JPH10253547A - 基板外観検査システム - Google Patents

基板外観検査システム

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JPH10253547A
JPH10253547A JP5143797A JP5143797A JPH10253547A JP H10253547 A JPH10253547 A JP H10253547A JP 5143797 A JP5143797 A JP 5143797A JP 5143797 A JP5143797 A JP 5143797A JP H10253547 A JPH10253547 A JP H10253547A
Authority
JP
Japan
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substrate
inspected
inspection
defect
unit
Prior art date
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Application number
JP5143797A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoru Kino
哲 城野
Kazuhiko Sugawara
和彦 菅原
Masashi Otani
昌司 大谷
Yuzo Yamamoto
裕三 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ハードディスク用カーボン基板等の被検査基板
の表面における凹凸欠陥を、自動的に高精度かつ効率良
く検査する。 【解決手段】カセット51に収納されて供給される被検査
基板を、基板供給・搬出ステーションAにおいて基板を
搬送する回転テーブル56に供給し、まず、表面検査ステ
ーションBで表面の欠陥検出を行い、その後反転ステー
ションCで基板の表裏を反転させてから、裏面検査ステ
ーションDに送って裏面の欠陥検出を行う。前記欠陥検
出は、基板の検査面に対して直角に平行光を照射して該
平行光の反射を撮像し、基板表面の凹凸欠陥を明暗異常
部として検出する。そして、検出された欠陥の検出画素
数を、基板をメディア化したときのミッシングエラー個
数に相当する値に換算し、該換算値に基づいてランク分
けを行い、検査済の基板を前記ランクに対応したカセッ
ト51に収納させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は基板外観検査システ
ムに関し、詳しくは、ハードディスク用基板等の被検査
基板の検査面(記録エリア)の欠陥(キズ,穴,ゴミ)
を光学的に検出し、該検出結果から被検査基板の品質を
ランク分けする基板外観検査システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ハードディスク用基板などの
被検査基板の検査面に対して直角に平行光を照射し、該
平行光の被検査基板からの反射光を光学系を介してCC
D等の撮像素子に結像させて撮像し、該撮像された画像
信号に基づいて検査面における欠陥を検出する検査装置
及び方法が知られている(特開平7−325036号公
報,特開平3−285106号公報,特開平4−290
6号公報等参照)。
【0003】上記従来の検査装置及び方法によると、検
査面に凹凸があると、反射光が平行光とならずに、撮像
素子の受光面上の投影像に明暗差となってあらわれるの
で、被検査基板が低反射率のものであっても、撮像した
画像から検査面の欠陥を高速に検出できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の検査装置を用い
れば、目視検査に比べて基板上の凹凸欠陥を高速にかつ
安定した精度で検査できるため、該検査装置を用いて基
板を自動的に効率良く検査でき、また、検査結果毎の基
板管理が容易な検査システムの構築が要望されていた。
【0005】また、ハードディスク用の基板等を検査対
象とする場合、単に欠陥の大きさや個数などから基板の
品質を判断すると、判断結果がメディア化後の品質と対
応せずに、メディア品質として必要十分な品質を備えて
いながら不良品として判断されてしまうことがあり、メ
ディア品質の立場から直接的に基板の品質を判断できる
ようにすることが望まれていた。
【0006】本発明は、このような従来の事情に鑑み、
基板の外観検査を、自動的に効率良くかつ高精度に行
え、また、検査結果毎の基板管理が容易な検査システム
を提供することを目的とする。また、被検査基板をメデ
ィア化した後の最終品質を正しく検査できる基板外観検
査システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の発明に係る基板外観検査システムでは、被検査基板の
検査面に対して直角に平行光を照射する平行光照射手段
と、前記平行光の被検査基板からの反射光を撮像する撮
像手段とからなる検査ユニットを備えると共に、前記撮
像手段により撮像された画像から検査面上の欠陥を検出
する欠陥検出手段と、該欠陥検出手段による欠陥の検出
結果に基づいて前記非検査基板の品質ランクを判定する
ランク判定手段とを有する処理装置とを備えてなり、前
記検査ユニットに対して供給された被検査基板の表裏を
それぞれ検査した後、前記ランク判定手段により判定さ
れたランクに応じて検査済の基板を仕分けする構成とし
た。
【0008】ここで、欠陥とは、欠け,ピット,異常突
起,ゴミ,スクラッチ等を指し、メディア化した際、記
録再生エラーを生じさせる欠陥を意味する。そして、上
記検査システムでは、前記欠陥が、検査面上の凹凸によ
り、平行光が正反射せずに散乱して、平坦部よりも暗く
なったり明るくなったりする異常部として検出される。
尚、画像処理によって欠陥を検出する際には、ノイズ除
去処理,欠陥強調処理を施すことが好ましい。
【0009】そして、検出された欠陥に基づいて検査済
の基板が品質(欠陥レベル)の上からランク毎に仕分け
され、同一ランク毎に検査済の基板が集められる。前記
撮像手段は、撮像素子と、テレセントリック光学部と、
撮像素子とテレセントリック光学部との間に設けられた
開口絞りとによって構成するのが好ましく、前記平行光
照射手段の光源としては、波長がシャープでかつ色収差
が少なくて好ましいハロゲンランプを用いることがで
き、更に、ハーフミラーを用いて平行光の照射と、反射
光の撮像とを行わせる構成とすることが好ましい。
【0010】請求項2記載の発明では、前記ランク判定
手段で判定されるランク別に設定されたカセットに、前
記検査済の基板を、判定されたランクに応じて収納させ
る構成とした。例えばランクがA,B,Cの3ランクに
判別される場合には、A,B,Cのランク毎に収納する
カセットを決め、1つのカセットには同じランクの基板
のみが収納されるようにするものである。
【0011】請求項3記載の発明では、カセットに収納
した状態で被検査基板を前記検査ユニットの近傍位置ま
で搬送し、検査ユニットに全ての被検査基板が供給され
て空となった前記カセットを検査済の基板の収納に用い
る構成とした。被検査基板は、カセットに収納された状
態で検査部にまで搬送されるが、カセット内の基板が順
次検査対象として検査部に供給されてカセット内が空に
なると、この空のカセットに検査済の基板を収納させ、
カセットの有効利用を図る。
【0012】請求項4記載の発明では、前記検査ユニッ
トによる検査時に、前記被検査基板の一部を真空吸引し
て保持する構成とした。例えばハードディスク用基板な
どでは、内径部や外径部の記録エリアとして用いない部
分を真空吸引し、撮像時に安定的に基板を保持する。請
求項5記載の発明では、被検査基板を搬送する回転テー
ブルの周囲に、少なくとも表面検査ユニット及び裏面検
査ユニットを配してなる構成とした。
【0013】回転テーブルに被検査基板を載せ、表面検
査ユニット,裏面検査ユニットに順次搬送して、表裏の
検査を行わせるものである。請求項6記載の発明では、
前記回転テーブルの周囲に、前記表面検査ユニット及び
裏面検査ユニットと共に基板反転機構を備え、前記検査
ユニット間の被検査基板の搬送途中で前記基板反転機構
によって被検査基板の表裏を反転する構成とした。
【0014】被検査基板はまず一方面が検査ユニットで
検査されると、他方面が検査される前に基板反転機構に
よって表裏が反転されて別の検査ユニットに搬送される
ことになるので、表面検査ユニットと裏面検査ユニット
とは、回転テーブルに対して同じ側(例えば回転テーブ
ルの上側)に配置されることになる。請求項7記載の発
明では、前記検査ユニットが、検査位置に保持された前
記被検査基板の表裏にそれぞれ設けられて、前記被検査
基板の表裏を同時に検査する構成とした。
【0015】例えば水平に保持される被検査基板の上下
に検査ユニットを配置し、各検査ユニットにより同時に
表裏を検査することで、検査時間の短縮を図る。請求項
8記載の発明では、前記処理装置が、各基板単位及び表
裏単位でID番号を付与し、前記欠陥検出手段と前記ラ
ンク判定手段との少なくとも一方の結果を統計的に処理
して出力する構成とした。
【0016】ここで、前記欠陥検出手段の検出結果と
は、例えば欠陥位置の情報や欠陥サイズ(欠陥検出画素
数)の情報であり、統計処理には、マッピング,ヒスト
グラム,一覧表などが含まれるものとし、出力形態とし
ては画面表示であっても良いし、ハードコピー出力であ
っても良い。請求項9記載の発明では、前記撮像手段で
撮像された画像を表示する表示装置を備える構成とし
た。
【0017】被検査基板の検査面の撮像結果をCRT等
の表示装置に表示させるものである。請求項10記載の発
明では、前記ランク判定手段が、前記欠陥検出手段で検
出された欠陥の検出画素数を、予め設定された相関に基
づいて前記被検査基板をメディア化したときのミッシン
グエラー個数に相当するエラーカウント値に変換し、該
変換されたエラーカウント値に基づいて前記被検査基板
の品質をランク分けする構成とした。
【0018】欠陥検出手段で検出された欠陥検出画素数
は、メディア化した後の最終品質を示すエラーカウント
値に換算され、該エラーカウント値に基づき最終品質と
して被検査基板がランク分けされる。ここで、欠陥検出
画素数とエラーカウント値との相関は、予め実験的に求
めておき、相関関数として或いは変換テーブルとして記
憶させて欠陥検出画素数をエラーカウント値に換算させ
れば良い。
【0019】即ち、基板上で計測された欠陥の検出画素
数と、その基板をメディア化した際のその欠陥位置で発
生するミッシングエラー個数との間に強い相関があるこ
とが、実験,解析によって明らかになったので、欠陥検
出画素数を前記相関に基づいてミッシングエラー個数に
換算し、メディア化後の最終品質としてランク分けが行
えるようにしたものである。尚、前記欠陥の検出画素数
を変数とするときのミッシングエラー個数は、2次関数
で略近似できる。
【0020】請求項11記載の発明では、前記撮像手段に
おける合焦位置を含むフォーカス位置範囲内でフォーカ
ス位置を変化させたときの欠陥の画像信号に基づいて、
欠陥の凹凸を判別する凹凸判別手段を設ける構成とし
た。平行光を照射しての撮像では、合焦位置を含む所定
のフォーカス位置範囲内でフォーカス位置を変化させた
ときに、凹凸に応じて光量レベルの変化に特質があり、
凸欠陥では、フォーカス位置を変化させても光量レベル
は暗異常のまま推移するのに対し、凹欠陥では、同一異
常部であるにも関わらずフォーカス位置によって異常信
号が明暗に変化するので、かかる性質に基づいて欠陥の
凹凸を判別する。
【0021】請求項12記載の発明では、前記被検査基板
を保持するスピンドルを備え、該スピンドルによって被
検査基板を所定角度ずつ回転させ、前記撮像手段が前記
被検査基板の検査面を各角度位置毎の複数領域に区分し
て撮像する構成とした。円板状の被検査基板であれば、
検査面を扇状に複数に分けて撮影するものであり、撮像
手段は一般に矩形の視野を有するから、前記扇状の領域
以外の部分についてはマスクして必要部分の画像信号を
得る。但し、画像信号を得る領域を完全に分離すると、
未検査域を生じる可能性があるので、必要最小限に重複
して画像信号を得て、欠陥を検出させることが好まし
い。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を説明
する。尚、以下に示す実施の形態では、円板状のハード
ディスク用カーボン基板を検査対象(被検査基板)とす
る。図1は、本発明の実施の形態を示す基板外観検査装
置の全体構成を示す上面図、図2は正面図、図3は側面
図である。
【0023】本実施の形態における検査装置には、被検
査基板としてのハードディスク用基板(図示省略)を複
数枚ずつ収納するカセット51を供給,搬出するカセット
供給搬出ライン52が付設されている。前記カセット供給
搬出ライン52は、空カセット供給ライン52a,基板入り
カセット供給ライン52b,ランクAカセット搬出ライン
52c,ランクBカセット搬出ライン52d,ランクCカセ
ット搬出ライン52eから構成され、前記空カセット供給
ライン52a,基板入りカセット供給ライン52bは、カセ
ット51をローラ搬送によって図1において右方向に順送
りするものであり、ランクAカセット搬出ライン52c,
ランクBカセット搬出ライン52d,ランクCカセット搬
出ライン52eは、検査済の基板が収納されたカセット51
を図1において左方向にローラ搬送によって順送りする
ものであり、各ラインは平行に設けられている。
【0024】そして、前記基板入りカセット供給ライン
52bを介して検査部付近にまで搬送されたカセット51に
収納された検査対象の基板が、ハンドリング装置53によ
って把持されて検査ステージ54にセットされる。検査ス
テージ54における検査が終了した基板は、前記ハンドリ
ング装置53により把持されて検査ステージ54からカセッ
ト供給搬出ライン52側に戻され、検査におけるA,B,
Cのランク分けの結果に応じて、前記ランクAカセット
搬出ライン52c,ランクBカセット搬出ライン52d,ラ
ンクCカセット搬出ライン52eのいずれかのラインにセ
ットされているカセット51に収納され、検査済の基板を
収納したカセット51は、順次搬出される。
【0025】基板入りカセット供給ライン52bにより検
査対象の基板を収納した状態で順次供給されるカセット
51は、収納していた基板が全て取り出されると、カセッ
ト供給搬出ライン52の図1で右端部に設けられたライン
間移動機構55により、ランクAカセット搬出ライン52
c,ランクBカセット搬出ライン52d,ランクCカセッ
ト搬出ライン52eのいずれかに移動し、検査済の基板を
収納するために用いられる。ここで、カセット供給搬出
ライン52からの搬出ライン52c,52d,52eへの空カセ
ットの供給ではカセットが不足する場合には、空カセッ
ト供給ライン52aを介して供給される空カセットを、前
記ライン間移動機構55により搬出ライン52c,52d,52
eへ供給する。前記ライン間移動機構55は、カセット51
のハンドリング装置55aと、該ハンドリング装置55aを
ライン間に移動させる搬送機構55bとから構成される。
【0026】前記検査ステージ54は、円板状の基板を水
平に保持したまま周方向に搬送するための回転テーブル
56と、表面検査ユニット57及び裏面検査ユニット58とか
らなる。前記回転テーブル56は、基板4を載置するため
の台座部56aを周縁部に90°間隔で備えなり、図1で時
計周りにモータ59で回転駆動される。そして、カセット
供給搬出ライン52に最も近い位置(以下、基板供給・搬
出ステーションAという)にある台座部56aに対して、
前記ハンドリング装置53により検査対象の基板が載置さ
れる。
【0027】前記基板供給・搬出ステーションAに対し
て、時計周りに90°毎に表面検査ステーションB,表裏
反転ステーションC,裏面検査ステーションDが配さ
れ、前記基板供給・搬出ステーションAで台座部56aに
載置された基板は、まず、表面検査ステーションBに送
られて表面検査ユニット57により表面についての検査が
行われた後、表裏反転ステーションCに送られて基板反
転機構60により表裏が反転される。表裏が反転された基
板は、裏面検査ステーションDに送られ、ここで、裏面
検査ユニット58により裏面についての検査が行われ、表
裏の検査が終了した基板は、再度前記基板供給・搬出ス
テーションAに戻されて、前記ハンドリング装置53によ
りランク分けの結果に応じたカセットに収納されて、検
査済の基板がカセット単位でランク毎に仕分けされる。
【0028】尚、前記表面検査ステーションB,裏面検
査ステーションDからなるセットを、回転テーブル56上
に複数備える構成とすれば、更に検査を高速化すること
が可能である。図4は、前記基板反転機構60による基板
反転の動作を示すものである。反転ステーションCに送
られた基板4は、筒状に形成された台座部56aの下側か
ら上昇するシリンダ61により、シリンダ61の先端部が基
板4の内径部に嵌挿された状態で押し上げられ、基板反
転機構60により把持される位置まで水平を保ったまま上
昇する(図4(a),(b))。
【0029】前記基板反転機構60は、上昇した基板4を
両側から挟み込むようにして保持し(図4(c))、基
板反転機構60に基板4が保持されると、シリンダ61が下
降する(図4(d))。シリンダ61が下降すると、基板
反転機構60の把持部60aが水平軸周りに180 °回転する
ことで、基板4の表裏が反転される(図4(e),
(f))。
【0030】反転が終了すると、再度シリンダ61が基板
4を保持できる位置まで上昇し(図4(g))、続いて
前記基板反転機構60の把持部60aが基板4を開放し(図
4(h))、シリンダ61の先端に保持された状態でシリ
ンダ61の下降と共に基板4が台座部56aに載置される状
態に復帰する(図4(i))。一方、前記表面検査ユニ
ット57及び裏面検査ユニット58は、図3に示すように、
カメラや照明装置等からなる撮像部62と、基板4を保持
・回転させるためのスピンドル部63とからなる。前記回
転テーブル56を回転駆動させて基板4をステーション間
に移動させるときには、前記回転テーブル56は前記撮像
部62とスピンドル部63との間隙を水平に回転するが、検
査時には、前記回転テーブル56を下降させて、スピンド
ル部63が台座部56aから突き出るようにすることで、台
座部56aから基板4を離して、スピンドル部63の先端に
基板4が保持されるようにする。そして、後述するよう
に、基板4を所定角度ずつ回転させては停止させて撮影
を行うことで、基板4の上面を周方向(又は半径方向)
に複数回に分けて撮影し、撮影結果を画像処理して基板
4表面の欠陥(キズ,穴,ゴミ)の検査する。
【0031】検査が終了すると、下げていた回転テーブ
ル56を上昇させることで、台座部56aで基板4を持ち上
げるようにして、スピンドル部63による保持状態を開放
し、次のステーションへの移動が可能な状態とする。
尚、上記の検査装置では、基板4の表面と裏面とを個別
の検査ユニット57,58で検査する構成としたが、表面の
検査が終了した後に反転させて同じ検査ユニットに戻し
て裏面を検査させる構成とすれば、検査ユニットは1つ
で良い。また、基板を挟んで上下に検査ユニットを配置
すれば、表裏を同時に検査することも可能である。
【0032】図5は、前記検査ユニット57,58の詳細な
構成を、画像処理系を含めて示すものである。この図5
において、テーブル1は図示X方向に移動可能であり、
このテーブル1上にパルスモータ2により回転可能なス
ピンドル3が設けられている。そして、このスピンドル
3により被検査基板としてのハードディスク用基板4が
水平に保持されるようになっている。
【0033】尚、スピンドル3に対してハードディスク
用基板4が安定的に保持されるように、スピンドル3の
段差部3aに開口させた複数の開口部(図示省略)にバ
キュームを導き、該バキュームによって前記基板4を真
空吸引して前記段差部3aに密着保持できるようにして
ある。また、前記テーブル1は、検査ユニット57,58毎
に個別に設けられている。但し、前記真空吸引に限定す
るものではなく、機械的な保持等の他の手法を用いて基
板4を保持させる構成であっても良い。
【0034】ここで、基板4の保持部材であるスピンド
ル3には、低反射率の部材を使用したり、低反射率材料
で被覆(黒色処理)したりして、表面からの乱反射を防
止することが好ましい。また、この例では、基板4の内
径を保持しているが、外径を保持するようにしてもよ
い。また、スピンドル3の基板4の表面より上になる部
分の側面形状については、これにより保持されている基
板4の内径(又は外径)のエッジの測定も必要となるた
め、入射及び反射光路を妨害しないよう、図のように適
当な傾きをつけるようにする。
【0035】検査対象の基板4の中央部(スピンドル
3)を挟んでテーブル1の移動方向の一方の側の上方に
は、レンズユニット5を介して、CCDカメラ6が固定
されている。レンズユニット5は、外部の照明ユニット
7からの光に基づいて平行光を生成する平行光生成部8
と、平行光生成部8からの平行光を下向きにして落射平
行光として基板4の表面に照射するハーフミラー9とを
備えている。そして、落射平行光の基板4からの反射光
がハーフミラー9を透過し、テレセントリック光学部10
及び開口絞り(空間フィルタ)11を介してCCDカメラ
6に入射するようになっている。また、照明ユニット7
は検査対象の基板4の表面反射率に応じて光量制御可能
となっている。
【0036】従って、平行光生成部8及びハーフミラー
9が基板4の表面に垂直方向に平行光を照射する平行光
照射手段を構成し、CCDカメラ6,テレセントリック
光学部10,開口絞り11が前記平行光の基板4からの反射
光を撮像する撮像手段を構成する。また、検査対象の基
板4の中央部(スピンドル3)を挟んでテーブル1の移
動方向の他方の側の上方には、汎用高倍率レンズ12を介
して、CCDカメラ13が固定されている。
【0037】汎用高倍率レンズ12の側には、外部の照明
ユニット14からの光により、一般拡散照明を行う拡散照
明器15が設けられている。2つのCCDカメラ6,13に
より得られた画像信号は画像処理装置16(処理装置)及
びモニタ17(表示装置)に入力されるようになってい
る。前記モニタ17には、前記CCDカメラ6,13により
撮影された画像、即ち、基板4の検査面の画像がリアル
タイムに表示されると共に、各種の検査情報(基板のI
D番号,欠陥位置,欠陥サイズの情報など)が表示され
る。
【0038】画像処理装置16では基板4の表面上に絶対
座標を設定しており、レンズユニット5(平行光生成部
8、ハーフミラー9、テレセントリック光学部10、開口
絞り11)、CCDカメラ6、照明ユニット7によって得
られた異常部の画像信号から欠陥位置を求める。この欠
陥位置情報に基づいて、汎用高倍率レンズ12、CCDカ
メラ13、照明ユニット14、拡散照明器15で欠陥を検出す
る際、テーブル1のX方向移動とパルスモータ2の回転
により、高速位置決めが可能となっている。
【0039】ここで、前記レンズユニット5、CCDカ
メラ6、照明ユニット7によって構成される撮像系に自
動フォーカス位置制御手段を備えるようにして、自動的
な合焦制御が行われるようにすると良い。ハードディス
ク用基板4の全面を検査する場合には、パルスモータ2
によりスピンドル3を所定角度ずつ回転させて、例えば
図6に示すごとく、1.89”ディスクの場合、18.5mm×1
3.9mmの視野サイズの12画像に周方向に分割して撮像
する。また、基板4の直径が大きい場合は、視野サイズ
を変更するか、又はテーブル1を移動させて、各移動位
置毎にパルスモータ2によりスピンドル3を所定角度ず
つ回転させて、例えば図7に示すごとく、 2.5”ディス
クの場合、同一視野サイズで、内周側12画像、外周側
15画像に分割して撮像する。
【0040】ここで、基板4を移動させる代わりに、C
CDカメラ6,テレセントリック光学部10,開口絞り11
からなる撮像手段を、固定された基板4に対して移動さ
せる構成としても良い。また、前記CCDカメラ6,テ
レセントリック光学部10,開口絞り11からなる撮像手段
全体における解像度は、MTF(Modulation Transfer
Function) =50〜200(line-pairs/mm) 程度(好ましく
は、MTF=70〜150 )とすれば、必要十分な検出精度
を確保できる。尚、前記MTF(line-pairs/mm) は、格
子状に明暗が変化する図柄の空間的な細かさ、即ち、1
mmの間に含まれる格子縞の数を示すものである。
【0041】次に、画像処理装置16における欠陥検出及
びランク判定の様子を、図8のフローチャートに従って
説明する。尚、欠陥検出手段,ランク分け手段としての
機能は、前記図8のフローチャートに示すように、画像
処理装置16が備えている。まず、ステップ1(図にはS
1と記してある。以下同様)では、メディアサーティフ
ァイヤ換算値(エラーカウント値)MCFをゼロリセッ
トする。前記MCFは、基板4をメディア化したとき、
即ち、ハードディスクとして用いたときのミッシングエ
ラー個数に相当する値である。
【0042】ステップ2では、前記CCDカメラ6から
の2次元画像の取り込みを行う。該画像読み取りにおい
ては、同一領域について複数回撮像した画像信号を同一
位置画素毎に積算する積分処理を行って、照明光やA/
D変換値のゆらぎなどを要因とするノイズ成分を除去す
ることが好ましい。前記積分処理は、例えば、CCDカ
メラ6からの画像信号をA/D変換して加算機で加算
し、該加算結果をビットシフトして平均化させる方法で
行わせることができる。
【0043】また、時間軸上での低周波数成分の除去を
ハイパスフィルターによって行わせて前記ノイズ成分を
除去させても良い。ステップ3では、前記CCDカメラ
6の矩形撮像領域内におけるマスク領域の作製を行う。
前述のように、矩形の撮像領域(視野)で円板状の基板
4を周方向に複数領域に区分して撮像する場合には、本
来は扇形の領域が画像信号の必要領域であるが、隣接す
る領域が重複して撮像され、また、円板状基板4の外径
部及び/又は内径部が撮像される。そこで、画像処理の
際に図9に示すように矩形の撮像領域内において扇状の
マスクを用いて、重複部分及び非検査面の画像信号をマ
スクすると良い。図9(A)は1.89”ディスクのマスク
エリア(斜線部)を示し、図9(B)は 2.5”ディスク
外周部のマスクエリア(斜線部)を示し、図9中の円弧
状の点線は基板の内径又は外径を示す。
【0044】しかし、全く重複領域をなくしてしまう
と、未検査領域の発生する可能性がある。このため、図
10に、1.89”ディスクの場合の例を示すように、隣接す
る測定画像間ごとに最小限(10%未満、好ましくは、3
%未満)の重複領域を設ける。このとき、低い確率では
あるが、重複領域に異常部が存在するときがあり、例え
ば図10の異常部Bは、画像1とそれに隣接する画像2と
で共に異常部として判断されるといった重複検出が発生
してしまう。そこで、任意の異常部が重複領域の同一座
標で重複して検出された場合は、2回目以降の欠陥デー
タを削除するか、又は重複したデータの平均値・最大値
・最小値のいずれかをとるといった重複データ編集機能
を備えているとよい。
【0045】また、基板4の外径部及び/又は内径部に
ついてのマスクの作製においては、画像信号の解析によ
って基板4の外径部及び/又は内径部を抽出し、該抽出
した輪郭の内側にマスク領域の境界を設定するようにす
れば、芯ずれなどがあっても精度の良いマスクの作製が
可能である。ステップ4では、前記作製したマスクに基
づいて、矩形領域の撮像結果から扇状の必要領域内の画
像信号のみを抽出するマスク処理を実行する。
【0046】ステップ5では、欠陥画像を強調するため
の処理を実行する。前記強調処理とは、例えば隣接する
画素間での差分をとる空間微分処理であり、また、注目
画素を中心する複数画素領域内(例えば3×3画素)の
最大値をサンプリングするMAX変換と、注目画素を中
心する複数画素領域内の最小値をサンプリングするMI
N変換とを施し、前記MAX変換で得られた画像信号と
MIN変換で得られた画像信号との差分画像を求める構
成であっても良い。
【0047】ステップ6では、強調処理が施された画像
信号について2値化を行うことで,異常部分(平坦部分
に対して明暗を有する部分)の抽出を行うと共に、抽出
された異常部分の画素数である欠陥検出画素数pxiを
求め、ステップ7では、抽出された異常部それぞれにラ
ベリングを行う。上記では、欠陥画像の強調処理と2値
化とによって異常部分の抽出を行わせたが、2値化のみ
によって異常部分を抽出させても良く、更に、ノイズ除
去処理を省略しても良い。
【0048】また、当該検査装置において、その測定視
野内のどの位置にあっても異常部の検出感度を一定とす
るため、既知の異常部を測定視野の任意の位置にもって
いきながら、光学系位置(測定視野)を固定したまま、
基板4の内径を支持するスピンドル3を回転させること
で、測定視野中心(光軸)から既知の異常部の検出位置
までの距離に依存せず、同じ欠陥検出画素数が得られる
ように、フォーカス調整機構により、フォーカス位置、
すなわち光学系と被測定表面間の距離を調整する。更
に、前記フォーカス位置の調整だけで不十分なとき、前
記測定視野中心から異常部の検出位置までの距離による
検出感度の減衰量に応じた重み係数を実際に測定した欠
陥検出画素数に乗算して補正するとよい。
【0049】ステップ8では、前記CCDカメラ13から
の画像に基づき、前記異常部として検出された部分につ
いての画像解析から欠陥面積を求めると共に、欠陥の重
心位置を計測する。ステップ9では、ラベリングした異
常部の中で、大きさが基準以下のものを除外する処理を
行う。
【0050】具体的には、まず、各欠陥iの欠陥検出画
素数px[i] を式(1)若しくは式(1')に従って、欠
陥体積v[i] に換算する。尚、欠陥検出画素数pxと欠
陥体積vとには図11に示すように強い相関関係がある。 v[i] =10((px[i]+63.608)/44.917) ・・・(1) 若しくは、 px[i] =44.917× log10v[i] −63.608 ・・・(1') 〔(1')式の場合、相関係数 0.999635 〕 尚、図11の横軸の欠陥体積vは、Degital Instrumerts
社製ナノスコープIIIによるAFM(原子間力顕微鏡)
実測値である。
【0051】次に、各欠陥iごとに、式(2)に従っ
て、欠陥体積v[i] を欠陥面積A[i]で除算して、欠陥
高さ若しくは欠陥深さd[i] を算出する。このとき欠陥
形状モデルをどう仮想するかによって、特性定数kを選
択する。例えば、図12のような四角錐近似モデルの場合
は、k=1/3 とする。 d[i] =v[i] /(k・A[i] ) ・・・(2) そして、前記d[i] を所定値(例えば500Å)と比較
し、所定値よりも大きな凹凸を有する欠陥のみを残し、
所定値よりも小さい凹凸の場合には、メディア化後のミ
ッシングエラーの発生が無視できるものとして検査対象
から除外する。
【0052】尚、前記欠陥高さ若しくは欠陥深さd[i]
の算出及び算出結果に基づく欠陥の取捨選択を省略して
も良く、従って、汎用高倍率レンズ12,CCDカメラ1
3,照明ユニット14,拡散照明器15からなる撮像ユニッ
トを省略することも可能である。但し、上記のように、
前記欠陥高さ若しくは欠陥深さd[i] の算出結果から欠
陥を取捨選択する方が高精度な検査を行えて好ましい
が、共通のCCDカメラによって平行光照射時の画像
と、拡散照明時の画像とを撮像させる構成としても良
い。
【0053】ステップ10では、前記欠陥検出画素数px
[i] を、前記MCFに換算する。このステップ10の部分
がデータ変換手段に相当する。前記MCFは、図13に示
すように、欠陥検出画素数pxとの間に強い相関関係が
あり、前記相関関係は、例えば(3)式で近似される。 MCF=0.013 ×px[i] 2 +0.0312×px[i] ・・・(3) 一般的には、 MCF=a×px[i] 2 +b×px[i] +c・・・(4) (a,b,c=定数)として欠陥検出画素数pxとMC
Fとの相関が2次関数として近似される。
【0054】そこで、上記式(3)による演算、又は、
図14に示す変換テーブル(相関曲線)に基づいて前記欠
陥検出画素数pxを前記MCFに変換する処理をステッ
プ10において行わせる。ステップ11では、欠陥毎に求め
られるメディアサーティファイヤ換算値(エラーカウン
ト値)MCFを積算し、検査面トータルでのMCFを求
める。
【0055】ステップ12では、検出された欠陥全てにつ
いてMCFを求めたか否かを判別し、全欠陥についてM
CFを求めるまで、ステップ10,11の処理を繰り返す。
ステップ13では、図6又は図7に示すように、検査面を
複数に区分して撮像して検査する構成において、全画像
についての取り込み(検査面全ての検査)が終了したか
否かを判別し、全画像についての取り込みが終了してな
いときには、ステップ14へ進み、パルスモータ2により
スピンドル3を所定角度回転させることで、次の領域
(セグメント)に移動させて停止させ、ステップ2〜ス
テップ12の処理を行わせる。
【0056】上記ステップ1〜ステップ12の部分が欠陥
検出手段に相当する。一方、全画像についての取り込み
(検査面全ての検査)が終了した場合には、ステップ15
へ進み、検査面(片面)トータルでのMCFに基づいて
基板4を、A,B,Cのいずれかのランクに判別し、ラ
ンク分けの判定結果をステップ16において出力する。上
記のステップ15,16の部分がランク分け手段に相当す
る。
【0057】前記A,B,Cのランクは、A,B,Cの
順に品質が良いことを示し、例えば片面当たりのMCF
が15以下をAランク、16〜60をBランク、61以上をCラ
ンクとして行われる。本実施の形態のように、表裏につ
いてそれぞれに検査を行わせ、片面毎にトータルのMC
Fを求める場合には、例えば、表裏のうちのMCFの大
きい方のランク分けの結果、即ち、表裏のうちの悪い方
のランクが当該基板4のランクとする。
【0058】そして、最終的なランク分けの判定結果
は、モニタ17に対する表示に用いられたり、検査済の基
板4をランク別のカセットに収納させて搬送するときの
選別情報として用いられる。尚、かかる基板外観検査と
同時に、CCD6からの画像(基板のエッジ画像)に基
づいて、基板寸法測定や、基板エッジ部の異常部の検出
を行うことができる。
【0059】また、各基板4単位及び表裏単位でID番
号を付与し、ID番号毎に欠陥位置の情報,欠陥サイズ
の情報,ランク分けの情報などを求めて記憶するように
し、該記憶結果を統計的に処理し、マッピング,ヒスト
グラム,一覧表として前記モニタ17に表示させたり、ハ
ードコピーとして出力できるようにすると良い。これに
より、例えば、前記欠陥位置の情報,欠陥サイズの情報
などから欠陥の傾向を判断して、製造工程にフィードバ
ックさせることができる。
【0060】上記の検査方法では、基板欠陥検査データ
をハードディスクメディアの最終品質を示すサーティー
エラーカウント(MCF)に換算できるため、基板外観
検査をメディア品質の立場から適切に行うことができ
る。本実施の形態に係る検査装置を用いて、成膜したハ
ードディスク用カーボン基板の欠陥を測定した結果を表
1に示す。ここには、ZYGO社製MAXIMNT粗さ
計で同一サンプルを測定した結果も併記してあるが、両
者の測定結果が非常に良く合致していることが分かっ
た。
【0061】また、MAXIM NTは1つの異常部を
測定するのに数分程度要したのに対して、本実施の形態
に係る検査装置は基板片面当たり10秒で測定ができた。
【0062】
【表1】
【0063】尚、本実施の形態においては、基板4、レ
ンズユニット5、CCDカメラ6,13、照明ユニット
7,14、汎用高倍率レンズ12、画像処理装置16として、
下記のものを使用した。 基板: 1.89”ハードディスク用カーボン基板 内径 6.0mm、外径24.0mm、厚み25ミル 反射率 約20%( 400〜 800nm) Ra 1nm以下、平坦度 10μm以下 レンズユニット(垂直落射照明装置): ダイナスコープ ニュークリエイション製 DS−18
5A 測定視野サイズ 18.5mm×13.9mm フォーカス調整機構付き CCDカメラ:SONY製 XC−75CE (2次元
タイプ) 照明ユニット:ホヤショット製 HL100E(100
Wハロゲンランプ) 汎用高倍率レンズ:マイクロスコープ 50〜 400倍 画像処理装置:高岳製作所製 GV−3000−R ところで、上記の実施の形態では、欠陥の凹凸を区別す
ることなく検出したが、前述のように、前記レンズユニ
ット5、CCDカメラ6、照明ユニット7によって構成
される撮像系に自動フォーカス位置制御手段を備える場
合には、前記フォーカス制御を用いて、欠陥が凹欠陥で
あるか凸欠陥であるかを判別することが可能である。
【0064】図15のフローチャートに従って前記凹凸欠
陥の判別制御(凹凸判別手段)を説明する。まず、ステ
ップ21では、各変数(フォーカス位置F,最下位点Fmi
n ,最上位点Fmax ,微小移動距離DFL,符号化デー
タ配列sign[i ],凹凸判定変数S)の初期設定を行
う。フォーカス位置Fは、ジャストフォーカス位置Fju
stを含むように、最下位点Fmin から最上位点Fmax ま
での範囲で、1回当たりフォーカス位置微小移動距離D
FLで、自動制御により変化させるものとし、前記最下
位点Fmin 及び最上位点Fmax は、例えば、ジャストフ
ォーカス位置Fjustの前後に所定距離の位置として設定
すれば良い。
【0065】ステップ22では、フォーカス位置Fを最下
位点Fmin に設定すると共に、フォーカス位置Fの各ス
テップ位置を示すiをゼロリセットする。ステップ23で
は、CCDカメラ6からで撮像された画像に基づき、明
暗異常信号の符号化を行う。具体的には、異常検出のた
め、基準レベル(平坦部に相当する信号レベル)から上
下にそれぞれ一定量だけ離れた位置に正負のスライスレ
ベルをそれぞれ設け、これら正負のスライスレベルと画
像信号とを比較する。
【0066】ステップ24では、画像信号が正のスライス
レベルを越える場合には、明異常信号として符号データ
配列sign[i ]=0とし、負のスライスレベルを下回る
場合には、暗異常信号として符号データ配列sign[i ]
=1とする。これにより、異常部毎に、暗異常であるか
明異常であるかの判別が行われることになる。尚、デフ
ォーカスによって異常部を検出できない場合には、前記
符号化は行わないものとする。
【0067】ステップ25では、フォーカス位置Fを、前
記微小移動距離DFLだけ上昇させる。ステップ26で
は、前記フォーカス位置Fが最上位点Fmax を越えたか
否かを判別し、最上位点Fmax になるまでは、ステップ
23〜ステップ25の処理を繰り返させる。
【0068】そして、最下位点Fmin から最上位点Fma
x までの間の微小移動距離DFL毎に、前記ステップ23
〜ステップ25の処理が行われると、ステップ27へ進み、
フォーカス位置の範囲(Fmin 〜Fmax )のDFL毎の
各ステップ位置における符号データ配列sign[i ]を異
常部毎に乗算して、凹凸判定変数Sを求める。 S=sign[0]*・・・*sign[i ]*・・・*sign[n] ステップ28,29では、ステップ27で得られた凹凸判定変
数Sによって、S=1であるときには凸欠陥、S=0な
らば凹欠陥と判定する。かかる判定を異常部毎に行わせ
て、各異常部が凸欠陥であるか凹欠陥であるかを判別す
る。
【0069】上記方法による凹凸欠陥の判別は、平行光
を照射して検査面を撮像する本実施の形態の検査装置の
性質によるものである。即ち、図17に示すように、凸欠
陥では、フォーカス位置Fを変化させても光量レベルは
暗異常(sign[i ]=1)のまま推移するのに対し、凹
欠陥では、同一異常部であるにも関わらずフォーカス位
置Fによって異常信号が明暗に変化し、sign[i ]=1
とsign[i ]=0とが両方設定されることになる。
【0070】従って、前記凹凸判定変数Sは、各フォー
カス位置のうちのひとつでも明異常信号を検出して符号
データ配列sign[i ]に0が設定されると、S=0とし
て算出されることになるから、上記光学系の基本性質に
基づき、S=1であるときには凸欠陥、S=0ならば凹
欠陥と判定できるものであり、これにより、異常部の凹
凸判定を自動的に高速かつ確実に行うことができる。
【0071】上記の凹凸欠陥の判定を、前述の図8のフ
ローチャートに示した欠陥判定制御に付加すれば、欠陥
の大きさを凹凸形状と共に検出でき、また、前記d[i]
を欠陥高さと欠陥深さとのいずれかに区別して求め、異
なる基準に基づいて欠陥と見做すか否かを判断すること
が可能となる。図18には、従来より行われている人によ
る手動垂直落射方式の欠陥凹凸判定法による測定結果
と、基板の表面にレーザー光を照射し、その干渉により
欠陥の凹凸形状を測定する方法による測定結果(ZYG
O社製MAXIM NT粗さ計による測定結果)と、上
記のフォーカス位置による明暗異常信号の変化に基づく
凹凸判定結果とを示している。
【0072】この図18から明らかなように、いずれの方
法でも同一の凹凸結果となり、本法によって、確実に凹
凸判定が行うことができることになる。更に、判定時間
を比較すると、上記のフォーカス位置による明暗異常信
号の変化に基づく凹凸判定法は、他の方法に比して高速
処理が可能である。尚、検査対象は、上記のハードディ
スク用のカーボン基板に限定されず、メディア化される
基板であれば良く、また、検査面がカーボン基板のよう
に低反射率のものであっても良く、検査面が平坦でかつ
表面反射率が白色光又は単一光又は特定の波長領域で数
%以上であれば良い。従って、ハードディスク用基板の
他、光学式ディスク用の基板,磁気テープ用のベースフ
ィルム,フロッピーディスク用基板などの検査に用いる
ことが可能である。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、平行光を照射して撮像された検査面の明暗
異常部に基づき基板表面の欠陥を検出し、かかる欠陥の
検出結果に応じて被検査基板をランク分けして基板を仕
分けるので、基板表面の欠陥を自動的に高速かつ確実に
検査できると共に、欠陥の検出結果に基づいて基板を自
動的に仕分けることができ、基板外観検査を効率良く行
わせることができるという効果がある。このため、基板
収率が上がり、生産性向上、生産コストの低下、生産能
力の増加が達成でき、大きな経済的メリットが得られ
る。
【0074】請求項2記載の発明によれば、検査済の基
板をカセット単位でランク分けするので、検査済の基板
の取り扱い,搬送が容易となるという効果がある。請求
項3記載の発明によれば、検査部に基板を搬送するカセ
ットと、検査済のカセットを収納するカセットとを共通
化しかつ効率的に用いることができるという効果があ
る。
【0075】請求項4記載の発明によれば、被検査基板
を真空吸引して保持することで、検査面を避けて被検査
基板を保持することが容易となり、基板を検査位置に検
査の障害となることなく安定的に保持できるという効果
がある。請求項5記載の発明によれば、回転テーブルの
周囲に基板表裏を検査するユニットを配置したので、基
板を回転テーブルの軸周りに搬送させて順次検査を行わ
せ、また、共通のステーションにおいて被検査基板の投
入及び検査済基板の取り出しを行い得るという効果があ
る。
【0076】請求項6記載の発明によれば、回転テーブ
ルの周囲に配置された2つの検査ユニット間で基板を反
転させる機構を備えることで、回転テーブルに対して同
じ側に検査ユニットを配置することが可能となり、検査
ユニットをスペース効率良く配置でき、また、メンテナ
ンス性にも寄与できるという効果がある。請求項7記載
の発明によれば、検査基板の表裏を同時に検査すること
で、検査時間を短縮し、検査効率を高めることができる
という効果がある。
【0077】請求項8記載の発明によれば、欠陥の検出
やランク分けの結果を統計処理して出力するので、欠陥
やランク分けの傾向を統計的に容易に把握できるという
効果がある。請求項9記載の発明によれば、被検査基板
の撮像結果をリアルタイムでモニタでき、以て、撮像系
の正常・異常確認を容易に行えるという効果がある。
【0078】請求項10記載の発明によれば、欠陥の検出
画素数を、ハードディスク用基板などの被検査基板をメ
ディア化したときのミッシングエラー個数に換算してラ
ンク分けを行う構成としたので、メディア化後の最終品
質として適正なランク分けが行えるという効果がある。
請求項11記載の発明によれば、欠陥が凹欠陥であるか凸
欠陥であるかを、高速かつ確実に自動判定させることが
でき、以て、より高精度な欠陥検出及びランク分けが可
能になるという効果がある。
【0079】請求項12記載の発明によれば、限られた測
定視野サイズの撮像手段を用いて、円板状の被検査基板
の検査面の全てについて検査を行わせることができると
いう効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる基板外観検査装置の実施の形態
を示す上面図。
【図2】前記実施の形態の検査装置の正面図。
【図3】前記実施の形態の検査装置の側面図。
【図4】被検査基板の反転動作を示す状態図。
【図5】検査ユニットの詳細及び信号処理系を示すシス
テム図。
【図6】撮像領域の分割例を示す図。
【図7】撮像領域の分割例を示す図。
【図8】欠陥検出及びランク分け制御の様子を示すフロ
ーチャート。
【図9】撮像領域内のマスクの様子を示す図。
【図10】隣接する撮像領域間の重複撮影部を示す図。
【図11】欠陥検出画素数と欠陥体積との相関を示す図。
【図12】欠陥形状のモデルを示す図。
【図13】欠陥検出画素数とサーティエラーカウント値と
の相関の実験結果を示す図。
【図14】欠陥検出画素数とサーティエラーカウント値と
の相関曲線を示す図。
【図15】欠陥の凹凸判定の様子を示すフローチャート。
【図16】凹凸判定のための明暗異常信号の符号化の様子
を示す図。
【図17】フォーカス位置と明暗信号の変化との相関を示
す図。
【図18】本発明による凹凸判定結果と従来法による判定
結果との対比を示す図。
【符号の説明】
1 テーブル 2 パルスモータ 3 スピンドル 4 基板 5 レンズユニット 6 CCDカメラ 7 照明ユニット 8 平行光生成部 9 ハーフミラー 10 テレセントリック光学部 11 開口絞り 12 汎用高倍率レンズ 13 CCDカメラ 14 照明ユニット 15 拡散照明器 16 画像処理装置 17 モニタ 51 カセット 52 カセット供給搬出ライン 53 ハンドリング装置 54 検査ステージ 56 回転テーブル 56a 台座部 57,58 検査ユニット 60 基板反転機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 裕三 大阪府大阪市西区立売堀1−4−1 花王 株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被検査基板の検査面に対して直角に平行光
    を照射する平行光照射手段と、前記平行光の被検査基板
    からの反射光を撮像する撮像手段とからなる検査ユニッ
    トを備えると共に、前記撮像手段により撮像された画像
    から検査面上の欠陥を検出する欠陥検出手段と、該欠陥
    検出手段による欠陥の検出結果に基づいて前記非検査基
    板の品質ランクを判定するランク判定手段とを有する処
    理装置とを備えてなり、 前記検査ユニットに対して供給された被検査基板の表裏
    をそれぞれ検査した後、前記ランク判定手段により判定
    されたランクに応じて検査済の基板を仕分けすることを
    特徴とする基板外観検査システム。
  2. 【請求項2】前記ランク判定手段で判定されるランク別
    に設定されたカセットに、前記検査済の基板を、判定さ
    れたランクに応じて収納させることを特徴とする請求項
    1記載の基板外観検査システム。
  3. 【請求項3】カセットに収納した状態で被検査基板を前
    記検査ユニットの近傍位置まで搬送し、検査ユニットに
    全ての被検査基板が供給されて空となった前記カセット
    を検査済の基板の収納に用いることを特徴とする請求項
    2記載の基板外観検査システム。
  4. 【請求項4】前記検査ユニットによる検査時に、前記被
    検査基板の一部を真空吸引して保持することを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれか1つに記載の基板外観検査シ
    ステム。
  5. 【請求項5】被検査基板を搬送する回転テーブルの周囲
    に、少なくとも表面検査ユニット及び裏面検査ユニット
    を配してなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか
    1つに記載の基板外観検査システム。
  6. 【請求項6】前記回転テーブルの周囲に、前記表面検査
    ユニット及び裏面検査ユニットと共に基板反転機構を備
    え、前記検査ユニット間の被検査基板の搬送途中で前記
    基板反転機構によって被検査基板の表裏を反転すること
    を特徴とする請求項5記載の基板外観検査システム。
  7. 【請求項7】前記検査ユニットが、検査位置に保持され
    た前記被検査基板の表裏にそれぞれ設けられて、前記被
    検査基板の表裏を同時に検査することを特徴とする請求
    項1〜4のいずれか1つに記載の基板外観検査システ
    ム。
  8. 【請求項8】前記処理装置が、各基板単位及び表裏単位
    でID番号を付与し、前記欠陥検出手段と前記ランク判
    定手段との少なくとも一方の結果を統計的に処理して出
    力することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに
    記載の基板外観検査システム。
  9. 【請求項9】前記撮像手段で撮像された画像を表示する
    表示装置を備えたことを特徴とする請求項1〜8のいず
    れか1つに記載の基板外観検査システム。
  10. 【請求項10】前記ランク判定手段が、前記欠陥検出手段
    で検出された欠陥の検出画素数を、予め設定された相関
    に基づいて前記被検査基板をメディア化したときのミッ
    シングエラー個数に相当するエラーカウント値に変換
    し、該変換されたエラーカウント値に基づいて前記被検
    査基板の品質をランク分けすることを特徴とする請求項
    1〜9のいずれか1つに記載の基板外観検査システム。
  11. 【請求項11】前記撮像手段における合焦位置を含むフォ
    ーカス位置範囲内でフォーカス位置を変化させたときの
    欠陥の画像信号に基づいて、欠陥の凹凸を判別する凹凸
    判別手段を設けたことを特徴とする請求項1〜10のいず
    れか1つに記載の基板外観検査システム。
  12. 【請求項12】前記被検査基板を保持するスピンドルを備
    え、該スピンドルによって被検査基板を所定角度ずつ回
    転させ、前記撮像手段が前記被検査基板の検査面を各角
    度位置毎の複数領域に区分して撮像することを特徴とす
    る請求項1〜11のいずれか1つに記載の基板外観検査シ
    ステム。
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