JP5681265B1 - キャスター - Google Patents

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Abstract

【課題】静音性および耐摩耗性に優れるタイヤを有するキャスターを提供すること。【解決手段】取付対象物5に取り付けられたフォーク部30と車輪部40とを備え、車輪部40が車軸41とホイール42とタイヤ43とを有するキャスター1において、タイヤ43は、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマーおよびスチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマーの水添物から選ばれる1種以上のスチレン系熱可塑性エラストマー(A)を30〜50質量部、ポリプロピレン(B)を10〜25質量部、炭化水素系ゴム用軟化剤(C)を40〜60質量部、および重量平均分子量(Mw)が40万〜70万のシリコーンオイルとキャリアー樹脂とを含むシリコーンオイルマスターバッチ(D)を前記(A)〜(C)の合計量100質量部に対して0.3〜5質量部、を含む熱可塑性エラストマー組成物からなるキャスター。【選択図】 図1

Description

本発明は、キャスターバッグ等の移動体に用いられるキャスターに関し、詳しくは静音性および耐摩耗性に優れたキャスターに関する。
キャスターバッグ等の移動体に用いられるキャスターには、転がしたときの静音性が求められている。
従来、キャスターに静音性を付与する方法として、キャスターのタイヤの材質であるポリウレタンの硬度を低くすることが行われていた。
しかし、ポリウレタンの硬度を低くすると耐摩耗性が低下する。
このため、静音性と耐摩耗性とを両立させたタイヤを備えたキャスターのタイヤが求められていた。
これに対し、特許文献1には、ポリプロピレン系樹脂100重量部と、水添ジエン系共重合体100〜900重量部とからなり、柔軟性と耐摩耗性とを向上させる熱可塑性エラストマー組成物が記載されている。また、特許文献2には、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンゴム(SEBS)等の熱可塑性エラストマー100重量部に、4〜15重量部のシリコーン化合物が分散した熱可塑性エラストマー組成物からなり、パッキンとして用いたときにドーム状回転蓋の使用感が改善されるパッキン用組成物が記載されている。
特開2000−319485号公報 特開2003−170955号公報
しかし、特許文献1および2に記載された熱可塑性エラストマー組成物をキャスターのタイヤに用いても、静音性と耐摩耗性とが充分に優れたタイヤを有するキャスターは得られなかった。
本発明は上記課題を解決するものであり、静音性および耐摩耗性に優れたタイヤを有するキャスターを提供することを目的とする。
本発明のキャスターは、上記課題を解決するためのものであり、取付対象物に取り付けられたフォーク部と、このフォーク部に回動自在に支持される車輪部と、を備え、前記車輪部が、前記フォーク部に回動自在に支持される車軸と、この車軸に取り付けられたホイールと、このホイールの外周に取り付けられたタイヤとを有するキャスターにおいて、前記タイヤは、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマーおよびスチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマーの水添物から選ばれる1種以上のスチレン系熱可塑性エラストマー(A)を30〜50質量部、ポリプロピレン(B)を10〜25質量部、炭化水素系ゴム用軟化剤(C)を40〜60質量部、および重量平均分子量(Mw)が40万〜70万のシリコーンオイルとキャリアー樹脂とを含むシリコーンオイルマスターバッチ(D)を前記(A)〜(C)の合計量100質量部に対して0.3〜5質量部、を含む熱可塑性エラストマー組成物からなることを特徴とする。
本発明のキャスターによれば、静音性および耐摩耗性に優れたタイヤを有するキャスターが得られる。
本発明のキャスターの概略図。 図1を矢印Aの方向から見た概略図。 図1に示されるキャスターの車輪部の概略図。
[キャスター]
以下、図面を参照して本発明のキャスターについて説明する。
図1は、本発明のキャスター1の概略図である。図2は、図1を矢印Aの方向から見た概略図である。図3は、図1に示されるキャスターの車輪部の概略図である。
キャスター1は、鞄等の取付対象物5に取り付けられたフォーク部30と、このフォーク部30に回動自在に支持される車輪部40と、を備える。
具体的には、キャスター1は、取付対象物5に取り付けられた取付基部10と、この取付基部10に回動自在に取り付けられたフォーク部30と、このフォーク部30に回動自在に支持される車輪部40と、を備える自在キャスターである。
車輪部40は、フォーク部30に回動自在に支持される車軸41と、この車軸41に取り付けられたホイール42と、このホイール42の外周に取り付けられたタイヤ43とを有する。
ここでホイール42は、通常ポリプロピレン(PP)が用いられる。ホイール42の材質がポリプロピレン(PP)であると、タイヤ43に用いられる特定の熱可塑性エラストマー組成物がポリプロピレン(PP)ホイール42に融着しやすいため好ましい。
タイヤ43は、特定の熱可塑性エラストマー組成物からなる。熱可塑性エラストマー組成物について説明する。
(熱可塑性エラストマー組成物)
タイヤ43に用いられる熱可塑性エラストマー組成物は、特定のスチレン系熱可塑性エラストマー(A)と、ポリプロピレン(B)と、炭化水素系ゴム用軟化剤(C)と、シリコーンオイルマスターバッチ(D)とを特定量含むものである。
以下、上記(A)〜(D)について説明する。
<スチレン系熱可塑性エラストマー(A)>
スチレン系熱可塑性エラストマー(A)は、タイヤ43に用いられる熱可塑性エラストマー組成物に含まれることにより、タイヤ43の静音性および耐摩耗性を向上させる物質である。
スチレン系熱可塑性エラストマー(A)は、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマーおよびスチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマーの水添物 から選ばれる1種以上のスチレン系熱可塑性エラストマーである。
ここで、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマーとは、ポリスチレンブロックからなるハードセグメントと、ポリブタジエンブロックからなるソフトセグメントとが、隣接してまたは交互に設けられたエラストマーである。
また、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマーの水添物とは、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマーのブタジエンブロックを水添反応させたエラストマーであり、ブタジエンブロックが全て水添されたものであっても、部分的に水添されたものであってもよい。スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマーの水添物としては、例えば、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロックコポリマーが挙げられる。
スチレン系熱可塑性エラストマー(A)は、上記(A)〜(C)の合計量100質量部に対して、30〜50質量部、好ましくは33〜44質量部含まれる。スチレン系熱可塑性エラストマー(A)の配合量がこの範囲内にあると、スチレン系熱可塑性エラストマー(A)以外の成分の作用が発揮された状態で、タイヤ43の静音性および耐摩耗性を向上させることができる。
<ポリプロピレン(B)>
ポリプロピレン(B)は、タイヤ43に用いられる熱可塑性エラストマー組成物に含まれることにより、タイヤ43とホイール42とを融着しやすくする物質である。
タイヤ43に用いられる材質がポリウレタン、熱可塑性エラストマー、オレフィン系樹脂等である場合、ホイール42の材質としては、通常、ポリプロピレン(PP)が用いられる。このため、タイヤ43の材質である熱可塑性エラストマー組成物がポリプロピレン(B)を所定範囲内の量で含むと、ホイール42のポリプロピレンとタイヤ43中のポリプロピレン(B)との作用によりホイール42とタイヤ43とが融着しやすくなる。タイヤ43に用いられる材質がポリウレタン、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系樹脂等である
ポリプロピレン(B)としては、特に制限されないが、たとえば、ホモポリプロピレン、ポリプロピレンとエチレンやその他のα−オレフィンとのポリプロピレン系共重合体が挙げられる。ポリプロピレン系共重合体しては例えば、プロピレン/プロピレン−エチレンブロックコポリマーが用いられる。ここで、プロピレン/プロピレン−エチレンブロックコポリマーとは、第1工程でプロピレン単独重合体を重合し、続いて第2工程でプロピレン−エチレン共重合体を重合して得られる樹脂である。
ポリプロピレン(B)は、上記(A)〜(C)の合計量100質量部に対して、10〜25質量部、好ましくは12〜20質量部含まれる。ポリプロピレン(B)の配合量が、この範囲内にあると、ポリプロピレン(B)以外の成分の作用が発揮された状態で、タイヤ43とホイール42との融着性が高くなる。
<炭化水素系ゴム用軟化剤(C)>
炭化水素系ゴム用軟化剤(C)は、タイヤ43に用いられる熱可塑性エラストマー組成物を軟化させることによりタイヤ43の成形性を向上させる物質である。
炭化水素系ゴム用軟化剤(C)としては、たとえば、炭化水素系オイル等のプロセスオイルが用いられる。炭化水素系オイルとしては、パラフィン係、ナフテン係等のプロセスオイルが用いられる。このうち、パラフィン係プロセスオイルは、本発明の熱可塑性エラストマー組成物を効果的に軟化させるため、好ましい。
炭化水素系ゴム用軟化剤(C)は、上記(A)〜(C)の合計量100質量部に対して、40〜60質量部、好ましくは44〜51質量部含まれる。炭化水素系ゴム用軟化剤(C)の配合量が、この範囲内にあると、炭化水素系ゴム用軟化剤(C)以外の成分の作用が発揮された状態で、タイヤ43の成形性を向上させることができる。
<シリコーンオイルマスターバッチ(D)>
シリコーンオイルマスターバッチ(D)は、超高分子量のシリコーンオイルと、キャリアー樹脂とを含む混合物である。
シリコーンオイルマスターバッチ(D)は、タイヤ43に用いられる熱可塑性エラストマー組成物に含まれることにより、タイヤ43の表面を滑らせ、タイヤ43の耐摩耗性を向上させる成分である。
シリコーンオイルマスターバッチ(D)を構成する超高分子量のシリコーンオイルとしては、重量平均分子量(Mw)が、40万〜70万、好ましくは45万〜65万のシリコーンオイルが用いられる。また、超高分子量のシリコーンオイルとしては、非架橋性のものであることが好ましい。
なお、このような超高分子量のシリコーンオイルは、表面改質性に優れ、配合された物質の耐摩耗性を向上させる性質を有することが知られているが、通常、ガム状で流動性が非常に小さい。このため、上記超高分子量のシリコーンオイルをそのまま上記(A)〜(C)と混合しようとしても、超高分子量のシリコーンオイルのハンドリングが困難であるとともに、樹脂中への超高分子量のシリコーンオイルの分散が困難であるという問題があった。
本発明では、予めキャリアー樹脂に上記超高分子量のシリコーンオイルを均一かつ高濃度に分散したシリコーンオイルマスターバッチ(D)を用いることにより、上記問題を解決し、超高分子量のシリコーンオイルのハンドリング性および樹脂中への分散性を向上させたものである。シリコーンオイルマスターバッチ(D)は、通常、ペレットになっている。
シリコーンオイルマスターバッチ(D)を構成するキャリアー樹脂としては、特に限定されないが、好ましくは、ポリプロピレンが用いられる。
キャリアー樹脂がポリプロピレンであると、シリコーンオイルマスターバッチ(D)とポリプロピレン(B)との均一な混合、またはシリコーンオイルマスターバッチ(D)とポリプロピレン(B)を含む混合物との均一な混合が容易である。ここで、ポリプロピレン(B)を含む混合物とは、たとえば、上記(A)〜(C)の混合物である。なお、シリコーンオイルマスターバッチ(D)のキャリアーとなる樹脂は他の成分とは区別するものとし、例えば、後掲の実施例で使用する東レ・ダウコーニング社株式会社製BY001(超高分子量シリコーンポリマーとポリプロピレンとからなるマスターバッチ、キャリアー樹脂:ポリプロピレン)の場合、キャリアーとなる樹脂であるポリプロピレンはポリプロピレン(B)とはみなさず、シリコーンオイルマスターバッチ(D)に含まれる成分とみなすこととする。
シリコーンオイルマスターバッチ(D)中の超高分子量のシリコーンオイルの含有量は、通常40〜60質量%、好ましくは45〜55質量%である。超高分子量のシリコーンオイルの含有量が、上記範囲内にあると、シリコーンオイルマスターバッチ(D)のハンドリングが良好であるとともに、他の成分と混合したときのシリコーンオイルマスターバッチ(D)の分散性が良好である。
シリコーンオイルマスターバッチ(D)は、上記(A)〜(C)の合計量100質量部に対して、0.3〜5質量部、好ましくは0.3〜5質量部含まれる。シリコーンオイルマスターバッチ(D)の配合量が、上記範囲内にあると、シリコーンオイルマスターバッチ(D)以外の成分の作用が発揮された状態で、タイヤ43の耐摩耗性を向上させることができる。
タイヤ43に用いられる熱可塑性エラストマー組成物は、上記(A)〜(D)に加えて、さらに、シリコーンオイル(E)および脂肪酸アミド(F)の少なくとも1種を含んでいてもよい。
<シリコーンオイル(E)>
シリコーンオイル(E)は、重量平均分子量(Mw)が2万未満のシリコーンオイルであり、タイヤ43に用いられる熱可塑性エラストマー組成物に含まれることにより、タイヤ43の表面を滑らせ、タイヤ43の耐摩耗性を向上させる物質である。
なお、タイヤ43の表面を滑らせ、タイヤ43の耐摩耗性を向上させる物質としては、上記のシリコーンオイルマスターバッチ(D)も用いられるが、シリコーンオイルマスターバッチ(D)と重量平均分子量(Mw)が2万未満のシリコーンオイル(E)とを併用した熱可塑性エラストマー組成物でタイヤ43を作製すると、タイヤ43の表面を滑らせ、タイヤ43の耐摩耗性を向上させる作用がより顕著になるため好ましい。
シリコーンオイル(E)としては、好ましくは重量平均分子量(Mw)が0.5万〜1.5万のシリコーンオイルが用いられる。
シリコーンオイル(E)は、上記(A)〜(C)の合計量100質量部に対して、0.1〜0.5質量部含まれる。シリコーンオイル(E)の配合量が、上記範囲内にあると、シリコーンオイル(E)以外の成分の作用が発揮された状態で、タイヤ43の耐摩耗性を向上させることができる。
<脂肪酸アミド(F)>
脂肪酸アミド(F)は、滑剤であり、タイヤ43に用いられる熱可塑性エラストマー組成物に含まれることにより、タイヤ43の耐摩耗性を向上させる物質である。
脂肪酸アミド(F)としては、たとえば、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド等の不飽和脂肪酸アミド、ラウリン酸アミド、ステアリン酸アミド等の飽和脂肪酸アミドが用いられる。
脂肪酸アミド(F)は、上記(A)〜(C)の合計量100質量部に対して、0.1〜0.5質量部質量部含まれる。脂肪酸アミド(F)の配合量が、上記範囲内にあると、脂肪酸アミド(F)以外の成分の作用が発揮された状態で、タイヤ43の耐摩耗性を向上させることができる。
(熱可塑性エラストマー組成物の製造方法)
熱可塑性エラストマー組成物は、たとえば、上記の(A)スチレン系熱可塑性エラストマー(A)、ポリプロピレン(B)、炭化水素系ゴム用軟化剤(C)、およびシリコーンオイルマスターバッチ(D)を、二軸押出機等の混練装置を用いて溶融混練し、ダイから押し出すことにより、ペレット等の固形物として得られる。
ここで、溶融混練のための加熱温度は、たとえば、150〜250℃、好ましくは180〜220℃である。
また、熱可塑性エラストマー組成物に必要により添加される、シリコーンオイル(E)および脂肪酸アミド(F)の少なくとも1種は、たとえば、上記(A)〜(D)とともに混練装置を用いて混練することにより添加されてペレット等の固形物中に含まれる。
得られたペレット等の固形物を、たとえば、射出成型機等を用いて射出成型されるとタイヤが得られる。
たとえば、射出成形機の金型にPP製のホイール予めインサートし、その外周に熱可塑性エラストマーを150℃〜250℃、好ましくは180℃〜220℃で射出成形すると、ホイールの外周とタイヤの内周とが密着してなるキャスターが得られる。
なお、上記の実施例では、キャスター1が単輪の自在キャスターである例を示した。しかし、本発明のキャスターは、タイヤを備える全ての形態のキャスターに適用可能である。たとえば、本発明のキャスターは、双輪の自在キャスターや、単輪または双輪の固定キャスターに適用可能である。
(本発明のキャスターの効果)
本発明のキャスターは、タイヤに特定の熱可塑性エラストマー組成物を用いているため、タイヤの静音性および耐摩耗性に優れる。
以下に実施例を示すが、本発明はこれらに限定されて解釈されるものではない。
以下の実施例および比較例で用いた原料は、以下のとおりである。
(スチレン系熱可塑性エラストマー(A))
<(A)−1>
スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロックポリマー(クレイトンポリマージャパン株式会社製クレイトン(登録商標)G1651HU、GPCを用いて測定した重量平均分子量(Mw)253000)
[ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)の測定条件]
機器 :東ソー株式会社製HLC−8120
カラム :東ソー株式会社製TSKgel Super H1000+H2000+H3000
検出器 :示差屈折率検出器(RI/内蔵)
溶媒 :テトラヒドロフラン
温度 :40℃
流速 :0.5mL/分
注入量 :10μL
濃度 :0.2重量%
較正試料:単分散ポリスチレン
較正法 :ポリスチレン換算
(ポリプロピレン(B))
<(B)−1>
ホモポリプロピレン(日本ポリプロ株式会社製ノバテック(登録商標)PP−MA1B、MFR(メルトフローレート)10g/分(JIS K7120準拠、測定温度230℃、荷重21.2N))
<(B)−2>
プロピレン/プロピレン−エチレンブロックポリマー(日本ポリプロ株式会社製ノバテック(登録商標)PP−BC06C、MFR(メルトフローレート)60g/分(JIS K7120準拠、測定温度230℃、荷重21.2N)
(炭化水素系ゴム用軟化剤(C))
<(C)−1>
炭化水素系オイル(出光興産株式会社製 ダイアナプロセスオイルPW90)
(シリコーンオイルマスターバッチ(D))
<(D)−1>
超高分子量シリコーンポリマー50質量%とポリプロピレン50質量%とからなるマスターバッチ(東レ・ダウコーニング株式会社製BY27−001、シリコーン含有量50重量%、GPCを用いて測定した超高分子量シリコーンポリマーの重量平均分子量(Mw)608500、GPCを用いて測定した超高分子量シリコーンポリマーの数平均分子量(Mn)420000)
[ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)の測定条件]
機器 :東ソー株式会社製HLC−8120
カラム :Polymer Laboratorie製PL 10u Mixed B(7.5mm I.D×30cm×2)
検出器 :示差屈折率検出器(RI/内蔵)
溶媒 :トルエン(特級)
温度 :40℃
流速 :1.0mL/分
注入量 :110μL
濃度 :0.1重量%
較正試料:単分散ポリスチレン
較正法 :ポリスチレン換算
なお、マスターバッチ中の超高分子量シリコーンポリマーのGPC測定は、予めマスターバッチに下記処理を行なって、超高分子量シリコーンポリマーとポリプロピレンとに分離した後、得られた超高分子量シリコーンポリマーについて行った。
[超高分子量シリコーンポリマーとポリプロピレンとの分離処理]
はじめに、試料(マスターバッチ)を0.05g秤量し、0.1g/L BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)添加キシレン10mLを加えた後、125℃で60分攪拌してマスターバッチを溶解させた。マスターバッチが全溶したことを目視で確認した後、溶液を室温で3時間程度静置して、液中に結晶性ポリプロピレンを析出させた。この結晶が析出した溶液を住友電工製Fluoropore FP−100(1μm)を用いて吸引ろ過し、キシレン3mLで洗浄して、CXS(キシレン可溶部、超高分子量シリコーンポリマー)とCXIS(キシレン不可溶部、ポリプロピレン)とに分離した。CXSを室温の窒素ブローにより予備乾固した後、60℃で真空乾燥した。真空乾燥は重量減少が認められなくなるまで行った。真空乾燥後のCXS分を用いてGPC測定を行った。
(シリコーンオイル(E))
<(E)−1>
シリコーンオイル(東レ・ダウコーニング株式会社社製SH200−100CS、GPCを用いて測定した重量平均分子量(Mw)9760)
[ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)の測定条件]
機器 :東ソー株式会社製HLC−8220GPC(R)
カラム :東ソー株式会社製TSKgel Super HM−M
検出器 :示差屈折率検出器(RI/内蔵)
溶媒 :クロロホルム
温度 :40℃
流速 :0.5mL/分
注入量 :20μL
濃度 :0.1重量%
較正資料:単分散ポリスチレン
較正法 :ポリスチレン換算
(脂肪酸アミド(F))
<(F)−1>
オレイン酸アミド(日本化成株式会社製ダイヤミッド(登録商標)O−200)
[実施例1]
(A)−1と、(B)−1と、(C)−1と、(D)−1と、(E)−1と、(F)−1とを、表1に示す配合量(質量部)で混合した。
得られた混合物100質量部と、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(BASFジャパン株式会社製イルガノックス(登録商標)1010)0.1質量部とを、圧縮比L/Dが33、シリンダー径45mmの二軸押出機に供給し、200℃で溶融混練し、ダイからストランド状に押し出し、カッティングしたところ、熱可塑性エラストマー組成物からなるペレットが得られた。
次に、このペレットをインラインスクリュウタイプ射出成形機(東芝機械社製IS100)に供給し、射出圧力50MPa、シリンダ温度220℃、金型温度40℃の条件で射出成形したところ、肉厚2mmの熱可塑性エラストマー組成物からなるシートが得られた。
得られたシートの材質がキャスターのタイヤに用いられることを想定し、得られたシートを用いてキャスター適性の評価を行った。評価項目は、硬度、成形品外観、および耐摩耗性とした。具体的な評価方法を以下に示す。
(熱可塑性エラストマー組成物のキャスター適性の評価)
(1)硬度
ISO 7619−1に基づき、タイプAデュロメータを用いて得られたシートの硬度を測定した。なお、キャスターのタイヤとして用いるためには、硬度が50以上75以下であることが好ましい。
(2)成形品外観
目視で得られたシートの成形品外観を評価した。
具体的には、得られたシートに、ショートショット(未充填によるシートの成形不良)が無く、かつゲート近傍でのデラミネーション(シートの一部の剥離)やフローマーク(シート表面の流れ模様)等の著しい外観不良が無い場合を「○(良好)」と評価した。
また、得られたシートに、ショートショットがある場合、または、デラミネーション、フローマーク等の著しい外観不良がある場合を「×(不良)」と評価した。
(3)耐摩耗性
株式会社東洋精機製作所製ロータリーアブレージョンテスタ No.430を用い、JIS K−7204に準拠して、荷重9.8N、回転回数1000回、摩耗輪H−18の条件で、得られたシートについてテーバー摩耗試験を行った。
シートの摩耗面が0.5mm未満削れた場合は耐摩耗性が「○(良好)」と評価した。また、0.5mm以上削れた場合は耐摩耗性が「×(不良)」と評価した。
表1にキャスター適性の評価結果を示す。
Figure 0005681265
(キャスターの製造および評価)
はじめに中心をφ6mmの真鍮製車軸が貫通したポリプロピレン製ホイールを別途射出成形した。インラインスクリュウタイプ射出成形機に取り付けた金型にそのホイールをインサートした。その後、上記射出成形機に上記熱可塑性エラストマー組成物からなるペレットを供給し、射出圧力100MPa、シリンダ温度200℃、金型温度50℃の条件で射出成形したところ、外径50mm、内径42mm、幅15mm、厚み4mmのタイヤが得られた。なお、ホイールをインサートしてからタイヤ部分を射出成形することでホイールの外周とタイヤの内周との間が隙間なく密着したキャスターが得られた。また、タイヤは、内部に空気室がなく、全体が熱可塑性エラストマー組成物からなるドーナツ状のものであった。
(4)静音性
得られたキャスターを用いてタイヤの静音性を評価した。
静音性は、木製の床の上に、塩化ビニールシート、および厚さ4mmのベニヤ板をこの順番で積層し、このベニヤ板の上に、溝状の凹部が平行方向に断続的に形成された表面形状を有するタイルの複数枚を、隣接方向に5mmの間隔をあけて敷き詰めて、走行路面を形成した。
具体的には、横断面が略矩形で深さ1mm、溝幅10mmの溝状凹部が平行して3本形成された表面形状を有する縦45mm×横45mm×厚さ5mmのタイル(INAX(イナックス)CCN−155/53(I類磁器質)を、隣接方向に5mmの間隔をあけ、かつ溝状凹部が平行になるように、3行6列(溝状凹部の長手方向にタイルが3行配置)の配置になるように敷いて固定し、走行路面を形成した。
次に、20℃、湿度44%、無風の室内で、3行6列のタイルが敷かれた走行路面上を、6列の方向(溝状凹部を18本横断する方向)に沿って、荷重5kgfかつ0.4m/sの条件でキャスターのタイヤを10秒以上転がし、タイヤの走行音の音量を測定した。タイヤの走行音は、キャスターの進行方向に対して垂直方向かつキャスターから1m離間した場所に設置された騒音計(CEM株式会社製DT−8852)を用いて10秒間測定した。
なお、キャスターが複数本の溝状凹部を断続的に横断するため、測定される騒音はキャスターの走行中に変動する。本実施例では、この変動する騒音の10秒間の平均値(平均測定値)を算出し、これを静音性の評価指標とした。
具体的には、平均測定値が50dB以上の場合を「×(不良)」、50dB未満の場合を「○(良好)」と評価した。
表1に静音性の評価結果を示す。
[実施例2および3、比較例1〜4]
(A)−1と、(B)−1および(B)−2の1種以上と、(C)−1と、(D)−1と、(E)−1と、(F)−1との配合量を、表1に示すように変えた以外は実施例1と同様にして熱可塑性エラストマー組成物からなるシートを得、キャスターを作製した。
得られたシートを用い、実施例1と同様にしてキャスター適性の評価を行った。
表1にキャスター適性の評価結果を示す。
また、得られたキャスターを用い、実施例1と同様にして静音性の評価を行った。
表1に静音性の評価結果を示す。
[参考例1]
ホイールおよびタイヤの材質を変えた以外は実施例1と同様にして、キャスターを作製した。
ホイールの材質をPA6(ポリアミド6)とし、タイヤの材質を硬度85のポリエステル系ポリウレタンとしたキャスターを作製した。
得られたキャスターを用い、実施例1と同様にして静音性の評価を行った。
表1に静音性の評価結果を示す。
上記の実施例、比較例および参考例の比較から、本発明のタイヤを備えたキャスターは、タイヤの静音性および耐摩耗性に優れることが分かった。
本発明のキャスターは、たとえば、スーツケース、キャリーバック、台車、家具等に使用することができ、特に、高い静音性および耐摩耗性が要求されるスーツケース、キャリーバック等に好適である。
1 キャスター
5 取付対象物
10 取付基部
30 フォーク部
40 車輪部
41 車軸
42 ホイール
43 タイヤ

Claims (3)

  1. 取付対象物に取り付けられたフォーク部と、
    このフォーク部に回動自在に支持される車輪部と、
    を備え、前記車輪部が、前記フォーク部に回動自在に支持される車軸と、この車軸に取り付けられたホイールと、このホイールの外周に取り付けられたタイヤとを有するキャスターにおいて、
    前記タイヤは、
    スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマーおよびスチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマーの水添物から選ばれる1種以上のスチレン系熱可塑性エラストマー(A)を30〜50質量部、
    ポリプロピレン(B)を10〜25質量部、
    炭化水素系ゴム用軟化剤(C)を40〜60質量部、および
    重量平均分子量(Mw)が40万〜70万のシリコーンオイルとキャリアー樹脂とを含むシリコーンオイルマスターバッチ(D)を前記(A)〜(C)の合計量100質量部に対して0.3〜5質量部、
    を含む熱可塑性エラストマー組成物からなることを特徴とするキャスター。
  2. 前記熱可塑性エラストマー組成物は、
    重量平均分子量(Mw)が2万未満のシリコーンオイル(E)を、前記(A)〜(C)の合計量100質量部に対して0.1〜0.5質量部さらに含むことを特徴とする請求項1に記載のキャスター。
  3. 前記熱可塑性エラストマー組成物は、
    脂肪酸アミド(F)を、前記(A)〜(C)の合計量100質量部に対して0.05〜0.3質量部さらに含むことを特徴とする請求項1または2に記載のキャスター。
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