JP6625919B2 - 熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車、機械、建設資材、衣料、電子材料、食品容器、家電、電気機器、医療用具、包装資材、文具・雑貨用品等の各種成形品に有用な熱可塑性エラストマー組成物、該組成物からなる成形体、及び該組成物が部材に融着した複合成形体に関する。
自動車、機械、建設資材、衣料、電子材料、食品容器、家電、電気機器、医療用具、包装資材、文具・雑貨用品等の各種成形品に有用な組成物として、スチレン系ブロック共重合体を含む熱可塑性エラストマー組成物が提案されている。この熱可塑性エラストマー組成物は、成形品の用途に応じて種々の物性が求められる。例えば、各種スポーツ用品や靴底、電動工具のグリップや給紙ローラー、パレット等のすべり防止ラバーに用いるためには、滑りを防ぐための高い摩擦係数が必要である。摩擦係数は例えばJISに準拠した方法で測定できるが、触感としては滑り感と、その逆のベタツキ感として現れやすい。ベタツキ感は、表面と水平方向に滑らない防滑性と、表面に垂直方向に離れにくい、いわゆるタックとの複合したものであり、表面にタック性のあるものは、接触物に貼りつくので静摩擦係数の値は大きくなるが、実際の用途ではタックのある表面にはほこりや砂が付着しやすく、こうして汚れた表面は美観を損ねるだけでなく、摩擦係数が大幅に減少してしまうので、すべり防止ラバーとしては不十分なものである。
スチレン系ブロック共重合体のなかでも、ジブロック共重合体は一般的性状としての表面ベタツキ感が現れやすいことが知られており、特許文献1には、摩擦係数の大きい熱可塑性エラストマー組成物及びそれからなる滑り止め部材として、トリブロック型の熱可塑性スチレン系ブロック共重合体とジブロック型の熱可塑性スチレン系ブロック共重合体とを併用すると、摩擦係数が大きくなることが開示されている。しかしながら、ジブロック型の熱可塑性スチレン系ブロック共重合体はタックが現れることと、耐熱性に劣ることは技術常識であり、ジブロック型の熱可塑性スチレン系ブロック共重合体の併用を必須とする組成物では、清浄表面での摩擦係数は大きな値が得られたとしても、表面のタックにほこりや砂が付着しやすいため、すべり防止ラバーとしては不十分なものである。
一方、摩擦係数が高い素材として、コルクが知られており、例えば、特許文献2には、10〜80メッシュ程度のコルク粒子を、接着剤を介して一体に成形してなるコルク摩擦材が、クラッチやブレーキシュー等の摩擦材に用いられることが開示されている。
特開2004−238570号公報 特開昭62−72941号公報
従って、すべり防止ラバーとして用いることのできる、スチレン系ブロック共重合体を含む摩擦係数の大きい熱可塑性エラストマー組成物が知られているが、ベタツキがあって汚れやすい。また、特許文献2には、コルクは優れた摩擦係数を有することや、コルク摩擦材に油を含浸させたものは耐摩耗性が向上することなどが記載されているが、摩擦力としては不十分なものである。
本発明の課題は、タックがなく、かつ摩擦係数が高い熱可塑性エラストマー組成物、該組成物からなる成形体、及び該組成物が部材に融着した複合成形体を提供することにある。
本発明は、
〔1〕 スチレン系ブロック共重合体Aと、該スチレン系ブロック共重合体A 100質量部に対して1〜100質量部の木質フィラーBを含有し、A硬度が20〜95である、熱可塑性エラストマー組成物、
〔2〕 前記〔1〕記載の熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体、並びに
〔3〕 前記〔1〕記載の熱可塑性エラストマー組成物と非極性樹脂とが融着してなる複合成形体
に関する。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、表面のタックがないにもかかわらず摩擦係数が高く触感が良いので、すべり防止ラバーとして実用性の高いものであり、さらに成形性や非極性樹脂への融着性にも優れるため、各種工業製品、部品としても応用しやすいものである。
実施例で実施した摩擦係数の測定方法を示す概略図である。 JIS-K7125に規定の方法による摩擦係数の測定方法を示す概略図である。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、スチレン系ブロック共重合体Aと木質フィラーBを含有するものである。
本発明におけるスチレン系ブロック共重合体Aは、柔軟性と成形性の観点から、硬い部分(ハードセグメント)と柔らかい部分(ソフトセグメント)とから構成されていることが好ましく、ハードセグメントとしてスチレン系単量体からなる重合体のブロック単位(s1)と、ソフトセグメントとして共役ジエン化合物からなる重合体のブロック単位(b1)とを有するブロック共重合体(Z1)であることがより好ましい。
ブロック単位(s1)を構成するスチレン系単量体としては、スチレン、o-メチルスチレン、p-メチルスチレン、p-tert-ブチルスチレン、1,3-ジメチルスチレン、α-メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等が挙げられる。
ブロック共重合体(Z1)におけるスチレン系単量体単位の含有量は、柔軟性と非極性樹脂への融着性の観点から、好ましくは10〜50質量%、より好ましくは15〜40質量%である。
ブロック単位(b1)を構成する共役ジエン化合物としては、ブタジエン、イソプレン、1,3-ペンタジエン等が挙げられる。
ブロック共重合体(Z1)は、水素添加することにより不飽和結合が減少し、耐熱性、耐候性及び機械的特性が向上することから、その一部又は全部が水素添加されていることが好ましい。水素添加率は、80%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。本発明において、水素添加率は、ブロック共重合体中の共役ジエン化合物に由来する炭素−炭素二重結合の含有量を、水素添加の前後において、1H-NMRスペクトルによって測定し、該測定値から求めることができる。
ブロック共重合体(Z1)の水素添加物の具体例としては、スチレン−エチレン・ブチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン・プロピレンブロック共重合体、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン−エチレン・プロピレンブロック共重合体、スチレン−(エチレン−エチレン・プロピレン)−スチレンブロック共重合体(SEEPS)、スチレン−エチレン・ブチレン(スチレン制御分布)−スチレンブロック共重合体(SEB(S)S)、スチレン−イソブチレンブロック共重合体、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体、(α-メチルスチレン)−エチレン・ブチレンブロック共重合体、(α-メチルスチレン)−エチレン・ブチレン−(α-メチルスチレン)ブロック共重合体等が挙げられる。これらは、単独であっても、2種以上の混合物であってもよいが、原料調製及び作業性の観点から、SEBS、SEPS、及びSEEPSが好ましく、SEBS及びSEEPSがより好ましい。
本発明において、スチレン系ブロック共重合体Aは、耐熱性の観点から、〔ブロック単位(s1)−ブロック単位(b1)〕型のジブロック共重合体よりも〔ブロック単位(s1)−ブロック単位(b1)−ブロック単位(s1)〕型のトリブロック共重合体が好ましい。前記水素添加物のなかで、トリブロック共重合体としては、SEBS、SEPS、SEEPS、SEB(S)S、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体、(α-メチルスチレン)−エチレン・ブチレン−(α-メチルスチレン)ブロック共重合体等が挙げられる。
トリブロック共重合体の含有量は、スチレン系ブロック共重合体A中、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上である。
スチレン系ブロック共重合体Aの重量平均分子量は、耐オイルブリード性の観点から、好ましくは50,000以上、より好ましくは100,000以上であり、成形性の観点から、好ましくは500,000以下、より好ましくは300,000以下である。スチレン系ブロック共重合体Aが複数のブロック共重合体からなる場合は、各ブロック共重合体の重量平均分子量の加重平均値が上記範囲内に入ることが好ましい。
熱可塑性エラストマー組成物中のスチレン系ブロック共重合体Aの含有量は、好ましくは10〜70質量%、より好ましくは15〜35質量%である。
木質フィラーBは、草木類等の植物由来の粉粒体を意味し、例えばコルク、木材、竹、籾殻、ケナフ等の粉粒体が挙げられる。適度な硬さを有するフィラーを含有させると、熱可塑性エラストマー組成物の摩擦係数が大きくなる。前記木質フィラーBのなかでは、適度な硬さと柔軟性を併せ持ち、組成物を溶融混合しても細胞壁構造の中空性が保たれるコルクが好ましい。
木質フィラーBの粒径は、成形体表面の平滑性を保つ観点からは小さい方が好ましく、また、木質フィラー独特の風合いが感じられる観点からは、ある程度の大きさのある方が好ましい。これらの観点から、木質フィラーBの平均粒径は、好ましくは0.01〜5mm、より好ましくは0.5〜1mmである。なお、木質フィラーBの粒径は、コールターカウンターやレーザー回折式粒度分布計、顕微鏡による画像からの測長解析等の粒度測定方法により測定することができるが、本発明では、粗大粒子や不定形粒子も含めて精確な測長が可能である顕微鏡画像解析法により測定した体積基準のメジアン径を木質フィラーBの平均粒径とする。
また、本発明の熱可塑性エラストマー組成物に好適な粒径の木質フィラーを得る方法としては、木材チップクラッシャーやハンマークラッシャー等の公知の粉砕方法で粉砕した木質材料を、振動篩や、気流分級機等の分級方法によって分級する方法を挙げることができる。粉砕方法の排出口にスクリーンメッシュを設置して粗大粒子を除く方法も分級方法の一種として機能するが、さらに好ましいのは、2種類の篩を用いて、上限の目開きを有する篩を通過したもので、下限の目開きを有する篩は通過せず篩上に残ったものを用いる分級方法であり、粗大粒子が除かれると共に、小さすぎて組成物の溶融粘度を上昇させる微粒子をカットできる点が好ましい。
木質フィラーBの含有量は、スチレン系ブロック共重合体A 100質量部に対して、摩擦係数の観点から、1質量部以上、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上であり、溶融流動性を高める観点から、100質量部以下、好ましくは70質量部以下、より好ましくは60質量部以下である。
また、木質フィラーBの含有量は、熱可塑性エラストマー組成物中、好ましくは1〜40質量%、より好ましくは3〜30質量%、さらに好ましくは5〜20質量%である。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、熱可塑性エラストマー組成物の柔軟性向上の観点から、さらに、軟化剤Cを含むことが好ましい。
軟化剤Cとしては、例えば、パラフィンオイル、ナフテンオイル、芳香族系オイル等のゴム用軟化剤等が挙げられるが、これらのなかでは、スチレン系ブロック共重合体Aとの親和性が良好で、ブリードが起きにくいという観点から、パラフィンオイルが好ましい。
軟化剤Cの40℃での動粘度は、高い方が、加熱溶融時の揮発を防ぎ、耐ブリード性も良くなることから、好ましくは10mm2/s以上、より好ましくは30mm2/s以上、さらに好ましくは50mm2/s以上であり、低い方が取扱いが容易であることから、好ましくは500mm2/s以下、より好ましくは300mm2/s以下、さらに好ましくは200mm2/s以下であり、耐摩耗性向上の観点から、さらに好ましくは150mm2/s以下である。
軟化剤Cの含有量は、ブロック共重合体A 100質量部に対して、熱可塑性エラストマー組成物の柔軟性を向上させる観点から、好ましくは1質量部以上、より好ましくは10質量部以上、さらに好ましくは20質量部以上であり、オイルブリードによるベタツキの抑制及び非極性樹脂への融着性向上の観点から、好ましくは200質量部以下、より好ましくは175質量部以下、さらに好ましくは150質量部以下である。
また、熱可塑性エラストマー組成物中の軟化剤Cの含有量は、好ましくは10〜70質量%、より好ましくは30〜60質量%である。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、成形性の観点から、さらに、ポリオレフィン樹脂Dを含むことが好ましい。
ポリオレフィン樹脂Dとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等が挙げられる。この中では、スチレン系ブロック共重合体Aとなじみの良いポリプロピレン及びエチレン−プロピレン共重合体が好ましく、ポリプロピレンがより好ましい。共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体及びグラフト共重合体のいずれであってもよい。
ポリオレフィン樹脂Dは、熱可塑性エラストマー組成物の分散性及び成形性の観点から溶融流動性が高い方が好ましい。溶融流動性はメルトマスフローレイト(MFR)によって評価することができ、ASTM D1238に準拠し、230℃、荷重21.2Nの条件で、0.1g/10min以上が好ましく、より好ましくは1g/10min以上、さらに好ましくは5g/10min以上であり、組成物の製造工程での混錬のしやすさから、100g/10min以下が好ましい。
ポリオレフィン樹脂Dの含有量は、ブロック共重合体A 100質量部に対して、成形性の観点から、好ましくは1質量部以上、より好ましくは10質量部以上、さらに好ましくは20質量部以上であり、柔軟性の観点から、好ましくは150質量部以下、より好ましくは100質量部以下、さらに好ましくは80質量部以下である。
また、熱可塑性エラストマー組成物中のポリオレフィン樹脂Dの含有量は、本発明の熱可塑性エラストマー組成物中、好ましくは2〜60質量%、より好ましくは5〜40質量%である。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、他の熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーを含有していてもよい。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、カーボンブラック、シリカ、炭素繊維、ガラス繊維等の補強剤、無機充填剤、絶縁性熱伝導性フィラー、顔料、水和金属化合物、赤燐、ポリリン酸アンモニウム、アンチモン、シリコーン等の難燃剤、帯電防止剤、粘着付与剤、架橋剤、架橋助剤、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、ブロッキング防止剤、シール性改良剤、離型剤、着色剤、香料等の各種添加剤を含有していてもよい。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、例えば、スチレン系ブロック共重合体A及び木質フィラーB、さらに必要に応じて、軟化剤C、ポリオレフィン樹脂D、その他添加剤等を含む原料を混合し、冷却により固化させて得られる。
本発明でいう「混合」とは、各種成分が良好に混合される方法であれば特に限定されず、各種成分を溶解可能な有機溶媒中に溶解させて混合してもよいし、溶融混練によって混合してもよい。
溶融混合する場合には、ニーダーや一般的な溶融押出機を用いることができ、混練状態の向上のため、単軸の押出機を使用することが好ましい。押出機への供給は、各種成分を直接押出機に供給しても良く、予めヘンシェルミキサー等の混合装置を用いて各種成分を混合したものを一つのホッパーから供してもよいし、二つのホッパーにそれぞれの成分を仕込みホッパー下のスクリュー等で定量しながら供してもよい。
熱可塑性エラストマー組成物は、溶融混合して得たものを直接成形体に成形して利用する他に、用途に応じて、最終製品として利用される成形体にする前に、いったんペレット、粉体、シート等の中間製品とすることができる。例えば、押出機によって溶融混合してストランドに押出し、冷水中で冷却しつつカッターによって円柱状や米粒状等のペレットに切断される。得られたペレットは、通常、射出成形、押出成形、プレス成形等の成形方法によって所定のシート状成形品や金型成形品とすることができる。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物のA硬度は、柔軟性の観点から、95以下、好ましくは90以下、より好ましくは85以下、さらに好ましくは80以下であり、ベタツキ抑制の観点から、20以上、好ましくは25以上、より好ましくは30以上である。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物の190℃、荷重21.2Nでのメルトマスフローレイトは、成形性の観点から、好ましくは0.01g/10min以上、より好ましくは0.1g/10min以上であり、溶融混練時の分散性の観点から、好ましくは10g/10min以下、より好ましくは5g/10min以下である。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物を、常法に従って、適宜加熱成形することにより、成形体が得られる。本発明の熱可塑性エラストマー組成物を加熱成形して得られる成形体の用途は、特に限定されるものではなく一般的なスチレン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、アクリル系エラストマーやポリエステル系エラストマー等が用いられる分野に用いることができる。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物を用いた成形体の製造に用いられる装置は、成形材料を溶融できる任意の成形機を用いることができる。例えば、ニーダー、押出成形機、射出成形機、プレス成形機、ブロー成形機、ミキシングロール等が挙げられる。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、複合成形用材料としても用いることができ、非極性樹脂と良好に融着する他、極性エラストマー等を併用すると、金属、セラミック、ガラス及び極性樹脂等の極性のある部材に対しても良好な接着性を示す。
従って、本発明はさらに、本発明の熱可塑性エラストマー組成物と部材、好ましくは非極性樹脂とが融着し、一体となった複合成形体を提供する。これにより、複雑な接合面を有する部材や、互いに異なる形状の接合面を有する部材の複合化も可能となる。
非極性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等が挙げられる。この中では、非極性樹脂への融着性の観点から、ポリプロピレンが好ましい。共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体及びグラフト共重合体のいずれであってもよい。
本発明において、融着は、本発明の熱可塑性エラストマー組成物の融点以上の熱を加えて、融液にした後、融点以下の温度にして固化することで、融着対象の界面に固着する現象をいう。熱を加えるには、熱プレス機、加熱ロール機、熱風発生機、加熱蒸気、超音波ウェルダー、高周波ウェルダー、レーザー等を用いることができる。従って、融着部の界面が複雑な立体形状であっても、複雑な立体形状にうまくなじみ成形一体化することができる。熱可塑性エラストマー組成物と部材との融着は、全体にわたっていても、一部であってもよい。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物が部材に融着した複合成形体は、射出成形、射出圧縮成形、インサート成形、多色成形、真空成形、圧空成形、ブロー成形、熱プレス成形、発泡成形、レーザー融着成形、押出成形等の方法により、成形加工して得ることができるが、本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、接着剤のように自身が粘着性を有するものではなく、取り扱いが容易であるため、射出成形にも適用することができる。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物が部材に融着した複合成形体としては、熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体に非極性樹脂がインサートされたインサート成形体、熱可塑性エラストマー組成物と、非極性樹脂とを多色成形して得られる複合成形体等が挙げられる。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物、該組成物を用いた成形体及び複合成形体は、摩擦係数が高いことから、すべり防止材として用いることができる。すべり防止材としては、グリップテープ、グリップ材、マット、靴底や中敷き、手袋のあたり部、床、グレーチング、足場板、スロープ、階段等のすべり防止部材等が挙げられるが、ベタツキもなく、触感が良好であることから、工具やスポーツ用品のグリップ材やペングリップ等の文房具の手で握る部品等としても好適に用いることができる。
以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。実施例及び比較例で使用した原料等の各種物性は、以下の方法により測定した。
<成分A(スチレン系ブロック共重合体)>
〔スチレン系単量体単位の含有量〕
核磁気共鳴装置(ドイツ国BRUKER社製、DPX-400)によって、プロトンNMR測定を行い、スチレンの特性基の定量を行うことによってスチレン及び/又はスチレン誘導体の含有量を決定する。
〔重量平均分子量(Mw)〕
以下の測定条件で、ゲルパーミエーションクロマトグラフにより、ポリスチレン換算で分子量を測定し、重量平均分子量を求める。
測定装置
・ポンプ:JASCO(日本分光株式会社)製、PU-980
・カラムオーブン:昭和電工株式会社製、AO-50
・検出器:日立製、RI(示差屈折計)検出器 L-3300
・カラム種類:昭和電工株式会社製「K-805L(8.0×300mm)」及び「K-804L(8.0×300mm)」各1本を直列使用
・カラム温度:40℃
・ガードカラム:K-G(4.6×10mm)
・溶離液:クロロホルム
・溶離液流量:1.0ml/min
・試料濃度:約1mg/ml
・試料溶液ろ過:ポリテトラフルオロエチレン製0.45μm孔径ディスポーザブルフィルタ
・検量線用標準試料:昭和電工株式会社製ポリスチレン
<成分B(木質フィラー)>
〔平均粒径〕
キーエンス社製のレーザーマイクロスコープVK-9700を用い、ガラス板上に分散した木質フィラーの拡大像を撮影し、任意に選んだ100個の粒子の画像解析により、一定方向に測長した粒径を球形近似して、体積基準のメジアン径を算出し、平均粒径とする。この方法はフェレー法として従来から知られている粒径の解析方法である。
<成分C(軟化剤)>
〔動粘度〕
JIS Z 8803に従って、40℃の温度で測定する。
<成分D(ポリオレフィン樹脂)>
〔メルトマスフローレイト(MFR)〕
ASTM D1238に準拠して、230℃、荷重21.2Nの条件で測定する。
実施例1〜6及び比較例2、3(実施例3は参考例である)
(1) 熱可塑性エラストマー組成物の作製
軟化剤以外の表6に示す材料をドライブレンドし、これに軟化剤を含浸させて混合物を作製した。その後、混合物を下記の条件で、押出機で溶融混合して、ストランドに押出し、冷水中で冷却しつつカッターによって、直径3mm程度、長さ3mm程度に切断し、熱可塑性エラストマー組成物のペレットを製造した。
〔溶融混合条件〕
押出機:B-40mm ベントタイプ単軸押出機(商品名、石中製作所製)
L/D:37
回転速度:100r/min
実施例及び比較例で使用した表6に記載の原料の詳細は以下の通り。
Figure 0006625919
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(2) 熱可塑性エラストマー組成物の成形体の作製
ペレットを、下記の条件でプレス成形し、厚さ2mm×幅125mm×長さ125mmのプレート状のプレス成形体を作製した。
〔プレス成形条件〕
プレス成形機:42ton加熱冷却二段油圧成形機100MSIII-10E(商品名、東邦マシナリー(株)製)
加熱圧力:5MPa
加熱時間:2分
冷却圧力:5MPa
冷却時間:2分
比較例1
尿素系樹脂(アイカ工業社製、UN-830J)100質量部、小麦粉27質量部、水16質量部、及び硬化剤(アイカ工業社製、UH-10)1質量部を混合し、接着剤混合物を得た。
得られた接着剤混合物80質量部と、コルク粒(体積基準メジアン径:0.8mm)100質量部とをよく混合した後、厚さ10mm、125mm角の金型に詰めて90℃、5MPaで2分間プレス成形し、その後2分間冷却して取り出したものを、カッターでスライスして、中心部から、厚さ2mm、125mm角のコルクシートを切り出した。
実施例1〜6及び比較例2、3で得られた組成物と、比較例1のコルクシートについて、下記の測定又は評価を行った。結果を表6に示す。
(1) A硬度(柔軟性)
プレス成形体又はコルクシートを雰囲気温度23℃で24時間静置したものを用い、JIS K 6253で規定される方法に準拠してデュロメータA硬度を測定した。
(2) メルトマスフローレイト(MFR)
プレス成形体又はコルクシートを用い、ASTM D1238に準拠して、190℃、荷重2.16kgの条件で測定した。
(3) 摩擦係数
JIS K7125に規定のフェルト面を有するSUS製の錘すべり片(200g)を使用し、プレス成形体及びコルクシートの摩擦係数を測定した。
具体的には、図1に示すように、底面に63mm四方のフェルト面1を有する接触面積40cm2の錘すべり片2を、100mm/minの速度で、シート試料3上で矢印方向に移動させ、フェルト面1とシート試料3の表面との間の静摩擦係数と動摩擦係数を測定した。
なお、摩擦係数の測定方法として一般的なJIS K7125の規定では、図2に示すように、接触面積40cm2の錘すべり片2の63mm四方のフェルト面1を厚さ0.5mm以下のシート試料3にあてて、相手材4上で、錘すべり片2とシート試料3とを同時に矢印方向に100mm/minの速度で移動させ、シート試料3と相手材4との間の摩擦係数を測定する。従って、本実施例での測定方法とJIS K7125の規定の測定方法では、摩擦係数の測定部が異なる。
両者の測定方法の相違点を明確にするために、図1では、フェルト面1とシート試料3との間に、図2では、シート試料3と相手材4との間に、それぞれ間隙を設けているが、実際には、上記説明の通り、互いに接触している。
(4) 表面ベタツキ性
プレス成形体又はコルクシートを雰囲気温度23℃で24時間静置した後、表面を目視により観察するとともに指で触り、以下の評価基準に従って、表面ベタツキ性を評価した。
<評価基準>
◎:目視ではぬれ光沢はなく、表面がさらっとして貼りつき感がない。
○:目視ではぬれ光沢はなく、指で触ると貼りつきはしないが若干ねばり感がある。
△:目視ではぬれ光沢はないが、指で触ると貼りつくようなタックがある。
×:表面にぬれ光沢があって、指で触ると貼りつくようなタックがある。
(5) 非極性樹脂に対する融着力(PP融着力)
ホモポリプロピレン(サンアロマー社製、PM870A)の射出成型プレート(厚さ2mm×幅25mm×長さ125mm)に、長さの一端から40mmまでの間にPTFEテープを巻いたものを金型内にインサートしておき、実施例1〜6及び比較例2、3で得られたペレットを、インサート体を含む全体で厚さ6mm×幅25mm×長さ125mmのサイズとなる金型に230℃で射出成形して、融着試験片(複合成形体)を作製した。
また、比較例1のコルクシートについては、厚さ2mm、125mm角のコルクシートから厚さ2mm×幅25mm×長さ125mmの短冊状のシートを切り出し、長さの一端から40mmまでの間にPTFEテープを巻いたものを金型内にインサートしておき、ホモポリプロピレン(サンアロマー社製、PM870A)を、インサート体を含む全体で厚さ6mm×幅25mm×長さ125mmのサイズとなる金型に230℃で射出成型して融着試験片を作製した。
得られた融着試験片において、容易に剥離可能なPTFEテープ部分をつかみしろとして用い、下記の引張試験を行った。
厚さ2mmのインサート部材(基材層)とその上に成形された厚さ4mmの表皮材層とをそれぞれつかみ具でつかみ、JIS K 6854に準拠した方法により、雰囲気温度23℃で表皮材層と基材層とを180°方向に50mm/minで引張試験を行い、表皮材層と基材層の剥離強度(N/25mm)を測定した。
Figure 0006625919
比較例1のコルクシートはベタツキがなく、触感が良好であるものの、摩擦係数が低く、非極性樹脂に対する融着性も低いのに対し、実施例1〜6のように、スチレン系ブロック共重合体と混合することで、触感を損なうことなく、摩擦係数及び融着性が向上することが分かる。
一方、実施例1と比較例2、実施例2と比較例3との対比により、熱可塑性エラストマー組成物にコルクを配合することにより、摩擦係数が大きくなっており、その傾向は、実施例1においてより顕著に現れていることが分かる。
実施例1は、柔軟性を高める観点からパラフィンオイルが多めに配合されており、コルクを配合していない比較例2ではベタツキが発生していることから、コルクの配合によりベタツキが抑制される効果があることが分かる。
実施例2は、パラフィンオイルが少なく硬めの組成であり、もともと実施例1に比べるとベタツキは小さいが、比較例3と対比すると、コルクの配合により、ベタツキが抑制されていることが分かる。
実施例3は、実施例2においてコルクを多めに配合した組成であるが、溶融混合では状態が安定するまでにやや時間がかかった他、摩擦係数上昇の効果が若干弱く、実施例4は、実施例2においてパラフィンオイルを高粘度タイプのものに変更したものであるが、摩擦係数は実施例2の同等まで上昇していることが分かる。
実施例5、6のように、パラフィンオイル又はポリプロピレンを配合していない組成では流動性が低下するため、MFRが大きく、流動性の高いスチレン系ブロック共重合体を組み合わせることで、成形性を補っているが、実施例5は、PPを配合していないため、PP融着力が若干低く、また、スチレン系ブロック共重合体の分子量が低いため、耐オイルブリード性は高分子量のスチレン系ブロック共重合体を用いる他の実施例よりも若干低くなり、成形品表面を指触すると、ベタツキとはいえないが、若干粘り感があった。実施例6は、オイルを含まないため、成形品表面の粘り感はないが、コルク含量が同程度の実施例3に比べて、溶融混合の状態が安定するまでにさらに時間がかかった。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、自動車、機械、建設資材、衣料、電子材料、食品容器、家電、電気機器、医療用具、包装資材、文具・雑貨用品等の各種成形品に有用であり、さらにはグリップ、チューブ、パッキン、ガスケット、クッション体、フィルム、シート等の各種部材に用いられる。
1 フェルト面
2 錘すべり片
3 シート試料
4 相手材

Claims (4)

  1. スチレン系ブロック共重合体Aと、該スチレン系ブロック共重合体A 100質量部に対して1〜60質量部の木質フィラーBを含有し、A硬度が20〜95である、熱可塑性エラストマー組成物と、非極性樹脂とが融着してなる複合成形体。
  2. 木質フィラーBがコルクである、請求項1記載の複合成形体
  3. さらに、軟化剤Cを、スチレン系ブロック共重合体A 100質量部に対して1〜200質量部含む、請求項1又は2記載の複合成形体
  4. さらに、ポリオレフィン樹脂Dを、スチレン系ブロック共重合体A 100質量部に対して1〜150質量部含む、請求項1〜3いずれか記載の複合成形体
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