JP4990853B2 - 光偏波状態分布測定方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光回路などの被測定回路における、伝播方向に対する光後方散乱光の偏波状態を測定する光偏波状態分布測定方法と、この方法を実施する装置に関する。
後方散乱光の偏波状態分布測定方法の一つとして、偏波光時間領域リフレクトメトリ測定方法(P−OTDR)が知られている(例えば非特許文献1を参照)。この方法は、光パルスを被測定装置に入射し、被測定装置からの後方散乱のストークスパラメータを測定することによって、伝播方向に対する光後方散乱光の偏波状態を測定するものである。
しかしながら、既存のP−OTDR技術においては、空間分解能が1メートル以上となり、この程度の空間分解能では1ps/√(km)以上の偏波モード分散(PMD)を持つファイバにおける後方散乱光の分布を測定することができない。
これに対し、空間分解能の優れた一つ光反射測定方法として、光周波数領域リフレクトメトリ測定方法(OFDR)が知られている(例えば非特許文献2を参照)。この方法は、周波数掃引光源からの出力光を2分岐し、測定対象からの反射光と一方の分岐光との干渉により生じる干渉ビート信号を解析することにより、測定対象における後方散乱光強度の光伝播方向に対する分布を測定するものである。
すなわちOFDRは、光周波数を掃引されたレーザ光源からの出力光を2分岐し、そのうちの一方を測定光として被測定光回路に入射し、他方を局発光として後方散乱光(測定光が被測定光回路の伝搬距離に応じた各位置で反射されて発生する反射光)と合波させる。これにより生じる干渉ビート信号を検出し、そのスペクトラムを分析して、被測定光回路の伝搬距離に応じた各位置の反射率をスペクトラムの周波数成分の強度として測定するものである。
ここで、後方散乱光の偏波状態と局発光の偏波状態が一致する場合には、両光の合波で正しい反射率を測定できるが、一致してない場合には反射率を正しく測定できない。そこで、常に反射率を正しく測定できるように、偏波ダイバーシティ構成とする(例えば非特許文献3を参照)。
この偏波ダイバーシティ構成では、局発光を偏波スプリッタにより両偏波方向で同量に分岐して、s偏波局発光とp偏波局発光を生成する。測定対象からの後方散乱光も偏波スプリッタにより分岐して、s偏波後方散乱光とp偏波後方散乱光を生成する。このようにして生成されたs偏波局発光とs偏波後方散乱光とのs偏波干渉ビート信号と、p偏波局発光とp偏波後方散乱光とのp偏波干渉ビート信号とをそれぞれ測定し、それぞれのスペクトラムを分析する。これにより、s偏波の周波数成分とp偏波の周波数成分とを合わせて、被測定光回路の伝搬距離に応じた各位置の反射率として測定することができる。
しかしながら、上記偏波ダイバーシティ構成によるODFRの目的は、反射率を常に正しく測定するためであり、このODFR技術を偏波状態の分布測定に応用することはなかった。
「Polarisation optical time domain reflectometry」, Alan J. Rogers, 16 (13), pp. 489-490. 「Optical frequency domain reflectometry in single-mode fiber」, W. Eickhoff and R. Ulrich, Applied Physics Letters 39(9), pp. 693-695. 「High resolution optical frequency domain reflectometry for characterization of components and assemblies」, Brian J. Soller, Dawn K. Gifford, Matthew S. Wolfe and Mark E. Froggatt, Optics Express 13(2), pp. 666-674.
既存のP−OTDR技術においては、空間分解能が1メートル以上となり、1ps/√(km)以上のPMDを持つファイバに対し、この空間分解能は後方散乱光の分布測定に足りない。これらのことから、既知のP−OTDRにおいては空間分解能が足りないという課題がある。
一方、既存のOFDR技術においては、反射率をスペクトラム周波数成分の強度として測定するものであり、P−OTDRのベースしたOTDR技術より優れた空間分解能が持つが、偏波状態の分布測定に応用されることはなかった。
本発明は上記事情によりなされたもので、その目的は、1ps/√(km)以上のPMDを持つファイバに対し、後方散乱光の偏波状態を高い空間分解能で検出することの可能な光偏波状態分布測定方法及び光偏波状態分布測定装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は以下のような態様による構成とする。
(1)光周波数を掃引されたレーザ光源からの出力光を測定対象に入射してこの測定対象における反射率の伝播方向に対する分布を光周波数領域リフレクトメトリ測定方法(OFDR)により測定する光偏波状態分布測定方法において、前記出力光と前記測定対象からの後方散乱光とを偏波ダイバーシティ構成で干渉させてs偏波後方散乱光とp偏波後方散乱光の反射分布測定を行い、前記s偏波後方散乱光の振幅情報と、前記p偏波後方散乱光の振幅情報と、前記s偏波後方散乱光と前記p偏波後方散乱光との位相差情報とを用いて、前記後方散乱光の偏波状態を計算するものとする。
(2)(1)の態様において、前記後方散乱光の偏波状態の計算は、前記s偏波方向反射情報をPs(z)とし、前記p偏波方向反射情報をPp(z)として、次式(1)の計算により前記振幅情報を取得し、
Figure 0004990853
次式(2)の計算により前記位相差情報を取得し、
Figure 0004990853
前記振幅情報と前記位相差情報を用いて、前記後方散乱光の偏波状態のジョンズベクトルまたはストークスパラメータを計算するものとする。
(3)(2)の態様において、前記後方散乱光の偏波状態の計算は、次式(3)の移動平均計算により前記振幅情報のノイズを除去し、
Figure 0004990853
次式(4)の移動ベクトル平均計算により前記位相差情報のノイズを除去し、
Figure 0004990853
前記ノイズを除去した振幅情報と前記ノイズを除去した位相差情報を用いて、前記後方散乱光の偏波状態のジョンズベクトルまたはストークスパラメータを計算するものとする。
(4)光周波数を掃引されたレーザ光源からの出力光を測定対象に入射してこの測定対象における反射率の伝播方向に対する分布を光周波数領域リフレクトメトリ測定方法(OFDR)により測定する光偏波状態分布測定装置において、前記出力光と前記測定対象からの後方散乱光とを偏波ダイバーシティ構成で干渉させてs偏波後方散乱光とp偏波後方散乱光の反射分布測定を行う偏波ダイバーシティ装置と、前記s偏波後方散乱光の振幅情報と、前記p偏波後方散乱光の振幅情報と、前記s偏波後方散乱光と前記p偏波後方散乱光との位相差情報とを用いて、前記後方散乱光の偏波状態を計算する解析部とを具備するものとする。
(5)(4)の態様において、前記解析部は、前記s偏波方向反射情報をPs(z)とし、前記p偏波方向反射情報をPp(z)として、次式(5)の計算により前記振幅情報を取得し、
Figure 0004990853
次式(6)の計算により前記位相差情報を取得し、
Figure 0004990853
前記振幅情報と前記位相差情報を用いて、前記後方散乱光の偏波状態のジョンズベクトルまたはストークスパラメータを計算するものとする。
(6)(5)の態様において、前記解析部は、次式(7)の移動平均計算により前記振幅情報のノイズを除去し、
Figure 0004990853
次式(8)の移動ベクトル平均計算により前記位相差情報のノイズを除去し、
Figure 0004990853
前記ノイズを除去した振幅情報と前記ノイズ除去した位相差情報を用いて、前記後方散乱光の偏波状態のジョンズベクトルまたはストークスパラメータを計算するものとする。
すなわち、従来の偏波ダイバーシティ構成の目的は、OFDR技術において反射率を常に正しく測定するためである。ただし、実際は偏波ダイバーシティ構成を使用することで、後方散乱光の振幅項と位相項を測定し、適切な処理を行うことにより、後方散乱光の偏波状態がわかる。つまり、OFDRでは、スペクトラム周波数成分の振幅項だけではなくて、位相項にも有用な情報が入っている。この位相項を検出できれば、振幅項成分と一緒に用いることで、後方散乱光の偏波状態を計算することができる。そこで、優れた空間分解能を持つOFDR方法により測定するOFDR測定装置において、偏波ダイバーシティ構成し、s偏波干渉ビート信号とp偏波干渉ビート信号とをそれぞれ測定する。それぞれのスペクトラムを分析し、例えば振幅情報に対し移動平均を行い、位相情報に対してベクトル移動平均を行うことで、レイリー散乱光のフェディングノイズを除去し、振幅項成分と位相項成分を一緒に用いることで、後方散乱光の偏波状態を測定する。このような手段を講じることにより、後方散乱光の偏波状態を高い空間分解能で実施することが可能になる。
以上のように、本発明によれば、OFDR技術をベースに後方散乱光の偏波状態を測定できるので、高い空間分解能での光偏波状態分布測定方法及び光偏波状態分布測定装置を提供することができる。
まず、本発明の実施の形態を説明する前に、既存のOFDR技術について簡単に説明する。
図1は、OFDR測定装置の基本構成の一例を示す図である。図1において、周波数掃引光源1からの出力光S1は光方向性結合器2Aにより分岐され、一方は参照光S2として用いられ、他方は測定光S3として被測定光回路3に入射される。この被測定光回路3の内部で後方散乱された信号光S4は光方向性結合器2Aにより取り出される。ここで得られた信号光S5は、光方向性結合器2Bにより参照光S2と合波されたのち、光受信器4により検波される。このとき、2光波の干渉により生じる干渉ビート信号をサンプリング装置5によりサンプリングし、サンプリングデータを解析装置6にて周波数解析することにより、被測定光回路3内の各位置からの後方散乱光強度分布が測定される。
ただし、光源1のコヒーレンス長を超える測定距離においては、空間分解能が悪くなり、最悪の場合には測定不能となることが知られている。これは、光源1のコヒーレンス長を超える測定距離においては、被測定光回路3からの後方散乱光と局発光との干渉性がなくなり、その結果ビート信号のスペクトル幅が広がるからである。
図2は、光源1のコヒーレンス長を超える測定距離においても空間分解能を保つままのOFDR測定装置の一例を示すブロック図である。このOFDR測定装置は、被測定光回路3における反射率の伝播方向に対する分布をOFDR測定する。図2において、光周波数掃引された光源1からの出力光S1は光方向性結合器2Cにより分岐され、一方は測定光S3として被測定光回路3に入射し、他方はモニタリング光S6としてコヒーレンスモニタ装置7に入射する。被測定光回路3による測定の結果とコヒーレンスモニタ装置7によるモニタの結果とを解析装置8に入力し、演算処理により被測定光回路3における後方散乱光強度分布を得る。
被測定光回路3は光源1の出力光S1と内部の後方散乱光との干渉ビート信号を検出する。コヒーレンスモニタ装置7は、例えば自己遅延ホモダイン検波により出力光S6のコヒーレンス特性をモニタする。これにより得られるモニタリングビート信号に基づいて解析装置8は参照信号を生成し、この参照信号に基づいて測定結果を得る。この測定結果は、光源1のコヒーレンス長を超える測定領域のものまでも含むものになる。
以上のOFDR測定において、後方散乱光の偏波状態と局発光の偏波状態が常に一致することは稀であるので、反射率を正しく測定するためには、偏波ダイバーシティ構成としなければならない。偏波ダイバーシティ構成では、局発光を偏波スプリッタにより両偏波方向で同量となるように分岐し、s偏波局発光とp偏波局発光を得る。被測定光回路からの後方散乱光も前記偏波スプリッタにより分岐し、s偏波後方散乱光とp偏波後方散乱光を得る。このようにして得られたs偏波出力光とs偏波後方散乱光から両者のs偏波干渉ビート信号を測定し、p偏波出力光とp偏波後方散乱光から両者のp偏波干渉ビート信号を測定する。そして、それぞれのスペクトラムを分析し、s偏波の周波数成分とp偏波の周波数成分を合わせて、被測定光回路3の伝搬距離に応じた各位置の反射率として測定する。
これと同様に、後方散乱光の偏波状態を測定する場合にも、偏波ダイバーシティ構成としなければならない。s偏波の振幅成分とp偏波の振幅成分とsp偏波の位相差成分を求めることで、偏波状態を計算することができる。
図3は、本発明に係わる光後方光偏波状態分布測定装置の一実施形態を示す構成図である。尚、図3において、図1と同一部分には同一符号を付して示す。ここでは偏波ダイバーシティ構成を採用した。図3において、光周波数掃引された光源1からの出力光S1は光方向性結合器2Aにより分岐され、一方は参照光S2として用いられ、他方は測定光S3として被測定光回路3に入射される。この被測定光回路3の内部で後方散乱された信号光S4は光方向性結合器2Aにより取り出される。ここで得られた信号光S5は、光方向性結合器2Bにより参照光S2と合波されたのち、偏波ビームスプリッタ11によりs偏波方向とp偏波方向に分岐され、それぞれ光受信器4Aと光受信器4Bにより検波されたのち、その検波出力に生じるs偏波方向の干渉ビート信号とp偏波方向の干渉ビート信号をサンプリング装置5′によりサンプリングし、そのサンプリングデータを解析装置6′にて解析することにより、被測定光回路3内の各位置からの後方散乱光振幅分布が測定される。ここで要注意事項として、事前に参照光S2を偏波ビームスプリッタ11に透過したのち、s偏波方向とp偏波方向の分岐比を1:1に調整することが必要である。これは参照光S2のルートに偏波コントローラ12を設置することによって調整することができる。
次に数式を用いて定量的に説明する。光源1の出力光の電界振幅は次式(9)で与えられる。
Figure 0004990853
ただし、Aは振幅(定数)であり、ω0は光源1の角周波数であり、γは光源1の周波数の掃引速度である。
光受信器4Aから検波されたs偏波方向の干渉ビート信号Is(t)は次式(10)で与えられる。
Figure 0004990853
ここで、Asはs偏波方向の反射光の振幅(定数)であり、ALは参照光の振幅(定数)であり、τsはs偏波方向の反射光の参照光に対する遅延時間である。
式(10)にフーリエ変換を施した結果は、次式(11)で与えられる。
Figure 0004990853
ここで、Ps(f)はIs(f)のフーリエ変換であり、fは周波数、δ( )はデルタ関数である。
直流成分を省略しながら、周波数の正の成分(f=γτs )だけを取るならば、式(11)は次式(12)で書き換えられる。
Figure 0004990853
距離zと周波数fとの関係は、式(13)で与えられる。
Figure 0004990853
ここで、cは光速であり、nは被測定回路の屈折率である。距離zと周波数fとの関係は線形である。Psはfの関数であるため、距離zの関数ともなり、Ps(z)とも書ける。また、普通の被測定光回路3は、τs<<2ω0/γを満足するので、式(12)の位相項はω0τsに近似できる。従って、式(12)は次式(14)で近似する。
Figure 0004990853
ここで、s(z)は振幅項であり、s偏波方向の後方散乱光振幅項Asに比例し、φs(z)は位相項であり、s偏波方向の後方散乱光遅延時間に比例する。同じように、光受信器4Bから検波された干渉ビート信号Ap(t)をフーリエ変換することにより、p偏波方向の反射信号は次式(15)で与えられる。
Figure 0004990853
ここで、p(z)は振幅項であり、p偏波方向の後方散乱光振幅項Apに比例し、φp(z)は位相項であり、p偏波方向の後方散乱光遅延時間τpに比例する。
式(14)と式(15)から分かるように、光受信器4A及び光受信器4Bで検波された干渉ビート信号をフーリエ変換処理した情報Ps(z)及びPp(z)には、それぞれτsとτpが位相項の中で現れるので、位相項の情報を使用すれば、偏波の性質を検出することができる。
実際の光ファイバには、s偏波方向の進行光がp偏波方向にレイリー散乱され、またp偏波方向の進行光がs偏波方向にレイリー散乱されるという異方性もあるが、大体数パーセントのレベルであり、ノイズとして扱うことができる。
OFDR法で測定したデータは、式(14)及び式(15)から分かるように距離の関数である。ここで分かりやすく説明するため、空間分解能Δzの長さで一本のファイバをセクション化してみると、実際に測定したデータは距離順で並んでいるので、ziを用いてi番目のセクションの距離情報を表記する。ここで、i番目のセクションについて、偏波状態の計算を説明する。
偏波状態の計算に必要な振幅項は次式(16)により与えられる。
Figure 0004990853
偏波状態の計算に必要な位相項は、s偏波方向とp偏波方向の位相差Δφ(zi)である。式(14)と式(15)を用いて次式(17)の演算により、Δφ(zi)が出てくる。
Figure 0004990853
偏波状態のジョンズベクトルJの定義は次式(18)で与えられる。
Figure 0004990853
ここのδsとδpはs偏波方向とp偏波方向のそれぞれの位相項であり、式(14)のφs(z)と式(15)のφp(z)はこの位相項の定義と一致している。式(18)を利用して、i番目のセクションの偏波状態のジョンズベクトルJ(zi)はPs(zi)、Pp(zi)とΔφ(zi)を用いて次式(19)によって表される。
Figure 0004990853
偏波状態のストークスパラメータS0、S1、S2、S3の定義は次式(20)〜(23)で与えられる。
Figure 0004990853
Figure 0004990853
Figure 0004990853
Figure 0004990853
正規化したストークスパラメータは数式(21)〜(23)をS0で割り算した値になる。式(20)〜(23)を利用して、i番目のセクションの偏波状態の正規化したストークスパラメータはPs(zi)、Pp(zi)とΔφ(zi)を用いて次式(24)、式(25)と式(26)によって偏波状態を計算できる。
Figure 0004990853
Figure 0004990853
Figure 0004990853
以上の計算では、ノイズが振幅項と位相項に対する影響が少ない時に使用できるが、測定したデータがノイズに埋められるときには、以上の計算を直接適用することができないので、ノイズを除去しなければならない。
移動平均方法は、レイリー散乱強度の前後N個セクションの値を平均する方法である、ノイズを除去する方法の一例である。振幅項に対しては次式(27)を用いればノイズを除去できる。
Figure 0004990853
位相差項Δφ(z)にもノイズを除去する必要がある。ベクトル移動平均方法は、ベクトルPs *(zj)Pp(zj)の前後N個セクションの値を平均する方法であり、位相差項にノイズを除去する方法の一例である。位相差項に対しては次式(28)を用いればノイズを除去できる。
Figure 0004990853
ノイズを除去したPs(zi)、Pp(zi)とΔφ(zi)を用いて式(19)で偏波状態のジョンズベクトルを計算でき、式(24)と式(25)と式(26)によって偏波状態の正規化したストークスパラメータを計算できる。
すなわち、1回の測定の信号雑音比(SNR)が充分に良い時、式(27)と式(28)の平均処理を行わなくてもいいが、SNRが足りない時、式(27)と式(28)のような平均処理が必須となる。
図4は、上記構成による光偏波状態分布測定装置における処理手順を示すフローチャートである。まず、OFDR測定を行い(ステップS11)、解析装置6′にて測定データに高速フーリエ変換(FFT)処理を施し、振幅項情報と位相項情報を取得して、分布的な反射情報Ps(z)とPp(z)を記録する(ステップS12)。
ここでノイズの除去が必要か否かを判断し(ステップS13)、ノイズの除去が必要ではない場合には、式(16)と(17)を使用し、振幅情報と位相差情報を得る(ステップS14)。ノイズの除去が必要となる場合には、式(27)と(28)を使用し、ノイズを除去した振幅情報と位相差情報を得る(ステップS15)。続いて、ステップS16において、式(19)を使用し、偏波状態のジョンズベクトルJ(z)を計算する。または、式(24)、(25)、(26)を使用し、偏波状態の正規化したストークスパラメータs1(z)、s2(z)、s3(z)を計算する。これらの計算結果のうちの一つで後方散乱光の偏波状態が分かる。
以上説明したようにこの実施形態では、周波数解析した分布的な反射情報に対し、振幅情報と位相差情報を取得して、計算によって後方散乱光の偏波状態を得るようにしている。振幅情報と位相差情報を取得する際に、必要に応じてノイズの除去を行う。このようにすることで、OFDR技術をベースに後方散乱光の偏波状態を測定できるので、高い空間分解能での光偏波状態分布測定方法及び光偏波状態分布測定装置を提供することが可能になる。
尚、この発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成を削除してもよい。さらに、異なる実施形態例に亘る構成要素を適宜組み合わせても良い。
OFDRによる光リフレクトメトリ測定装置の基本構成の一例を示す図。 光源のコヒーレンス長を超える測定距離においても空間分解能を保つままのOFDR測定装置の一例を示すブロック図である。 本発明に係わる光後方光偏波状態分布測定装置の一実施形態を示す構成図である。 図3に示す光後方光偏波状態分布測定装置における処理手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1…周波数掃引光源
2A,2B,2C…光方向性結合器
3…被測定光回路
4,4A,4B…光受信器
5,5′…サンプリング装置
6,6′…解析装置
7…コヒーレンスモニタ装置
8…解析装置
11…偏波ビームスプリッタ
12…偏波コントローラ

Claims (6)

  1. 光周波数を掃引されたレーザ光源からの出力光を測定対象に入射してこの測定対象における反射率の伝播方向に対する分布を光周波数領域リフレクトメトリ測定方法(OFDR)により測定する光偏波状態分布測定方法において、
    前記出力光と前記測定対象からの後方散乱光とを偏波ダイバーシティ構成で干渉させてs偏波後方散乱光とp偏波後方散乱光の反射分布測定を行い、
    前記s偏波後方散乱光の振幅情報と、前記p偏波後方散乱光の振幅情報と、前記s偏波後方散乱光と前記p偏波後方散乱光との位相差情報とを用いて、前記後方散乱光の偏波状態を計算することを特徴とする光偏波状態分布測定方法。
  2. 前記後方散乱光の偏波状態の計算は、前記s偏波方向反射情報をPs(z)とし、前記p偏波方向反射情報をPp(z)として、次式(1)の計算により前記振幅情報を取得し、
    Figure 0004990853
    次式(2)の計算により前記位相差情報を取得し、
    Figure 0004990853
    前記振幅情報と前記位相差情報を用いて、前記後方散乱光の偏波状態のジョンズベクトルまたはストークスパラメータを計算することを特徴とする請求項1記載の光偏波状態分布測定方法。
  3. 前記後方散乱光の偏波状態の計算は、次式(3)の移動平均計算により前記振幅情報のノイズを除去し、
    Figure 0004990853
    次式(4)の移動ベクトル平均計算により前記位相差情報のノイズを除去し、
    Figure 0004990853
    前記ノイズを除去した振幅情報と前記ノイズを除去した位相差情報を用いて、前記後方散乱光の偏波状態のジョンズベクトルまたはストークスパラメータを計算することを特徴とする請求項2記載の光偏波状態分布測定方法。
  4. 光周波数を掃引されたレーザ光源からの出力光を測定対象に入射してこの測定対象における反射率の伝播方向に対する分布を光周波数領域リフレクトメトリ測定方法(OFDR)により測定する光偏波状態分布測定装置において、
    前記出力光と前記測定対象からの後方散乱光とを偏波ダイバーシティ構成で干渉させてs偏波後方散乱光とp偏波後方散乱光の反射分布測定を行う偏波ダイバーシティ装置と、
    前記s偏波後方散乱光の振幅情報と、前記p偏波後方散乱光の振幅情報と、前記s偏波後方散乱光と前記p偏波後方散乱光との位相差情報とを用いて、前記後方散乱光の偏波状態を計算する解析部と
    を具備することを特徴とする光偏波状態分布測定装置。
  5. 前記解析部は、前記s偏波方向反射情報をPs(z)とし、前記p偏波方向反射情報をPp(z)として、次式(5)の計算により前記振幅情報を取得し、
    Figure 0004990853
    次式(6)の計算により前記位相差情報を取得し、
    Figure 0004990853
    前記振幅情報と前記位相差情報を用いて、前記後方散乱光の偏波状態のジョンズベクトルまたはストークスパラメータを計算することを特徴とする請求項4記載の光偏波状態分布測定装置。
  6. 前記解析部は、次式(7)の移動平均計算により前記振幅情報のノイズを除去し、
    Figure 0004990853
    次式(8)の移動ベクトル平均計算により前記位相差情報のノイズを除去し、
    Figure 0004990853
    前記ノイズを除去した振幅情報と前記ノイズ除去した位相差情報を用いて、前記後方散乱光の偏波状態のジョンズベクトルまたはストークスパラメータを計算することを特徴とする請求項5記載の光偏波状態分布測定装置。
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