JPH11135881A - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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JPH11135881A
JPH11135881A JP29418297A JP29418297A JPH11135881A JP H11135881 A JPH11135881 A JP H11135881A JP 29418297 A JP29418297 A JP 29418297A JP 29418297 A JP29418297 A JP 29418297A JP H11135881 A JPH11135881 A JP H11135881A
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JP
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layer
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compound semiconductor
iii
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JP29418297A
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Inventor
Takashi Kobayashi
高志 小林
Hiroyuki Okuyama
浩之 奥山
Katsuhiro Akimoto
克洋 秋本
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 p型II−VI族化合物半導体層上に設けら
れるp側電極の接触抵抗を低減することができる半導体
装置を提供する。 【解決手段】 p型II−VI族化合物半導体層上にp
側電極を設ける半導体レーザなどの半導体装置におい
て、p型II−VI族化合物半導体層、例えばp型Zn
Seコンタクト層11とp側電極14との間に、Cuお
よびAgからなる群より選ばれた少なくとも一種のI族
元素とAl、GaおよびInからなる群より選ばれた少
なくとも一種のIII族元素とSe、S、TeおよびO
からなる群より選ばれた少なくともSeまたはSを含む
少なくとも一種のVI族元素とにより構成されたI−I
II−VI族化合物半導体層、例えばCuInSe2
ンタクト層12を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体装置に関
し、特に、II−VI族化合物半導体を用いた半導体装
置、例えば半導体レーザや発光ダイオードのような半導
体発光素子に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】近年、光ディスクや光磁気ディスクに対
する記録/再生の高密度化または高解像度化のために、
青色ないし緑色で発光可能な半導体レーザに対する要求
が高まっており、その実用化を目指して研究が活発に行
われている。
【0003】このような青色ないし緑色で発光可能な半
導体レーザの製造に用いる材料としては、亜鉛(Z
n)、マグネシウム(Mg)、カドミウム(Cd)、水
銀(Hg)、ベリリウム(Be)などのII族元素とセ
レン(Se)、イオウ(S)、テルル(Te)、酸素
(O)などのVI族元素とからなるII−VI族化合物
半導体が有望である。特に、四元系II−VI族化合物
半導体であるZnMgSSeは、結晶性に優れ、入手も
容易なGaAs基板上への結晶成長が可能であり、例え
ば青色で発光可能な半導体レーザをこのGaAs基板を
用いて製造するときのクラッド層や光導波層などに適し
ていることが知られている(例えば、Electronics Lett
ers 28(1992)1798)。
【0004】しかしながら、このII−VI族化合物半
導体を用いた半導体レーザにおいては、電極とII−V
I族化合物半導体層との界面におけるショットキー障壁
の高さが高いため(例えば、Appl. Phys. Lett. 63(199
3)2612) 、電極の接触抵抗が高く、それが動作電圧を高
くしていた。また、高キャリア濃度のp型ZnSe層を
得ることが困難であることから、このp型ZnSe層を
p側電極のコンタクト層として用いるとオーミック接触
が得られにくく、これも動作電圧を高くしていた。この
ため、従来のII−VI族化合物半導体を用いた半導体
レーザは、消費電力(電圧×電流)が高く、これが動作
時の発熱量を多くし、半導体レーザの劣化をもたらして
いた。
【0005】そこで、この問題を解決するために、p型
ZnSe層上に1×1019cm-3程度の高いキャリア濃
度が得られるp型ZnTe層を成長させ、このp型Zn
Te層にp側電極をコンタクトさせる技術が提案され
た。しかしながら、このp側電極コンタクト構造では、
p型ZnSe層とp型ZnTe層との界面における価電
子帯の不連続が約0.6eVと大きく、動作電圧をあま
り低くすることができないため、p型ZnSe層とp型
ZnTe層との間にp型ZnSe/ZnTe多重量子井
戸(MQW)層を形成してp型ZnSe層とp型ZnT
e層との界面における価電子帯の不連続を実効的になく
すことにより低動作電圧化を図る技術が提案されている
(例えば、Electronics Letters 29(1993)878)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、II−VI
族化合物半導体を用いた半導体レーザを製造する場合、
II−VI族化合物半導体層の成長にはもっぱら分子線
エピタキシー(MBE)が用いられている。しかしなが
ら、上述のp型ZnSe/ZnTeMQW層をMBE法
により成長させる場合には、分子線フラックス量、基板
温度、成長速度などの制御性を高くしないと、所望のp
型ZnSe/ZnTeMQW層を成長させることができ
ない。さらに、ZnSeおよびZnTeの格子定数はそ
れぞれ5.66942Åおよび6.10Åであり、それ
らの間に比較的大きな格子定数差があるため、p型Zn
Se/ZnTeMQW層の成長時にp型ZnSe層上に
p型ZnTe層を成長させると、その界面にミスフィッ
ト転位が導入されてしまい、結晶性が悪化する。また、
このミスフィット転位の所に存在するダングリングボン
ドが正孔のトラップとなり、正孔がこのダングリングボ
ンドにトラップされることによりp型キャリア濃度が減
少し、動作電圧の増加を招いてしまう。
【0007】さらに、一般に、p側電極とp型コンタク
ト層との間の接触抵抗が高いと、正孔がp型コンタクト
層に容易に移動することができないため、高い電圧、し
たがって大きい電力を印加する必要がある。
【0008】したがって、この発明の目的は、p型II
−VI族化合物半導体層上に設けられる電極の接触抵抗
の低減を図ることができる半導体装置を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、従来技術が
有する上述の課題を解決すべく、鋭意検討を行った。以
下にその概要について説明する。
【0010】すなわち、本発明者は、p型ZnSe層に
対してp側電極をオーミック接触させる場合に、このp
型ZnSe層とp側電極との間に中間層としてコンタク
ト層を設けることによりp側電極の接触抵抗の低減を図
るという方針のもとに、このコンタクト層の材料につい
て種々検討を行った。この結果、コンタクト層の材料と
しては、黄銅鉱(カルコパイライト)型結晶構造を有す
るI−III−VI族化合物半導体、特にそのうちVI
族元素がSeまたはSであるものが最も優れた材料であ
るという結論に至った。これは、第1には、I−III
−VI族化合物半導体は一般に高い正孔濃度のp型のも
のが容易に得られるからである。第2には、いわゆるコ
モンアニオン(common anion)モデルによれば、VI族
元素がSeであるI−III−VI族化合物半導体は、
その価電子帯の上端がZnSeの価電子帯の上端と一致
し、したがってp型ZnSeとこのI−III−VI族
化合物半導体とを接触させた場合、それらの界面におけ
る価電子帯に不連続が生じず、また、VI族元素がSで
あるI−III−VI族化合物半導体は、その価電子帯
の上端がZnSeの価電子帯の上端より低く、したがっ
てp型ZnSeとこのI−III−VI族化合物半導体
とを接触させた場合、それらの界面には価電子帯に不連
続が生じるものの、その不連続はp側電極から注入され
る正孔に対して障壁として働かないものであるからであ
る。
【0011】例えば、図1に示すように、p型ZnSe
とp型ZnTeとを接触させた場合にはそれらの界面に
おける価電子帯に約0.6eVもの大きな不連続が生
じ、これがp側電極から注入される正孔に対して障壁と
なるのに対し、図2に示すように、p型ZnSeと、V
I族元素がSeであるI−III−VI族化合物半導体
の一例としてCuInSe2 とを接触させた場合にはそ
れらの界面における価電子帯には不連続はなく、したが
ってp側電極から注入される正孔に対して障壁は存在し
ない。また、図3に示すように、p型ZnSeと、VI
族元素がSであるI−III−VI族化合物半導体の一
例としてCuInS2 とを接触させた場合にはそれらの
界面における価電子帯に図1の場合と逆方向に約0.5
eVの不連続が生じるが、この不連続はp側電極から注
入される正孔に対して障壁として働かない。
【0012】コンタクト層の材料としては、VI族元素
としてSeおよびSの両方を含むI−III−VI族化
合物半導体も同様に優れたものである。例えば、CuI
nSe2 におけるSeの一部をSで置換したCuInS
2xSe2(1-x)(ただし、0<x<1)である。また、V
I族元素としてSeまたはSに加えてTeを含むI−I
II−VI族化合物半導体であっても、その価電子帯の
上端がZnSeの価電子帯の上端に比べてあまり高くな
りすぎず、p型ZnSeと接触させたときにそれらの界
面における価電子帯に正孔の移動に対して支障となる大
きさの不連続を生じない程度のTe組成である限り、コ
ンタクト層の材料として使用することができる。さら
に、VI族元素としてSeまたはSに加えてOを含むI
−III−VI族化合物半導体であっても、黄銅鉱型結
晶構造を維持することができる範囲のO組成である限
り、コンタクト層の材料として使用することができ、こ
の場合も、VI族元素としてSeまたはSを含むI−I
II−VI族化合物半導体と同様に、p型ZnSeと接
触させたときにそれらの界面における価電子帯にはp側
電極から注入される正孔に対して障壁となる不連続は存
在しない。
【0013】上述の種々のI−III−VI族化合物半
導体のうちどの材料をコンタクト層の材料として使用す
るかは、p側電極をオーミック接触させる必要のあるp
型II−VI族化合物半導体との格子整合などを考慮し
て決定すればよい。
【0014】また、以上はp型ZnSe層に対してp側
電極をオーミック接触させる場合についてであるが、一
般に、p型II−VI族化合物半導体層にp側電極をオ
ーミック接触させる場合に同様なことが成立しうる。
【0015】この発明は、本発明者による以上の検討に
基づいて案出されたものである。
【0016】すなわち、上記目的を達成するために、こ
の発明は、Zn、Mg、Cd、HgおよびBeからなる
群より選ばれた少なくとも一種のII族元素とSe、
S、TeおよびOからなる群より選ばれた少なくとも一
種のVI族元素とにより構成されたp型II−VI族化
合物半導体層上に電極を有する半導体装置において、p
型II−VI族化合物半導体層と電極との間に、Cuお
よびAgからなる群より選ばれた少なくとも一種のI族
元素とAl、GaおよびInからなる群より選ばれた少
なくとも一種のIII族元素とSe、S、TeおよびO
からなる群より選ばれた少なくともSeまたはSを含む
少なくとも一種のVI族元素とにより構成されたI−I
II−VI族化合物半導体層が設けられていることを特
徴とするものである。
【0017】この発明において、典型的には、I−II
I−VI族化合物半導体層を構成するVI族元素は、S
e、Sまたはそれらの両方である。ここで、VI族元素
としてSeおよびSの両方を含むI−III−VI族化
合物半導体層は、p型II−VI族化合物半導体層がS
eおよびSの両方を含むもの、例えば、p型ZnSSe
層やp型ZnMgSSe層などである場合に好適なもの
である。
【0018】この発明において、I−III−VI族化
合物半導体層の材料の具体例を挙げると、CuInSe
2 、CuInS2 、CuInS2xSe2(1-x)、CuIn
Te2xSe2(1-x)、CuInO2xSe2(1-x)、CuIn
Te2x2(1-x)、CuInO2x2(1-x)、CuAlSe
2 、CuAlS2 、CuAlS2xSe2(1-x)、CuAl
Te2xSe2(1-x)、CuAlO2xSe2(1-x)、CuAl
Te2x2(1-x)、CuAlO2x2(1-x)、CuGaSe
2 、CuGaS2 、CuGaS2xSe2(1-x)、CuGa
Te2xSe2(1-x)、CuGaO2xSe2(1-x)、CuGa
Te2x2(1-x)、CuGaO2x2(1-x)、AgAlSe
2 、AgAlS2 、AgAlS2xSe2( 1-x)、AgAl
Te2xSe2(1-x)、AgAlO2xSe2(1-x)、AgAl
Te2x2(1-x)、AgAlO2x2(1-x)、AgGaSe
2 、AgGaS2 、AgGaS2xSe2(1-x)、AgGa
Te2xSe2(1-x)、AgGaO2xSe2(1-x)、AgGa
Te2x2(1-x)、AgGaO2x2(1-x)、AgInSe
2 、AgInS2 、AgInS2xSe2(1-x)、AgIn
Te2xSe2(1-x)、AgInO2xSe2(1-x)、AgIn
Te2x2(1-x)、AgInO2x2(1-x)などである。た
だし、0<x<1である。
【0019】上述のように構成されたこの発明において
は、CuおよびAgからなる群より選ばれた少なくとも
一種のI族元素とAl、GaおよびInからなる群より
選ばれた少なくとも一種のIII族元素とSe、S、T
eおよびOからなる群より選ばれた少なくともSeまた
はSを含む少なくとも一種のVI族元素とにより構成さ
れたI−III−VI族化合物半導体層の価電子帯の上
端は、p型II−VI族化合物半導体層の価電子帯の上
端とほぼ等しいか、あるいは、p型II−VI族化合物
半導体層の価電子帯の上端より低くすることができるこ
とにより、これらのp型II−VI族化合物半導体層お
よびI−III−VI族化合物半導体層の界面における
価電子帯にはほとんど不連続がなく、あるいは、不連続
があっても電極から注入される正孔に対して障壁となら
ない。また、I−III−VI族化合物半導体層は、高
い正孔濃度のp型のものを容易に得ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施形態につ
いて図面を参照しながら説明する。
【0021】図4にこの発明の一実施形態による半導体
レーザを示す。この一実施形態による半導体レーザは、
SCH(Separate Confinement Heterostructure)構造
を有するものである。
【0022】図4に示すように、この一実施形態による
半導体レーザにおいては、例えば(100)面方位のn
型GaAs基板1上に、n型GaAsバッファ層2、n
型ZnSeバッファ層3、n型ZnSSeバッファ層
4、n型ZnMgSSeクラッド層5、n型ZnSSe
光導波層6、活性層7、p型ZnSSe光導波層8、p
型ZnMgSSeクラッド層9、p型ZnSSeキャッ
プ層10、p型ZnSeコンタクト層11およびp型の
CuInSe2 コンタクト層12が順次積層されてい
る。
【0023】ここで、n型GaAsバッファ層2は厚さ
が例えば0.5μmであり、n型不純物として例えばシ
リコン(Si)がドープされている。n型ZnSeバッ
ファ層3は厚さが例えば30nmであり、n型不純物と
して例えば塩素(Cl)がドープされ、不純物濃度は例
えば[Cl]=7×1017cm-3である。n型ZnSS
eバッファ層4は厚さが例えば300nmであり、n型
不純物として例えばClがドープされ、不純物濃度は例
えば[Cl]=5×1017cm-3である。n型ZnMg
SSeクラッド層5は厚さが例えば0.8μmであり、
n型不純物として例えばClがドープされ、不純物濃度
は例えば[Cl]=2×1017cm-3である。n型Zn
SSe光導波層6は厚さが例えば45nmであり、n型
不純物として例えばClがドープされ、不純物濃度は例
えば[Cl]=5×1017cm-3である。活性層7は、
例えば、ZnCdSeの多重量子井戸(MQW)構造ま
たは単一量子井戸(SQW)構造を有する。このZnC
dSeのII族元素の組成は例えばZnが80%、Cd
が20%であり、その格子定数はn型GaAs基板1の
格子定数よりも若干大きくなっている。p型ZnSSe
光導波層8は厚さが例えば45nmであり、p型不純物
として例えば窒素(N)がドープされ、不純物濃度は例
えば[N]=5×1017cm-3である。p型ZnMgS
Seクラッド層9は厚さが例えば1μmであり、p型不
純物として例えばNがドープされ、不純物濃度は例えば
[N]=2×1017cm-3である。p型ZnSSeキャ
ップ層10は厚さが例えば400nmであり、p型不純
物として例えばNがドープされ、不純物濃度は例えば
[N]=5×1017cm-3である。p型ZnSeコンタ
クト層11は厚さが例えば200nmであり、p型不純
物としては例えばNがドープされ、不純物濃度は例えば
[N]=8×1017cm-3である。CuInSe2コン
タクト層12の厚さは例えば100nmである。このC
uInSe2 コンタクト層12はアンドープであるが、
p型で正孔濃度は例えば2×1021cm-3と極めて高
い。
【0024】p型ZnSSeキャップ層10の上層部、
p型ZnSeコンタクト層11およびCuInSe2
ンタクト層12は一方向に延びるストライプ形状を有す
る。このストライプ部の両側の部分には例えばアルミナ
(Al2 3 )膜のような絶縁層13が埋め込まれてお
り、これによって電流狭窄構造が形成されている。
【0025】上述のストライプ部および絶縁層13の全
面には例えば金(Au)電極のようなp側電極14が設
けられ、ストライプ部のCuInSe2 コンタクト層1
2とオーミック接触している。一方、n型GaAs基板
1の裏面には例えばIn電極のようなn側電極15が設
けられ、n型GaAs基板1とオーミック接触してい
る。
【0026】次に、上述のように構成されたこの一実施
形態による半導体レーザの製造方法について説明する。
【0027】まず、図示省略したIII−V族化合物半
導体成長用のMBE装置の超高真空に排気された真空容
器内の基板ホルダーにn型GaAs基板1を装着する。
【0028】次に、このn型GaAs基板1を所定の成
長温度に加熱した後、このn型GaAs基板1上にMB
E法によりn型GaAsバッファ層2を成長させる。こ
の場合、n型不純物であるSiのドーピングは、Siの
分子線源(クヌーセンセル)を用いて行う。なお、この
n型GaAsバッファ層2の成長は、n型GaAs基板
1を例えば580℃付近の温度に加熱してその表面をサ
ーマルエッチングすることにより表面酸化膜などを除去
して表面清浄化を行った後に行ってもよい。
【0029】次に、このようにしてn型GaAsバッフ
ァ層2が成長されたn型GaAs基板1を、図示省略し
た真空搬送路を介して、上述のIII−V族化合物半導
体成長用のMBE装置から、図5に示すII−VI族化
合物半導体およびI−III−VI族化合物半導体成長
用のMBE装置に搬送する。そして、この図5に示すM
BE装置において、レーザ構造を形成する各II−VI
族化合物半導体層およびI−III−VI族化合物半導
体層の成長を行う。この場合、n型GaAsバッファ層
2の表面は、その成長が行われてから図5に示すMBE
装置に搬送される間に大気にさらされないので、清浄の
まま保たれる。
【0030】図5に示すように、このMBE装置におい
ては、図示省略した超高真空排気装置により超高真空に
排気された真空容器21内に基板ホルダー22が設けら
れ、この基板ホルダー22に成長を行うべき基板が装着
される。この真空容器21内には、基板ホルダー22に
対向して複数の分子線源(クヌーセンセル)23が取り
付けられている。この場合、分子線源23としては、Z
n、Se、Mg、ZnS、Cd、Cu、In、ZnCl
2 などの分子線源が用意されている。これらの分子線源
23のそれぞれの前方には、シャッター24が開閉可能
に設けられている。真空容器21内にはさらに、電子サ
イクロトロン共鳴(ECR)または高周波(RF)によ
るプラズマセル25が基板ホルダー22に対向して取り
付けられている。真空容器21内にはまた、反射型高速
電子回折(RHEED)電子銃26および蛍光スクリー
ン27が取り付けられており、基板表面のRHEED像
を観察することができるようになっている。真空容器2
1内にはさらに、四重極質量分析計28も取り付けられ
ている。さらに、真空容器21には、ガラス窓(図示せ
ず)が設けられており、このガラス窓を通して、真空容
器21の外部に設けられたXeランプによる紫外線を成
長中に基板に照射することができるようになっている。
このXeランプは例えばCWで500Wのものである。
【0031】さて、n型GaAsバッファ層2上にレー
ザ構造を形成する各II−VI族化合物半導体層および
I−III−VI族化合物半導体層を成長させるために
は、図5に示すMBE装置の真空容器21内の基板ホル
ダー22に、n型GaAsバッファ層2が成長されたn
型GaAs基板1を装着する。次に、このn型GaAs
基板1を所定の成長温度、例えば約280℃に設定して
MBE法による成長を開始する。すなわち、n型GaA
sバッファ層2上に、n型ZnSeバッファ層3、n型
ZnSSeバッファ層4、n型ZnMgSSeクラッド
層5、n型ZnSSe光導波層6、活性層7、p型Zn
SSe光導波層8、p型ZnMgSSeクラッド層9、
p型ZnSSeキャップ層10、p型ZnSeコンタク
ト層11およびCuInSe2 コンタクト層12を順次
成長させる。
【0032】ここで、n型ZnSeバッファ層3、n型
ZnSSeバッファ層4、n型ZnMgSSeクラッド
層5およびn型ZnSSe光導波層6のn型不純物とし
てのClのドーピングは、例えばZnCl2 をドーパン
トとして用いて行う。また、p型ZnSSe光導波層
8、p型ZnSSeキャップ層10およびp型ZnSe
コンタクト層11のp型不純物としてのNのドーピング
は、図5に示すMBE装置のプラズマセル25におい
て、窒素ガス導入管25aから導入されるN2 ガスのR
Fプラズマ化を行い、これにより発生されたN2 プラズ
マを基板表面に照射することにより行う。また、p型Z
nMgSSeクラッド層9のp型不純物としてのNのド
ーピングは、図5に示すMBE装置のプラズマセル25
において、窒素ガス導入管25aから導入されるN2
スのECRプラズマ化を行い、これにより発生されたN
2 プラズマを基板表面に照射することにより行う。
【0033】また、この場合、CuInSe2 コンタク
ト層12の成長は、Xeランプによる紫外線を成長表面
に照射しながら行う。これは、CuInSe2 コンタク
ト層12の成長を促進するとともに、良好な結晶性を得
るためである。
【0034】次に、CuInSe2 コンタクト層12上
に一方向に延びる幅が例えば10μmのストライプ形状
のレジストパターン(図示せず)をリソグラフィーによ
り形成した後、このレジストパターンをマスクとしてp
型ZnSSeキャップ層10の厚さ方向の途中の深さま
でウエットエッチング法またはドライエッチング法によ
りエッチングする。これによって、p型ZnSSeキャ
ップ層10の上層部、p型ZnSeコンタクト層11お
よびCuInSe2 コンタクト層12がストライプ形状
にパターニングされる。
【0035】次に、上述のエッチングに用いたレジスト
パターンを残したまま全面にAl23 膜を真空蒸着法
により形成した後、このレジストパターンを、その上に
形成されたAl2 3 膜とともに除去する(リフトオ
フ)。これによって、ストライプ部以外の部分のp型Z
nSSeキャップ層10上にのみAl2 3 膜からなる
絶縁層13が形成され、電流狭窄構造が形成される。
【0036】次に、ストライプ形状のCuInSe2
ンタクト層12および絶縁層13の全面に例えば厚さが
400nmのAu膜を真空蒸着法により形成してAu電
極からなるp側電極14を形成し、このp側電極14を
CuInSe2 コンタクト層12とオーミック接触させ
る。一方、n型GaAs基板1の裏面には、例えばIn
膜を真空蒸着法により形成してIn電極からなるn側電
極15を形成する。なお、p側電極14またはn側電極
15を形成した後、それらのオーミック接触特性を良好
にするために熱処理を行ってもよい。
【0037】次に、以上のようにしてレーザ構造が形成
されたn型GaAs基板1を例えば幅600μmのバー
状に劈開して両共振器端面を形成し、さらに例えば真空
蒸着法により端面コーティングを施した後、このバーを
劈開してチップ化する。
【0038】以上の工程により、目的とする図4に示す
半導体レーザが製造される。
【0039】上述のようにしてMBE法により成長され
たCuInSe2 コンタクト層12のRHEED像を観
察したところ、このCuInSe2 コンタクト層12
は、p型ZnSeコンタクト層11に対して2.0%の
格子不整合があるにもかかわらず、良質の単結晶で表面
平坦性も良好であることが確認された。また、このCu
InSe2 コンタクト層12のX線回折測定も行ったと
ころ、図6に示すような結果が得られ、この結果から
も、CuInSe2 コンタクト層12が良質の単結晶で
あることが確認された。
【0040】この一実施形態によれば、p型ZnSeコ
ンタクト層11とp側電極14との間にCuInSe2
コンタクト層12が設けられていることにより、次のよ
うな効果を得ることができる。すなわち、p型ZnSe
コンタクト層11とCuInSe2 コンタクト層12と
の界面における価電子帯には実質的に不連続がなく、し
たがってp側電極14から注入される正孔に対する障壁
がない。しかも、このCuInSe2 コンタクト層12
の正孔濃度は2×1021cm-3と極めて高い。このた
め、p側電極14の接触抵抗の大幅な低減を図ることが
でき、これによって半導体レーザの動作電圧の大幅な低
減を図ることができる。また、動作電圧の大幅な低減に
より半導体レーザの長寿命化を図ることもできる。
【0041】次に、上述の一実施形態による青色ないし
緑色で発光可能な半導体レーザを発光素子として用いた
光ディスク再生装置について説明する。図7はこの光デ
ィスク再生装置の構成を示す。
【0042】図7に示すように、この光ディスク再生装
置は、発光素子として半導体レーザ101を備えてい
る。この半導体レーザ101としては、上述の一実施形
態による半導体レーザが用いられる。この光ディスク再
生装置はまた、半導体レーザ101の出射光を光ディス
クDに導くとともに、この光ディスクDによる反射光
(信号光)を再生するための公知の光学系、すなわち、
コリメートレンズ102、ビームスプリッタ103、1
/4波長板104、対物レンズ105、検出レンズ10
6、信号光検出用受光素子107および信号光再生回路
108を備えている。
【0043】この光ディスク再生装置においては、半導
体レーザ101の出射光Lはコリメートレンズ102に
よって平行光にされ、さらにビームスプリッタ103を
経て1/4波長板104により偏光の具合が調整された
後、対物レンズ105により集光されて光ディスクDに
入射される。そして、この光ディスクDで反射された信
号光L´が対物レンズ105および1/4波長板104
を経てビームスプリッタ103で反射された後、検出レ
ンズ106を経て信号光検出用受光素子107に入射
し、ここで電気信号に変換された後、信号光再生回路1
08において、光ディスクDに書き込まれた情報が再生
される。
【0044】この光ディスク再生装置によれば、上述の
一実施形態による低動作電圧で長寿命の半導体レーザを
半導体レーザ101として用いているので、この光ディ
スク再生装置の低消費電力化および長寿命化を図ること
ができる。
【0045】なお、ここでは、上述の一実施形態による
半導体レーザを光ディスク再生装置の発光素子に適用し
た場合について説明したが、光ディスク記録再生装置や
光ディスク記録装置の発光素子に適用することが可能で
あることはもちろん、光通信装置などの光装置の発光素
子や、高温で動作させる必要のある車載用機器などの発
光素子に適用することも可能である。
【0046】以上、この発明の一実施形態について具体
的に説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定さ
れるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種
の変形が可能である。
【0047】例えば、上述の一実施形態において挙げた
数値、構造、材料、原料、プロセスなどはあくまでも例
であり、必要に応じてこれらと異なる数値、構造、材
料、原料、プロセスなどを用いてもよい。
【0048】具体的には、例えば、上述の一実施形態に
おいては、固体原料を用いたMBE法によりII−VI
族化合物半導体層およびI−III−VI族化合物半導
体層を成長させているが、これらのII−VI族化合物
半導体層およびI−III−VI族化合物半導体層の成
長には、必要に応じて、ガス原料を用いたMBE法や有
機金属化学気相成長(MOCVD)法を用いてもよい。
【0049】また、上述の一実施形態において用いられ
ているn型ZnSSe光導波層6およびp型ZnSSe
光導波層8の代わりにそれぞれアンドープZnSSe光
導波層を用いてもよく、それぞれn型ZnSe光導波層
およびp型ZnSe光導波層を用いてもよい。同様に、
p型ZnSSeキャップ層10の代わりにp型ZnSe
キャップ層を用いてもよい。さらに、活性層7は例えば
ZnCdSSeやZnSeにより構成してもよい。
【0050】また、上述の一実施形態においては、p側
電極14としてAu電極を用いているが、正孔濃度が2
×1021cm-3と極めて高いCuInSe2 コンタクト
層12に対しては大抵の金属が良好なオーミック接触特
性を示すことから、必要に応じて、Au以外の各種の金
属からなる電極を用いることができる。
【0051】さらに、上述の一実施形態においては、こ
の発明をSCH構造の半導体レーザに適用した場合につ
いて説明したが、この発明は、DH(Double Heterostr
ucture)構造の半導体レーザはもちろん、発光ダイオー
ドに適用することも可能であり、さらには電子走行素子
(例えば、FET)などの電子素子の製造に適用するこ
とも可能である。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、p型II−VI族化合物半導体層と電極との間に、
CuおよびAgからなる群より選ばれた少なくとも一種
のI族元素とAl、GaおよびInからなる群より選ば
れた少なくとも一種のIII族元素とSe、S、Teお
よびOからなる群より選ばれた少なくともSeまたはS
を含む少なくとも一種のVI族元素とにより構成された
I−III−VI族化合物半導体層が設けられているこ
とにより、p型II−VI族化合物半導体層上に設けら
れる電極の接触抵抗の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】p型ZnSeおよびp型ZnTeの価電子帯の
上端の相対的位置関係を示す略線図である。
【図2】p型ZnSeおよびCuInSe2 の価電子帯
の上端の相対的位置関係を示す略線図である。
【図3】p型ZnSeおよびCuInS2 の価電子帯の
上端の相対的位置関係を示す略線図である。
【図4】この発明の一実施形態による半導体レーザを示
す断面図である。
【図5】この発明の一実施形態による半導体レーザの製
造においてII−VI族化合物半導体層およびI−II
I−VI族化合物半導体層の成長に用いられるMBE装
置を示す略線図である。
【図6】この発明の一実施形態による半導体レーザの製
造においてMBE法により成長されたCuInSe2
ンタクト層について行われたX線回折測定の結果を示す
略線図である。
【図7】この発明の一実施形態による半導体レーザを発
光素子として用いた光ディスク再生装置を示す略線図で
ある。
【符号の説明】
1・・・n型GaAs基板、2・・・n型GaAsバッ
ファ層、5・・・n型ZnMgSSeクラッド層、7・
・・活性層、9・・・p型ZnMgSSeクラッド層、
11・・・p型ZnSeコンタクト層、12・・・Cu
InSe2 コンタクト層、14・・・p側電極、15・
・・n側電極

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Zn、Mg、Cd、HgおよびBeから
    なる群より選ばれた少なくとも一種のII族元素とS
    e、S、TeおよびOからなる群より選ばれた少なくと
    も一種のVI族元素とにより構成されたp型II−VI
    族化合物半導体層上に電極を有する半導体装置におい
    て、 上記p型II−VI族化合物半導体層と上記電極との間
    に、CuおよびAgからなる群より選ばれた少なくとも
    一種のI族元素とAl、GaおよびInからなる群より
    選ばれた少なくとも一種のIII族元素とSe、S、T
    eおよびOからなる群より選ばれた少なくともSeまた
    はSを含む少なくとも一種のVI族元素とにより構成さ
    れたI−III−VI族化合物半導体層が設けられてい
    ることを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 上記I−III−VI族化合物半導体層
    を構成するVI族元素がSeであることを特徴とする請
    求項1記載の半導体装置。
  3. 【請求項3】 上記I−III−VI族化合物半導体層
    を構成するVI族元素がSであることを特徴とする請求
    項1記載の半導体装置。
  4. 【請求項4】 上記I−III−VI族化合物半導体層
    がCuInSe2 層であることを特徴とする請求項1記
    載の半導体装置。
  5. 【請求項5】 上記I−III−VI族化合物半導体層
    がCuInS2 層であることを特徴とする請求項1記載
    の半導体装置。
  6. 【請求項6】 上記I−III−VI族化合物半導体層
    がCuInS2xSe2(1-x)層(ただし、0<x<1)で
    あることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7960306B2 (en) 2008-05-28 2011-06-14 Industrial Technology Research Institute Photo-energy transformation catalysts and methods for fabricating the same

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