図1は、本発明の実施形態に係る携帯端末装置の一例である電子機器としての携帯電話機1の外観を示す図であり、図1(a)は正面図、図1(b)は背面図、図1(c)は側面図である。
携帯電話機1は、いわゆる折り畳み式の携帯電話機として構成されており、開閉可能に連結された第1筐体3及び第2筐体5を備えている。なお、図1は、開状態を示している。また、第1筐体3及び第2筐体5は、連結部7により連結されている。第1筐体3及び第2筐体5は、回転軸RA(図1(a))回りに回転可能である。
第1筐体3及び第2筐体5は、携帯電話機1全体の筐体を構成している。第1筐体3及び第2筐体5は、例えば、概ね同様の形状に形成されており、閉状態では互いに重ねあわされて互いの輪郭が略一致する。第1筐体3及び第2筐体5は、例えば、薄型直方体状に形成されている。
以下では、開状態における第1筐体3及び第2筐体5の配列方向(図1の紙面上下方向)を長さ方向、当該長さ方向に直交する方向を幅方向ということがある。
第1筐体3には、例えば、通話用のマイクロフォン117(図7参照)の収音孔9(図1(a))、着信音等を出力する報知用のスピーカ115(図7参照)の放音孔11(図1(b))、ユーザの操作を受け付ける操作部13(図1(a))、撮像を行う撮像部15(図1(b))が設けられている。
第2筐体5には、例えば、通話用のスピーカ33(図2参照)の放音孔17(図1(a))、図形や文字情報等を含む画像を表示するメイン表示部19(図1(a))及びサブ表示部21(図1(b))が設けられている。メイン表示部19は、第2筐体5のうち、閉状態において第1筐体3に対向する対向面部5aにおいて画像を表示する。サブ表示部21は、第2筐体5のうち、対向面部5aの背面側の背面部5bにおいて画像を表示する。
図2は、第2筐体5の分解斜視図である。なお、図2の紙面上方側は、図1(b)の紙面手前側である。
第2筐体5においては、対向面部5a側(図2の紙面下方側)から順に、パネル25、メイン表示装置27、フロントケース29、サブ表示装置31及び通話用のスピーカ33、回路基板35、並びに、リアケース37が積層されている。なお、一部の部品は並列に配置されている。サブ表示装置31は、ホルダ45によりフロントケース29に保持されている。
第2筐体5は、フロントケース29及びリアケース37により構成されている。なお、パネル25も第2筐体5の一部と捉えられてもよい。フロントケース29(及びパネル25)は、第2筐体5の対向面部5a、及び、外周面部5c(図1(c)等)のうち対向面部5a側の部分を構成している。リアケース37は、第2筐体5の背面部5b、及び、外周面部5cのうち背面部5b側を構成している。
フロントケース29とリアケース37とは、閉状態において第2筐体5が第1筐体3に対して対向する方向(図2の上下方向)において対向している。フロントケース29及びリアケース37は、例えば、フロントケース29に形成された複数の孔部41A〜41Dに挿通された複数のネジ39(一つのみ図示する)が、リアケース37に形成された複数のネジボス43A〜43Dに螺合されることにより、互いに固定される。
フロントケース29とリアケース37との間に配置される、スピーカ33や回路基板35等の電子部品は、フロントケース29とリアケース37とが互いに結合されることにより、フロントケース29とリアケース37とに挟持され、第2筐体5内に保持される。
フロントケース29は、強度を保ちつつ薄型化を図るために、板金部材がいわゆるインサート成形によって一体形成されている。すなわち、フロントケース29は、樹脂により形成された樹脂部55と、樹脂部55に埋設された板金部57とを有している。
樹脂部55は、主としてフロントケース29の外周部分を構成している。板金部57は、特に図示しないが、メイン表示装置27側を凹とする矩形の箱状部分を有するととともに、その箱状部分の縁部から外周側に突出するフランジ部を有しており、フランジ部が樹脂部55に埋設されるとともに、箱状部分の外周面が樹脂部55により被覆されている。なお、板金部57の箱状部分のメイン表示装置27側の収納凹部29aには、メイン表示装置27が嵌合する。また、板金部57の図2において樹脂部55から露出している部分は、箱状部分の底面である。
リアケース37は、本体部材59と、サブ表示部21の窓部を構成する透光部材61とを有している。
本体部材59は、リアケース37の大部分を構成している。本体部材59は、例えば、フロントケース29と概ね同等の大きさ及び形状を有している。本体部材59は、例えば、遮光性の樹脂により形成されている。なお、上述のネジボス43は、本体部材59に一体成形されている。なお、ネジボスは、タップタイトネジ長さを確保できない場合には、インサートナットを用いて構成されてもよい。
透光部材61は、本体部材59に形成された、サブ表示装置31を露出させるための不図示の開口を塞ぐ部材である。透光部材61は、例えば、両面テープや接着剤等の適宜な固定部材により、本体部材59の背面部5b側(図2の紙面上方側)の表面に対して、外周部が固定されている。透光部材61は、例えば、ガラスや透光性の樹脂により形成されている。なお、透光部材61は、サブ表示装置31の保護の観点から、比較的硬度の高い部材により形成されることが好ましい。透光部材61は、例えば、本体部材59よりも弾性係数が高い部材により形成されている。透光部材61は、幅方向(図2の左上から右下への方向)において、本体部材59の中央に配置されている。透光部材61は、例えば、長さ方向(図2の左下から右上への方向)を長手方向とする矩形に形成されている。
パネル25は、例えば、透光性を有する樹脂により形成された板状部材である。パネル25は、メイン表示装置27の表示面を覆う広さを有している。パネル25は、例えば、両面テープや接着剤等の適宜な固定部材によりフロントケース29の対向面部5a側(図2の紙面下方側)の面に固定されている。
メイン表示装置27は、メイン表示部19を構成している。メイン表示装置27は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイにより構成されている。メイン表示装置27は、例えば、対向面部5aの半分以上の面積を有するなど、比較的広い面積を有している。メイン表示装置27は、フロントケース29の収納凹部29aに嵌合される。
通話用のスピーカ33は、放音面33aをフロントケース29の内側面に(図2の紙面下方側に)向けるとともに、端子部33bをリアケース37側に向けて、フロントケース29の内側面に形成されたスピーカ用凹部29bに嵌合される。
回路基板35は、例えば、硬質の樹脂をベースとしたプリント配線基板により構成されている。回路基板35には、サブ表示装置31及びホルダ45が嵌合する開口部35hが形成されている。回路基板35には種々の電子部品が配置されており、電子回路が構成されている。例えば、メイン表示装置27やサブ表示装置31の動作を制御する制御回路が構成されている。回路基板35のスピーカ33側の端部には、スピーカ33の端子部33bと接続される端子49が設けられている。
第2筐体5の連結部7側(図2の紙面右側)には、連結部7を構成する第1ヒンジ部品51及び第2ヒンジ部品53が設けられている。第1ヒンジ部品51及び第2ヒンジ部品53は、第1筐体3及び第2筐体5に挿通され、第1筐体3及び第2筐体5を回転軸RA回りに軸支する部品である。
図3(a)は、サブ表示装置31の背面図(フロントケース29側から見た図)である。図3(b)は、サブ表示装置31の側面図(図3(a)の紙面右側から見た図)である。ただし、図3(a)及び図3(b)は、サブ表示装置31の構成を概念的に示す図であり、一部の部材を大きく示すなどしている。
サブ表示装置31は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ(OLED)により構成されている。サブ表示装置31は、サブ表示装置31の表示面31aを構成する表示パネル63と、表示パネル63を駆動するためのドライバ65と、ドライバ65と回路基板35とを接続するためのFPC(フレキシブルプリント配線板)67とを有している。
表示パネル63は、例えば、互いに対向する第1ガラス基板69及び第2ガラス基板71を有している。表示パネル63は、例えば、特に図示しないが、第1ガラス基板69及び第2ガラス基板71の間に封入された液晶、第1ガラス基板69及び第2ガラス基板71の間に積層されたカラーフィルタ、共通電極、及び、表示電極、並びに、第1ガラス基板69及び第2ガラス基板71の外側に積層された偏光板等を有している。
表示パネル63には、図3(a)に示すように、縦方向(y方向、携帯電話機1の幅方向)に延びる複数のソースライン75、及び、横方向(図3(a)のx方向、携帯電話機1の長さ方向)に延びる複数のゲートライン77が設けられている(いずれも一部のみ示す。)。なお、ソースライン75が横方向に延び、ゲートライン77が縦方向の延びていてもよい。表示パネル63は、複数のソースライン75及び複数のゲートライン77により形成されたマトリックスに対応して、縦横に配列された複数の画素部73(一部のみ示す。)を有している。各画素部73には、特に図示しないが、ソースライン75及びゲートライン77に接続され、各画素部73の液晶に印加される電圧を制御するためのTFT、電荷を保持する蓄積容量等が設けられている。
ドライバ65は、例えば、ICにより、より具体的には、LSI(Large−Scale Integrated circuit)により構成されている。ドライバ65は、半導体チップ79と、半導体チップ79を内包するパッケージ81とを有している。パッケージ81は、例えば、セラミックや樹脂により形成されている。ドライバ65は、FPC67を介して受信した信号に基づいて、複数のソースライン75及び複数のゲートライン77に対して選択的に電圧を印加することにより、複数の画素部73の液晶を選択的に駆動する。
サブ表示装置31は、いわゆるCOG式の表示装置として構成されている。すなわち、ドライバ65は、表示パネル63を構成する基板(ここでは、第1ガラス基板69)に実装されている。具体的には以下のとおりである。
表示面31aの広さは、概ね、図3(a)の範囲RG1及び範囲RG3によって示される広さである。第1ガラス基板69は、表示面31aよりも広く形成されている。具体的には、第1ガラス基板69は、表示面31aと重なる第1領域部69aと、第1領域部69aに並び、表示面31aの外側に位置する第2領域部69bとを有している。
第1領域部69aの広さは、例えば、表示面31aの広さと概ね同等であり、図3(a)の範囲RG1及び範囲RG3によって示される広さである。第2領域部69bの広さは、図3(a)の範囲RG2及び範囲RG3によって示される範囲である。第2領域部69bの広さは、適宜であるが、例えば、第1領域部69aの広さよりも小さい。第2領域部69bは、第1領域部69aから、携帯電話機1の幅方向(y方向)の一方側へ延在するように、第1領域部69aに対して並んでいる。第1ガラス基板69は、例えば、矩形に形成されており、第1領域部69a及び第2領域部69bもそれぞれ矩形に形成されている。
ドライバ65は、第2領域部69bに設けられている。例えば、ドライバ65は、第1ガラス基板69に沿う方向であって第1領域部69a及び第2領域部69bの配列方向(y方向)に直交する方向(x方向)に延設されている。すなわち、ドライバ65は、長尺状に形成されており、長手方向をx方向にして配置されている。ドライバ65の長手方向の長さは、第1ガラス基板69のx方向の長さよりも小さい。ドライバ65は、例えば、x方向において、第1ガラス基板69の中央に配置されている。
ドライバ65と第1ガラス基板69とは、例えば、当接面が密着固定されている。例えば、ドライバ65と第1ガラス基板69とは、ドライバ65と第1ガラス基板69との間に異方導電性接着フィルムが配置され、これらが加圧及び加熱されることにより固定される。異方導電性接着フィルムは、熱硬化性樹脂と導電性粒子を主成分としている。なお、ドライバ65の周囲が樹脂封止されてもよい。
ドライバ65と第1ガラス基板69とは固定されていることから、第1ガラス基板69が撓むと、ドライバ65も撓む。なお、ドライバ65は、第1ガラス基板69よりも曲げ変形に対して脆い性質を有している。すなわち、ドライバ65が破損するたわみ角は、第1ガラス基板69が破損するたわみ角よりも小さい。なお、破損は、例えば、脆性破壊、永久変形の発生、表示パネル63やドライバ65の機能に障害が生じる変形の発生をいう。
FPC67は、第2領域部69bのうち、ドライバ65の配置位置よりもさらに第1領域部69aから離間する部分に対して固定されている。FPC67は、例えば、ドライバ65と同様に、異方導電性接着フィルムにより第1ガラス基板69に対して固定されている。
図4は、図2と同一方向からホルダ45を見た斜視図である。
ホルダ45は、例えば、ゴムやエラストマー等の弾性部材又は樹脂等の剛性部材により形成されている。ホルダ45は、サブ表示装置31の外周を支持可能に枠状に形成されている。具体的には、以下のとおりである。
ホルダ45は、枠状に形成された枠状基部83と、枠状基部83の内周面から突出する外周支持部85とを有している。
枠状基部83は、サブ表示装置31が嵌合する形状及び大きさ、より具体的には、表示パネル63の側面が嵌合する形状及び大きさに形成されている。すなわち、枠状基部83は、内周面により概ね矩形の開口が形成されるように構成されている。ただし、携帯電話機1の幅方向の一方側(図4の紙面右下側)の部分は、サブ表示装置31のFPC67を延出させるために一部が開放されており、枠状基部83には開放部83bが形成されている。
外周支持部85は、枠状基部83の内周面のフロントケース29側(図4の紙面下方側)から、枠状基部83の開口中央側へ突出している。外周支持部85は、枠状基部83に表示パネル63が嵌合されたときに、表示パネル63の外周部のうち、第1領域部69aの外周となる部分(第1領域部69aの外周部自体を含んでも含まなくてもよい)に亘って延びている。すなわち、外周支持部85は、矩形状の表示パネル63の4辺のうち、第1領域部69a及び第2領域部69bの配列方向(図3のy方向)における第1領域部69a側の1辺と、当該1辺に直交する2辺のうち、第1領域部69a側の一部(図3(a)の範囲RG1により示される部分、第1領域部69aを当該直交する2辺へ投影したときに重なる部分)とに亘って設けられている。なお、外周支持部85の根元には、サブ表示装置31の外周部の凹凸(図3では不図示)に応じた段差が形成されている。
枠状基部83には、複数の被係合部83cが形成されている。複数の被係合部83cは、例えば、枠状基部83の一部が外周側へ凸となるように肉厚に形成されるとともに、その肉厚部に、ホルダ45のフロントケース29への対向方向(図4の紙面上下方向)に貫通する孔部が形成されることにより構成されている。
図2に示すように、サブ表示装置31は、表示パネル63がホルダ45の枠状基部83の開口に嵌合される。この際、表示パネル63の外周部のうち、第1領域部69aの外周となる部分は、外周支持部85により支持される。
ホルダ45は、複数の被係合部83cがフロントケース29に形成された複数の係合部29cと係合することにより、フロントケース29への積層方向に直交する方向の位置決めがなされる。なお、複数の係合部29cは、例えば、板金部57の折り曲げ加工により形成された、サブ表示装置31側に突出する突部である。
サブ表示装置31と板金部57との間には、シート47、両面テープ87、対向支持部材89が配置されている。
シート47は、例えば、絶縁性の樹脂により形成されている。シート47は、概ねサブ表示装置31と同等の大きさを有している。シート47は、例えば、接着剤等の適宜な固定部材により、板金部57に対して固定されている。
両面テープ87は、第1領域部69aと重なる範囲に、第1領域部69a以下の面積で設けられている。両面テープ87は、シート47に密着固定されるとともに、表示パネル63に密着固定される。
対向支持部材89は、例えば、シート状に形成されている。対向支持部材89は、透光部材61側からサブ表示装置31側への方向へ見て、ドライバ65の中央(より具体的にはドライバ65の長手方向の中央)に位置し、ドライバ65の中央の一部にのみ当接している。なお、対向支持部材89の面積は、極力小さくされることが好ましい。対向支持部材89は、例えば、硬質の樹脂、金属等の剛体により構成されている。なお、ゴム等の弾性部材により構成されていてもよい。
複数の係合部29c、シート47、両面テープ87、対向支持部材89の位置から読解されるように、サブ表示装置31は、第1領域部69aが携帯電話機1の幅方向中央に位置するように、全体としては幅方向の一方側に偏って配置される。従って、第1領域部69aは、リアケース37のうち透光部材61と重なる位置に、第2領域部69bは、リアケース37のうち本体部材59と重なる位置に配置される。このため、本体部材59の剛性が透光部材61の剛性よりも低い場合には、リアケース37に加えられた荷重は第2領域部69bに加わり易くなっている。
図5は、図1(b)のV−V線矢視方向における断面図である。図6は、図1(b)のVI−VI線矢視方向における断面図である。
図5に示すように、表示パネル63は、第1領域部69a側(図5の紙面左側)の外周部がホルダ45の外周支持部85により支持されている。しかし、図5及び図6に示すように、外周支持部85は、第2領域部69b側(図5の紙面右側、図6の紙面手前側)には設けられていないことから、表示パネル63の第2領域部69b側の外周部は、外周支持部85によっては支持されていない。従って、ホルダ45は、第1領域部69aとフロントケース29(より具体的には板金部57)との近接を規制する一方で、第2領域部69bとフロントケース29との近接を許容していることになる。換言すれば、ホルダ45は、第2領域部69bが第1領域部69aよりも筐体内部側(板金部57側)へ変位可能となるように、表示パネル63を支持していることになる。
また、表示パネル63は、図5に示すように、第1領域部69aのうち中央側の部分や第2領域部69b側の部分が、シート47及び両面テープ87(図5では不図示)に支持されている。図5及び図6に示すように、ドライバ65は、対向支持部材89によって支持されている。具体的には、図6に示すように、ドライバ65は、長手方向(図6の紙面左右方向)の中央において、対向支持部材89により支持されている。
図5に示すように、表示パネル63の第1領域部69a側は、リアケース37の透光部材61とフロントケース29の板金部57によって挟持されている。なお、透光部材61と表示パネル63との間には、弾性シート等の適宜な部材が配置されてよい。また、表示パネル63と板金部57との間には、上述のように、ホルダ45が介在している。図5及び図6に示すように、表示パネル63の第2領域部69b側及びドライバ65は、リアケース37の本体部材59とフロントケース29の板金部57によって挟持されている。なお、本体部材59と表示パネル63との間には、弾性シート等の適宜な部材が配置されてよい。また、ドライバ65と板金部57との間には、上述のように、対向支持部材89が介在している。また、表示パネル63は、第2領域部69b側を含む側面(図5における左右側面、及び図6における左右側面)が枠状基部83の内壁面に当接されて、その平面方向(図5及び図6における左右方向)への移動がホルダ45により規制されている。
図7は、携帯電話機1の信号処理系の構成を示すブロック図である。
携帯電話機1は、CPU101、メモリ103、通信処理部105、音響処理部107及び画像処理部109を備えている。これら各部は例えば第1筐体3内の不図示の回路基板や第2筐体5内の回路基板35等に設けられたICにより構成されている。
CPU101及びメモリ103は、操作部13等の各種手段からの信号に基づいて所定の演算を行い、画像処理部109等の各種手段の制御を実行する制御部として機能する。
通信処理部105は、高周波回路を含んで構成されている。通信処理部105は、電波を利用した遠距離無線通信を行うために、CPU101で処理された音響データ、画像データ等の各種データを変調して、アンテナ111を介して送信する。また、通信処理部105は、アンテナ111を介して受信した信号を復調してCPU101に出力する。
音響処理部107は、CPU101からの音響データを電気信号に変換して通話用のスピーカ33、着信等を報知するためのスピーカ115に出力する。スピーカ33及びスピーカ115は、音響処理部107からの電気信号を音響に変換して出力する。一方、マイクロフォン117は、入力された音響を電気信号に変換して音響処理部107に出力する。音響処理部107は、マイクロフォン117からの電気信号を音響データに変換してCPU101に出力する。
画像処理部109は、CPU101からの画像データを画像信号に変換してメイン表示部19及びサブ表示部21へ出力する。また、撮像部15から出力される撮像信号(画像データ)を所定のフォーマットの画像データに変換してCPU101へ出力する。
本実施形態の携帯電話機1によれば、サブ表示装置31は、第1領域部69a及び第1領域部69aに並ぶ第2領域部69bを有する第1ガラス基板69を有し、表示面31aを構成する表示パネル63と、第1ガラス基板69の第2領域部69bに設けられ、表示パネル63を駆動するドライバ65と、を有し、ホルダ45は、第2領域部69bが第1領域部69aよりも筐体内部側へ変位可能となるように、表示パネル63を支持していることから、ドライバ65に曲げモーメントが加えられることが抑制され、ドライバ65の破損が防止される。具体的には以下のとおりである。
図8(a)は、比較例における、図6の断面に対応する断面を示す概略図である。
図8(a)の比較例では、第1ガラス基板69の全周がホルダ245により支持されている。従って、図8(a)のように断面で考えると、第1ガラス基板69は、第2領域部69bにおいてもその長手方向(図8(a)の左右方向)で両端支持の状態となっている。リアケース37に荷重Fが荷重点P1に加えられると、リアケース37が撓み、リアケース37を介してサブ表示装置31にも荷重が加えられる。第1ガラス基板69は、ホルダ245を介してフロントケース29から両端に反力を受ける。従って、第1ガラス基板69及びドライバ65には、支点間(ホルダ245間)において曲げモーメントが加えられることになる。その結果、曲げに対して脆い性質を有するドライバ65が破損するおそれがある。なお、曲げモーメントは、荷重点P1において最も大きい。また、荷重点P1における曲げモーメントが最も大きくなるのは、荷重点P1が両支点から最も離れるとき、すなわち、荷重点P1が両支点の中央に位置するときである。
しかし、図6に示したように、本実施形態のホルダ45は、第2領域部69bが第1領域部69aよりも筐体内部側へ変位可能となるように、表示パネル63を支持している。換言すれば、第1領域部69aが、筐体内部側への変位を規制する反力をホルダ45から受けている状態においても、第2領域部69bは、筐体内部側への変位を規制する反力を受けず、若しくは、筐体内部側への変位を規制する反力が第1領域部69aよりも小さい。従って、第2領域部69bにおいてフロントケース29からの反力によって生じる曲げモーメントが抑制される。
特に、本実施形態では、ホルダ45(外周支持部85)は、表示パネル63の、第1領域部69a側の部分のみを支持していることから、例えば、ホルダ45が第1領域部69aよりも第2領域部69bに筐体内部側への変位を許容しているものの、ホルダに、第2領域部69bのごく一部を支持する部分が形成されている態様や、ホルダに、第1領域部69aを支持する部分よりも弾性係数が低い、第2領域部69bを支持する部分が形成されている態様等(なお、これらの態様も本発明に含まれる。)に比較して、第2領域部69bがホルダ45から受ける反力を確実に小さくすることができる。
ホルダ45は、表示パネル63の外周部のうち、第1領域部69aの外周となる部分を支持する外周支持部85を有することから、表示パネル63をバックライトにより照明することを可能としつつ、外周支持部85により第1領域部69aのみをフロントケース29側に支持することができる。
携帯電話機1は、背面部5b側からサブ表示装置31側の方向へ見てドライバ65の中央に位置し、サブ表示装置31の表示面31aとは反対側に当接する対向支持部材89を有することから、ドライバ65に曲げモーメントが加えられることが抑制される。具体的には、以下のとおりである。
図8(b)は、本発明の変形例を示している。
この変形例では、本実施形態と同様に、サブ表示装置31の第1領域部69a(図8(b)の紙面奥手側、図8(b)では不図示)側部分のみを外周支持部85によりフロントケース29側に支持するホルダ45(不図示)が設けられている。しかし、対向支持部材89は設けられていない。
荷重Fが荷重点P1に加えられた場合、荷重Fが小さい場合は、本実施形態と同様に、サブ表示装置31の第2領域部69b側部分はフロントケース29から反力を受けない。しかし、荷重Fが大きい場合には、ドライバ65の両端又は第1ガラス基板69(第2領域部69b)の両端がフロントケース29に当接し、サブ表示装置31の第2領域部69b側部分は、支点をP2又はP3とする両端支持の状態になる。そして、支点間には曲げモーメントが生じる。
しかし、本実施形態では、図8(c)に示すように、サブ表示装置31の第2領域部69b側部分とフロントケース29との間には、第2領域部69bの中央において対向支持部材89が介在している。従って、図8(b)に比較して、サブ表示装置31とフロントケース29との近接が規制されている。その結果、ドライバ65や第1ガラス基板69の両端がフロントケース29に当接することが防止され、すなわち、サブ表示装置31が両端支持の状態となることが防止され、反力により曲げモーメントが生じることが防止される。荷重Fが更に大きい場合には、フロントケース29の撓みが大きくなり、対向支持部材89の存在によっても、ドライバ65の両端又は第1ガラス基板69の両端は、フロントケース29に当接してしまう。しかし、この場合においても、荷重Fの多くは対向支持部材89に配分され、図8(b)に比較して、荷重点P1に発生する曲げモーメントは小さくなる。また、荷重点P1の位置が、対向支持部材89からずれた位置である場合には、ドライバ65に曲げモーメントが発生しうるが、ドライバ65の両端において両端支持される場合に比較して、支点と荷重点P1との距離は小さく、曲げモーメントは小さい。
なお、対向支持部材89の厚さ(ドライバ65又は第1ガラス基板69と、フロントケース29との距離)は、携帯電話機1が耐えるべき荷重がドライバ65の中央に加えられたときに、ドライバ65又は第1ガラス基板69の両端と、フロントケース29とが当接しないように設定されることが好ましい。
ドライバ65は、第1ガラス基板69に沿う方向であって第1領域部69aと第2領域部69bとの配列方向に直交する方向に延設され、ホルダ45は、サブ表示装置31の、ドライバ65が延設される方向の両側且つ筐体内部側に空隙が形成されるように、表示パネル63を支持していることから、反力による曲げモーメントが大きくなりやすい長尺状のドライバ65は、両端側に反力が加えられることが極力抑制される。
ドライバ65は、第1ガラス基板69の筐体内部側に設けられていることから、ドライバ65の大きさに関らず、表示面31aを背面部5bに近づけて、携帯電話機1の薄型化を図ることができる。
なお、以上の実施形態において、携帯電話機1は本発明の携帯端末装置の一例であり、背面部5bは本発明の透光面部の一例であり、透光部材61の配置領域は透光性の領域の一例であり、ホルダ45は本発明の支持部材の一例であり、板金部57は本発明の支持板の一例である。
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
携帯端末装置は、携帯電話機に限定されない。例えば、携帯端末装置は、デジタルカメラ、PDA、ノートパソコン、ゲーム機であってもよい。筐体は、開閉可能に構成された2つの筐体の一方に限定されない。例えば、筐体は、携帯端末装置全体の筐体を構成するものであってもよい。
表示装置は、液晶ディスプレイに限定されない。例えば、表示装置は、有機ELディスプレイであってもよい。また、表示装置は、折り畳み式の筐体の背面部に表示面を対向させるものに限定されない。例えば、実施形態におけるメイン表示装置27に本発明の支持構造が適用されてもよい。また、表示装置は、折り畳み式以外の形態の筐体を有するものであってもよい。
支持部材は、表示装置の外周を保持する枠状のものに限定されない。例えば、表示装置の表示面とは反対側の面に対して、第1領域部の全範囲に亘って当接するものであってもよい。また、支持部材は、第2領域部を全く支持しないものに限定されず、第2領域部の一部を支持してもよい。
表示装置の、第2領域部側且つ筐体内部側には、空隙が形成されていなくてもよい。例えば、実施形態において、ホルダ45や対向支持部材89よりも弾性係数の低い部材が、塵の侵入防止等を目的として配置されていてもよい。支持部材は、筐体の一部(フロントケース)に支持されるものに限定されない。換言すれば、支持板は、筐体の一部でなくともよい。例えば、支持部材は、支持板としての回路基板に支持されるものであってもよい。
対向支持部は、ドライバ(IC)の中央側部分に位置すればよく、厳密な意味での中央に位置する必要は無い。例えば、ドライバを表示パネルに沿う方向の一方向に3分割したときの、中央側部分に設けられていても、ドライバが両端支持となる状態に比較すれば、ドライバに生じる曲げモーメントは抑制される。
破損が防止される対象である、ドライバ(IC)は、基板(実施形態では第1ガラス基板69)に対して筐体内部側に設けられるものに限定されない。基板に対して筐体外部側に設けられてもよい。また、ドライバ(IC)が設けられる基板は、ガラス基板に限定されない。例えば、基板は樹脂基板でもよい。また、表示装置の構成によっては、基板は、透光性を有していなくてもよい。
1…携帯電話機(携帯端末装置)、5…第2筐体(筐体)、5b…背面部(透光面部)、31…サブ表示装置(表示装置)、31a…表示面、45…ホルダ(支持部材)、63…表示パネル、65…ドライバ(IC)、69…第1ガラス基板(基板)、69a…第1領域部、69b…第2領域部。