JP2009059886A - 半導体発光素子 - Google Patents

半導体発光素子 Download PDF

Info

Publication number
JP2009059886A
JP2009059886A JP2007225724A JP2007225724A JP2009059886A JP 2009059886 A JP2009059886 A JP 2009059886A JP 2007225724 A JP2007225724 A JP 2007225724A JP 2007225724 A JP2007225724 A JP 2007225724A JP 2009059886 A JP2009059886 A JP 2009059886A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
inp
lattice constant
less
composition ratio
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007225724A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsumi Kishino
克巳 岸野
Ichiro Nomura
一郎 野村
Yasunori Asazuma
庸紀 朝妻
Kunihiko Tasai
邦彦 田才
Koji Tamamura
好司 玉村
Hiroshi Nakajima
中島  博
Hitoshi Nakamura
均 中村
Sumiko Fujisaki
寿美子 藤崎
Takeshi Kikawa
健 紀川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Sony Corp
Sophia School Corp
Original Assignee
Hitachi Ltd
Sony Corp
Sophia School Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd, Sony Corp, Sophia School Corp filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2007225724A priority Critical patent/JP2009059886A/ja
Priority to US12/038,062 priority patent/US7899104B2/en
Publication of JP2009059886A publication Critical patent/JP2009059886A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01SDEVICES USING THE PROCESS OF LIGHT AMPLIFICATION BY STIMULATED EMISSION OF RADIATION [LASER] TO AMPLIFY OR GENERATE LIGHT; DEVICES USING STIMULATED EMISSION OF ELECTROMAGNETIC RADIATION IN WAVE RANGES OTHER THAN OPTICAL
    • H01S5/00Semiconductor lasers
    • H01S5/30Structure or shape of the active region; Materials used for the active region
    • H01S5/32Structure or shape of the active region; Materials used for the active region comprising PN junctions, e.g. hetero- or double- heterostructures
    • H01S5/327Structure or shape of the active region; Materials used for the active region comprising PN junctions, e.g. hetero- or double- heterostructures in AIIBVI compounds, e.g. ZnCdSe-laser
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01SDEVICES USING THE PROCESS OF LIGHT AMPLIFICATION BY STIMULATED EMISSION OF RADIATION [LASER] TO AMPLIFY OR GENERATE LIGHT; DEVICES USING STIMULATED EMISSION OF ELECTROMAGNETIC RADIATION IN WAVE RANGES OTHER THAN OPTICAL
    • H01S5/00Semiconductor lasers
    • H01S5/02Structural details or components not essential to laser action
    • H01S5/0206Substrates, e.g. growth, shape, material, removal or bonding
    • H01S5/0218Substrates comprising semiconducting materials from different groups of the periodic system than the active layer
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01SDEVICES USING THE PROCESS OF LIGHT AMPLIFICATION BY STIMULATED EMISSION OF RADIATION [LASER] TO AMPLIFY OR GENERATE LIGHT; DEVICES USING STIMULATED EMISSION OF ELECTROMAGNETIC RADIATION IN WAVE RANGES OTHER THAN OPTICAL
    • H01S5/00Semiconductor lasers
    • H01S5/04Processes or apparatus for excitation, e.g. pumping, e.g. by electron beams
    • H01S5/042Electrical excitation ; Circuits therefor
    • H01S5/0421Electrical excitation ; Circuits therefor characterised by the semiconducting contacting layers
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01SDEVICES USING THE PROCESS OF LIGHT AMPLIFICATION BY STIMULATED EMISSION OF RADIATION [LASER] TO AMPLIFY OR GENERATE LIGHT; DEVICES USING STIMULATED EMISSION OF ELECTROMAGNETIC RADIATION IN WAVE RANGES OTHER THAN OPTICAL
    • H01S5/00Semiconductor lasers
    • H01S5/30Structure or shape of the active region; Materials used for the active region
    • H01S5/305Structure or shape of the active region; Materials used for the active region characterised by the doping materials used in the laser structure
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01SDEVICES USING THE PROCESS OF LIGHT AMPLIFICATION BY STIMULATED EMISSION OF RADIATION [LASER] TO AMPLIFY OR GENERATE LIGHT; DEVICES USING STIMULATED EMISSION OF ELECTROMAGNETIC RADIATION IN WAVE RANGES OTHER THAN OPTICAL
    • H01S5/00Semiconductor lasers
    • H01S5/30Structure or shape of the active region; Materials used for the active region
    • H01S5/305Structure or shape of the active region; Materials used for the active region characterised by the doping materials used in the laser structure
    • H01S5/3054Structure or shape of the active region; Materials used for the active region characterised by the doping materials used in the laser structure p-doping
    • H01S5/3059Structure or shape of the active region; Materials used for the active region characterised by the doping materials used in the laser structure p-doping in II-VI materials

Abstract

【課題】RoHS指令に該当する物質を使用することなく、発光特性などが良好で、Clドーピングについて活性化率の高い、つまり結晶欠陥が少なく信頼性の高い半導体光学素子と装置を容易に製造するためのn型クラッド層構造、及びそれに対応する活性層、p型クラッドを提供することである。
【解決手段】InP基板上に格子整合するII-VI族を主たる構成材料とする、発光素子のn型層が、II族原子はMg、Zn、Beからなり、VI族原子はSe、TeからなるII-VI族化合物半導体であり、大きなエネルギーギャップ、伝導帯最下端が高くTypeII発光を抑制できること、高いキャリア濃度、結晶欠陥の少ない良質の結晶性が実現できる。
【選択図】図9

Description

本発明は、InP基板上のn型半導体層構造を有する半導体発光素子に関し、主にII族元素とVI族元素から構成される化合物半導体において、光閉じ込めとキャリア閉じ込め機能を持つn型クラッド層として、充分なエネルギーギャップとキャリア濃度を有することを特徴とする半導体発光素子、例えば緑色発光レーザに関するものである。
半導体発光素子、例えば半導体レーザ(LD)は、光ディスクの記録再生用の光源として、歴史的にはCD用、DVD用、ブルーレイ用と記録密度が増加することができる、より短波長化を目指し研究開発が進められてきた。
光ディスク用途以外には、主に通信用として1.55μm、1.3μm、0.98μmなどの波長帯のLDが開発されてきた。その他には固体レーザ励起用、加工用、センサ用、測定器用、医療用、ディスプレイ用などにも応用範囲はますます拡大している。一方、発光ダイオード(LED)は表示用等として赤色を中心に実用化されたが、長年青色と緑色を発光する高輝度の素子が開発されなかった。近年AlGaInN系にて優れた特性を持つ素子が開発実用化されて、更には紫外やこれらの応用として白色についても日々進捗している。この結果LEDは現代生活に欠かせない素子になり、表示用だけでなく、ディスプレイ用、照明用としてLD以上の規模の大きな応用範囲を持ってきている。
ところが人間の最も視感度の高い緑色についてはLEDでは他の色と比較して、いまだ効率が低く、LDに至っては純青色(480nm強)からオレンジ色(600nm強)の可視光範囲では充分な素子が開拓されていない。特に3原色の1つである緑色LDが実現すれば新規応用が開拓されると期待されている。
これらの光学素子の半導体材料としてはこれまで780nm、808nm、860nm、915nm、980nm帯などの赤外光デバイスにはAlGa(In)As系材料などが、1.3μmや1.55μmではInGaAsP系材料からなるIII-V族化合物が用いられてきた。また600nm帯(特に635〜670nm)の赤色光デバイスにはAlGaInP系のIII−V族化合物半導体が、400nm帯(特に350〜480nm)の青色光デバイスにはAlGaInN系からなるIII−V族窒化物半導体を用いて研究開発が進められ各々実用化に至っている。
本発明の技術分野に関する未開拓の480〜600nm周辺については、III-V族化合物半導体とならんでII−VI族半導体が有力候補であり、事実500nm付近の青緑色LDは室温連続発振1mWで約400時間の寿命を持つ素子が報告されている。非特許文献1(E.Kato等「Electronics Lett.」34、282(1998)参照)
しかしながらII-VI族半導体には、HgやCdのように人体にとって毒性の強い物質が存在する。事実これらの2つの物質を製品として使用することに関しては特別な場合を除いては大変むずかしい。
EU(欧州連合)は2003年1月27日(2月13日官報)にRoHS(ロースまたはローハス:on the Restriction of the use of certain Hazardous Substances)指令を発効した。電気電子機器メーカーは機器において鉛、水銀、カドミウム、六価クロムの重金属と、臭化難燃剤であるポリブロモジフェニルエーテル(PBDE)とポリブロモビフェニル(PBB)の6種の物質を2006年7月1日までに原則として製品に含まれないようにすることを要求している。日本国内でもJ−Moss(ジェイモス)が同等の内容であり、2006年7月1日までと要求している。
詳細を記載しないが17例の用途除外とその最大許容量が存在するが、メーカー各社は社会への環境活動の柱としてこれら6種については全廃を宣言する所が多く、事実上新製品に使用することは極めて困難といえる。
発明者らと国内外の幾つかの研究グループが黄色から緑色で発光する半導体デバイスを形成するための材料の候補として、InP半導体基板上に結晶成長により作製でき、かつInP基板に格子整合するMgZnCd1−x−ySeII−VI族化合物半導体に着目し研究開発を行ってきた(N.Dai等「Appl.Phys.Lett.」66、2742(1995)、T.Morita等「J.Electron.Mater.」25、425(1996)参照)。MgxZnyCd1-x-ySeは各組成(x、y)がy=0.47−0.37x(x=0〜0.8、y=0.47〜0.17)の関係式を満たす場合にInPに格子整合し、組成を(x=0、y=0.47)から(x=0.8、y=0.17)に変えることで禁制帯幅を2.1eVから3.6eVまで制御できるという特徴を有している。
また、上記の組成範囲においてエネルギーギャップは全て直接遷移型を示し、エネルギーギャップを波長に換算すると590nm(燈色)から344nm(紫外)となることから、黄色から緑色で発光する半導体デバイスの基本構造であるダブルヘテロ構造を構成するための活性層とクラッド層がMgxZnyCd1-x-ySeの組成を変えるだけで実現できることを示唆している。
実際に、分子線エピタキシー(MBE)法によりInP基板上に成長させたMgxZnyCd1-x-ySeのフォトルミネッセンス測定では、組成の異なるMgxZnyCd1-x-ySeにおいてピーク波長が571nmから397nmの良好な発光特性が得られている(T.Morita等「J.Electron.Mater.」25、425(1996)参照)。
また、MgxZnyCd1-x-ySeを用いたレーザ構造では赤色、緑色及び青色の各波長帯において光励起によるレーザ発振が報告されている(L.Zeng等「Appl.Phys.Lett.」72、3136(1998)参照)。
一方、これまでMgxZnyCd1-x-ySeだけで構成された半導体レーザダイオードの電流駆動によるレーザ発振は報告されていない。レーザ発振が得られていない主な原因はMgxZnyCd1-x-ySeの不純物ドーピングによるp型伝導性制御が困難であることによると考えられる。
そこで筆者らはn型クラッド層としては、MgxZnyCd1-x-ySeを用いて、活性層やp型クラッド層、ガイド層、コンタクト層などの最適な材料を見出して試作を行ってきた。
実際nクラッド層としてMgZnCdSeを用いて、活性層としてZnCdSeを用いて、pクラッド層としてMgSe/BeZnTeを用いた構造にて560nmの黄緑色LDの77K発振に成功した。また発光層をBeZnSeTeとして、594、575、542nmの橙色から黄緑色の単峰性発光を観測し、575nmLEDは室温5000時間以上の寿命動作を達成している。
さらにnクラッド層がMgxZnyCd1-x-ySeあるいはMgSe/ZnCdSe超格子構造からなり、活性層がBeZnSeTeからなるLED素子において、発光メカニズムを詳細に検討したところ、発光波長の駆動電流依存性が大きいことがわかり、nクラッド層〜活性層付近のヘテロ界面でのTypeII発光が生じていることが示唆された。
E.Kato等「Electronics Lett.」34、(1998)、p.282 N.Dai等「Appl.Phys.Lett.」66、(1995)、p.2742 T.Morita等「J.Electron.Mater.」25、(1996)、p.425
発明者らは安定したn型クラッド層としてCl(塩素)ドープMgZnCdSeあるいはCl(塩素)ドープMgSe/Cl(塩素)ドープZnCdSe超格子層を用いてきたが、Cdの使用が製品として困難な場合においては、Cdの含まれない安定したn型クラッド層を作製する必要がある。
さらに、この発明が解決しようとする課題は、禁止物質を含まず、発光特性などの特性が良好でCl(塩素)ドーピング効率の高い、つまり結晶欠陥の少ない最適なn型クラッド層を提供することである。その結果、長寿命の半導体光学素子と装置を容易に製造することができる。
また、TypeII発光を抑制するためには、半導体バンド構造の伝導帯の最下端が、活性層であるBeZnSeTeよりnクラッド層の方が高いことが望まれる。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を行った。その概要について説明すると次の通りである。本発明者は、InPに格子整合するCdを含まないII-VI族化合物半導体において、クラッド層としてキャリア閉じ込めと光閉じ込めが可能なエネルギーギャップと屈折率を有すること、n型層として充分なキャリア濃度までドーピングが可能であることなどを指針とした考察、および結晶成長・光学/電気的評価を行った。
その結果、MgZnSeTeを主成分とするnクラッドにおいて、上記要求を満足できること、また、このnクラッドに適する活性層材料(BeZnSeTe他)、及びpクラッド材料(BeMgZnTe他)を見出し、緑色発振可能な半導体レーザ層構造を提案するに至った。
このような半導体層が可能になり素子作製に用いられることで、例えば黄色から緑色で発光するレーザダイオードなどの光学素子及び光学装置の実現に大いに貢献するものと期待される。
本発明によれば、InP基板上に形成される、II−VI族化合物半導体を主たる構成材料とする、レーザダイオード、発光ダイオード、受光素子など光学素子にとって適当なn型クラッド層を実現できる。これにより、発光特性などの特性が良好で、信頼性も高い半導体発光素子及び受光素子を、容易に製造することのできる半導体光学素子の製造方法を提供できる。
以下、この発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお実施形態の全図において、同一または対応する部分には同一の符号を付す。
本発明では、有害物質に関するRoHS基準を満足する材料系において、InP基板上に緑色半導体レーザを実現できる層構造構成を提供する。
具体的には、高濃度ドーピングの観点から、新たなnクラッド層を提供し、さらにバンドラインナップの観点から本nクラッド層に適する活性層、pクラッド材料を提供する。
図1に関連する主なII−VI族化合物半導体の格子定数とエネルギーギャップの関係を示す。縦軸に平行な点線はInPに格子整合する格子定数であり、基本的にはこの線上に存在する半導体を用いて発光素子を形成する。本発明では格子不整の許容度は1%以下とした。これは、以下に述べる応力補償積層構造等の適用により、十分格子不整に基づく結晶欠陥の発生を抑制できる値である。格子定数は、結晶成長での原料の供給量を調整することで調整可能である。
以下、本発明の要旨を、本図を用いてInPとの格子整合の観点から説明する。
初めに、本発明で提供する2種類のnクラッド材料を以下に示す。
nクラッド#1:MgxZn1-xSeyTe1-y(0.5<y<1.0)
nクラッド#2:MgxZn1-xSeyTe1-y/MgSe超格子(0.5<y<1.0)
図1より#1材料系はInPに格子整合が可能なことがわかる。また、#2のMgSeはInPとの格子不整が0.7%と十分に小さく、格子不整に基づく結晶欠陥の発生を抑制できることがわかる。
次に、本発明で提供する3種類の活性層材料を以下に示す。
活性層#3:BexZn1-xSeyTe1-y
活性層#4:BexZn1-xSeyTe1-y/MgSe超格子
活性層#5:BexZn1-xTe/ZnSe超格子
図1より#3BeZnSeTeはInPに格子整合できることがわかる。また、上述のMgSeの説明より#4材料系もInPにほぼ格子整合できることがわかる。#5のZnSeはInPとの格子不整は3.4%と大きく、格子整合しないが、BeZnTeの組成を調整することにより、また相対層厚比を調整することで、BeZnTe/ZnSe対の平均的な格子定数をInPに整合させることが可能である。その結果、格子不整に起因する応力を低減することが可能である。
次に、本発明で提供する3種類のpクラッド材料を以下に示す。
pクラッド#6:BexMgyZn1-x-yTe
pクラッド#7:BexZn1-xTe/MgyBe1-yTe
pクラッド#8:BexZn1-xTe/MgSe超格子
図1、および上述のMgSeの説明より、#6、#7、#8の材料系はいずれもInPにほぼ格子整合させることができる。
本発明では上記有害指定物質であるCd等を含まないnクラッドを提供すると共に、これらのnクラッドとの組み合わせの可能な上記活性層、pクラッドを提供する。それらを組み合わせることにより環境に配慮した緑色半導体レーザを提供する。
以下、これらの材料系の特徴を述べる。
図2に関連する主な2元化合物半導体の格子定数a(単位Å:オングストローム)とエネルギーギャップEg(単位:eV)を示す。なおボーイングパラメータはエネルギーギャップの計算の時に使用する。
以下、上記提案材料について説明する。
初めに、nクラッド#1:MgxZn1-xSeyTe1-y(y>0.5)について、InP基板に格子整合するMgxZn1-xSeyTe1-yが存在するかを確認する。

A(x,y)=xy a(MgSe) + x(1-y)a(MgTe) + (1-x)ya(ZnSe) + (1-x)(1-y)a(ZnTe) 式1)
但し 0<x,y<1

式1)にてMgxZn1-xSeyTe1-yの格子定数A(x,y)を2元材料の格子定数aを用いて、InPとの整合条件を計算すると

0.25x-0.43y-0.01xy+0.2313=0 式2)
これより、
x=0の時y=0.538
y=1の時x=0.828
したがって、本発明のyの範囲(0.5<y<1)を含む領域でInPに格子整合するMgxZn1-xSeyTe1-yが存在することがわかる。
次にエネルギーギャップEgが2.8eV,2.9eV,3.0eV,3.1eVであるMgxZn1-xSeyTe1-yが存在するかを確認する。
Eg= xy E(MgSe) + x(1-y)E(MgTe) + (1-x)yE(ZnSe) + (1-x)(1-y)E(ZnTe)
+ x(x-1){ yB(MgSe-Te) + (1-y)B(Zn-Mg) }
+ y(y-1){ xB(ZnSe-Te) + (1-x)B(MgSe-Te) } 式3)
但し0<x,y<1
式3)を計算すると、
Eg=-1.271xy + 0.98x -1.211y + 0.26xx + 1.621yy +1.361xxy+2.26 式4)
となる。
計算の結果は図3のようになる。本発明のyの範囲(0.5<y<1)で上記条件が満たされることがわかる。例えばEgが3.0eVではそれぞれx=0.65 y=0.90となる。したがってMg0.65Zn0.35Se0.90Te0.10がInPに格子整合し、かつEgが3.0eVとなりクラッド層に充分可能なものである。
なお、本発明に用いた計算手法は一般的なものであるが、特に文献1)が詳しい。この文献1)ではやはりZnMgSeTeに注目しておりZnTe基板上、InAs基板上、InP基板上に格子整合する組成領域が存在することに言及していて、特にZnTe基板上で青緑色のスペクトルレンジの4元混晶が期待できることを結論としている。
文献1):J.Crystal Growth 214/215(2000)350 Kyurhee Shim et al.
また発明者である岸野、野村らは文献2)において、MgSeTe層とZnTe層の超格子構造を用いてその膜厚を変化させることにより2.37eVと2.47eVの発光を観測しZnTe基板上のLED素子のキャリア閉じ込め層として用いている。
文献2):Phys.stat.sol.(a)192 No.1, 206 Y.Ochiai et al.
また発明者らは文献3)において、キャリア濃度は掲載していないが、n型ClドープMgZnSeTe層をZnTe基板上LED素子のクラッド層として用いることを報告している。なおこの時の4元混晶はMg0.4Zn0.6Se0.3Te0.7である。本発明のInP基板上の4元子混晶と比較すると、本発明ではMgとSeの組成比率が増加し、ZnとTeの組成比率が減少することになる。一般にn型ドーパントとなるCl(塩素)はSeが多くTeが少ないほど、n型キャリア濃度(ドーピング効率)が上昇するので、本発明においては大変都合が良い。
文献3):Phys.stat.sol.(b)241 No.3, 483 I.Nomura et al.
また発明者らは文献4)においてZnTe基板上の光電変換機能素子について出願を行っている。
文献4):公開特許公報(特開2003−258303)岸野ら
本発明は、以上に述べたような独自のn型クラッド層を形成することにより、InP基板上に、このn型クラッド層、活性層、及び、p型クラッド層などを有する半導体発光素子を提供するものである。
次にnクラッド#2:MgxZn1-xSeyTe1-y/MgSe超格子について同様な検討を行う。MgSeがほぼInPに格子整合することから、格子整合条件が満たされることは明らかである。また、InPに整合するMgZnSeTeを用いた本超格子は、MgZnSeTeを井戸とするタイプIのバンドラインナップを形成する。そのため、超格子内に形成されるミニバンドのエネルギー準位は、常にMgZnSeTeより高くなり(価電子帯準位は低く、伝導帯準位は高くなり)、MgZnSeTeより実効的に大きなバンドキャップが得られる。従って、クラッド層として十分なバンドキャップを持つことになる。
次に活性層について述べる。
初めに活性層#3BeZnSeTeについて述べる。図4でInPに格子整合するBexZn1-xSeyTe1-yの価電子帯、伝導帯のエネルギーを左軸に、バンドギャップ(点線)を右軸にBe組成xの関数として示した。価電子帯のエネルギーは直接遷移であるG点(実線)の他、間接遷移であるX点(破線)、L点(破線)でのエネルギーを示した。エネルギーの基準にはZnSeの価電子帯を用いた。BeZnSeTeはBe組成x<0.48の範囲でInPに格子整合すること、また、Be組成x<0.4で直接遷移であることがわかる。x=0.13でバンドギャップEg=2.3eVとなり、この近傍の組成を用いることにより緑色の発光素子を作製することができる。また、Beを添加することにより、結晶の結合強度の増強が可能であり、半導体レーザを作成した場合、信頼性の向上が期待できる。
次に、活性層#4BeZnSeTe/MgSeについて述べる。MgSeがほぼInPに格子整合することからあs、格子整合条件が満たされることは明らかである。また、InPに整合するBeZnSeTeを用いた本超格子は、BeZnSeTeを井戸とするタイプIのバンドラインナップを形成する。そのため、高い発光効率が可能であり、半導体レーザの活性層として使用できる。また、BeZnSeTe、MgSeの膜厚を調整することにより、ミニバンドのエネルギーを調整することができる。また、Beを添加することにより、結晶の結合強度の増強が可能であり、半導体レーザを作成した場合、信頼性の向上が期待できる。
次に、活性層#5Bex Zn 1-xTe/ZnSe超格子について述べる。ZnSeはInPに対して3.4%の大きな格子不整があるが、Bex Zn 1-xTeのBe組成比xをInP格子整合時のそれより小さくして、かつBeZnTeとZnSeの相対層厚比を調整することで、BeZnTe/ZnSe対の平均的な格子定数をInPに整合させることが可能である。
次にpクラッドについて述べる。
初めに、pクラッド#6:BexMgyZn1-x-yTeについて述べる。図5でInPに格子整合するBexMgyZn1-x-yTeの価電子帯、伝導帯のエネルギーを左軸に、バンドギャップ(点線)を右軸にMg組成yの関数として示した。価電子帯のエネルギーは直接遷移であるG点(実線)の他、間接遷移であるX点(破線)、L点(破線)でのエネルギーを示した。エネルギーの基準にはZnSeの価電子帯を用いた。BeMgZnTeはBe組成y<0.35の範囲でInPに格子整合すること、また、格子整合全域で直接遷移であることがわかる。図には、上述の活性層材料BeZnSeTeにて緑色の発光素子として最適であるEg=2.3eVの場合の価電子帯、伝導帯のエネルギーも示した。BeZnSeTe活性層に対してタイプIのバンド接続が可能である。さらに、BexMgyZn1-x-yTe のBe組成x>0.1以上でBeZnSeTe活性層に対して価電子帯、伝導帯のバンド不連続値ΔEv>0.1eV、ΔEc>0.3eVが可能であり、本組み合わせにより活性層への十分なキャリア閉じ込めが可能である。
次に、pクラッド#7:BexZn1-xTe/MgyBe1-yTeについて述べる。図1よりBexZn1-xTeはx=0.48にてInPに格子整合し、エネルギーギャップは2.77eVである。MgyBe1-yTeはy=0.64にてInPに格子整合し、エネルギーギャップは約3.7eVである。Be0.48Zn0.52TeとMg0.64Be0.36Teの相対組成比を調整することで、活性層に対して十分なキャリア閉じ込めが可能である。
次に、Pクラッド#8:BexZn1-xTe/MgSe超格子について述べる。MgSeがほぼInPに格子整合することから格子整合条件が満たされるのは明らかである。またInPに格子整合するBeZnTeを用いた本超格子は、BeZnTeを井戸とするタイプIのバンドラインナップを形成する。そのため、超格子内に形成されるミニバンドのエネルギー準位は、常にBeZnTeより高くなり(価電子帯準位は低く、伝導帯準位は高くなり)、BeZnTeより実効的に大きなバンドキャップが得られる。従って、クラッド層として十分なバンドキャップを持つことになる。
以上の利点を実証するため、結晶を作製・評価した結果のいくつかを以下に示す。
nクラッド材料であるMgZnSeTeの作製・評価結果を示す。
図6(a)に作製したMgZnSeTe試料構造を示す。InP基板21上にInPバッファ層22、InGaAsバッファ層23、ZnCdSeバッファ層24、MgZnSeTe層25、ZnTeキャップ層26より構成される。作製には2成長室分子線エピタキシー(MBE)装置を用いた。先ず、InP基板21を最適な表面処理を行ったのちに、MBE装置内へセットする。試料交換用の準備室に入れて真空ポンプで10−3Pa以下まで真空引きし、100℃まで加熱し残留水分及び不純物ガスを脱離させる。次に、III−V族専用成長室に搬送し、基板表面にP分子線をあてながら基板温度を500℃に加熱することで基板表面の酸化膜を除去し、その後基板温度450℃でInPバッファ層22を層厚30nm成長し、基板温度470℃でInGaAsバッファ層23を200nm成長する。次に試料をII−VI族専用成長室に搬送し、ZnCdSeバッファ層24、200nmに続き、本発明に関わるアンドープMgZnSeTe層24(層厚840nm)、最後にZnTeキャップ層10(層厚10nm)を順次積層した。
作製したMgZnSeTeのバンドギャップを評価した。図6(b)に室温で測定したフォトルミネッセンス(PL)スペクトルを示した。励起光源にはHeCdレーザを用いた。強度の異なる2つのピークが観測された。強度の大きな波長490nmのピークは、MgZnSeTeからの発光であり、強度の小さな波長597nmのピークは、下地のZnCdSeからの発光である。MgZnSeTeからの発光強度が強いことから本作製条件により良質な結晶が得られたことがわかる。
次に、同試料のバンドギャップを求めるため、同試料の反射スペクトルを測定した。反射スペクトルには、MgZnSeTeの膜厚に対応する干渉が観測され、その強度の変化から、MgZnSeTeの吸収端、すなわちバンドギャップを見積もった。反射スペクトルから見積もったバンドギャップEg(R)は2.99 eVであった。一方、図6(b)のPLピーク波長は、Eg(PL)=2.53 eVに相当する。この吸収端と発光エネルギーの差は、TeSeを含むII-VI材料にしばしばみられるストークスシフトと考えられる。従って、作製試料のバンドギャップは2.99eVと考えられる。このことを確認するため、本試料の組成を電子線マイクロアナライザ測定(EPMA)及び、X線回折測定により求めた。作製試料の組成はMg0.56Zn0.44Se0.85Te0.15であった。先のバンドキャップ組成依存性の計算式を用いてこの組成に対応するバンドギャップを求めると、Eg=2.90eVが得られる。以上のことから、MgZnSeTe混晶が緑色半導体レーザのクラッド材料として十分なバンドギャップを持つこと、また、良質な結晶が得られることが確認できた。
nクラッド材料には、上記バンドキャップの他、低抵抗化のためのn型ドーピングが必要である。図7(a)にドーピング評価のために作製した試料の積層構造を示す。InP基板21上にInPバッファ層32、InGaAsバッファ層33、ZnCdSeバッファ層34、MgZnSeTe層35、ZnTeキャップ層36より構成される。作製には2成長室分子線エピタキシー(MBE)装置を用いた。先ず、InP基板21を最適な表面処理を行ったのちに、MBE装置内へセットする。試料交換用の準備室に入れて真空ポンプで10−3Pa以下まで真空引きし、100℃まで加熱し残留水分及び不純物ガスを脱離させる。
次に、III−V族専用成長室に搬送し、基板表面にP分子線をあてながら基板温度を500℃に加熱することで基板表面の酸化膜を除去し、その後基板温度450℃でSiドープn型InPバッファ層32を層厚30nm成長し、基板温度470℃でSiドープn型InGaAsバッファ層33を200nm成長する。次に試料をII−VI族専用成長室に搬送し、Clドープn型ZnCdSeバッファ層34、200nmに続き、本発明に関わるClドープn型MgZnSeTe層(例えばMg0.65Zn0.35Se0.90Te0.10)35(層厚800nm)、最後にZnTeキャップ層36(層厚10nm)を順次積層した。ClのドーピングにはZnCl2を用い、ZnCl2セル温度は110℃とした。
図7(b)に4結晶X線回折装置で測定した本試料の格子不整度の測定結果を示す。L0で示したInP基板からの回折ピークのマイナス側にエピタキシャル成長層のピークが観測された。L1で示したピークがMgZnSeTeからの回折であり、格子不整度は+0.8%であった。半値幅が狭いこと、回折強度が大きいことから良好な結晶が得られていることがわかる。本試料にショットキー電極を蒸着して、容量電圧測定により本試料のキャリア濃度を評価した。
図8(a)に構造を示す。結晶の表面にAuショットキー電極を抵抗加熱蒸着装置を用いて形成した。基板側にはAuGeNiオーミック電極を形成した。図8(b)に容量電圧特性の測定結果を示す。ショットキー電極に逆バイアスを印加すると容量が減少したことから、MgZnSeTeはn型にドーピングされていることがわかった。同図に1/Cを示した。1/Cはバイアスに対してほぼ直線的に減少しており、MgZnSeTe層でのキャリア濃度 n=2 x 1017 cm−3が求められた。また、ZnCl2セル温度を130℃に上昇したところ、 n=2 x 1018 cm−3が得られた。
以上の検討により、MgZnSeTeは緑色半導体レーザのnクラッドとして有望であることがわかった。
次に、本発明に基づくいくつかのII−VI族半導体レーザ積層構造を示す。
一例の概略断面図を図9に示す。2成長室分子線エピタキシー(MBE)装置を用いた結晶成長により作製する。先ず、InP基板31を最適な表面処理を行ったのちに、MBE装置内へセットする。試料交換用の準備室に入れて真空ポンプで10−3Pa以下まで真空引きし、100℃まで加熱し残留水分及び不純物ガスを脱離させる。
次に、III−V族専用成長室に搬送し、基板表面にP分子線をあてながら基板温度を
500℃に加熱することで基板表面の酸化膜を除去し、その後基板温度450℃でSiドープn型InPバッファ層32を層厚30nm成長し、基板温度470℃でSiドープn型InGaAsバッファ層33を200nm成長する。
次に試料をII−VI族専用成長室に搬送し、本発明に関わるClドープn型MgZnSeTe層(例えばMg0.65Zn0.35Se0.90Te0.10)からなるクラッド層40(層厚0.5μm)、BeZnSeTe/MgSe超格子構造からなるガイド層42(層厚70nm)、BeZnSeTe 量子井戸活性層43(層厚10nm)、BeZnSeTe/MgSe超格子構造からなるガイド層44(層厚70nm)、を成長した後、Nドープp型BeZnTe/MgSe超格子構造からなるクラッド層45(層厚0.6μm)を形成し、Nドープp型BeZnTe層46(層厚30nm)、Nドープp型BeZnTe/ZnTe超格子コンタクト層47(全層厚500nm)、最後にNドープp型ZnTeキャップ層48(層厚30nm)を順次積層した。
他の実施例の概略断面図を図10に示す。2成長室分子線エピタキシー(MBE)装置を用いた結晶成長により作製する。先ず、InP基板31を最適な表面処理を行ったのちに、MBE装置内へセットする。試料交換用の準備室に入れて真空ポンプで10−3Pa以下まで真空引きし、100℃まで加熱し残留水分及び不純物ガスを脱離させる。
次に、III−V族専用成長室に搬送し、基板表面にP分子線をあてながら基板温度を
500℃に加熱することで基板表面の酸化膜を除去し、その後基板温度450℃でSiドープn型InPバッファ層32を層厚30nm成長し、基板温度470℃でSiドープn型InGaAsバッファ層33を200nm成長する。
次に試料をII−VI族専用成長室に搬送し、Clドープn型Mg0.65Zn0.35Se0.90Te0.10/MgSe超格子層からなるクラッド層50(層厚0.5μm)、Clドープn型Mg0.65Zn0.35Se0.90Te0.10/MgSe超格子層からなるグレーデッド層51(層厚0.5μm)、BeZnSeTe/MgSe超格子構造からなるガイド層52(層厚70nm)、BeZnSeTe 量子井戸活性層53(層厚10nm)、BeZnSeTe/MgSe超格子構造からなるガイド層54(層厚70nm)を成長した後、Nドープp型BeZnTe/MgSe超格子構造からなるクラッド層55(層厚0.6μm)を形成し、Nドープp型BeZnTe層56(層厚30nm)、Nドープp型BeZnTe/ZnTe超格子コンタクト層57(全層厚500nm)、最後にNドープp型ZnTeキャップ層58(層厚30nm)を順次積層した。ここで、n型クラッド超格子はMgSe:2分子層(2ML)、 MgZnSeTe: 4MLより構成し、グレーデッド層超格子はMgSe:2ML /MgZnSeTe:3ML 10対、MgSe:2ML /MgZnSeTe:2ML 10対、MgSe:2ML /MgZnSeTe:1ML 10対より構成した。
他の実施例の概略断面図を図11に示す。2成長室分子線エピタキシー(MBE)装置を用いた結晶成長により作製する。先ず、InP基板31を最適な表面処理を行ったのちに、MBE装置内へセットする。試料交換用の準備室に入れて真空ポンプで10−3Pa以下まで真空引きし、100℃まで加熱し残留水分及び不純物ガスを脱離させる。
次に、III−V族専用成長室に搬送し、基板表面にP分子線をあてながら基板温度を
500℃に加熱することで基板表面の酸化膜を除去し、その後基板温度450℃でSiドープn型InPバッファ層32を層厚30nm成長し、基板温度470℃でSiドープn型InGaAsバッファ層33を200nm成長する。
次に試料をII−VI族専用成長室に搬送し、Clドープn型Mg0.65Zn0.35Se0.90Te0.10/MgSe超格子層からなるクラッド層60(層厚0.5μm)、Clドープn型Mg0.65Zn0.35Se0.90Te0.10/MgSe超格子層からなるグレーデッド層61(層厚0.5μm)、BeZnSeTe/MgSe超格子構造からなるガイド層62(層厚70nm)、BeZnSeTe/MgSe 多重量子井戸活性層63(層厚10nm)、BeZnSeTe/MgSe超格子構造からなるガイド層64(層厚70nm)、を成長した後、Nドープp型BeMgZnTeクラッド層65(層厚0.6μm)を形成し、Nドープp型BeZnTe層66(層厚30nm)、Nドープp型BeZnTe/ZnTe超格子コンタクト層67(全層厚500nm)、最後にNドープp型ZnTeキャップ層68(層厚30nm)を順次積層した。ここで、n型クラッド超格子はMgSe:2分子層(2ML)、 MgZnSeTe: 4MLより構成し、グレーデッド層超格子はMgSe:2ML /MgZnSeTe:3ML 10対、MgSe:2ML /MgZnSeTe:2ML 10対、MgSe:2ML /MgZnSeTe:1ML 10対より構成した。
次に、図12と図13を用いて説明する。最初に図9,10,11のようにできたエピタキシャルウェーハに、p型ZnTeコンタクト層48,58,68上にリソグラフィーにより所定形状のレジストパターン(図示せず)を形成してストライプ部及び電流狭窄領域以外の部分の表面を覆った後に、全面に例えばPd膜、Pt膜、Au膜を順次真空蒸着する。この後、レジストパターンを、その上に体積したPd膜、Pt膜及びAu膜とともにリフトオフする。これによってZnTeコンタクト層48,58,68上にPd/Pt/Auからなるp型電極が形成される。この後、必要に応じて熱処理を行って、オーミック接触させる。一方n型InP基板は100μm程度まで薄膜化してn型電極例えばAu/Geを蒸着しオーミック接触させる。
次に、図12(c)〜(e)に示すように、ダイヤモンドカッタでウェーハの端部にきずをつけ、圧力をかけてきずを開くように割ることによりへきかいする。次に、発光する前方端面に5%程度の低反射コーティングと後方端面に95%程度の高反射コーティングを蒸着あるいはスパッタリングにてAl、SiO、SiNなどを使って形成する。次に、再びストライプ方向にけがいて割り出すペレタイズ工程を行いチップとすることができる。
次に、図13を用いて説明する。図12まででできたチップを発光点の位置と端面の角度を合わせながらSiサブマウント上に配置する。Siサブマウントとチップの間にはんだがつけられて熱を加え、はんだを溶かすアロイ工程で固着化される。次に、Siウェーハをダイサーにてカットして個別に分離する。次に、銅などで作られたヒートシンクステム上に接合するダイボンド工程を行い、はんだや接着剤を用いて加熱工程にて固定する。
次に、チップ上の電極とステム上の端子を金ワイヤでつなぐワイヤボンディング工程を行う。次に、レーザ光の出口になるウィンドーキャップをステムに対して、溶接を用いて気密封止工程を行うことで、最終的なパッケージを完成する。
以上、この発明の実施形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の実施形態において挙げた数値、構造、基板、原料、プロセスなどはあくまでも例にすぎず、必要に応じて、これらと異なる数値、構造、基板、原料、プロセスなどを用いてもよい。
具体的には、実施形態例では本発明に関わるn型クラッド層として、MgZn1−xSeTe1−yを用いたが、MgZnSe層、BeSe層とZnTe層からなる超格子構造でもよい。
本発明に関連するII−VI族化合物半導体の格子定数とエネルギーギャップの関係である。 本発明に関連するII−VI族2元化合物半導体の格子定数とエネルギーギャップの値である。 本発明の実施形態のうち計算で求めたInP基板上MgZnSeTeを示す図である。 本発明の実施形態のうち計算で求めたInP基板上BeZnSeTeを示す図である。 本発明の実施形態のうち計算で求めたInP基板上BeMgZnTeを示す図である。 本発明の実施形態のうち(a)試作したMgZnSeTeの構造、(b)フォトルミネッセンススペクトルを示す図である。 本発明の実施形態のうち(a)試作したMgZnSeTe:Clの構造、(b)X線回折スペクトルを示す図である。 本発明の実施形態のうち(a)試作したMgZnSeTe:Clショットキーダイオードの構造、(b)容量電圧特性を示す図である。 本発明の実施形態の半導体レーザ構造を説明する図である。 本発明の実施形態の半導体レーザ構造を説明する図である。 本発明の実施形態の半導体レーザ構造を説明する図である。 個々の半導体発光素子を形成する一般的な手段の前半部を説明する図である。 個々の半導体発光素子を形成する一般的な手段の後半部を説明する図である。
符号の説明
21,31…InP基板、22,32…InPバッファ層、23,33…InGaAsバッファ層、24,34…ZnCdSe層、25,35…MgZnSeTe層、37…AuGeNi電極、38…Au電極、40…Clドープn型MgZnSeTeクラッド層、50,60…Clドープn型MgZnSeTe/MgSe超格子クラッド層、42,52,62…MgSe/BeZnSeTe超格子ガイド層、51,61…MgZnSeTe/MgSe超格子グレーデッド層、43,53…BeZnSeTe量子井戸活性層、63…MgSe/BeZnSeTe量子井戸活性層、44,54,64…MgSe/BeZnSeTe超格子ガイド層、45,55…MgSe/BeZnTe超格子Nドープp型クラッド層、65…BeMgZnTeNドープp型クラッド層、46,56,66…BeZnTe p型層、47,57,67…BeZnTe/ZnTe p型層、26,36…ZnTeキャップ層,48,58,68…ZnTe p型キャップ層、100…エピタキシャルウェーハ、101…発光部、102…基底部、103…ウェーハ、104…ダイヤモンドカッタ、105…チップ、106…Siサブマウント、107…ヒートシンクステム、108…ウィンドーキャップ。

Claims (7)

  1. InP基板上に少なくとも、n型クラッド層、活性層、及びp型クラッド層を有し、
    前記n型クラッド層は、該n型クラッド層におけるMgxZn1-xSeyTe1-yの構成比が80%以上、100%以下であり、かつ、MgxZn1-xSeyTe1-y を構成するSeの構成比y>0.5である単層膜であること、
    または、
    前記n型クラッド層がMgxZn1-xSeyTe1-yを含有する積層膜からなり、
    前記積層膜は、MgxZn1-xSeyTe1-yの構成比が80%以上、100%以下で、かつ、MgxZn1-xSeyTe1-y を構成するSeの構成比y>0.5である第1の層と、MgSeの構成比が80%以上、100%以下である第2の層との少なくとも2層を一対とする積層膜であって、前記一対の積層膜が繰り返し複数回積層されてなることを特徴とする半導体発光素子。
  2. 前記n型クラッド層のドーパントがCl(塩素)、Al(アルミニウム)、Ga(ガリウム)、またはIn(インジウム)であり、n型キャリア濃度が1x1016cm−3以上、1x1020cm−3以下であることを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子。
  3. 前記n型クラッド層のエネルギーギャップEgが、2.10eV以上、4eV以下であることを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子。
  4. 前記n型クラッド層の格子定数anが、InPの格子定数aInPに対して、―0.01<(an-aInP)/aInP<0.01を満足することを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子。
  5. 前記活性層は、該活性層におけるBeZnSeTeの構成比が80%以上、100%以下であり、前記BeZnSeTeの格子定数aaがInPの格子定数aInPに対して、―0.01<(aa―aInP)/aInP<0.01を満足する単層膜であること、
    または、
    前記活性層は、少なくとも第3の層と第4の層からなり、前記第3の層におけるBeZnSeTeの構成比が80%以上、100%以下であり、前記BeZnSeTeの格子定数aaがInPの格子定数aInPに対して、―0.01<(aa―aInP)/aInP<0.01を満足すること、および前記第4の層におけるMgSeの構成比が80%以上、100%以下であり、
    前記第3の層と前記第4の層の少なくと2層を一対とする積層膜が繰り返し複数回積層されてなること、
    または、
    前記活性層は、少なくとも第3の層と第4の層からなり、
    前記第3の層におけるBeZnTeの構成比が80%以上、100%以下であり、
    前記BeZnTeの格子定数aaがInPの格子定数aInPに対して、―0.01<(aa―aInP)/aInP<0.01を満足すること、および前記第4の層におけるZnSeの構成比が80%以上、100%以下であり、前記第3の層と前記第4の層の少なくと2層を一対とする積層膜が繰り返し複数回積層されて形成されてなることを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子。
  6. 前記p型クラッド層は、該p型クラッドにおけるBeMgZnTeの構成比が、80%以上、100%以下であり、前記BeMgZnTeの格子定数apがInPの格子定数aInPに対して、―0.01<(ap―aInP)/aInP<0.01を満足する単層膜であること、
    または、
    前記p型クラッド層は、少なくとも第5の層と第6の層からなり、
    前記第5の層におけるBeZnTeの構成比が80%以上、100%以下であり、
    前記BeZnTeの格子定数apが、InPの格子定数aInPに対して、―0.01<(ap―aInP)/aInP<0.01を満足すること、および前記第6の層におけるMgBeTeの構成比が80%以上、100%以下であり、前記MgBeTeの格子定数apがInPの格子定数aInPに対して、―0.01<(ap―aInP)/aInP<0.01を満足し、前記第5の層と前記第6の層の少なくと2層を一対とする積層膜が繰り返し複数回積層されてなること、
    または、
    前記p型クラッド層は、少なくとも第5の層と第6の層からなり、
    前記第5の層におけるBeZnTeの構成比が80%以上、100%以下であり、
    前記BeZnTeの格子定数apがInPの格子定数aInPに対して、―0.01<(ap―aInP)/aInP<0.01を満足すること、および前記第6の層におけるMgSeの構成比が80%以上、100%以下であり、前記第5の層と前記第6の層の少なくと2層を一対とする積層膜が繰り返し複数回積層されてなることを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子。
  7. 前記活性層は、該活性層におけるBeZnSeTeの構成比が80%以上、100%以下であり、前記BeZnSeTeの格子定数aaがInPの格子定数aInPに対して、―0.01<(aa―aInP)/aInP<0.01を満足する単層膜であること、
    または、
    前記活性層は、少なくとも第3の層と第4の層からなり、第3の層におけるBeZnSeTeの構成比が80%以上、100%以下であり、前記BeZnSeTeの格子定数aaがInPの格子定数aInPに対して、―0.01<(aa―aInP)/aInP<0.01を満足すること、および
    前記第4の層におけるMgSeの構成比が80%以上、100%以下であり、
    前記第3の層と前記第4の層の少なくと2層を一対とする積層膜が繰り返し複数回積層されてなること、
    または、
    前記活性層は、少なくとも第3の層と第4の層からなり、
    前記第3の層におけるBeZnTeの構成比が80%以上、100%以下であり、
    前記BeZnTeの格子定数aaがInPの格子定数aInPに対して、―0.01<(aa―aInP)/aInP<0.01を満足すること、および前記第4の層におけるZnSeの構成比が80%以上、100%以下であり、前記第3の層と前記第4の層の少なくと2層を一対とする積層膜が繰り返し複数回積層されて形成されてなること、
    および前記p型クラッドにおけるBeMgZnTeの構成比が80%以上、100%以下であり、前記BeMgZnTeの格子定数apがInPの格子定数aInPに対して、―0.01<(ap―aInP)/aInP<0.01を満足する単層膜であること、
    または、
    前記p型クラッド層は、少なくとも第5の層と第6の層からなり、
    前記第5の層におけるBeZnTeの構成比が80%以上、100%以下であり、
    前記BeZnTeの格子定数apがInPの格子定数aInPに対して、―0.01<(ap―aInP)/aInP<0.01を満足すること、および前記第6の層におけるMgBeTeの構成比が80%以上、100%以下であり、前記MgBeTeの格子定数apがInPの格子定数aInPに対して、―0.01<(ap―aInP)/aInP<0.01を満足し、
    前記第5の層と前記第6の層の少なくと2層を一対とする積層膜が繰り返し複数回積層されて形成すること、
    または
    前記p型クラッド層は、少なくとも第5の層と第6の層からなり、
    前記第5の層におけるBeZnTeの構成比が80%以上、100%以下であり、
    前記BeZnTeの格子定数apがInPの格子定数aInPに対して、―0.01<(ap―aInP)/aInP<0.01を満足すること、および前記第6の層におけるMgSeの構成比が80%以上、100%以下であり、前記第5の層と前記第6の層の少なくと2層を一対とする積層膜が繰り返し複数回積層されて形成されてなることを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子。
JP2007225724A 2007-08-31 2007-08-31 半導体発光素子 Pending JP2009059886A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007225724A JP2009059886A (ja) 2007-08-31 2007-08-31 半導体発光素子
US12/038,062 US7899104B2 (en) 2007-08-31 2008-02-27 EL semiconductor device

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007225724A JP2009059886A (ja) 2007-08-31 2007-08-31 半導体発光素子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009059886A true JP2009059886A (ja) 2009-03-19

Family

ID=40407396

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007225724A Pending JP2009059886A (ja) 2007-08-31 2007-08-31 半導体発光素子

Country Status (2)

Country Link
US (1) US7899104B2 (ja)
JP (1) JP2009059886A (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07142765A (ja) * 1993-11-15 1995-06-02 Hitachi Ltd 半導体発光素子、半導体レーザ及び半導体発光素子の製造方法
JPH07254755A (ja) * 1994-03-16 1995-10-03 Hitachi Ltd 半導体発光素子
JPH08148765A (ja) * 1994-11-17 1996-06-07 Nec Corp 半導体発光素子
JPH08162481A (ja) * 1994-12-01 1996-06-21 Nec Corp 結晶成長方法
JPH11112031A (ja) * 1997-08-04 1999-04-23 Nec Corp Ii−vi族化合物半導体ヘテロ接合素子

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3413507A (en) * 1966-11-01 1968-11-26 Matsushita Electric Ind Co Ltd Injection el diode
JP4920221B2 (ja) 2005-09-05 2012-04-18 学校法人上智学院 InP基板を有する光半導体装置
JP4996869B2 (ja) 2006-03-20 2012-08-08 株式会社日立製作所 半導体レーザ

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07142765A (ja) * 1993-11-15 1995-06-02 Hitachi Ltd 半導体発光素子、半導体レーザ及び半導体発光素子の製造方法
JPH07254755A (ja) * 1994-03-16 1995-10-03 Hitachi Ltd 半導体発光素子
JPH08148765A (ja) * 1994-11-17 1996-06-07 Nec Corp 半導体発光素子
JPH08162481A (ja) * 1994-12-01 1996-06-21 Nec Corp 結晶成長方法
JPH11112031A (ja) * 1997-08-04 1999-04-23 Nec Corp Ii−vi族化合物半導体ヘテロ接合素子

Also Published As

Publication number Publication date
US20090059985A1 (en) 2009-03-05
US7899104B2 (en) 2011-03-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7772586B2 (en) Optical semiconductor devices on InP substrate
JP6803411B2 (ja) 深紫外発光素子およびその製造方法
US20110204394A1 (en) Semiconductor light emitting device and method of manufacturing the same
US20130234178A1 (en) Semiconductor light emitting device and method for manufacturing the same
US20090078934A1 (en) Zinc Oxide Based Compound Semiconductor Light Emitting Device
JP4996869B2 (ja) 半導体レーザ
Baek et al. Enhanced carrier confinement in AlInGaN-InGaN quantum wells in near ultraviolet light-emitting diodes
JP2019036629A (ja) 深紫外発光ダイオードおよびそれを備える電気機器
CN101651288B (zh) 半导体器件
JP5060823B2 (ja) 半導体発光素子
Miller et al. High efficiency green LEDs using II-VI color converters
JP6192722B2 (ja) オプトエレクトロニクス半導体ボディ及びオプトエレクトロニクス半導体チップ
JP2009059886A (ja) 半導体発光素子
JPH11274565A (ja) InP基板上II−VI族化合物半導体薄膜
JP4920344B2 (ja) 半導体レーザ
Che et al. Growth and Characterization of ZnCdSe/BeZnTe II–VI Compound Type-II Superlattices on InP Substrates and Their Application for Visible Light Emitting Devices
JP5117114B2 (ja) 半導体素子
JP5210540B2 (ja) 半導体レーザ
WO2012176661A1 (ja) Iii族窒化物半導体発光素子
JP4757514B2 (ja) 化合物半導体発光ダイオード
JP2010040926A (ja) 半導体素子
KISHINO et al. Optical Device Materials for a Wide Visible Spectral Region
JP2010040923A (ja) 半導体発光素子
JP2010040925A (ja) 発光素子
JP2010016232A (ja) 半導体素子および半導体発光素子

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100427

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120118

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121113

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130110

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130129