JP2011162167A - 帯電防止タイヤ、車輪及びキャスター - Google Patents

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和靖 中根
Hiroyuki Nishimura
浩之 西村
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Abstract

【課題】導電剤の剥離が少ない帯電防止の機能を有するキャスター用の車輪を提供する。
【解決手段】導電性を有するキャスター用の帯電防止車輪100において、前記タイヤ部120が、カーボンナノチューブからなるナノカーボンと、熱可塑性エラストマーからなるエラストマー、もしくはスチレン−ブタジエンゴムからなるエラストマーとを、含有する導電性エラストマーからなることを特徴とするキャスター用の帯電防止タイヤ。
【選択図】図1

Description

本発明は台車等の運搬器具等に用いられるタイヤ、車輪及びキャスターに関し、特に、帯電防止機能を有するタイヤ、車輪及びキャスターに関する。
荷物運搬用台車等の運搬器具や、事務機器や、医療機器等の様々な分野で、移動を容易にするために、底面に車輪を有するキャスターが設けられる。これらの分野の中でも特に、半導体分野においては、クリーンルーム内で静電気が発生すると、製品の品質に問題が生じるため、車輪のタイヤに導電性を持たせて、帯電防止機能を付加して使用している(特許文献1)。
特開2004−353709号公報
従来の帯電防止機能を有するタイヤは、導電性フィラーとして主にケッチェンブラックやファーネスブラック、アセチレンブラックといったカーボンブラック類が用いられてきたが、この場合、キャスターが取り付けられた物体を移動させると内部の導電剤が剥離して、床面を汚すという問題があった。そこで、本発明は、導電剤の剥離が少ない帯電防止機能を有する車輪を提供することを目的とする。
本発明(1)は、導電性を有するキャスター用帯電防止タイヤにおいて、
前記タイヤが、ナノカーボンとエラストマーとを含有する導電性エラストマーからなることを特徴とする、帯電防止タイヤである。
本発明(2)は、前記ナノカーボンが、カーボンナノチューブであることを特徴とする、前記発明(1)の帯電防止タイヤである。
本発明(3)は、前記エラストマーが、熱可塑性エラストマーであることを特徴とする、前記発明(1)又は(2)の帯電防止タイヤである。
本発明(4)は、前記熱可塑性エラストマーが、熱可塑性ポリウレタンであることを特徴とする、前記発明(3)の帯電防止タイヤである。
本発明(5)は、前記エラストマーが、スチレン−ブタジエンゴムであることを特徴とする、前記発明(1)又は(2)の帯電防止タイヤである。
本発明(6)は、中心に形成された軸受けを有するハブと、
外周部分に形成されたリムと、
前記ハブとリムとを連結する複数のスポークとを有し、
更に前記リムの外周面に周回するように形成された前記発明(1)〜(5)のいずれか一つのタイヤと、を有する帯電防止車輪である。
本発明(7)は、上部に位置するトッププレートと、
連結部を介して前記トッププレートと回転可能に連結された車輪用フレームと、
前記車輪用フレームと車軸によって回転可能に取り付けられている、前記発明(6)の車輪と、を有する帯電防止キャスターである。
本発明に係る導電性タイヤによれば、導電材としてナノカーボンを使用することにより、帯電防止機能を有し、且つ、導電剤の離脱を最小限に抑えることができるという効果を奏する。特に同程度の導電性を有する導電タイヤとの比較で、導電剤剥離の低減効果は顕著である。
図1は、本最良形態に係る車輪100の概略構成図であり、(a)は正面図であり、(b)は側面図である。 図2は、本最良形態に係る車輪を用いたキャスター200の概略構成図であり、(a)は上面図であり、(b)は側面図(斜線部は断面図)であり、(c)は正面図である。
本発明に係る帯電防止タイヤは、キャスターに用いられる導電性を有する帯電防止タイヤであって、ナノカーボンとエラストマーとを含有する導電性エラストマーからなることを特徴とする。すなわち、導電剤としてナノカーボンを使用することにより、高い導電性が得られると共に、導電剤の脱落が顕著に低くなるという効果を奏する。このような帯電防止タイヤを用いた車輪をキャスターに使用することにより、各種機器の帯電防止を図ることができる。以下、本発明に係る各構成について詳細に説明する。
車輪
本最良形態に係る車輪は、外周面に周回するように形成された弾力を有するタイヤ部を有する車輪において、前記タイヤ部が、ナノカーボンとエラストマーとを含有する導電性エラストマーからなることを特徴とする。図1は、本最良形態に係る車輪100の概略構成図であり、(a)は正面図であり、(b)は側面図である。車輪100は、車輪の中心に形成された軸受け部111を有するハブ部112と、外周部分に形成されたリム部113と、前記ハブ部112とリム部113とを連結する複数のスポーク部114とを有し、更にリム部の外周面には周回するように形成されたタイヤ部120とを有する。
キャスター
本最良形態に係る車輪は、例えば、キャスターとして使用することができる。図2は、本最良形態に係る車輪を用いたキャスター200の概略構成図であり、(a)は上面図であり、(b)は側面図(斜線部は断面図)であり、(c)は正面図である。キャスター200は、上部に位置するトッププレート201と、二股に分かれた車輪用フレーム202と、前記トッププレートと車輪用フレームを回転可能に連結する連結部203と、車輪100とを有する。ここで、車輪100は、車輪用フレーム202に設けられた車軸204よって回転可能に取り付けられている。
導電性エラストマー
続いて、本最良形態に係る車輪に使用する導電性エラストマーについて詳細に説明する。本最良形態に係る導電性エラストマーは、ナノカーボンとエラストマーとを含有する。
「ナノカーボン」とは、1000nm以下の直径を有する炭素材料を意味し、例えば、カーボンナノチューブ(単層・二層・多層タイプ、カップスタック型)、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン又はフラーレンを挙げることができる。これらのナノカーボンの中でも、カーボンナノチューブが好適である。カーボンナノチューブを用いることによりアンカー効果を発揮するため、より導電剤の剥離を少なくすることができる。カーボンナノチューブは、シングルウォールカーボンナノチューブ(SWCNT)であっても、マルチウォールカーボンナノチューブ(MWCNT)であってもよい。カーボンナノチューブの長さは、0.1〜100μmが好適であり、0.5〜50μmがより好適であり、1〜20μmが更に好適である。カーボンナノチューブの直径は、1〜200nmが好適であり、3〜160nmがより好適であり、5〜120nmが更に好適である。尚、当該チューブの長さ、直径は、AFM(原子間力顕微鏡)を用いて、所定範囲内に存在する100個以上の構造体について測定し、90%以上の個数が入る範囲とする。
また、カーボンナノチューブの合成法も特に限定されず、いかなる合成方法、例えば、電気放電法(C.Journet et al., Nature 388, 756(1997)及びD.S. Bethune et al., Nature 363, 605(1993))、レーザー蒸着法(R.E.Smally et al., Science 273, 483(1996))、気相合成法(R.Andrews et al., Chem. Phys. Lett.,303,468, 1999)、熱化学気相蒸着法(W.Z.Li et al., Science, 274, 1701(1996)、Shinohara et al., Jpn.J.Appl.Phys. 37, 1257(1998))、プラズマ化学気相蒸着法(Z.F.Ren et al., Science. 282,1105(1998))等により製造されたものでもよい。尚、合成に際し金属触媒が用いられた粗生成物に関しては、酸で処理して金属触媒を除去することが好適である。酸処理に関しては、例えば、特開2001−26410記載のように、酸水溶液としては硝酸溶液又は塩酸溶液を用い、例えば、硝酸溶液は50倍の水に希釈された溶液を、塩酸溶液も50倍の水に希釈された溶液を使用する手法を挙げることができる。そして、このように酸処理した後、洗浄し、フィルタリングし、カーボンナノチューブ水溶液とする。
導電性フィラーとしては、上記のようなナノカーボン類を単独で用いてもよく、又2種以上を併用してもよい。さらに、ナノカーボン類と併せて、カーボンブラックや金属系フィラー、金属酸化物系フィラーといった、その他の導電性フィラーを1種以上併用することも可能である。
エラストマーとしては、例えば、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリウレタン系、ポリオレフィン系の各種熱可塑性エラストマーや、天然ゴム、合成ゴム等の熱硬化性エラストマーを用いることができる。これらの中でも、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(熱可塑性ポリウレタン:TPU)や、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー(例えば、市販品としてサントプレーン)や、熱硬化性エラストマー(例えば、SBR)が好適である。
次に、熱可塑性ポリウレタン(TPU)としては、ポリマーポリオールより形成されるソフトセグメントと、ウレタン基(ウレタン結合)より形成されるハードセグメントとから構成されていることが好適である。例えば、1,4−ブタンジオールとアジピン酸との縮合により両末端にヒドロキシル基を有するアジペート型ポリエステルポリオールと、短鎖ジイソシアネートであるヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)との重付加反応(ウレタン化反応)により生成される熱可塑性ポリウレタン等が挙げられる。
ポリオールとしては、縮重合型ポリエステルポリオールのほか、ε−カプロラクトン等の環状エステルの開環重合により得られるポリエステルポリオール、環状エーテルの開環重合により得られるポリエーテルポリオール、及びこれらの共重合により得られるポリエーテルエステルポリオール等が用いられる。こられのポリオールに1,4−ブタンジオール等を併用することもできる。ポリオールの数平均分子量は、通常500〜10000であり、500〜4000であることが好ましい。この数平均分子量が500未満の場合には、ソフトセグメントが少なくなり、相対的にハードセグメントが多くなって熱可塑性ポリウレタンエラストマーが硬くなり、感触が悪くなる傾向を示す。一方、数平均分子量が10000を越える場合には、ソフトセグメントが多くなり、相対的にハードセグメントが少なくなって結晶性が低下し、溶融時の粘度変化が小さくなり、成形性が悪化する傾向を示す。
ポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、水添MDI、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等が用いられる。これらのポリイソシアネートのうち、分子構造が対称性を有するHDI、MDI及び水添MDI等が好ましい。また、両末端にイソシアネート基を有するイソシアネート末端プレポリマーを用いることにより、ハードセグメントの水素結合力を高めたり、結晶相を成長させたりすることができる。
ポリオール中のヒドロキシル基(OH基)の当量に対するポリイソシアネートのイソシアネート基(NCO基)の当量の比(NCO基/OH基)は、0.95〜1.05であることが好ましい。この比が0.95未満のときには、スラッシュ成形時における成形性は向上するが、得られる表皮材の耐薬品性等の物性が低下する。一方、1.05を越えるときには、アロファネート結合、ビューレット結合等によって架橋度が高くなり過ぎ、成形性が低下する。
熱可塑性ポリウレタンの原料としては、上記のポリオール及びポリイソシアネートのほかにその他の添加剤を配合することができる。そのような添加剤としては、例えばタルク、シリカ、炭酸カルシウム等の無機充填剤が挙げられる。無機充填剤を配合することにより、エラストマーの剛性を高めたり、粉末化する場合の粉砕性を向上させることができる。また、その他の添加剤として、樹脂又はゴムを配合することもできる。樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂等が挙げられる。ゴムとしては、エチレン−α−オレフィン共重合ゴム、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合ゴム(SEBS)等が用いられる。
次に、液状可塑剤としてのトリメリット酸エステルは、トリメリット酸(1,2,4−ベンゼントリカルボン酸)のエステルであり、通常トリメリット酸のトリアルキルエステルで、そのアルキル基の炭素数が4〜11の化合物をいう。トリメリット酸エステルとして具体的には、トリメリット酸トリブチル、トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル(TOTM)、トリメリット酸トリイソデシル等が挙げられる。これらのトリメリット酸エステルのうち、トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシルが最も代表的である。トリメリット酸エステルは、沸点が高く、常温では液状であり、ポリ塩化ビニル樹脂及び熱可塑性ポリウレタンエラストマーと相溶してポリマーアロイ化してなる材料に可塑性を付与するものである。また、トリメリット酸エステルは、耐熱性、耐寒性、耐溶剤性、耐油性等に優れている。
ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、市販品としてサントプレーンに代表されるような海島構造を有するエラストマーを使用することができる。当該エラストマーは、海相を形成するポリマーと、島相を形成するポリマーとを含有する。島相を形成するポリマーとしては、特に限定されないが、例えば、エラストマーが好適である。ここで、エラストマーとしては、天然ゴムであっても、エチレン/プロピレンゴム(EPR)、エチレン/プロピレン/ジエンモノマーゴム(EPDM)、スチレンブロックコポリマーゴム(SEBS、SI、SIS、SB、SBS、SIBSなどを含む。ここで、Sはスチレン、EBはランダムエチレン+ブテン、Iはイソブチレン、及びBはブタジエンを意味する)、ブチルゴム、ハロブチルゴム、イソブチレン/パラ−アルキルスチレンコポリマー、イソブチレン/パラ−アルキルスチレンコポリマー、イソブチレン/パラ−アルキルスチレンハロゲン化コポリマー、ポリイソブチレン、アクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、ポリクロロプレン、アルキルアクリレートゴム、塩素化イソブチレンゴム、アクリロニトリル塩化イソブチレンゴム、ポリブタジエンゴム等の合成ゴムであってもよい。これらの中でも、エチレン/プロピレン/ジエンモノマーゴム(EPDM)のようなエチレン/α‐オレフィン/ジエンターポリマーを含むエラストマーであることが好適である。
エチレン/α‐オレフィン/ジエンターポリマーにおいて使用されるジエンモノマーとしては、炭素数30以下(好適には20以下)の整数である共役(又は非共役)ジエンであることが好適である。ここでジエンとしては、5‐エチリデン‐2‐ノルボルネン(ENB)、1,4‐ヘキサジエン、1,6‐オクタジエン、5‐メチル‐1,4‐ヘキサジエン、3,7‐ジメチル‐1,6‐オクタジエン、ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエンや、これらのうち二種類以上の組合せが挙げられる。ジエンモノマーの含有量は、ポリマー全体の質量に対して、1〜15質量%が好適であり、5〜11質量%がより好適である。
エチレン/α‐オレフィン/ジエンターポリマーにおいて使用されるα‐オレフィンとしては、炭素数3〜8の整数のα‐オレフィンを使用することが好適である。これらの中でも特に、プロピレンが好適に用いられる。
続いて、島相として使用されるエラストマーは、硬化又は架橋されていることが好適である。このように硬化又は架橋されていることによって、より容易に本形態に係る複合材料を製造することが可能となる。特に、動的に架橋されたエチレン/α‐オレフィン/ジエンターポリマーを使用することが好適である。「動的に架橋された」とは当該ポリマーが溶融混練されている条件等、高せん断の条件の下で架橋されたことを意味する。尚、ここで用いる架橋剤としては、公知の架橋剤を使用することができるが、例えば、硫黄や過酸化物等の架橋剤を用いることができる。また架橋する際に架橋剤に加えて、オキシムニトロソ化合物や、ジメタクリレート系、トリエステル系又はトリアリルイソシアヌレート系のモノマーや、ポリブタジエン等のポリマーを使用してもよい。さらに、公知の架橋促進剤を加えてもよい。
海相を形成するポリマーとしては、上記の島相を形成するポリマーと同様のものが使用でき、特に限定されないが、炭素数2〜10の整数であるオレフィンを重合して得られるポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂であることが好適である。また、前記オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1‐ブテン、1‐ペンテン、4‐メチル‐1‐ペンテン、1‐ヘキセン、1‐オクテン、1‐ノネン、1‐デセン等のα‐オレフィンが挙げられる。
ここで、島相を形成するポリマーのポリマー成分全体の割合は、35〜85wt%が好適であり、40〜80wt%がより好適であり、55〜75質量%がより好適である。
熱硬化性エラストマーとしては、天然ゴムであっても、エチレン/プロピレンゴム(EPR)、エチレン/プロピレン/ジエンモノマーゴム(EPDM)、スチレン/ブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム、ハロブチルゴム、イソブチレン/パラ−アルキルスチレンコポリマー、イソブチレン/パラ−アルキルスチレンコポリマー、イソブチレン/パラ−アルキルスチレンハロゲン化コポリマー、ポリイソブチレン、アクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、ポリクロロプレン、アルキルアクリレートゴム、塩素化イソブチレンゴム、アクリロニトリル塩化イソブチレンゴム、ポリブタジエンゴム等の合成ゴムであってもよいし、これらのうち二種類以上の組合せであってもよい。これらの中でも、スチレン/ブタジエンゴム(SBR)を含むことが好適である。
(その他、任意成分)
本形態に係る導電性エラストマーには、任意成分として、導電性フィラー以外のフィラー、例えばガラス繊維、その他無機・有機系各種フィラー類等を含有することが出来る。また樹脂・ゴム工業で一般的に用いられている各種添加剤を用いることが出来る。例えば、補強剤、酸化・老化防止剤、着色剤等が挙げられる。
(導電性エラストマーの組成)
ここで、本発明に係る導電性エラストマーにおけるナノカーボンの濃度は、固形分中0.1〜50wt%が好適であり、0.2〜30wt%がより好適であり、0.5〜10wt%であることが更に好適であり、0.5〜7wt%であることが特に好適である。
(導電性エラストマーの性質)
本発明に係る導電性エラストマーの体積抵抗値の上限値は、用途によって適宜選択されるが、通常は1×1010Ω・cm以下が好適であり、1×10Ω・cm以下がより好適であり、1×10Ω・cm以下が更に好適である。下限値については特に制限はないが、ナノカーボンの添加量とポリマー物性、コスト等との兼ね合いから、通常は1×10−2Ω・cm、好ましくは10−1Ω・cmである。
(製造方法)
本発明に係る導電性エラストマーは、公知の方法により製造することができ、例えば、混練によってエラストマーとナノカーボンを混合することができる。ここで、混練は、ニーダー、ラボプラストミル、ロール等の周知の混練装置を用いて行なうことが可能である。帯電防止タイヤは、公知の方法により製造することができるが、例えば、圧縮成形や、射出成形によって製造することができる。
実施例1
カーボンナノチューブ(CNT,ナノシル社製NC7000、チューブ径9.5nm)と、熱可塑性エラストマーである熱可塑性ウレタン(TPU,BASFジャパン製)を下記の表1記載の組成にしたがって混合し、ラボプラストミルとロールによって混練した。混練した組成物を溶融し射出成形により実施例1に係る導電性タイヤを製造した。
実施例2
実施例2においては、カーボンナノチューブ(CNT,ナノシル社製NC7000、チューブ径9.5nm)と、スチレン−ブタジエンゴム(SBR,スチレンブタジエン共重合体に対して加硫剤及び加硫促進剤を添加)を下記の表1記載の組成にしたがって混合し、ラボプラストミルとロールによって混練した。混練した組成物を160℃にてプレスして実施例2係る導電性タイヤを得た。
比較例1
カーボンナノチューブをケッチェンブラック(CB,EC600JD、ケッチェンブラックインターナショナル社製)に代えた以外は上記実施例2と同様にして、比較例1の導電性タイヤを製造した。
導電性
三菱化学製ロレスタにより当該タイヤの体積抵抗値(Ω・cm)を測定した。結果を表1に示す。
走行性試験
走行性は、JIS B8923に従って行った。但し、走行距離を300kmとして評価を行った。結果を表1に示す。
マーキング性試験
キャスターのトッププレートを回転盤に固定し、キャスターの車輪と木製板を重ね合わせて一定の力を加えて、回転盤を回転させることにより、板に対して車輪を擦り合わせた。ここで、回転盤の回転は一定方向とし、回転回数50回と300回の試験を行なった。その結果、板に黒く汚れが発生するかについて評価した。ここで、「○」は殆ど黒く写らない、「△」は若干写る、「×」は明確に写ることを示す。結果を表1に示す。
Figure 2011162167
100:車輪
111:軸受け部
112:ハブ部
113:リム部
114:スポーク部
120:タイヤ部
200:キャスター
201:トッププレート
202:車輪用フレーム
203:連結部
204:車軸

Claims (7)

  1. 導電性を有するキャスター用帯電防止タイヤにおいて、
    前記タイヤが、ナノカーボンとエラストマーとを含有する導電性エラストマーからなることを特徴とする、帯電防止タイヤ。
  2. 前記ナノカーボンが、カーボンナノチューブであることを特徴とする、請求項1記載の帯電防止タイヤ。
  3. 前記エラストマーが、熱可塑性エラストマーであることを特徴とする、請求項1又は2記載の帯電防止タイヤ。
  4. 前記熱可塑性エラストマーが、熱可塑性ポリウレタンであることを特徴とする、請求項3記載の帯電防止タイヤ。
  5. 前記エラストマーが、スチレン−ブタジエンゴムであることを特徴とする、請求項1又は2記載の帯電防止タイヤ。
  6. 中心に形成された軸受けを有するハブと、
    外周部分に形成されたリムと、
    前記ハブとリムとを連結する複数のスポークとを有し、
    更に前記リムの外周面に周回するように形成された請求項1〜5のいずれか一項記載のタイヤと、を有する帯電防止車輪。
  7. 上部に位置するトッププレートと、
    連結部を介して前記トッププレートと回転可能に連結された車輪用フレームと、
    前記車輪用フレームと車軸によって回転可能に取り付けられている、請求項6記載の車輪と、を有する帯電防止キャスター。
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