JPH11150337A - 半導体発光素子および光装置 - Google Patents

半導体発光素子および光装置

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JPH11150337A
JPH11150337A JP33091497A JP33091497A JPH11150337A JP H11150337 A JPH11150337 A JP H11150337A JP 33091497 A JP33091497 A JP 33091497A JP 33091497 A JP33091497 A JP 33091497A JP H11150337 A JPH11150337 A JP H11150337A
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light emitting
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JP33091497A
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Hiroyuki Okuyama
浩之 奥山
Akira Ishibashi
晃 石橋
Hironori Tsukamoto
弘範 塚本
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来とは異なる材料を用いることにより特性
を向上させ寿命を延長させることができる半導体発光素
子および光装置を提供する。 【解決手段】 n型GaPよりなる基板1の上にn型ク
ラッド層2,活性層3,p型クラッド層4を順次積層す
る。n型クラッド層2はn型ZnBeSSe混晶により
構成し、活性層3はZnOSSe混晶により構成し、p
型クラッド層4はp型ZnBeSSe混晶により構成す
る。活性層3はOを含み、n型クラッド層2およびp型
クラッド層4はBeを含んでいるので、格子定数および
バンドギャップを広い範囲から選択できる。よって、活
性層3が歪みを有さないように構成できる。また、p型
クラッド層4はBeを含んでいるので、キャリア濃度を
高くすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、II−VI族化合
物半導体よりそれぞれなる第1導電型クラッド層,活性
層および第2導電型クラッド層を備えた半導体発光素子
およびそれを用いた光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光を利用した各種技術分野におい
ては、例えば、光ディスクや光磁気ディスクに対する記
録・再生の高密度化および高解像度化の要求が高まって
いる。また、高輝度ディスプレー装置,低損失光ファイ
バ通信装置さらにはDNAあるいは特定化学物質の光学
式解析装置などの開発の気運も高まっている。そこで、
これらの光原として緑色ないしは青色で発光可能な半導
体発光素子の開発が求められている。
【0003】このように緑色ないしは青色で発光可能な
半導体素子を構成する材料としては、II族元素の亜鉛
(Zn),マグネシウム(Mg),ベリリウム(B
e),カドミウム(Cd),水銀(Hg)およびマンガ
ン(Mn)のうち少なくとも1種とVI族元素の酸素
(O),硫黄(S),セレン(Se),テルル(Te)
のうち少なくとも1種とから成るII−VI族化合物半
導体が有望である。特に、ZnMgSSe混晶は、結晶
性に優れかつ入手が容易なGaAsやZnSeよりなる
基板に対して格子整合させることができるので、半導体
発光素子のガイド層やクラッド層を構成する材料として
知られている(例えば、Electronics Letters28(1992)
p.1798)。
【0004】そこで、従来は、このようなII−VI族
化合物半導体を用いた半導体発光素子の1つとして、例
えば、GaAsよりなる基板の上に、ZnMgSSe混
晶よりなるn型クラッド層,ZnCdSe混晶よりなる
活性層およびZnMgSSe混晶よりなるp型クラッド
層を積層したものが用いられていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この半
導体発光素子では、活性層を構成するZnCdSe混晶
が基板を構成するGaAsに対して1〜2%もの格子不
整を有しているので、この大きな歪みが素子の劣化の原
因となり、寿命を延長できないという問題があった。ま
た、クラッド層を構成するZnMgSSe混晶は高濃度
にp型不純物を添加することが難しく、p型導電層のキ
ャリア濃度を高めることが難しかった。よって、動作電
圧を低くすることができず、寿命を延長することができ
ないという問題があった。なお、II−VI族化合物半
導体のなかではベリリウムを含むものの方がp型導電層
のキャリア濃度を高めることができるという報告もあ
る。
【0006】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、従来とは異なる材料を用いることに
より、特性を向上させ、寿命を延長させることができる
半導体発光素子を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による半導体発光
素子は、亜鉛,マグネシウム,カドミウム,ベリリウ
ム,マンガンおよび水銀からなる群のうちの少なくとも
1種のII族元素と、酸素,硫黄,セレンおよびテルル
からなる群のうちの少なくとも1種のVI族元素とを含
むII−VI族化合物半導体よりそれぞれなる第1導電
型クラッド層,活性層,第2導電型クラッド層を備えた
ものであって、活性層はVI族元素として少なくとも酸
素を含むII−VI族化合物半導体よりなるものであ
る。
【0008】本発明による他の半導体発光素子は、亜
鉛,マグネシウム,カドミウム,ベリリウム,マンガン
および水銀からなる群のうちの少なくとも1種のII族
元素と、酸素,硫黄,セレンおよびテルルからなる群の
うちの少なくとも1種のVI族元素とを含むII−VI
族化合物半導体よりそれぞれなる第1導電型クラッド
層,活性層,第2導電型クラッド層を備えたものであっ
て、活性層はII族元素として少なくともベリリウムを
含むII−VI族化合物半導体よりなるものである。
【0009】本発明による更に他の半導体発光素子は、
亜鉛,マグネシウム,カドミウム,ベリリウム,マンガ
ンおよび水銀からなる群のうちの少なくとも1種のII
族元素と、酸素,硫黄,セレンおよびテルルからなる群
のうちの少なくとも1種のVI族元素とを含むII−V
I族化合物半導体よりそれぞれなる第1導電型クラッド
層,活性層,第2導電型クラッド層を備えたものであっ
て、活性層はII族元素として少なくともマグネシウム
とカドミウムと水銀とを含むII−VI族化合物半導体
よりなるものである。
【0010】本発明による更に他の半導体発光素子は、
亜鉛,マグネシウム,カドミウム,ベリリウム,マンガ
ンおよび水銀からなる群のうちの少なくとも1種のII
族元素と、酸素,硫黄,セレンおよびテルルからなる群
のうちの少なくとも1種のVI族元素とを含むII−V
I族化合物半導体よりそれぞれなるn型導電層,活性
層,p型導電層を備えたものであって、p型導電層はV
I族元素として少なくともテルルを含むII−VI族化
合物半導体よりなるものである。
【0011】本発明による光装置は、本発明の半導体発
光素子を備えたものである。
【0012】本発明による半導体発光素子では、p型ク
ラッド層とn型クラッド層との間に電圧が印加される
と、活性層に電流が注入され発光が起こる。ここでは、
活性層がVI族元素として少なくとも酸素を含むII−
VI族化合物半導体により構成されているので、またI
I族元素として少なくともベリリウムあるいは少なくと
もマグネシウムとカドミウムと水銀とを含むII−VI
族化合物半導体により構成されているので、活性層のバ
ンドギャップおよび格子定数は広い範囲におい選択され
る。よって、活性層は歪みを有さないように構成され、
電流が注入されても劣化が起こらない。
【0013】本発明による他の半導体発光素子では、p
型導電層とn型導電層との間に電圧が印加されると、活
性層に電流が注入され発光が起こる。ここでは、p型導
電層がVI族元素として少なくともテルルを含むII−
VI族化合物半導体により構成されているので、p型導
電層のキャリア濃度が高くなり、動作電圧が低くなる。
【0014】本発明による光装置は、本発明の半導体発
光素子を適用したものであり、半導体発光素子に電圧が
印加されると動作し、活性層において発光する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0016】(第1の実施の形態)図1は本発明の第1
の実施の形態に係る半導体発光素子の構成を表すもので
ある。この半導体発光素子は、基板1の一面側に、II
−VI族化合物半導体よりそれぞれなる第1導電型クラ
ッド層としてのn型クラッド層2,活性層3,第2導電
型クラッド層としてのp型クラッド層4,第1の半導体
層5,第2の半導体層6,超格子層7およびコンタクト
層8が順次積層されている。すなわち、n型クラッド層
2よりなるn型導電層と、p型クラッド層4,第1の半
導体層5,第2の半導体層6,超格子層7およびコンタ
クト層8よりなるp型導電層とが活性層3により接合さ
れている。
【0017】基板1は、例えば、積層方向における厚さ
(以下、単に厚さという)が100〜350μmであ
り、ケイ素(Si)などのn型不純物を添加したn型G
aPにより構成されている。
【0018】n型クラッド層2は、例えば、厚さが70
0nmであり、II族元素のZnおよびBeと、VI族
元素のSおよびSeのうちの少なくとも1種とからなる
n型不純物が添加されたII−VI族化合物半導体によ
り構成されている。すなわち、n型クラッド層2はn型
ZnBeSSe混晶,n型ZnBeSe混晶あるいはn
型ZnBeS混晶により構成されている。これらの混晶
は、図2に示した格子定数とバンドギャップとの関係図
からも分かるように、Beを含むことにより格子定数の
領域が高い方に広がっている。よって、n型クラッド層
2では、これらの組成を調整することにより基板1を構
成するGaPに格子整合させることができるようになっ
ている。なお、n型不純物は、例えば、塩素(Cl),
フッ素(F),臭素(Br)およびヨウ素(I)などの
いずれでもよい。
【0019】活性層3は、例えば、厚さが60nmであ
り、II族元素のZnと、VI族元素のO,SおよびS
eのうちの少なくともOとからなるII−VI族化合物
半導体により構成されている。すなわち、活性層3はZ
nOSSe混晶,ZnOSe混晶あるいはZnOS混晶
により構成されている。これらの混晶は、図2に示した
関係図からも分かるように、Oを含むことにより格子定
数の領域が低い方に広がっている。よって、活性層3で
は、これらの組成を調整することにより選択できる格子
定数およびバンドギャップの幅が広くなっており、広い
範囲のバンドギャップにおいて基板1を構成するGaP
に格子整合させることができるようになっている。な
お、この活性層3は単一量子井戸構造または多重量子井
戸構造を有している。
【0020】p型クラッド層4は、例えば、厚さが1μ
mであり、II族元素のZnおよびBeと、VI族元素
のSおよびSeのうちの少なくとも1種とからなるp型
不純物が添加されたII−VI族化合物半導体により構
成されている。すなわち、p型クラッド層4はn型クラ
ッド層2と同様に、p型ZnBeSSe混晶,p型Zn
BeSe混晶あるいはp型ZnBeS混晶により構成さ
れており、基板1を構成するGaPに格子整合させるこ
とができるようになっている。また、このp型クラッド
層4は、Beを含むII−VI族化合物半導体により構
成されているので、キャリア濃度を比較的高くすること
ができるようにもなっている。なお、p型不純物は、例
えば、窒素(N),砒素(As),アンチモン(Sb)
およびナトリウム(Na)などのいずれでもよい。
【0021】これらn型クラッド層2,活性層3および
p型クラッド層4をそれぞれ構成する混晶の組成は、n
型クラッド層2,活性層3およびp型クラッド層4それ
ぞれのバンドギャップが2.7〜3.5eVとなり、活
性層3とn型クラッド層2およびp型クラッド層4との
バンドギャップの差が0.3eV程度となるような範囲
内において適宜選択される。
【0022】第1の半導体層5は、例えば、厚さが50
0nmであり、p型不純物を添加したp型ZnBeSe
混晶により構成されている。第2の半導体層6は、例え
ば、厚さが100nmであり、p型不純物を添加したp
型ZnSeにより構成されている。超格子層7は、p型
不純物を添加したp型ZnSeとp型不純物を添加した
p型ZnTeとが交互に積層された構造となっている。
コンタクト層8は、例えば、厚さが10nmであり、p
型不純物を添加したp型ZnTeにより構成されてい
る。なお、これら第1の半導体層5,第2の半導体層
6,超格子層7およびコンタクト層8は、p側電極と良
好なオーミックコンタクトをとるためのものである。
【0023】また、コンタクト層8,超格子層7および
第2の半導体層6は、幅が例えば10μmの帯状となっ
ており、電流狭窄をするようになっている。なお、これ
らコンタクト層8,超格子層7および第2の半導体層6
は、図1においては図面に対して垂直方向に延長されい
る。コンタクト層8,超格子層7および第2の半導体層
6が形成されていない第1の半導体層5のコンタクト層
8側の領域には、例えば酸化アルミニウム(Al
2 3 )などの絶縁材料よりなる絶縁層9が形成されて
いる。
【0024】絶縁層9およびコンタクト層8の上にはp
側電極10が設けられている。このp側電極10は、例
えば、パラジウム(Pd)と白金(Pt)と金(Au)
とをコンタクト層8の側から順次積層して形成されてい
る。基板1の他面側には例えばインジウム(In)より
なるn側電極11が設けられている。
【0025】このような構成を有する半導体発光素子
は、次のようにして製造することができる。
【0026】まず、基板1の一面側に、分子線エピタキ
シー(Molecular Beam Epitaxy;MBE)法により、n
型クラッド層2,活性層3,p型クラッド層4,第1の
半導体層5,第2の半導体層6,超格子層7およびコン
タクト層8をそれぞれ成長させる。
【0027】図3はここで用いるMBE結晶成長装置の
構造を表すものである。このMBE結晶成長装置は、内
部に基板1を保持するための基板ホルダ22が設けられ
た真空容器21を備えている。真空容器21には、基板
1に対向するように複数の粒子線源セル22(例えばク
ヌーゼンセル(Kセル))が配設されている。真空容器
21には、また、p型不純物である窒素をプラズマ化し
て基板1に向かって照射するためのプラズマ発生室24
が配設されている。このプラズマ発生室24は、例えば
ECR(Electron Cyclotron Resonance)セルやRF
(Radio Frequency )セルにより構成されている。各粒
子線源セル23およびプラズマ発生室24の照射口近傍
にはシャッター25がそれぞれ配設されており、各粒子
線の照射を制御するようになっている。
【0028】すなわち、ここでは、このようなMBE結
晶成長装置を用い、各層をそれぞれ構成する化合物半導
体の組成に応じて原料の粒子線を各粒子線源セル23か
らそれぞれ照射してエピタキシャル成長させる。n型ク
ラッド層2に対するn型不純物(例えば塩素)の添加
は、n型不純物の粒子線を原料の各粒子線と共に粒子線
源セル23から照射することにより行う。一方、p型ク
ラッド層4,第1の半導体層5,第2の半導体層6,超
格子層7およびコンタクト層8それぞれに対するp型不
純物の添加は、p型不純物として窒素を用いる場合に
は、原料の各粒子線に加え、プラズマ発生室24によっ
てプラズマ化した窒素を照射することにより行う。ま
た、p型不純物としてその他のナトリウムや砒素を用い
る場合には、p型不純物の粒子線を原料の各粒子線と共
に粒子線源セル23から照射することにより行う。
【0029】次いで、コンタクト層8の上に図示しない
レジスト膜を塗布しフォトリソグラフィによって帯状の
マスクパターン(図示せず)を形成したのち、このマス
クパターンをマスクとしてウエットエッチングまたはド
ライエッチングを行いコンタクト層8,超格子層7およ
び第2の半導体層6を選択的に除去して帯状とする。続
いて、コンタクト層12などが選択的に除去された第1
の半導体層5の上および図示しないレジスト膜の上に酸
化アルミニウムなどの絶縁材料を被着し、図しないレジ
スト膜をこのレジスト膜の上に蒸着された絶縁材料と共
に除去して(リフトオフ)、絶縁層9を形成する。
【0030】そののち、コンタクト層8および絶縁層9
の上に例えばパラジウム,白金および金を順次蒸着して
p側電極10を形成すると共に、基板1の他面側に例え
ばインジウムを蒸着してn側電極11を形成する。これ
により、図1に示した半導体発光素子が形成される。
【0031】このようにして製造した半導体発光素子
は、次のように作用する。
【0032】この半導体発光素子では、n側電極11と
p側電極10との間に所定の電圧が印加されると活性層
6に電流が注入され、活性層6において電子−正孔再結
合により発光が起こる。ここでは、活性層3がOを含む
II−VI族化合物半導体により構成されているので、
活性層3のバンドギャップおよび格子定数は広い範囲か
ら選択される。よって、活性層3は歪みを有さないよう
に構成され、電流が注入されても劣化が起こらない。ま
た、ここでは、p型クラッド層4がBeを含むII−V
I族化合物半導体により構成されているので、p型クラ
ッド層4のキャリア濃度が比較的高くなっている。よっ
て、動作電圧が低くなる。
【0033】このように本実施の形態に係る半導体発光
素子によれば、活性層3をII族元素のZnと、VI族
元素のO,SおよびSeのうちの少なくともOとからな
るII−VI族化合物半導体により構成するようにした
ので、活性層3のバンドギャップおよび格子定数を広い
範囲から選択することができる。すなわち、活性層3と
n型クラッド層2およびp型クラッド層4との間のバン
ドギャップの差を十分に広くでき、かつ活性層3を基板
1に対して格子整合させることができる。よって、活性
層3が歪みを有さないように構成することができ、活性
層3の歪みによる劣化を防止することができる。従っ
て、寿命を延長することができる。
【0034】また、n型クラッド層2およびp型クラッ
ド層4をII族元素のZnおよびBeと、VI族元素の
SおよびSeのうちの少なくとも1種とからなるII−
VI族化合物半導体により構成するようにしたので、そ
れらのバンドギャップおよび格子定数を広い範囲から選
択することができる。すなわち、n型クラッド層2およ
びp型クラッド層4と活性層3との間のバンドギャップ
の差を十分に広くでき、かつn型クラッド層2およびp
型クラッド層4を基板1に対して格子整合させることが
できる。よって、高い結晶性を有しかつ高い発光効率を
有する半導体発光素子を得ることができる。更に、p型
クラッド層4においてはキャリア濃度を高くすることが
できるので、動作電圧を低くすることができ、寿命を延
長させることができる。
【0035】(第2の実施の形態)図4は本発明の第2
の実施の形態に係る半導体発光素子を表すものである。
この第2の実施の形態は、n型クラッド層2,p型クラ
ッド層4,第1の半導体層5,超格子層7およびコンタ
クト層8をそれぞれ構成するII−VI族化合物半導体
について、第1の実施の形態と異なる具体的一例を示す
ものである。よって、ここでは、同一の構成要素には同
一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0036】ここで、n型クラッド層2は、II族元素
のZnと、VI族元素のSおよびSeのうちの少なくと
も1種とからなるn型不純物が添加されたII−VI族
化合物半導体により構成されている。すなわち、n型ク
ラッド層2はn型ZnSSe混晶,n型ZnSeあるい
はn型ZnSにより構成されている。p型クラッド層4
も、n型クラッド層2と同様に、II族元素のZnと、
VI族元素のSおよびSeのうちの少なくとも1種とか
らなるp型不純物が添加されたII−VI族化合物半導
体により構成されている。
【0037】なお、n型クラッド層2,活性層3および
p型クラッド層4をそれぞれ構成する材料および組成
は、n型クラッド層2,活性層3およびp型クラッド層
4それぞれのバンドギャップが2.7〜3.5eVとな
り、活性層3とn型クラッド層2およびp型クラッド層
4とのバンドギャップの差が0.3eV程度となるよう
な範囲内において適宜選択される。
【0038】第1の半導体層5は、例えば、p型不純物
を添加したp型ZnSSe混晶により構成されている。
超格子層7は、例えば、p型不純物を添加したp型Zn
Seとp型不純物を添加したp型ZnTeとを交互に積
層した構成とされている。コンタクト層8は、例えば、
p型不純物を添加したp型ZnTeにより構成されてい
る。
【0039】このような構成を有する半導体発光素子
は、第1の実施の形態と同様にして製造することがで
き、同様に作用する。また、本実施の形態に係る半導体
発光素子によれば、活性層3を第1の実施の形態と同様
に構成するようにしたので、第1の実施の形態と同一の
効果を得ることができる。
【0040】なお、本実施の形態においては、n型クラ
ッド層2およびp型クラッド層4をZnSSe混晶,Z
nSeあるいはZnSにより構成する場合について説明
したが、図4に示したように、p型クラッド層4をBe
を含む混晶により構成するようにしてもよい。すなわ
ち、n型クラッド層2をn型ZnSSe混晶,n型Zn
Seあるいはn型ZnSにより構成し、p型クラッド層
4を第1の実施の形態と同様にp型ZnBeSSe混
晶,p型ZnBeSe混晶あるいはp型ZnBeS混晶
により構成するようにしてもよい。この場合、第1の半
導体層5,超格子層7およびコンタクト層8について
も、第1の実施の形態と同様に構成する。このようにp
型クラッド層4をBeを含むII−VI族化合物半導体
によって構成すれば、第1の実施の形態と同様に、p型
クラッド層4のキャリア濃度を比較的高くすることがで
きるので、好ましい。
【0041】(第3の実施の形態)図6は本発明の第3
の実施の形態に係る半導体発光素子を表すものである。
この第3の実施の形態は、基板1,n型クラッド層2,
活性層3およびp型クラッド層4それぞれ構成する材料
について、第1の実施の形態と異なる具体的一例を示す
ものである。よって、ここでは、同一の構成要素には同
一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0042】ここで、基板1は、例えばSiなどのn型
不純物が添加されたn型GaAsにより構成されてい
る。n型クラッド層2は、II族元素のZn,Mg,C
dおよびBeのうちの少なくとも1種と、VI族元素の
SおよびSeのうちの少なくとも1種とからなるn型不
純物が添加されたII−VI族化合物半導体により構成
されている。よって、n型クラッド層2では、図2に示
した関係図から分かるように、これらの材料および組成
を調整することにより選択できる格子定数およびバンド
ギャップの幅が広くなっており、特に、基板1を構成す
るGaAsの格子定数においてバンドギャップを広い範
囲から選択できるようになっている。なお、バンドギャ
ップを選択できる幅はBeにより特に広がるので、n型
クラッド層2はBeを含むように構成することがより好
ましい。
【0043】活性層3は、II族元素のZnおよびCd
のうちの少なくとも1種と、VI族元素のOおよびSe
のうちの少なくともOとからなるII−VI族化合物半
導体により構成されている。よって、活性層3では、図
2に示した関係図から分かるように、Oを含むことによ
り選択できる格子定数およびバンドギャップの幅が広く
なっており、特に、基板1を構成するGaAsの格子定
数においてバンドギャップを広い範囲から選択できるよ
うになっている。
【0044】p型クラッド層4は、n型クラッド層2と
同様に、II族元素のZn,Mg,CdおよびBeのう
ちの少なくとも1種と、VI族元素のSおよびSeのう
ちの少なくとも1種とからなるp型不純物が添加された
II−VI族化合物半導体により構成されている。な
お、p型クラッド層4においては、Beを含むように構
成すればバンドギャップの選択の幅が広がると共に、キ
ャリア濃度を高めることができるので好ましい。
【0045】なお、n型クラッド層2,活性層3および
p型クラッド層4をそれぞれ構成する材料および組成
は、活性層3のバンドギャップが2.0〜2.7eV、
n型クラッド層2およびp型クラッド層4のバンドギャ
ップがそれぞれ2.7〜4.0eV、活性層3とn型ク
ラッド層2およびp型クラッド層4とのバンドギャップ
の差が0.3eV以上となるような範囲内において適宜
選択される。また、これらの材料を調節することによ
り、活性層3とn型クラッド層2およびp型クラッド層
4との伝導帯および価電子帯の不連続をそれぞれ調整す
ることもできる。
【0046】このような構成を有する半導体発光素子
は、第1の実施の形態と同様にして製造することがで
き、同様に作用する。また、本実施の形態に係る半導体
発光素子によれば、活性層3をII族元素のZnおよび
Cdのうちの少なくとも1種と、VI族元素のOおよび
Seのうちの少なくともOとからなるII−VI族化合
物半導体により構成するようにしたので、活性層3のバ
ンドギャップおよび格子定数を広い範囲から選択するこ
とができる。更に、n型クラッド層2およびp型クラッ
ド層4をII族元素のZn,Mg,CdおよびBeのう
ちの少なくとも1種と、VI族元素のSおよびSeのう
ちの少なくとも1種とからなるII−VI族化合物半導
体によりそれぞれ構成するようにしたので、それらのバ
ンドギャップおよび格子定数を広い範囲から選択するこ
とができる。よって、第1の実施の形態と同一の効果を
有する。
【0047】(第4の実施の形態)図7は本発明の第4
の実施の形態に係る半導体発光素子を表すものである。
この第4の実施の形態は、基板1,n型クラッド層2,
活性層3およびp型クラッド層4それぞれ構成する材料
について、第1の実施の形態と異なる具体的一例を示す
ものである。よって、ここでは、同一の構成要素には同
一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0048】ここで、基板1は、例えばSiなどのn型
不純物が添加されたn型InPにより構成されている。
n型クラッド層2は、II族元素のZn,MgおよびB
eのうちの少なくともBeと、VI族元素のTeとから
なるn型不純物が添加されたII−VI族化合物半導体
により構成されている。また、n型クラッド層2は、I
I族元素のZn,Mg,CdおよびBeのうちの少なく
ともBeと、VI族元素のSeとからなるn型不純物が
添加されたII−VI族化合物半導体により構成されて
いてもよい。このn型クラッド層2では、図2に示した
関係図から分かるように、Beを含むことにより選択で
きる格子定数およびバンドギャップの幅が広くなってお
り、特に、基板1を構成するInPの格子定数において
バンドギャップを広い範囲から選択できるようになって
いる。
【0049】活性層3は、II族元素のZn,Cdおよ
びBeのうちの少なくともBeと、VI族元素のTeと
からなるII−VI族化合物半導体により構成されてい
る。よって、活性層3でも、図2に示した関係図から分
かるように、Beを含むことにより選択できる格子定数
およびバンドギャップの幅が広くなっており、特に、基
板1を構成するInPの格子定数においてバンドギャッ
プを広い範囲から選択できるようになっている。
【0050】p型クラッド層4は、n型クラッド層2と
同様に、II族元素のZn,MgおよびBeのうちの少
なくともBeと、VI族元素のTeとからなるp型不純
物が添加されたII−VI族化合物半導体、あるいはI
I族元素のZn,Mg,CdおよびBeのうちの少なく
ともBeと、VI族元素のSeとからなるp型不純物が
添加されたII−VI族化合物半導体により構成されて
いる。すなわち、p型クラッド層4においては、Beを
含むことによりバンドギャップの選択の幅が広がると共
に、キャリア濃度を高めることができるようになってい
る。
【0051】なお、n型クラッド層2,活性層3および
p型クラッド層4をそれぞれ構成する材料および組成
は、n型クラッド層2,活性層3およびp型クラッド層
4のバンドギャップがそれぞれ2.3〜2.8eVで、
活性層3とn型クラッド層2およびp型クラッド層4と
のバンドギャップの差が0.3eV程度となるような範
囲内において適宜選択される。
【0052】このような構成を有する半導体発光素子
は、第1の実施の形態と同様にして製造することがで
き、同様に作用する。また、本実施の形態に係る半導体
発光素子によれば、活性層3をII族元素のZn,Cd
およびBeのうちの少なくともBeと、VI族元素のT
eとからなるII−VI族化合物半導体により構成によ
り構成するようにしたので、活性層3のバンドギャップ
および格子定数を広い範囲から選択することができる。
更に、n型クラッド層2およびp型クラッド層4をII
族元素のZn,MgおよびBeのうちの少なくともBe
と、VI族元素のTeとからなるII−VI族化合物半
導体あるいはII族元素のZn,Mg,CdおよびBe
のうちの少なくともBeと、VI族元素のSeとからな
るII−VI族化合物半導体によりそれぞれ構成するよ
うにしたので、それらのバンドギャップおよび格子定数
を広い範囲から選択することができると共に、p型クラ
ッド層4のキャリア濃度を高くすることができる。よっ
て、第1の実施の形態と同一の効果を得ることができ
る。なお、VI族元素としてSeを含むII−VI族化
合物半導体によりn型クラッド層2を構成すればそのキ
ャリア濃度を高くすることができ、VI族元素としてT
eを含むII−VI族化合物半導体によりp型クラッド
層4を構成すればそのキャリア濃度を高くすることがで
きる。
【0053】(第5の実施の形態)図8は本発明の第5
の実施の形態に係る半導体発光素子を表すものである。
この第5の実施の形態は、基板1,n型クラッド層2,
活性層3およびp型クラッド層4それぞれ構成する材料
について、第1の実施の形態と異なる具体的一例を示す
ものである。よって、ここでは、同一の構成要素には同
一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0054】ここで、基板1は、例えばSiなどのn型
不純物が添加されたn型InPまたはn型GaAsまた
はn型GaPにより構成されている。n型クラッド層2
は、II族元素のZn,Mg,Cd,BeおよびHgの
うちの少なくともBeおよびHgと、VI族元素のSe
とからなるn型不純物が添加されたII−VI族化合物
半導体により構成されている。よって、n型クラッド層
2では、図2に示した関係図から分かるように、Beと
Hgとを含むことにより選択できる格子定数およびバン
ドギャップの幅が広くなっている。
【0055】活性層3は、II族元素のZn,Mg,C
d,BeおよびHgのうちの少なくともBeと、VI族
元素のSeとからなるII−VI族化合物半導体により
構成されている。よって、活性層3でも、図2に示した
関係図から分かるように、Beを含むことにより選択で
きる格子定数およびバンドギャップの幅が広くなってい
る。なお、バンドギャップを選択できる幅はHgによっ
ても広がるので、活性層3はHgも含むように構成する
ことがより好ましい。
【0056】p型クラッド層4は、n型クラッド層2と
同様に、II族元素のZn,Mg,Cd,BeおよびH
gのうちの少なくともBeおよびHgと、VI族元素の
Seとからなるn型不純物が添加されたII−VI族化
合物半導体により構成されている。すなわち、p型クラ
ッド層4においては、Beを含むことによりバンドギャ
ップの選択の幅が広がると共に、キャリア濃度を高める
ことができるようになっている。
【0057】なお、n型クラッド層2,活性層3および
p型クラッド層4をそれぞれ構成する材料および組成
は、基板1をInPにより構成する場合には、n型クラ
ッド層2,活性層3およびp型クラッド層4のバンドギ
ャップがそれぞれ1.0〜3.6eVで、活性層3とn
型クラッド層2およびp型クラッド層4とのバンドギャ
ップの差が0.3eV以上となるような範囲内において
適宜選択される。また、基板1をGaAsにより構成す
る場合には、n型クラッド層2,活性層3およびp型ク
ラッド層4のバンドギャップがそれぞれ2.0〜3.8
eVで、活性層3とn型クラッド層2およびp型クラッ
ド層4とのバンドギャップの差が0.3eV以上となる
ような範囲内において適宜選択される。更に、基板1を
GaPにより構成する場合には、n型クラッド層2,活
性層3およびp型クラッド層4のバンドギャップがそれ
ぞれ2.7〜4.0eVで、活性層3とn型クラッド層
2およびp型クラッド層4とのバンドギャップの差が
0.3eV以上となるような範囲内において適宜選択さ
れる。また、これらの材料を調節することにより、活性
層3とn型クラッド層2およびp型クラッド層4の伝導
帯および価電子帯の不連続をそれぞれ調整することもで
きる。
【0058】このような構成を有する半導体発光素子
は、第1の実施の形態と同様にして製造することがで
き、同様に作用する。また、本実施の形態に係る半導体
発光素子によれば、活性層3をII族元素のZn,M
g,Cd,BeおよびHgのうちの少なくともBeと、
VI族元素のSeとからなるII−VI族化合物半導体
により構成するようにしたので、活性層3のバンドギャ
ップおよび格子定数を広い範囲から選択することができ
る。更に、n型クラッド層2およびp型クラッド層4を
II族元素のZn,Mg,Cd,BeおよびHgのうち
の少なくともBeおよびHgと、VI族元素のSeとか
らなるII−VI族化合物半導体によりそれぞれ構成す
るようにしたので、それらのバンドギャップおよび格子
定数を広い範囲から選択することができると共に、p型
クラッド層4のキャリア濃度を高くすることができる。
よって、第1の実施の形態と同一の効果を得ることがで
きる。
【0059】(第6の実施の形態)図9は本発明の第6
の実施の形態に係る半導体発光素子を表すものである。
この第6の実施の形態は、基板1,n型クラッド層2,
活性層3,p型クラッド層4,第1の半導体層5,超格
子層7およびコンタクト層8をそれぞれ構成する材料に
ついて、第1の実施の形態と異なる具体的一例を示すも
のである。よって、ここでは、同一の構成要素には同一
の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0060】ここで、基板1は、例えばSiなどのn型
不純物が添加されたn型InPまたはn型GaAsまた
はn型GaPにより構成されている。n型クラッド層2
は、II族元素のZn,Mg,Cd,BeおよびHgの
うちの少なくとも1種と、VI族元素のSeとからなる
n型不純物が添加されたII−VI族化合物半導体によ
り構成されている。よって、n型クラッド層2では、図
2に示した関係図から分かるように、これらの材料およ
び組成を調整することにより選択できる格子定数および
バンドギャップの幅が広くなっている。なお、バンドギ
ャップを選択できる幅はMgおよびHgにより特に広が
るので、n型クラッド層2はMgとHgとを含むように
構成することがより好ましい。
【0061】活性層3は、II族元素のZn,Mg,C
d,BeおよびHgのうちの少なくともMgとCdとH
gと、VI族元素のSeとからなるII−VI族化合物
半導体により構成されている。よって、活性層3では、
図2に示した関係図から分かるように、MgとCdとH
gとを含むことにより選択できる格子定数およびバンド
ギャップの幅が広くなっている。
【0062】p型クラッド層4は、n型クラッド層2と
同様に、II族元素のZn,Mg,Cd,BeおよびH
gのうちの少なくとも1種と、VI族元素のSeとから
なるp型不純物が添加されたII−VI族化合物半導体
により構成されている。
【0063】なお、n型クラッド層2,活性層3および
p型クラッド層4をそれぞれ構成する材料および組成
は、基板1をInPにより構成する場合には、n型クラ
ッド層2,活性層3およびp型クラッド層4のバンドギ
ャップがそれぞれ1.0〜3.6eVで、活性層3とn
型クラッド層2およびp型クラッド層4とのバンドギャ
ップの差が0.3eV以上となるような範囲内において
適宜選択される。また、基板1をGaAsにより構成す
る場合には、n型クラッド層2,活性層3およびp型ク
ラッド層4のバンドギャップがそれぞれ2.0〜3.8
eVで、活性層3とn型クラッド層2およびp型クラッ
ド層4とのバンドギャップの差が0.3eV以上となる
ような範囲内において適宜選択される。更に、基板1を
GaPにより構成する場合には、n型クラッド層2,活
性層3およびp型クラッド層4のバンドギャップがそれ
ぞれ2.7〜4.0eVで、活性層3とn型クラッド層
2およびp型クラッド層4とのバンドギャップの差が
0.3eV以上となるような範囲内において適宜選択さ
れる。また、これらの材料を調節することにより、活性
層3とn型クラッド層2およびp型クラッド層4の伝導
帯および価電子帯の不連続をそれぞれ調整することもで
きる。
【0064】また、第1の半導体層5は、例えば、p型
不純物を添加したp型ZnSSe混晶により構成されて
いる。超格子層7は、例えば、p型不純物を添加したp
型ZnSeとp型不純物を添加したp型ZnTeとを交
互に積層した構成とされている。コンタクト層8は、例
えば、p型不純物を添加したp型ZnTeにより構成さ
れている。
【0065】このような構成を有する半導体発光素子
は、第1の実施の形態と同様にして製造することがで
き、同様に作用する。また、本実施の形態に係る半導体
発光素子によれば、活性層3をII族元素のZn,M
g,Cd,BeおよびHgのうちの少なくともMgとC
dとHgと、VI族元素のSeとからなるII−VI族
化合物半導体により構成するようにしたので、活性層3
のバンドギャップおよび格子定数を広い範囲から選択す
ることができる。更に、n型クラッド層2およびp型ク
ラッド層4をII族元素のZn,Mg,Cd,Beおよ
びHgのうちの少なくとも1種と、VI族元素のSeと
からなるII−VI族化合物半導体によりそれぞれ構成
するようにしたので、それらのバンドギャップおよび格
子定数を広い範囲から選択することができる。よって、
第1の実施の形態に係る半導体発光素子と同一の効果を
得ることができる。
【0066】(第7の実施の形態)図10は本発明の第
7の実施の形態に係る半導体発光素子を表すものであ
る。この第7の実施の形態は、基板1,n型クラッド層
2,活性層3,p型クラッド層4,第1の半導体層5,
超格子層7およびコンタクト層8をそれぞれ構成する材
料について、第1の実施の形態と異なる具体的一例を示
すものである。よって、ここでは、同一の構成要素には
同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0067】ここで、基板1は、例えばSiなどのn型
不純物が添加されたn型InPまたはn型GaAsまた
はn型GaPにより構成されている。n型クラッド層2
は、II族元素のZn,Mg,Cd,BeおよびHgの
うちの少なくとも1種と、VI族元素のO,SおよびS
eのうちの少なくとも1種とからなるn型不純物が添加
されたII−VI族化合物半導体により構成されてい
る。よって、n型クラッド層2では、図2に示した関係
図から分かるように、これらの材料および組成を調整す
ることにより選択できる格子定数およびバンドギャップ
の幅が広くなっている。なお、バンドギャップを選択で
きる幅はHgおよびOにより特に広がるので、n型クラ
ッド層2はHgとOとを含むように構成することがより
好ましい。
【0068】活性層3は、II族元素のZn,Mg,C
d,BeおよびHgのうちの少なくとも1種と、VI族
元素のO,SおよびSeのうちの少なくともOとからな
るII−VI族化合物半導体により構成されている。よ
って、活性層3では、図2に示した関係図から分かるよ
うに、Oを含むことにより選択できる格子定数およびバ
ンドギャップの幅が広くなっている。なお、バンドギャ
ップを選択できる幅はHgにより更に広がるので、n型
クラッド層2はHgを更に含むように構成することがよ
り好ましい。
【0069】p型クラッド層4は、n型クラッド層2と
同様に、II族元素のZn,Mg,Cd,BeおよびH
gのうちの少なくとも1種と、VI族元素のO,Sおよ
びSeのうちの少なくとも1種とからなるp型不純物が
添加されたII−VI族化合物半導体により構成されて
いる。
【0070】なお、n型クラッド層2,活性層3および
p型クラッド層4をそれぞれ構成する材料および組成
は、基板1をInPにより構成する場合には、n型クラ
ッド層2,活性層3およびp型クラッド層4のバンドギ
ャップがそれぞれ0〜3.6eVで、活性層3とn型ク
ラッド層2およびp型クラッド層4とのバンドギャップ
の差が0.3eV以上となるような範囲内において適宜
選択される。また、基板1をGaAsにより構成する場
合には、n型クラッド層2,活性層3およびp型クラッ
ド層4のバンドギャップがそれぞれ0.4〜4.5eV
で、活性層3とn型クラッド層2およびp型クラッド層
4とのバンドギャップの差が0.3eV以上となるよう
な範囲内において適宜選択される。更に、基板1をGa
Pにより構成する場合には、n型クラッド層2,活性層
3およびp型クラッド層4のバンドギャップがそれぞれ
0.8〜4.8eVで、活性層3とn型クラッド層2お
よびp型クラッド層4とのバンドギャップの差が0.3
eV以上となるような範囲内において適宜選択される。
また、これらの材料を調節することにより、活性層3と
n型クラッド層2およびp型クラッド層4の伝導帯およ
び価電子帯の不連続をそれぞれ調整することができる。
【0071】また、第1の半導体層5は、例えば、p型
不純物を添加したp型ZnSSe混晶により構成されて
いる。超格子層7は、例えば、p型不純物を添加したp
型ZnSeとp型不純物を添加したp型ZnTeとを交
互に積層した構成とされている。コンタクト層8は、例
えば、p型不純物を添加したp型ZnTeにより構成さ
れている。
【0072】このような構成を有する半導体発光素子
は、第1の実施の形態と同様にして製造することがで
き、同様に作用する。また、本実施の形態に係る半導体
発光素子によれば、活性層3をII族元素のZn,M
g,Cd,BeおよびHgのうちの少なくとも1種と、
VI族元素のO,SおよびSeのうちの少なくともOと
からなるII−VI族化合物半導体により構成するよう
にしたので、活性層3のバンドギャップおよび格子定数
を広い範囲から選択することができる。更に、n型クラ
ッド層2およびp型クラッド層4をII族元素のZn,
Mg,Cd,BeおよびHgのうちの少なくとも1種
と、VI族元素のO,SおよびSeのうちの少なくとも
1種とからなるII−VI族化合物半導体によりそれぞ
れ構成するようにしたので、それらのバンドギャップお
よび格子定数を広い範囲から選択することができる。よ
って、第1の実施の形態と同一の効果を得ることができ
る。
【0073】(第8の実施の形態)図11は本発明の第
8の実施の形態に係る半導体発光素子を表すものであ
る。この第8の実施の形態は、基板1,n型クラッド層
2,活性層3およびp型クラッド層4をそれぞれ構成す
る材料について、第1の実施の形態と異なる具体的一例
を示すものである。よって、ここでは、同一の構成要素
には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0074】ここで、基板1は、例えば炭化ケイ素(S
iC)により構成されている。n型クラッド層2は、I
I族元素のZnおよびBeのうちの少なくとも1種と、
VI族元素のO,SおよびSeのうちの少なくとも1種
とからなるn型不純物が添加されたII−VI族化合物
半導体により構成されている。よって、n型クラッド層
2では、図2に示した関係図から分かるように、これら
の材料および組成を調整することにより選択できる格子
定数およびバンドギャップの幅が広くなっており、特
に、基板1を構成する炭化ケイ素の格子定数においてバ
ンドギャップを広い範囲から選択できるようになってい
る。なお、バンドギャップを選択できる幅はBeおよび
Oにより特に広がるので、n型クラッド層2はBeまた
はOまたはBeとOとを含むように構成することがより
好ましい。
【0075】活性層3は、II族元素のZnおよびBe
のうちの少なくとも1種と、VI族元素のO,Sおよび
Seのうちの少なくとも1種とからなるII−VI族化
合物半導体により構成されている。よって、活性層3で
は、図2に示した関係図から分かるように、これらの材
料および組成を調整することにより選択できる格子定数
およびバンドギャップの幅が広くなっており、基板1を
構成する炭化ケイ素の格子定数においてバンドギャップ
を広い範囲から選択できるようになっている。なお、バ
ンドギャップを選択できる幅はBeおよびOにより特に
広がるので、n型クラッド層2はBeまたはOまたはB
eとOとを含むように構成することがより好ましい。
【0076】p型クラッド層4は、n型クラッド層2と
同様に、II族元素のZnおよびBeのうちの少なくと
も1種と、VI族元素のO,SおよびSeのうちの少な
くとも1種とからなるp型不純物が添加されたII−V
I族化合物半導体により構成されている。
【0077】なお、n型クラッド層2,活性層3および
p型クラッド層4をそれぞれ構成する材料および組成
は、n型クラッド層2,活性層3およびp型クラッド層
4のバンドギャップがそれぞれ4〜6eVで、活性層3
とn型クラッド層2およびp型クラッド層4とのバンド
ギャップの差が0.3eV以上となるような範囲内にお
いて適宜選択される。また、これらの材料を調節するこ
とにより、活性層3 とn型クラッド層2およびp型クラ
ッド層4の伝導帯および価電子帯の不連続をそれぞれ調
整することもできる。
【0078】このような構成を有する半導体発光素子
は、第1の実施の形態と同様にして製造することがで
き、同様に作用する。また、本実施の形態に係る半導体
発光素子によれば、活性層3をII族元素のZnおよび
Beのうちの少なくとも1種と、VI族元素のO,Sお
よびSeのうちの少なくとも1種とからなるII−VI
族化合物半導体により構成するようにしたので、活性層
3のバンドギャップおよび格子定数を広い範囲から選択
することができる。更に、n型クラッド層2およびp型
クラッド層4をII族元素のZnおよびBeのうちの少
なくとも1種と、VI族元素のO,SおよびSeのうち
の少なくとも1種とからなるII−VI族化合物半導体
によりそれぞれ構成するようにしたので、それらのバン
ドギャップおよび格子定数を広い範囲から選択すること
ができる。よって、第1の実施の形態と同一の効果を得
ることができる。
【0079】(第9の実施の形態)図12は本発明の第
9の実施の形態に係る半導体発光素子を表すものであ
る。この半導体発光素子は、基板1とn型クラッド層2
との間にバッファ層12が挿入されると共に、超格子層
7が削除され、かつ基板1,n型クラッド層2,活性層
3,p型クラッド層4,第1の半導体層5および第2の
半導体層6をそれぞれ構成する材料が異なっていること
を除き、第1の実施の形態と同一の構成を有している。
よって、ここでは、同一の構成要素には同一の符号を付
し、その詳細な説明を省略する。
【0080】ここで、基板1は、例えばSiなどのn型
不純物が添加されたn型InPにより構成されている。
バッファ層12は、n型不純物が添加されたZnCdS
e混晶により構成されている。n型クラッド層2は、n
型不純物が添加されたn型ZnMgCdSe混晶により
構成されている。活性層3は、ZnMgBeTe混晶に
より構成されている。p型クラッド層4は、p型不純物
が添加されたp型ZnMgBeTe混晶により構成され
ている。第1の半導体層5は、p型不純物が添加された
p型ZnMgBeTe混晶により構成されている。第2
の半導体層6は、p型不純物が添加されたp型ZnBe
Te混晶により構成されている。コンタクト層8は、p
型不純物が添加されたp型ZnTeまたはp型BeTe
により構成されている。
【0081】すなわち、ここでは、p型導電層における
II−VI族化合物半導体のVI族元素をTeとするこ
とにより、p型導電層のキャリア濃度を高くするように
なっている。なお、p型導電層をVI族元素として少な
くともTeを含むII−VI族化合物半導体により構成
してもよい。
【0082】このような構成を有する半導体発光素子
は、第1の実施の形態と同様にして製造することがで
き、同様に作用する。また、本実施の形態に係る半導体
発光素子によれば、p型導電層におけるII−VI族化
合物半導体のVI族元素をTeとするようにしたので、
p型導電層のキャリア濃度を高くすることができる。よ
って、動作電圧を低くすることができ、寿命を延長させ
ることができる。
【0083】(第10の実施の形態)図13は本発明の
第10の実施の形態に係る半導体発光素子を表すもので
ある。この半導体発光素子は、n型クラッド層2と活性
層3との間に第1のガイド層13が挿入されると共に、
活性層3とp型クラッド層4との間に第2のガイド層1
4が挿入されたことを除き、第1の実施の形態と同一の
構成,作用および効果を有している。また、第1の実施
の形態と同様にして製造することができる。よって、こ
こでは、同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳
細な説明を省略する。
【0084】ここで、第1のガイド層13は、n型クラ
ッド層2と同様に、n型不純物を添加したあるいは不純
物を添加しないZnBeSSe混晶により構成されてい
る。すなわち、第1のガイド層13はn型クラッド層2
と同様の材料により構成することができる。その組成
は、第1のガイド層13のバンドギャップがn型クラッ
ド層2のバンドギャップと活性層3のバンドギャップと
の間になるように選択する。
【0085】第2のガイド層14は、p型クラッド層4
と同様に、p型不純物を添加したあるいは不純物を添加
しないZnBeSSe混晶により構成されている。すな
わち、第2のガイド層14はp型クラッド層4と同様の
材料により構成することができる。その組成は、第2の
ガイド層14のバンドギャップがp型クラッド層4のバ
ンドギャップと活性層3のバンドギャップとの間になる
ように選択する。
【0086】なお、n型クラッド層2およびp型クラッ
ド層4は、それらを構成するZnBeSSe混晶の組成
を調節することにより、それらの伝導帯が活性層3の伝
導帯よりも高いエネルギー準位を有しかつそれらの価電
子帯が活性層3の価電子帯よりも低くいエネルギー準位
を有するようにすることが好ましい。
【0087】また、ここでは、第1の実施の形態に係る
半導体発光素子について第1のガイド層13と第2のガ
イド層14を形成した場合を説明したが、第2乃至第9
の実施の形態に係る半導体発光素子についても同様に第
1のガイド層13と第2のガイド層14を形成するよう
にしてもよい。
【0088】(第11の実施の形態)また、本発明の第
11の実施の形態として本発明の半導体発光素子を備え
た光装置について説明する。なお、ここでは、光装置と
して光ディスク再生装置,表示装置および露光装置を例
に挙げて説明する。
【0089】図14は光ディスク再生装置100の構成
を表すものである。この光ディスク再生装置100は、
光ディスク110の記録情報を再生するためのもので、
緑色ないし青色の波長の発光を行う半導体発光素子10
1を備えている。半導体発光素子101は、第1乃至第
10の実施の形態において説明した半導体発光素子を適
用することができる。光ディスク再生装置100は、更
に、半導体発光素子101の射出光を光ディスク110
へ導くと共に、光ディスク110の反射光(信号光11
0a)を再生するための公知の光学系、すなわち、コリ
メート・レンズ102,ビームスプリッタ103,1/
4波長板104,対物レンズ105,検出レンズ10
6,信号光検出用受光素子107および信号光再生回路
108を備えている。
【0090】この光ディスク再生装置100では、半導
体発光素子101から出射された出射光はコリメート・
レンズ102により平行光にされ、ビームスプリッタ1
03を経て1/4波長板104により偏光の具合が調整
されたのち、対物レンズ105により集光されて光ディ
スク110に入射される。そして、この光ディスク11
0で反射された信号光110aが対物レンズ105,1
/4波長板104を経てビームスプリッタ103で反射
されたのち、検出レンズ106を経て信号光検出用受光
素子107に入射され、ここで電気信号に変換された
後、信号光再生回路108において光ディスク110に
書き込まれた情報として再生される。
【0091】本発明の半導体発光素子101は、前述の
ように活性層3の歪みをなくし素子の寿命を延長させる
ことができるものである。または、p側導電層のキャリ
ア濃度を高くして動作電圧を低くし寿命を延長させるこ
とができるものである。従って、この半導体発光素子1
01を光ディスク再生装置100に適用したことによ
り、光ディスク再生装置100の動作電力を小さくする
ことができ、光ディスク110および光ディスク再生装
置100の寿命を延長させることができる。
【0092】図15は表示装置200の構成を表すもの
である。この表示装置200は、カラー画像を表示する
ものであって、青色の波長の発光を行う半導体発光素子
201と、緑色の波長の発光を行う半導体発光素子20
2と、赤色の波長の発光を行う半導体発光素子203と
を備えている。このうち半導体発光素子201および半
導体発光素子202は、第1乃至第10の実施の形態に
おいて説明した半導体発光素子を適用することができ
る。これら各半導体発光素子201,202,203
は、色表示の基本となる光の分離または合成を行うダイ
クロイックプリズム204に対向するようにそれぞれ配
置されており、それらの間には液晶パネル205がそれ
ぞれ配設されている。また、ダイクロイックプリズム2
04の投射側には投射レンズ206が配設されている。
【0093】この表示装置200では、各半導体発光素
子201,202,203からそれぞれ出射された光が
各液晶パネル205を介してダイクロイックプリズム2
04に入射され、分離または合成されたのち、投射レン
ズ206を介して投射される。
【0094】本発明の半導体発光素子201,202
は、前述のように活性層3の歪みをなくし素子の寿命を
延長させることができるものである。または、p側導電
層のキャリア濃度を高くして動作電圧を低くし寿命を延
長させることができるものである。従って、この半導体
発光素子201,202を表示装置200に適用したこ
とにより、表示装置200の動作電力を小さくすること
ができると共に、寿命を延長させることができる。
【0095】図16は露光装置300の構成を表すもの
である。この露光装置300は、例えば、マスク310
に形成されたパターンを基板311上に形成されたレジ
スト膜312に投影し露光するもので、緑色ないし青色
の波長の発光を行う半導体発光素子301を備えてい
る。半導体発光素子301は、第1乃至第10の実施の
形態において説明した半導体発光素子を適用することが
できる。露光装置300は、更に、半導体発光素子30
1の射出光をマスク310を介して基板311へ導くた
めの公知の光学系、すなわち、凹面鏡302,集光レン
ズ303および縮小投影レンズ304を備えている。
【0096】この露光装置300では、半導体発光素子
301から出射された出射光は凹面鏡302により反射
され、集光レンズ303により集光されたのち、マスク
310を通過し、縮小投影レンズにより縮小され、レジ
スト膜312に照射される。すなわち、マスク310に
形成されたパターンが縮小されてレジスト膜312に投
影され、レジスト膜312が露光する。
【0097】本発明の半導体発光素子301は、前述の
ように活性層3の歪みをなくし素子の寿命を延長させる
ことができるものである。または、p側導電層のキャリ
ア濃度を高くして動作電圧を低くし寿命を延長させるこ
とができるものである。従って、この半導体発光素子3
01を露光装置300に適用したことにより、露光装置
300の動作電力を小さくすることができると共に、寿
命を延長させることができる。
【0098】なお、ここでは、本発明の半導体発光素子
を光ディスク再生装置,表示装置および露光装置に適用
した例について説明したが、光ディスク記録装置や光デ
ィスク記録再生装置にも適用できることはもちろん、例
えば、遺伝子を注入した大腸菌などに紫外線レーザ光を
照射して遺伝子の組み替えを行う遺伝子組み替え装置
や、紫外線レーザ光をウイルスに照射して殺菌をする殺
菌装置や、紫外線レーザ光を照射して切断をする医療用
レーザメスや、光通信装置,光学式分析・解析・検出装
置および高温で動作する必要のある車載用の半導体レー
ザ装置を有する機器など光装置全般に適用することがで
きる。
【0099】以上、各実施の形態を挙げて本発明を説明
したが、本発明は上記各実施の形態に限定されるもので
はなく、種々の変形が可能である。例えば、上記各実施
の形態においては、基板1の一面側にn型導電層,活性
層3およびp型導電層を順次形成するようにしたが、本
発明は、基板の一面側にp型導電層,活性層3およびn
型導電層を順次形成する場合も含んでいる。
【0100】また、本発明は、半導体レーザや発光ダイ
オード(light emitting diode;LED)などの種々の
半導体発光素子について適用することができる。
【0101】更に、上記各実施の形態においては、固体
ソースMBE法により各II−VI族化合物半導体より
なる層を基板1の一面側にそれぞれ成長させる場合につ
いて説明したが、ガスソースMBE法やMOCVD(Me
tal Organic Chemical VaporDeposition )法などによ
りそれぞれ成長させるようにしてもよい。
【0102】
【発明の効果】以上説明したように本発明の半導体発光
素子によれば、活性層をVI族元素として少なくともO
が含まれるII−VI族化合物半導体により構成するよ
うにしたので、またはII族元素として少なくともBe
あるいは少なくともMgとCdとHgとが含まれるII
−VI族化合物半導体により構成するようにしたので、
活性層のバンドギャップおよび格子定数を広い範囲から
選択することができる。よって、活性層が歪みを有さな
いように構成することができ、活性層の歪みによる劣化
を防止することができる。従って、素子の寿命を延長さ
せることができるという効果を奏する。
【0103】また、本発明の他の半導体発光素子によれ
ば、p型導電層をVI族元素として少なくともテルルが
含まれるII−VI族化合物半導体により構成するよう
にしたので、p型導電層のキャリア濃度を高くすること
ができる。よって、動作電圧を低くすることができると
共に、キャリア注入効率を上げ、発光効率を上げること
ができ、素子の寿命を延長させることができるという効
果を奏する。
【0104】更に、本発明の光装置は、本発明の半導体
発光素子を適用したものであり、半導体発光素子の特性
の向上および長寿命化に伴い、光装置の特性の向上およ
び長寿命化を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る半導体発光素
子の構成を表す断面図である。
【図2】II−VI族化合物半導体における格子定数と
バンドギャップとの関係を表す特性図である。
【図3】図1に示した半導体発光素子の製造に用いるM
BE結晶成長装置を表す構成図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る半導体発光素
子の構成を表す断面図である。
【図5】図4に示した半導体発光素子の変形例の構成を
表す断面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係る半導体発光素
子の構成を表す断面図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態に係る半導体発光素
子の構成を表す断面図である。
【図8】本発明の第5の実施の形態に係る半導体発光素
子の構成を表す断面図である。
【図9】本発明の第6の実施の形態に係る半導体発光素
子の構成を表す断面図である。
【図10】本発明の第7の実施の形態に係る半導体発光
素子の構成を表す断面図である。
【図11】本発明の第8の実施の形態に係る半導体発光
素子の構成を表す断面図である。
【図12】本発明の第9の実施の形態に係る半導体発光
素子の構成を表す断面図である。
【図13】本発明の第10の実施の形態に係る半導体発
光素子の構成を表す断面図である。
【図14】本発明の半導体発光素子を用いた光ディスク
再生装置を表す構成図である。
【図15】本発明の半導体発光素子を用いた表示装置を
表す構成図である。
【図16】本発明の半導体発光素子を用いた露光装置を
表す構成図である。
【符号の説明】
1…基板、2…n型クラッド層(第1導電型クラッド
層)、3…活性層、4…p型クラッド層(第2導電型ク
ラッド層)、5…第1の半導体層、6…第2の半導体
層、7…超格子層、8…コンタクト層、9…絶縁層、1
0…p側電極、11…n側電極、12…バッファ層、1
3…第1のガイド層、14…第2のガイド層、21…真
空容器、22…基板ホルダ、23…粒子線源セル、24
…プラズマ発生室、25…シャッター、100…光ディ
スク再生装置、101…半導体発光素子、101a…出
射光、102…コリメート・レンズ、103…ビームス
プリッタ、104…1/4波長板、105…対物レン
ズ、106…検出レンズ、107…信号光検出用受光素
子、108…信号光再生回路、110…光ディスク、2
00…表示装置、201,202,203…半導体発光
素子、204…ダイクロイックプリズム、205…液晶
パネル、206…投射レンズ、300…露光装置、30
1…半導体発光素子、302…凹面鏡、303…集光レ
ンズ、304…縮小投影レンズ、310…マスク、31
1…基板、312…レジスト膜

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜鉛(Zn),マグネシウム(Mg),
    カドミウム(Cd),ベリリウム(Be),マンガン
    (Mn)および水銀(Hg)からなる群のうちの少なく
    とも1種のII族元素と、酸素(O),硫黄(S),セ
    レン(Se)およびテルル(Te)からなる群のうちの
    少なくとも1種のVI族元素とを含むII−VI族化合
    物半導体よりそれぞれなる第1導電型クラッド層,活性
    層および第2導電型クラッド層を備えた半導体発光素子
    であって、 前記活性層はVI族元素として少なくとも酸素を含むI
    I−VI族化合物半導体よりなることを特徴とする半導
    体発光素子。
  2. 【請求項2】 前記第1導電型クラッド層および第2導
    電型クラッド層のうちの少なくともp型クラッド層であ
    る一方は、II族元素として少なくともベリリウムを含
    むII−VI族化合物半導体よりなることを特徴とする
    請求項1記載の半導体発光素子。
  3. 【請求項3】 前記活性層はII族元素として少なくと
    もベリリウムを含むII−VI族化合物半導体よりなる
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子。
  4. 【請求項4】 前記第1導電型クラッド層および第2導
    電型クラッド層は、II族元素として少なくともベリリ
    ウムと共に、VI族元素として少なくとも酸素を含むI
    I−VI族化合物半導体よりなることを特徴とする請求
    項3記載の半導体発光素子。
  5. 【請求項5】 前記活性層はII族元素として少なくと
    も水銀を含むII−VI族化合物半導体よりなることを
    特徴とする請求項1記載の半導体発光素子。
  6. 【請求項6】 前記第1導電型クラッド層および第2導
    電型クラッド層は、II族元素として少なくとも水銀を
    含み、VI族元素として少なくとも酸素を含むII−V
    I族化合物半導体よりなることを特徴とする請求項5記
    載の半導体発光素子。
  7. 【請求項7】 亜鉛(Zn),マグネシウム(Mg),
    カドミウム(Cd),ベリリウム(Be),マンガン
    (Mn)および水銀(Hg)からなる群のうちの少なく
    とも1種のII族元素と、酸素(O),硫黄(S),セ
    レン(Se)およびテルル(Te)からなる群のうちの
    少なくとも1種のVI族元素とを含むII−VI族化合
    物半導体よりそれぞれなる第1導電型クラッド層,活性
    層および第2導電型クラッド層を備えた半導体発光素子
    であって、 前記活性層はII族元素として少なくともベリリウムを
    含むII−VI族化合物半導体よりなることを特徴とす
    る半導体発光素子。
  8. 【請求項8】 前記第1導電型クラッド層および第2導
    電型クラッド層は、II族元素として少なくともベリリ
    ウムを含むII−VI族化合物半導体よりなることを特
    徴とする請求項7記載の半導体発光素子。
  9. 【請求項9】 前記第1導電型クラッド層および第2導
    電型クラッド層は、VI族元素として少なくとも酸素を
    含むII−VI族化合物半導体よりなることを特徴とす
    る請求項7記載の半導体発光素子。
  10. 【請求項10】 前記第1導電型クラッド層,活性層お
    よび第2導電型クラッド層が基板の一面側に積層された
    半導体発光素子であって、 前記基板はIII族元素のインジウムとV族元素の燐と
    を含むIII−V族化合物半導体よりなることを特徴と
    する請求項7記載の半導体発光素子。
  11. 【請求項11】 前記第1導電型クラッド層および第2
    導電型クラッド層は、II族元素として少なくともベリ
    リウムと水銀とを含むII−VI族化合物半導体よりな
    ることを特徴とする請求項7記載の半導体発光素子。
  12. 【請求項12】 前記活性層はII族元素として少なく
    とも水銀を更に含むII−VI族化合物半導体よりなる
    ことを特徴とする請求項11記載の半導体発光素子。
  13. 【請求項13】 亜鉛(Zn),マグネシウム(M
    g),カドミウム(Cd),ベリリウム(Be),マン
    ガン(Mn)および水銀(Hg)からなる群のうちの少
    なくとも1種のII族元素と、酸素(O),硫黄
    (S),セレン(Se)およびテルル(Te)からなる
    群のうちの少なくとも1種のVI族元素とを含むII−
    VI族化合物半導体よりそれぞれなる第1導電型クラッ
    ド層,活性層および第2導電型クラッド層を備えた半導
    体発光素子であって、 前記活性層はII族元素として少なくともマグネシウム
    とカドミウムと水銀とを含むII−VI族化合物半導体
    よりなることを特徴とする半導体発光素子。
  14. 【請求項14】 前記第1導電型クラッド層および第2
    導電型クラッド層は、II族元素として少なくともマグ
    ネシウムと水銀とを含むII−VI族化合物半導体より
    なることを特徴とする請求項13記載の半導体発光素
    子。
  15. 【請求項15】 亜鉛(Zn),マグネシウム(M
    g),カドミウム(Cd),ベリリウム(Be),マン
    ガン(Mn)および水銀(Hg)からなる群のうちの少
    なくとも1種のII族元素と、酸素(O),硫黄
    (S),セレン(Se)およびテルル(Te)からなる
    群のうちの少なくとも1種のVI族元素とを含むII−
    VI族化合物半導体よりそれぞれなるn型導電層,活性
    層およびp型導電層を備えた半導体発光素子であって、 前記p型導電層はVI族元素として少なくともテルルを
    含むII−VI族化合物半導体よりなることを特徴とす
    る半導体発光素子。
  16. 【請求項16】 前記n型導電層を構成するII−VI
    族化合物半導体のVI族元素は酸素,硫黄およびセレン
    からなる群のうちの少なくとも1種であることを特徴と
    する請求項15記載の半導体発光素子。
  17. 【請求項17】 前記p型導電層を構成するII−VI
    族化合物半導体のVI族元素はテルルであることを特徴
    とする請求項15記載の半導体発光素子。
  18. 【請求項18】 亜鉛(Zn),マグネシウム(M
    g),カドミウム(Cd),ベリリウム(Be),マン
    ガン(Mn)および水銀(Hg)からなる群のうちの少
    なくとも1種のII族元素と、酸素(O),硫黄
    (S),セレン(Se)およびテルル(Te)からなる
    群のうちの少なくとも1種のVI族元素とを含むII−
    VI族化合物半導体よりそれぞれなる第1導電型クラッ
    ド層,活性層および第2導電型クラッド層が形成された
    半導体発光素子を備えた光装置であって、 前記半導体発光素子は、活性層がVI族元素として少な
    くとも酸素を含むII−VI族化合物半導体により構成
    されたことを特徴とする光装置。
  19. 【請求項19】 亜鉛(Zn),マグネシウム(M
    g),カドミウム(Cd),ベリリウム(Be),マン
    ガン(Mn)および水銀(Hg)からなる群のうちの少
    なくとも1種のII族元素と、酸素(O),硫黄
    (S),セレン(Se)およびテルル(Te)からなる
    群のうちの少なくとも1種のVI族元素とを含むII−
    VI族化合物半導体よりそれぞれなる第1導電型クラッ
    ド層,活性層および第2導電型クラッド層が形成された
    半導体発光素子を備えた光装置であって、 前記半導体発光素子は、活性層がII族元素として少な
    くともベリリウムを含むII−VI族化合物半導体によ
    り構成されたことを特徴とする光装置。
  20. 【請求項20】 亜鉛(Zn),マグネシウム(M
    g),カドミウム(Cd),ベリリウム(Be),マン
    ガン(Mn)および水銀(Hg)からなる群のうちの少
    なくとも1種のII族元素と、酸素(O),硫黄
    (S),セレン(Se)およびテルル(Te)からなる
    群のうちの少なくとも1種のVI族元素とを含むII−
    VI族化合物半導体よりそれぞれなる第1導電型クラッ
    ド層,活性層および第2導電型クラッド層が形成された
    半導体発光素子を備えた光装置であって、 前記半導体発光素子は、活性層がII族元素として少な
    くともマグネシウムとカドミウムと水銀とを含むII−
    VI族化合物半導体により構成されたことを特徴とする
    光装置。
  21. 【請求項21】 亜鉛(Zn),マグネシウム(M
    g),カドミウム(Cd),ベリリウム(Be),マン
    ガン(Mn)および水銀(Hg)からなる群のうちの少
    なくとも1種のII族元素と、酸素(O),硫黄
    (S),セレン(Se)およびテルル(Te)からなる
    群のうちの少なくとも1種のVI族元素とを含むII−
    VI族化合物半導体よりそれぞれなるn型導電層,活性
    層およびp型導電層が形成された半導体発光素子を備え
    た光装置であって、 前記半導体発光素子は、p型導電層がVI族元素として
    少なくともテルルを含むII−VI族化合物半導体によ
    り構成されたことを特徴とする光装置。
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