以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施形態の画像形成装置10の全体構成を示した図である。
同図に示すように、本実施形態の画像形成装置10には、装置本体10Aの内部に、受信した画像データに対して予め定められた画像処理を行う画像処理部12が設けられている。また、本実施形態では、画像処理部12から画像データを受け取りレーザ光LBによる露光を行う露光装置14が設けられている。
また、露光装置14の上方には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像を形成する4つの画像形成ユニット16Y,16M,16C,16Kが設けられている。ここで、画像形成部の一部として機能するこの4つの画像形成ユニット16Y,16M,16C,16Kは、水平方向に対して傾斜した方向に並ぶように配置されている。また、4つの画像形成ユニット16Y,16M,16C,16Kは、装置本体10Aに対する着脱が可能な状態で設けられている。
画像形成ユニット16Y,16M,16C,16Kの各々は、予め定められた速度で回転する円柱状の感光体ドラム18、感光体ドラム18の外周面を帯電する帯電部材20、露光装置14による露光によって感光体ドラム18上に形成された静電潜像を粉体の一例としてのトナーを用いて現像する現像装置22、感光体ドラム18に接触し感光体ドラム18に付着しているトナーなど除去するドラムクリーナ(不図示)を備えている。また、本実施形態の画像形成装置10には、画像形成ユニット16Y,16M,16C,16Kの各々に設けられた現像装置22に対してトナーを供給するトナー供給装置68が設けられている。
ここで、トナー供給装置68には、イエロー、マゼンタ、シアン、黒のトナーをそれぞれ収容した4つのトナーカートリッジ68Y,68M,68C,68Kが設けられている。また、トナー供給装置68には、トナーカートリッジ68Y,68M,68C,68Kの各々に収容されたトナーを対応する現像装置22へ搬送する第1搬送管69Y、第2搬送管69M、第3搬送管69C、第4搬送管69Kが設けられている。
なお、本実施形態では、装着部材として機能する4つのトナーカートリッジ68Y,68M,68C,68Kの各々を、図中矢印1Aに示す方向に移動させることで装置本体10Aから取り外せるようになっている。また、4つのトナーカートリッジ68Y,68M,68C,68Kの各々を、図中矢印1Bに示す方向に移動させることで装置本体10Aに対して装着できるようになっている。なお、装置本体10Aには不図示の開閉カバーが設けられており、トナーカートリッジ68Y,68M,68C,68Kの取り外しおよび装着がなされる際には、この開閉カバーが開けられる。
露光装置14には、4つの半導体レーザ(不図示)が設けられているおり、これらの半導体レーザから、レーザ光LB−Y,LB−M,LB−C,LB−Kが画像データに応じて出射される。なお、半導体レーザから出射されたレーザ光LB−Y,LB−M,LB−C,LB−Kは、シリンドリカルレンズを介して回転多面鏡であるポリゴンミラー26に出射され、このポリゴンミラー26によって偏向走査される。そして、ポリゴンミラー26によって偏向走査されたレーザ光LB−Y,LB−M,LB−C,LB−Kは、結像レンズ(不図示)および複数枚のミラーを介して、感光体ドラム18上の露光ポイントに対して斜め下方から当てられる。
また、本実施形態では、画像形成ユニット16Y,16M,16C,16Kの上方に、転写ユニット21が設けられている。この転写ユニット21には、無端状に形成され予め定められた経路に沿って循環移動を行う中間転写ベルト32、中間転写ベルト32の内側に配置され中間転写ベルト32を図中時計回り方向に回転駆動させる駆動ロール36、中間転写ベルト32の内側から中間転写ベルト32に押し付けられ中間転写ベルト32に張力を付与する張力付与ロール40、張力付与ロール40よりも図中上方に配置され中間転写ベルト32からの駆動力を受け回転を行う従動ロール66が設けられている。また、本実施形態では、中間転写ベルト32上に付着しているトナーなどの除去を行うベルトクリーナ(不図示)が設けられている。
また、転写ユニット21には、中間転写ベルト32の内側に、中間転写ベルト32を挟んで感光体ドラム18に対向配置される一次転写ロール34Y,34M,34C,34Kが設けられている。ここで、一次転写ロール34Y,34M,34C,34Kの各々は、画像形成ユニット16Y,16M,16C,16Kの各々に設けられた感光体ドラム18上のトナー像を、中間転写ベルト32上に転移させる。これにより、中間転写ベルト32上には、イエローのトナー像、マゼンタのトナー像、シアンのトナー像、黒のトナー像の4つのトナー像が重ねられたトナー像が形成される。
また、本実施形態では、中間転写ベルト32を挟み従動ロール66の対向位置に、二次転写ロール42が設けられている。中間転写ベルト32上に形成されたトナー像は、中間転写ベルト32によって二次転写ロール42が設けられている箇所まで搬送される。そして、このトナー像は、二次転写ロール42と従動ロール66とが互いに圧接している二次転写部Tpにて、搬送されてきた用紙Pに転写される。また、本実施形態では、二次転写部Tpよりも用紙Pの搬送方向における下流側に、用紙Pに転写されたトナー像を熱および圧力を用いてこの用紙Pに定着する定着装置44が設けられている。さらに、定着装置44の下流側には、定着処理が終了した用紙Pを装置本体10Aの上部に排出する排出ロール46が設けられている。
また、本実施形態では、複数枚の用紙Pを収容する用紙収容部50、用紙収容部50に収容されている用紙Pのうちの最上位の用紙Pに接触しこの用紙Pを送り出す送り出しロール52、送り出しロール52により送り出された用紙Pを一枚ずつ分離して搬送する搬送ロール54が設けられている。さらに、搬送ロール54の下流側には、上記二次転写部Tpに向けて用紙Pをさらに搬送する搬送ロール58が設けられている。また、本実施形態では、片面にトナー像を定着された用紙Pを両面用搬送経路62に搬送する搬送ロール60が設けられている。ここで、両面用搬送経路62へ送り込まれた用紙Pは、表裏が反転された状態で二次転写部Tpに再び供給される。これにより、用紙Pの両面に画像が形成される。
ここで、本実施形態の画像形成装置10にて画像形成がなされる際には、例えば原稿読み取り装置(不図示)にて取得された画像データや、図示しないパーソナルコンピュータ等にて形成された画像データが、例えばR(赤)、G(緑)、B(青)の各8ビットのデータとして画像処理部12に入力される。画像処理部12では、入力されたデータに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集等の予め定められた画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の4色の階調データに変換され、露光装置14に出力される。
露光装置14には、上記のとおり、4つの半導体レーザ設けられているおり、これらの半導体レーザから、レーザ光LB−Y,LB−M,LB−C,LB−Kが階調データに応じて出射される。なお、半導体レーザから出射されたレーザ光LB−Y,LB−M,LB−C,LB−Kは、シリンドリカルレンズを介して回転多面鏡であるポリゴンミラー26に出射され、このポリゴンミラー26によって偏向走査される。そして、ポリゴンミラー26によって偏向走査されたレーザ光LB−Y,LB−M,LB−C,LB−Kは、感光体ドラム18に照射される。
これにより、感光体ドラム18の表面が走査露光され、静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、各々の画像形成ユニット16Y,16M,16C,16Kに設けられた現像装置22によって、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の各色のトナー像として現像される。そして、画像形成ユニット16Y,16M,16C,16Kの感光体ドラム18上に形成されたトナー像は、一次転写ロール34Y,34M,34C,34Kによって中間転写ベルト32上に転写される。
一方、用紙Pを搬送する用紙搬送系では、送り出しロール52が回転し、用紙収容部50から用紙Pが送り出される。そして、搬送ロール54により一枚ずつ分離された用紙Pは、搬送ロール58まで搬送され、一旦、停止される。その後、トナー像が形成された中間転写ベルト32の移動タイミングに合わせて搬送ロール58が回転し、用紙Pは、従動ロール66と二次転写ロール42とによって形成される二次転写部Tpに搬送される。
そして、二次転写部Tpにおいて、中間転写ベルト32に形成されているトナー像が、圧接力および二次転写部Tpにて形成されている電界によって、用紙P上に順次、転写される。その後、トナー像が転写された用紙Pは、定着装置44にて定着処理を受けた後、排出ロール46によって装置本体10Aの上部に排出される。なお、用紙Pの両面に画像が形成される際には、両面用搬送経路62へ用紙Pが送り込まれることで二次転写部Tpへ用紙Pが再び搬送され、用紙Pのもう一方の面に画像が形成される。
ここで、トナー供給装置68に設けられたトナーカートリッジ68Y,68M,68C,68Kについて詳細に説明する。
図2は、イエローのトナーを収容したトナーカートリッジ68Yを上方から眺めた場合の斜視図である。なお、トナーカートリッジ68M,68C,68Kは、トナーカートリッジ68Yと同様に構成されており、トナーカートリッジ68M,68C,68Kについての説明は省略する。
同図に示すように、粉体収容容器の一例としてのトナーカートリッジ68Yは、直方体状に形成されている。また、トナーカートリッジ68Yは、装置本体10Aに装着される際、図中矢印2Aに示す方向に押圧されることで装置本体10Aに装着される。また、本実施形態のトナーカートリッジ68Yは、トナーカートリッジ68Yが装置本体10Aに装着される際の装着方向(図中矢印2Aに示す方向)と直交する方向(図中矢印2Bに示す方向)に延び長尺状に形成されている。
さらに、トナーカートリッジ68Yには、トナー収容部400と蓋部材500とにより構成された収容容器本体(カートリッジ本体)が設けられている。ここで、トナー収容部400は、箱状に形成されているとともに上部に矩形状の開口を備えている。また、蓋部材500は、トナー収容部400の上部に取り付けられるとともに矩形状に形成されトナー収容部400の上部に形成された開口を塞ぐ。なお、トナーカートリッジ68Yの内部へのトナーの収容は、トナーカートリッジ68Yの側面に設けられた開口510を通じてトナーカートリッジ68Yの内部にトナーを供給することで行われる。
付言すると、トナー収容部400に対して蓋部材500が装着された後に、開口510を通じてトナーを供給し、トナーカートリッジ68Y内へのトナーの収容を行う。ここで、トナーカートリッジ68Yの内部へのトナーの供給が終了した後、この開口510は塞がれる。なお、開口510の隣にはもう一つ、開口570が設けられおり、開口510を通じトナーカートリッジ68Yの内部へトナーが供給される際、この開口570を通じ、トナーカートリッジ68Yの内部の空気が排出される。なお、この開口570も、トナーカートリッジ68Y内へのトナーの供給が終了した後に塞がれる。
トナー収容部400には、トナーカートリッジ68Yが装置本体10Aに装着される際の装着方向(矢印2Aに示す方向)に沿って配置される第1側壁401、この第1側壁401の対向位置に配置された第2側壁402、第1側壁401と直交する関係で配置された第3側壁403、この第3側壁403の対向位置に配置された第4側壁404が設けられている。また、トナー収容部400には、矩形状に形成され第1側壁401〜第4側壁404の各々の下端部に接続された底板405が設けられている。ここで、この底板405には、矩形状に形成されトナーの排出に用いられるトナー排出口405Aが形成されている。なお、第1側壁401〜第4側壁404および底板405は、一体で形成されトナー収容部400を構成している。
一方で、蓋部材500は、上記のとおり矩形状に形成されている。また、蓋部材500には、トナーカートリッジ68Yの外部の空気を内部に取り込むための孔部として機能する貫通孔530が形成されている。ここで、トナーカートリッジ68Yの内部のトナーが排出されるとトナーカートリッジ68Yの内部の圧力が低下しトナーが排出されにくくなる。本実施形態では、貫通孔530を通じてトナーカートリッジ68Yの内部に空気を供給し、トナーが排出されやすくしている。
また、本実施形態では、貫通孔530からのトナーの漏れ出しを防止するため、貫通孔530よりも内側に、空気は通過させるがトナーの通過は規制する規制部材として機能するフィルタ540が設けられている。ここで、このフィルタ540は、不織布、織物、編物などにより形成される。なお、フィルタ540の素材は特に限定されず、天然繊維、化学繊維などを用いることができる。
図3は、蓋部材500を外した状態のトナーカートリッジ68Yを示した図である。付言すると、図3は、トナー収容部400を上方から眺めた場合の図である。なお、図3では、トナーカートリッジ68Yが装置本体10Aに装着される際の装着方向を矢印3Xで示している。
上記にて説明したとおり、トナー収容部400は、箱状に形成され、トナー収容部400には、側壁となる箇所に第1側壁401〜第4側壁404が設けられている。また、トナー収容部400には、第1側壁401〜第4側壁404よりも下方に底板405が設けられている。ここで、底板405には、上記のとおり、矩形状に形成されトナーの排出に用いられるトナー排出口405Aが形成されている。なお、このトナー排出口405Aは、トナー収容部400の長手方向における中央部よりも第2側壁402側に設けられている。また、トナー排出口405Aは、底板405と第4側壁404とが交わる箇所に設けられている。
また、上記では説明を省略したが、トナー収容部400の内部には、トナー収容部400の長手方向に沿って配置されるとともに第4側壁404側に設けられ、トナー収容部400内のトナーを撹拌しながらトナー排出口405Aに向けて搬送する第1搬送部材600が設けられている。また、トナー収容部400の内部には、トナー収容部400の長手方向に沿って配置されるとともに第3側壁403側に設けられ、トナー収容部400内のトナーを第1搬送部材600に向けて搬送する第2搬送部材700が設けられている。
また、本実施形態では、第2側壁402の外側の面に、装置本体10A側に設けられた伝達ギア910(後述)に噛み合いこの伝達ギア910から駆動力を受けて回転する円盤状の第1ギア81が設けられている。また、第2側壁402の外側の面には、第1ギア81に噛み合った状態で設けられこの第1ギア81から駆動力を受けて回転する円盤状の第2ギア82が設けられている。
さらに、第2側壁402の外側の面には、円盤状に形成されるとともに第2ギア82に噛み合った状態で設けられ、この第2ギア82から駆動力を受けて回転する第3ギア83が設けられている。ここで、第1ギア81ギアが駆動力を受けて回転を行うと、第2ギア82は、第1ギア81の回転方向とは反対方向に回転を行う。また、第1ギア81が駆動力を受けて回転を行うと、第3ギア83は、第1ギア81の回転方向と同じ方向に回転を行う。
ここで、第1搬送部材600は、トナー収容部400の長手方向に沿って配置され回転を行う回転軸610と、PETなどの樹脂材料により形成されるとともに薄板状に形成され且つ回転軸610に取り付けられたシート部材620とから構成されている。ここで、このシート部材620は、トナー収容部400に収容されているトナーを回転軸610に沿って且つトナー排出口405Aに向けて移動させる。なお、回転軸610は、上記第1ギア81に接続されており、この第1ギア81から駆動力を受けて回転を行う。
また、第2搬送部材700も、第1搬送部材600と同様に構成され、トナー収容部400の長手方向に沿って配置され回転を行う回転軸710と、PETなどの樹脂材料により形成されるとともに薄板状に形成され且つ回転軸710に取り付けられたシート部材720とから構成されている。ここで、このシート部材720は、トナー収容部400に収容されているトナーを第1搬送部材600に向けて押し出す。ここで、第2搬送部材700の回転軸710は、第3ギア83に接続されており、この第3ギア83から駆動力を受けて回転を行う。
なお、第1搬送部材600および第2搬送部材700によるトナーの搬送が行われる際、第1搬送部材600および第2搬送部材700の各々は、図中矢印3Aに示す方向に回転を行う。付言すると、図中矢印3Bに示す方向からトナー収容部400を眺めた場合に、第1搬送部材600および第2搬送部材700の各々は、反時計回り方向に回転を行う。
次に、トナー収容部400に設けられた第3側壁403、第4側壁404について説明する。図3に示すように、第3側壁403には、第2側壁402側に位置する第1部位403A、第1部位403Aに接続されるとともにこの第1部位403Aよりも第1側壁401側に位置する第2部位403B、第2部位403Bに接続されるとともにこの第2部位403Bよりも第1側壁401側に位置する第3部位403Cが設けられている。
ここで、第1部位403Aは、トナー収容部400の長手方向に沿って配置されているとともに、第3部位403Cよりも第4側壁404に近い側に設けられている。また、第2部位403Bは、トナー収容部400の長手方向に対して傾斜した状態で配置されており、第1側壁401が設けられている側から第2側壁402が設けられている側に向かって進行するに従い第4側壁404側に接近する。また、第3部位403Cは、トナー収容部400の長手方向に沿って配置されるとともに第1側壁401に接続されている。
一方、第4側壁404は、第1部位404A〜第4部位404Eの5つの部位により構成されている。ここで、第1部位404Aは、トナー収容部400の長手方向に沿うように配置されるとともに第2側壁402に接続されている。
また、第2部位404Bは、第1部位404Aの端部(第1側壁401側の端部)に接続されるとともに第1部位404Aと直交する関係で配置されている。また、第2部位404Bは、第1部位404Aよりも第3側壁403から離れた側に設けられている。また、第3部位404Cは、第2部位404Bに接続されるとともにこの第2部位404Bよりも第1側壁401側に設けられている。また、第3部位404Cは、第2部位404Bよりも第3側壁403から離れた側に設けられている。
また、第4部位404Dは、第3部位404Cに接続されるとともにこの第3部位404Cよりも第1側壁401側に設けられている。また、第4部位404Dは、第3部位404Cよりも第3側壁403から離れた側に設けられている。さらに、第4部位404Dは、トナー収容部400の長手方向に対して傾斜した状態で配置されており、第1側壁401が設けられている側から第2側壁402が設けられている側に向かって進行するに従い第3側壁403側に接近する。
また、第5部位404Eは、第4部位404Dに接続して設けられるとともに第4部位404Dよりも第1側壁401側に設けられている。また、第5部位405Eは、第4部位404Dよりも第3側壁403から離れた側に設けられている。
ここで本実施形態では、第3側壁403および第4側壁404が上記のように形成された結果、トナー収容部400の短手方向における寸法(幅寸法、長手方向と直交する方向における寸法)が、トナー収容部400の長手方向において異なるようになる。より具体的に説明すると、トナー収容部400の短手方向における寸法は、第1側壁401が位置する側から第2側壁402が位置する側に向かうに従って段階的に小さくなる。さらに説明すると、本実施形態では、トナー収容部400の短手方向における寸法が異なるようになっている結果、トナー収容部400(トナーカートリッジ68Y)の断面積が、第1側壁401が位置する側から第2側壁402が位置する側に向かうに従って段階的に小さくなる。
より具体的に説明すると、第3側壁403の第3部位403Cと、第4側壁404の第5部位404Eとが対向している部分では、トナー収容部400の短手方向における寸法が寸法L1となっている。一方で、第3側壁403の第1部位403Aと、第4側壁404の第3部位404Cとが対向している部分では、トナー収容部400の短手方向における寸法が上記寸法L1よりも小さい寸法L2となっている。さらに、第3側壁403の第1部位403Aと、第4側壁404の第1部位404Aとが対向している部分では、トナー収容部400の短手方向における寸法が上記寸法L2よりも小さい寸法L3となっている。
なお、第3側壁403の第1部位403Aは、図3の符号3Cに示すように、トナー収容部400の長手方向における端部において外側に膨らみ、第3側壁403の第1部位403Aと、第4側壁404の第1部位404Aとの距離が、トナー収容部400の端部では大きくなる。ところで、第3側壁403の第1部位403Aの内側には隔壁406が設けられており、第3側壁403の第1部位403Aと、第4側壁404の第1部位404Aとが対向している部分におけるトナー収容部400の実質的な寸法は、上記のとおり、寸法L2よりも小さい寸法L3となる。
図4は、第1搬送部材600に設けられたシート部材620の正面図である。
可撓性部材の一例としてのシート部材620は、樹脂材料により形成され可撓性(弾性)を有した状態で形成されている。また、シート部材620は、薄板状に形成されている。また、シート部材620は、長方形状(帯状)に形成され、その外周縁に、第1側縁621〜第4側縁624を備えている。
ここで、シート部材620は、第1側縁621および第2側縁622がトナー収容部400の長手方向に沿うように配置される。また、シート部材620は、シート部材620の長手方向が回転軸610(図3参照)に沿うように配置されるとともに、シート部材620の短手方向における一端部に位置する第1側縁621側が回転軸610に取り付けられる。付言すると、シート部材620は、シート部材620の短手方向における他端部に位置する第2側縁622側が自由端となるように回転軸610に対して取り付けられる。さらに、トナー収容部400の第1側壁401(図3参照)側に第3側縁623が位置するようにシート部材620は配置され、トナー収容部400の第2側壁402側に第4側縁624が位置するようにシート部材620は配置される。
また、本実施形態では、シート部材620のうちの第1側縁621に隣接する領域であってこの第1側縁621に沿う帯状の領域内に、複数の貫通孔625が形成されている。本実施形態では、この貫通孔625に対して、回転軸610に設けられた突起614(図3参照)が挿入され、回転軸610に対するシート部材620の固定が行われる。
また、シート部材620には、第2側縁622を始点として第1側縁621側に向かうスリット(切り込み)627が複数形成されている。また、本実施形態では、スリット627が複数設けられることで、シート部材620には、互いに隣接するスリット627とスリット627との間に、第2側縁622側を自由端として第1側縁621側を固定端として撓む(弾性変形する)撓み片629が設けられている。なお、撓み片629は複数設けられている。ここで、各々の撓み片629は、シート部材620のうち、第1側縁621側に位置する部位であって第1側縁621に沿うように配置された長方形状(帯状)の部位(以下、この部位を「基部630」と称する)により支持されている。
ここで本実施形態では、上記複数の撓み片629のうちの一つの撓み片629(図4にておいて符号4Fで示す撓み片629)が、トナー排出口405A(図3参照)の対向位置に配置されており、この一つの撓み片629(以下、この撓み片629を「対向撓み片629」と称することがある)は、回転軸610の回転が行われた際、トナー排出口405Aに向けてトナーを押し出す。なお、対向撓み片629の先端には、この対向撓み片629から離れる方向に向かって突出する突出部628が形成されている。
なお、本実施形態では、スリット627の各々は回転軸610に対して傾斜した状態で配置されており、上記対向撓み片629よりも第3側縁623側に位置するスリット627は、第2側縁622から第1側縁621に向かうに従い第3側縁623側に接近する。また、対向撓み片629よりも第4側縁624側に位置するスリット627は、第2側縁622から第1側縁621に向かうに従い第4側縁624側に接近する。さらに説明すると、本実施形態では、第2側縁622を始点として第1側縁621側に向かうように、且つ、第1搬送部材600(図3参照)によるトナーの搬送方向における上流側に向かうように、スリット627の各々が傾斜した状態で形成されている。
また、本実施形態では、撓み片629の各々の長さが、撓み片629が配置される箇所によって異なっている。具体的に説明すると、複数枚の撓み片629のうち、第4側壁404(図3参照)の第3部位404Cの対向箇所に配置される3枚の撓み片629(図4にて符号4Aで示す3枚の撓み片629)の長さは寸法Y1となっている。一方で、撓み片629のうち、第4側壁404の第4部位404D、第5部位404Eの対向箇所に配置される5枚の撓み片629(図4にて符号4Bで示す5枚の撓み片629)の長さは寸法Y1よりも大きい寸法Y2となっている。
ここで、本実施形態では、第4側壁404の第4部位404D、第5部位404Eは、第3部位404Cよりも第3側壁403から離れた側に位置しており、全ての撓み片629の長さが同じであると、第4部位404D、第5部位404Eの対向箇所に位置しているトナーの搬送がなされにくくなる。このため、本実施形態では、上記のとおり、第4部位404D、第5部位404Eの対向箇所に配置される5枚の撓み片629の長さを、上記3枚の撓み片629の長さよりも大きくしている。
なお、本実施形態では、撓み片629のうち、上記5枚の撓み片629よりも図中左側に位置する1枚の撓み片629は、その長さが、上記寸法Y2よりも大きい寸法Y3となっている。これにより本実施形態では、トナー収容部400の隅部にて停滞するおそれのあるトナーが掻き出されるようになる。また、本実施形態では、撓み片629のうち、第4側壁404の第1部位404Aの対向箇所に配置される1枚の撓み片629(図4にて符号4Dで示す1枚の撓み片629)の長さは、上記寸法Y1よりも小さい寸法Y0となっている。
また、本実施形態では、複数設けられた上記スリット627の上記第2側縁622に対する角度が、スリット627が設けられた位置によって異なっている。
具体的に説明すると、上記3枚の撓み片629(符号4Aで示す3枚の撓み片629)のうちの図中中央に位置する撓み片629の左右に位置する2つのスリット627の第2側縁622に対する角度は60°となっている。また、この3枚の撓み片629のうちの図中最も左側に位置する撓み片629と、上記5枚の撓み片629のうちの図中最も右側に位置する撓み片629との間に位置するスリット627の角度も60°となっている。
一方で、この5枚の撓み片629を形成するために形成された4本のスリット627の第2側縁622に対する角度は45°となっている。また、5枚の撓み片629のうちの図中左端に位置する撓み片629と、この撓み片629の左隣りに位置する1枚の撓み片629との間に位置するスリット627も45°で形成されている。
ここで、図5(撓み片629の動きを説明するための図)を参照し、トナーの搬送が行われる際の撓み片629の動きについて説明する。なお、図5では、撓み片629の自由端側が下方に位置し底板405上のトナーが第4側壁404(図3参照)側へ押し出される際の撓み片629の状態を示している。また、図5では、上記5枚の撓み片629中に含まれる3枚の撓み片629を図示している。なお、図5では、トナーの図示を省略している。
本実施形態では、上記のようにスリット627が傾斜した状態で配置されている結果、撓み片629の剛性が、撓み片629の部位毎に異なるようになる。具体的には、撓み片629のうち、基部630と撓み片629との接続部631の下方に位置しこの接続部631により支持される部位(符号5Aで示す部位、以下、「被支持部位5A」と称する)は、基部630に近いため、剛性が高く変形しにくくなっている。その一方で、接続部631の下方から外れている部位(符号5Bで示す部位、以下、「外側部位5B」と称する)では、基部630から遠い位置にあり変形しやすくなっている。
この結果、撓み片629がトナーを押し出す際、上記外側部位5Bの方が変形しやすいために、外側部位5Bの方が被支持部位5Aよりもより多く撓むようになる。そしてこの場合、図5に示すように、撓み片629の自由端側に位置する先端縁629Cが、トナー収容部400の長手方向に対して傾斜するようになる。
付言すると、撓み片629がトナーを押し出す際、撓み片629のうちのトナー排出口405Aに近い側が第1搬送部材600の回転方向における上流側に位置し、撓み片629のうちのトナー排出口405Aから離れた側が回転方向における下流側に位置するように、撓み片629の先端縁629Cは傾斜する。そしてこの場合、トナーは、図中矢印5Cに示す方向(第1搬送部材600の回転方向における下流側)に押し出されるとともに、トナー排出口405Aに向けて押し出されるようになる。
なお、図5では、上記対向撓み片629より第3側縁623側に位置する撓み片629の状態を示したが、対向撓み片629よりも第4側縁624(図4参照)側に位置する撓み片629においても、トナーの搬送時には、上記のように、先端縁629Cが傾斜するようになる。具体的には、上記と同様、トナー排出口405Aに近い側が第1搬送部材600の回転方向における上流側に位置し、トナー排出口405Aから離れた側が回転方向における下流側に位置するように、撓み片629の先端縁629Cが傾斜する。これにより、対向撓み片629よりも第4側縁624側に位置するトナーもトナー排出口405Aに向かって移動する。
次に、第2搬送部材700に設けられたシート部材720を説明する。
図6は、第2搬送部材700に設けられたシート部材720を示した図である。
ここで、第2搬送部材700に設けられたシート部材720も、上記にて説明したシート部材620と同様、樹脂材料により形成され可撓性(弾性)を有した状態で形成されている。また、シート部材720は薄板状に形成されている。また、シート部材720は、長方形状に形成され、その外周縁に、第1側縁721〜第4側縁724を備えている。
ここで、上記シート部材620と同様、シート部材720は、第1側縁721および第2側縁722がトナー収容部400の長手方向に沿うように配置される。また、トナー収容部400の第1側壁401(図3参照)側に第3側縁723が位置するように、また、トナー収容部400の第2側壁402側に第4側縁724が位置するように、シート部材720は配置される。また、シート部材620と同様、シート部材720は、第1側縁721側が回転軸710(図3参照)に固定される。
ここで、このシート部材720では、第1スリット725および第2スリット726の2つのスリットが設けられている。ここで、第1スリット725は、シート部材720の長手方向における一端部であって第3側縁723側に位置する端部に設けられている。また、第2スリット726は、シート部材720の長手方向における他端部であって第4側縁724側に位置する端部に設けられている。
また、本実施形態では、第1スリット725および第2スリット726が設けられることによって、3つの撓み片727と、この3つの撓み片727を支持する基部728とが設けられた状態となっている。なお、第1スリット725は、第2側縁722側から第1側縁721側に向かうに従い第3側縁723に接近する。また、第2スリット726は、第2側縁722側から第1側縁721側に向かうに従い第4側縁724に接近する。
ここで、第2搬送部材700によるトナーの搬送は、シート部材720が第1搬送部材600に向けてトナーを押し出すことで行われる。より具体的には、図6における紙面の奥側から手前側に向かってシート部材720が移動することで、底板405(図3参照)上のトナーが第1搬送部材600に向けて押し出され、第1搬送部材600に対してトナーが供給される。
なお、3つの撓み片727のうちの図中両端に位置する2つの撓み片727は、トナー収容部400の隅に位置するトナーを、トナー収容部400の中央部側(トナー収容部400の長手方向における中央部側)に移動させる。具体的には、上記と同様、2つの撓み片727の各々の先端縁727Cが図中破線で示すように、トナー収容部400の長手方向に対して傾斜するようになり、この傾斜により、トナー収容部400の隅に位置するトナーがトナー収容部400の中央部側に移動する。
次に、図7〜図9を参照し、第1搬送部材600に設けられた回転軸610、第2搬送部材700に設けられた回転軸710について説明する。なお、図7は、シート部材620、シート部材720を取り除いた状態のトナー収容部400の上面図である。また、図8は、図2におけるVIII−VIII線における断面図であり、図9は、図2におけるIX−IX線における断面図である。なお、回転軸610および回転軸710は同様に構成されており、以下の説明では、回転軸610についての説明を行い回転軸710についての説明は省略する。
図7に示すように、回転軸610は、トナー収容部400の長手方向に沿って配置される。また、回転軸610は、図8、図9に示すように、断面形状がHの字状となるように形成されるとともに、第1側面611と、この第1側面611の反対側に位置する第2側面612とを備えている。なお、上記にて説明した突起614(図3参照)は、この第1側面611に形成されており、シート部材620は、この第1側面611に沿うように取り付けられる。
また、本実施形態の回転軸610には、図7、図8に示すように、シート部材620の背後に位置しシート部材620を支持する支持突起613が設けられている。付言すると、回転軸610の回転方向(図8の矢印8A参照)においてシート部材620よりも上流側に配置され、トナーにより押圧され撓んだシート部材620を後ろ側から支持する支持突起613が設けられている。支持突起613は、シート部材620が取り付けられる第1側面611と平行な方向に回転軸610から突出するように形成されている。
さらに説明すると、本実施形態では、シート部材620の一方の面によりトナーが押圧されトナーの搬送が行われるが、この際、シート部材620が撓むようになる。支持突起613は、撓んだこのシート部材620の他方の面側からシート部材620と接触する。これによりシート部材620の過度の撓みが抑制され、搬送能力の低下が抑制されるようになる。なお、この支持突起613は、図7に示すように、第4側壁404の第4部位404Dよりも、第5部位404E側に設けられている。付言すると、第5部位404Eに対向する箇所に設けられている。
ところで、トナーカートリッジ68Yからのトナーの供給がなされる際には、トナー排出口405Aから安定的にトナーが排出されることが好ましい(排出されるトナーの量に変動がないことが好ましい)。ここで、トナー排出口405Aからトナーを安定的に排出するには、トナー排出口405Aの周囲のトナーの密度が高まっていることが重要となり、トナーの密度が小さい場合は、トナー排出口405Aから排出されるトナーの量にむらが生じやすくなる。
そこで、本実施形態では、トナーの排出量の安定化のため(トナー排出口405Aの周囲のトナー密度を高めるため)、上記にて説明したとおり、トナー収容部400の短手方向における寸法を段階的に狭めるようにしている。具体的には、トナー収容部400のうちトナー排出口405Aよりも上流側(第1搬送部材600によるトナーの搬送方向における上流側)に位置する部分の寸法(短手方向における寸法)を上記のとおり寸法L1とする一方で、トナー排出口405Aが位置している部分の寸法を上記のとおり寸法L2とし、トナー排出口405Aが位置する部分の寸法を上流側に比べ狭めている。
付言すると、トナー収容部400のうちトナー排出口405Aよりも上流側に位置する部分の断面積であって第1搬送部材600によるトナーの搬送方向と交差する(直交する)面での断面積を第1の断面積とした場合に、トナー排出口405Aが位置している部分の断面積をこの第1の断面積をよりも小さい第2の断面積とし、トナー排出口405Aが位置する部分の断面積を上流側に比べ小さくしている。さらに、シート部材620の5枚の撓み片629を断面積に応じて、第2側縁622に対する角度を変えている。
これにより、トナー排出口405Aが位置する部分では、トナーの密度が高まるようになり、トナーの排出量が安定するようになる。なお、上記のようにトナー収容部400の寸法(短手方向における寸法)を段階的に狭めた場合、幅の広い部分と狭い部分との接続部に角部が生じ、この角部にトナーが溜まってしまうおそれがある。このため、本実施形態では、上記のとおり、第4側壁404(図3参照)の第4部位404D、および、第3側壁403の第2部位403Bをトナー収容部400の長手方向に対して傾斜させ、角部が生じないようにしている。
なお、上記では説明を省略したが、本実施形態のトナーカートリッジ68Yでは、トナーカートリッジ68Yの高さ方向における寸法も、トナー排出口405Aが位置している部分と、トナー排出口405Aよりも上流側に位置する部分とで異ならせている。より具体的には、トナー排出口405Aよりも上流側に位置する部分では、図8に示すように、高さ方向における寸法を寸法H1としている。その一方で、トナーカートリッジ68Yのうちのトナー排出口405Aが位置する部分では、図9に示すように、高さ方向における寸法を、寸法H1よりも小さい寸法H2としている。
これにより、本実施形態では、トナーカートリッジ68Yの高さ寸法が変化しない場合に比べ、トナー排出口405Aが位置する部分におけるトナーの密度をさらに高めることができるようになる。なお、トナーカートリッジ68Yのうちの寸法H1で形成される部分と、トナーカートリッジ68Yのうちの寸法H2で形成される部分との接続部には、図2に示すように、第1側壁401側から第2側壁402側に向かうに従い高さが次第に減少する傾斜部520が設けられており、第2側壁402側に向かって移動するトナーの流れの円滑化を図っている。
ところで、上記のように、トナー排出口405Aが位置する部分(以下、「排出口設置部分」と称する)と、この部分よりも上流側に位置する部分(以下、「上流側部分」と称する)とで、トナー収容部400の幅が異なる場合、この排出口設置部分と上流側部分との接続部にトナーが集中するようになる。かかるこの場合、この接続部にて、第1搬送部材600のシート部材620、および、第2搬送部材700のシート部材720に対して圧力が加わり、シート部材620、シート部材720が撓みやすくなる。そして、この場合、トナーの搬送能力が低下し上記接続部におけるトナーの搬送量が低下しやすくなる。
このため、本実施形態では、上記にて説明したように、シート部材620、シート部材720を後ろから支持する支持突起613(図7参照)を設けた構成としている。この場合、シート部材620、シート部材720が大きく撓むことが抑制され、トナーの搬送能力が低下することが抑制される。
また、本実施形態では、上記にて説明したように、シート部材620に設けられた複数のスリット627の第2側縁622に対する角度を、スリット627が設けられた部位に応じて異ならせている。具体的には、上記のとおり、3枚の撓み片629(図4にて符号4Aで示す3枚の撓み片629)の中央に位置する撓み片629の左右に位置する2つのスリット627の角度を60°としている。また、この3枚の撓み片629のうち図4にて最も左側に位置する撓み片629と、上記5枚の撓み片629(図4にて符号4Bで示す5枚の撓み片629)のうちの図中最も右側に位置する撓み片629との間に位置するスリット627の角度も60°としている。
一方で、上記5枚の撓み片629を形成するために形成された4本のスリット627の第2側縁622に対する角度は45°となっている。また、5枚の撓み片629のうちの図4にて最も左側に位置する撓み片629と、この撓み片629の左隣りに位置する1枚の撓み片629との間に位置するスリットも45°で形成されている。
さらに説明すると、本実施形態では、上記排出口設置部分と上記上流側部分との接続部を境界として、この接続部よりも上流側(第1側壁401側)に位置するスリット627の角度を45°としている。一方で、この接続部よりも下流側(第2側壁402側)に位置するスリット627の角度を60°としている。付言すると、本実施形態では、上記排出口設置部分と上記上流側部分との接続部が位置する箇所を境に、上流側と下流側とでスリット627の角度を異ならせている。さらに説明すると、本実施形態では、接続部が位置する箇所に角度の変化点を設けている。
ここで、本実施形態では、上記のとおり、トナー排出口405Aの周囲のトナーの密度が高まっていることが好ましい。このため、本実施形態では、上記上流側部分に位置するスリット627の角度を45°とし、トナー排出口405Aに向かって移動するトナーの量を増やしている。ここで、スリット627の角度を60°ではなく45°とした場合、図5にて示す傾斜角度α(トナー収容部400の長手方向に対する先端縁629Cの傾斜角度)が大きくなる。そして、この場合、トナー収容部400の長手方向に向かってより多くのトナーが移動するようになり、トナー排出口405Aに向かって移動するトナーの量が増える。
一方で、上記排出口設置部分に位置するスリット627の角度も45°とした場合、トナー収容部400の長手方向に向けてトナーを押し出す力が大きくなるために、トナー収容部400の第2側壁402(図3参照)や、第4側壁404の第2部位404Bに対してトナーが押し付けられやすくなる。そしてこの場合、トナーの凝集などを招きやすくなる。このため、本実施形態では、排出口設置部分に位置するスリット627の角度は60°とし、トナー収容部400の長手方向に向けてトナーを押し出す力を弱めている。
また、上記では説明を省略したが、本実施形態では、上記排出口設置部分を挟み上記上流側部分とは反対側に、幅が更に狭められた幅狭部分がさらに形成されている。付言すると、第1搬送部材600によるトナーの搬送方向において、上記排出口設置部分よりも下流側に、排出口設置部分よりも断面積(第1搬送部材600によるトナーの搬送方向と直交する面での断面積)の小さい幅狭部分が形成されている。
図3を参照して具体的に説明すると、同図の図中右端部であって、隔壁406と、第4側壁404の第1部位404Aとの間に、幅狭部分が形成されている。ここで、この幅狭部分における、トナー収容部400の短手方向における寸法は、上記のとおり、寸法L3となっており、排出口設置部分における寸法L2よりも小さくなっている。
ところで、トナーカートリッジ68Yの搬送中に、トナーカートリッジ68Yが傾けられ、トナーカートリッジ68Yの長手方向に沿ってトナーが移動することがある。そしてこの場合、トナー収容部400の第1側壁401や第2側壁402に対してトナーが押し当てられるようになる。そしてこのような状況下となった場合、本実施形態のトナーカートリッジ68Yでは、上記幅狭部分にトナーが集中しこの幅狭部分のトナーの密度が高くなる。付言すると、本実施形態のトナーカートリッジ68Yでは、上記幅狭部分にトナーが集中し、この幅狭部分のトナーの密度が上記排出口設置部分に位置するトナーの密度よりも高くなる。本実施形態では、トナーカ−トリッジ68Yが第2側壁402側を下として傾けられた場合を想定し、トナーの密度が不必要に高くなる幅狭部分にトナー排出口405Aを設置せず、幅狭部分に隣接する、第3側壁403の第1部位403Aと、第4側壁404の第3部位404Cとが対向している部分にトナー排出口405Aを設置している。
ここで、本実施形態では、上記幅狭部分におけるトナーの密度が高い状態で、トナーカートリッジ68Yが装置本体10Aに装着され、トナーカートリッジ68Yからのトナーの供給がなされる際、この密度が高くなっている部分のトナーが徐々に崩され、隣接する第3側壁403の第1部位403Aと、第4側壁404の第3部位404Cとが対向している部分に供給されるようになる。その後、崩されたトナーは、トナー排出口405Aに向けて搬送される。
この結果、本実施形態でのトナーカートリッジ68Yでは、トナーの排出量が落ち込むことが生じにくくなり、トナーカートリッジ68Yから供給されるトナーの量がより安定化する。ここで、トナー収容部400の内部には、トナーが疎の状態となっている部分もあり、このような部分があると、トナー排出口405Aから排出されるトナーの量が落ち込む可能性がある。上記のように、密度が高くなっている部分が形成される場合、この部分からトナーが徐々に供給されるようになり、一定の量以下にトナーの排出量が落ち込むことが生じにくくなる。
なお、上記では、第1搬送部材600および第2搬送部材700の2つの搬送部材を設けた場合を説明したが、図10(トナーカートリッジ68Yの他の構成例を示した図)に示すように、第2搬送部材700を省略した構成としてもよい。なお、この構成例では、第3側壁403の内側に、トナーカートリッジ68Yの長手方向に沿った隔壁410を形成し、トナー収容部400のうちのトナーが実際に収容される部分の寸法(トナー収容部400の短手方向における寸法)を、図3にて示した構成よりも狭めている。これにより、第1搬送部材600のみで、トナー排出口405Aへトナーを搬送することができるようになる。
なお、この図10に示す構成例では、上記図3にて示した構成と同様に、隔壁410を、第1部位410A、第2部位410B、第3部位410Cから構成し、排出口設置部分における幅を、上流側部分における幅よりも小さくしている。
また、本構成例では、第4側壁404の第1部位404A側に、第1搬送部材600の回転軸610を寄せている。付言すると、第4側壁404の第1部位404Aと回転軸610との離間距離L10の方を、隔壁410の第1部位410Aと回転軸610との離間距離L20よりも小さくしている。さらに説明すると、本実施形態では、第4側壁404の第1部位404A、および、隔壁410の第1部位410Aのうちの一方の部位に回転軸610を寄せた状態で第1搬送部材600を配置している。
ここで、上記と同様、第4側壁404の第1部位404Aと、隔壁410の第1部位410Aとの間には幅狭部分が形成され、この幅狭部分では、トナーの密度が高くなりやすい。ところでこの場合、この幅狭部位にてトナーが凝集しトナーが固まりやすくなる。このため、本構成例では、回転軸610を上記のとおり一方の部位に寄せることで、トナーの撹拌がよりなされるようにしている。さらに説明すると、この構成例でも、撓み片629(図4参照)によってトナーの撹拌がなされるようになるが、この撓み片629は根元の方が先端側よりも剛性があり、この根元に近い箇所にてトナーの撹拌を行う方が、トナーはより崩れやすくなる。このため、本実施形態では、上記のとおり、回転軸610を一方の部位に寄せ、撓み片629の根元にトナーがより多く供給されるようにしている。
図11は、図2のXI−XI線におけるトナーカートリッジ68Yの断面図である。また、図12は、図11における矢印XII方向からトナーカートリッジ68Yの蓋部材500を眺めた場合の図である。なお、図12では、図11では表示されているシート部材720の図示を省略している。
図11に示すように、また、上記にて説明したように、蓋部材500には、トナーカートリッジ68Yの内部への空気の導入に用いられる貫通孔530が形成されている。また、本実施形態では、貫通孔530からのトナーの漏れ出しを防止するため、貫通孔530よりも内側に、空気は通過させるがトナーの通過は規制するフィルタ540が設けられている。
ここで、フィルタ540は、図11に示すように、蓋部材500の内面に対して取り付けられている。また、このフィルタ540は、第1面541と、第1面541とは反対側に位置する第2面542とを有するとともに、接着によって、第1面541が蓋部材500の内面に対して取り付けられている。なお、図12に示すように、貫通孔530およびフィルタ540は、円形に形成されている。
なお、上記では説明を省略したが、本実施形態では、図2に示すように、トナーカートリッジ68Yの長手方向における一端部側にトナー排出口405Aが形成され、トナーカートリッジ68Yの長手方向における他端部側に外部に通じる貫通孔530が形成されている。この場合、トナーカートリッジ68Yの長手方向における一端部側(トナー排出口405Aが設けられている側と同じ側)に、貫通孔530が形成されている場合に比べ、トナーカートリッジ68Yからより円滑にトナーが排出されるようになる。
また、本実施形態では、上記のとおり、貫通孔530よりも内側にフィルタ540が設けられている。付言すると、蓋部材500のうちのトナー収容部400側に位置する内面と、この内面とは反対側に位置する外面のうちの、この内面に対して、フィルタ540が取り付けられている。ここで、フィルタ540を、蓋部材500の外面に取り付けることもできるが、この場合、貫通孔530の内部にトナーが入り込み、通気口として機能する貫通孔530を塞いてしまうおそれがある。このため、本実施形態では、上記内面に対してフィルタ540を取り付けるようにし、貫通孔530へのトナーの入り込みを防止している。
また、本実施形態では、トナーカートリッジ68Yの製造時に、第2搬送部材700のシート部材720の位置の調整がなされ、図11に示すように、フィルタ540に対して弾性片の一例としてのシート部材720が対向するようにシート部材720が配置される。より具体的には、トナーカートリッジ68Yの製造時に、製造者や製造装置によって第1ギア81(図3参照)の回転がなされ、フィルタ540に対してシート部材720が対向するようにシート部材720が配置される。
そして、本実施形態のトナーカートリッジ68Yは、フィルタ540に対してシート部材720が対向した状態で出荷される。付言すると、本実施形態のトナーカートリッジ68Yは、フィルタ540のうちの貫通孔530に対峙している部分の対向箇所にシート部材720が位置する状態で出荷され、ユーザである顧客まで搬送(輸送)される。さらに説明すると、トナーカートリッジ68Yは、フィルタ540のうちの貫通孔530に対峙している部分がシート部材720により覆われた状態で出荷され、その後、顧客まで搬送される。
ここで、トナーカートリッジ68Yは様々な姿勢で顧客まで搬送される。また、トナーカートリッジ68Yの輸送中、トナーカートリッジ68Yには振動が加えられる。この結果、フィルタ540にトナーが付着し、フィルタ540の内部にトナーが入り込んだ結果、フィルタ540の目詰まりが生じてしまうおそれがある。このため、本実施形態では、上記のように、フィルタ540に対してシート部材720が対向した状態でトナーカートリッジ68Yを出荷する。これにより、フィルタ540へトナーが付着することを防止し、フィルタ540の内部へのトナーの入り込みが起きにくくなり、フィルタ540の目詰まりが生じにくくなる。
なお、トナーカートリッジ68Yが画像形成装置10(図1参照)に装着され、トナーカートリッジ68Yからのトナーの供給が行われる際は、上記のとおり、第1搬送部材600および第2搬送部材700の回転駆動が行われるが、この際、第2搬送部材700のシート部材720によってフィルタ540に対してトナーが押し付けられるおそれがある。
このため、本実施形態では、図11、図12に示すように、蓋部材500の内面に対して、環状に形成された突出部550を形成するようにしている。なお、この突出部550は、図12に示すように、フィルタ540よりも外側に配置されフィルタ540を取り囲むように配置されている。ここで本実施形態のように突出部550を設けた場合、この突出部550に対して第2搬送部材700のシート部材720が押し当てられるようになり、フィルタ540に対するトナーの押し付けが低減されるようになる。
なお、図11に示すように、突出部550の高さ寸法H10(突出部550の頂部と蓋部材500の内面との距離)を、フィルタ540の厚みH20よりも大きくすることが好ましい。付言すると、突出部550の高さ寸法H10を、蓋部材500の内面とフィルタ540の第2面542との距離H20よりも大きくことが好ましい。この場合、突出部550の高さ寸法H10がフィルタ540の厚みH20よりも小さい場合に比べ、フィルタ540に対するトナーの押し付けが低減されるようになる。
また、本実施形態では、環状に形成された突出部550の外側の側面551(外周側および内周側のうちの外周側に位置する側面551)を、図11に示すように、傾斜させている。付言すると、側面551と蓋部材500の内面とを直交させずに、側面551と蓋部材500の内面とのなす角度が鈍角となるように側面551を形成している。
ここで、側面551と蓋部材500の内面とが互いに直交する関係となっている場合、側面551とこの内面とが交わる箇所の角部が形成され、この角部にトナーが溜まりやすくなる。本実施形態のように、側面551に傾斜を付与した場合、このトナーの溜まりが生じにくくなる。なお、本実施形態では、突出部550の外側の側面551を傾斜させる場合を説明したが、突出部550の内側の側面も傾斜させてもよい。なお、内側の側面を傾斜させる場合も、この内側の側面と蓋部材500の内面とのなす角度が鈍角となるようにこの内側の面を形成する。
なお、本実施形態では突出部550を環状に形成しているが、突出部550はフィルタ540に対して、シート部材720の回転方向の上流側に設けられた場合であっても、フィルタ540に対するシート部材720の押し付けが低減され、トナーの付着が防止される。
図13は、図3における矢印XIII方向から第1ギア81を眺めた場合の図である。
回転部材、受け部材として機能する第1ギア81は、円盤状に形成されており、図13に示すように、外周面811を有している。なお、この外周面811には歯部(不図示)が設けられおり、この歯部が装置本体10A側に設けられた伝達ギア910(後述)の歯部に噛み合うことで、第1ギア81に対して駆動力が伝達される。また、本実施形態では、第1ギア81の側面に対し、図13に示すように、二つの長辺および一つの短辺を有し二等辺三角形の形をしたマーク812が形成されている。なお、このマーク812は、第1ギア81の側面に形成された溝によって形成されている。
本実施形態では、上記のとおり、トナーカートリッジ68Yの製造時に、製造者や製造装置によって第1ギア81の回転がなされ、フィルタ540に対してシート部材720が対向するようにシート部材720が位置決めされる。ここで、本実施形態では、このようにシート部材720の位置決めが行われるが、この際には、上記マーク812が用いられてこの位置決めが行われる。より具体的には、上記二つの長辺が交わる箇所に形成される鋭角状の頂点が予め定められた方向を向くように第1ギア81の回転が行われ、シート部材720の位置決めが行われる。
トナーカートリッジ68Yを製造装置にて製造する場合には、マーク812をセンサ等によって読みとって第1ギア81を回転させることで、予め定められた位置にシート部材720の位置決めが行われる。
ここで、トナーカートリッジ68Yの製造時の手順について説明する。
トナーカートリッジ68Yの製造に際しては、まず、第1ギア81〜第3ギア83が取り付らけれた状態のトナー収容部400の内部に、第1搬送部材600および第2搬送部材700が取り付けられる。次いで、蓋部材500が装着される。その後、上記鋭角状の頂点が予め定められた方向を向くように第1ギア81の回転が行われる。これにより、フィルタ540に対向するようにシート部材720が配置される。次いで、開口510(図2参照)を通じてトナーカートリッジ68Yの内部にトナーが供給(充填)される。その後、開口510および開口570が塞がれる。次いで、トナーカートリッジ68Yの梱包等がなされトナーカートリッジ68Yは出荷される。
ここで、本実施形態では、このように、シート部材720をフィルタ540に対向させた後に、トナーカートリッジ68Yの内部へのトナーの供給を行うが、トナーカートリッジ68Yの内部にトナーを供給した後に、第1ギア81の回転を行い、シート部材720をフィルタ540に対向させることもできる。ところで、シート部材720をフィルタ540に対向させた後に、トナーカートリッジ68Yの内部へのトナーの供給を行う方が、トナーカートリッジ68Yの製造段階においてフィルタ540に対して加わるトナーの圧力が低減されるようになる。そしてこの場合、フィルタ540の目詰まりがさらに生じにくくなる。
また、トナーカートリッジ68Yの製造後に、マーク812が予め定められた位置からずれていた場合は、シート部材720がフィルタ540に対向するように、第1ギア81を回転させればよい。
次に、画像形成装置10の装置本体10A側の構成について説明する。
図14は、装置本体10A側に設けられていた駆動力供給ユニットを示した図である。
画像形成装置10の装置本体10A側には、同図に示すように、トナーカートリッジ68Y,68M,68C,68Kの各々に設けられた第1ギア81に対して駆動力を供給する駆動力供給ユニット900が設けられている。ここで、この駆動力供給ユニット900には、不図示のモータにより回転駆動されトナーカートリッジ68Y,68M,68C,68Kの各々に設けられた第1ギア81に対して駆動力を伝達する伝達ギア910が複数設けられている。
ここで、装置本体10Aに対してトナーカートリッジ68Y,68M,68C,68Kが装着される際には、ユーザによって、同図の矢印14Aに示す方向にトナーカートリッジ68Y,68M,68C,68Kが押圧される。そして、トナーカートリッジ68Y,68M,68C,68Kが予め定められた箇所に達すると、トナーカートリッジ68Y,68M,68C,68K側に設けられた第1ギア81と、駆動力供給ユニット900側に設けられた伝達ギア910とが噛み合うようになる。これにより、駆動力供給ユニット900側からトナーカートリッジ68Y,68M,68C,68K側への駆動力の伝達を行うことができるようになる。
なお、伝達部材として機能する伝達ギア910の各々は、円盤状に形成されている。また、本実施形態では、伝達ギア910を貫通した状態で設けられ伝達ギア910を回転可能な状態で支持する支持軸920が複数設けられている。ここで、支持軸920の各々は、トナーカートリッジ68Y,68M,68C,68Kの装着方向(矢印14Aに示す方向)と直交する方向に沿うように配置されている。また、支持軸920の各々は円柱状に形成されている。さらに、支持軸920の各々は、先端部が伝達ギア910の側面から突出するように設けられている。また、支持軸920は、回転せず固定した状態で設けられている。さらに本実施形態では、伝達ギア910のうちの第1ギア81と接触する部位以外の部位を覆うカバー930が設けられている。カバー930には、平板状の突起950が支持軸920と平行に形成され、突起950は複数の支持軸920それぞれに設けられている。
図15は、トナーカートリッジ68Yの装着方向における下流側からトナーカートリッジ68Yを眺めた場合の図である。なお、図15では、トナーカートリッジ68Yの全てを表示せず、第1ギア81〜第3ギア83が設けられている第2側壁402側を表示している。
上記では説明を省略したが、図15に示すように、第4側壁404の長手方向における端部であって第2側壁402側の端部には、トナーカートリッジ68Yの内部側に向かって凹む凹部685が形成されている。さらに説明すると、トナーカートリッジ68Yの第4側壁404であって且つ第4側壁404の図中下端部には、トナーカートリッジ68Yの内部側に向かって凹む溝状の凹部685が形成されている。この凹部685は、第1部位404A(図3参照)と第2部位404B(図3参照)とに囲まれた空間Sに設けられている。さらに説明すると、本実施形態では、第1ギア81よりも図中下方に凹部685が設けられた構成となっている。また、本実施形態では、凹部685のうち第2側壁402側が開放されている。空間Sは、第2側壁402の延長面と第4側壁404の延長面とで規定される空間としても定義しうる。
さらに説明すると、本実施形態では、トナーカートリッジ68Yのうち、第1ギア81が設けられている側と同じ側に凹部685、トナー排出口405Aが設けられた構成となっている。付言すると、本実施形態では、第1ギア81は、トナーカートリッジ68Yの長手方向における一端部側に配置され、凹部685やトナー排出口405Aも、トナーカートリッジ68Yの長手方向における一端部側に配置されている。
図16は、トナーカートリッジ68Yが装置本体10Aに装着された後のトナーカートリッジ68Yおよび装置本体10Aの状態を示した図である。付言すると、図14における矢印14Bに示す方向(トナーカートリッジ68Yの装着方向における下流側)からトナーカートリッジ68Yおよび装置本体10Aを眺めた場合の図である。
装置本体10Aに対してトナーカートリッジ68Yが装着されると、同図に示すように、位置決め部として機能する凹部685に対し、支持軸920の先端部が入り込む。さらに、カバー930に設けられた突起950が、トナーカートリッジ68Yの下に入り込む。これにより、支持軸920によって凹部685の位置決めがなされるようになるとともに、トナーカートリッジ68Yの位置決めが行われるようになり、図中上方および下方へのトナーカートリッジ68Yの移動が規制される。さらに、装置本体10Aに対してトナーカートリッジ68Yが装着されると、突起950は底板405と微小な間隙をもって、凹部685のほぼ真下に位置する。なお、図16においては伝達ギア910(図16では不図示)の手前に位置するギアのカバーにより、突起950は隠れている。また、空間Sには、装置本体10Aの駆動源からの駆動力を伝達ギア910に中継する中継ギア960(図14参照)が位置する。付言すると、中継ギア960の一部が空間Sに入り込む。このことにより、装置本体10Aの幅方向(トナーカートリッジ68Yの長手方向)が小さくなる。
これにより、トナーカートリッジ68Y側に設けられた第1ギア81と装置本体10A側に設けられた伝達ギア910とが離れることが抑制され、伝達ギア910から第1ギア81へより確実に駆動力が伝達されるようになる。そして、トナーカートリッジ68Yが装置本体10Aと離れることが抑制されることで、トナーカートリッジ68Yの長手方向における一端部側に設けられたトナー排出口405Aも装置本体10Aと離れることが抑制され、排出口からトナーが漏れることが防止される。なお、本実施形態では、図15にて示したとおり、溝状の凹部685のうちの第2側壁402側が開放されており、凹部685へ支持軸920が入り込む際、支持軸920と第2側壁402との干渉が起きないようになっている。
ここで、本実施形態では、図15に示すように、第2側壁402の外周縁402Aの内側に第1ギア81〜第3ギア83が収まる構成となっており、第1ギア81〜第3ギア83の直径が小さくなっている。そして、この場合、第1ギア81の外周面に形成された歯の長さが短くなり、歯が長く形成されている場合に比べ、第1ギア81と伝達ギア910とが離間しやすくなる。付言すると、歯が長く形成されている場合に比べ、第1ギア81と伝達ギア910との噛み合いが維持されにくくなる。このため、本実施形態では、上記のとおり、凹部685に支持軸920の先端部を入れるようにし、伝達ギア910に対する第1ギア81の移動をより起きにくくしている。また、第2側壁402の外周縁402Aの内側に第1ギア81〜第3ギア83が収まることにより、第1ギア81〜第3ギア83の破損が防止される。付言すると、第1ギア81〜第3ギア83が蓋部材500や底板405から飛び出していると、トナーカートリッジ68Yを床に置いたり、上に物を載せたりした際に、第1ギア81〜第3ギア83の歯が欠けてしまう虞がある。
また、第1ギア81と第3ギア83の周囲には、第1ギア81〜第3ギア83よりも高い保護壁84を形成している。誤って第2側壁402を下としてトナーカートリッジ68Yを落下させてしまった場合等は、この保護壁84により第1ギア81〜第3ギア83の破損が防止される。また第3ギア83の周囲に形成された保護壁84は、トナーカートリッジ68Yの装着状態における第3ギア83をユーザが触れてしまうことも防止している。
なお、本実施形態では、伝達ギア910を支持する支持軸920をトナーカートリッジ68Yに形成された凹部685に入れる構成とした。比較例として、トナーカートリッジ68Yに設けられた第1ギア81を支持する支持軸(不図示)の先端部を、装置本体10A側に設けた凹部(不図示)に入れる構成を考える。
なお、第1ギア81を支持する支持軸の先端部を装置本体10A側に設けた凹部に入れる構成の場合は、第1ギア81の側面から支持軸が突出することとなる。そしてこの場合、ユーザが直接触る部分に突起が存在する形となる。したがって、本実施形態と比べて、突起の破損する虞が高くなり、突起が破損してしまうと、伝達ギア910から第1ギア81への駆動の伝達が確実ではなくなる虞がある。一方で、上記のように、トナーカートリッジ68Yに凹部685を形成しこの凹部685に上記支持軸920の先端部を入れる場合、装置本体10Aの内部に突起が位置するようになる。付言すると、この場合、ユーザの手が触れにくい箇所に突起が位置するようになる。
なお、上記では、凹部685に対して支持軸920の先端部を入れる場合を説明したが、支持軸920の先端部以外の箇所を用いて位置決めを行うようにしてもよい。例えば、支持軸920の根元(支持軸920のうち伝達ギア910が位置する箇所よりも根元側の部位)を用いて位置決めを行うようにしてもよい。付言すると、支持軸920の自由端側ではなく固定端側にて位置決めを行うようにしてもよい。また、支持軸を長くし、支持軸の先端部と伝達ギア910が位置する箇所との間にて位置決めを行うようにしてもよい。また上記では、トナーカートリッジ68Yの位置決めについて説明したが、画像形成装置10に装着される他の部材についても、駆動力を伝達する伝達部材を支持する支持軸を用いて位置決めを行うことができる。
ところで、伝達ギア910に対する第1ギア81の位置決めに際し、支持軸920を用いず、支持軸920以外の他の部分を凹部685に入れることで、伝達ギア910に対する第1ギア81の位置決めを行うこともできるが、かかる場合、本実施形態の構成に比べ、伝達ギア910と第1ギア81との間に介在する部品の点数が多くなる。そしてこの場合、伝達ギア910に対する第1ギア81の位置決めの精度が低下し、伝達ギア910から第1ギア81が離間しやすくなる。本実施形態の構成では、伝達ギア910を直接的に支持している支持軸920が用いられて位置決めが行われるため、伝達ギア910と第1ギア81との離間が生じにくくなる。
また、伝達ギア910を被覆するカバー930には、平板状の突起950が支持軸920と平行に形成されている。トナーカートリッジ68Yが装置本体10Aに装着されると、突起950は凹部685のほぼ真下に位置する。もし支持軸920が破損等で機能しない場合には、この突起950がトナーカートリッジ68Yを下から支持することで、伝達ギア910に対する第1ギア81の位置決めを維持するように機能する。したがって、突起950が無い構成に比べて、伝達ギア910から第1ギア81へより確実に駆動を伝達するとともにトナー排出口405Aからトナーが漏れることが抑制される。なお、突起950とトナーカートリッジ68Yの底板405との間に、例えばトナーカートリッジ68Yを支持する支持板(不図示)をトナーカートリッジ68Yの長手方向に沿って設け、支持板の下に突起950を位置するよう構成させてもよい。この場合であっても、支持軸920が破損等で機能しない場合には、支持板を介して突起950がトナーカートリッジ68Yを下から支持することで、伝達ギア910に対する第1ギア81の位置決めを維持するように機能する。
なお、本実施形態における伝達ギア910は、図14における矢印14Cに示す方向に回転する。この結果、本実施形態では、トナーカートリッジ68Yに設けられた第1ギア81が、図16における矢印16Aに示す方向に回転する。そしてこの場合、トナーカートリッジ68Yを装置本体10Aに対して装着する際の装着方向に向かう荷重が、トナーカートリッジ68Yに対して作用するようになる。付言すると、装置本体10Aの内部方向に向かう荷重がトナーカートリッジ68Yに対して作用するようになる。そしてこの場合、伝達ギア910からの第1ギア81の離間がさらに生じにくくなる。
図17は、図16における矢印XVII方向から第1ギア81および伝達ギア910を眺めた場合の図である。図17(A)に示すように、本実施形態では、伝達ギア910が、図17(A)における矢印17Aに示すように時計回り方向に回転し、これに伴い、トナーカートリッジ68Yに設けられた第1ギア81が図17における矢印17Bに示す方向に回転する。そしてこの場合、伝達ギア910から第1ギア81へ駆動力が伝達される際、第1ギア81に設けられた歯に対して、図中矢印17Cに示す方向に作用する荷重が加わるようになる。これにより、装置本体10Aの内部方向に向かう荷重がトナーカートリッジ68Yに対して作用するようになる。
ここで、例えば、図17(B)に示すように、伝達ギア910のうちの図中下方に位置する部分に対して第1ギア81を接触させることもできる。ところでこの場合、トナーカートリッジ68Yが装置本体10Aから取り外される際の取り外し方向(図中矢印17Eで示す方向)に向かう荷重が第1ギア81に対して作用するようになる。そしてこの場合、第1ギア81と伝達ギア910との離間が生じやすくなる。
このため、本実施形態では、図17(A)に示すように、伝達ギア910のうちの図中上部に位置する部位に対して第1ギア81を接触させ、伝達ギア910と第1ギア81との離間を生じにくくしている。付言すると、伝達ギア910のうち装置本体10Aの内部方向へ移動する部位に対して第1ギア81を接触させ、伝達ギア910と第1ギア81との離間を生じにくくしている。