JP4990611B2 - 透明基板の側辺加工方法及び装置 - Google Patents

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Description

この発明は、透明基板の側辺加工方法及び装置に関し、特にディスプレイパネル用の透明基板の側辺に研削加工や面取加工などの加工を行うのに好適な上記方法及び装置に関するものである。
ディスプレイパネル用のガラス基板を製造する際には、所定寸法に切断したガラス板の切断辺に残った鋭い稜線を削り落とすための面取加工が必要である。
図3は、ガラス基板の面取加工を行う従来装置を模式的に示した図である。図中、1は図の矢印Y方向(送り方向)に移動する基台、2はこの基台に搭載された旋回装置、3は旋回装置2の上端に固定されたテーブル、4は図の矢印X方向(送り直角方向)に移動位置決め可能にして図の矢印Y方向の軸回りに回転駆動される面取砥石である。加工しようとするガラス板5は、テーブル3から側辺5a、5bを張り出した状態で真空圧などによりテーブル3上に固定される。
ガラス板5には、所定の2ヶ所ないし3ヶ所に不透明塗料層ないし不透明シート片を塗着ないし貼着してなる位置決めマーク6が付されているので、テーブル3の上方に配置したCCDカメラ7で位置決めマーク6を読取り、読取った2個の位置決めマーク6の位置とそれらを結ぶ線6−6を基準にして、ガラス板の側辺5aの位置と傾きとを検出する。そして、ガラス板1の幅方向両側に配置した左右の面取砥石4を図のX方向に移動して、検出された側辺5aの位置に合せ、更に、テーブル3を図のC方向(鉛直軸回りの回転方向)に旋回してガラス板の側辺5aの傾きを修正する。そのあと基台1を面取砥石4に対して図のY方向に相対的に送って、ガラス板の両側辺5aを同時に面取加工する。
次に旋回装置2でテーブル3を90度旋回し、新たな方向の側辺5bの位置に合せて面取砥石4を移動し、基台1を元の位置に復帰させる方向に移動することにより、ガラス板5の四辺5a、5bの面取加工を行う。
なお、図の面取砥石4は、テーブル3の送り方向Yと略平行な軸4c、4d回りに回転する複数枚の上砥石4aと下砥石4bとを一組としたものである。複数枚の上砥石4a及び下砥石4bは、それぞれ軸方向に間隔を隔てて上軸4c及び下軸4dに固定されており、上下の砥石を互い違いに相互の間に入り込ませることにより、ガラス板5の側辺5aの上下の稜線を同時に面取りする。なお、図4の矢印Dは、砥石4a、4bの回転方向である。
位置決めマーク6は、図5に示すように、一般的には有限の線幅を備えた、白色十文字型の、不透明マークで、マークの縦寸法H及び横寸法Wがそれぞれ0.5mm程度の大きさであり、マークの位置は縦横の線の幅中心線L、Lの交点Pの位置である。
カメラ7に接続されている画像認識装置16には、位置決めマーク6の形状及び寸法に対応する画像データを予め登録しておく。カメラ7から送られて来る読取情報に当該登録されたデータに一致する読取情報が含まれているかどうかを検査することによって、位置決めマークを検出する。カメラ7でマーク6を読取るためには、ガラス基板上面のカメラ7で読取る部分を照明する必要がある。従来は、カメラ7に付設された光源7aからの光をカメラのレンズの軸心を通してガラス基板に照射する同軸照明が採用されていた。
特開2005‐329471号公報
ガラス基板の面取加工は、基板5を所定寸法に割断した後に行われる。スクライブカッタでガラス基板を引っ掻くことによって割断したときは、スクライブ時に細い針状の切粉(スラッジと呼ばれている。)が出る。また、ガラス基板を砥石で研削したときは、カレットと呼ばれる粒状の切粉が出る。これらの切粉の太さないし粒径は、数10μmである。また、ガラス基板を研削するときは、切削液として水が用いられる。このようなことから、面取装置に搬入されるガラス基板には、水滴やガラスの切粉(スラッジやカレット)が付着していることが多く、また汚れが付着していることもある。
このような水滴、切粉、汚れなどが位置決めマーク6の周辺に付いていると、カメラ7で読取ったマーク6の画像が例えば図6に示すように変形し、そのために登録されている形状データとの対比の際にマークとして認識することができなくなり、読取エラーが生じて機械が停止する。図6の20はマークの画像、21はマークに一部重なって付着した水滴の画像、22はスラッジの画像、23はカレットの画像である。機械が停止すると、オペレータは停止した原因を探す必要があり、位置決めマークを読取れなかったことに原因があると判明したときは、ガラス基板面を清掃して、位置決めマークの再読取りを行わねばならない。そのため、機械の稼働率が低下し、加工能率が低下する。
この発明は、位置決めマークの読取エラーによる機械の停止を可及的に減少し、透明基板の面取装置その他の側辺加工装置の稼働率を向上させることを課題としている。
この発明は、ガラス基板などの透明基板5に付された所定形状のマーク6を当該基板の面直角方向の一方の側に設置したカメラ7で読取る際に、当該カメラのレンズの光軸上に中心を位置させて、透明基板5をカメラ7の反対の側から照明する光源10を配置し、マーク読取り時に当該光源で透明基板5を照明することにより、上記課題を解決したものである。
すなわち、カメラ7で透明基盤上の不透明マーク6を読取る際に、従来はカメラと同方向から透明基板5を照明して反射光で読取っていたのに対し、この発明の方法及び装置では、透明基板5を挟んでカメラ7の反対の側に配置した前記不透明マーク6の面積より大きな面積の面光源10で透明基板5の裏面を照明し、透過光で不透明な位置決めマーク6の影を読取ることにより、上記課題を解決したものである。
従って、この出願の請求項1の発明に係る側辺加工方法は、画像認識装置16に所定形状に対応する形状データを登録し、透明基板5の複数箇所に前記形状の不透明塗料層ないし不透明シート片からなる位置決めマーク6を付し、当該透明基板をテーブル3に固定して当該テーブルの上方に配置したカメラ7で前記位置決めマークを付した透明基板の面を走査してその読取り画像信号と前記登録した形状データとを対比することにより前記位置決めマークを検出し、その検出位置に基づいて前記テーブルないし工具4を旋回ないし移動して当該工具と透明基板の相対位置関係を設定したあと、当該透明基板の側辺を加工する加工方法において、前記テーブルの上面の下方に前記カメラと対向して上方に向けた光源10を配置し、前記カメラで透明基板の面を走査する際に当該光源を点灯することを特徴とする透明基板の側辺加工方法である。
前記面光源10は、前記位置決めマーク6の面積より大きな面積を備えたものとし、当該面光源の中心12を前記カメラのレンズの光軸13と一致させて配置する。面光源10は、面全体が均一に発光するものである必要はなく、たとえばLED(発光ダイオード)を所定の大きさの面にマトリックス状に配置した光源であってもよい。
また本願の請求項3の発明に係る側辺加工装置は、旋回装置2で鉛直軸回りに旋回位置決めされるテーブル3と、送り装置でこのテーブルに対して水平面内で相対移動する工具4と、前記テーブルの上面に載置された透明基板5に付された位置決めマーク6をデジタル電気信号として読取るカメラ7とを備えた透明基板の側辺加工装置において、前記カメラに対向して前記テーブルの上面より下方の位置に、照明方向を前記カメラに向けかつ中心12を前記カメラのレンズの光軸13と一致させて、前記位置決めマーク6の面積より大きな面積の面光源10が配置され、前記カメラによる前記マークの読取り時に当該面光源で透明基板の下面を照明することを特徴とする側辺加工装置である。
透明基板5上に付された不透明な位置決めマーク6をカメラ7で読取る際に、透明基板5を挟んで当該カメラと反対の側に配置した光源10からカメラの方向に向けて照射される光で透明基板5を照明することにより、透明基板5に付着した水滴、スラッジやカレットなどのガラスの切粉ないし透明基板の表面に付着した汚れにより、当該マークの読取エラーが生じて機械が停止(位置決めマークを認識できないために生ずる機械の停止)するトラブルをを大幅に減少させることが可能である。
特に光源10を位置決めマーク6の面積より大きな面積を有する面光源とすることにより、カメラ7への水滴やガラスの切粉及び汚れの写り込みを避けることが可能で、位置決めマークの読取エラーを殆ど発生させないようにすることができる。
ここで言う面光源は、点光源をある大きさの平面にマトリックス状に配置した光源や、線光源をある大きさの平面に複数本配置した光源を含むものである。
このような面光源を用いて透明基板5を挟んでカメラ7と反対の側から透明基板5を照明して、不透明マークである位置決めマーク6を影として読取るようにすれば、水滴やガラスの切粉(通常、数十ミクロンの大きさである)や基板表面の汚れが影となってカメラ7の撮影画像に写し込まれることがなくなり、水滴、ガラスの切粉ないし汚れが位置決めマーク6の近傍に付着していても、マーク6の読取エラーが生ずることがなくなる。
すなわち、光源10として面光源から発せられる透過光を用いることにより、光が複数の方向から来るために、水滴やガラスの切粉を透過してカメラ7に入射する光線が存在するようになり、また、余程濃い汚れでなければ、ある程度光線が透過して行くので、これらの影がカメラ7の画像に写し込まれることがなくなるのである。
従ってこの発明により、透明基板の側辺加工装置における位置決めマークの読取エラーによる機械の停止が大幅に減少し、機械の稼働率を向上させることができ、従って加工能率を向上させることができると共に、機械停止時のオペレータの作業負担を大幅に軽減できるという効果がある。
図1は、図3で説明した装置にこの発明を実施した例を示す斜視図である。図中、図3で説明した部材と同一及び同一の機能を有する部材には、同一の符号を付してその説明を省略する。
図1において、7は位置決めマーク6を読取るためにテーブル3の上方に配置したカメラであるが、図3に示したカメラとは異なり、光源7aを備えていない。10はガラス基板5を挟んでカメラ7の反対側、すなわちガラス基板5の下方に配置した面光源である。面光源10は、図2に示すように、一辺50mmの四角い平面に30個の青色LED11を6個×5個のマトリックスに配置した構造で、光量は全体で70ワットである。この面光源10は、その中心12をカメラ7のレンズの光軸13と一致させて配置されている。
位置決めマーク6の検出工程を含むガラス基板5の側辺加工工程が登録されている制御器15には、光源10の電源スイッチが内蔵されている。当該スイッチは、カメラ7による位置決めマーク6の検出工程が開始されるときにオンとなって光源10が点灯し、位置決めマーク6が検出されて、画像認識装置16により、登録された形状データとの一致が検出されたときに、オフとなって光源10を消灯する。
図1に示した実施形態における位置決めマーク6の検出工程は、上記の点を除いて従来装置における手順と同様であり、位置決めマークの検出工程の前後の工程における動作も従来方法ないし装置と異なるところはない。
この発明の実施形態の要部を示す斜視図 面光源の一例を示す斜視図 従来の面取装置の位置決めマーク読取り部分の一例を示す斜視図 面取砥石の例を示す側面図 位置決めマークの例を示す平面図 水滴などが付着した位置決めマークの従来の読取り画像を示す模式的な平面図
符号の説明
2 旋回装置
3 テーブル
4 工具
5 透明基板
6 位置決めマーク
7 カメラ
10 面光源
12 面光源の中心
13 レンズの光軸
16 画像認識装置

Claims (3)

  1. 画像認識装置(16)に所定形状に対応する形状データを登録し、透明基板(5)の複数箇所に前記形状の不透明塗料層ないし不透明シート片からなる位置決めマーク(6)を付し、当該透明基板をテーブル(3)に固定して当該テーブルの上方に配置したカメラ(7)で前記位置決めマークを付した透明基板の面を走査してその読取り画像信号と前記登録した形状データとを対比することにより前記位置決めマークを検出し、その検出位置に基づいて前記テーブルないし工具(4)を旋回ないし移動して当該工具と透明基板の相対位置関係を設定したあと、当該透明基板の側辺を加工する加工方法において、
    前記テーブルの上面の下方に、中心(12)を前記カメラのレンズの光軸(13)と一致させて、前記位置決めマーク(6)の面積より大きな面積の面光源(10)を、前記カメラと対向して上方に向け配置し、前記カメラで透明基板の面を走査する際に当該光源を点灯することを特徴とする、透明基板の側辺加工方法。
  2. 前記光源(10)が、LEDからなる点光源を所定の大きさの面にマトリックス状に配置してなる面光源であることを特徴とする、請求項1記載の側辺加工方法。
  3. 旋回装置(2)で鉛直軸回りに旋回位置決めされるテーブル(3)と、送り装置でこのテーブルに対して水平面内で相対移動する工具(4)と、前記テーブルの上面に載置された透明基板(5)に付された位置決めマーク(6)をデジタル電気信号として読取るカメラ(7)とを備えた透明基板の側辺加工装置において、前記カメラに対向して前記テーブルの上面より下方の位置に、照明方向を前記カメラに向けかつ中心(12)を前記カメラのレンズの光軸(13)と一致させて、前記位置決めマーク(6)の面積より大きな面積の面光源(10)が配置され、前記カメラによる前記マークの読取り時に当該面光源で透明基板の下面を照明することを特徴とする、透明基板の側辺加工装置。
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