JP4996869B2 - 半導体レーザ - Google Patents

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Description

本発明は、ディスプレイ等に適用する緑色、黄色の可視領域の波長で発振する半導体レーザに関し、特にInP基板上に形成されたII族元素とVI族元素から構成される化合物半導体を用いた半導体レーザの動作特性を改善するため積層構造を工夫した半導体レーザに関する。
可視から紫外域で発光する半導体デバイス、即ち半導体レーザや発光ダイオードは、光情報記録装置(コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイディスク(BD))、カラー表示装置用の光源、固体レーザ励起用、加工用、センサー用、測定機用、医療用、あるいは、白色ランプへの応用など、現代社会/産業界において重要な半導体デバイスの一つとなっている。これらの用途の光学素子の波長帯と半導体材料の概要を示すと表1のようである。
Figure 0004996869
表1から分かるように、赤色と青色の中間の波長帯である500nm帯の黄色から緑色で発光する半導体デバイスに関しては、研究開発はおろか材料開拓さえも充分に行なわれていない。このため、この波長帯の半導体デバイス、特に、半導体レーザに関しては実用化に耐え得る性能は未だ実現されていない。
これらの光デバイス用半導体としてIII−V族化合物半導体とならんでII−VI族半導体が有用である。しかし、これまで緑・黄色半導体レーザの実用化には至っていない。その主な理由は、十分な信頼性が得られないためである。素子劣化を引き起こす原因の1つはレーザ活性層部でのマクロ欠陥である結晶欠陥の増殖である。
加藤らは結晶成長条件を工夫することによりGaAs基板上に形成するZnSe系材料の積層欠陥の低減に努め、活性層領域内に欠陥を持たないレーザを試作し、素子寿命〜400時間を観測した(非特許文献1:E. Kato, et al., Electron. Lett. 34, 282 (1998).)。ここでの寿命は圧縮歪による微小欠陥の移動、p型クラッドでの窒素ドーピングなどのミクロ欠陥により制限されていることが指摘された。
近年、緑・黄色半導体レーザの構成材料としてII族元素にベリリウムを含むII−VI族化合物半導体材料の検討がはじめられた(特許文献1:特許2586349号公報、特許文献2:特表2000−500288、特許文献3:特開2004−95922、非特許文献2:A. Waag et al., Journal of Crystal Growth 184/l85 (1998) 1-10.)。発明者らは、ベリリウムを含むII−VI族化合物半導体材料を用いたBeZnSeTe系LED(Light Emitting Diode,ライトエミッティングダイオード)を試作して、発光波長575nm、注入電流密度130A/cmでの室温素子寿命5000時間を確認した(非特許文献3:Kishino et al., Phys. Stat. Sol., 6, (2004) 1477-1486.、非特許文献4:速水他、第52回応用物理理学会予稿集31pZ―N6.、非特許文献5:Yuki Nakai et al., phys. stat. sol. (a), 201, 12 (2004) pp.)。この結果は、緑・黄色半導体レーザの実用化に向けた前進と考えられる。
本系での信頼性の改善は、InP基板を用いることにより格子整合した結晶層を使用できたこと、さらにベリリウム(Be)を導入することにより結晶が強固になり結晶欠陥、転移の増殖を抑制する効果によるものと考えられる。また、上記LEDと同様な材料構成で半導体レーザを試作し、77Kパルス駆動でレーザ発振を確認した(非特許文献3)。しかし、本構造では実用上必要となる室温、連続発振には至らなかった。
特許2586349号公報 特表2000−500288 特開2004−95922 E. Kato, et al., Electron. Lett. 34, 282 (1998). A. Waag et al., Journal of Crystal Growth 184/l85 (1998) 1-10. Kishino et al., Phys. Stat. Sol., 6, (2004) 1477-1486. 速水他、第52回応用物理理学会予稿集31p−ZN−6. Yuki Nakai et al., phys. stat. sol. (a), 201, 12 (2004) pp. 2708-2711.
上記InP基板上に作製したBeZnSeTe系半導体レーザは、従来のII−VI族レーザに比べ信頼性を大きく改善できる可能性を持つものの、基本特性である室温連続発振にはいたっていない。本発明で解決すべき課題は、実用化に必要な高い信頼性と室温連続発振を可能にするレーザ構造を提供することである。併せて、素子作製上の結晶成長の容易さ、歩留まりの向上をも考慮してレーザ構造を提供することである。
初めに、上記従来技術の問題点を明らかにする。
図1に従来技術としてInP基板上に作製したBeZnSeTe系LEDの構造を示す(Kishino et al., Phys. Stat. Sol., 6, (2004) 1477-1486.、速水他、第52回応用物理理学会予稿集31p−ZN−6.、あるいは、Yuki Nakai et al., phys. stat. sol. (a), 201, 12 (2004) pp. 2708-2711.)。図1(a)に層構造、(b)にバンドラインナップを模式的に示す。C.B.及びV.B.はそれぞれ伝導帯、価電子帯を示す。図1(b)の太い実線は超格子内部に形成されたミニバンドを示す。1はAu−Geよりなるn電極、2はInP基板、3はInGaAsバッファ層、4はClドープZnCdSeバッファ層、5はClドープMgSe/ZnCdSe超格子よりなる下部クラッド層、6はMgSe/ZnCdSe超格子よりなる膜厚ステップド超格子層、7はBeZnSeTe活性層、8はMgSe/ZnCdSe超格子層、9はNドープMgSe/BeZnTe超格子よりなる上部クラッド層、10はNドープBeZnTe/ZnTe超格子層、11はNドープZnTeキャップ層、12はAuよりなるp電極、13は絶縁層である。
すなわち、図1に示す構造は、BeZn1−XSeTe1−Y活性層7(膜厚7.5nm)を中心として、MgSe/Zn0.48Cd0.52Se(2ML(モノレーヤー;分子層)/4ML)nクラッド層5(膜厚800nm)、MgSe/Be0.48Zn0.52Te(4ML/6ML)pクラッド層9(膜厚500nm)を配置した3層構造を基本構造とする。nクラッドの伝導帯(C.B.)端は活性層7の伝導帯端よりエネルギーが低く、両者はいわゆるタイプII接合となる。
そのため、nクラッド層5と活性層7とを直接接続した場合、電子を十分に活性層に注入することができない。そのため、両者の間にZn0.48Cd0.52Seの膜厚を階段状に変化させたMgSe/Zn0.48Cd0.52Se(2ML/3ML、膜厚15nm+2ML/1ML、膜厚15nm)超格子層6(膜厚30nm)を配置した。また、活性層7とpクラッド層9の間にMgSe/Zn0.48Cd0.52Se(2ML/1ML)超格子層8(膜厚5nm)を配置した。結晶成長工程での成長中断中の活性層の劣化を防止するためである。InP基板2の直上にはn−In0.48Ga0.52Asバッファ層3(膜厚200nm)およびn−Zn0.48Cd0.52Seバッファ層4(膜厚200nm)を、また、pクラッド層9の上にはMgSe/Be0.48Zn0.52Te超格子層(膜厚50nm)およびZnTeキャップ層10(膜厚5nm)を設けた。これらはZnTeキャップ層10を除きInP基板2に、ほぼ、格子整合している。
図1に示す構造で5000時間の長期LED動作が確認されたものの、レーザ構造での室温連続発振が得られなかった原因を調べた。上記活性層7の組成を0.08<X<0.19,(0.26<Y<0.32)の範囲で変化させた試料を作製して、フォトルミネッセンス、フォトカレント測定を行なった。その結果、活性層7とn側ステップド超格子層6との界面でのタイプII発光、すなわちヘテロ接合部の空間的に分離した伝導帯、価電子帯間での発光が生じており、このことが活性層7での発光効率を低下させていることがわかった。タイプII発光を防止するため、上記膜厚ステップド超格子層6を導入したものの、その効果は十分ではなく、タイプII発光はベリリウム組成が0.08以上で顕著であった。さらに、光導波路計算から、本構造では活性層7への光閉じ込めは2%程度と弱く、レーザ発振のしきい値を上昇させる原因となることがわかった。計算結果の詳細は後に述べる。
以上の解析から、緑、黄色半導体レーザ実用化に向けた高信頼化、室温連続発振を実現するため、本発明では、以下の基本指針のもとで緑、黄色半導体レーザを構成することを提案する。
(1)高信頼化実現のため、InP基板上にBeを含む格子整合系II−VI半導体により半導体レーザの基本構造を構成する。
(2)活性層へのキャリアの注入効率を高めるため、タイプI型のバンドラインナップを有するダブルヘテロ構造で活性層、光ガイド層、クラッド層を構成する。
(3)活性層への光の閉じ込めを増強することができる活性層、光ガイド層、クラッド層を構成する。
さらに、本発明では上記構造を実現するため、
(4)結晶品質が高く作製が容易で安定した結晶材料、層構造により活性層、光ガイド層、クラッド層を構成する。あるいは、上記活性層、光ガイド層、クラッド層の結晶品質を向上させることができる結晶成長技術を提供する。
具体的には、活性層を光ガイド層で挟み、光ガイド層を構成する超格子の井戸層に、Beを含む活性層と同一組成の結晶を使用する。さらに、光ガイド層に1−5MLの薄膜障壁層を用いたBeを含む超格子を適用することにより、上記指針(1)−(3)を実現する。さらに、Beを含む活性層と同一組成の結晶を光ガイド層のみならず、クラッド層にも適用することにより、簡便にタイプI型のバンドラインナップを実現する。
また、光ガイド層、クラッド層の超格子を活性層の組成と同一な組成を持つBe系II−VIを構成要素とすること、InP基板との格子不整合度を1%以下にすること、及びZn照射による界面急峻化を組み合わせることにより、上記指針(4)を実現する。
以上の提案によりにより、高信頼化を保ちつつ、室温連続発振が可能なレーザ構造を提供して、提案した構造結晶を高品質、安易に作製することが可能になる。
この発明によれば、従来よりも実用性の高い黄色から緑色で発光する半導体レーザの作製が実現できる。
初めに本発明の原理の概要を説明する。
図2(a)に本発明の1例の素子構造、(b)にバンドラインナップを示す。図2(b)の太い実線は超格子内部に形成されたミニバンドを示す。図2において、21はAu−Geよりなるn電極、22はInP基板、23はInGaAsバッファ層、24はClドープZnCdSeバッファ層、25はClドープMgSe/ZnCdSe超格子よりなる下部クラッド層、26はMgSe/ZnCdSe超格子層、27はMgSe/BeZnSeTe超格子層よりなるn側光ガイド、28はBeZnSeTe活性層、29はMgSe/BeZnSeTe超格子層よりなるp側光ガイド、30はNドープMgSe/BeZnTe超格子よりなる上部クラッド層、31はNドープBeZnTe/ZnTe超格子層、32はNドープZnTeキャップ層、33はAuよりなるp電極、34は絶縁層である。
図2に示す構造は、BeZn1−XSeTe1−Y活性層28(膜厚7.5nm)を中心として、MgSe/Zn0.48Cd0.52Se(2ML/4ML)nクラッド層25(膜厚800nm)およびMgSe/Be0.48Zn0.52Te(4ML/6ML)pクラッド層9(膜厚500nm)を配置する3層構造を基本構造とする点においては、図1の構成と同じである。しかし、活性層28の直下に、MgSe/Be0.13Zn0.87Se0.38Te0.62(1ML/5ML)n側光ガイド層27(膜厚100nm)を配置して、MgSe/Zn0.48Cd0.52Se(2ML/1ML)超格子層26(膜厚50nm)を配置している。さらに、活性層28の直上には、MgSe/Be0.13Zn0.87Se0.38Te0.62(1ML/5ML)p側光ガイド層29(膜厚50nm)を配置している。
すなわち、本発明の図2に示す構造は、図1に示す構造と比較して、活性層28のP側直上のMgSe/ZnCdSe層8(図1)を取り除くとともに、MgSe/BeZnSeTe超格子n側光ガイド27、p側光ガイド29を加えた構造である点で異なる。本発明は、活性層28を光ガイド層27,29で挟み、光ガイド層27,29を構成する超格子の井戸層に、Beを含む活性層28と同一組成の結晶を使用することを特徴とする。この例では光ガイド層27,29の組成にはBe0.13Zn0.87Se0.38Te0.62を用いた。
次に、計算により、従来構造(図1)と本発明構造(図2)の特性を比較する。図3(a)に従来構造のMgSe/ZnCdSe光ガイド層6による活性層7への光閉じ込め係数と、本発明構造のMgSe/BeZnSeTe光ガイド層27,29による活性層28への光閉じ込め係数のBeZnSeTe活性層膜厚依存性を示した。また、図3(b)に、レーザしきい値電流密度のBeZnSeTe活性層膜厚依存性を示した。ここで、本発明構造のn側光ガイド27、p側光ガイド29の膜厚は、トータル200nmのもとで、特性が最大になるようそれぞれに分配する。
図3(a)から分かるように、本発明の構造では光閉じ込め係数は従来構造に比べ2倍以上大きい。これは主に光ガイド層27,29のMgSe/BeZnSeTe超格子の実効的な屈折率2.74が光ガイド層6のMgSe/ZnCdSe超格子の実効的な屈折率2.34より大きいことによる。また、n側光ガイド層27の膜厚は〜150nm、p側光ガイド層29の膜厚は〜50nm程度で光閉じ込めが最大となった。これは、nクラッド層25の屈折率がpクラッド層30に比べ小さいためである。この光閉じ込め結果を用いて計算したキャビティ長1mm、端面反射率0.2の場合のしきい値電流密度を図3(b)に示した。
光閉じ込め効果の増大を反映して、本発明の光ガイド層27,29を用いたレーザのしきい値は従来例より小さいものとすることができることがこの計算により確認された。特に、活性層28の膜厚10nmでは500A/cmまでのしきい値低減が可能である。また、InP基板に格子整合するBeZnSeTeは組成を選択することによりバンドキャップの調整が可能である(図5(b)参照)。ここで用いるBe0.13Zn0.87Se0.38Te0.62を井戸層に、MgSeを障壁層に用いることによりタイプIの超格子が得られる。従って、MgSe/BeZnSeTe超格子を光ガイド層27,29に用いることにより、2つの光ガイド層27,29と活性層28はタイプIのダブルヘテロ構造を形成できる。
従って、従来例で問題となった活性層n側端で生じたタイプII発光による注入キャリアの減衰は防止できる。ここで示したMgSe/BeZnSeTe超格子はこれまでの報告ではみられない新たな超格子であり、本発明の有力な材料の1つである。このように本発明の構造は上述の指針(1)−(3)に従った改善ができる。
また、この例では、光ガイド層27,29はMgSe膜厚が1MLと十分薄いため、各々のBeZnSeTe井戸層はこれと結合してミニバンドを形成する。BeZnSeTe井戸層の膜厚を調整することにより、ミニバンドに起因するエネルギー準位を制御することができる。ここでエネルギー準位がミニバンドに起因していることはレーザ応用上重要である。半導体レーザでは、必須な光、キャリア閉じ込めをもたらすためクラッド層、光ガイド層、活性層のバンドギャップを適当に調整することに加え、活性層に効率よくキャリアを注入することが必要である。ミニバンドは図1(b)、図2(b)に模式的に示したように井戸層・障壁層を含む超格子全体に形成されるため、この準位を通した超格子積層膜と垂直方向のキャリア伝導が可能である。ミニバンドが井戸層・障壁層を含む超格子全体に形成されるためには、MgSe膜厚は5ML以下とすることが必要である。このように1−5MLの薄膜障壁層を用いたBeを含む超格子を適用することが本発明の1つの特徴である。
指針(4)に示した容易かつ高品質結晶成長技術は、活性層の組成と同一な組成を持つBe系II−VIを構成要素とする超格子を光ガイド層、クラッド層に適用することによりもたらされる。通常、結晶成長、特に分子線エピタキシ(MBE)法では多元系結晶の組成制御は原料の温度を精密に制御することにより行なわれる。従って、組成の異なる結晶、例えばBe0.1Zn0.9Se0.1Te0.9とBe0.2Zn0.8Se0.2Te0.8とを連続して成長させる場合、第1層を成長させた後、原料温度が安定するまでの間、成長を中断する必要がある。その間に高温にさらされる第1層表面の劣化が無視できない問題となる。この劣化を防止するため、両者の間に熱耐性の大きな表面保護層を薄く形成する場合もある。しかし、この表面保護層は、本来の結晶構造に存在すべき材料とは異なるものであるので、好ましいものではない。
本発明では、バンドギャップ、屈折率等の異なる物性の要求される層(活性層、光ガイド層、クラッド層)の組成を変化させることなく超格子の構造の変化により実現する。すなわち、一定の組成を持つ井戸層(上記例ではBeZnSeTe)、障壁層(MgSe)を用い、その膜厚を調整することで各層の要求仕様を実現する。すなわち、BeZnSeTeの組成を選択することにより、BeZnSeTe/MgSe超格子のバンド接続をタイプIにすることができる。従って、膜厚の異なるBeZnSeTe/MgSe超格子(BeZnSeTe組成一定)を組み合わせて、活性層、光ガイド層、クラッド層を作製することにより、キャリア注入効率の高いタイプI接続が可能である。これにより、屈折率を活性層、光ガイド層、クラッド層の順に配列させることが可能であり、十分な光閉じ込めが可能になる。
また、これにより結晶成長に要する時間を短縮する経済的効果のみならず、本発明の目的とする高信頼化のための高品質結晶、すなわち成長中断の無い連続した成長で混晶組成の安定した結晶を容易に得ることができる。また、本発明では結晶の高品質化のため、MgSe/BeZnSeTe超格子形成時にZn照射を取り入れる。これはMgSe/BeZnSeTe界面を急峻にするため、Zn照射によりMBE成長チャンバ内のSe雰囲気を短時間で除去する手法である。
以下、従来公知技術と本発明の関係を述べる。本発明ではMgSe/BeZnZeTe等の超格子内に形成するミニバンドを介したキャリア輸送を利用している。ミニバンド、およびミニバンドを介したキャリア輸送は古くから良く知られた技術である。ミニバンド輸送を半導体レーザ特にII−VI族半導体レーザに利用した例に、ジェフリーガダンらによる特開平8−250810「ミニバンドを有する半導体素子」が挙げられる。この特開平8−250810は、半導体レーザの室温連続発振の実現を目的とし、II−VI族半導体をも考慮してMgSe/MgSSe系材料の有効性に言及している。しかし、彼らはGaAs基板上に形成したII−VI族半導体を対象としている。
これに対して、本発明では、InP基板とし、InP基板に格子整合し、且つBeを含むII−VI族を対象とし、有力材料として、MgSe/BeZnSeTe系材料の採用を提案する。これにより、実用化の必須課題である高信頼化を実現するものとしている。
また、Zn照射に関して、発明者らはこれまでIII−V/II−VI族界面(Kishino et al., Phys. Stat. Sol., 6, (2004) 1477-1486.、あるいは、Jpn. J. Appl. Phys, Vol. 38 (1999) pp.2598-2602.)の界面制御、MgSe/ZnSeTe超格子界面、あるいは、ZnCdSe/BeZnTe超格子界面(Jpn. J. Appl. Phys. Vol. 40 Part1 No. 12 (2001) pp.6747-6752.)の急峻性を確保するため試みた。しかし、これまで、発明者らの報告を含め、超格子界面へのZn照射と光学特性を系統的に調べた報告例は見られない。
本発明では、光ガイド層27,29のMgSe/BeZnSeTe超格子の形成過程でZn照射を試みるとともに、指針(4)で示した高品質結晶成長技術、バンドギャップ制御技術をMgSe/BeZnSeTe超格子に関して検討する。
図4に作製した試料構造を示す。41はInP基板、42はInPバッファ層、43はInGaAsバッファ層、44はZnCdSeバッファ層、45はBeZnSeTe層、46はZnTeキャップ層である。
作製の手順は以下のようである。先ず、InP基板41に適切な表面処理を行なったのちに、MBE(分子線エピタキシ)装置内へセットする。試料交換用の準備室に入れて真空ポンプで10−3Pa以下まで真空引きし、100℃まで加熱し残留水分及び不純物ガスを脱離させる。次に、III−V族専用成長室に搬送し、InP基板41の表面にP分子線をあてながら基板温度を500℃に加熱することで基板表面の酸化膜を除去する。その後、基板温度450℃でInPバッファ層42(膜厚30nm)を成長させ、基板温度470℃でInGaAsバッファ層43(膜厚200nm)を成長させる。次に、試料をII−VI族専用成長室に搬送し、基板温度200℃においてZn分子線照射及びZnCdSe低温バッファ層44(膜厚100nm)の成長を行なわせ、その後、基板温度300℃においてInP基板にほぼ格子整合したBeZnSeTe層45(膜厚500nm)、ZnTeキャップ層46(膜厚5nm)を順次積層した。ここで、BeZnSeTeの組成を変化させた6種類の試料を作製した。それらの試料をX線回折法、フォトルミネッセンス法(HeCdレーザ励起、室温測定)により評価した。
図5(a)に、作製した6種類の試料について、Be組成に対するフォトルミネッセンスピーク波長強度(縦軸右側)、フォトルミネッセンス半値幅(縦軸左側)を示した。Be組成はX線回折法によるInP基板からの格子不整合度、フォトルミネッセンスピーク波長から算出した。なお、図に示した試料の格子不整合度〔(試料格子定数)―(InP格子定数)〕/(InP格子定数)〕は1%以下であった。作製した試料は、室温で十分な発光を示した。特にBe組成0.16の試料は発光強度が強く、半値幅も狭いことから優れた結晶性を持つことがわかった。なお、格子不整合度が1%を超えた試料ではフォトルミネッセンス信号、及びX線回折信号に劣化がみられた。また、格子不整合度が1%を超えた試料では発光強度の劣化が顕著になった。格子不整合度が1.5%では発光強度は1桁以上劣化した。このことから、格子不整合度を1%以内に制御することが、本材料系をレーザ素子に適用する場合の1つの基準と考えた。
また、本発明では、活性層に用いる混晶(ここではBeZnSeTe)を光ガイド層、クラッド層の一部にも適用して結晶性の向上、成長の効率化等を図る。しかし、現実の結晶成長では活性層に用いる混晶と光ガイド層、クラッド層の一部に用いる混晶の組成を完全に一致させることは望めない。そこで、実際の結晶成長(ここではMBE)において、同一組成の混晶の作製を意図した場合の組成の再現性、組成の変動を実験的に見積もった。その結果、異なるウエハへの成長をも含め、BeZnSeTe系材料での組成の変動は30%程度であることがわかった。この値は成長装置、成長材料に依存するものの、結晶成長でのおおよその目安になるものと考えられる。また、組成の変動が30%程度の光ガイド層、クラッド層組成の変動がレーザ特性に与える影響を図3に示した手法で見積もった。その結果、発振しきい値への影響は5%以下と小さく、実用上問題の無いことがわかった。一方、光ガイド層のBeの組成が活性層のBe組成に対して40%ずれると発振しきい値は10%以上増加する。この主な原因は、活性層への光閉じ込めの減少である。以上の検討から、活性層のBe組成に対する光ガイド層、クラッド層のBe組成の変動の許容度を30%とした。
図5(b)に、InPに格子整合したBeZnSeTeのバンドギャプエネルギーとBe組成の関係の計算結果を示した。格子整合条件の下で、BeZnSeTeのバンドギャップは、ZnSeTe(Be組成=0)での2.07eVからBeZnTe(Be組成0.3)の2.65eVまで変化させることができる。また本系は、ZnSeTe(Be組成=0)での2.07eVからBeZnSeTe(Be組成=0.3)での2.65eVの領域で直接遷移であり、活性層への応用が可能である。図4に示した試作素子の図5(a)に示すフォトルミネッセンス波長ピーク強度は、この計算結果と良い一致を示した。本発明で注目する緑色の発光はバンドギャップエネルギー〜2.3eV(Be組成〜0.14)に対応する。図5(a)よりこの近傍のBe組成を持つBeZnSeTeは十分な発光強度を有することがわかる。BeZnSeTeは本発明で取り扱う主要材料である。
以上の検討結果を踏まえ、BeZnSeTeの組成に関して本発明では以下の組成の比率を設定する。
(1)活性層Bex1Zn1−X1SeY1Te1−Y1混晶組成:「0.01<X1<0.3」、特に望ましくは「0.1<X1<0.2」。
(2)活性層Bex1Zn1−X1SeY1Te1−Y1格子不整合度:1%以下。
(3)光ガイド層、クラッド層へ適用するBex2Zn1−X2SeY2Te1−Y2混晶組成:活性層Bex1Zn1−X1SeY1Te1−Y1混晶とのBe組成変動30%以下。すなわち、0.7×X1<X2<1.3×X1、且つ、0.7×Y1<Y2<1.3×Y1、の関係を満足すること。
続いてMgSe/BeZnSeTe超格子のMBE成長を検討した。
図6に試作した試料構造を示す。51はInP基板、52はInPバッファ層、53はInGaAsバッファ層、54はZnCdSeバッファ層、55はMgSe/BeZnSeTe超格子層、56はZnTeキャップ層である。
作製の手順は以下のようである。先ず、InP基板51を適切な表面処理を行なったのちに、MBE装置内へセットする。試料交換用の準備室に入れて真空ポンプで10−3Pa以下まで真空引きし、100℃まで加熱し残留水分及び不純物ガスを脱離させる。次に、III−V族専用成長室に搬送し、InP基板51の表面にP分子線をあてながら基板温度を500℃に加熱することで基板表面の酸化膜を除去し、その後、基板温度450℃でInPバッファ層52(膜厚30nm)を成長させ、基板温度470℃でInGaAsバッファ層53(膜厚200nm)を成長させる。次に、試料をII−VI族専用成長室に搬送し、基板温度200℃においてZn分子線照射及びZnCdSe低温バッファ層54(膜厚100nm)の成長を行なわせ、その後、基板温度300℃においてMgSe/Be0.13Zn0.87Se0.38Te0.62超格子層55(膜厚500nm,2ML/8ML)、ZnTeキャップ層56(膜厚5nm)を順次積層した。
Be0.13Zn0.87Se0.38Te0.62の成長速度は0.146nm/sec、MgSeの成長速度は0.0175nm/secとした。ここで、MgSe/BeZnSeTe超格子の膜質改善のためZn照射を試みた。
Zn照射による結晶性の改善は、II−VI族MBE成長ではこれまでもしばしば用いられた手法である。例えば、III−V/II−VI界面の成長前処理(Kishino et al., Phys. Stat. Sol., 6, (2004) 1477-1486.)、あるいは、MgSe/BeZnTe超格子の層切り替え時(Jpn. J. Appl. Phys, Vol. 38 (1999) pp.2598-2602.)に用いられた報告がある。ここでは、MgSe/BeZnSeTe超格子のBeZnSeTe成長の前後に一定時間のZn照射を行ない、Zn照射時間と作製した試料のフォトルミネッセンス強度の関係を系統的に調べた。結果を図7に示す。横軸にZn照射時間を、縦軸にフォトルミネッセンス強度のピーク値を示す。フォトルミネッセンス強度は、HeCdレーザを励起光源に室温で測定した。Zn照射時間4秒の時フォトルミネッセンス強度は最大になり、Zn照射を行なわない場合に比べ約4桁の増強を示した。これは、Zn照射によりMBEチャンバ内のSe,TeのVI族元素が消費されるため、それに続く異種成長でのSe,Te混入を抑制することができ、その結果、急峻なヘテロ界面が形成されると考えられる。なお、図7に示すBeZnSeTe bulkと付記された線はBeZnSeTeバルク(MgSe層無し)でのフォトルミネッセンス強度の値である。また、本試料を透過型電子顕微鏡で観察したところ、Zn照射時間4秒以上の試料では、超格子ヘテロ界面にZnと考えられる1ML程度の層が見られた。
上述の報告例では、Zn照射と超格子結晶の結晶性との相関には触れられていない。また、これまで、MgSe/BeZnSeTe超格子系を取り上げた報告はみられず、本系でのZn照射による結晶性改善は本発明によって得られた新たな知見である。すなわち、MgSe/BeZnSeTe超格子形成過程においてZn照射を行なうこと、及びその結果、ヘテロ界面にZnの薄膜層が形成されることは、本発明によるMgSe/BeZnSeTe超格子作製法、同作製法による超格子構造の特徴の1つと言える。本発明においては、形成されるZnの薄膜層は、BeZnSeTe超格子層の組成のひとつであり、これが存在することは障害とならない。
次に、MgSe/BeZnSeTe超格子のレーザへの適用の可能性を調べるため、バンド構造を検討した。ここでは、MgSe層の膜厚を2MLと一定にしてBe0.13Zn0.87Se0.38Te0.62層の膜厚を変化させることにより、発光波長の変化を系統的に調べた。試料構造、成長条件はMgSe/BeZnSeTe超格子の膜厚を変化させたことを除き図6と同様である。Zn照射時間は前図の結果を踏まえ、4秒とした。
図8にMgSe層2ML、BeZnSeTe層8MLの超格子の室温でのフォトルミネッセンススペクトルを示す。横軸は波長、縦軸はフォトルミネッセンス強度である。ピーク波長は514nm,半値幅は114meVであった。この時、超格子内のMgSe層の膜厚比、すなわちMgSe層膜厚/(MgSe層膜厚+BeZnSeTe層膜厚)は、2ML/(2ML+8ML)=0.2である。
MgSe層の膜厚2MLの下で、BeZnSeTeの膜厚を18ML,8ML,4ML,3MLおよび2MLに変化させた超格子を作製した。従って、MgSe層の膜厚比はそれぞれ0.1,0.2,0.33,0.4および0.5である。図9にこれらの試料の15K、室温で測定したフォトルミネッセンスのピーク波長(右軸)およびフォトルミネッセンスのフォトンエネルギー(左軸)を示した。横軸には、上記MgSe層の膜厚比を“Mg composition”として示した。比較のため、BeZnSeTeバルク(MgSe層無し)の測定値を楕円で囲って示した。
図9から分かるように、MgSe層の膜厚比Mg compositionが大きくなるに従い、ピーク波長は高エネルギー側(長波長側)に移行した。これは良く知られた超格子での量子井戸効果によるものである。
本系では、MgSe層の膜厚が2MLと十分薄いため、各々のBeZnSeTe井戸層は結合してミニバンドを形成する。BeZnSeTe井戸層の膜厚が狭くなる(Mg compositionが大きくなる)に従い、価電子帯、伝導帯に形成されるミニバンド間の遷移エネルギーは大きくなる。その結果、Mg compositionが大きくなるにつれて、図8に示したピークエネルギの増大がもたらされる。このようにBeZnSeTe井戸層の膜厚を調整することにより、ミニバンドに起因するエネルギー準位を2.35eVから2.75eV(室温)まで制御することができた。
ここで、エネルギー準位がミニバンドに起因していることはレーザ応用上重要である。半導体レーザでは、必須な光、キャリア閉じ込めをもたらすためクラッド層、光ガイド層、活性層のバンドギャップを適当に調整することに加え、活性層に効率よくキャリアを注入することが必要である。ミニバンドは図1,2に模式的に示したように井戸層・障壁層を含む超格子全体に形成されるため、この準位を通した超格子積層膜と垂直方向のキャリア伝導が可能である。その際のバンドキャップは図9のピークエネルギがほぼ対応する。従って、図9の結果は、膜厚の異なるMgSe/BeZnSeTe超格子を組み合わせることにより、半導体レーザのクラッド層、光ガイド層、活性層を構成できる可能性を示す。
図10は、横軸にMgSe層の膜厚比Mg compositionをとって、上述のMgSe/BeZnSeTe超格子の規格化されたフォトルミネッセンスピーク強度を示した。フォトルミネッセンスピーク強度は結晶性の目安の1つとなる。超格子試料では、楕円で囲って示したバルク(Mg composition=0)による値に比べ、室温のフォトルミネッセンス測定でMg compositionに応じて1桁〜3桁強い信号強度が観測された。このことから、試作した超格子は半導体レーザのクラッド層、光ガイド層、活性層に適用可能な品質を持つものと考えられる。
超格子での発光強度の増強は通常みられる現象であるが、MgSe/BeZnSeTe超格子系での上記発光強度の増強は注目に値する。MgSeは、閃亜鉛型結晶構造を持つ通常のII−VI族半導体とは異なる岩塩型結晶構造をとり易いこと等のため、一般に良質の結晶を作製することが困難である。本試作ではMgSeの膜厚を2MLと薄くしたこと、Zn照射により超格子界面の改善を図ったことにより、十分な結晶品質を確保できた。
MgSe/BeZnSeTe超格子を半導体レーザのクラッド層に適用するためには1018cm−3程度のドーピングを行なう必要がある。以下、MgSe/BeZnSeTe超格子を母体とするクラッドへのn型、p型ドーピングを検討した結果を示す。
図11(a)にn型クラッド用MgSe/BeZnSeTe/ZnCdSe超格子試料の構造、(b)に超格子試料のバンドラインナップを示す。61はInP基板、62はInPバッファ層、63はInGaAsバッファ層、64はZnCdSeバッファ層、65はCLドープのMgSe/BeZnSeTe/ZnCdSe超格子層、66はAl/Tiショットキー型の電極である。
先ず、InP基板61を適切に表面処理を行なったのちに、MBE装置内へセットする。試料交換用の準備室に入れて真空ポンプで10−3Pa以下まで真空引きし、100℃まで加熱し残留水分及び不純物ガスを脱離させる。次に、III−V族専用成長室に搬送し、基板表面にP分子線をあてながら基板温度を500℃に加熱することで基板表面の酸化膜を除去し、その後、基板温度450℃でInPバッファ層62(膜厚30nm)を成長させ、基板温度470℃でInGaAsバッファ層63(膜厚200nm)を成長させる。次に、試料をII−VI族専用成長室に搬送し、基板温度200℃においてZn分子線照射及びZnCdSe低温バッファ層64(膜厚100nm)の成長を行なわせ、その後、基板温度300℃においてMgSe/Be0.13Cd.87Se0.38Te0.62/Zn0.48Cd0.52Se超格子(3ML/2ML/1ML)n型層(膜厚0.5μm)65を順次積層する。n型ドーピングにはZnClを用いた。次に、TiとAlの蒸着及びレジストと光露光によるパターニングにより、ショットキー型の電極66を形成する。この電極を用いて室温での容量−電圧(C−V)法測定を行ない、MgSe/BeZnSeTe/ZnCdSe超格子層での実効ドナー(n型ドーピング)濃度を求めた。ZnClのドーピング量を変化させることで実効ドナー濃度3×1017〜3×1018cm−3を得た。
この超格子で高濃度のn型ドーピングが達成できた理由は、新たに導入するZnCdSeへのn型高濃度ドーピングが可能なためである。すなわち、超格子(n型層65の中に導入する第3の層ZnCdSe層によりn型クラッドに必要なキャリア濃度を確保して、MgSe/BeZnSeTe層によりクラッドに必要なバンドキャップ(ミニバンド帯間遷移エネルギー)を実現するものである。ここで超格子クラッド中のキャリア供給層となる第3の層にはZnCdSeの他、ZnSe、CdSe、BeSe、BeZnSe、MgZnSeTe、ZnSeTe、BeCdSe、MgZnCdSe、MgZnSe、又はMgCdSe層でも十分な効果を得ることができる。
また、InP基板61との格子整合に関しては、MgSe/BeZnSeTe/ZnCdSe1周期の中で各層の歪、膜厚を調整することで、超格子全体の歪を相殺することもできる。なお、バンドギャップの大きな層と高濃度のドーピングが可能な層とを組み合わせて、上記特性を得る手法自体は、発明者らがp型ZnCdSe/ZnTe超格子においてこれまで報告した方法である(第66回応用物理学会学術講演会7a−ZA−7斉藤他)。
本発明では、この手法をMgSe/BeZnSeTe/ZnCdSe超格子に適用できることを示した。なお、n型クラッドに関しては、第3のキャリア供給層を含まないMgSe/BeZnSeTe超格子においても実効ドナー濃度1x1018cm−3を実現できることを確認した。
次に、同様な試料構造でラジカル窒素によるp型ドーピングを試みた。しかしMgSe/BeZnSeTe超格子では十分なドナー濃度を得ることはできなかった。そこで、新たにMgSe/BeZnSeTe超格子にZnSeTeを加えた超格子へのp型ドーピングを試みた。
図12(a)に、p型クラッド用MgSe/ZnSeTe/BeZnSeTe超格子(3ML/1ML/2ML)試料の構造、(b)に、この構造におけるMgSe/ZnSeTe/BeZnSeTe超格子のバンドラインナップを示す。71はInP基板、72はInPバッファ層、73はInGaAsバッファ層、74はZnCdSeバッファ層、75は窒素(N)ドープのMgSe/ZnSeTe/BeZnSeTe超格子層、76はAl/Tiショットキー型の電極である。
先ず、InP基板71を適切な表面処理を行なったのちに、MBE装置内へセットする。試料交換用の準備室に入れて真空ポンプで10−3Pa以下まで真空引きし、100℃まで加熱し残留水分及び不純物ガスを脱離させる。次に、III−V族専用成長室に搬送し、基板表面にP分子線をあてながら基板温度を500℃に加熱することで基板表面の酸化膜を除去する。その後、基板温度450℃でInPバッファ層72(膜厚30nm)を成長させ、基板温度470℃でInGaAsバッファ層73(膜厚200nm)を成長させる。次に、試料をII−VI族専用成長室に搬送し、基板温度200℃においてZn分子線照射及びZnSeTe低温バッファ層74(膜厚100nm)の成長を行なわせ、その後、基板温度300℃においてMgSe/ZnSe0.48Te0.52/Be0.13Zn0.87Se0.38Te0.6超格子(3ML/1ML/2ML)p型層0.5μmを順次積層する。p型ドーピングにはラジカル窒素ドーピングを施しながら成長させる。
次に、TiとAlの蒸着及びレジストと光露光によるパターニングにより、ショットキー型の電極76を形成する。この電極を用いて室温での容量−電圧(C−V)法測定を行ない、MgSe/ZnSeTe/BeZnSeTe超格子層での実効アクセプタ(p型ドーピング)濃度を求めた。得られた最大アクセプタ濃度は1×1018cm−3であった。この超格子でp型ドーピングが達成できた理由は、図11に示したn型クラッドと同様、新たに導入するZnSeTe層74へのp型高濃度ドーピングが可能なためである。すなわち、超格子層75の中のZnSeTe層でp型クラッドに必要なキャリア濃度を確保して、MgSe/BeZnSeTe層でクラッドに必要なバンドキャップ(ミニバンド帯間遷移エネルギー)を実現するものである。
ここでキャリア供給層にはZnSeTeの他、ZnBeTe、ZnTe、MgZnSeTe、BeTe、MgZnTe層でも十分な効果を得ることができる。また、InP基板71との格子整合に関しては、MgSe/ZnSeTe/BeZnSeTe1周期の中で各層の歪、膜厚を調整することで、超格子全体の歪を相殺することもできる。なお、バンドギャップの大きな層と高濃度のドーピングが可能な層とを組み合わせて、上記特性を得る手法自体は、発明者らがp型ZnCdSe/ZnTe超格子においてこれまで報告した方法である(第66回応用物理学会学術講演会7a−ZA−7斉藤他)。
本発明では、この手法をMgSe/ZnSeTe/BeZnSeTe超格子に適用できることを示した。また、超格子層75の中の第3の層ZnSeTe層を挿入しない場合、すなわちMgSe/BeZnSeTe超格子のpクラッドの可能性を検討した。図12と同様な方法で調べた本超格子の最大アクセプタ濃度は5×1017cm−3であった。この超格子は上記第3の層を持つ超格子に比べ、ミニバンド間の遷移エネルギーが大きく、p型クラッドのみならず、電子ブロック層としても有効である。
以上の検討から緑色・黄色で発振する半導体レーザの高信頼化、室温連続発振実現のために、InPにほぼ格子整合したBeZnSeTeの膜厚を変化させたMgSe/BeZnSeTe超格子を光ガイド層およびクラッド層に適用することの有効性を示す。図13−図15に具体的な実施例を示す。
図13は活性層にBeZnSeTe、光ガイド層にInPにほぼ格子整合したMgSe/BeZnSeTe超格子を適用した実施例である。(a)に半導体レーザの構造、(b)にバンドラインナップを示す。図13において、81はAuGeNiよりなるn電極、82はInP基板、83はInGaAsバッファ層、84はClドープZnCdSeバッファ層、85はClドープMgSe/ZnCdSe超格子よりなる下部クラッド層、86はMgSe/ZnCdSe超格子よりなる膜厚ステップド超格子層、87はMgSe/BeZnSeTe超格子層よりなるn側光ガイド、88はBeZnSeTe活性層、89はMgSe/BeZnSeTe超格子層よりなるp側光ガイド、90はNドープMgSe/BeZnTe超格子よりなる上部クラッド層、91はNドープBeZnTe/ZnTe超格子層、92はNドープZnTeキャップ層、93はNi/Ti/Pt/Auよりなるp電極、94は絶縁層である。本実施例では、活性層88にBeZnSeTeを用い、その両側に同一のBeZnSeTe組成を持つMgSe/BeZnSeTe光ガイド層87,89を設けた。
以下作製手順を示す。先ず、InP基板82を適切な表面処理を行なったのちに、MBE装置内へセットする。試料交換用の準備室に入れて真空ポンプで10−3Pa以下まで真空引きし、100℃まで加熱し残留水分及び不純物ガスを脱離させる。次に、III−V族専用成長室に搬送し、基板表面にP分子線をあてながら基板温度を500℃に加熱することで基板表面の酸化膜を除去する。その後、基板温度470℃でInGaAsバッファ層83(膜厚200nm)を成長させる。次に、試料をII−VI族専用成長室に搬送し、基板温度200℃においてZn分子線照射及びZnCdSe低温バッファ層84(膜厚100nm)の成長を行ない、その後、基板温度280℃においてn型MgSe/Zn0.48Cd0.52Se(2ML/4ML)超格子クラッド層85(膜厚800nm)、n型MgSe/Zn0.48Cd0.52Se(2ML/1ML)超格子クラッド層86(膜厚20nm)を形成し、続いて基板温度300℃でMgSe/Be0.13Zn0.87Se0.38Te0.62(1ML/5ML)超格子光ガイド層87(膜厚20nm)、Be0.13Zn0.87Se0.38Te0.62単一量子井戸活性層88(膜厚7.5nm)、MgSe/Be0.13Zn0.87Se0.38Te0.62(1ML/5ML)超格子光ガイド層89(膜厚5nm)、MgSe/Be0.48Zn0.52Te(4ML/6ML)超格子pクラッド層90(膜厚0.5μm)、MgSe/Be0.48Zn0.52Teコンタクト層91(膜厚50nm)、ZnTeキャップ層92(膜厚5nm)を順次積層する。その後、ブロム系ウェットエッチングによりZnTeキャップ層92を幅10μmのストライプ状に加工する。プラズマCVD法でSiN絶縁膜94を形成後、SiN絶縁膜のP電極接続部を除去する。電子ビーム蒸着によりNi/Ti/Pt/Auよりなるp電極93を形成する。電極形状の加工には、フォトレジストによるリフトオフ法を用いた。300℃でのP電極93アロイ後、InP基板82を100μmまで研磨して、裏面にAuGeNiよりなるn電極81を蒸着する。ここで、n型ドーピングにはZnClを、p型ドーピングにはラジカル窒素ドーピングを施しながら成長させた。MgSe/BeZnSeTe超格子、MgSe/BeZnTe超格子の成長では超格子のそれぞれの層の成長の前に、4秒のZn照射を行なった。
ヘキ開により素子長1mmのレーザ構造を作製する。この実施例の素子は直流電流駆動150mAで室温発振する。発振波長は560nmであった。図1に示した従来例を改良した本実施例のレーザ構造で室温発振を実現できた理由は、上述の検討結果で示した以下の効果によるものと考えられる。
(1)MgSe/BeZnSeTe光ガイドによる光閉じ込めの向上。
(2)MgSe/BeZnSeTe光ガイドによる活性層n側端でのタイプII発光を防止したことによる活性層へのキャリア注入効率の上昇。
また、
(3)Zn照射、及び活性層と超格子光ガイド層に同一の組成を持つBeZnSeTeを用いたことによる結晶性の改善も特性向上に寄与しているものと予想される。
図14は活性層にMgSe/BeZnSeTe、下部クラッド層および光ガイド層にInPにほぼ格子整合したMgSe/BeZnSeTe超格子、上部クラッド層にInPにほぼ格子整合したMgSe/ZnSeTe/BeZnSeTe超格子を適用した実施例である。(a)に半導体レーザの構造、(b)にバンドラインナップを示す。
図14において、101はAuGeNiよりなるn電極、102はInP基板、103はInGaAsバッファ層、104はClドープZnCdSeバッファ層、105はClドープMgSe/BeZnSeTe超格子よりなる下部クラッド層、106はMgSe/BeZnSeTe超格子層よりなるn側光ガイド、107はMgSe/BeZnSeTe活性層、108はMgSe/BeZnSeTe超格子層よりなるp側光ガイド、109はNドープMgSe/ZnSeTe/BeZnSeTe超格子よりなる上部クラッド層、110はNドープBeZnTe/ZnTe超格子層、111はNドープZnTeキャップ層、112はNi/Ti/Pt/Auよりなるp電極、113は絶縁層である。本実施例では、図13の実施例と比較して、活性層107にBeZnSeTeに代えて、MgSe/BeZnSeTeを用い、下部クラッド層105はClドープMgSe/BeZnSeTe超格子、上部クラッド層109はNドープMgSe/ZnSeTe/BeZnSeTe超格子とした。
以下作製手順を示す。先ず、InP基板102を最適な表面処理を行なったのちに、MBE装置内へセットする。試料交換用の準備室に入れて真空ポンプで10−3Pa以下まで真空引きし、100℃まで加熱し残留水分及び不純物ガスを脱離させる。次に、III−V族専用成長室に搬送し、基板表面にP分子線をあてながら基板温度を500℃に加熱することで基板表面の酸化膜を除去し、その後、基板温度470℃でInGaAsバッファ層103を膜厚200nm成長する。次に、試料をII−VI族専用成長室に搬送し、基板温度200℃においてZn分子線照射及びZnCdSe低温バッファ層104(膜厚100nm)の成長を行ない、その後、基板温度300℃においてn型MgSe/Be0.13Zn0.87Se0.38Te0.62(3ML/3ML)超格子クラッド層105(膜厚800nm)、アンドープMgSe/Be0.13Zn0.87Se0.38Te0.62(1ML/5ML)超格子光ガイド層106(膜厚20nm)、アンドープMgSe/Be0.13Zn0.87Se0.38Te0.62(1ML/10ML)多重井戸活性層107(膜厚10nm)、アンドープMgSe/Be0.13Zn0.87Se0.38Te0.62(1ML/5ML)超格子光ガイド層108(膜厚50nm)、p型MgSe/ZnSe0.5Te0.5/Be0.13Zn0.87Se0.38Te0.62(3ML/1ML/2ML)超格子クラッド層109(膜厚800nm)、Be0.48Zn0.52Te/ZnTeコンタクト層110(膜厚50nm)、ZnTeキャップ層111(膜厚5nm)を順次積層する。n型ドーピングにはZnClを、p型ドーピングにはラジカル窒素ドーピングを施しながら成長させた。MgSe/BeZnSeTe超格子、MgSe/BeZnTe超格子の成長では超格子のそれぞれの層の成長の前に、4秒のZn照射を行なった。その後、ブロム系ウェットエッチングによりZnTeキャップ層を幅10μmのストライプ状に加工する。プラズマCVD法でSiN絶縁膜を形成後、SiN絶縁膜のP電極接続部を除去する。電子ビーム蒸着によりNi/Ti/Pt/Auよりなるp電極を形成する。電極形状の加工には、フォトレジストによるリフトオフ法を用いた。300℃でのP電極アロイ後、InP基板を100μmまで研磨して、裏面にAuGeNiよりなるn電極を蒸着する。ヘキ開により素子長1mmのレーザ構造を作製する。図14に示す半導体レーザは直流電流駆動200mAで室温発振する。発振波長は570nmである。室温連続発振できることは、本発明の効果を示すものである。
図15は、下部クラッド層にInPにほぼ格子整合したMgSe/BeZnSeTe/ZnCdSe超格子を適用する点を除けば、図14に示した実施例と同じである。(a)に半導体レーザの構造、(b)にバンドラインナップを示す。
図15において、101はAuGeNiよりなるn電極、102はInP基板、103はInGaAsバッファ層、104はClドープZnCdSeバッファ層、121はClドープMgSe/BeZnSeTe/ZnCdSe超格子よりなる下部クラッド層、106はMgSe/BeZnSeTe超格子層よりなるn側光ガイド、107はMgSe/BeZnSeTe活性層、108はMgSe/BeZnSeTe超格子層よりなるp側光ガイド、109はNドープMgSe/BeZnSeTe/ZnSeTe超格子よりなる上部クラッド層、110はNドープBeZnTe/ZnTe超格子層、111はNドープZnTeキャップ層、112はNi/Ti/Pt/Auよりなるp電極、113は絶縁層である。本実施例では、図13の実施例と比較して、活性層107にBeZnSeTeに代えて、MgSe/BeZnSeTeを用い、下部クラッド層121はClドープMgSe/BeZnSeTe/ZnCdSe超格子、上部クラッド層109はNドープMgSe/BeZnSeTe/ZnSeTe超格子とする。
以下作製手順を示す。先ず、InP基板102を最適な表面処理を行なったのちに、MBE装置内へセットする。試料交換用の準備室に入れて真空ポンプで10−3Pa以下まで真空引きし、100℃まで加熱し残留水分及び不純物ガスを脱離させる。次に、III−V族専用成長室に搬送し、基板表面にP分子線をあてながら基板温度を500℃に加熱することで基板表面の酸化膜を除去し、その後、基板温度470℃でInGaAsバッファ層103を膜厚200nm成長させる。次に、試料をII−VI族専用成長室に搬送し、基板温度200℃においてZn分子線照射及びZnCdSe低温バッファ層104(膜厚100nm)の成長を行なわせ、その後、基板温度300℃においてn型MgSe/Be0.13Zn0.87Se0.38Te0.62/Zn0.48Cd0.52Se(3ML/2ML/1ML)超格子クラッド層121(膜厚800 nm)、アンドープMgSe/Be0.13Zn0.87Se0.38Te0.62(1ML/5ML)超格子光ガイド層106(膜厚20nm)、アンドープMgSe/Be0.13Zn0.87Se0.38Te0.62(1ML/10ML)多重井戸活性層107(膜厚10nm)、アンドープMgSe/Be0.13Zn0.87Se0.38Te0.62(1ML/5ML)超格子光ガイド層108(膜厚50nm)、p型MgSe/ZnSe0.5Te0.5/Be0.13Zn0.87Se0.38Te0.62(3ML/1ML/2ML)超格子クラッド層109(膜厚800nm)、Be0.48Zn0.52Te/ZnTeコンタクト層110(膜厚50nm)、ZnTeキャップ層111(膜厚5nm)を順次積層する。n型ドーピングにはZnClを、p型ドーピングにはラジカル窒素ドーピングを施しながら成長させた。MgSe/BeZnSeTe超格子、MgSe/BeZnTe超格子の成長では超格子のそれぞれの層の成長の前に、4秒のZn照射を行なった。その後、ブロム系ウェットエッチングによりZnTeキャップ層を幅10μmのストライプ状に加工する。プラズマCVD法でSiN絶縁膜を形成後、SiN絶縁膜のP電極接続部を除去する。電子ビーム蒸着によりNi/Ti/Pt/Auよりなるp電極を形成する。電極形状の加工には、フォトレジストによるリフトオフ法を用いた。300℃でのP電極アロイ後、InP基板を100μmまで研磨して、裏面にAuGeNiよりなるn電極を蒸着する。ヘキ開により素子長1mmのレーザ構造を作製する。図15に示す半導体レーザは直流電流駆動200mAで室温発振する。発振波長は570nmである。室温連続発振できることは、本発明の効果を示すものである。
本願の3つの実施例では、活性層がBeを含むII−VI族化合物半導体混晶層を有するものとし、下記組み合わせの(1)、(2)に相当する場合について示した。本発明の原理、すなわち
・Be添加による高信頼性、
・活性層と同一材料を他の層に適用することによるタイプII接続の防止、及び光閉じ込め、
・格子整合、Zn照射による結晶性改善
を考慮すると、本発明が(1)、(2)のどちらかの構造においても従来構造に対する改善効果を有することは明白である。
(1)前記第1の光ガイド層、および第2の光ガイド層、
(2)前記n型クラッド層、および第1の光ガイド層、および第2の光ガイド層、およびp型クラッド層。
(a)は従来構造のInP基板上に作製したBeZnSeTe系発光ダイオード、半導体レーザの断面模式図、(b)は当該発光ダイオード、半導体レーザのバンドラインナップを示す図である。 (a)は本発明の半導体レーザの断面模式図、(b)は当該半導体レーザのバンドラインナップを示す図である。 (a)は従来構造のMgSe/ZnCdSe光ガイド層による活性層への光閉じ込め係数と、本発明構造のMgSe/BeZnSeTe光ガイド層による活性層への光閉じ込め係数のBeZnSeTe活性層膜厚依存性の計算結果の比較を示す図、(b)は従来構造の半導体レーザ、本発明の半導体レーザのそれぞれのしきい値電流密度のBeZnSeTe活性層膜厚依存性の計算結果の比較を示す図である。 BeZnSeTe試料構造を示す断面模式図である。 (a)は試作したBeZnSeTe試料のBe組成に対するフォトルミネッセンスピーク波長とフォトルミネッセンス半値幅を示す図、(b)はInP基板に格子整合したBeZnSeTe試料のBe組成に対するバンドギャップエネルギーの計算値を示す図である。 MgSe/BeZnSeTe超格子試料構造を示す断面模式図である。 MgSe/BeZnSeTe超格子のZn照射時間とフォトルミネッセンス発光強度の関係を示す図である。 MgSe/BeZnSeTe超格子のフォトルミネッセンススペクトルを示す図である。 MgSe/BeZnSeTe超格子のMg組成(Mg composition)とフォトルミネッセンス発光エネルギーの関係を示す図である。 MgSe/BeZnSeTe超格子のMg組成(Mg composition)とフォトルミネッセンス発光強度の関係を示す図である。 キャリア濃度測定用n型MgSe/BeZnSeTe/ZnCdSe超格子試料構造とバンドラインナップを示す図である。 キャリア濃度測定用p型MgSe/ZnSeTe/BeZnSeTe超格子試料構造とバンドラインナップを示す図である。 (a)は本発明の実施例の半導体レーザ構造を示す断面模式図、(b)は当該半導体レーザ構造のバンドラインナップを示す図である。 (a)は本発明の他の実施例の半導体レーザ構造を示す断面模式図、(b)は当該半導体レーザ構造のバンドラインナップを示す図である。 (a)は本発明のさらに他の実施例の半導体レーザ構造を示す断面模式図、(b)は当該半導体レーザ構造のバンドラインナップを示す図である。
符号の説明
1,21…Au−Geよりなるn電極、2,22…InP基板、3,23…InGaAsバッファ層、4,24…ClドープZnCdSeバッファ層、5,25…ClドープMgSe/ZnCdSe超格子よりなる下部クラッド層、6,26…MgSe/ZnCdSe超格子よりなる膜厚ステップド超格子層、7,28…BeZnSeTe活性層、8…MgSe/ZnCdSe超格子層、9…NドープMgSe/BeZnTe超格子よりなる上部クラッド層、10,31…NドープBeZnTe/ZnTe超格子層、11,32…NドープZnTeキャップ層、12,33…Auよりなるp電極、13,34…絶縁層、27…MgSe/BeZnSeTe超格子層よりなるn側光ガイド、29はMgSe/BeZnSeTe超格子層よりなるp側光ガイド、30…NドープMgSe/BeZnTe超格子よりなる上部クラッド層、41,51…InP基板、42,52…InPバッファ層、43,53…InGaAsバッファ層、44,54…ZnCdSeバッファ層、45…BeZnSeTe層、46,56…ZnTeキャップ層、55…MgSe/BeZnSeTe超格子層、61,71…InP基板、62,72…InPバッファ層、63,73…InGaAsバッファ層、64,74…ZnCdSeバッファ層、65…CLドープのMgSe/BeZnSeTe超格子層、66,76…Al/Tiショットキー型の電極、75…NドープのMgSe/ZnSeTe/BeZnSeTe超格子層、81,101…AuGeNiよりなるn電極、82,102…InP基板、83,103…InGaAsバッファ層、84,104…ClドープZnCdSeバッファ層、85,105…ClドープMgSe/ZnCdSe超格子よりなる下部クラッド層、86…MgSe/ZnCdSe超格子よりなる膜厚ステップド超格子層、87…MgSe/BeZnSeTe超格子層よりなるn側光ガイド、88…BeZnSeTe活性層、89…MgSe/BeZnSeTe超格子層よりなるp側光ガイド、90…NドープMgSe/BeZnTe超格子よりなる上部クラッド層、91,110…NドープBeZnTe/ZnTe超格子層、92,111…NドープZnTeキャップ層、93,112…Ni/Ti/Pt/Auよりなるp電極、94,113…絶縁層、106…MgSe/BeZnSeTe超格子層よりなるn側光ガイド、107…MgSe/BeZnSeTe活性層、108…MgSe/BeZnSeTe超格子層よりなるp側光ガイド、109…NドープMgSe/ZnSeTe/BeZnSeTe超格子よりなる上部クラッド層、121…ClドープMgSe/BeZnSeTe/ZnCdSe超格子よりなる下部クラッド層。

Claims (12)

  1. InP基板上にn型クラッド層、第1の光ガイド層、活性層、第2の光ガイド層およびp型クラッド層を有し、
    前記活性層はBeを含むII−VI族化合物半導体混晶層を有し、
    下記(1)、又は(2)のいずれかに、前記活性層のBeを含むII−VI族化合物半導体混晶層と同一の母体元素で構成される第1の層と、他の結晶により構成される第2の層からなる超格子層を有し、
    (1)前記第1の光ガイド層、および第2の光ガイド層、
    (2)前記n型クラッド層、および第1の光ガイド層、および第2の光ガイド層、およびp型クラッド層、
    前記第1および第2の光ガイド層と前記活性層は、タイプIのダブルヘテロ構造を形成し、
    前記第2の層の膜厚が、前記活性層及び該第2の層を含む超格子層にミニバンドを形成する範囲の膜厚に調整され、
    前記(1)、又は(2)のBeを有する層のBe組成比Xaと、前記活性層のBeを有する層のBe組成比Xbが、
    0.7×Xb<Xa<1.3×Xb
    の関係を満足することを特徴とする半導体レーザ。
  2. (1)、又は(2)のいずれかを構成する前記Be組成比Xaを有する層のバンドギャップEgaと、前記活性層のBe組成比Xbを有する層のバンドギャップEgbが、
    0.7×Egb<Ega<1.3×Egb
    の関係を満足する請求項1記載の半導体レーザ。
  3. 請求項1に記載の(1)、又は(2)の前記第1の層が、Be x1 Zn 1−X1 Se Y1 Te 1−Y1 混晶であり、
    前記活性層をBex1Zn1−X1SeY1Te1−Y1混晶により構成するか、またはBex1Zn1−X1SeY1Te1−Y1混晶層と他の結晶層との積層構成とし、
    前記(1)、又は(2)の層をBex2Zn1−X2SeY2Te1−Y2混晶井戸層と他の結晶により構成される障壁層との超格子構造とし、
    ここで0.7×X1<X2<1.3×X1、且つ、0.7×Y1<Y2<1.3×Y1、の関係を満足する請求項1記載の半導体レーザ。
  4. 請求項1に記載の(1)、又は(2)の前記第1の層が、Be x2 Zn 1−X2 Se Y2 Te 1−Y2 混晶であり、
    前記活性層をBex1Zn1−X1SeY1Te1−Y1混晶により構成するか、またはBex1Zn1−X1SeY1Te1−Y1混晶層とMgSeを含む他の結晶層との積層構成とし、
    前記(1)、又は(2)の層をBex2Zn1−X2SeY2Te1−Y2混晶を井戸層とし、MgSe結晶を障壁層とした超格子構造とし、
    ここで0.7×X1<X2<1.3×X1、且つ、0.7×Y1<Y2<1.3×Y1、の関係を満足する請求項1記載の半導体レーザ。
  5. 前記MgSe障壁層の膜厚を1〜5モノレーヤーとした請求項4記載の半導体レーザ。
  6. 分子線エピタキシ法によるInP基板上に形成したII−VI族化合物半導体で構成されるn型クラッド層、第1の光ガイド層、活性層、第2の光ガイド層およびp型クラッド層を有する半導体レーザ作製方法において、
    前記第1の光ガイド層および第2の光ガイド層、または前記n型クラッド層、および第1の光ガイド層、および第2の光ガイド層、およびp型クラッド層のいずれかに、前記活性層のBeを含むII−VI族化合物半導体混晶層と同一の母体元素で構成される第1の層と、他の結晶により構成される第2の層からなる超格子層を有し、
    前記第1および第2の光ガイド層と前記活性層は、タイプIのダブルヘテロ構造を形成し、
    前記第2の層の膜厚が、前記活性層及び該第2の層を含む超格子層にミニバンドを形成する範囲の膜厚に調整すること、
    前記活性層をBex1Zn1−X1SeY1Te1−Y1混晶により構成するか、またはBex1Zn1−X1SeY1Te1−Y1混晶層とMgSeを含む他の結晶層との積層構造で構成すること、
    前記第1の光ガイド層および第2の光ガイド層、または前記n型クラッド層、および第1の光ガイド層、および第2の光ガイド層、およびp型クラッド層を前記活性層のBeZnSeTe混晶と同一組成の混晶を井戸層とする超格子構造により構成すること、
    前記BeZnSeTe混晶を含む積層構造、超格子構造の形成において、前記BeZnSeTe混晶を形成する前または、後、または前後に所定の時間のZn照射を行なうこと
    を特徴とする半導体レーザ作製方法。
  7. 前記活性層をBex1Zn1−X1SeY1Te1−Y1混晶層、またはBex2Zn1−X2SeY2Te1−Y2混晶層とMgSe層を有する積層構成により構成する、
    請求項6記載の半導体レーザ作製方法。
  8. 前記(1)、又は(2)を前記活性層のBeZnSeTe混晶と同一組成の混晶井戸層およびMgSe障壁層を持つ超格子構造により構成するとともに、前記混晶井戸層とMgSe障壁層との間に2原子層以下のZnを含む層を持つ超格子構造により構成する
    請求項1記載の半導体レーザ。
  9. 前記活性層を構成するBex1Zn1−X1SeY1Te1−Y1混晶が格子不整合度1%以内で前記InP基板に格子整合し、
    ここで、0.01<X1<0.3の関係を満足するものとする請求項2記載の半導体レーザ。
  10. 前記活性層を構成するBex1Zn1−X1SeY1Te1−Y1混晶が格子不整合度1%以内で前記InP基板に格子整合し、
    ここで、0.01<X1<0.3の関係を満足するものとする請求項3記載の半導体レーザ。
  11. 前記活性層を構成するBex1Zn1−X1SeY1Te1−Y1混晶が格子不整合度1%以内で前記InP基板に格子整合し、
    ここで、0.01<X1<0.3の関係を満足するものとする請求項4記載の半導体レーザ。
  12. 前記活性層を量子井戸構造で構成し、
    該量子井戸構造を構成する井戸層としてBex1Zn1−X1SeY1Te1−Y1混晶またはMgSe/Bex1Zn1−X1SeY1Te1−Y1混晶より構成される超格子のいずれかを用い、
    前記量子井戸構造を構成する障壁層としてBex2Zn1−X2SeY2Te1−Y2混晶またはMgSe/Bex2Zn1−X2SeY1Te1−Y2混晶より構成される超格子のいずれかを用い、
    ここで、0.7×X1<X2<1.3×X1、且つ、0.7×Y1<Y2<1.3×Y1、の関係を満足するものとする請求項2記載の半導体レーザ。
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