電荷発生物質に用いることで、発振波長350〜500nmの露光光による良好な画像形成を実現する。この様に、従来技術では良好な像形成が困難とされていた発振波長が350〜500nmの短波長露光光源で良好なトナー画像形成が行えることを見出している。
以下、本発明に係る電子写真感光体が搭載可能な画像形成装置について説明する。
図1は、本発明の一実施の形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図である。
このカラー画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、4組の画像形成部(画像形成ユニット)10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7と、給紙搬送手段21及び定着手段24とから成る。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Yの周囲に配置された帯電手段(帯電工程)2Y、露光手段(露光工程)3Y、現像手段(現像工程)4Y、一次転写手段(一次転写工程)としての一次転写ローラ5Y、クリーニング手段6Yを有する。マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1M、帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M、一次転写手段としての一次転写ローラ5M、クリーニング手段6Mを有する。シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1C、帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C、一次転写手段としての一次転写ローラ5C、クリーニング手段6Cを有する。黒色画像を形成する画像形成部10Bkは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Bk、帯電手段2Bk、露光手段3Bk、現像手段4Bk、一次転写手段としての一次転写ローラ5Bk、クリーニング手段6Bkを有する。
前記4組の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkを中心に、回転する帯電手段2Y、2M、2C、2Bkと、像露光手段3Y、3M、3C、3Bkと、回転する現像手段4Y、4M、4C、4Bk、及び、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkをクリーニングするクリーニング手段5Y、5M、5C、5Bkより構成されている。
感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkには、本発明に係る電子写真感光体であるブラッグ角12.5°、及び、17.0°にピークを有するピランスロン化合物が電荷発生物質として使用され、感光体ドラム1Yは画像形成時に図示方向、すなわち、反時計方向に駆動回転するものである。
前記画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体1Y、1M、1C、1Bkにそれぞれ形成するトナー画像の色が異なるだけで、同じ構成であり、画像形成ユニット10Yを例にして詳細に説明する。
画像形成ユニット10Yは、像形成体である感光体ドラム1Yの周囲に、帯電手段2Y(以下、単に帯電手段2Y、あるいは、帯電器2Yという)、露光手段3Y、現像手段4Y、クリーニング手段5Y(以下、単にクリーニング手段5Y、あるいは、クリーニングブレード5Yという)を配置し、感光体ドラム1Y上にイエロー(Y)のトナー画像を形成するものである。また、本実施の形態においては、この画像形成ユニット10Yのうち、少なくとも感光体ドラム1Y、帯電手段2Y、現像手段4Y、クリーニング手段5Yを一体化するように設けている。
帯電手段2Yは、感光体ドラム1Yに対して一様な電位を与える手段であって、本実施の形態においては、感光体ドラム1Yにコロナ放電型の帯電器2Yが用いられている。
像露光手段3Yは、帯電器2Yによって一様な電位を与えられた感光体ドラム1Y上に、画像信号(イエロー)に基づいて露光を行い、イエローの画像に対応する静電潜像を形成する手段であって、この露光手段3Yとしては、感光体ドラム1Yの軸方向にアレイ状に発光素子を配列した発光ダイオード(LED)と結像素子(商品名;セルフォックレンズ)とから構成されるもの、あるいは、半導体レーザー光学系などが用いられる。
本発明では、感光体ドラム1Y上に静電潜像を形成するに際、発振波長が350〜500nmの半導体レーザーまたは発光ダイオードを露光光源として用い、これら露光光源からの露光光のドット径を10〜50μmに設定して露光を行うことが好ましい。露光光源の発振波長と露光ドット径が上記範囲内にあるいわゆる微細ドット光を用いた露光により、感光体21上にデジタル画像形成に対応可能な高精細なドット画像を形成することが可能になる。すなわち、発振波長と露光ドット径を上記範囲とすると、感光体ドラム1Y上にはたとえば1200dpi(1インチあたりのドット数(1インチは2.54cm))以上の高解像度の画像形成を行うことが可能になる。
また、上記露光ドット径は、当該露光ビームの強度がピーク強度の1/e以上となる領域の主走査方向に沿った露光ビームの長さをいうものである。露光ビームの強度はガウス分布やローレンツ分布等により分布を表現することもできるが、本発明では光強度の分布を特定する必要はなく、ピーク強度の1/e以上となる領域からなる直径が10〜50μmのドット径を形成することができればよい。
また、露光ビームとして、縦横それぞれ3本以上のレーザービーム発光点を有する面発光レーザーアレイを用いると、電子写真感光体への静電潜像の書込みが迅速に行えるので、高速のプリント作製を行う上で好ましい。そして、画像形成を繰り返し行っても安定した潜像形成が可能な本発明に係る電子写真感光体上に面発光レーザーアレイで露光を行うことにより、安定した画質を有するプリント物を迅速に作製することができる様になる。
感光体ドラム1Y上に形成された静電潜像は、現像手段4Yよりトナー供給を受けて現像が行われ、感光体ドラム1Y表面に可視像であるトナー画像が形成される。デジタル対応の高精細な画像形成を実現する上で、現像手段4Yにより供給される現像剤は重合トナーを用いることが好ましい。すなわち、重合トナーは、その生産工程で形状や粒度分布を制御しながら作製することが行える。したがって、重合法による形状と大きさを揃えた小径トナーと、ブラッグ角12.5°、及び、17.0°にピークを有するピランスロン化合物を含有する電子写真感光体とを併用することで、鮮鋭性に優れた高精細な画像形成を実現する。
本発明の画像形成装置としては、上述の感光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)として一体に結合して構成し、この画像形成ユニットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及びクリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)を形成し、装置本体に着脱自在の単一画像形成ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
無端ベルト状中間転写体ユニット7は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持された半導電性エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端ベルト状中間転写体70を有する。
画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkより形成された各色の画像は、一次転写手段としての一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bkにより、回動する無端ベルト状中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された転写材(定着された最終画像を担持する支持体:例えば普通紙、透明シート等)としての転写材Pは、給紙手段21により給紙され、複数の中間ローラ22A、22B、22C、22D、レジストローラ23を経て、二次転写手段としての二次転写ローラ5bに搬送され、転写材P上に二次転写してカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された転写材Pは、定着手段24により定着処理され、排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。ここで、中間転写体や転写材等の感光体上に形成されたトナー画像の転写支持体を総称して転写媒体と云う。
一方、二次転写手段としての二次転写ローラ5bにより転写材Pにカラー画像を転写した後、転写材Pを曲率分離した無端ベルト状中間転写体70は、クリーニング手段6bにより残留トナーが除去される。
画像形成処理中、一次転写ローラ5Bkは常時、感光体1Bkに当接している。他の一次転写ローラ5Y、5M、5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y、1M、1Cに当接する。
二次転写ローラ5bは、ここを転写材Pが通過して二次転写が行われる時にのみ、無端ベルト状中間転写体70に当接する。
また、装置本体Aから筐体8を支持レール82L、82Rを介して引き出し可能にしてある。
筐体8は、画像形成部10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7とから成る。
画像形成部10Y、10M、10C、10Bkは、垂直方向に縦列配置されている。感光体1Y、1M、1C、1Bkの図示左側方には無端ベルト状中間転写体ユニット7が配置されている。無端ベルト状中間転写体ユニット7は、ローラ71、72、73、74を巻回して回動可能な無端ベルト状中間転写体70、一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bk、及びクリーニング手段6bとから成る。
次に図3は本発明の有機感光体を用いたカラー画像形成装置(少なくとも有機感光体の周辺に帯電手段、露光手段、複数の現像手段、転写手段、クリーニング手段及び中間転写体を有する複写機あるいはレーザビームプリンタ)の構成断面図である。ベルト状の中間転写体70は中程度の抵抗の弾性体を使用している。
1は像形成体として繰り返し使用される回転ドラム型の感光体であり、矢示の反時計方向に所定の周速度をもって回転駆動される。
感光体1は回転過程で、帯電手段(帯電工程)2により所定の極性・電位に一様に帯電処理され、次いで不図示の像露光手段(像露光工程)3により画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザービームによる走査露光光等による画像露光を受けることにより目的のカラー画像のイエロー(Y)の色成分像(色情報)に対応した静電潜像が形成される。
次いで、その静電潜像がイエロー(Y)の現像手段:現像工程(イエロー色現像器)4Yにより第1色であるイエロートナーにより現像される。この時第2〜第4の現像手段(マゼンタ色現像器、シアン色現像器、ブラック色現像器)4M、4C、4Bkの各現像器は作動オフになっていて感光体1には作用せず、上記第1色目のイエロートナー画像は上記第2〜第4の現像器により影響を受けない。
中間転写体70はローラ79a、79b、79c、79d、79eで張架されて時計方向に感光体1と同じ周速度をもって回転駆動されている。
感光体1上に形成担持された上記第1色目のイエロートナー画像が、感光体1と中間転写体70とのニップ部を通過する過程で、1次転写ローラ5aから中間転写体70に印加される1次転写バイアスにより形成される電界により、中間転写体70の外周面に順次中間転写(1次転写)されていく。
中間転写体70に対応する第1色のイエロートナー画像の転写を終えた感光体1の表面は、クリーニング装置6aにより清掃される。
以下、同様に第2色のマゼンタトナー画像、第3色のシアントナー画像、第4色のクロ(ブラック)トナー画像が順次中間転写体70上に重ね合わせて転写され、目的のカラー画像に対応した重ね合わせカラートナー画像が形成される。
2次転写ローラ5bで、2次転写対向ローラ79bに対応し平行に軸受させて中間転写体70の下面部に離間可能な状態に配設してある。
感光体1から中間転写体70への第1〜第4色のトナー画像の順次重畳転写のための1次転写バイアスはトナーとは逆極性で、バイアス電源から印加される。その印加電圧は、例えば+100V〜+2kVの範囲である。
感光体1から中間転写体70への第1〜第3色のトナー画像の1次転写工程において、2次転写ローラ5b及び中間転写体クリーニング手段6bは中間転写体70から離間することも可能である。
ベルト状の中間転写体70上に転写された重ね合わせカラートナー画像の第2の画像担持体である転写材Pへの転写は、2次転写ローラ5bが中間転写体70のベルトに当接されると共に、対の給紙レジストローラ23から転写紙ガイドを通って、中間転写体70のベルトに2次転写ローラ5bとの当接ニップに所定のタイミングで転写材Pが給送される。2次転写バイアスがバイアス電源から2次転写ローラ5bに印加される。この2次転写バイアスにより中間転写体70から第2の画像担持体である転写材Pへ重ね合わせカラートナー画像が転写(2次転写)される。トナー画像の転写を受けた転写材Pは定着手段24へ導入され加熱定着される。
本発明に用いられる画像形成装置は電子写真複写機、レーザプリンター、LEDプリンター及び液晶シャッター式プリンター等の電子写真装置一般に適応するが、更に、電子写真技術を応用したディスプレー、記録、軽印刷、製版及びファクシミリ等の装置にも幅広く適用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。なお、下記文中に記載の「部」は「質量部」を表すものである。
(1)ピランスロン化合物の合成
前述した合成方法の手順に基づいて反応を行うことにより、臭素原子を4個結合してなる構造のものを含有するピランスロン化合物Aを作製した。また、前述の反応工程で臭素の添加量を4.5質量部に変更した他は同様の手順で反応を行って、臭素原子を3つ結合してなる構造のものを含有するピランスロン化合物Bを作製した。さらに、前述の反応工程で臭素の添加量を7.5質量部に変更した他は同様の手順で反応を行うことで、臭素原子を5個結合してなる構造のものを含有するピランスロン化合物Cを作製した。
これらの臭素原子を結合してなるピランスロン化合物を、それぞれCuKα線でX線回折測定を行ったところ、ブラッグ角12.5°及び、17.0°のピークは観察されなかった。なお、作製したピランスロン化合物に結合する臭素原子の数は市販の質量分析装置でマススペクトル測定を行うことにより確認した。
(2)ピランスロン化合物の精製処理
(実施例化合物1の作製)
上記臭素原子を4個結合したものを含有するピランスロン化合物Aに対し、以下の条件で精製処理を行い、目的とする実施例化合物1を得た。
真空度:0.4〜1.1×10−2Pa
昇華開始温度Ts:460℃
捕集部の基板温度Tx:360℃
得られた実施例化合物1についてCuKα線によりX線回折スペクトルを測定したところ、ブラッグ角12.5°及び、17.0°にピークを有し、他にもいくつかのピークを観察した。またそれぞれのピーク強度からピーク強度比R(17.0°/12.5°)を算出し、R=1.0が得られた。
(実施例化合物2〜11の作製)
精製前のピランスロン化合物、及び昇華開始温度Ts、捕集部の基板温度Txを表1に示す条件にて精製を行うほかは実施例化合物1の作製と条件を同じくして、実施例化合物2〜11を作製した。
(比較例化合物12の作製)
上記実施例化合物10の条件において、昇華精製を3回繰り返し、比較例化合物12を作製した。CuKα線によりX線回折スペクトルを測定したところ、ブラッグ角12.5°にピークを有し、他にもいくつかのピークを観察したが、17.0°にピーク角を認めることはできなかった。
(比較例化合物13の作製)
上記実施例化合物9の条件において、昇華精製を3回繰り返し、比較例化合物13を作製した。CuKα線によりX線回折スペクトルを測定したところ、ブラッグ角17.0°にピークを有し、他にもいくつかのピークを観察したが、12.5°にピーク角を認めることはできなかった。
以上の手順により、13種類のピランスロン化合物を作製した。
2.「感光体1〜13」の作製
以下の手順により、円筒状支持体上に、中間層、電荷発生層、電荷輸送層を順次形成してなる積層構造を有する「感光体1〜13」を作製した。
先ず、円筒形状のアルミニウム支持体表面を切削加工して、十点表面粗さが1.5μmの導電性支持体を用意した。
〈中間層の形成〉
上記導電性支持体上に、下記成分よりなる中間層塗布液を浸漬塗布法で塗布し、120℃の温度で30分間乾燥処理することで、乾燥膜厚が1.0μmの中間層を形成した。なお、下記中間層塗布液は、下記手順で調液を行った後、調液時に用いた混合溶媒と同じ混合溶媒で2倍に希釈し、一昼夜静置した後、ろ過を行って作製したものである。ろ過は、フィルタに公称濾過精度が5μmの「リジメッシュフィルタ(日本ポール社製)」を用い、50kPaの圧力の下で行ったものである。
バインダ樹脂(下記構造のポリアミド樹脂) 1.0部
ルチル形酸化チタン(1次粒径35nm、;メチルハイドロジェンシロキサンとジメチルシロキサンとの共重合体(モル比1:1)を用い、酸化チタン全質量の5質量%の量で表面処理したもの) 3.5部
エタノール/n−プロピルアルコール/テトラヒドロフラン混合液(質量比;45/20/30) 10.0部
上記成分を混合後、サンドミル分散機を用いて10時間、バッチ式の分散処理を行って分散液を作製した後、上述した手順で中間層塗布液を作製した。
〈電荷発生層の作製〉
電荷発生物質 24.0部
ポリビニルブチラール樹脂「エスレックBL−1(積水化学社製)」 12.0部
2−ブタノン/シクロヘキサノン混合液(体積比;4/1) 300.0部
電荷発生物質として前述の実施例化合物1〜11、及び比較例化合物12,13を用いた。上記組成物を混合後、サンドミル分散機を用いて分散処理を行って電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を用いて乾燥時の膜厚が0.5μmとなる様に浸漬塗布法で前記中間層上に塗布を行って電荷発生層を形成した。なお、各感光体に用いた電荷発生物質は表2に示すとおりである。
〈電荷輸送層の作製〉
電荷輸送物質 225.0部
ポリカーボネート「Z300(三菱ガス化学社製)」 300.0部
酸化防止剤「Irganox1010(日本チバガイギー社製)」 6.0部
テトラヒドロフラン/トルエン混合液(体積比;3/1) 2000.0部
シリコンオイル「KF−54(信越化学社製)」 1.0部
電荷輸送物質として、下記に示すCTM−1、または、CTM−2のいずれかを用いた。上記組成物を混合後、サンドミル分散機を用いて分散処理を行って電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を用いて乾燥時の膜厚が20μmとなる様に浸漬塗布法で前記電荷発生層上に塗布を行って電荷輸送層を形成した。なお、各感光体に使用した電荷輸送物質は表1に示すとおりである。
以上の手順により、後述する表2に示す「感光体1〜13」を作製した。なお、上記「感光体1〜13」は、前記円筒形状のアルミニウム支持体を用いたものの他に、後述する「EPA−8100」による感度評価等用にアルミニウムを蒸着させたポリエチレンテレフタレートフィルム上に前述の層を形成したシート状の感光体も用意した。
3.トナーK(黒色現像剤)の作製
(1)「樹脂粒子分散液1」の作製
撹拌装置を取り付けたフラスコに下記化合物を投入、溶解させて混合液を作製し、さらに80℃に加温した。
ペンタエリスリトールテトラステアリン酸エステル 72.0質量部
スチレン 115.1質量部
n−ブチルアクリレート 42.0質量部
メタクリル酸 10.9質量部
一方、撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を取り付けたセパラブルフラスコに、アニオン系界面活性剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム:SDS)7.08質量部をイオン交換水2760質量部に溶解させた界面活性剤溶液を投入し、窒素気流下で撹拌速度230rpmで撹拌しながら80℃に昇温させた。次いで、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス(エム・テクニック(株)製)」により、前記界面活性剤溶液(80℃)中に前記混合液(80℃)を混合分散させ、均一な分散粒子径を有する乳化粒子(油滴)が分散された乳化液を調製した。
この分散液に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)0.84質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、この系を80℃にて3時間にわたり加熱・撹拌して重合反応を行った。得られた反応溶液に、重合開始剤(KPS)7.73質量部をイオン交換水240質量部に溶解させた溶液を添加し、15分後に温度を80℃とした後、下記化合物よりなる混合液を100分間かけて滴下した。
スチレン 383.6質量部
n−ブチルアクリレート 140.0質量部
メタクリル酸 36.4質量部
n−オクチルメルカプタン 12質量部
この系を80℃で60分間にわたり加熱・撹拌させた後、40℃まで冷却することにより、ワックスを含有する樹脂粒子分散液(以下、「ラテックス(1)」という。)を作製した。
(2)「着色剤分散液K」の作製
一方、n−ドデシル硫酸ナトリウム9.2質量部をイオン交換水160質量部に撹拌溶解した。この溶液を撹拌しながら、着色剤としてカーボンブラック「モーガルL」(キャボット社製)20質量部を徐々に添加し、次いで、機械式分散機「クレアミックス」(エム・テクニック(株)製)を用いて分散処理することにより、「着色剤分散液K」を調製した。「着色剤分散液K」における着色剤粒子の粒子径を電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)で測定したところ、重量平均粒子径で120nmであった。
(3)「着色粒子K」の作製
温度センサ、冷却管、撹拌装置(撹拌翼を2枚有し、交差角が20°)、形状モニタリング装置を取り付けた反応容器に、
「ラテックス(1)」 1250質量部(固形分換算)
イオン交換水 2000質量部
「着色剤分散液K」 全量
を投入し、内温を25℃に調整後、この分散液混合溶液に5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10.0に調整した。
次いで、塩化マグネシウム・6水和物52.6質量部をイオン交換水72質量部に溶解した水溶液を、撹拌下25℃にて10分間かけて添加した。その後、直ちに昇温を開始し、この系を5分間かけて95℃まで昇温(昇温速度14℃/分)させた。
この状態で「マルチサイザー3(ベックマン・コールター社製)」にて凝集粒子の粒径を測定し、体積基準メディアン径(D50)が6.5μmになった時点で、塩化ナトリウム115質量部をイオン交換水700質量部に溶解させた水溶液を添加して粒子成長を停止させた。さらに、液温度90℃にて8時間にわたり加熱撹拌(撹拌回転数120rpm)を行って融着を継続させて熟成処理した後、この系を10℃/分の条件で30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを3.0に調整し、撹拌を停止した。
生成した粒子を濾過し、イオン交換水で繰り返し洗浄して遠心分離装置によって液中分級処理し、その後、フラッシュジェットドライヤを用いて乾燥処理して含水率1.0質量%の「着色粒子1K」を生成した。
(4)「トナーK」の作製
上記「着色粒子K」に、数平均一次粒子径が12nm、疎水化度が65の疎水性シリカを0.8質量部、数平均一次粒子径が30nm、疎水化度が55の疎水性チタニアを0.5質量部添加し、ヘンシェルミキサーにて混合して、「トナーK」を作製した。なお、作製した「トナーK」は、体積基準メディアン径(D50)が6.5μmのものであった。
さらに、上記「トナーK」に、シリコーン樹脂を被覆してなる体積基準メディアン径(Dv50)が45μmのフェライトキャリアを混合し、トナー濃度が6%の黒色現像剤を調製した。
4.評価実験
(1)評価その1
上記表1に示す「感光体1〜13」と前述した「黒色現像剤」を用い、基本的に図1の構成を有するコニカミノルタビジネステクノロジーズ社製bizhub PRO C6500(レーザー露光・反転現像・中間転写体のタンデムカラー複合機)の改造機にて画像評価を行った。上記評価機を用いて、露光波長及び主査方向の露光径を表2に示す様に変更して短波長レーザー光による露光を行い、各露光条件下でA4版上質紙(64g/m)上に3000枚にわたる間欠プリント作成を行った。なお、「感光体1〜11」を用いたものを「実施例1〜13」、「感光体12、13」を用いたものを「比較例1〜3」とした。
ここで、間欠プリント作成とは、作成中のプリントが排紙トレイ上に搬送されたら次のプリント作成を行う様に設定したものである。プリント作成は、常温常湿環境(20℃、55%RH)下で行い、約40枚目付近及び約3000枚目付近で出力したプリント物を用いて画像評価を行った。なお、上記短波長レーザー光の露光手段として、縦方向及び横方向それぞれに3本のレーザービーム発光点を有してなる面発光レーザーアレイを用いた。
画像評価は、黒ポチ発生、ドット再現性、細線再現性を評価したものである。なお、プリント時の出力画像は、細線画像(8本/mm、6本/mm、4本/mm)、ハーフトーン画像(画素濃度0.80)、白地画像、ベタ画像(画素濃度1.30)がそれぞれ1/4等分にあるA4サイズの画像(画素率に換算して7%)のものである。
〈黒ポチ〉
黒ポチ評価は、40枚目と3000枚目のプリント物上のハーフトーン画像上及び白地画像上に目視による確認が可能な大きさの黒ポチ(径0.4mm以上)が何個あるかを観察し、観察結果からA4版上での発生個数に換算した値で評価を行った。10個/A4版以下を合格とし、3個/A4版以下のものを特に良好と評価した。
〈ドット再現性〉
プリント作成中、40枚目付近及び3000枚目付近になったとき、レーザー光の露光径を変化させてプリント作成を行い、作成プリント上のハーフトーン画像を構成するドットの独立性を倍率10倍のルーペで観察して評価を行った。具体的には、書込み主査方向の露光径を10μm、21μm、50μmに変更してプリント作成を行い、38枚目と2998枚目を10μm、39枚目と2999枚目を21μm、40枚目と3000枚目を50μmに設定した。なお、露光径10μmは約2500dpiのドット数、21μmは約1200dpiのドット数、50μmは約500dpiのドット数に該当するものである。観察結果を下記ランクと照合させて評価を行い、ランクA〜Cを合格とした。
ランクA:10μm(2500dpi相当)、21μm(1200dpi相当)、50μm(500dpi相当)ともに、ハーフトーン画像を構成する各ドットが独立して形成されていることが確認され、非常に良好な高画質特性が得られた
ランクB:50μm(500dpi相当)と21μm(1200dpi相当)のハーフトーン画像では明瞭なドット独立性が確認できたが、10μm(2500dpi相当)のハーフトーン画像は各ドットの独立性が不十分だった
ランクC:50μm(500dpi相当)のハーフトーン画像ではドット独立性が明瞭に確認されたが、21μm(1200dpi相当)と10μm(2500dpi相当)のハーフトーン画像では各ドットの独立性が不十分だった
ランクD:50μm(500dpi相当)のハーフトーン画像も各ドットの独立性が不十分になっていた。
〈細線再現性〉
細線再現性は、39枚目と2999枚目のプリント物上に作成された細線画像で評価した。倍率10倍のルーペを用いて細線部を拡大し、1mm中に確認される細線数を目視で評価した。具体的には、前述した様に細線画像は、8本/mm、6本/mm、4本/mmの3種類の細線画像よりなり、各細線画像を構成する細線上にかすれや膨らみの発生があるものを不良品として判断した。6本/mm以上を合格とした。
(電荷発生層塗布液保存安定性)
画像評価とは別に、電荷発生層塗布液の保存安定性評価として、塗布液を3日間、7日間静置後に塗布テストを行い、良好な成膜状態が得られるか確認した。
ランクA及びランクBを合格とした。
ランクA:7日間静置後においても液の沈降なく、安定に製膜可能。
ランクB:3日間では異常なし、7日間静置で若干の沈降が認められるも、攪拌で容易に分散状態が回復し、安定に製膜可能。
ランクC:3日間で沈降発生している。攪拌にて容易に分散状態を回復して、安定に製膜可能。
ランクD:3日間で沈降発生しており、攪拌等の再分散を実施するも回復せず、製膜時に凝集物の存在が確認される。
以上の結果を表2に示す。
表2に示す様に、本発明の電子写真感光体を用いた「実施例1〜13」は、黒ポチ、ドット画像再現性、細線再現性のいずれもが満足する結果が得られ、特に、良好な画像形成が困難とされる露光光波長が350nmの画像形成でも満足の得られる結果となった。この様に、実施例の結果から本発明に係る電子写真感光体を用いることで、350〜500nmという短波長レーザー光による画像形成が円滑に行えることが確認された。一方、本発明外の電子写真感光体を用いた「比較例1〜3」は、黒ポチ、ドット画像形成、細線再現性のいずれかで所定の結果が得られず、また、露光光波長を500nmに設定して画像形成を行っても満足できる結果が得られなかった。
また電荷発生層塗布液の保存安定性についても、「実施例1〜13」に使用の塗布液は液の沈降が少なく、生産安定性に優れた分散状態を保持できるのにたいして、「比較例1〜3」に使用の塗布液は保存安定性が悪く、3日間から1週間ほどで良好な製膜を得られなくなった。
10Y、10M、10C、10Bk 画像形成ユニット
1Y、1M、1C、1Bk 感光体
2Y、2M、2C、2Bk 帯電手段
3Y、3M、3C、3Bk 露光手段
4Y、4M、4C、4Bk 現像手段

Claims (5)

  1. 導電性支持体上に、下記一般式(1)で表されるピランスロン化合物を含有する感光層を有する電子写真感光体であって、
    前記ピランスロン化合物は、CuKαを線源とするX線回折スペクトルにおいて少なくともブラッグ角(2θ±0.2°)12.5°、及び、17.0°にピークを示す結晶構造を有し、かつ、ピーク強度比R(17.0°/12.5°)が1.0〜6.0の範囲であることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記感光層が、臭素原子の数が異なる前記ピランスロン化合物を2種類以上含有するものであることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記ピランスロン化合物が、昇華開始温度をTs(℃)、捕集部の基板温度をTx(℃)とした時、下記式(1)を満たす昇華温度条件での昇華精製法により精製されたものであることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真感光体。
    50≦Ts−Tx≦100 式(1)
  4. 前記電子写真感光体は、下記一般式(2)で表される化合物を電荷輸送物質として含有するものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
    (式中、Ar 1 〜Ar 4 はそれぞれ独立して置換基を有していてもよりアリール基を表し、Ar 5 とAr 6 はそれぞれ独立して置換基を有していてもよいアリーレン基を表す。
    また、Ar 1 とAr 2 、及び、Ar 3 とAr 4 は結合して環を形成するものであってもよい。さらに、R 1 とR 2 は、それぞれ独立して水素原子または置換基を有していてもよいアルキル基、アラルキル基またはアリール基を表し、R 1 とR 2 は結合して環を形成するものであってもよい。)
  5. 発振波長が350nm以上500nm以下で、書込みの主査方向の露光径が10μm以上50μm以下の露光手段を用いて、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体上に露光を行うことを特徴とする画像形成方法
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