JP2003258303A - 光電変換機能素子 - Google Patents

光電変換機能素子

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JP2003258303A JP2002058661A JP2002058661A JP2003258303A JP 2003258303 A JP2003258303 A JP 2003258303A JP 2002058661 A JP2002058661 A JP 2002058661A JP 2002058661 A JP2002058661 A JP 2002058661A JP 2003258303 A JP2003258303 A JP 2003258303A
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一郎 野村
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篤俊 荒川
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Nippon Mining Holdings Inc
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Kishino Katsumi
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    • H01L33/00Semiconductor devices having potential barriers specially adapted for light emission; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof
    • H01L33/02Semiconductor devices having potential barriers specially adapted for light emission; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof characterised by the semiconductor bodies
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    • H01L33/28Materials of the light emitting region containing only elements of Group II and Group VI of the Periodic Table

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 p型ZnTe単結晶基板上に、該基板と実質
的に格子整合条件を満たす活性層、光ガイド層、クラッ
ド層を有する光電変換機能素子において、各層間のバン
ドギャップを調整することにより、優れた素子特性を有
する光電変換機能素子を提供する。 【解決手段】 p型ZnTe単結晶基板11上に実質的
に格子整合条件を満たす活性層15、光ガイド層14、
16、クラッド層13、17を形成し、光ガイド層1
4、16のバンドギャップは活性層15のバンドギャッ
プより0.1eV以上大きく、クラッド層13、17の
バンドギャップは活性層15のバンドギャップより0.
30eV以上大きく、かつ、光ガイド層14、16のバ
ンドギャップより0.2eV以上大きくなるように各層
の組成あるいは超格子層の層厚比を決定するようにし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、II−VI族化合
物半導体結晶を基板として用いた光電変換機能素子(半
導体光素子)に関し、特に、ZnTe単結晶を基板とし
て用いた光電変換機能素子における各層の組成に関す
る。
【0002】
【従来の技術】II−VI族化合物半導体は、化合物半
導体の中でも特にワイドギャップを有する半導体である
ため、黄色発光、緑色発光、青色発光などが可能であ
る。そこで近年、II−VI族化合物半導体結晶を基体
として用いて、高効率かつ長寿命の光電変換機能素子の
開発が試みられている。例えば、特開平04−1334
78号公報には、p型ZnTe基板上にMg1- x Znx
Te(0<x<1)からなるクラッド層および活性層を
有する発光素子に関する技術が開示されている。前記先
願技術によれば、p−ZnTe基板上にp−Mg0.5
Zn0.5Teからなるp側クラッド層、アンドープの
MgxZn1-xTe (x<0.5)からなる活性層、n−
Mg0.5Zn0.5Te からなるn側クラッド層を
この順に積層し、発光波長が490nm(x=0.2
5)又は540nm (x=0.1)の半導体発光素子を
実現している。
【0003】しかし、前記先願技術では、基板と該基板
上に形成される各層との格子整合条件を満足出来ないた
めに結晶品質が劣悪になり、そのために実用に耐え得る
発光素子の作製は困難であった。そこで、実用レベルの
性能を有するII−VI族化合物半導体レーザを実現す
るために、p型ZnTe基板上に、該基板と実質的に格
子整合するZnMgSeTeクラッド層およびZnCd
SeTe活性層を形成してII−VI族半導体レーザを
形成するようにした技術が提案された(特開平10―2
7946号公報)。この技術によれば、p型ZnTe基
板を用いた場合、p側およびn側クラッド層としてZn
MgSeTe層を形成することにより、p型ZnTe基
板から活性層上部のn側クラッド層に到るまで実質的に
格子整合する構造としたので、活性層近傍での格子不整
合に起因する歪による応力の発生を完全に抑制できる。
【0004】また、3元系(または4元系)の材料を用
いれば、組成を変更することによりバンドギャップエネ
ルギーEgを連続的に変化させることができるので、目
的に合致する発光波長をもつ活性層を設計することが容
易であるという利点がある。さらに、4元系では格子定
数、光の屈折率などもう1つの自由度を最適化できると
いう利点がある。
【0005】このような背景から、3元系または4元系
の組成を有する半導体材料を用いた光電変換機能素子の
研究が盛んに行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記先
願技術(特開平10―27946号公報)では、ZnT
e基板と実質的に格子整合する条件によりクラッド層の
組成を決定しているだけであり、各層(クラッド層、活
性層等)のバンドギャップエネルギーについて詳細に言
及されていない。すなわち、優れた発光特性を有する光
電変換素子を実現するためのバンドギャップの条件につ
いては明らかにされていなかった。
【0007】本発明は、p型ZnTe単結晶基板上に、
該基板と実質的に格子整合条件を満たす活性層、クラッ
ド層を有する光電変換機能素子、または、活性層、光ガ
イド層、クラッド層を有する光電変換機能素子におい
て、各層間のバンドギャップを調整することにより、優
れた素子特性を有する光電変換機能素子を提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係る発明は、p型ZnTe単結晶基板上
に、該基板と実質的に格子整合条件を満たす活性層、ク
ラッド層を有する光電変換機能素子であって、前記クラ
ッド層のバンドギャップは前記活性層のバンドギャップ
より0.30eV以上大きくなるようにした光電変換機
能素子である。
【0009】また、請求項2に係る発明は、光ガイド層
を有する場合で、p型ZnTe単結晶基板上に、該基板
と実質的に格子整合条件を満たす活性層、光ガイド層、
クラッド層を有する光電変換機能素子であって、前記光
ガイド層のバンドギャップは前記活性層のバンドギャッ
プより0.1eV以上大きく、前記クラッド層のバンド
ギャップは前記活性層のバンドギャップより0.30e
V以上大きく、かつ、前記光ガイド層のバンドギャップ
より0.2eV以上大きくなるようにした光電変換機能
素子である。これにより、キャリアの閉じこめ効率を高
くすることができ、優れた発光特性を有する光電変換機
能素子を作製することができる。また、LDを作製する
場合は、前記クラッド層のバンドギャップを前記活性層
のバンドギャップより0.50eV以上大きくなるよう
にするのが望ましい。
【0010】請求項3に係る発明は、前記活性層のp側
に設けられたp側光ガイド層を、Zn(MgBe
1−y1−xTe、またはZn(Mg
1−y1− Te/ZnTe超格子で構成するよう
にしたものである。ただし、組成x,yは0<x<1、
0<y<1を満足する値とする。これにより、p側光ガ
イド層をZnTe基板と格子整合させることができる。
また、ZnMgBeTe/ZnTe超格子で構成した場
合は組成xだけでなく超格子の層厚比によりバンドギャ
ップを調整できるので、所望のバンドギャップを比較的
容易に実現することができる。
【0011】請求項4に係る発明は、前記活性層のn側
に設けられたn側光ガイド層を、MgSeTe1−x
/ZnTe超格子で構成するようにしたものである。た
だし、組成xは,0<x<1を満足する値とする。これ
により、n側光ガイド層をZnTe基板と格子整合させ
ることができる。また、MgSeTe1−x/ZnT
e超格子で構成した場合は組成xだけでなく超格子の層
厚比によりバンドギャップを調整できるので、所望のバ
ンドギャップを比較的容易に実現することができる。
【0012】請求項5に係る発明は、前記活性層のp側
に設けられたp側クラッド層を、Zn(MgBe
1−y1−xTe、またはZn(Mg
1−y1− Te/ZnTe超格子で構成するよう
にしたものである。ただし、組成x,yは0<x<1、
0<y<1を満足する値とする。これにより、p側クラ
ッド層をZnTe基板と格子整合させることができると
ともに、ZnTe、BeTeと同様、p型の高いキャリ
ア濃度を得ることができる。また、p側クラッド層をZ
(MgBe1−y1−xTeとZnTeで構成
される超格子とすれば、ZnMgBeTeの組成ならび
に超格子の層厚比の両方でp側クラッド層のバンドギャ
ップを調整できるという利点がある。また、p側クラッ
ド層とp側光ガイド層を同じ構成とすることにより安定
した成長が可能になる。
【0013】請求項6に係る発明は、請求項2または請
求項5においてZnMgBeTeの組成を具体的に決定
したもので、ZnTeの格子定数を6.10Å、MgT
eの格子定数を6.35Å、BeTeの格子定数を5.
62Åとした場合に、前記Zn(MgBe1−y
1−xTeの組成をZn(Mg0.658Be0.
3421−xTe(0<x<1)としたものである。
すなわち、p側クラッド層を構成するZnMgBeTe
の組成をZn(Mg 0.658Be0.342
1−xTeとすることでZnTeと格子整合するように
したので、p側クラッド層を安定して成長させることが
できる。
【0014】請求項7に係る発明は、前記活性層のn側
に設けられたn側クラッド層を、MgSeTe1−x
/ZnTe超格子で構成するようにしたものである。た
だし、組成xは0<x<1を満足する値とする。このよ
うに、n側クラッド層をMgSeTe1−x/ZnT
e超格子で構成することにより実質的にZnTeと格子
整合するn側光ガイド層上に容易に成膜することができ
る。つまり、ZnTeの結晶構造が閃亜鉛鉱型であるの
に対して、MgSeTeの結晶構造はウルツ鉱型である
ので、実質的にZnTeと格子整合するn側光ガイド層
上にMgSeTeを単層で成膜するのは困難であると考
えられていたが、MgSeTe1−x/ZnTe超格
子で構成することにより比較的容易に成膜することが可
能となった。また、MgSeTe1−x/ZnTe超
格子の層厚比によりバンドギャップを比較的容易に調整
することができる。さらには、MgSeTeの屈折率は
ZnTeに比較して低いため、光閉じこめ効果が大きい
という利点もある。
【0015】請求項8に係る発明は、請求項4または請
求項7においてMgSeTeの組成を具体的に決定した
もので、ZnTeの格子定数を6.10Å、MgSeの
格子定数を5.91Å、MgTeの格子定数を6.35
Åとした場合に、前記MgSeTe1−xの組成をM
gSe0.568Te0.432としたものである。す
なわち、n側クラッド層およびn側光ガイド層を構成す
るMgSeTeの組成をMgSe0.568Te
0.432とすることでZnTeと格子整合するように
したので、n側クラッド層およびn側光ガイド層を安定
して成長させることができる。
【0016】以下に、p側クラッド層およびp側光ガイ
ド層を構成するZn(MgBe 1−y1−xTe
(0<x<1、0<y<1)が、ZnTeと格子整合す
るための組成の算出方法について説明する。なお、以下
の計算において、ZnTe、MgTe、BeTe、Mg
Se、CdTeの格子定数およびバンドギャップ値とし
て、表1に示す値を使用する。ただし、文献等により表
1に示す各化合物半導体に対する格子定数またはバンド
ギャップの値が異なるが、それらの値に基づいて算出さ
れた結果を用いる場合も本発明に含まれる。
【0017】
【表1】
【0018】まず、Zn(MgBe1−y1−x
Teは(ZnTe)[(MgTe)(BeTe)
1−y1−xと等価であると考えれば、Zn(Mg
Be 1−y1−xTeとZnTeとが格子整合する
条件は、組成xに関係なく、 6.35y+5.62(1-y)=6.10・・・(1) となる。これよりy=0.658が算出されるので、Z
(Mg0.658Be0.3421−xTeの組
成とすることでZnTeと格子整合させることができ
る。
【0019】また、このときのZn(Mg0.658
Be0.3421−xTeのバンドギャップをEaと
すると、 Ea=2.26x+2.9×0.658×(1-x)+4.10×0.342×(1-x) =3.31-1.05x・・・(2) と表すことができる。なお、ZnMgBeTe系のバン
ドギャップEaは、ボーイング係数の項は考慮する必要
がなく、ベガード則に従うことが、本発明者等による実
験と計算から得られている。さらに、0<x<1よりE
aの取りうる範囲は 2.26<Ea<3.31・・・(3) となる。すなわち、p側クラッド層およびp側光ガイド
層を構成するZn(Mg0. 658Be0.342
1−xTeのバンドギャップは、式(2),(3)を満
たす。
【0020】さらに、p側クラッド層またはp側光ガイ
ド層をZnMgBeTe/ZnTe超格子で構成した場
合のバンドギャップEbは、ZnMgBeTe層の割合
をzとすれば、(2)を利用して、 Eb=(3.31-1.05x)z+2.26(1-z)・・・(4) と表すことができる。
【0021】次に、n側クラッド層およびn側光ガイド
層を構成するMgSeTe1−x(0<x<1)が、
ZnTeと格子整合するための組成の算出方法について
説明する。まず、MgSeTe1−xは(MgSe)
(MgTe)1−xと等価であると考えれば、MgS
Te1−xとZnTeとが格子整合する条件は、 5.9x+6.35(1-x)=6.10・・・(5) と表すことができる。これよりx=0.568が算出さ
れるので、MgSe0. 568Te0.432の組成と
することでZnTeと格子整合させることができる。
【0022】また、このときのMgSe0.568Te
0.432のバンドギャップをEcとすると、 Ec=4.0×0.568+2.9×0.432-0.568×0.432×2=3.034・・・(6) となる。MgSeTeは、本発明者等の実験と計算によ
り、ボーイング係数がおおよそ2であると求められてい
る。そこで、(6)式の右辺において、この値を用いた
ボーイングパラメータ(第3項)をベガード則にしたが
った項(第1項および第2項)に加えている。なお、さ
らに実験を重ねて母数を増やすことで、より正確なボー
イング係数を算出することができる。
【0023】これより、MgSe0.568Te
0.432/ZnTe超格子のバンドギャップエネルギ
ーEdは、MgSeTe層の割合をzとすれば、 Ed=3.034z+2.26(1-z) =0.774z+2.26・・・(7) と表すことができる。さらに、0<z<1よりEdの取
りうる範囲は 2.26<Ed<3.034・・・(8) となる。すなわち、n側クラッド層およびn側光ガイド
層を構成するMgSe .568Te0.432/Zn
Te超格子のバンドギャップは、式(7),(8)を満
たす。これより、例えば、MgSeTe/ZnTeの層
厚比を8:2(z=0.8)とした場合は、Ed=2.
88となる。
【0024】また、本発明では特に限定しないが、活性
層としては、BeZnCdTe、ZnMgSeTe、M
gSeTe/ZnTe超格子、BeMgZnTe、Zn
CdSeTe等が考えられる。一例として、活性層をB
ZnCd1−x−yTe(0<x<1、0<y<
1、0<x+y<1)で構成した場合に、活性層の組成
を決定する方法について説明する。
【0025】まず、BeZnCd1−x−yTeは
(BeTe)(ZnTe)(CdTe)1−x−y
と等価と考えれば、BeZnCd1−x−yTe活
性層の格子定数aは、 a=5.62x+6.10y+6.48(1-x-y) =6.48-0.86x-0.38y・・・(9) と表すことができる。さらに、活性層にはZnTe基板
と実質的に格子整合する組成を用いるため、格子定数の
歪みは1%以下とするのが望ましいので、式(9)を利
用して、 6.1×0.99<6.48-0.86x-0.38y<6.1×1.01・・・(10) を満足するように(x,y)の組合せを決定する。
【0026】また、BeZnCd1−x−yTe活
性層のバンドギャップをEeとすると、 Ee=4.1x+2.26y+1.44(1-x-y) =2.66x+0.82y+1.44・・・(11) と表すことができる。上記(10)、(11)式を利用
して、所望のバンドギャップとなるように組成(x、
y)を決定すればよい。
【0027】例えば、n側クラッド層を層厚比8:2の
MgSeTe/ZnTeで構成した場合は、n側クラッ
ド層のバンドギャップは2.88(eV)となるので、
請求項1の条件(クラッド層のバンドギャップは活性層
のバンドギャップより0.3eV以上大きい)よりBe
ZnCd1−x−yTe活性層のバンドギャップE
eは2.58eV以下となる。これと式(11)より、
Ee=2.66x+0.82y+1.44<2.58・・・(16)を満足する
(x,y)の組合せを決定すれば、活性層のバンドギャ
ップEeは2.58eV以下となる。例えば、(x=
0.398,y=0.099)として活性層をBe
0.398Zn0.099Cd0.503Teで構成す
ることによりEe=2.58となり、かつ式(10)も
満足するので格子歪みを1%以下に抑えることができ
る。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る光電
変換機能素子としての発光ダイオード(LED)の構成
を表す説明図である。本実施形態の発光ダイオードは、
p型ZnTe基板11上にZnTeバッファ層12を介
して、p型MgBeZnTeクラッド層13と、p型Z
nTe/MgBeZnTe光ガイド層14(発光ダイオ
ードの場合は必ずしも必要ない)と、ZnCdTe活性
層15と、n型MgSeTe/ZnTe光ガイド層16
(発光ダイオードの場合は必ずしも必要ない)と、n型
MgSeTe/ZnTeクラッド層17と、ZnTe層
18と、CdSe/ZnTe超格子層19と、CdSe
層20と、が順次積層されてなる半導体素子の表面およ
び裏面にAu電極10、21を形成して構成される。
【0029】上述した構成において、p側およびn側ク
ラッド層13,17は、そのバンドギャップが活性層1
5のバンドギャップより0.3eV以上大きく、それぞ
れが隣接する光ガイド層14,16のバンドギャップよ
り0.1eV以上大きくなるように組成および超格子層
における層厚比を決定した。また、p側およびn側光ガ
イド層14,16のバンドギャップは、活性層15のバ
ンドギャップより0.1eV以上大きくなるように組成
および超格子層における層厚比を決定した。
【0030】以下、本発明者等が実施した上記のような
構造を有する発光ダイオードの製造手順の一例について
説明する。なお、本実施形態では、原料として固体のZ
n,Mg,Se,Teを用いて分子線エピタキシャル成
長(MBE)法により各層を成長させた。まず、発光ダ
イオードを作製するにあたり、厚さ0.5mm、直径2
インチで、室温下でキャリア濃度が1×1018cm
−3のp型ZnTe単結晶を成長用基板11として用い
た。この前記ZnTe単結晶基板11の表面をラッピン
グし、その後有機洗浄を行い、ブロム−メタノール溶液
で20℃、10分間エッチングを行った。その後、純粋
洗浄して乾燥させてから分子線エピタキシャル装置内へ
導入した。
【0031】次に、ZnTe単結晶基板11に350
℃、1分間の熱処理を施して基板表面を洗浄し、次い
で、ZnTe単結晶基板11上にZnTeバッファ層1
2を240℃の低温で5nmの厚さで形成した。次に、
p型Zn0.49Mg0.33Be0.18Teクラッ
ド層13(キャリア濃度:5×1018cm−3)を5
00nmの厚さで形成した。このZnMgBeTeクラ
ッド層13のバンドギャップEg1は2.8eVであっ
た。
【0032】その上にp型Zn0.49Mg0.33
0.18Te/ZnTe光ガイド層14(キャリア濃
度:1×1018cm−3)を50nmの厚さで形成し
た。この超格子層は、厚さ4MLのZnMgBeTe層
と、厚さ6MLのZnTe層とを、交互に5層(計10
層)積み重ねて形成したもので、バンドギャップEg2
は2.47eVであった。なお、p型ZnMgBeTe
クラッド層13およびp型ZnMgBeTe/ZnTe
光ガイド層14は、不純物としてプラズマ励起により活
性化したN(窒素)をドーピングしてp型に制御した。
【0033】次に、p型ZnMgBeTe/ZnTe光
ガイド層14の上にアンドープZnCdTe活性層15
を10nmの厚さで形成した。このZnCdTe活性層
15のバンドギャップEg3は2.13eVであった。
さらに、アンドープZnCdTe活性層15の上にn型
MgSe0.568Te0.432/ZnTe光ガイド
層16(キャリア濃度:1×1017cm−3)を30
nmの厚さで形成した。この超格子層は、厚さ3MLの
MgSe0.5 68Te0.432層と、厚さ7MLの
ZnTe層とを、交互に5層(計10層)積み重ねて形
成したもので、バンドギャップEg4は2.49eVで
あった。
【0034】その上にn型MgSe0.568Te
0.432/ZnTeクラッド層17(キャリア濃度:
5×1017cm−3)を200nmの厚さで形成し
た。このMgSe0.568Te0.432/ZnTe
クラッド層13のバンドギャップEg5は2.8eVで
あった。このときのMgSe0.568Te0.432
とZnTeの層厚比は7:3の超格子構造とする。な
お、n型MgSe0.568Te0.432/ZnTe
光ガイド層16およびn型MgSe0.568Te
0.432/ZnTeクラッド層17は、不純物として
Clをドーピングしてn型に制御した。
【0035】次に、n型MgSe0.568Te
0.432/ZnTeクラッド層17の上に、ZnTe
層18を5nmの厚さで形成した後、CdSe/ZnT
e超格子層19を20nmの厚さで形成し、さらにその
上にCdSe層20を5nm形成してコンタクト層とし
た。ここで、CdSe層20は、不純物としてClをド
ーピングしてn型に制御しており、そのキャリア濃度は
1×1019cm−3とした。成長終了後、ZnTe単
結晶基板11の裏面にp側電極としてAuを蒸着し、C
dSeコンタクト層20の表面にn側電極としてAuを
蒸着して発光ダイオードを作製した。この発光ダイオー
ドは、発光波長が539nmの優れた発光特性を示し
た。また、動作寿命の長時間化も実現することができ
た。
【0036】以上、本発明者によってなされた発明を実
施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記
実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱し
ない範囲で変更可能である。例えば、活性層はZnCd
Teに限定されず、BeZnCdTe、ZnMgSeT
e、MgSeTe/ZnTe超格子、BeMgZnT
e、ZnCdSeTe等が考えられる。
【0037】また、活性層15、クラッド層13,1
7、光ガイド層14,16の組成は、上記実施形態のも
のに限定されない。例えば、表2に示す各層13,1
4,15,16,17に対応するバンドギャップの算出
式を利用して求めた各層のバンドギャップEg1〜Eg
5が、表3に示す条件を満たすように各層の組成あるい
は超格子層の層厚比を決定すればよい。ただし、表2に
おいて、x1,x2,x3は各層のZnの組成比であ
り、z1はZnx2(Mg0.658Be0.342
1−x2Te/ZnTe超格子におけるZnx2(Mg
0.658Be0.3 421−x2Te層の割合であ
り、z2,z3はMgSe0.568Te0. 432
ZnTe超格子におけるMgSe0.568Te
0.432層の割合である。
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】また、p側クラッド層13をZnMgBe
Te/ZnTe超格子で構成してもよいし、p側光ガイ
ド層をZnMgBeTe層で構成してもよい。また、エ
ピタキシャル成長法は、分子線エピタキシャル成長法
(MBE)に限らず有機金属気相成長法(MOCVD)
でもよい。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、p型ZnTe単結晶基
板上に、該基板と実質的に格子整合条件を満たす活性
層、クラッド層を有する光電変換機能素子において、前
記クラッド層のバンドギャップは前記活性層のバンドギ
ャップより0.30eV以上大きくなるようにしたの
で、電子キャリアの閉じこめ効率を向上することがで
き、優れた発光特性を有するLEDを作製できるという
効果を有する。
【0042】また、光ガイド層を有する場合、すなわち
p型ZnTe単結晶基板上に、該基板と実質的に格子整
合条件を満たす活性層、光ガイド層、クラッド層を有す
る光電変換機能素子の場合は、前記光ガイド層のバンド
ギャップは前記活性層のバンドギャップより0.1eV
以上大きく、前記クラッド層のバンドギャップは前記活
性層のバンドギャップより0.30eV以上大きく、か
つ、前記光ガイド層のバンドギャップより0.2eV以
上大きくなるようにしたので、電子キャリアの閉じこめ
効率を向上することができ、優れた発光特性を有するL
EDを作製できるという効果を有する。
【0043】また、前記クラッド層のバンドギャップを
前記活性層のバンドギャップより0.50eV以上大き
くすることにより、LDに適した光電変換機能素子とす
ることができる。
【0044】また、p側クラッド層およびp側光ガイド
層をZn(Mg0.658Be .3421−x
e、またはZn(Mg0.658Be0.342
1−xTe/ZnTe超格子で構成し、n側クラッド層
およびn側光ガイド層をMgSe0.568Te
0.432/ZnTe超格子で構成することにより、実
質的にZnTeと構成整合するようにしたので、各層を
安定して成長させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光電変換機能素子としての発光ダ
イオード(LED)の構成を表す説明図である。
【符号の説明】
10 p側Au電極 11 p型ZnTe基板 12 p型ZnTeバッファ層 13 p型ZnMgBeTeクラッド層 14 p型ZnMgBeTe/ZnTe光ガイド層 15 アンドープZnCdTe活性層 16 n型MgSeTe/ZnTe光ガイド層 17 n型MgSeTe/ZnTeクラッド層 18 ZnTe層 19 ZnTe/CdSe超格子層 19 CdSe層 20 n側Au電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野村 一郎 東京都杉並区清水1丁目12番1号メゾンケ イ103号 (72)発明者 荒川 篤俊 埼玉県戸田市新曽南3丁目17番35号 株式 会社日鉱マテリアルズ戸田工場内 Fターム(参考) 5F041 AA03 CA05 CA41 CA66 5F073 AA45 AA76 AA77 CA22 DA06 DA35

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 p型ZnTe単結晶基板上に、該基板と
    実質的に格子整合条件を満たす活性層、クラッド層を有
    する光電変換機能素子であって、 前記クラッド層のバンドギャップは前記活性層のバンド
    ギャップより0.30eV以上大きいことを特徴とする
    光電変換機能素子。
  2. 【請求項2】 前記光電変換機能素子は、前記p型Zn
    Te単結晶基板と実質的に格子整合条件を満たす光ガイ
    ド層を有し、 前記光ガイド層のバンドギャップは前記活性層のバンド
    ギャップより0.1eV以上大きく、 前記クラッド層のバンドギャップは前記活性層のバンド
    ギャップより0.30eV以上大きく、かつ、隣接する
    光ガイド層のバンドギャップより0.2eV以上大きい
    ことを特徴とする請求項1に記載の光電変換機能素子。
  3. 【請求項3】 前記活性層のp側に設けられたp側光ガ
    イド層は、Zn(MgBe1−y1−xTe、ま
    たはZn(MgBe1−y1−xTe(0<x<
    1、0<y<1)とZnTeで構成される超格子からな
    ることを特徴とする請求項2に記載の光電変換機能素
    子。
  4. 【請求項4】 前記活性層のn側に設けられたn側光ガ
    イド層は、MgSe Te1−xとZnTeで構成され
    る超格子からなることを特徴とする請求項2または請求
    項3に記載の光電変換機能素子。
  5. 【請求項5】 前記活性層のp側に設けられたp側クラ
    ッド層は、Zn(MgBe1−y1−xTe、ま
    たはZn(MgBe1−y1−xTe(0<x<
    1、0<y<1)とZnTeで構成される超格子からな
    ることを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記
    載の光電変換機能素子。
  6. 【請求項6】 ZnTeの格子定数を6.10Å、Mg
    Teの格子定数を6.35Å、BeTeの格子定数を
    5.62Åとした場合、 前記Zn(MgBe1−y1−xTeの組成は、
    Zn(Mg0.65 Be0.3421−xTe
    (0<x<1)であることを特徴とする請求項3または
    請求項5に記載の光電変換機能素子。
  7. 【請求項7】 前記活性層のn側に設けられたn側クラ
    ッド層は、MgSe Te1−xとZnTeで構成され
    る超格子からなることを特徴とする請求項1から請求項
    6の何れかに記載の光電変換機能素子。
  8. 【請求項8】 ZnTeの格子定数を6.10Å、Mg
    Seの格子定数を5.91Å、MgTeの格子定数を
    6.35Åとした場合、 前記MgSeTe1−xの組成は、MgSe
    0.568Te0.432であることを特徴とする請求
    項4または請求項7に記載の光電変換機能素子。
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