JP4990049B2 - 温度検出回路 - Google Patents
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Description
図11は、図10の第1の電圧源回路101及び第2の電圧源回路102の回路例を示した図であり、第1及び第2の各電圧源回路101及び102は同じ回路構成をなしている。但し、図11の2つの電界効果トランジスタにおけるゲート幅W/ゲート長Lの比は、第1の電圧源回路101と第2の電圧源回路102とで異なっている。また、図11の括弧内に示した符号は、第2の電圧源回路102の場合を示している。
第1の電圧源回路101の高濃度n型ゲートを有したデプレッション型の電界効果トランジスタM101aにおいて、しきい値電圧をVth101とすると共に導電係数をβ101とし、高濃度p型ゲートを有した電界効果トランジスタM102aにおいて、しきい値電圧をVth102とすると共に導電係数をβ102とすると、実測の結果から、{Vth102−(β101/β102)1/2×Vth101}は、製造ばらつきによる、温度係数に関するばらつきとDC電圧に関するばらつきを有していることが分かった。
更に、減算増幅器103の各入力端との間に入力オフセットが発生し、該入力オフセットは、{Vth102−(β101/β102)1/2×Vth101}と同様、製造時のばらつきによる、温度係数に関するばらつきとDC電圧に関するばらつきを有している。
Vtemp=k1×T+k2+σtemp1×T+σtemp2……(a)
なお、Tは温度であり、k1,k2は減算増幅器103の減算率と増幅率から定まる定数であり、σtemp1,σtemp2は、減算増幅器103の倍率、{Vth102−(β101/β102)1/2×Vth101}のばらつき及び減算増幅器103の入力オフセットから定まる定数である。
複数の電界効果トランジスタのゲート電極の仕事関数差を用いて、温度係数を有する第1電圧を生成する第1の電圧源回路部と、
複数の電界効果トランジスタにおけるゲート電極の仕事関数差を用いて、温度変化に依存しない所定の基準電圧を生成する第2の電圧源回路部と、
前記第1電圧と前記基準電圧との減算を行い更に増幅して出力する、該出力電圧における温度係数に対して補正可能な減算増幅回路部と、
該減算増幅回路部の出力電圧を所定の方法でA/D変換して出力するA/D変換回路部と、
該A/D変換回路部の出力データを、設定された値だけ可変して補正し前記出力信号として出力する補正回路部と、
を備えるものである。
一方の入力端である第1入力端に前記第1電圧が入力されると共に、他方の入力端である第2入力端に前記基準電圧が入力され、出力端から出力する電圧が前記A/D変換回路部に入力される演算増幅回路と、
前記第1の電圧源回路部の出力端と該演算増幅回路の第1入力端との間に接続された固定抵抗と、
前記演算増幅回路における、出力端と前記第1入力端との間に接続された可変抵抗と、
を備え、
前記可変抵抗の抵抗値を可変させることによって、前記出力信号における温度係数の補正を行うようにした。
前記減算を行う減算値が設定される設定回路と、
前記A/D変換回路部の出力データを、該設定回路に設定された前記減算値だけ減算させて前記出力信号として出力する減算回路と、
を備えるようにした。
入力された制御信号に応じて、前記減算増幅回路部の出力電圧又は外部から入力された入力電圧のいずれか一方を排他的に選択して出力する切替スイッチと、
該切替スイッチを介して入力された電圧を所定の方法でA/D変換して前記補正回路部に出力するA/D変換回路と、
前記切替スイッチの動作制御を行う制御回路と、
を備えるようにした。
第1の実施の形態.
図1は、本発明の第1の実施の形態における温度検出回路の回路例を示した図である。
図1において、温度検出回路1は、第1の電圧源回路2と、第2の電圧源回路3と、補正回路4と、減算増幅回路5とで構成されている。第1の電圧源回路2は、2つの電界効果トランジスタにおけるゲート電極の仕事関数差を用いて、負の温度係数を有する正のPTAT電圧Vpを生成して出力する。
補正回路4は、演算増幅回路AMP1,AMP2及び抵抗R1,R2で構成され、減算増幅回路5は、演算増幅回路AMP3及び抵抗R3,R4で構成されている。抵抗R1及びR3はそれぞれ固定抵抗であり、抵抗R2及びR4はそれぞれ可変抵抗である。
減算増幅回路5において、演算増幅回路AMP2の出力端と演算増幅回路AMP3の反転入力端との間には抵抗R3が接続され、演算増幅回路AMP3の出力端と反転入力端との間には抵抗R4が接続されている。演算増幅回路AMP3の非反転入力端にはPTAT電圧Vpが入力され、演算増幅回路AMP3の出力端から出力電圧Vtempが出力される。
電源電圧VDDと接地電圧との間には、電界効果トランジスタM1a及びM2aが直列に接続されている。電界効果トランジスタM1a及びM2aの各ゲートは接続され、該接続部は電界効果トランジスタM1aとM2aの接続部に接続されPTAT電圧Vpが出力される出力端をなしている。また、電界効果トランジスタM1a及びM2aにおいて、それぞれサブストレートゲートはソースに接続されている。
電源電圧VDDと接地電圧との間には、電界効果トランジスタM1b及びM2bが直列に接続されている。電界効果トランジスタM1b及びM2bの各ゲートは接続され、該接続部は電界効果トランジスタM1bとM2bの接続部に接続され基準電圧Vrefが出力される出力端をなしている。また、電界効果トランジスタM1b及びM2bにおいて、それぞれサブストレートゲートはソースに接続されている
第1の電圧源回路2の電界効果トランジスタM1aにおいて、しきい値電圧をVth1とすると共にゲートの濃度をNgとし、電界効果トランジスタM2aにおいて、しきい値電圧をVth2とすると共にゲートの濃度をPgとすると、しきい値電圧Vth1及びVth2は下記(1)式及び(2)式のようになる。
Vth1=φm(Ng)−φs−Qf/Cox+2×φf−Qb/Cox………………(1)
Vth2=φm(Pg)−φs−Qf/Cox+2×φf−Qb/Cox………………(2)
ここでφmはゲートの仕事関数、φsは基板の仕事関数、Qfは酸化膜中の固定電荷、Coxは酸化膜の単位面積あたりの静電容量、Qbは反転層と基板間の空乏層内電荷、φfは基板のフェルミレベルである。
φm=χ+Eg/2±φf………………(3)
なお、(3)式において、右辺第3項目の符号はゲートがP型であれば正、ゲートがN型であれば負になる。但し、Egはシリコンのバンドギャップを示している。
Vth2−(β1/β2)1/2×Vth1
=φm(Ng)−(β1/β2)1/2×φm(Pg)−{1−(β1/β2)1/2}×(φs+Qf/Cox−2×φf+Qb/Cox)
=−{log(Ng/Ni)+(β1/β2)1/2log(Pg/Ni)}×kT/q+{1−(β1/β2)1/2}×{χ+Eg/2−(φs+Qf/Cox−2×φf+Qb/Cox)}………………(4)
(4)式において、kはボルツマン定数、qは電子の電荷量、Tは絶対温度、Niは真性半導体のキャリア濃度である。
同様に、前記(4)式における右辺の第2項目{1−(β1/β2)1/2}×{χ+Eg/2−(φs+Qf/Cox−2×φf+Qb/Cox)}も温度特性を有しているが、その値は非常に小さい。
Vth2−(β1/β2)1/2×Vth1=(av+σa)×T+bv+σb………………(5)
(5)式において、σa及びσbはそれぞれ製造ばらつきを示しており、σaは製造ばらつきによる{Vth2−(β1/β2)1/2×Vth1}の温度係数に関するばらつきを示し、σbは製造ばらつきによる{Vth2−(β1/β2)1/2×Vth1}のDC電圧に関するばらつきを示している。
また、第2の電圧源回路3で生成される基準電圧Vrefも同様に製造ばらつきを有しており、製造ばらつきによるDC電圧に関するばらつきは決して小さくないことが実測の結果より分かっている。
Vtemp=(r4/r3+1)×Vp−r4/r3×{r1/(r1+r2)}×Vref………………(6)
Vt1(T)=(r4t/r3+1)×Vt(T)−r4t/r3{r1/(r1+r2t)}×Vref………………(7)
{Vt1(T2)−Vt1(T1)}/(T2−T1)=av……(8)
(r4t/r3+1)×Vt(T1)−(r4t/r3)×r1/(r1+r2t)×Vref=Vobj=Vt1(T1)………………(9)
r4t/r3=av×(r4/r3+1)×(T2−T1)/{Vt1(T2)−Vt1(T1)}−1………………(10)
r2t/r1=r4t/r3×Vref/[(1+r4t/r3)×{r3×Vt(T)/(r4+r3)+r4×r1×Vref/{(r4+r3)×(r1+r2)}−Vobj]−1………………(11)
前記(10)及び(11)式にしたがって、抵抗R2及びR4が抵抗値r2t及びr4tになるようにそれぞれトリミングを行う。
なお、図1では、補正回路4は、基準電圧Vrefを分圧して補正するようにしたが、基準電圧Vrefを昇圧して補正するようにしてもよく、この場合、図1は図3のようになる。図3における図1との相違点は、演算増幅回路AMP1の反転入力端を抵抗R1とR2との接続部に接続したことにある。
このように、本第1の実施の形態における温度検出回路は、製造ばらつきによる、温度係数に関するばらつきとDC電圧に関するばらつきを同時に補正することができ、高精度かつ低入力電圧動作が可能な温度検出回路を実現することができる。
前記第1の実施の形態ではアナログ電圧を温度検出回路の出力信号としたが、温度検出回路の出力信号をデジタル信号にしてもよく、このようにしたものを本発明の第2の実施の形態とする。
図5は、本発明の第2の実施の形態における温度検出回路の回路例を示した図である。なお、図5では、図1と同じもの又は同様のものは同じ符号で示し、ここではその説明を省略する。
図5において、温度検出回路10は、図6に示すように温度Tに関して正比例するデジタル値を出力する。その比例係数は16とし、0℃のときにデジタル値0を出力する仕様になっているものとする。したがって、温度検出回路10の分解能は0.0625℃となる。
第1の電圧源回路2から出力されたPTAT電圧Vpは、抵抗R3を介して演算増幅回路AMP3の反転入力端に入力され、第2の電圧源回路3から出力された基準電圧Vrefは、演算増幅回路AMP3の非反転入力端に入力されている。演算増幅回路AMP3の出力端は、切替スイッチ12の入力端in1に接続され、切替スイッチ12の入力端in2は外部端子16に接続されている。
デジタル減算回路14は、減算する数が設定される設定回路21と減算回路22で構成されており、減算回路22は、A/Dコンバータ13から出力されたデジタル値が入力されており、A/Dコンバータ13から入力されたデジタル値から設定回路21で設定されたデジタル値を減算して、温度検出回路10の出力信号DWとして出力する。
減算増幅回路5の抵抗R4をトリミングすることによって、温度検出回路10の出力信号DWにおける温度係数を補正することから、トリミングを実施する前の減算増幅回路5の出力電圧は、所望としている温度係数16よりも小さく、かつすべての温度範囲でA/Dコンバータ13がA/D変換することができる最大の電圧以下になるように抵抗比r4/r3の値を設定しなければならない。
図7は、2重積分型のA/Dコンバータ13の構成例を示した図である。
図7において、A/Dコンバータ13は、切替スイッチ31、演算増幅回路32、コンパレータ33、制御回路34,35、カウンタ36、コンデンサ37及び抵抗38で構成されている。
切替スイッチ31において、一方の入力端は、切替スイッチ12の出力端OUTに接続され、他方の入力端には基準電圧Vrefが入力されている。切替スイッチ31は、制御回路35からの制御信号に応じて切替スイッチ12から入力された信号、又は基準電圧Vrefのいずれか一方を抵抗38の一端に入力し、抵抗38の他端は、演算増幅回路32の反転入力端に接続されている。
この場合、切替スイッチ12は、制御回路15によって入力端in2に接続されており、切替スイッチ12の出力端OUTは、外部端子16に入力された入力電圧Vinになっている。図8から分かるように、このときのA/D変換動作は2つのフェーズに分かれている。第1フェーズでは、切替スイッチ31は、切替スイッチ12の出力端OUTに接続し、デジタル値に変換されるべき電圧の絶対値を負にした電圧Vinに接続され、定まった時間tcの間コンデンサ37への充電を行う。なお、カウンタ36の1パルス(周期)をtとし該充電をはじめた時間ではカウンタは0になっているものとする。コンデンサ37への充電が終了した後、すなわち時刻tcではカウンタ36のカウンタ値NcはNc=tc/tを指していることになる。
Nx=Nc/Vref×Vin………………(12)
なお、基準電圧Vrefは製造ばらつきを有しているため、A/Dコンバータ13の入力−出力特性もばらつきを有している。
温度検出回路10の出力値の温度係数とレベルを所望のものにするためには、抵抗R4の抵抗値r4が抵抗値r4tになるように抵抗R4をトリミングすることにより、抵抗比r4/r3をr4t/r3になるようにする。r4t/r3は、下記(13)式のようになる。
r4t/r3=16/{DW(T2)−DW(T1)}/(T2−T1)………………(13)
(1+r4t/r3)×Vref−(r4t/r3)×{DW(T1)/NVref/Vref}−16×T1………………(14)
このように、本第2の実施の形態における温度検出回路は、室温T1における温度検出回路10の出力値DW(T1)と室温T2における温度検出回路10の出力値DW(T2)の情報が得られさえすれば、前記(13)及び(14)式にしたがって、抵抗R4とデジタル減算器14中の減算する数に対応するbitを同時にトリミングすることで、所望の温度係数とレベルを持ったデジタル値を出力できる、高精度な温度検出を行うことができる。
2 第1の電圧源回路
3 第2の電圧源回路
4 補正回路
5 減算増幅回路
12 切替スイッチ
13 A/Dコンバータ
14 デジタル減算回路
15 制御回路
21 設定回路
22 減算回路
M1a,M1b,M2a,M2b 電界効果トランジスタ
AMP1〜AMP3 演算増幅回路
R1〜R4 抵抗
Claims (10)
- 検出した温度に応じたデジタル値を生成して出力信号として出力する温度検出回路において、
複数の電界効果トランジスタのゲート電極の仕事関数差を用いて、温度係数を有する第1電圧を生成する第1の電圧源回路部と、
複数の電界効果トランジスタにおけるゲート電極の仕事関数差を用いて、温度変化に依存しない所定の基準電圧を生成する第2の電圧源回路部と、
前記第1電圧と前記基準電圧との減算を行い更に増幅して出力する、該出力電圧における温度係数に対して補正可能な減算増幅回路部と、
該減算増幅回路部の出力電圧を所定の方法でA/D変換して出力するA/D変換回路部と、
該A/D変換回路部の出力データを、設定された値だけ可変して補正し前記出力信号として出力する補正回路部と、
を備えることを特徴とする温度検出回路。 - 前記減算増幅回路部は、
一方の入力端である第1入力端に前記第1電圧が入力されると共に、他方の入力端である第2入力端に前記基準電圧が入力され、出力端から出力する電圧が前記A/D変換回路部に入力される演算増幅回路と、
前記第1の電圧源回路部の出力端と該演算増幅回路の第1入力端との間に接続された固定抵抗と、
前記演算増幅回路における、出力端と前記第1入力端との間に接続された可変抵抗と、
を備え、
前記可変抵抗の抵抗値を可変させることによって、前記出力信号における温度係数の補正を行うことを特徴とする請求項1記載の温度検出回路。 - 前記補正回路部は、前記A/D変換回路部の出力データを設定された値だけ減算して前記出力信号として出力することを特徴とする請求項1又は2記載の温度検出回路。
- 前記補正回路部は、
前記減算を行う減算値が設定される設定回路と、
前記A/D変換回路部の出力データを、該設定回路に設定された前記減算値だけ減算させて前記出力信号として出力する減算回路と、
を備えることを特徴とする請求項3記載の温度検出回路。 - 前記A/D変換回路部は、
入力された制御信号に応じて、前記減算増幅回路部の出力電圧又は外部から入力された入力電圧のいずれか一方を排他的に選択して出力する切替スイッチと、
該切替スイッチを介して入力された電圧を所定の方法でA/D変換して前記補正回路部に出力するA/D変換回路と、
前記切替スイッチの動作制御を行う制御回路と、
を備えることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の温度検出回路。 - 前記第1の電圧源回路は、高濃度n型ゲートを有するデプレッション型の第1の電界効果トランジスタと、高濃度p型ゲートを有する第2の電界効果トランジスタとを備え、導電型の極性が異なるポリシリコンゲートを有する該第1及び第2の各電界効果トランジスタにおけるゲート電極の仕事関数差を用いて、温度係数を有する前記第1電圧を生成することを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の温度検出回路。
- 前記第1及び第2の各電界効果トランジスタは、チャネル長が異なることを特徴とする請求項6記載の温度検出回路。
- 前記第2の電圧源回路は、高濃度n型ゲートを有するデプレッション型の第3の電界効果トランジスタと、高濃度p型ゲートを有する第4の電界効果トランジスタとを備え、導電型の極性が異なるポリシリコンゲートを有する該第3及び第4の各電界効果トランジスタにおけるゲート電極の仕事関数差を用いて、温度変化に依存しない基準電圧を生成することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の温度検出回路。
- 前記第3及び第4の各電界効果トランジスタは、チャネル長が異なることを特徴とする請求項8記載の温度検出回路。
- 前記第3及び第4の各電界効果トランジスタは、前記基準電圧が温度特性を有しないように各チャネル長の比が設定されることを特徴とする請求項9記載の温度検出回路。
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