JP4995620B2 - 熱可塑性エラストマー組成物およびそれを用いてなる薬液容器用口部栓体のカバー - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物およびそれを用いてなる薬液容器用口部栓体のカバー Download PDF

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Description

本発明はスチレン系熱可塑性エラストマーを材料とする薬液容器用口部栓体のカバーの材料として使用される熱可塑性エラストマー組成物および該熱可塑性エラストマー組成物を用いてなる薬液容器用口部栓体のカバーに関するものである。
一般に、薬液容器の口部には図1に示すようなキャップ1が被着されている。該キャッ
プ1は基袴部2と、該基袴部2上に設置融着される栓体3と、該栓体3に被着されるカバ
ー4とからなり、該カバー4は該栓体3が内側密嵌される筒状本体部5と、該筒状本体5
の上面端部5Aから差出されているらせんリボン状プルトップ6とからなり、該基袴部2
を該薬液容器口部に融着固定することによって、該キャップ1は該薬液容器口部に取付け
られる。
従来、上記キャップ1の基袴部2はポリオレフィンを材料とし、上記栓体3は加硫ゴム
を材料とし、上記カバー4は熱可塑性エラストマーを材料としていた。
上記栓体3の材料を加硫ゴムとすると、薬液に加硫剤が溶出して人体に悪影響を及ぼす
おそれがあり、また針刺しによって該栓体3が削れて微粉となって薬液中に混合すると云
う不具合があった。
そこで最近では栓体の材料を加硫ゴムに代えてスチレン系熱可塑性エラストマーを材料
とすることが提案されている。
該スチレン系熱可塑性エラストマーは加硫剤が不要であり、成形も容易であり、また滑
性を有するから針刺しによっても削れることはない。
特公表JP WO2004/103453 A1 特開2004−215860号公報 特開2005−118185号公報
ところが、薬液容器は薬液充填状態で温度110℃、30分の滅菌を行なうが、該滅菌
時に熱可塑性エラストマー製の該栓体3が該カバー4に擬似溶着してしまう場合があった
。すなわち、このような加熱滅菌工程では容器内の薬液の蒸気圧が上昇し、その蒸気圧で
栓体3がカバー4に押圧され、このとき該栓体3が該カバー4に接触したうえ擬似溶着し
てしまう。そして、該栓体3が該カバー4側に擬似溶着してしまうと、該カバー4のプル
トップ6を引張って該カバー4の上面5Aを開封する際にプルトップ6が破断し、開封困
難あるいは開封不能になってしまうと云う問題点が発生する。
本発明は問題点を解決するための手段として、スチレン系熱可塑性エラストマーを材料とする薬液容器用口部栓体のカバーに用いられる熱可塑性エラストマー組成物であって、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体およびスチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体からなる組から選ばれた一種または二種以上のスチレン系熱可塑性エラストマー20〜80質量部と、軟化剤80〜20質量部とからなる混合物100質量部に対し、ポリプロピレン1〜100質量部、高密度ポリエチレン50〜200質量部、およびシリコン樹脂0.5〜20質量部を添加した薬液容器用栓体3のカバー4用熱可塑性エラストマー組成物を提供するものである。
上記スチレン系熱可塑性エラストマーは、重量平均分子量が15万以上であり、スチレ
ン含有量が20質量%以上であることが望ましい。
また本発明の熱可塑性エラストマー組成物からなることを特徴とする薬液容器用口部栓
体3のカバー4は、薬液容器の口部に挿着される針刺し可能なスチレン系熱可塑性エラストマー製栓体用として使用されるカバーであって、該カバーは、該栓体に被着される筒状本体部と、該筒状本体部の上面端部から差出されるリボン状プルトップとからなるとともに、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体およびスチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体からなる組から選ばれた一種または二種以上のスチレン系熱可塑性エラストマー20〜80質量部と、軟化剤80〜20質量部とからなる混合物100質量部に対して、ポリプロピレン1〜100質量部、高密度ポリエチレン50〜200質量部、およびシリコン樹脂0.5〜20質量部を添加して得られたものである。
上記栓体3は、上記スチレン系熱可塑性エラストマー100質量部に対して、軟化剤1
50〜200質量部、およびポリプロピレン10〜30質量部を配合した熱可塑性エラス
トマーからなることが望ましい。上記スチレン系熱可塑性エラストマーは、重量平均分子
量が15万以上、スチレン含有量が20質量%以上であり、かつ上記軟化剤は、40℃に
おける動粘度が20センチストークス以上であることが望ましい。
〔作用〕
本発明の熱可塑性エラストマーの組成物を材料とするカバーにあっては、薬液容器加熱
滅菌中、容器内の内圧が上昇してスチレン系熱可塑性エラストマー製の栓体がカバーに押
し付けられても、該栓体がカバーに融着しない。したがって該カバーのプルトップを引張
って該カバーを開封する際、プルトップは切断することなく引張られ、円滑に開封される
〔効果〕
したがって本発明では、薬液容器の栓体として人体に悪影響を及ぼす心配のないスチレ
ン系熱可塑性エラストマーを栓体の材料としても、該栓体がカバーに融着することがないので、医療現場で薬液容器を速やかにかつ円滑に開封出来る。
本発明を以下に詳細に説明する。
〔スチレン系熱可塑性エラストマー〕
本発明の熱可塑性エラストマー組成物に使用されるスチレン系熱可塑性エラストマーは
、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−
エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、およびスチレン−エチ
レン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEEPS)から選ばれた一
種または二種以上のスチレン系熱可塑性エラストマーである。
本発明に関する栓体のカバーは、開封時プルトップを手で引っ張ってカバー上面を栓体
から剥す。該カバーがポリオレフィン樹脂のみを材料としている場合には、剥す時の強度
が高すぎて開封しにくくなる。そこで本発明ではスチレン系エラストマーであるSEBS
、SEPS、SEEPSを上記オレフィン系樹脂に混合して開封強度を低くしている。
本発明にあっては、上記スチレン系熱可塑性エラストマーの重量平均分子量は15万以
上、スチレン含有量は20質量%以上であることが必要である。上記スチレン系熱可塑性
エラストマーの重量平均分子量が15万未満かつスチレン含有量が20質量%未満の場合
には、耐熱性が悪くなり、高圧蒸気滅菌(通常110℃、30分)の時に変形を起してし
まう。
ここにスチレン系熱可塑性エラストマーの重量平均分子量は下記の方法で測定したもの
である。
[GPC(ゲル浸透クロマトグラフ)法によるポリスチレン換算分子量測定]
測定条件
a)測定機器:SIC Autosampler Model09
Sugai U−620 COLUMN HEATER
TYPE 30VP
Uniflows UF−3005S2B2
b)検出器:MILLIPORE Waters410
Differential Refractometer
c)カラム:Shodex KF806M×2本
d)オーブン温度:40℃
e)溶離液:THF 1.0ml/min
f)標準試料:ポリスチレン
g)注入量:100μl
h)濃度:0.020g/10ml
i)試料調製:2,6−ジ−t−ブチル−p−フェノール(BHT)を0.2重量%を
添加したTHFを溶媒とし、室温で攪拌して溶解させた。
j)補正:BHTのピークが検量線測定時と試料測定時と全て0.03333分ずれて
いたので、それを補正して分子量計算を行なった。
なお、重量平均分子量は上記方法の他、光散乱法、粘度法、超遠心法等によっても測定
される。
〔軟化剤〕
本発明において使用される軟化剤としては、例えばパラフィン系オイル、ナフテン系オ
イル、プロセスオイル、エキステンダー、高級脂肪酸エステル、松脂油等が例示されるが
、スチレン系エラストマー、ポリプロピレン、ポリエチレンとの相溶性を考慮すれば、パ
ラフィン系オイルを選択することが望ましい。該パラフィン系オイルの動粘度は40℃で
20センチストークス以上であることが望ましく、更に望ましくは40℃で50〜100
センチストークスである。該パラフィン系オイルの40℃における動粘度が20センチス
トークス未満の場合、高圧蒸気滅菌(通常110℃、30分)において、パラフィン系オ
イルが激しく揮発する場合がある。
〔ポリプロピレン〕
ポリプロピレン(PP)は本発明の組成物に適度な硬さを与え、機械的強度を向上せし
める成分である。該PPとしては、MFRが10g/10分以下のものであることが望ま
しい。MFRが10g/10分を超えると、組成物の成形性が悪くなる。
〔高密度ポリエチレン〕
本発明においては、ポリオレフィン樹脂としてPPと共に、密度0.941〜0.96
5の高密度ポリエチレン(HDPE)を併用する。該HDPEも組成物に硬さを与え機械
的強度を向上せしめる成分である。PPはスチレン系熱可塑性エラストマーと相溶性が良
いために、PP単独使用のカバーの場合には、スチレン系熱可塑性エラストマーを材料と
した栓体に適用すると、加熱滅菌工程でカバー栓体に擬似溶着するおそれがある。
そこで本発明ではPPと共にスチレン系熱可塑性エラストマーとの相溶性が悪いHDP
Eを併用してカバーと栓体との擬似溶着を防止する。HDPEは低密度ポリエチレン(L
DPE)よりもスチレン系熱可塑性エラストマーとの相溶性が悪く、カバー栓体との擬似
溶着防止の目的に使用する樹脂材料として有用である。
〔シリコン樹脂〕
上記したように、本発明ではカバーと栓体との擬似溶着を防止するために、PPと共に
HDPEを併用するのであるが、HDPEの添加のみではカバーと栓体との擬似溶着を完
全に防止することは困難である。そこで本発明では更にシリコン樹脂を添加する。
〔配合〕
本発明では上記スチレン系熱可塑性エラストマー20〜80質量部と、上記軟化剤80
〜20質量部との混合物100質量部に対して、PP1〜100質量部、HDPE50〜
200質量部、シリコン樹脂0.5〜20質量部を添加する。
PP添加量が1質量部より少ない場合には、組成物の硬度が不足し、開封時、プルトッ
プを引張ると、該プルトップが伸び変形を起こし、開封することが困難になる。一方PP
添加量が100質量部を超えると、組成物が硬くなり過ぎ、開封強度が高くなって剥しに
くくなるし、またカバーと栓体との擬似溶着が発生するおそれがある。
HDPE添加量が50質量部より少ない場合には、カバーと栓体との擬似溶着が発生す
るおそれがあるが、HDPE添加量が200質量部を超えると、組成物が硬くなり過ぎ、
開封強度が高くなって剥しにくくなる。
シリコン樹脂の添加量が0.5質量部より少ない場合には、カバーと栓体との擬似溶着
が発生するおそれがあり、一方シリコン樹脂の添加量が20質量部を超えると、シリコン
樹脂の滑性により、組成物混練時に攪拌機と組成物との間に滑りが生じて組成物の均一混
練に支障をきたす。
スチレン系熱可塑性エラストマーと軟化剤との合計100質量部中のスチレン系熱可塑
性エラストマーの量が20質量部より少ない場合には、軟化剤が過多となり、組成物中の
成分の分散性が悪くなり、かつ硬さが確保出来ず、開封時にプルトップを引張ると、該プ
ルトップが伸びてしまい、開封困難になる。一方スチレン系熱可塑性エラストマーと軟化
剤との合計100質量部中のスチレン系熱可塑性エラストマーの量が80質量部を超える
と、組成物が硬くなり過ぎ、開封強度が高くなって開封しにくくなる。また軟化剤が過少
となって組成物の均一な混練が困難となり、やはり組成物中の成分の分散性が悪くなる。
本発明の組成物には、上記成分以外相溶化剤が添加されてもよい。上記相溶化剤として
は、例えば、結晶性ポリエチレン−エチレン−ブチレン−結晶性ポリエチレンブロック共
重合体(CEBC),スチレン−エチレン−ブチレン−結晶性ポリエチレン(SEBC)
等の結晶性ポリエチレンブロックを含有するスチレン系熱可塑性エラストマーが用いられ
る。相溶化剤を使用すれば、組成物中の各成分の分散性が良好になり、均一な組成物が得
られるが、相溶化剤は本発明の組成物にとっては必須の成分ではない。
以下に本発明を更に具体的に説明するための実施例および比較例を記載する。
使用原料
SEBS:スチレン含有量33質量%、重量平均分子量(Mw)24.7万、1,2−
ビニル結合含有量37質量%。
軟化剤:パラフィン系オイル、動粘度(40℃)70センチストークス
PP:曲げ弾性率1600MPa MFR7.5g/10分
HDPE:密度0.964、MFR20g/10分、曲げ弾性率1160MPa、硬さ
D71(JIS K 6253に定義されたデュロメーター硬さ試験法:タイプD)
シリコン樹脂:GEN10PLAST PELLET SL5−4(商品名 旭化成(
株)ワッカーシリコン)
LDPE:密度0.920、曲げ弾性率630MPa、MFR21
相溶化剤:CEBC
上記原料を使用して表1(実施例)、表2(比較例)、表3(比較例)に示す組成物を
調製し、該組成物を用いて図1に示すようような栓体のカバーを試作した。
(A)(熱可塑性エラストマー組成物(ペレット)の製造条件)
パラフィン系オイル以外の材料をドライブレンドし、これにパラフィン系オイルを含浸
させて混合物を作製する。その後、混合物を下記の条件で押出機で溶融混練して、熱可塑
性組成物のペレットを製造する。
・押出機:株式会社テクノベル製 KZW32TW−60MG−NH
・シリンダー温度:180〜220℃
・スクリュー回転数:300rpm
(B)(熱可塑性エラストマー組成物(テストプレート)の成形条件)
・射出成形機:三菱重工業株式会社製 100MSIII−10E
・射出成形温度:170℃
・射出圧力:30%
・射出時間:10sec
・金型温度:40℃
上記条件で厚さ6mm、幅25mm、長さ125mmのプレートを作製する。
(C)カバーの製造
上記組成物ペレットを使用して下記の条件で図1に示す栓体3のカバー4を成形した。
・射出成形機:三菱重工株式会社製 100MSIII−10E
・射出成形温度:210℃
・射出圧力:60%
・射出時間:10sec
・金型温度:40℃
(D)キャップの製造
一般に、薬液容器の口部には図1に示すようなキャップ1が被着されている。該キャッ
プ1は基袴部2と、該基袴部2上に設置融着される栓体3と、該栓体3に被着されるカバ
ー4とからなり、該カバー4は該栓体3が内側密嵌される筒状本体部5と、該筒状本体5
の上面端部5Aから差出されている螺旋リボン状プルトップ6とからなり、該基袴部2を
該薬液容器口部に融着固定することによって、該キャップ1は該薬液容器口部に取付けら
れる。
上記カバー4内に栓体3を嵌着したものを金型キャビティ内にインサートしてPPを材
料として下記の条件で基袴部2を成形し、キャップ1を製造した。

該組成物および該カバーについて試験を行なった結果を表1(実施例)、表2(比較例
)、表3(比較例)に示す


(E)評価方法
・硬さ測定:硬さ測定は、厚さ6mmの上記プレートを試験片として用い、JIS
K6253に定義されたデュロメーター硬さ試験法に準拠してタイプDデュロメーターに
より行った。
・擬似溶着:輸液キャップ、ゴム栓、ボトルを成形し、蒸気滅菌した後、試作した上
記カバーのプルトップを指で引っ張ってゴム栓とキャップの融着度合いを確認する。
・プルトップの開封強度:蒸気滅菌後、試作した上記カバーのプルトップを指で引っ
張って開封強度を感覚的に判断する。
・プルトップの開封容易性:蒸気滅菌後、試作した上記カバーのプルトップを指で引
っ張って開封容易性を感覚的に判断する。
・分散性:上記プレートを試験片として用い、該試験片を切断し、その断面を肉眼で
観察する。
(F)性能評価
・擬似溶着:蒸気滅菌後にエラストマー栓体とカバーとが擬似溶着しないこと。
・プルトップの切れ数:プルトップを引張った時に切れがないことであり、試験数1
0個のうちプルトップが切れたものの個数を数える。
・プルトップの開封強度:低い、◎→× 高い
・プルトップの開封容易性(プルトップを引張った時に伸びすぎる→開けづらい):
良い、◎→× 悪い
・分散性:良い、◎→× 悪い
比較例1はHDPEの代りにLDPEを使用した試料である。LDPEはスチレン系熱
可塑性エラストマーとの相溶性がHDPEより良いために、エラストマー栓体とカバーと
が擬似溶着してしまう。
比較例2はシリコン樹脂を添加しない試料である。エラストマー栓体とカバーとの擬似
溶着と完全に防止することが出来ない。
比較例3はシリコン樹脂を過剰に添加した試料であり、混練時攪拌機の滑りにより、均
一な組成物に混練することが困難で、分散不良となる。
比較例4はPPを使用せずHDPEのみ使用した試料であり、比較例5はHDPEを使
用せずPPのみを使用した試料であり、比較例4では開封困難になりかつ分散性が悪くな
り、比較例5では栓体とカバーとの擬似溶着が発生し、かつ開封困難である。
比較例6はHDPEの添加量が過少な試料であり、組成物は軟らかくなって開封時プル
トップが伸びてしまう。
比較例7はHDPEの添加量HDPEの添加量が過多な試料であり、開封強度が高くな
り、開封が困難になる。
比較例8はスチレン系熱可塑性エラストマーが軟化剤に対して過少に含まれている試料
であり、組成物が軟らかくなって開封時プルトップが伸びて開封しにくくなる。
比較例9はスチレン系熱可塑性エラストマーが軟化剤に対して過多な試料であり、開封
強度が高く、開封しにくくなる。また軟化剤が少ないため分散性が悪くなる。
本発明の組成物を用いた薬液容器用口部栓体のカバーは、加熱滅菌過程で栓体と擬似溶
着せず、かつ開栓が容易であるから、医療現場で極めて取扱い易く便利である。
薬液容器キャップの説明断面図
1 キャップ
2 基袴部
3 栓体
4 カバー
5 筒状本体部
6 プルトップ

Claims (5)

  1. スチレン系熱可塑性エラストマーを材料とする薬液容器用口部栓体のカバーに用いられる可塑性エラストマー組成物であって、
    スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−プ
    ロピレン−スチレンブロック共重合体およびスチレン−エチレン−エチレン−プロピレン
    −スチレンブロック共重合体からなる組から選ばれた一種または二種以上のスチレン系熱
    可塑性エラストマー20〜80質量部と、軟化剤80〜20質量部とからなる混合物10
    0質量部に対し、
    ポリプロピレン1〜100質量部、高密度ポリエチレン50〜200質量部、およびシ
    リコン樹脂0.5〜20質量部を添加した
    ことを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物。
  2. 上記スチレン系熱可塑性エラストマーは、重量平均分子量が15万以上であり、スチレ
    ン含有量が20質量%以上である請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  3. 薬液容器の口部に挿着される針刺し可能なスチレン系熱可塑性エラストマー製栓体用として使用されるカバーであって、
    該カバーは、該栓体に被着される筒状本体部と、該筒状本体部の上面端部から差出され
    るリボン状プルトップとからなるとともに、
    スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−プ
    ロピレン−スチレンブロック共重合体およびスチレン−エチレン−エチレン−プロピレン
    −スチレンブロック共重合体からなる組から選ばれた一種または二種以上のスチレン系熱
    可塑性エラストマー20〜80質量部と、軟化剤80〜20質量部とからなる混合物10
    0質量部に対して、ポリプロピレン1〜100質量部、高密度ポリエチレン50〜200
    質量部、およびシリコン樹脂0.5〜20質量部を添加して得られた熱可塑性エラストマ
    ー組成物からなることを特徴とする薬液容器用口部栓体のカバー。
  4. 上記栓体は、上記スチレン系熱可塑性エラストマー100質量部に対して、軟化剤150
    〜200質量部、およびポリプロピレン10〜30質量部を配合した熱可塑性エラストマ
    ーからなる請求項3に記載の薬液容器用口部栓体のカバー。
  5. 上記スチレン系熱可塑性エラストマーは、重量平均分子量が15万以上、スチレン含有量
    が20質量%以上であり、かつ上記軟化剤は、40℃における動粘度が20センチストー
    クス以上である請求項4に記載の薬液容器用口部栓体のカバー。
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