JP3054609B2 - 水晶基板のベベリング検査方法および装置 - Google Patents

水晶基板のベベリング検査方法および装置

Info

Publication number
JP3054609B2
JP3054609B2 JP10036340A JP3634098A JP3054609B2 JP 3054609 B2 JP3054609 B2 JP 3054609B2 JP 10036340 A JP10036340 A JP 10036340A JP 3634098 A JP3634098 A JP 3634098A JP 3054609 B2 JP3054609 B2 JP 3054609B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
beveling
quartz substrate
substrate
quartz
light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP10036340A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11230914A (ja
Inventor
了 小林
Original Assignee
株式会社日本マクシス
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社日本マクシス filed Critical 株式会社日本マクシス
Priority to JP10036340A priority Critical patent/JP3054609B2/ja
Priority to US09/134,359 priority patent/US6256091B1/en
Priority to IL12588898A priority patent/IL125888A0/xx
Priority to DE19838410A priority patent/DE19838410A1/de
Publication of JPH11230914A publication Critical patent/JPH11230914A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3054609B2 publication Critical patent/JP3054609B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Materials By The Use Of Optical Means Adapted For Particular Applications (AREA)
  • Image Input (AREA)
  • Image Processing (AREA)
  • Image Analysis (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水晶基板のベベリン
グ検査方法および装置に係り、特に画像処理によるリア
ルタイム検査を可能にした水晶基板のベベリング検査方
法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】水晶振動子の特性を改善する手法として
水晶ブランクの輪郭(周辺部)をベベリング(面取り)
加工することが行われている。一般に、ベベリング加工
には大量加工が可能な円筒状バレル方式が採用される。
これは図19に示すように円筒状バレル41内に多数の
水晶ブランク1とともに研磨材gを入れて円筒状バレル
41を回転させながら研磨するというものである。水晶
振動子の特性を再現性よく良好なものとするためには、
上記方式によるベベリング寸法精度を高めて、左右、上
下対称となるようにする必要がある。
【0003】前記円筒状バレル方式は、投入する水晶基
板枚数、研磨材種、回転数などでベベリング加工状態が
異なり、これらの条件を同じにしても、常に同じベベリ
ング状態が得られるとは限らない。水晶基板メーカは独
自のノウハウに頼っているところが大きいが、そのノウ
ハウも不安定な要素があり、うまくいったりいかなかっ
たりして、いつも同じベベリング寸法精度を保つことが
できず、偶然の要素も入っているのが現状である。ベベ
リング寸法精度を高めるためには、水晶基板面のベベリ
ング状態を評価して、その結果をベベリング加工にフィ
ードバックすることが可能なベベリング検査法が重要と
なる。
【0004】ベベリング加工は非常に微小な傷を付ける
ことによって成立しているため、通常の明視野照射法で
は非ベベリング部分との有意差が出ず、水晶基板面のベ
ベリング状態は作業者の目視検査や画像処理技術では検
査できない。このため従来のベベリング検査は(1)レ
ベル測定法と(2)投影法という物理的な方法に頼らざ
るを得なかった。
【0005】(1)レベル測定法 レーザ高さ測定機を使う方法であり、水晶ブランクの裏
面に反射用の銀膜を蒸着し、レーザ光線を水晶ブランク
の表面に照射しながら径方向(直線方向)に掃引(スキ
ャン)して、その反射光から直線上のレベルを測定する
方法である。これによれば図20に示すように、水晶ブ
ランクの直線方向に沿った表面高さが連続して測定で
き、表面高さからベベリングの状態を知ることができ
る。
【0006】(2)投影法 水晶ブランクの表面にカーボン粉末(黒色)を塗布し、
その上に半透明のフィルムや薄紙を押し付けてフィルム
や薄紙にカーボン粉末を転写させる方法である。転写し
たフィルムをスクリーン上に拡大して投影する。ベベリ
ングされていな部分にカーボンが付着するので、カーボ
ン粉末の転写状況からベベリング状態が目視でわかる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述した
従来法には、次のような問題があった。
【0008】(1)レベル測定法 研磨面の高さは精度よく測定できるが、水晶ブランクを
スキャンした直線上でのデータしか得られないため、水
晶ブランクの全面についてベベリング検査することがで
きない。水平方向のスキャンを垂直方向にずらしていけ
ば面データが得られないことはないが、垂直方向のピッ
チ幅に対応した抜けデータが生じるのは避けられない。
したがって水晶ブランク全面の検査が困難である。ま
た、裏面に銀蒸着を施す必要があるため、抜き取り検査
となり検査に時間がかかる上、検査したサンプルは使用
できなくなる。
【0009】(2)投影法 水晶ブランク全面にわたって検査できるものの、抜き取
って転写、投影する必要があるため、抜き取り検査にな
り、非常に検査に時間がかかる。また目視観察であるた
め検査用のデータが取れない。
【0010】このように(1)および(2)の方法は、
いずれもリアルタイムで検査できず時間もかかる。また
統一された検査法が確立できないためベベリング検査の
標準化もできない。また適切なデータが取れないためベ
ベリング加工技術に有効にフィードバックできない。
【0011】また、ベベリング加工は大量に扱うバッチ
方式ゆえに水晶ブランクごとにベベリング状態が異な
り、さらにその後に行われる酸処理によるエッチングで
もバラツキが生じる。それにも関わらず検査基準が定ま
っていないため、許容範囲を決定するのが困難となり、
良品を不良品として扱ったり、不良品を良品にするとい
う問題があった。
【0012】本発明の課題は、従来技術の問題点を解消
して、画像処理でベベリング状態を客観的にリアルタイ
ム検査することが可能な水晶基板のベベリング検査方法
および装置を提供することにある。
【0013】第1の発明は、水晶振動子の特性を改善す
るために周辺部をベベリング加工された水晶基板のベベ
リング検査方法において、ベベリング加工された水晶基
板の水平な基板面に対して上下方向に±30°の照射角
度の範囲内で拡散された散乱光を水晶基板の側面側全周
方向から照射し、照射した水晶基板の基板面に対して垂
直な方向から水晶基板を撮像し、撮像信号から水晶基板
上のベベリング加工部と非加工部とが区別できるように
2値化処理を行い、上記区別された2値化画像について
さらに統計処理を行なってベベリング状態を検出するよ
うにした水晶基板のベベリング検査方法である。
【0014】水晶基板に既存の方法でベベリング加工を
施すと、基板表面に目視できない無数の微小な傷が付
き、この傷が集中する基板周辺部がベベリング加工部と
なる。このベベリング加工を施した水晶基板の側面全周
方向から基板面に対して±30°の範囲内の照射角度で
散乱光を照射し、基板面の真上から撮像すると、水晶基
板の側面全周方向から暗視野照明され、しかもその照明
光は散乱光となっているので、微小な傷または水晶基板
の輪郭(エッジ)で反射される反射光が強調され、微小
な傷および水晶基板のエッジのみが画像上に浮かび上が
るため、水晶基板におけるベベリング加工部が非加工部
と区別できるようになる。
【0015】水晶基板の表・裏面から30°よりも大き
な照射角度では照射しないので、水晶基板を単に通過し
たり表面で反射してしまうような光は撮像されず、その
ため水晶基板のベベリング加工されていない非加工部分
は影になる。既存の方法は、水晶基板全体を円筒状バレ
ルに入れて周辺部にベベリング加工を施すようにしてい
るため、中央部の非加工部分にも多少の傷が付くのは避
けられない。そのため非加工部分は完全な影とはなら
ず、僅かに撮像されて多少写ることになる。したがって
撮像される光はエッジによって反射される明瞭な反射光
と、エッジ内に目視でも確認できる濃淡の差のついた加
工部分と非加工部分との反射光となる。この反射光から
水晶基板面上のベベリング加工部を画像認識できる。
【0016】第2の発明は、第1の発明において、取り
込んだ画像を2値化してベベリング検査を行うようにし
た水晶基板のベベリング検査方法である。
【0017】前記反射光を画像処理して2値化し、基板
表面全面について2値化データを得る。このときのしき
い値は基板ごとに自動的に決定するとよい。2値化デー
タを画像化すると、非加工部と加工部とが明暗の2階調
差で画像上に明瞭に浮かび上がる。したがって2値化画
像からベベリング状態を容易に把握できる。取り込んだ
画像を2値化してベベリング加工部と非加工部との区別
を明瞭化したので、ベベリング検査が一層容易になり、
検査の信頼性にも優れる。
【0018】第3の発明は、第2の発明において、前記
2値化したデータを統計処理して、その処理結果からベ
ベリング検査を行うようにした水晶基板のベベリング検
査方法である。
【0019】得られた2値化データを公知の方法で統計
処理する。統計処理結果から基板表面全面でのベベリン
グ状態が客観的にわかる。基板全面について検査でき、
しかもきわめて短時間で全数チェックできる。また検査
用データをベベリング加工技術へフィードバックでき、
ベベリング加工ないし検査を標準化することができる。
【0020】第1ないし第3の発明において、水晶基板
を複数の領域に分割して、領域毎にベベリング検査する
ことが好ましい。
【0021】領域毎に要請される加工精度は異なる。し
たがって水晶基板を複数の領域に分割して領域毎にベベ
リング検査できると、高い加工精度の要請される領域と
低い加工精度でもよい領域とを異なる加工基準で検査で
きる。
【0022】第4の発明は、ベベリング加工した水晶基
板に光を照射して撮像した水晶基板の画像信号に基づい
てベベリング検査を行う水晶基板のベベリング検査装置
において、水晶基板を水平に載置する平坦な載置面に
溝,孔等の凹部が形成された透明部材からなる載置台
と、水晶基板の水平な基板面に対して上下方向に±30
°の照射角度の範囲内で拡散された散乱光を水晶基板の
側面側全周方向から照射する照明手段と、水晶基板の基
板面に対して垂直な方向から水晶基板を撮像する撮像手
段とを備えたことを特徴とする水晶基板のベベリング検
査装置である。
【0023】水晶基板は、搬送機構により光学的な検査
の処理がなされる基板処理部に搬入され、基板処理部の
載置台上に載置される。この際、載置台の平坦な載置面
には溝,孔等の凹部を設けているので、水晶基板が滑動
を生じる均一厚さの空気層が水晶基板下面全体に形成さ
れることがなく、水晶基板を滑動させることなく載置面
上の所定位置に設置できる。また、載置後も水晶基板と
載置台の凹部との間に空気層が確保されるので、水晶基
板が載置台に密着(付着)することがなくなり、処理後
に、搬送機構等によって水晶基板をピックアップする際
には、水晶基板を載置台から容易に離脱できる。更に、
水晶基板を平坦な載置面で支持するので、載置面が水晶
基板との接触によって傷つけられることも少なくなる。
1台の撮像装置でベベリング状態を瞬時に検査すること
ができる。また載置台の平坦な載置面に、溝,孔等の凹
部を形成したので、載置時、水晶基板が載置台上を滑る
ようなことがなくなり、載置台上の載置位置が安定す
る。さらに水晶基板が載置台と密着しなくなり、ピック
アップ時、水晶基板をスムーズに搬出できる。従って、
水晶基板のベベリング検査の高速化が図れる。
【0024】載置面の凹部は、鏡面等に平坦に研磨され
た載置面に、研磨加工やエッチングによって、溝,孔,
くぼみ等を形成すればよい。載置面に対する凹部の大き
さ,レイアウトや凹部の深さなどは、水晶基板が滑動や
密着を生じない範囲内で、水晶基板の寸法等に応じて設
定される。なお、水晶基板には、水晶振動子やフィルタ
用の水晶ブランクの他に、ビデオカメラやDVD用の水
晶レンズなどが含まれる。
【0025】上記発明において、載置台の透明部材とし
て、サファイアを用いると、サファイアは水晶よりも硬
いので、水晶基板によって傷つけられず、安定した検査
等を長期間にわたって実施できる。また、上記載置台の
平坦な載置面と凹部との境界部を滑らかなカーブを描く
ように接続形成するのがよい。載置面と凹部との境界部
(エッジ部)がシャープなエッジであると、光学測定等
においてエッジ部で反射を起こしたり、水晶基板を傷つ
けるなどの不具合が生じるからである。
【0026】第2の発明は、水晶振動子の特性を改善す
るために周辺部をベベリング加工された水晶基板のベベ
リング検査装置において、ベベリング加工された水晶基
板の水平な基板面に対して上下方向に±30°の照射角
度の範囲内で拡散された散乱光を水晶基板の側面側全周
方向から照射する照明手段と、照射した水晶基板の基板
面に対して垂直な方向から水晶基板を撮像する撮像手段
と、撮像信号から水晶基板上のベベリング加工部と非加
工部とが区別できるように2値化処理を行う統計処理手
段と、上記区別された2値化画像についてさらに統計処
理を行なってベベリング加工部と非加工部とを表示する
表示手段とを備えた水晶基板のベベリング検査装置であ
る。
【0027】基板供給装置から供給された水晶基板は搬
送ロボットで載置台に搬送される。載置台に搬送された
水晶基板は照明手段によって低い角度から全体が包み込
まれるように照射される。この照射によりベベリング加
工によって生じた水晶基板の微小な傷が浮び上がり、加
工部分と非加工部分とが画像上で区別できるようにな
る。これを撮像手段により撮像して画像処理装置に入力
し2値化して差を強調することにより、加工部分と非加
工部分と明瞭に区別できるようにする。2値化データを
統計処理してベベリング検査に供する。搬送手段は、撮
像の終わった水晶基板を次工程に搬送するとともに、基
板供給装置から供給される新しい水晶基板を載置台に搬
送する。これにより、ともすれば闇雲にやっていた感が
ある従来のベベリング解析に代えて、強力で画期的な大
量解析ツールを提供することができ、ベベリング状態が
オーバスペックか否かの解析、管理を統計的に行うこと
ができるようになる。
【0028】第6の発明は、第4または第5の発明にお
いて、上記照明手段が水晶基板の下方に設けられている
水晶基板のベベリング検査装置である。
【0029】上記発明のベベリング検査装置において、
照明手段を水晶基板の下方に設けると、水晶基板を移動
する際に照明手段が障害物とならず、スムーズな検査が
行える。
【0030】第7の発明は、第4ないし第6の発明にお
いて、上記照明手段として、発光ダイオードを用いた水
晶基板のベベリング検査装置である。
【0031】また、上記照明手段として、発光ダイオー
ドを用いるのが好ましい。ハロゲンランプなどの従来の
照明光源に比較して発光ダイオードは寿命が格段に長
く、また発熱量も少なく扱いやすい。更に、発光ダイオ
ードは、集光型、拡散型のいずれでもよい。水晶基板に
照射される光にむらが生じると安定した測定ができない
が、ダイオードの周囲にミラーなどの反射板を多用する
ことで、水晶基板に均一な光を照射できると共に、光源
の他に拡散板を用いなくても済む。
【0032】第4ないし第7の発明において、上記載置
台の透明部材として、サファイアを用いた水晶基板用載
置台とすることが好ましい
【0033】載置台の透明部材として、サファイアを用
いると、サファイアは水晶よりも硬いので、水晶基板に
よって傷つけられず、安定した検査等を長期間にわたっ
て実施できる。
【0034】また第4〜第7の発明において、上記載置
台の平坦な載置面と凹部との境界部が滑らかに接続形成
されている水晶基板用載置台とすることが好ましい。
【0035】載置面と凹部との境界部(エッジ部)がシ
ャープなエッジであると、光学測定等においてエッジ部
で反射を起こしたり、水晶基板を傷つけるなどの不具合
が生じるからである。
【0036】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
を用いて説明する。図1は本発明に係る水晶基板のベベ
リング検査装置を、水晶振動子用の水晶ブランクに適用
した一実施形態を示す概略構成図である。ベベリング検
査装置は以下の要素で構成される。
【0037】基板供給装置としてのパーツフィーダ51
は、多数の水晶ブランク1をランダムに収納するととも
に、回転させながらリニアフィーダ52に整列させて1
個または複数個の単位で外部の測定ステージ57へ供給
する。搬送ロボット53は吸着アームを備え、リニアフ
ィーダ52から測定ステージ57へ供給された1個また
は複数個の水晶ブランクを吸着保持して測定ステージ5
7上に設けた載置台2に搬送する。また、検査後は載置
台2上の水晶ブランク1を保持して測定ステージ57の
下流側に搬送する。
【0038】載置台2は、サファイア基板などから構成
され、搬送ロボット53により搬送された水晶ブランク
1を水平に載置する平坦な載置面に、水晶ブランク1の
吸着を阻止する溝,孔等の凹部が形成された透明部材か
ら構成される。照明手段56は蛍光灯などで構成され、
載置台2に載置された水晶ブランク1の水平なブランク
面に対して上下方向に±30°の照射角度の範囲内で拡
散された散乱光を水晶ブランクの側面側全周方向から、
水晶ブランク1をちょうど包みこむように照射する。
【0039】撮像手段11はCCDカメラなどから構成
され、載置台2の真上にセットされて、照明手段56に
より照明された水晶ブランク1のブランク面に対して垂
直な方向から水晶ブランク1を撮像する。画像処理装置
14は、撮像手段11により撮像された画像をディスプ
レイ54に表示するとともに、画像信号から水晶ブラン
ク1に存在するベベリング加工により生じた傷を抽出
し、抽出した信号に基づいて水晶ブランク上の加工部と
非加工部とが明瞭に区別できるように統計処理を行う。
パソコン55は画像処理装置14に対して設定値を入力
したり、画像処理装置14で得られたデータを公知の表
計算ソフトで統計処理し、その処理結果を記憶する。
【0040】図2は前記したベベリング検査装置の要部
を示す構成図であって、1はベベリング加工された短冊
状の水晶ブランクであり、通常、大きさが1×3mm〜
3×10mmで、厚さが30μm〜500μm程度であ
る。水晶ブランク1の形状は短冊形,矩形に限らず、直
径4〜8mm程度の円形その他の形状のものもある。
【0041】水晶ブランク1は載置台2上に水平に載置
される。載置台2はサファイアからなり、鏡面仕上され
た載置台2の載置面3には、図3に示すように、水晶ブ
ランク1の滑動及び密着を回避するための凹部として、
溝4が形成されている。溝4は、載置台2の一辺に平行
に等間隔に多数形成されている。具体的には、大きさ2
0×20mm、厚さ1mmの載置台2に対し、図3
(b)のA部拡大断面図である図3(c)に示すよう
に、溝幅0.5mm、深さ5〜10μmの溝4を1mm
の間隔で、研磨加工によって作成した。また、図3
(c)のB部拡大断面図である図3(d)に示すよう
に、載置面3と溝4とのエッジ部(境界部)5は、滑ら
かに丸みを持たせており、ベベリング加工でついた傷を
検査する時に光学的に反射がないようにしている。
【0042】サファイアの載置台2としたのは、水晶よ
りも硬質なサファイアを用いることで、水晶ブランク1
によって傷付けられないようにするためである。しかし
ながら、水晶ブランク1を鏡面仕上げの載置面3上に載
置する構成となっているので、載置台2の材料として
は、サファイアに限らず、ソーダガラス,石英ガラス等
の通常のガラスを用いても、傷付けられにくい。また載
置台2にダイヤモンドや検査光に対して透明なセラミッ
クスを採用してもよい。
【0043】載置台2の溝4は、一方向に互いに平行に
形成されているので、溝4の方向にエアー等を吹き付け
れば、溝4に入り込んだごみも簡単に取り除くことがで
きる。なお、上記実施形態では、溝4を互いに平行に形
成したが、溝を交差させ、例えば格子状に形成してもよ
い。あるいは、凹部として、溝以外に、円形等の孔を載
置面に適宜配置で形成するようにしてもよい。
【0044】水晶ブランク1の下方には、図2に示すよ
うに水晶ブランク1を取り囲むように、発光ダイオード
6が配置されている。発光ダイオード6からの光は、水
晶ブランク1のブランク面に対して上下方向に0°〜−
30°の範囲内の照射角度θで、載置台2を通して水晶
ブランク1の側面全周方向から照射されるようになって
いる。照射角度θは水晶ブランク1の表面側をプラス、
裏面側をマイナスとしている。発光ダイオード6の周囲
にミラーを配置すると、水晶ブランク1に全周方向から
光をむらなく照射できる。また、発光ダイオード6は、
高輝度のものがよく、赤色光〜赤外光を発光する発光ダ
イオードを用いるのがよい。載置台2の下側に照明手段
の発光ダイオード6を配置したのは、水晶ブランク1を
移動する際に障害物が上側に来ないようにして、検査工
程の自動化、量産化に対応させるためである。
【0045】一方、水晶ブランク1の表面に対して撮像
方向が垂直な真上位置に撮像手段11を配置する。撮像
手段11には、例えばCCDカメラ13及び水晶ブラン
ク1からの光をCCDカメラ13のCCD面上に結像す
るレンズ系12を用いて、水晶ブランク1付近のみを視
野に納めるように設定する。このようにすると、発光ダ
イオード6から水晶ブランク1に斜めに入射した光がそ
のまま直接レンズ系12に入ることがなく、暗視野の状
態となる。
【0046】CCDカメラ13によって撮像された画像
信号は、画像処理装置14に入力される。画像処理装置
14は、入力された画像信号から水晶ブランク1に存在
する傷の特徴を抽出する特徴抽出部と、抽出した信号に
基づいて傷の存在を判定する判定部とを有している。撮
像手段11は水晶ブランク付近のみを視野に納めるた
め、画像処理装置14では、視野の明度変化を高速に画
像処理して傷を検出できる。
【0047】水晶ブランク1は、バキュームチャック1
6で吸着されて搬送ロボットアーム15によって載置台
2へと搬入され、検査後、再度バキュームチャック16
で吸着されて搬送ロボットアーム15によって搬出され
るようになっている。
【0048】さて、上記のような構成においてベベリン
グ検査をするには、図4に示すステップを踏むことにな
る。まず円筒状バレル方式で水晶ブランクをベベリング
加工する(ステップ401)。加工後、表面を滑らかに
するためにフッ酸などの酸処理を行う(ステップ40
2)。酸で処理する場合もベベリング加工と同様にバッ
チで大量に行うので、水晶ブランク間はもちろん水晶ブ
ランク内でもダイナミックにバラつく。このため後に行
う2値化のためのしきい値設定は、1枚づつ異なり、許
容範囲内でバラツキに合わせて変えてやる必要がある。
酸処理した水晶ブランク1はパーツフィーダ51にロッ
ト単位で投入し、リニアフィーダ52から測定ステージ
57へ整列させて供給する(ステップ403)。供給さ
れた水晶ブランク1をバキュームチャック16に吸着し
て搬送ロボットアーム15によって載置台2に搬送する
(ステップ404)。次いでベベリング検査を行う(ス
テップ405〜408)。
【0049】載置台2に搬送されてきた水晶ブランク1
は、載置台2の所定位置に載置される。このとき載置台
2の載置面3には、多数の溝4が形成されているため、
水晶ブランク1が載置台2上を滑ったりすることはな
く、定位置に正確に載置されるので、ベベリング加工で
付いた傷の精密検査が可能となる。
【0050】載置台2の下側に多数配設した発光ダイオ
ード6から水晶ブランク1に向けて拡散された散乱光を
照射すると、散乱光によって水晶ブランク1の側面全周
が包み込まれるようになる。この場合、水晶ブランク1
の真上または真下方向から光を照射してはならない。真
上ないし真下から照射すると、透過光または反射光によ
り水晶ブランク1の像がCCDカメラ13に写ってしま
うからである。また、水晶ブランク1を支持する載置台
2の下地模様が鮮明に写ってしまい、水晶ブランク1に
存在するベベリング傷との判別が困難となるからであ
る。
【0051】ここにベベリング加工で形成される微小な
傷よりも大きな傷(ないし欠陥)の場合を例にとって傷
の判別原理を説明する。図5に示すように、水晶ブラン
ク1に側面全周から光を照射すると、水晶ブランク1の
傷(ないし欠陥部)31やエッジ加工部における反射光
エネルギーが大きくなる。水晶ブランク1の周囲から照
射される光の方向は、散乱により水平方向においては全
方向になるが、水晶ブランク1に傷が無ければ、光路が
遮られないので、散乱光は透過光となって通過してしま
う。これに対してエッジや傷31があると、そこに光が
当たり、反射光33になって強調される。
【0052】散乱光32が傷31に当たると反射して水
晶ブランク1の表面に傷が現れる。傷31に対し全方位
から光32が照射されるので、傷31の反射光のエネル
ギーが強調され、水晶ブランク1の上方から見ると、傷
31が鮮明に浮かんで見える。水晶の傷は、あらゆる方
向性をもっているので、一方向の光を照射した場合に
は、光に平行な傷は反射が起きず検出が困難であり、ま
た例えば三方向の光を照射した場合であっても、SN比
が悪いため、傷を精度よく検出することは困難である。
しかし、本実施の形態のように傷31に対して四方、八
方から、しかも拡散された光を集中的に当てて光の相乗
効果を利用することでSN比を格段と改善でき、小さな
傷に対しても精度よく検出することが可能になる。特
に、人間の目では検出困難な傷(10〜20μm以下)
でも、相対的に光量を強くすることで、検出が可能とな
る。
【0053】また、一度に水晶ブランク全体を視野にし
て撮像し、画像処理することができるので、小さな傷
(10μm以下)に対しても高速に検出することができ
る。例えば512×512の画像として処理した場合で
も、200ms以内の速度で検出可能であり、これは1
枚の水晶ブランクの中に傷が何個あっても同じである。
また、10〜20μm以下の小さい傷でも、光エネルギ
ーが大きく、安定して検出できるので、画像処理にて自
動化することが容易になる。
【0054】さてベベリング加工は、円筒状バレルに水
晶ブランクを入れて10〜20μm以下の小さい傷を無
数につけてブランクの周辺部を研磨するものである。し
たがってベベリング加工により無数の微小傷のついた水
晶ブランク1に上述したような低い角度で光を照射する
と、図6(a)、図7(a)に示すように、ベベリング
加工部61は白っぽく、非加工部62は黒っぽくなり、
ここで初めて目視でも両者を区別できるようになる。非
加工部62が背景のように真っ黒にならないのは、非加
工部62といえども幾分研磨されて傷が存在するからで
ある。必ずしも明瞭ではないが図6(a)のものは図7
(b)に比べて多少ベベリング状態にムラがあるのがわ
かる。
【0055】なお、水晶ブランクの周面のエッジ加工精
度が粗雑であればエッジ部での光の反射が大きくなる
が、逆に精度がよければ反射が小さくなるため、本実施
形態のベベリング検査装置を水晶ブランクの加工精度の
検査にも応用することができる。また、エッジ加工面で
の反射を利用すれば、水晶ブランクの形状や寸法測定に
も応用することができる。
【0056】水晶ブランクの表面に対する光の照射角度
は+30°〜−30°の範囲が好ましい。この範囲とす
る理由は、照射角度が±30°まではSN比が大きく傷
を明瞭に判別できるが、それを越えると載置台の下地模
様が多く現れるようになるため判別が困難になり、例え
ば±45°では傷の画像は完全に下地模様に吸収されて
傷を検出できなくなるからである。
【0057】図6(a)、図7(a)のようなベベリン
グ加工部と非加工部とが判別可能な画像を取り込んだ後
(ステップ405)、非加工部と加工部とが明暗の2階
調差で明瞭に区別できるように、その画像信号を自動決
定されたしきい値にもとづき2値化処理する(ステップ
406〜407)。このときのしきい値は公知の統計的
手法で水晶ブランク毎に自動的に決定する。2値化デー
タを画像化した図6(b)、図7(b)に示すように、
図6(a)、図7(a)では必ずしもはっきりしなかっ
た非加工部62と加工部61とを明暗の2階調差で明瞭
に区別して浮かび上がらせることができる。なお、図6
(b)、図7(b)では外周の一部を便宜上マスクして
ある。
【0058】さらにベベリング検査のためのデータを得
るために2値化データを統計処理する(ステップ40
8)。ブランク面の全面についてベベリング検査するた
めの統計処理には種々の方法があるが、ここでは次の方
法を採った。短冊状の水晶ブランク画像上に幅方向に沿
う直線を引き、その直線上のデータを足して平均値を取
ってこれを系列値とし、さらに前記直線を微小ピッチづ
つ平行移動して長さ方向全長にわたって全系列値を取得
する。この取得結果を図示したのが図8および図9であ
る。図8および図9は、これらと対応する図6(b)お
よび図7(b)の結果を非常に良く反映しており、ベベ
リング状態のばらつき(特に図8ではぎざぎざの状態が
顕著に出ており、図9に比べてベベリング状態が悪
い。)を定量的に把握できることがよくわかる。図8お
よび図9において横軸は水晶ブランクの長さ、縦軸は光
量である。
【0059】ベベリング検査の終了した水晶ブランク1
は、再びバキュームチャック16に吸着されて搬送ロボ
ットアーム15により次工程に搬送される。この際、載
置台2の載置面3に溝4が形成されているので、水晶ブ
ランク1が載置台2に密着して離脱しなくなるというこ
とがなく、円滑にピックアップでき、スムーズな搬送が
行なえる。次工程では、ベベリング検査によってGO/NO
GO の選別をすることが可能となる。
【0060】ベベリング検査に際して、図10に示すよ
うに、水晶ブランク1を複数の領域A〜Dに分割し、各
領域A〜Dに要求される検査基準を領域ごとに設定し、
設定された検査基準により各領域を検査するようにする
とよい。水晶ブランクが実施形態のように短冊状である
場合において、ブランクの四隅のコーナー領域Dと、コ
ーナー領域Dを除いたブランク1の上下辺と平行で上下
辺を一辺とする一対の帯状の上下領域Aと、同じくコー
ナー領域Dを除いたブランク1の左右辺と平行で左右辺
を一辺とする一対の左右領域Bと、上下領域Aおよび左
右領域Bに囲まれた中央領域Cとに分割される。
【0061】左右領域Bの基準は甘くてよい。コーナー
領域Dは欠けやすく水晶振動子として寄与しないので左
右領域Bと同様に基準は甘くてよい。上下領域Aは特性
に寄与するので基準は辛くする。そして中央領域Cはベ
ベリング加工されていないことが要求されるので上下領
域Aと同様に基準は辛くする。図11に示すように、パ
ソコン画面で上述したようなベベリング検査基準を設定
する。併せて、検査対象となっている水晶ブランクの形
状選択、寸法などを書込む。設定値および書込んだ値は
画像処理装置に送られて、それらに基づいた画像処理が
行われる。
【0062】以上述べたように本実施の形態では、水晶
ブランクをベベリング加工することによりブランク表面
に生じるあらゆる方向の微小傷を死角を発生することな
く強調し検出できるようにしたので、ベベリング加工部
と非加工部とを確実に区別でき、その結果ベベリング状
態を高精度に検出できる。また画像処理を使ってベベリ
ング状態を全数検査できかつリアルタイムで瞬時に把握
でき、データも大量に統計処理して得られるので、ベベ
リング加工の品質管理が可能となり、その結果、ベベリ
ング加工の標準化しいては信頼性の高いGO/NO GO の選
別が可能となる。また、統計的手法が使えるので、ベベ
リング加工やその後に行われる酸処理にバラツキが生じ
ても、しきい値を水晶ブランク毎に設定できるため、許
容値を弾力的に取ることができ、そのような許容値を検
査基準に設定することにより、良品を不良品としたり、
不良品を良品としたりすることがない。また、前記ベベ
リング検査は水晶ブランクの片面だけでなく両面につい
て行うようにすると、良否判定の信頼性が一層向上でき
る。
【0063】また、載置台2の載置面3に多数の溝4を
設けたので、水晶ブランク1との間に滑動を誘起する空
気層が形成されることがなく、水晶ブランク1が載置台
2上を滑ることがなくなる。このため、搬送ロボットア
ームを下降して吸着を解除するだけで、載置台2上の定
位置に水晶ブランク1を載置でき、正確な傷検査を行な
える。また、空気層が完全に追い出されて水晶ブランク
1が載置台2に密着するということもない。したがっ
て、検査後のピックアップに失敗することがなくなり、
バキュームチャックによるハンドリングを高速で行うこ
とができる。
【0064】図12には、水晶ブランク1に下方から光
を照射する照明手段(光源)の他の実施形態を示す。こ
の照明手段は、箱形の本体21の上部に発光ダイオード
6が取り付けられる八角錐体状の取付体22を有し、取
付体22の傾斜面全周に沿って発光ダイオード6が多数
配設されている。水晶ブランク1を載置する載置台2
は、図12(b)に示すように、本体21上に台座23
を介して設置され、発光ダイオード6からの光が、図示
しないミラーの反射によって、水晶ブランク1の下方か
らその側面全周に向けて均一に照射されるようになって
いる。一般に、水晶ブランクは研磨により段階的に透明
度を上げていく。2000〜4000番ぐらいの研磨粒
子で研磨されて少し表面が曇り状態のときは、傷がより
浮びやすくなるように、照明手段からの光量をやや減少
し、研磨粒子が4000以上の透明仕上げの状態では、
逆に光を強くして傷を強調するのがよい。このため、発
光ダイオード6の光量は、調光ツマミ24によって調節
できるようになっている。
【0065】図13には、照明手段の更に他の実施形態
を示す。この実施形態では、水晶ブランク1の側面全周
に向けて光を照射する光源として、リングライト25を
用いており、リングライト25を載置台2の下側に配置
している。リングライト25には、通常、最も簡易かつ
安価な環状の蛍光灯を使用できる。リングライト25に
蛍光灯を使用する場合には、蛍光灯の発する光は既に散
乱光になっているので拡散板26は必須ではないが、よ
り散乱効果を高めるために、リングライト25の照射方
向に、リングライト25から水晶ブランク1に照射され
る光を拡散させて散乱光を水晶ブランク1に照射するリ
ング状の拡散板26を配置するとよい。拡散板26には
減光フィルタなどを用いる。また、照射に寄与させたく
ないリングライト25の一部を遮光するために、遮光板
27をリングライト25の周囲に設け、水晶ブランク1
の表面に対して0°〜−30°の範囲内の照射角度θで
水晶ブランク1の側面全周方向から光を照射できるよう
にしている。
【0066】ところで、鏡面仕上された載置台の載置面
には、溝を研磨加工によって作成し、載置面と溝との境
界部は、滑らかに丸みを持たせて、傷検査時に光学的に
反射がないようにしていることは前述したとおりであ
る。ここではこの点をもう少し具体的に説明する。サフ
ァイアからなる載置台に溝を作成するには、ダイヤ研磨
剤を使用してブラシ研磨し、後に化学研磨するが、ブラ
シ研磨時間によって溝における光学的反射の有無が大き
く影響する。
【0067】図14は、厚さ1mmのサファイア載置台
の載置面と溝との境界部の具体的な断面形状を示すもの
であり、横軸は載置台の幅方向を示し、単位は2目盛で
0.2mmであり、縦軸は溝深さを示し、単位は2目盛
で20μmである。図7(a)は0.5時間(H)ブラ
シ研磨したときのもので、溝深さは13μmである。図
7(b)は1.0Hブラシ研磨したときのもので、溝深
さは11μmであり、図7(a)のときと比較して、研
磨時間が長い分、載置面と溝との境界部は、より滑らか
な丸みを持っている。
【0068】図15は、図14に示す載置台を用いたと
きの載置台および水晶ブランクの照射画像を示すもの
で、図15(a)は0.5Hブラシ研磨載置台を使用し
たときの画像、図15(b)は1.0Hブラシ研磨載置
台を使用したときの画像である。これからわかるよう
に、0.5Hブラシ研磨載置台を使用したときは、傷検
査時に、溝において光学的反射が生じ、溝が画像上に浮
かび上がり、傷との区別がつかなくなってしまう。これ
に対して1.0Hブラシ研磨載置台を使用したときは、
そのようなことはなく、暗視野における溝のエッジ効果
がなくなり、撮像される光は被検査物に存在する傷か、
被検査物の側面(エッジ)によって反射される反射光の
みとなり、したがって、滑動及び密着を回避するために
必要な溝深さを確保しつつ、境界部に最適な丸みを出す
ような研磨時間を選択することが重要である。
【0069】図16は、サファイア載置台の他の実施形
態を示し、既に触れたが載置台2の溝4を交差させ、格
子状に形成したものである。図3のように溝が一方向に
互いに平行に形成されていると、溝に入り込んだごみを
簡単に取り除くことができるが、使用を繰り返していく
と、溝間の山部にホコリやゴミが堆積していき、1日な
いし2日も経つと、容易に除去できなくなる傾向があ
る。これは山部が線状に形成され、山部面積が大きいこ
とが原因と考えられる。そこで図16に示すように、溝
4を格子状に形成することによって山部を点状にして、
山部の面積を小さくした。その結果、山部のホコリやゴ
ミの堆積が少なくなり、載置台のメンテナンスを延ばす
ことができることがわかった。
【0070】図17は照明手段の他の実施の形態を示す
もので、水晶ブランク1に下方から光を照射する発光ダ
イオード6に加えて、上方からも光を照射する補助発光
ダイオード7を設ける。短冊状の水晶ブランク1の場
合、長辺の長さが8mmを超えると、図17(c)に示
すように、水晶ブランク1の両端部(斜線部)の光の強
さが、中央部よりも弱くなるため、エッジの検出が困難
になる。水晶ブランク1を取り囲む発光ダイオード6の
配置径を大きくすれば、両端部の光の強さを強くできる
が、それでは既存装置を改造する必要が生じ、かつ装置
が大型化してしまう。
【0071】そこで、図17(a)に示すように、上部
に補助発光ダイオード7を設け、水晶ブランクの両端部
(四隅)を照射することで、図17(b)のように、中
央部と同じ光量を得ることができるようにする。上下の
発光ダイオード6、7の光の強さの比率は7:3〜3:
7の範囲であれば、光バランス上問題はない。通常は、
5:5に調整するとよい。載置台2の上側に発光ダイオ
ード6を設けるには、搬送ロボットアーム15の搬送経
路の障害とならないように配置することが必要である。
また、水晶ブランク面に対して+30°の照射角度の範
囲内で照射する。
【0072】図18は、補助発光ダイオード7の具体的
な配置状況を示す平面図である。補助発光ダイオード7
を取り付けるための取付板8は、載置台の全部を覆うこ
となく、中央が開口し、搬送ロボットアーム15の搬送
経路9を確保してある。補助発光ダイオード7は、水晶
ブランク1の四隅に対向して取付板8の4箇所に取り付
け、水晶ブランク1の両端部を上方から照射できるよう
にする。照射角度を+30°以内にするために、図示し
ないミラーで光路を規制する。
【0073】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、暗視野
照明下においてベベリング加工部を強調して客観的に画
像認識できるようにしたので、ベベリング検査の作業性
が格段と向上し、ベベリング検査の標準化が図れる。
【0074】
【0075】
【0076】
【0077】請求項2に記載の発明によれば、オンライ
ン上で処理できるので、大量かつ迅速なベベリング検査
がリアルタイムで可能となり、客観的な検査用データが
得られ、ベベリング検査を標準化することができる。ま
た、検査用データをベベリング加工技術にフィードバッ
クでき、ベベリング加工技術の改善に資することができ
る。その結果、水晶基板の特性が向上し、生産性の向上
が図れる。
【0078】
【0079】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る水晶基板のベベリング検査装置の
一実施形態のシステム構成図である。
【図2】本発明に係る水晶基板のベベリング検査装置の
一実施形態を示すもので、(a)は概略構成図、(b)
は(a)の発光ダイオード、載置台を下側からみた図で
ある。
【図3】図1の載置台を示すものであり、(a)は平面
図、(b)は側面図、(c)は(b)のA部拡大断面
図、(d)は(c)のB部拡大断面図である。
【図4】実施形態のベベリング加工からベベリング検査
までの一連のフローチャートである。
【図5】水晶ブランクの側面全周に向けて光を照射した
ときに傷が浮び上がる原理を示したものであり、(a)
は平面図、(b)は側面図である。
【図6】実施形態のサンプルのベベリング状態の画像を
示し、(a)は2値化前の画像、(b)は2値化画像で
ある。
【図7】実施形態の他のサンプルのベベリング状態の画
像を示し、(a)は2値化前の画像、(b)は2値化画
像である。
【図8】図6(b)の統計処理データをプロットした特
性図である。
【図9】図7(b)の統計処理データをプロットした特
性図である。
【図10】実施形態の水晶ブランク画像の領域分割を示
す説明図である。
【図11】実施形態のベベリング検査時のパソコンの設
定画面を示す図である。
【図12】本発明の水晶基板の傷検査装置に用いられる
照明手段の他の実施形態を示すものであり、(a)は平
面図、(b)は水晶ブランクを載置した状態の縦断面図
である。
【図13】本発明の水晶基板の傷検査装置に用いられる
照明手段の他の実施形態を示す概略構成図である。
【図14】ブラシ研磨時間の違いによる載置台の載置面
と凹部との境界部(エッジ部)の形状を示すものであ
り、(a)は0.5Hブラシ研磨の断面図、(b)は
1.0Hブラシ研磨の断面図である。
【図15】図14に対応する載置台および水晶ブランク
の照射画像を示すもので、(a)は0.5Hブラシ研磨
載置台を使用したときの画像図、(b)は1.0Hブラ
シ研磨載置台を使用したときの画像図である。
【図16】溝を交差させて格子状に形成した他の実施形
態を示す載置台の平面図である。
【図17】照明手段の他の実施形態を示すものであり、
(a)は上下両方に照明手段を設けた概略構成図、
(b)は上下両方から照射したときの水晶ブランクの光
の強さを示す図、(c)は下方からのみ照射したときの
水晶ブランクの光の強さを示す図である。
【図18】補助照明手段の配置状況を示す平面図であ
る。
【図19】ベベリング加工を行う円筒状バレル方式の説
明図である。
【図20】従来のレベル測定法で得たデータを水晶ブラ
ンクの長さ方向にプロットした特性図である。
【符号の説明】
1 水晶ブランク 61 ベベリング加工部 62 非加工部
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/84 - 21/958 G06T 1/00 G06T 7/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水晶振動子の特性を改善するために周辺部
    をベベリング加工された水晶基板のベベリング検査方法
    において、 ベベリング加工された水晶基板の水平な基板面に対して
    上下方向に±30°の照射角度の範囲内で拡散された散
    乱光を水晶基板の側面側全周方向から照射し、 照射した水晶基板の基板面に対して垂直な方向から水晶
    基板を撮像し、撮像信号から水晶基板上のベベリング加工部と非加工部
    とが区別できるように2値化処理を行い、 上記区別された2値化画像についてさらに統計処理を行
    なって ベベリング状態を検出するようにした水晶基板の
    ベベリング検査方法。
  2. 【請求項2】水晶振動子の特性を改善するために周辺部
    をベベリング加工された水晶基板のベベリング検査装置
    において、 ベベリング加工された水晶基板の水平な基板面に対して
    上下方向に±30°の照射角度の範囲内で拡散された散
    乱光を水晶基板の側面側全周方向から照射する照明手段
    と、 照射した水晶基板の基板面に対して垂直な方向から水晶
    基板を撮像する撮像手段と、撮像信号から水晶基板上のベベリング加工部と非加工部
    とが区別できるように2値化処理を行う統計処理手段
    と、 上記区別された2値化画像についてさらに統計処理を行
    なって ベベリング加工部と非加工部とを表示する表示手
    段とを備えた水晶基板のベベリング検査装置。
JP10036340A 1997-08-25 1998-02-18 水晶基板のベベリング検査方法および装置 Expired - Fee Related JP3054609B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10036340A JP3054609B2 (ja) 1998-02-18 1998-02-18 水晶基板のベベリング検査方法および装置
US09/134,359 US6256091B1 (en) 1997-08-25 1998-08-14 Transparent substrate mounting platform, transparent substrate scratch inspection device, transparent substrate bevelling inspection method and device, and transparent substrate inspection method
IL12588898A IL125888A0 (en) 1997-08-25 1998-08-21 Mounting platform scratch inspection device and method and bevelling inspection method and device all for transparent substrates
DE19838410A DE19838410A1 (de) 1997-08-25 1998-08-24 Montageplattform für transparentes Substrat, Kratzerinspektionsvorrichtung für transparentes Substrat, Vorrichtung und Verfahren für die Abschrägungsinspektion eines transparenten Substrats und Verfahren zur Inspektion eines transparenten Substrats

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10036340A JP3054609B2 (ja) 1998-02-18 1998-02-18 水晶基板のベベリング検査方法および装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11230914A JPH11230914A (ja) 1999-08-27
JP3054609B2 true JP3054609B2 (ja) 2000-06-19

Family

ID=12467111

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10036340A Expired - Fee Related JP3054609B2 (ja) 1997-08-25 1998-02-18 水晶基板のベベリング検査方法および装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3054609B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013510302A (ja) * 2009-11-03 2013-03-21 デ ビアーズ センテナリー アーゲー 研磨された原石のインクルージョンの検出

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002286655A (ja) * 2001-03-26 2002-10-03 Shibuya Kogyo Co Ltd 物品検査方法
JP3934093B2 (ja) * 2003-08-12 2007-06-20 本田技研工業株式会社 ハイブリット車両の制御装置

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3329805B2 (ja) * 1990-08-29 2002-09-30 株式会社日立製作所 自動外観検査装置及び外観検査方法
JP3050764B2 (ja) * 1994-11-28 2000-06-12 シャープ株式会社 Icチップ外観検査装置
JPH08285789A (ja) * 1995-04-18 1996-11-01 Nippon Sheet Glass Co Ltd 欠点検出方法における2値化レベルの決定方法
JP2821460B2 (ja) * 1996-04-24 1998-11-05 株式会社日本マクシス 透明基板の傷検査装置
JP3102850B2 (ja) * 1996-11-28 2000-10-23 株式会社日本マクシス 水晶ブランクの傷検査装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013510302A (ja) * 2009-11-03 2013-03-21 デ ビアーズ センテナリー アーゲー 研磨された原石のインクルージョンの検出

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11230914A (ja) 1999-08-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4626982B2 (ja) ガラス板の端面の欠陥検出装置および検出方法
JP2006162427A (ja) Ledチップの検査方法及びledチップの検査装置
JP2010107254A (ja) Ledチップ検査装置、ledチップ検査方法
JP4747602B2 (ja) ガラス基板検査装置および検査方法
US6256091B1 (en) Transparent substrate mounting platform, transparent substrate scratch inspection device, transparent substrate bevelling inspection method and device, and transparent substrate inspection method
JP2016178298A (ja) ウェハエッジ検査装置
JP2024026728A (ja) 外観検査装置
JP2007278915A (ja) 工具欠陥検査装置と工具欠陥検査方法
JP3009659B1 (ja) 傷検査用光源及び傷検査用光源ユニット
JP3110707B2 (ja) 水晶基板用載置台及び水晶基板の傷検査装置
JP3054609B2 (ja) 水晶基板のベベリング検査方法および装置
JP2015094642A (ja) 探傷装置
JP3102850B2 (ja) 水晶ブランクの傷検査装置
US20240288376A1 (en) Curved substrate bubble detection method and detection system
CN113490844A (zh) 异物检查装置及异物检查方法
JP2020085587A (ja) ガラス板の製造方法、及びガラス板の製造装置
JP2019070545A (ja) 表面検査装置および表面検査方法
CN111587476B (zh) 半导体晶圆的评价方法及半导体晶圆的制造方法
JPS59135353A (ja) 表面傷検出装置
JP2002082066A (ja) 傷検査方法および傷検査装置
JPH10253547A (ja) 基板外観検査システム
JP2968247B2 (ja) 水晶ブランクの検査方法
JP3505655B2 (ja) ガラス容器検査装置
KR20150091920A (ko) 기판의 에지 검사장치 및 이를 이용한 검사방법
JPH0695077B2 (ja) ガラス壜の底面検査装置

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees