JP6629170B2 - 熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents
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Description
〔1〕 スチレン系単量体単位の含有量が45〜80質量%のスチレン系エラストマーAと、重量平均分子量が1,000,000〜7,000,000のポリオレフィン樹脂Bを、前記スチレン系エラストマーA 100質量部に対して5〜50質量部含有し、A硬度が90以下である、熱可塑性エラストマー組成物であって、前記スチレン系エラストマーAが、スチレン系単量体の重合単位であるハードセグメントと、スチレン系単量体とオレフィン及び共役ジエンの少なくともいずれかとの共重合単位であるソフトセグメントとを有するスチレン系共重合体又はその水素添加物である、熱可塑性エラストマー組成物、
〔2〕 前記〔1〕記載の熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体、並びに
〔3〕 前記〔1〕記載の熱可塑性エラストマー組成物と非極性樹脂とが融着してなる複合成形体
に関する。
スチレン系単量体と共役ジエンとの共重合単位であり、共役ジエン単位を主要構成単位として含有する領域とスチレン系単量体単位を主要構成単位として含有する領域とを有するソフトセグメントと、その両端に、スチレン系単量体の重合単位であるハードセグメントを有する、トリブロック型制御分布ブロック共重合体の水素添加物
スチレン系エラストマーA2:
スチレン系単量体と共役ジエンとのランダム共重合単位であるソフトセグメントの両端に、スチレン系単量体の重合単位であるハードセグメントを有するトリブロック型ランダム共重合体の水素添加物
スチレン系エラストマーA3:
スチレン系単量体とオレフィンとのランダム共重合単位であるソフトセグメントを主鎖とし、側鎖として、スチレン系単量体の重合単位であるハードセグメントを有するクロス共重合体
〔スチレン系単量体単位の含有量〕
核磁気共鳴装置(ドイツ国BRUKER社製、DPX-400)によって、プロトンNMR測定を行い、スチレンの特性基の定量を行うことによってスチレン及び/又はスチレン誘導体の含有量を決定する。
以下の測定条件で、ゲルパーミエーションクロマトグラフにより、ポリスチレン換算で分子量を測定し、重量平均分子量を求める。
・ポンプ:JASCO(日本分光(株)製)、PU-980
・カラムオーブン:昭和電工(株)製、AO-50
・検出器:日立製、RI(示差屈折計)検出器 L-3300
・カラム種類:昭和電工(株)製「K-805L(8.0×300mm)」及び「K-804L(8.0×300mm)」各1本を直列使用
・カラム温度:40℃
・ガードカラム:K-G(4.6×10mm)
・溶離液:クロロホルム
・溶離液流量:1.0ml/min
・試料濃度:約1mg/ml
・試料溶液ろ過:ポリテトラフルオロエチレン製0.45μm孔径ディスポーザブルフィルタ
・検量線用標準試料:昭和電工(株)製ポリスチレン
JIS K 7121に準拠した方法により、示差走査熱量計「DSC8500」((株)パーキンエルマージャパン製)を用い、試料を230℃で10分間保った後に毎分10℃の速度で50℃まで冷却し、230℃まで毎分10℃の速度で加熱する。得られたDSC曲線より得られる融解ピークの面積を結晶融解熱とする。
JIS K 7121に準拠した方法により、示差走査熱量計「DSC8500」((株)パーキンエルマージャパン製)を用い、試料を230℃で10分間保った後に毎分10℃の速度で50℃まで冷却し、230℃まで毎分10℃の速度で加熱する。得られたDSC曲線より融解ピークの頂点を融点とする。
〔重量平均分子量(Mw)〕
以下の測定条件で、ゲルパーミエーションクロマトグラフにより、ポリスチレン換算で分子量を測定し、重量平均分子量を求める。
・ポンプ:JASCO(日本分光(株))製、PU-980
・カラムオーブン:昭和電工(株)製、AO-50
・検出器:日立製、RI(示差屈折計)検出器 L-3300
・カラム種類:TSKgel GNH6-HT(7.5×300mm)2本を直列使用
・カラム温度:140℃
・ガードカラム:K-G(4.6×10mm)
・溶離液:o−ジクロロベンゼン(和光純薬工業)と酸化防止剤としてBHT(武田薬品)0.025質量%
・溶離液流量:1.0ml/min
・試料濃度:約1mg/ml
・検量線用標準試料:昭和電工(株)製ポリスチレン
ASTM D1238に準拠して、190℃、公称荷重2.16kgの条件で測定する。
デカン中に分散したポリオレフィン粒子を、ベックマン・コールター社製のコールターカウンター マルチサイザー(II)で測定し、体積基準の平均粒子径を測定する。
〔平均粒子径〕
走査型電子顕微鏡(SEM)装置を用い、測定する。
一次粒子の形状は、走査型電子顕微鏡観察によって直接観察することができ、任意の粒子を30個選んで長径と短径を測長し、楕円に規格化して断面積を算出することで面積基準の平均粒子径を算出することができる。
・SEM:VE-8800(KEYENCE製)
・加速電圧:1.3kV
示差走査熱量測定(DSC)装置を用い、JIS K 7121で規定される方法に準拠して10℃/minで昇温して得られる融解ピークの温度を融点とする。融解ピークが複数表れる場合は、より低い温度で表れる融解ピークを融点とする。
(1) 熱可塑性エラストマー組成物の作製
表4、5に示す材料をドライブレンドし、混合物を下記の条件で、押出機で溶融混合して、ストランドに押出し、冷水中で冷却しつつカッターによって、直径3mm程度、厚さ3mm程度に切断し、熱可塑性エラストマー組成物のペレットを製造した。
押出機:(株)テクノベル製、KZW32TW-60MG-NH
スクリュー回転数:200〜650r/min
シリンダー温度:160℃〜200℃
ペレットを、下記の条件で射出成形し、厚さ2mm×幅125mm×長さ125mmのプレートAを作製した。
射出成形機:三菱重工業(株)製、100MSIII-10E
射出成形温度: 200℃
射出圧力:98MPa、射出速度:50%、保持圧:20%、保持時間:10sec
射出時間:2sec
金型温度:40℃
プレートAを雰囲気温度23℃で24時間静置したものを用い、測定時間:針が試料に接触してから1秒後、荷重:5kg、それ以外の条件はJIS K 6253で規定される方法に準拠してデュロメータA硬度を測定した。
JIS K 7204に準拠し、23℃、摩耗輪;H-22、回転速度;72r/min、回転回数;1,000回、荷重;1000gでプレートAの摩耗損失量(mg)を測定した。摩耗損失量は、200mg以下が好ましく、より好ましくは100mg以下である。
JIS K5600-5-4(塗料一般試験方法−第5部:塗膜の機械的性質−第4節:引っかき硬度(鉛筆法))に準拠し、安田精機製作所の鉛筆硬度試験機を用いて鉛筆によるひっかき試験を行った。
試験片:プレートA
荷重:100g
鉛筆:H
0.5〜1mm/sの速度で、少なくても7mmの距離ひっかき試験を行い、試験開始地点より5mmの範囲を拡大観察し、傷の様子を以下の評価基準に基づいて目視にて観察した。
〔評価基準〕
○:傷が確認されない。
△:試験初期(ひっかき始めの3mm以内)のみに傷が確認される。
×:試験面全体に傷が確認される。
プレートAに射出成形する前のペレット1kgを150mm×150mm×高さ200mmのステンレス製容器に静かに投入して、23℃、50%RHで24時間静置した後、容器を逆さにしてペレットを排出した。排出後のペレットの状態を目視にて観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
○:ペレットが個々に分かれている。
△:ペレットが部分的に塊になっている。
×:ペレットが全体的に一塊になっている。
カトーテック(株)製の摩擦感テスターKSE-SEを用い、指先を模した10mm×10mmのピアノワイヤセンサーをプレートAの表面に25g荷重で接触させ、1mm/secの定速で20mm滑らせたときの摩擦力とその変動とから触感をMIU及びMMDとして数値化した。MIUは摩擦係数であり、値が大きい程、すべりにくいことを意味する。MIUは、1.5以下が好ましい。また、MMDは摩擦係数の変動値であり、値が大きい程、なめらかさが低く、ざらつきが大きいことを意味する。MMDは、0.1以下が好ましい。MIU及びMMDの両方が同時に好適範囲にあり、A硬さが90以下のものは、柔らかでスムーズな触感を惹起し、特に好ましい。
JIS K6258に準拠し、日本サン石油(株)製のIRM903オイルにプレートAを浸漬して、浸漬前後での質量を測定した。浸漬前の試験片の質量を100%として浸漬によって増加した分の質量分率(%)を膨潤率として算出した。試験油によるプレートAの膨潤が全くなかった場合は0%となるが、膨潤が大きいほど数字は大きくなるため、膨潤率は0%以上で、値が小さいほど、耐油性に優れることを意味する。膨潤率は、100%以下が好ましく、より好ましくは50%以下である。
これに対し、スチレン系エラストマーがスチレン系単量体とオレフィン及び/又は共役ジエンとの共重合部を有しておらず、スチレン系単量体単位の含有量も少ない比較例1は、触感及び耐油性に欠けている。
制御分布SEBSであってもスチレン系単量体単位の含有量が少ない比較例2は、耐摩耗性、触感、及び耐油性に欠けている。
スチレン系単量体単位の含有量が多くても、スチレン系エラストマーがスチレン系単量体とオレフィン及び/又は共役ジエンとの共重合部を有していない比較例3は、耐摩耗性及び耐傷付き性に欠け、柔軟性にも劣る。
ポリオレフィン樹脂を含有していない比較例4〜7は、耐ペレットブロック性等に欠けている。
ポリオレフィン樹脂を含有していても、重量平均分子量が小さい比較例8、9は、耐傷付き性等に欠けている。
ポリオレフィン樹脂が多すぎる比較例10は、柔軟性に欠けている。
実施例1、3、4、6のプレートAを、幅25mm、長さ120mmの大きさに切断した。
厚さ2mm、幅25mm、長さ120mmプレートAと、該プレートAと同じ大きさの下記非極性樹脂とを重ね合わせ、熱プレス成形(温度200℃、予熱2分、加圧3分、冷却2分、プレス圧力10MPa)した。いずれのプレートも各非極性樹脂と融着し、厚さ4mmの複合シートを作製した。
低密度ポリエチレン(LDPE):ノバテックJ802(日本ポリプロ(株)製)
高密度ポリエチレン(HDPE):ニポロンハード1200(東ソー(株)製)
ブロックポリプロピレン(ブロックPP):PM870A(サンアロマー(株)製)
Claims (7)
- スチレン系単量体単位の含有量が45〜80質量%のスチレン系エラストマーAと、重量平均分子量が1,000,000〜7,000,000のポリオレフィン樹脂Bを、前記スチレン系エラストマーA 100質量部に対して5〜50質量部含有し、A硬度が90以下である、熱可塑性エラストマー組成物であって、前記スチレン系エラストマーAが、スチレン系単量体の重合単位であるハードセグメントと、スチレン系単量体とオレフィン及び共役ジエンの少なくともいずれかとの共重合単位であるソフトセグメントとを有するスチレン系共重合体又はその水素添加物である、熱可塑性エラストマー組成物。
- スチレン系共重合体又はその水素添加物が、
(i) スチレン系単量体と共役ジエンとの共重合単位であり、共役ジエン単位を主要構成単位として含有する領域とスチレン系単量体単位を主要構成単位として含有する領域とを有するソフトセグメントと、その両端に、スチレン系単量体の重合単位であるハードセグメントを有する、トリブロック型制御分布ブロック共重合体の水素添加物、
(ii) スチレン系単量体と共役ジエンとのランダム共重合単位であるソフトセグメントの両端に、スチレン系単量体の重合単位であるハードセグメントを有するトリブロック型ランダム共重合体の水素添加物、及び
(iii) スチレン系単量体とオレフィンとのランダム共重合単位であるソフトセグメントを主鎖とし、側鎖として、スチレン系単量体の重合単位であるハードセグメントを有するクロス共重合体
からなる群より選ばれた少なくとも1種である、請求項1記載の熱可塑性エラストマー組成物。 - ポリオレフィン樹脂Bの190℃、公称荷重2.16kgでのメルトマスフローレイトが、0.1g/10min以下である、請求項1又は2記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- スチレン系エラストマーAが、結晶性成分を含む、請求項1〜3いずれか記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- さらに、滑剤Cを含有する、請求項1〜4いずれか記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- 請求項1〜5いずれか記載の熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体。
- 請求項1〜5いずれか記載の熱可塑性エラストマー組成物と非極性樹脂とが融着してなる複合成形体。
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