JPH11150334A - 半導体発光素子 - Google Patents

半導体発光素子

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JPH11150334A
JPH11150334A JP31410897A JP31410897A JPH11150334A JP H11150334 A JPH11150334 A JP H11150334A JP 31410897 A JP31410897 A JP 31410897A JP 31410897 A JP31410897 A JP 31410897A JP H11150334 A JPH11150334 A JP H11150334A
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layer
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type doping
doping layer
emitting device
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Hiroyasu Noguchi
裕泰 野口
Gousaku Katou
豪作 加藤
Akira Ishibashi
晃 石橋
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Original Assignee
Sony Corp
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    • H01S5/00Semiconductor lasers
    • H01S5/30Structure or shape of the active region; Materials used for the active region
    • H01S5/34Structure or shape of the active region; Materials used for the active region comprising quantum well or superlattice structures, e.g. single quantum well [SQW] lasers, multiple quantum well [MQW] lasers or graded index separate confinement heterostructure [GRINSCH] lasers
    • H01S5/347Structure or shape of the active region; Materials used for the active region comprising quantum well or superlattice structures, e.g. single quantum well [SQW] lasers, multiple quantum well [MQW] lasers or graded index separate confinement heterostructure [GRINSCH] lasers in AIIBVI compounds, e.g. ZnCdSe- laser
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特性が良好で、信頼性が高く、かつ長寿命の
半導体発光素子を提供する。 【解決手段】 p−n接合またはp−i−n接合を有す
る半導体発光素子において、p型ドーピング層とn型ド
ーピング層との間の空乏層から離れた位置のn型ドーピ
ング層またはp型ドーピング層中に活性層を設ける。ま
た、p−n接合を有する半導体発光素子において、活性
層からの光強度の、活性層に垂直な方向xの成分をP
(x)、その最大値Pmax を与えるxをx=0、P
(x)>Pmax/e2 となるxの範囲を−Ln <x<L
p としたとき、少なくともx>−Ln の部分のn型ドー
ピング層のドーピング濃度をその他の部分のn型ドーピ
ング層のドーピング濃度より低くし、あるいは、少なく
ともx<Lp の部分のp型ドーピング層のドーピング濃
度をその他の部分のp型ドーピング層のドーピング濃度
より低くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体発光素子
に関し、例えば、II−VI族化合物半導体を用いた半
導体発光素子に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】近年、高密度の光ディスクまたは光磁気
ディスクに対する記録/再生に応用される青色ないし緑
色で発光可能な半導体レーザや、大画面ディスプレーや
信号灯などに応用される青色ないし緑色で発光可能な発
光ダイオードなどの研究開発が活発に行われている。
【0003】このような青色ないし緑色で発光可能な半
導体発光素子の製造に用いる材料としては、亜鉛(Z
n)、カドミウム(Cd)、マグネシウム(Mg)、水
銀(Hg)、ベリリウム(Be)などのII族元素とイ
オウ(S)、セレン(Se)、テルル(Te)、酸素
(O)などのVI族元素とからなるII−VI族化合物
半導体が最も有望である。そして、このII−VI族化
合物半導体を用いた半導体発光素子は、現在、素子特性
の向上と長寿命化とが進められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このII−VI族化合
物半導体を用いた半導体発光素子の寿命を決める要因と
しては、活性層内に存在する積層欠陥から生じる、転位
の増殖が従来から指摘されてきた。そこで、この積層欠
陥を低減させるために、II−VI族化合物半導体層の
成長の前にGaAs基板上にGaAsバッファ層を成長
させたり、II−VI族化合物半導体層の成長初期のシ
ーケンスを最適化するなどの対策が講じられた結果、こ
のII−VI族化合物半導体を用いた半導体発光素子の
寿命は、室温で100時間を超えるに至った。その後、
積層欠陥の低減に伴って、活性層内の点欠陥が次なる素
子の劣化要因として挙げられている。この点欠陥の増殖
を抑えるためには、点欠陥の数自体を少なくする成長条
件を確立することが重要であることはいうまでもない
が、さらに点欠陥同士の結合を防ぐために、点欠陥の電
子状態を安定化させてその移動度を下げる必要がある。
【0005】さらに、ZnCdSe活性層を有する半導
体発光素子においては、通電によってCdの拡散が原因
で起きると見られる発光波長の短波長側へのシフトや、
アニールによるp型キャリア濃度の低下などが確認され
ており、結晶の構成原子や不純物の拡散により、素子特
性が変化している可能性がある。しかしながら、これら
の拡散現象を人為的に制御することは容易でない。
【0006】その一方で、ZnCdSe量子井戸層に窒
素によるp型ドーピングを行うと、熱アニールを行った
ときにCdの拡散が顕著に見られるという報告がなされ
ている。この説明として、結晶中に存在するII族原子
の空孔(以下「II族空孔」という)の電子状態が不安
定になり、その移動度が増すことが原因であるとされて
いる。すなわち、II族空孔は本来アクセプタとして自
由電子を取り入れて安定化するため、p型伝導にすると
結晶中の自由電子が少なくなり、II族空孔の電子状態
が不安定になって移動しやすくなる。II族原子のCd
はこの空孔の移動を介して拡散を行うため、II族空孔
の移動度の上昇に伴ってCdも拡散しやすくなる。この
ように、活性層の構成原子の拡散現象はドーピング手法
と密接な関係があることが考えられ、これを最適化して
活性層の劣化を最小限にすることが望ましい。
【0007】また、分離閉じ込めヘテロ構造(Separate
Confinement Heterostructure, SCH)を有する半導
体発光素子は、活性層内部の光が屈折率の低いクラッド
層にしみだしにくい構造になっており、光閉じ込めが有
効に行われることが特徴である。しかしながら、完全に
光を閉じ込めることは不可能であるため、クラッド層内
部にしみだした光によって、もともと不安定な状態にあ
る原子や欠陥のエネルギー状態が励起され、活性層方向
に拡散する可能性がある。特に、II−VI族化合物半
導体の不純物である塩素(Cl)や窒素(N)はZnや
Seなどの構成原子に比べて格子定数が小さいため、原
子間の結合が弱いことが考えられ、不安定なエネルギー
状態になりやすい。実際、II−VI族化合物半導体を
用いた半導体レーザにおいては、通電中にp型クラッド
層のキャリア濃度が低下することが確認されており、こ
れがしきい値電流の増加を招く原因となっている。これ
は、p型クラッド層中のN原子が光によって励起されて
VI族原子の格子位置からはずれて不活性化したか、も
しくは、n型クラッド層中のCl原子が同様に励起され
て拡散しp型クラッド層内に到達してアクセプタを補償
してしまうことによると考えられる。
【0008】本発明者が行った実験によれば、半導体発
光素子への通電を行うと、上述のn型クラッド層中のC
l原子の拡散によってp−n接合の位置の移動が生じ
る。すなわち、図14に示すような半導体発光素子を作
製し、この半導体発光素子への通電前後のp−n接合の
位置を電子線励起電流(Electron Beam Induced Curren
t,EBIC)法により測定したところ、通電前は図15
に示すようにp−n接合位置は全領域で活性層位置にあ
ったのが、通電後では図16に示すようにストライプ領
域だけp−n接合位置がp側へ移動していることが明ら
かとなった。図15および図16において、EBIC信
号を斜線で施した領域で示した。このようなp−n接合
位置の移動で活性層へのキャリアの注入効率が低下し、
しきい値電流が高くなり、素子寿命が短くなると考えら
れる。
【0009】以上のような理由により、これまでは、特
性が良好で、信頼性が高く、かつ長寿命の半導体発光素
子を実現することは困難であった。
【0010】したがって、この発明の目的は、活性層近
傍の点欠陥ないし構成原子の電子状態をドーピングによ
って人為的に抑制し、その電子状態を安定化することで
点欠陥や構成原子の拡散を防止し、これによって活性層
の劣化を防止することができることにより、例えば点欠
陥の凝集や増殖によって生じる暗点により発光効率が低
下し、しきい値電流の上昇を招くという問題を防ぐこと
ができ、それによって、特性が良好で、信頼性が高く、
かつ長寿命の半導体発光素子を提供することにある。
【0011】この発明の他の目的は、活性層に近い領域
ではドーピング量を十分に少なくすることで、光場によ
って原子間結合の弱い不純物原子の電子状態が励起さ
れ、拡散することを防止することができる、特性が良好
で、信頼性が高く、かつ長寿命の半導体発光素子を提供
することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、従来技術が
有する上述の課題を解決すべく、鋭意検討を行った結
果、従来の半導体発光素子において、すでに述べたよう
なメカニズムで活性層の劣化などが生じる主たる要因
は、活性層がp型ドーピング層とn型ドーピング層との
間の空乏層内に位置しているため、それ自身が空乏化し
ていることにあることを見い出し、したがって、上述の
課題を解決するためには、活性層を空乏層から離れた位
置のn型ドーピング層またはp型ドーピング層中に設け
るのが有効であるという結論に至った。このために必要
な条件について以下に説明する。
【0013】図1は、p型ドーピング層とアンドープ層
とn型ドーピング層とからなるp−i−n接合のエネル
ギーバンド図を模式的に示す。ここで、p型ドーピング
層のドーピング濃度をNa 、n型ドーピング層のドーピ
ング濃度をNd 、アンドープ層の厚さをl、p型ドーピ
ング層、アンドープ層、n型ドーピング層および活性層
の比誘電率をε、真空の誘電率をε0 、電子の電荷をe
とする。今、図1に示すように、n型ドーピング層から
p型ドーピング層に向かう方向に座標軸xをとり、アン
ドープ層とn型ドーピング層との境界をx=0とする。
n型ドーピング層およびp型ドーピング層に生じる空乏
層の厚さをそれぞれLn0、Lp0とする。また、n型ドー
ピング層とp型ドーピング層との間には、ドーピングレ
ベルに起因するビルトインポテンシャルVBiが生じてい
る。平衡状態における電界強度分布は図2に示すように
なり、領域、、におけるポテンシャルは次のよう
に求められる。
【0014】すなわち、ポアッソン方程式より、電界を
Eで表すと、 領域 dE/dx=eNd /ε0 ε (1) 領域 dE/dx=0 (2) 領域 dE/dx=−eNa /ε0 ε (3) が成り立つ。
【0015】(1)、(2)および(3)式を積分し
て、E(−Ln0)=0およびEの連続性を用いると、 領域 E=(eNd /ε0 ε)(x+Ln0) (4) 領域 E=eNd n0/ε0 ε (5) 領域 E=(e/ε0 ε){Nd n0−Na (x−l)} (6) となる。
【0016】ポテンシャルをφで表すと、dφ/dx=
−Eであるから、(4)、(5)および(6)式を積分
して、φ(−Ln0)=0およびφの連続性を用いると、 領域 φ(x)=(−eNd /2ε0 ε)(x+Ln02 (7) 領域 φ(x)=(−eNd /ε0 ε)(Ln0x+Ln0 2 /2)(8) 領域 φ(x)=(−e/ε0 ε){Nd n0x −Na (x−l)2 /2+Nd n0 2 /2}(9) となる。
【0017】φ(l+Lp0)=−VBiだから、(9)式
より Nd n0(l+Lp0)−Na p0 2 /2 +Nd n0 2 /2=VBi(ε0 ε/e)(10) が成り立つ。ここで、Nd n0=Na p0を用いると、 Nd n0(l+Nd n0/Na )−Na (Nd n0/Na 2 /2 +Nd n0 2 /2=VBi(ε0 ε/e)(11) となる。(11)式をまとめると、 (eNd /2ε0 ε){(Nd /Na +1)Ln0 2 +2lLn0} −VBi=0 (12) となる。
【0018】ここで、(12)式のLn0をxで置き換える
と、 (eNd /2ε0 ε){(Nd /Na +1)x2 +2lx} −VBi=0 (13) となる。したがって、 (13) 式をxについて解き、得ら
れる解のうち正の値L0に対して、L≧L0となる距離
Lだけ、アンドープ層とn型ドーピング層との境界から
離れた位置のn型ドーピング層中に活性層を設けること
により、活性層を空乏層から離すことができる。
【0019】以上はn型ドーピング層中に活性層を設け
る場合についてであるが、p型ドーピング層中に活性層
を設ける場合も全く同様である。すなわち、この場合に
は、(12)、 (13) 式に対応する式はそれぞれ(14)、
(15) 式のようになる。
【0020】 (eNa /2ε0 ε){(Na /Nd +1)Lp0 2 +2lLp0} −VBi=0 (14) (eNa /2ε0 ε){(Na /Nd +1)x2 +2lx} −VBi=0 (1
5) したがって、 (15) 式をxについて解き、得られ
る解のうち正の値L0に対して、L≧L0となる距離L
だけ、アンドープ層とp型ドーピング層との境界から離
れた位置のp型ドーピング層中に活性層を設けることに
より、活性層を空乏層から離すことができる。
【0021】特に、Na =Nd のときは、 (13) 、 (1
5) 式より、 x={−l+(l2 +4ε0 εVBi/eNd 1/2 }/
2 となる。例えば、VBi=2.6eV、Na =1×1017
cm-3、Nd =1×1017cm-3、l=100nm、ε
=9.3とすると、x=76nmとなる。
【0022】半導体発光素子がp−n接合を有する場合
は、l=0と考えればよい。また、半導体発光素子が図
3に示すようなSCH構造を有する場合にも、上述と同
様である。
【0023】次に、活性層から放出される光の影響によ
る活性層の劣化あるいはp−n接合位置の移動を防止す
るためには、光による励起で拡散する可能性のある不純
物を光場からなるべく離すことが肝要になる。このため
に必要な条件について以下に説明する。
【0024】図4に、SCH構造を有する半導体発光素
子の活性層近傍のエネルギーバンド図および光場の分布
を示す。n型クラッド層からp型クラッド層に向かう方
向に座標軸xをとる。今、活性層から放出される光の強
度のx方向の成分をP(x)とし、P(x)の最大値P
max を与えるxをx=0とする。P(x)は、活性層近
傍のバンド構造および各層の物性定数から計算すること
ができる。ここで、活性層から放出される光のn型クラ
ッド層への進入長Ln およびp型クラッド層への進入長
p を、P(x)が最大値Pmax の1/e2 (ただし、
eは自然対数の底)になる距離で定義する。このとき、
P(x)>Pmax /e2 となるxの範囲は−Ln <x<
p となる。バンド構造が活性層に関して対称であると
仮定し、典型的なAlGaInP系III−V族化合物
半導体を用いた半導体発光素子において計算を行うと、
光導波層の厚さに対するLn およびLp の関係を図5に
示すように求めることができる。図5より、例えば光導
波層の厚さの合計を200nmとした場合、Ln =Lp
=300nmとなり、クラッド層内部に300nm近く
光がしみだしていることがわかる。
【0025】以上のことより、活性層から放出される光
の影響を極力避け、活性層の劣化などを防止するために
は、n型クラッド層のうちの少なくともx>−Ln の部
分におけるドーピング濃度Ndsをその他の部分における
ドーピング濃度Nd よりも低くするとともに、p型クラ
ッド層のうちの少なくともx<Lp の部分におけるドー
ピング濃度Nasをその他の部分におけるドーピング濃度
a よりも低くするのが有効である。あるいは、これら
のいずれか一方のみを実施するだけでも有効な効果を得
ることができる。
【0026】この発明は、本発明者による以上の検討に
基づいて案出されたものである。
【0027】すなわち、上記目的を達成するために、こ
の発明の第1の発明は、p型ドーピング層とn型ドーピ
ング層とからなるp−n接合またはp型ドーピング層と
アンドープ層とn型ドーピング層とからなるp−i−n
接合を有する半導体発光素子において、p型ドーピング
層とn型ドーピング層との間の空乏層から離れた位置に
おけるn型ドーピング層またはp型ドーピング層中に活
性層が設けられていることを特徴とするものである。
【0028】この発明の第2の発明は、p型ドーピング
層とn型ドーピング層とからなるp−n接合またはp型
ドーピング層とアンドープ層とn型ドーピング層とから
なるp−i−n接合を有する半導体発光素子において、
p型ドーピング層のドーピング濃度をNa 、n型ドーピ
ング層のドーピング濃度をNd 、アンドープ層の厚さを
l(ただし、p−n接合の場合はl=0と考える)、p
型ドーピング層とn型ドーピング層との間に発生するビ
ルトインポテンシャルをVBi、p型ドーピング層、n型
ドーピング層およびアンドープの比誘電率をε、真空の
誘電率をε0 、電子の電荷をeとしたとき、p型ドーピ
ング層またはアンドープ層とn型ドーピング層との境界
から距離Lだけ離れてn型ドーピング層中に活性層が設
けられ、距離Lは方程式 (eNd /2ε0 ε){(Nd /Na +1)x2 +2l
x}−VBi=0 をxについて解くことにより得られる正の値L0に対し
てL≧L0であることを特徴とするものである。
【0029】この発明の第3の発明は、p型ドーピング
層とn型ドーピング層とからなるp−n接合またはp型
ドーピング層とアンドープ層とn型ドーピング層とから
なるp−i−n接合を有する半導体発光素子において、
p型ドーピング層のドーピング濃度をNa 、n型ドーピ
ング層のドーピング濃度をNd 、アンドープ層の厚さを
l(ただし、p−n接合の場合はl=0と考える)、p
型ドーピング層とn型ドーピング層との間に発生するビ
ルトインポテンシャルをVBi、p型ドーピング層、n型
ドーピング層およびアンドープの比誘電率をε、真空の
誘電率をε0 、電子の電荷をeとしたとき、p型ドーピ
ング層またはアンドープ層とn型ドーピング層との境界
から距離Lだけ離れてp型ドーピング層中に活性層が設
けられ、距離Lは方程式 (eNa /2ε0 ε){(Na /Nd +1)x2 +2l
x}−VBi=0 をxについて得られる正の値L0に対してL≧L0であ
ることを特徴とするものである。
【0030】この発明の第2および第3の発明において
は、キャリアの注入効率を悪化させることなく、活性層
を空乏層から遠ざける観点から、好適にはL≦150n
mであり、より好適にはL≦100nm以下であり、さ
らに好適にはL≦50nmである。
【0031】この発明の第2および第3の発明において
は、活性層内にドーピングを多量に行った場合、点欠陥
も導入されやすくなり、非発光再結合の原因になる可能
性があるため、発光効率を下げることなく活性層のエネ
ルギー準位を安定化させる観点から、好適には3×10
16cm-3以上3×1017cm-3以下、より好適には3×
1016cm-3以上1×1017cm-3である。
【0032】この発明の第4の発明は、p型ドーピング
層とn型ドーピング層とからなるp−n接合を有する半
導体発光素子において、活性層から放出される光の強度
の、n型ドーピング層からp型ドーピング層に向かう方
向にとった座標軸xの方向の成分をP(x)とし、P
(x)の最大値Pmax を与えるxをx=0、P(x)>
max /e2 (ただし、eは自然対数の底)となるxの
範囲を−Ln <x<Lp としたとき、少なくともx>−
n の部分におけるn型ドーピング層のドーピング濃度
dsがその他の部分におけるn型ドーピング層のドーピ
ング濃度Nd より低いことを特徴とするものである。
【0033】この発明の第5の発明は、p型ドーピング
層とn型ドーピング層とからなるp−n接合を有する半
導体発光素子において、活性層から放出される光の強度
の、n型ドーピング層からp型ドーピング層に向かう方
向にとった座標軸xの方向の成分をP(x)とし、P
(x)の最大値Pmax を与えるxをx=0、P(x)>
max /e2 (ただし、eは自然対数の底)となるxの
範囲を−Ln <x<Lp としたとき、少なくともx<L
p の部分におけるp型ドーピング層のドーピング濃度N
asがその他の部分におけるp型ドーピング層のドーピン
グ濃度Na より低いことを特徴とするものである。
【0034】この発明の第4の発明においては、好適に
は、少なくともx<Lp の部分におけるp型ドーピング
層のドーピング濃度Nasもその他の部分におけるp型ド
ーピング層のドーピング濃度Na より低く、同様に、こ
の発明の第5の発明においては、少なくともx>−Ln
の部分におけるn型ドーピング層のドーピング濃度Nds
もその他の部分におけるn型ドーピング層のドーピング
濃度Nd より低い。
【0035】この発明の第4および第5の発明において
は、光場によって励起される不純物の数を十分に少なく
するとともに、クラッド層の伝導性を損なわず、キャリ
アの注入効率の悪化によってしきい値電流が増大すると
いう悪影響を防止する観点から、n型ドーピング層のド
ーピング濃度Ndsまたはp型ドーピング層のドーピング
濃度Nasは、好適には3×1016cm-3以上3×1017
cm-3以下、より好適には3×1016cm-3以上1×1
17cm-3以下である。
【0036】この発明の第4および第5の発明において
は、キャリアの注入効率を下げないようにする観点か
ら、n型ドーピング層のうちのドーピング濃度がNds
ある層の厚さLnsまたはp型ドーピング層のうちのドー
ピング濃度がNasである層の厚さLpsは、好適には50
0nm以下である。
【0037】この発明の第6の発明は、p型ドーピング
層とn型ドーピング層とからなるp−n接合を有する半
導体発光素子において、p−n接合の位置が通電によっ
て移動しないように構成されていることを特徴とするも
のである。
【0038】ここで、半導体発光素子の端面から100
μm以内の領域において、p−n接合が通電によって移
動する距離が300nm以下であれば、実質的にp−n
接合の位置が移動しないといえる。
【0039】この発明において、p型ドーピング層、n
型ドーピング層、アンドープ層および活性層は、典型的
には、Zn、Cd、Mg、HgおよびBeからなる群よ
り選ばれた少なくとも一種類以上のII族元素と、S、
Se、TeおよびOからなる群より選ばれた少なくとも
一種類以上のVI族元素とからなるII−VI族化合物
半導体により構成されている。また、この場合、n型ド
ーピング層にドーピングされているn型不純物は典型的
にClであり、p型ドーピング層にドーピングされたp
型不純物はNである。
【0040】上述のように構成されたこの発明の第1の
発明によれば、p−n接合またはp−i−n接合を有す
る半導体発光素子において、p型ドーピング層とn型ド
ーピング層との間に生じる空乏層から活性層を遠ざける
ことができることにより、活性層が空乏化することがな
くなり、常に活性層近傍のフェルミ準位(Ef )を伝導
帯直下または価電子帯直下に保持することができる。こ
れによって、例えばII−VI族化合物半導体を用いた
半導体発光素子の場合、活性層近傍に多数存在するII
族空孔などのアクセプタとして働く点欠陥やドナーとし
て働く点欠陥の電子状態を安定化することができ、その
拡散および増殖などの劣化過程を抑えることができる。
特に、ZnCdSeからなる活性層においては、II族
空孔を介したCdの拡散を抑制することができるため、
通電中に発振波長の短波長化によってしきい値電流が上
昇することを抑制することができる。また、Cdの拡散
に伴って活性層内に点欠陥が流入し、増殖することを防
止することもできる。
【0041】上述のように構成されたこの発明の第2の
発明によれば、p−n接合またはp−i−n接合を有す
る半導体発光素子において、p型ドーピング層とn型ド
ーピング層との間に生じる空乏層からn型ドーピング層
側に活性層を遠ざけることができることにより、活性層
が空乏化することがなくなり、常に活性層近傍のフェル
ミ準位(Ef )を伝導帯直下に保持することができる。
これによって、例えばII−VI族化合物半導体を用い
た半導体発光素子の場合、活性層近傍に多数存在するI
I族空孔などのアクセプタとして働く点欠陥の電子状態
を安定化することができ、その拡散および増殖などの劣
化過程を抑えることができる。特に、ZnCdSeから
なる活性層においては、II族空孔を介したCdの拡散
を抑制することができるため、通電中に発振波長の短波
長化によってしきい値電流が上昇することを抑制するこ
とができる。また、Cdの拡散に伴って活性層内に点欠
陥が流入し、増殖することを防止することもできる。
【0042】上述のように構成されたこの発明の第3の
発明によれば、第2の発明とは逆に、p型ドーピング層
とn型ドーピング層との間に生じる空乏層からp型ドー
ピング層側に活性層を遠ざけることができることによ
り、活性層が空乏化することがなくなり、常に活性層近
傍のフェルミ準位を価電子帯直下に保持することができ
る。これにより、ドナーとして働く点欠陥の電子状態を
安定化することができ、その拡散および増殖を抑制する
ことができる。
【0043】上述のように構成されたこの発明の第4の
発明によれば、p−n接合を有する半導体発光素子にお
いて、活性層から放出される光の強度がP(x)>P
max /e2 である領域におけるn型ドーピング層のドー
ピング濃度Ndsがその他の部分より低いため、光場によ
って励起され、活性層方向に拡散するn型不純物の数を
少なくすることができる。これによって、点欠陥の増殖
を誘発したり、p型ドーピング層においてp型キャリア
を補償するなどの劣化原因を防止することができる。
【0044】上述のように構成されたこの発明の第5の
発明によれば、p−n接合を有する半導体発光素子にお
いて、活性層から放出される光の強度がP(x)>P
max /e2 である領域におけるp型ドーピング層のドー
ピング濃度Nasがその他の部分より低いため、第4の発
明と同様に、光場によって励起され、活性層方向に拡散
するp型不純物の数を少なくすることができる。これに
よって、同様に点欠陥の増殖を誘発したり、n型ドーピ
ング層においてn型キャリアを補償するなどの劣化原因
を防止することができる。
【0045】上述のように構成されたこの発明の第6の
発明によれば、p−n接合を有する半導体発光素子にお
いて、通電によるp−n接合の位置の移動が防止される
ことにより、活性層へのキャリアの注入効率が低下した
り、しきい値電流が増大して素子寿命が短くなるのを防
止することができる。
【0046】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態につい
て図面を参照しながら説明する。なお、実施形態の全図
において、同一または対応する部分には同一の符号を付
す。
【0047】図6はこの発明の第1の実施形態による半
導体レーザを示す。この半導体レーザはSCH構造を有
するものである。
【0048】図6に示すように、この第1の実施形態に
よる半導体レーザにおいては、n型不純物として例えば
シリコン(Si)がドープされた例えば(001)面方
位のn型GaAs基板1上に、n型GaAsバッファ層
2、n型ZnSeバッファ層3、n型ZnSSeバッフ
ァ層4、n型ZnMgSSeクラッド層5、n型ZnS
Se光導波層6a、例えばn型のZnCdSe層を量子
井戸層とする単一量子井戸(SQW)構造または多重量
子井戸(MQW)構造の活性層7、n型ZnSSe光導
波層6b、アンドープZnSSe光導波層8、p型Zn
MgSSeクラッド層9、p型ZnSSeキャップ層1
0、p型ZnSeコンタクト層11、p型ZnSe/Z
nTeMQW層12およびp型ZnTeコンタクト層1
3が順次積層されている。
【0049】ここで、n型GaAsバッファ層2は厚さ
が例えば0.5μmであり、n型不純物として例えばS
iがドープされている。n型ZnSeバッファ層3は厚
さが例えば30nmであり、n型不純物として例えばC
lが例えば1×1018cm-3ドープされている。n型Z
nSSeバッファ層4は厚さが例えば50nmであり、
n型不純物として例えばClが例えば1×1018cm-3
ドープされている。n型ZnMgSSeクラッド層5は
厚さが例えば0.8μmであり、n型不純物として例え
ばClが例えば3×1017cm-3ドープされている。n
型ZnSSe光導波層6aは厚さが例えば100nmで
あり、n型不純物として例えばClが例えば1×1017
cm-3ドープされている。活性層7にはn型不純物とし
て例えばClが例えば1×1017cm-3ドープされてい
る。n型ZnSSe光導波層6bは厚さが例えば33n
mであり、n型不純物として例えばClが例えば1×1
17cm-3ドープされている。アンドープZnSSe光
導波層8の厚さは例えば67nmである。p型ZnMg
SSeクラッド層9は厚さが例えば1μmであり、p型
不純物として例えばNが例えば1×1017cm-3ドープ
されている。p型ZnSSeキャップ層10は厚さが例
えば400nmであり、p型不純物として例えばNが例
えば5×1017cm-3ドープされている。p型ZnSe
コンタクト層11は厚さが例えば200nmであり、p
型不純物として例えばNが例えば5×1017cm-3ドー
プされている。p型ZnSe/ZnTeMQW層12を
構成するp型ZnSe層およびp型ZnTe層にはそれ
ぞれp型不純物として例えばNがドープされている。p
型ZnTeコンタクト層13は厚さが例えば100nm
であり、p型不純物として例えばNが例えば3×1019
cm-3ドープされている。
【0050】p型ZnSSeキャップ層10の上層部、
p型ZnSeコンタクト層11、p型ZnSe/ZnT
eMQW層12およびp型ZnTeコンタクト層13
は、一方向(例えば、〈1−10〉方向)に延在するス
トライプ形状を有する。
【0051】このストライプ部以外の部分におけるp型
ZnSSeキャップ層10上には、例えばAl2 3
からなる絶縁層14が設けられており、これによって電
流狭窄構造が形成されている。なお、この絶縁層14と
しては、例えばポリイミドを用いてもよい。
【0052】この絶縁層14およびp型ZnTeコンタ
クト層13上には、例えばPd/Pt/Au構造のp側
電極15が、p型ZnTeコンタクト層13にオーミッ
クコンタクトして設けられている。一方、n型GaAs
基板1の裏面には、例えばIn電極のようなn側電極1
6がオーミックコンタクトして設けられている。
【0053】この第1の実施形態による半導体レーザの
活性層7の近傍のエネルギーバンド図を図7に示す。図
7から明らかなように、この場合、活性層7は、n型Z
nSSe光導波層6aとn型ZnSSe光導波層6bと
の間にはさまれており、n型ドーピング層中に設けられ
ている。そして、活性層7は、n型ドーピング層、p型
ドーピング層およびアンドープ層の厚さおよびドーピン
グ濃度を上述のように設定していることにより、n型Z
nSSe光導波層6bとアンドープZnSSe光導波層
8との境界から距離L≧Ln0だけ離されている。
【0054】次に、上述のように構成されたこの第1の
実施形態による半導体レーザの製造方法について説明す
る。
【0055】この半導体レーザを製造するには、まず、
図示省略したIII−V族化合物半導体成長用のMBE
装置の超高真空に排気された真空容器内の基板ホルダー
にn型GaAs基板1を装着する。
【0056】次に、このn型GaAs基板1を所定の成
長温度、例えば560℃に加熱した後、このn型GaA
s基板1上にMBE法により、n型GaAsバッファ層
2を成長させる。この場合、n型不純物であるSiのド
ーピングは、Siの分子線源(クヌーセンセル)を用い
て行う。なお、このn型GaAsバッファ層2の成長
は、n型GaAs基板1を例えば580℃付近の温度に
加熱してその表面をサーマルエッチングすることにより
表面酸化膜などを除去して表面清浄化を行った後に行っ
てもよい。
【0057】次に、このようにしてn型GaAsバッフ
ァ層2が成長されたn型GaAs基板1を、図示省略し
た真空搬送路を介して、上述のIII−V族化合物半導
体成長用のMBE装置から、図8に示すII−VI族化
合物半導体成長用のMBE装置に搬送する。そして、こ
の図8に示すMBE装置において、レーザ構造を形成す
る各II−VI族化合物半導体層の成長を行う。この場
合、n型GaAsバッファ層2の表面は、その成長が行
われてから図8に示すMBE装置に搬送される間に大気
にさらされないので、清浄のまま保たれる。
【0058】図8に示すように、このMBE装置におい
ては、図示省略した超高真空排気装置により超高真空に
排気された真空容器21内に基板ホルダー22が設けら
れ、この基板ホルダー22に成長を行うべき基板が載置
される。この真空容器21内には、基板ホルダー22に
対向して複数の分子線源(クヌーセンセル)23が取り
付けられている。この場合、分子線源23としては、Z
n、Se、Mg、ZnS、Cd、Te、ZnCl2 など
の分子線源が用意されている。これらの分子線源23の
それぞれの前方にはシャッター24が開閉可能に設けら
れている。真空容器21内にはさらに、電子サイクロト
ロン共鳴(ECR)または高周波(RF)によるプラズ
マセル25が基板ホルダー22に対向して取り付けられ
ている。真空容器21内にはまた、反射型高速電子回折
(RHEED)電子銃26および蛍光スクリーン27が
取り付けられており、基板表面のRHEED像を観察す
ることができるようになっている。真空容器21内には
さらに、四重極質量分析計28も取り付けられている。
【0059】さて、n型GaAsバッファ層2上にレー
ザ構造を形成する各II−VI族化合物半導体層を成長
させるためには、図8に示すMBE装置の真空容器21
内の基板ホルダー22に、このn型GaAsバッファ層
2が成長されたn型GaAs基板1を装着する。次に、
このn型GaAs基板1を所定の成長温度、例えば約3
00℃に設定してMBE法による成長を開始する。すな
わち、n型GaAsバッファ層2上に、n型ZnSeバ
ッファ層3、n型ZnSSeバッファ層4、n型ZnM
gSSeクラッド層5、n型ZnSSe光導波層6a、
活性層7、n型ZnSSe光導波層6b、アンドープZ
nSSe光導波層8、p型ZnMgSSeクラッド層
9、p型ZnSSeキャップ層10、p型ZnSeコン
タクト層11、p型ZnSe/ZnTeMQW層12お
よびp型ZnTeコンタクト層13を順次成長させる。
【0060】n型ZnSeバッファ層3、n型ZnSS
eバッファ層4、n型ZnMgSSeクラッド層5、n
型ZnSSe光導波層6a、活性層7およびn型ZnS
Se光導波層6bのn型不純物としてのClのドーピン
グは、例えばZnCl2 をドーパントとして用いて行
う。また、p型ZnMgSSeクラッド層9、p型Zn
SSeキャップ層10、p型ZnSeコンタクト層1
1、p型ZnSe/ZnTeMQW層12およびp型Z
nTeコンタクト層13のp型不純物としてのNのドー
ピングは、図8に示すMBE装置のプラズマセル25に
おいて、窒素ガス導入管25aから導入されるN2 ガス
のプラズマ化を行い、これにより発生されたN2 プラズ
マを基板表面に照射することにより行う。
【0061】次に、p型ZnTeコンタクト層13上に
リソグラフィーにより一方向に延在するストライプ形状
のレジストパターン(図示せず)を形成した後、このレ
ジストパターンをマスクとして例えばウエットエッチン
グ法によりp型ZnSSeキャップ層10の厚さ方向の
途中の深さまでエッチングする。これによって、p型Z
nSSeキャップ層10の上層部、p型ZnSeコンタ
クト層11、p型ZnSe/ZnTeMQW層12およ
びp型ZnTeコンタクト層13が〈110〉方向に延
在するストライプ形状にパターニングされる。
【0062】次に、このエッチングに用いたレジストパ
ターンをそのまま残した状態で、真空蒸着法などにより
全面にAl2 3 膜を形成する。この後、このレジスト
パターンをその上のAl2 3 膜とともに除去する(リ
フトオフ)。これによって、ストライプ形状にパターニ
ングされたp型ZnSSeキャップ層10の上層部、p
型ZnSeコンタクト層11、p型ZnSe/ZnTe
MQW層12およびp型ZnTeコンタクト層13の両
側の部分に絶縁層14が形成される。
【0063】次に、ストライプ形状のp型ZnTeコン
タクト層13およびその両側の部分の絶縁層14の全面
に例えば真空蒸着法によりPd膜、Pt膜およびAu膜
を順次形成してPd/Pt/Auからなるp側電極15
を形成する。この後、必要に応じて熱処理を行って、こ
のp側電極15をp型ZnTeコンタクト層13にオー
ミックコンタクトさせる。一方、n型GaAs基板1の
裏面に例えばIn電極のようなn側電極16を形成す
る。
【0064】次に、以上のようにしてレーザ構造が形成
されたn型GaAs基板1をバー状に劈開して両共振器
端面を形成し、さらに必要に応じて端面コーティングを
施した後、このバーを劈開してチップ化する。このよう
にして得られるレーザチップはヒートシンク上にマウン
トされ、パッケージングが行われ、目的とする半導体レ
ーザが製造される。
【0065】図9は、この第1の実施形態の場合とn型
ZnMgSSeクラッド層5にのみClドープを行った
場合とで素子寿命を測定した結果を示す。図9より、n
型ZnMgSSeクラッド層5にのみClドープを行っ
た従来の半導体レーザに比べて、従来の半導体レーザに
おけるp型ZnSSe光導波層の厚さの約1/3のとこ
ろまでClドープを行ったこの第1の実施形態による半
導体レーザは、寿命が大幅に長くなっていることがわか
る。
【0066】以上のように、この第1の実施形態によれ
ば、活性層7が空乏層からL≧Ln0だけ離れたn型ドー
ピング層中に設けられているので、具体的にはn型Zn
SSe光導波層6aとn型ZnSSe光導波層6bとの
間に設けられていることにより、活性層7が空乏化する
のを防止することができる。これによって、活性層7に
は平衡状態において電界がかかることがないため、活性
層7内部の伝導型をn型に保つことができる。点欠陥の
一つであるII族空孔はアクセプタとして働くため、活
性層7の伝導型をn型に保つことで容易に自由電子を取
り込み、電子状態を安定化することができる。これによ
って、II族空孔は移動しにくくなるため、これを介し
たCdの拡散は起こりにくくなる。したがって、活性層
7を成長させた後にp型ドーピング層を成長させる際の
基板温度が高い状態や、半導体レーザとして通電してい
る際に非発光再結合によって活性層7の温度が上昇して
いる場合には、熱エネルギーの吸収によって点欠陥の移
動が促進されるが、II族空孔の場合には活性層7の伝
導型をn型に保つことでその移動度を下げることが出
来、その結果、Cd原子の拡散を抑制することができ
る。
【0067】以上により、活性層7の劣化を防止するこ
とができ、また、キャリアの注入効率も良好とすること
ができ、特性が良好で、低しきい値電流で、信頼性が高
く、しかも長寿命の半導体レーザを実現することができ
る。
【0068】次に、この発明の第2の実施形態による半
導体レーザについて説明する。
【0069】今、第1の実施形態による半導体レーザに
おけるn型ZnSSe光導波層6bおよびアンドープZ
nSSe光導波層8の全体の厚さをlg 、n型ZnSS
e光導波層6bの厚さをL、アンドープZnSSe光導
波層8の厚さをlとすると、lg =L+lであるから、
(13) 式は、l=lg −xを代入して、 (Nd /Na −1)x2 +2lg x=(2ε0 ε/eN
d )VBi となる。Na =Nd を仮定し、この方程式をxについて
解くと、 x=(ε0 ε/eNa g )VBi となる。例えば、VBi=2.6eV、Na =1×1017
cm-3、Nd =1×1017cm-3、l=100nm、ε
=9.3とすると、x=13.4nmとなる。
【0070】そこで、この第2の実施形態においては、
L≧13.4nmに設定する。その他のことは、第1の
実施形態と同様である。
【0071】この第2の実施形態によっても、第1の実
施形態と同様な利点を得ることができる。
【0072】図10はこの発明の第3の実施形態による
半導体レーザを示す。また、図11はこの第3の実施形
態による半導体レーザの活性層近傍のエネルギーバンド
図を示す。
【0073】図10に示すように、この第3の実施形態
による半導体レーザにおいては、n型ZnMgSSeク
ラッド層5上にアンドープZnSSe光導波層6c、p
型ZnSSe光導波層6d、p型の活性層7およびp型
ZnSSe光導波層17が順次積層されている。言い換
えれば、この場合、活性層7は、p型ZnSSe光導波
層6dとp型ZnSSe光導波層17との間にはさまれ
ており、p型ドーピング層中に設けられている。そし
て、図11に示すように、活性層7は、p型ZnSSe
光導波層6dとアンドープZnSSe光導波層6cとの
境界から距離L≧Lp0だけ離されている。その他のこと
は第1の実施形態による半導体レーザと同様である。
【0074】この第3の実施形態によれば、活性層7が
空乏層からL≧Lp0だけ離れたp型ドーピング層中に設
けられているので、具体的にはp型ZnSSe光導波層
6dとp型ZnSSe光導波層17との間に設けられて
いることにより、活性層7が空乏化するのを防止するこ
とができ、常に活性層7近傍のフェルミ準位を価電子帯
直上に保持することができる。このため、活性層7の伝
導型をp型に保つことができるので、ドナーとして働く
点欠陥の電子状態を安定化することができ、その凝集お
よび増殖を抑制することができる。これは特にVI族空
孔が活性層7の点欠陥の大部分を占める場合に有効であ
る。
【0075】以上により、活性層7の劣化を防止するこ
とができ、また、キャリアの注入効率も良好とすること
ができ、特性が良好で、低しきい値電流で、信頼性が高
く、しかも長寿命の半導体レーザを実現することができ
る。
【0076】図12はこの発明の第4の実施形態による
半導体レーザを示す。図12に示すように、この第4の
実施形態による半導体レーザにおいては、n型ZnSS
eバッファ層4上にn型ZnMgSSeクラッド層5
a、n型ZnMgSSeクラッド層5b、アンドープZ
nSSe光導波層6c、アンドープの活性層7、アンド
ープZnSSe光導波層8、p型ZnMgSSeクラッ
ド層9aおよびp型ZnMgSSeクラッド層9bが順
次積層されている。ここで、n型ZnMgSSeクラッ
ド層5aのドーピング濃度は3×1017cm-3、n型Z
nMgSSeクラッド層5bのドーピング濃度はn型Z
nMgSSeクラッド層5aのドーピング濃度の約1/
3の8×1016cm-3、p型ZnMgSSeクラッド層
9aのドーピング濃度は3×1017cm-3である。ま
た、ドーピング濃度が低いn型ZnMgSSeクラッド
層5bの厚さは進入長Ln より大きく選ばれており、具
体的には300nmである。その他のことは、第1の実
施形態と同様である。
【0077】この第4の実施形態によれば、活性層7か
ら進入長Ln の範囲内にあるn型ZnMgSSeクラッ
ド層5bのドーピング濃度は活性層7から見てより外側
にあるn型ZnMgSSeクラッド層5aのドーピング
濃度よりも低く選ばれているので、このn型ZnMgS
Seクラッド層5b内部にしみだしている光によって励
起され、拡散するCl原子の数を最小限にすることがで
きる。これによって、活性層7の劣化を抑えることがで
き、また、しきい値電流の増大もなく、特性が良好で、
低しきい値電流で、信頼性が高く、しかも長寿命の半導
体レーザを実現することができる。
【0078】次に、上述の第1、第2、第3または第4
の実施形態による青色ないし緑色で発光可能な半導体レ
ーザを発光素子として用いた光ディスク再生装置につい
て説明する。図13にこの光ディスク再生装置の構成を
示す。
【0079】図13に示すように、この光ディスク再生
装置は、発光素子として半導体レーザ101を備えてい
る。この半導体レーザ101としては、上述の第1また
は第2の実施形態による半導体レーザが用いられる。こ
の光ディスク再生装置はまた、半導体レーザ101の出
射光を光ディスクDに導くとともに、この光ディスクD
による反射光(信号光)を再生するための公知の光学
系、すなわち、コリメートレンズ102、ビームスプリ
ッタ103、1/4波長板104、対物レンズ105、
検出レンズ106、信号光検出用受光素子107および
信号光再生回路108を備えている。
【0080】この光ディスク再生装置においては、半導
体レーザ101の出射光Lはコリメートレンズ102に
よって平行光にされ、さらにビームスプリッタ103を
経て1/4波長板104により偏光の具合が調整された
後、対物レンズ105により集光されて光ディスクDに
入射される。そして、この光ディスクDで反射された信
号光L´が対物レンズ105および1/4波長板104
を経てビームスプリッタ103で反射された後、検出レ
ンズ106を経て信号光検出用受光素子107に入射
し、ここで電気信号に変換された後、信号光再生回路1
08において、光ディスクDに書き込まれた情報が再生
される。
【0081】この光ディスク再生装置によれば、半導体
レーザ101として、寿命が長い第1、第2、第3また
は第4の実施形態による半導体レーザを用いているの
で、光ディスク再生装置の寿命を長くすることができ
る。
【0082】なお、ここでは、第1、第2、第3または
第4の実施形態による半導体レーザを光ディスク再生装
置の発光素子に適用した場合について説明したが、光デ
ィスク記録再生装置や光通信装置などの各種の光装置の
発光素子に適用することが可能であることは勿論、高温
で動作させる必要のある車載用機器、さらには映像ディ
スプレイなどの発光素子に適用することも可能である。
【0083】以上、この発明の実施形態について具体的
に説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定され
るものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の
変形が可能である。
【0084】例えば、上述の第1、第2、第3または第
4の実施形態においては、SCH構造を有する半導体レ
ーザにこの発明を適用した場合について説明したが、こ
の発明は、DH構造(Double Heterostructure)を有す
る半導体レーザに適用することも可能である。また、上
述の第1および第2の実施形態においては、この発明を
半導体レーザに適用した場合について説明したが、この
発明は、発光ダイオードに適用することも可能である。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、特性が良好で、信頼性が高く、かつ長寿命の半導体
発光素子を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の原理を説明するためのエネルギーバ
ンド図である。
【図2】この発明の原理を説明するための略線図であ
る。
【図3】この発明の原理を説明するためのエネルギーバ
ンド図である。
【図4】この発明の原理を説明するためのエネルギーバ
ンド図である。
【図5】光導波層の合計厚さと進入長との関係を示す略
線図である。
【図6】この発明の第1の実施形態による半導体レーザ
を示す断面図である。
【図7】この発明の第1の実施形態による半導体レーザ
のエネルギーバンド図である。
【図8】この発明の第1の実施形態においてII−VI
族化合物半導体層の成長に用いられるMBE装置を示す
略線図である。
【図9】この発明の第1の実施形態による半導体レーザ
における寿命の測定結果を示す略線図である。
【図10】この発明の第3の実施形態による半導体レー
ザを示す断面図である。
【図11】この発明の第3の実施形態による半導体レー
ザのエネルギーバンド図である。
【図12】この発明の第4の実施形態による半導体レー
ザを示す断面図である。
【図13】この発明の第1、第2、第3または第4の実
施形態による半導体レーザを発光素子として用いた光デ
ィスク再生装置を示す略線図である。
【図14】従来の半導体レーザの問題点を説明するため
の断面図である。
【図15】従来の半導体レーザの問題点を説明するため
の断面図である。
【図16】従来の半導体レーザの問題点を説明するため
の断面図である。
【符号の説明】
1・・・n型GaAs基板、5・・・n型ZnMgSS
eクラッド層、6a、6b・・・n型ZnSSe光導波
層、6c、8、18・・・アンドープZnSSe光導波
層、7・・・活性層、9、9a、9b・・・p型ZnM
gSSeクラッド層、11・・・p型ZnSeコンタク
ト層、12・・・p型ZnSe/ZnTeMQW層、1
3・・・p型ZnTeコンタクト層、15・・・p側電
極、16・・・n側電極、17・・・p型ZnSSe光
導波層

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 p型ドーピング層とn型ドーピング層と
    からなるp−n接合またはp型ドーピング層とアンドー
    プ層とn型ドーピング層とからなるp−i−n接合を有
    する半導体発光素子において、 上記p型ドーピング層と上記n型ドーピング層との間の
    空乏層から離れた位置における上記n型ドーピング層ま
    たは上記p型ドーピング層中に活性層が設けられている
    ことを特徴とする半導体発光素子。
  2. 【請求項2】 p型ドーピング層とn型ドーピング層と
    からなるp−n接合またはp型ドーピング層とアンドー
    プ層とn型ドーピング層とからなるp−i−n接合を有
    する半導体発光素子において、 上記p型ドーピング層のドーピング濃度をNa 、上記n
    型ドーピング層のドーピング濃度をNd 、上記アンドー
    プ層の厚さをl(ただし、上記p−n接合の場合はl=
    0と考える)、上記p型ドーピング層と上記n型ドーピ
    ング層との間に発生するビルトインポテンシャルを
    Bi、上記p型ドーピング層、上記n型ドーピング層お
    よび上記アンドープの比誘電率をε、真空の誘電率をε
    0 、電子の電荷をeとしたとき、 上記p型ドーピング層または上記アンドープ層と上記n
    型ドーピング層との境界から距離Lだけ離れて上記n型
    ドーピング層中に活性層が設けられ、上記距離Lは方程
    式 (eNd /2ε0 ε){(Nd /Na +1)x2 +2l
    x}−VBi=0 をxについて解くことにより得られる正の値L0に対し
    てL≧L0であることを特徴とする半導体発光素子。
  3. 【請求項3】 L≦150nmであることを特徴とする
    請求項2記載の半導体発光素子。
  4. 【請求項4】 上記n型ドーピング層のドーピング濃度
    が3×1016cm-3以上3×1017cm-3以下であるこ
    とを特徴とする請求項2記載の半導体発光素子。
  5. 【請求項5】 上記p型ドーピング層、上記n型ドーピ
    ング層、上記アンドープ層および上記活性層が、Zn、
    Cd、Mg、HgおよびBeからなる群より選ばれた少
    なくとも一種類以上のII族元素と、S、Se、Teお
    よびOからなる群より選ばれた少なくとも一種類以上の
    VI族元素とからなるII−VI族化合物半導体により
    構成されていることを特徴とする請求項2記載の半導体
    発光素子。
  6. 【請求項6】 上記n型ドーピング層にドーピングされ
    たn型不純物がClであることを特徴とする請求項2記
    載の半導体発光素子。
  7. 【請求項7】 p型ドーピング層とn型ドーピング層と
    からなるp−n接合またはp型ドーピング層とアンドー
    プ層とn型ドーピング層とからなるp−i−n接合を有
    する半導体発光素子において、 上記p型ドーピング層のドーピング濃度をNa 、上記n
    型ドーピング層のドーピング濃度をNd 、上記アンドー
    プ層の厚さをl(ただし、上記p−n接合の場合はl=
    0と考える)、上記p型ドーピング層と上記n型ドーピ
    ング層との間に発生するビルトインポテンシャルを
    Bi、上記p型ドーピング層、上記n型ドーピング層お
    よび上記アンドープの比誘電率をε、真空の誘電率をε
    0 、電子の電荷をeとしたとき、 上記p型ドーピング層または上記アンドープ層と上記n
    型ドーピング層との境界から距離Lだけ離れて上記p型
    ドーピング層中に活性層が設けられ、上記距離Lは方程
    式 (eNa /2ε0 ε){(Na /Nd +1)x2 +2l
    x}−VBi=0 をxについて得られる正の値L0に対してL≧L0であ
    ることを特徴とする半導体発光素子。
  8. 【請求項8】 L≦150nmであることを特徴とする
    請求項7記載の半導体発光素子。
  9. 【請求項9】 上記p型ドーピング層のドーピング濃度
    が3×1016cm-3以上3×1017cm-3以下であるこ
    とを特徴とする請求項7記載の半導体発光素子。
  10. 【請求項10】 上記p型ドーピング層、上記n型ドー
    ピング層、上記アンドープ層および上記活性層が、Z
    n、Cd、Mg、HgおよびBeからなる群より選ばれ
    た少なくとも一種類以上のII族元素と、S、Se、T
    eおよびOからなる群より選ばれた少なくとも一種類以
    上のVI族元素とからなるII−VI族化合物半導体に
    より構成されていることを特徴とする請求項7記載の半
    導体発光素子。
  11. 【請求項11】 上記p型ドーピング層にドーピングさ
    れたp型不純物がNであることを特徴とする請求項6記
    載の半導体発光素子。
  12. 【請求項12】 p型ドーピング層とn型ドーピング層
    とからなるp−n接合を有する半導体発光素子におい
    て、 活性層から放出される光の強度の、上記n型ドーピング
    層から上記p型ドーピング層に向かう方向にとった座標
    軸xの方向の成分をP(x)とし、P(x)の最大値P
    max を与えるxをx=0、P(x)>Pmax /e2 (た
    だし、eは自然対数の底)となるxの範囲を−Ln <x
    <Lp としたとき、 少なくともx>−Ln の部分における上記n型ドーピン
    グ層のドーピング濃度Ndsがその他の部分における上記
    n型ドーピング層のドーピング濃度Nd より低いことを
    特徴とする半導体発光素子。
  13. 【請求項13】 少なくともx<Lp の部分における上
    記p型ドーピング層のドーピング濃度Nasがその他の部
    分における上記p型ドーピング層のドーピング濃度Na
    より低いことを特徴とする請求項12記載の半導体発光
    素子。
  14. 【請求項14】 上記n型ドーピング層のドーピング濃
    度Ndsが3×1016cm-3以上3×1017cm-3以下で
    あることを特徴とする請求項12記載の半導体発光素
    子。
  15. 【請求項15】 上記n型ドーピング層のうちのドーピ
    ング濃度がNdsである層の厚さをLnsとしたとき、Lns
    が500nm以下であることを特徴とする請求項12記
    載の半導体発光素子。
  16. 【請求項16】 上記n型ドーピング層のうちのドーピ
    ング濃度がNdsである層の厚さをLns、上記p型ドーピ
    ング層のうちのドーピング濃度がNasである層の厚さを
    psとしたとき、LpsおよびLnsのうちの少なくとも一
    方が500nm以下であることを特徴とする請求項13
    記載の半導体発光素子。
  17. 【請求項17】 上記p型ドーピング層、上記n型ドー
    ピング層および上記活性層が、Zn、Cd、Mg、Hg
    およびBeからなる群より選ばれた少なくとも一種類以
    上のII族元素と、S、Se、TeおよびOからなる群
    より選ばれた少なくとも一種類以上のVI族元素とから
    なるII−VI族化合物半導体により構成されているこ
    とを特徴とする請求項12記載の半導体発光素子。
  18. 【請求項18】 上記n型ドーピング層にドーピングさ
    れたn型不純物がClであることを特徴とする請求項1
    2記載の半導体発光素子。
  19. 【請求項19】 p型ドーピング層とn型ドーピング層
    とからなるp−n接合を有する半導体発光素子におい
    て、 活性層から放出される光の強度の、上記n型ドーピング
    層から上記p型ドーピング層に向かう方向にとった座標
    軸xの方向の成分をP(x)とし、P(x)の最大値P
    max を与えるxをx=0、P(x)>Pmax /e2 (た
    だし、eは自然対数の底)となるxの範囲を−Ln <x
    <Lp としたとき、 少なくともx<Lp の部分における上記p型ドーピング
    層のドーピング濃度Nasがその他の部分における上記p
    型ドーピング層のドーピング濃度Na より低いことを特
    徴とする半導体発光素子。
  20. 【請求項20】 少なくともx>−Ln の部分における
    上記n型ドーピング層のドーピング濃度Ndsがその他の
    部分における上記n型ドーピング層のドーピング濃度N
    d より低いことを特徴とする請求項19記載の半導体発
    光素子。
  21. 【請求項21】 上記p型ドーピング層のドーピング濃
    度Nasが3×1016cm-3以上3×1017cm-3以下で
    あることを特徴とする請求項19記載の半導体発光素
    子。
  22. 【請求項22】 上記n型ドーピング層のうちのドーピ
    ング濃度がNdsである層の厚さをLns、上記p型ドーピ
    ング層のうちのドーピング濃度がNasである層の厚さを
    psとしたとき、LpsおよびLnsのうちの少なくとも一
    方が500nm以下であることを特徴とする請求項20
    記載の半導体発光素子。
  23. 【請求項23】 上記p型ドーピング層、上記n型ドー
    ピング層および上記活性層が、Zn、Cd、Mg、Hg
    およびBeからなる群より選ばれた少なくとも一種類以
    上のII族元素と、S、Se、TeおよびOからなる群
    より選ばれた少なくとも一種類以上のVI族元素とから
    なるII−VI族化合物半導体により構成されているこ
    とを特徴とする請求項17記載の半導体発光素子。
  24. 【請求項24】 上記p型ドーピング層にドーピングさ
    れたp型不純物がNであることを特徴とする請求項19
    記載の半導体発光素子。
  25. 【請求項25】 p型ドーピング層とn型ドーピング層
    とからなるp−n接合を有する半導体発光素子におい
    て、 上記p−n接合の位置が通電によって移動しないように
    構成されていることを特徴とする半導体発光素子。
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