JP4983307B2 - 積層型電子部品およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、積層セラミックコンデンサなどの積層型電子部品およびその製造方法に係り、さらに詳しくは、誘電体層を薄層、多層化した場合においても、平面から側面にかけて発生する平側クラックが有効に防止された積層型電子部品およびその製造方法に関する。
積層型電子部品としての積層セラミックコンデンサは、小型、大容量、高信頼性の電子部品として広く利用されており、1台の電子機器の中で使用される個数も多数にのぼる。
このような積層セラミックコンデンサは、通常、次のような方法で製造される。すなわち、まず誘電体粉末、バインダ、有機溶剤を含むセラミック塗料を準備する。次に、このセラミック塗料を、ドクターブレード法などを用いてPET製フィルム上に塗布し、加熱乾燥させた後、PET製フィルムを剥離してセラミックグリーンシートを得る。次に、このセラミックグリーンシート上に内部電極を印刷して乾燥させ、これらを積層したものをチップ状に切断してグリーンチップとし、このグリーンチップを焼成後、端子電極を形成することにより製造される。
積層セラミックコンデンサを製造する場合には、コンデンサとして必要とされる所望の静電容量に基づき、内部電極が形成されるシートの層間厚みは、約1μm〜100μm程度の範囲に設定される。また、積層セラミックコンデンサでは、コンデンサチップの積層方向における外側部分には、内部電極が形成されない外層部分が形成される。この内部電極が形成されない部分に対応する誘電体層の厚みは、数十μm〜数百μm程度であり、通常、コンデンサ素子内部を保護するために形成される。
一方、内部電極の導電材として、一般にPdやPd合金が用いられているが、Pdは高価であるため、比較的安価なNiやNi合金等の卑金属が使用されるようになってきている。内部電極の導電材として卑金属を用いる場合、大気中で焼成を行なうと内部電極が酸化してしまうという問題があるため、誘電体層と内部電極との同時焼成を、還元性雰囲気中で行なう必要がある。しかし、還元性雰囲気中で焼成すると、誘電体層が還元されてしまい、比抵抗が低くなってしまう。このため、非還元性の誘電体材料が開発されている。
しかしながら、非還元性の誘電体材料を用いた場合においても、内部電極を構成するNiの影響により、内部電極が形成されたシートが多数積層された部分(内層部)と、内部電極が形成されない部分(外層部)とで、焼成時の収縮挙動が異なってしまうこととなり、そして、その結果、コンデンサ素子本体内部にクラックが発生してしまうという問題があった。
これに対して、たとえば特許文献1〜4では、積層型セラミック電子部品を製造するに際して、焼成時における外層部と内層部との収縮挙動に着目し、種々の提案がなされている。たとえば、特許文献1,2では、外層部の焼成による収縮開始温度を、内層部の収縮開始温度よりも低い温度とする方法が提案されている。
また、特許文献3では、外層部を構成することとなるセラミック粒子として、内層部を構成することとなるセラミック粒子よりも、小さい粒子径を有するセラミック粒子を使用する方法が提案されている。特許文献4では、外層部を構成することとなるセラミックグリーンシートの密度を、内層部を構成することとなるセラミックグリーンシートの密度よりも低い密度とする方法が提案されている。
しかしながら、たとえば、誘電体層を3μm以下とし、さらなる薄層、多層化を進めた場合には、これらの文献のように、外層部と内層部との関係を所定の関係としただけでは、次のような問題があった。すなわち、薄層、多層化を進めると、内層部と外層部との間における焼成時の収縮挙動の差に基づく構造の歪みが大きくなってしまい、図5(A)および図5(B)に示すような平面(上面または底面)から側面にかけてクラック(平側クラック)が発生してしまうという問題があった。なお、この図5(A)および図5(B)は、積層セラミックコンデンサの長さ方向(すなわち、端子電極が形成されている端面と平行な面)における切断面を示す図である。
また、特許文献5では、内層部を構成する内部電極層のうち、外層部側に位置する内部電極層を構成することとなるNi粉末として、比較的に粒子径の大きいものを使用する方法が提案されている。この文献によると、外層部側に位置する内部電極層の焼結開始温度を、他の部分に配置された内部電極層の焼結開始温度よりも高いものとすることができ、これにより内層部と外層部との収縮挙動の差を緩和することにより、コンデンサ素子本体内部におけるクラックの発生を防止するものである。しかしながら、この特許文献5では、外層部側に位置する内部電極層に、比較的に粒子径の大きいNi粉末を使用するため、外層部側に位置する内部電極層の薄層化には限界があり、そのため、得られる積層セラミックコンデンサの小型、薄層化にも限界があった。
特開平9−97733号公報 特開2004−221268号公報 特開平11−354370号公報 特開2002−141243号公報 特開2005−209721号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、誘電体層を薄層、多層化した場合においても、平面から側面にかけて発生する平側クラックが有効に防止され、信頼性の高い積層型電子部品およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記目的を達成するために、鋭意検討を行った結果、外層部付近に配置された内部電極層の電極端部付近に存在する空隙部分(電極空隙部)を所定の範囲に制御することにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明に係る積層型電子部品は、
内部電極層と層間誘電体層とが交互に積層された内層部と、
前記内層部の積層方向の上端面および下端面に配置され、外側誘電体層から構成される上側外層部および下側外層部と、からなる素子本体を有する積層型電子部品であって、
前記内部電極層は、前記素子本体の積層方向に平行な一対の対向する端面に、交互に露出するように形成され、前記内部電極層が露出している一対の端面には、一対の端子電極が形成され、
前記層間誘電体層の積層数は100層以上であり、
一対の前記端子電極が形成された端面と平行な面で前記素子本体を切断した際における切断面において、
前記切断面における複数の前記内部電極層の長さ方向における前記内部電極層の平均長さが0.15mm以上であり、
前記切断面における複数の前記内部電極層の長さ方向の一方の端部を第1端部、他方の端部を第2端部、
前記内部電極層のうち、前記上側外層部側から15層目までの各内部電極層を上側電極層、前記下側外層部側から15層目までの各内部電極層を下側電極層とし、
前記上側電極層における、第1端部および第2端部から内部電極層中心側に向かって40μmの長さの部分を、それぞれ上側電極層第1コーナー部、上側電極層第2コーナー部、
前記下側電極層における、第1端部および第2端部から内部電極層中心側に向かって40μmの長さの部分を、それぞれ下側電極層第1コーナー部、下側電極層第2コーナー部とした場合に、
前記内部電極層の形成部分に存在し、実質的に空隙となっている電極空隙部に関し、
前記上側電極層第1コーナー部における電極空隙部の存在個数N1、前記上側電極層第2コーナー部における電極空隙部の存在個数N2、前記下側電極層第1コーナー部における電極空隙部の存在個数N3、および前記下側電極層第2コーナー部における電極空隙部の存在個数N4の平均値〔(N1+N2+N3+N4)/4〕が、1以上、20以下であることを特徴とする。
本発明の積層型電子部品において、好ましくは、
前記上側外層部側および前記下側外層部側から、それぞれ15層目までの合計30層の各層間誘電体層を構成する誘電体粒子の平均結晶粒径Rfo[μm]と、
それ以外の部分に位置する層間誘電体層を構成する誘電体粒子の平均結晶粒径Rfc[μm]と、が0.55≦Rfo/Rfc≦0.95である。
本発明の積層型電子部品において、好ましくは、前記層間誘電体層の平均厚みが3μm以下である。
なお、本発明において、層間誘電体層の平均厚みは、前記積層型電子部品を構成する全ての層間誘電体層の積層数をnとした場合に、前記上側外層部側および前記下側外層部側から、それぞれ、0.05×n層の層間誘電体層を除いた層間誘電体層の厚みを平均することにより求めることができる。
本発明の積層型電子部品において、好ましくは、前記内部電極層の厚みが2μm以下である。
本発明の積層型電子部品において、好ましくは、前記内部電極層に含まれる導電材がNiまたはNi合金である。
本発明に係る積層型電子部品の製造方法は、
内部電極層と層間誘電体層とが交互に積層された内層部と、
前記内層部の積層方向の上端面および下端面に配置され、外側誘電体層から構成される上側外層部および下側外層部と、からなる素子本体を有する積層型電子部品を製造する方法であって、
焼成後に前記層間誘電体層となり、誘電体原料を含有する層間グリーンシートを形成する工程と、
焼成後に前記外側誘電体層となり、誘電体原料を含有する外側グリーンシートを形成する工程と、
前記層間グリーンシートの表面に、焼成後に内部電極層となる電極ペースト膜を形成する工程と、
前記電極ペースト膜を有する層間グリーンシートを、前記層間グリーンシートの合計の積層数が100層以上となるように積層し、内層部用積層体を得る工程と、
前記内層部用積層体の積層方向の上端面および下端面に前記外側グリーンシートを積層し、グリーンチップを得る工程と、
前記グリーンチップを焼成する工程と、を有し、
焼成後に前記層間誘電体層となる層間グリーンシートに関し、前記内層部用積層体の積層方向の上端面および下端面から、それぞれm層目(ただし、mは、1以上、30以下)までに位置することとなる層間グリーンシートを外側層間グリーンシート、それ以外の部分に位置することとなる層間グリーンシートを内側層間グリーンシートとした場合に、
前記外側グリーンシートに含有される誘電体原料、および前記外側層間グリーンシートに含有される誘電体原料として、同じ焼結開始温度を有する誘電体原料を使用するとともに、前記外側グリーンシートおよび前記外側層間グリーンシートに含有される誘電体原料の焼結開始温度Tgo[℃]と、前記内側層間グリーンシートに含有される誘電体原料の焼結開始温度Tgc[℃]との関係をTgo<Tgcとすることを特徴とする。
なお、前記外側グリーンシートに含有される誘電体原料と、前記外側層間グリーンシートに含有される誘電体原料とは、その焼結開始温度が実質的に同じとなっていれば良く、たとえば、これらの温度は多少異なっていても良い。
本発明の製造方法において、好ましくは、前記TgoとTgcとの関係を、−100℃≦Tgo−Tgc≦−5℃とする。
本発明の製造方法において、好ましくは、前記外側グリーンシートに含有される誘電体原料、および前記外側層間グリーンシートに含有される誘電体原料として、同じ平均粒子径を有する誘電体原料を使用するとともに、前記外側グリーンシートおよび前記外側層間グリーンシートに含有される誘電体原料の平均粒子径をRgo[μm]とし、前記内側層間グリーンシートに含有される誘電体原料の平均粒子径をRgc[μm]とした場合に、前記RgoとRgcとの関係を、Rgo<Rgcとする。なお、上記と同様に、前記外側グリーンシートに含有される誘電体原料と、前記外側層間グリーンシートに含有される誘電体原料とで、その平均粒子径は実質的に同じとなっていれば良い。
本発明の製造方法において、好ましくは、前記RgoとRgcとの関係を、0.50≦Rgo/Rgc≦0.95とする。
本発明に係る積層型電子部品としては、特に限定されないが、積層セラミックコンデンサ、圧電素子、チップインダクタ、チップバリスタ、チップサーミスタ、チップ抵抗、その他の表面実装チップ型電子部品(SMD)などが例示される。
本発明の積層型電子部品においては、外層部付近に配置された内部電極層の電極端部付近に存在する空隙部分(電極空隙部)の存在個数を所定の範囲としている。そのため、層間誘電体層の平均厚みを3μm以下とし、その積層数を100層以上とした場合においても、平面から側面にかけて発生する平側クラックを有効に防止することができ、信頼性の高い積層型電子部品を提供することができる。
さらに、本発明の製造方法においては、焼成後に外側誘電体層となる外側グリーンシートに含有される誘電体原料、および焼成後に層間誘電体層となる層間グリーンシートのうち外層部付近に位置することとなる外側層間グリーンシートに含有される誘電体原料として、同じ焼結開始温度を有する誘電体原料を使用するとともに、外側グリーンシートおよび外側層間グリーンシートに含有される誘電体原料の焼結開始温度Tgo[℃]と、前記内側層間グリーンシートに含有される誘電体原料の焼結開始温度Tgc[℃]との関係をTgo<Tgcとする。そのため、焼成時に、内層部と外層部との界面における、熱膨張差を緩和することができる。そして、その結果、平面から側面にかけて発生する平側クラックを有効に防止することができ、信頼性の高い積層型電子部品を提供することができる。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサの断面図、
図2は図1に示すII−II線に沿う積層セラミックコンデンサの概略断面図、
図3は本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサの要部断面図、
図4(A)は本発明の実施例に係る積層セラミックコンデンサの要部断面写真、図4(B)は比較例に係る積層セラミックコンデンサの要部断面写真、
図5(A)、図5(B)は積層セラミックコンデンサの平側クラックを説明するための図である。
積層セラミックコンデンサ
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサ1は、層間誘電体層2と内部電極層3とが交互に積層された構成のコンデンサ素子本体10を有する。このコンデンサ素子本体10の両側端部には、素子本体10の内部で交互に配置された内部電極層3と各々導通する一対の端子電極4,4が形成してある。内部電極層3は、各側端面がコンデンサ素子本体10の対向する2端部の表面に交互に露出するように積層してある。一対の端子電極4,4は、コンデンサ素子本体10の両端部に形成され、交互に配置された内部電極層3の露出端面に接続されて、コンデンサ回路を構成する。
そして、コンデンサ素子本体10において、内部電極層3および層間誘電体層2の積層方向の上端部および下端部には、それぞれ外側誘電体層20が配置してあり、素子本体10の内部を保護している。すなわち、コンデンサ素子本体10は、複数の内部電極層3および層間誘電体層2が積層された内層部100と、この内層部100の上下面に位置し、外側誘電体層20から形成される上側外層部200と、下側外層部300とからなる。
コンデンサ素子本体10の形状に特に制限はないが、通常、直方体状とされる。また、その寸法にも特に制限はなく、用途に応じて適当な寸法とすればよいが、通常、長さL(0.6〜5.6mm、好ましくは0.6〜3.2mm)×幅W(0.3〜5.0mm、好ましくは0.3〜1.6mm)×厚みT(0.1〜1.9mm、好ましくは0.3〜1.6mm)程度である。
誘電体層2および20
層間誘電体層2および外側誘電体層20は、誘電体磁器組成物で構成される。誘電体層2,20を構成する誘電体磁器組成物の組成は、特に限定されないが、たとえば、{(Ba(1−x−y) Ca Sr)O}(Ti(1−z) Zr で表される誘電体酸化物を含む主成分を有するものが挙げられる。なお、A,B,x,y,zは、いずれも任意の範囲である。誘電体磁器組成物中に主成分と共に含まれる副成分としては、Sr,Y,Gd,Tb,Dy,V,Mo,Ho,Yb,Zn,Cd,Ti,Sn,W,Ba,Ca,Mn,Mg,Cr,Si,およびPの酸化物から選ばれる1種類以上を含む副成分が例示される。
副成分を添加することにより、主成分の誘電特性を劣化させることなく低温焼成が可能となり、層間誘電体層2を薄層化した場合の信頼性不良を低減することができ、長寿命化を図ることができる。ただし、本発明では、各誘電体層2,20を構成するセラミック粒子の組成は、上記に限定されるものではない。
層間誘電体層2の積層数や厚み等の諸条件は、目的や用途に応じ適宜決定すればよいが、本実施形態では、層間誘電体層2の平均厚みは、3μm以下、好ましくは0.5〜2.8μm、より好ましくは1.0〜2.5μmである。内部電極層3に挟まれた層間誘電体層2の積層数は、100層以上であり、好ましくは150層以上と多層化されている。また、外側誘電体層20の厚みは、たとえば30μm〜数百μm程度である。
なお、本実施形態において、層間誘電体層の平均厚みは、前記積層型電子部品を構成する全ての層間誘電体層の積層数をnとした場合に、前記上側外層部側および前記下側外層部側から、それぞれ、0.05×n層の層間誘電体層を除いた層間誘電体層の厚みを平均することにより求めることができる。
また、本実施形態においては、上側外層部200側および下側外層部300側から、それぞれ15層目までの合計30層の各層間誘電体層2を構成する誘電体粒子の平均結晶粒径をRfo[μm]とし、それ以外の部分に位置する層間誘電体層2を構成する誘電体粒子の平均結晶粒径をRfc[μm]とした場合に、これらRfoとRfcとの比を、好ましくは0.55≦Rfo/Rfc≦0.95、より好ましくは0.60≦Rfo/Rfc≦0.90とする。RfoとRfcとの比をこのような関係とすることにより、後述する内部電極層3の微細構造を所定の構成とすることができる。
内部電極層3
内部電極層3に含有される導電材は特に限定されないが、誘電体層2,20の構成材料として、耐還元性を有する材料を使用する場合には、卑金属を用いることができる。導電材として用いる卑金属としては、Ni、Cu、Ni合金またはCu合金が好ましい。内部電極層3の主成分をNiなどの卑金属にした場合には、誘電体が還元されないように、低酸素分圧(還元雰囲気)で焼成するという方法がとられている。
内部電極層3の微細構造
次に、内部電極層3の微細構造について、図2、図3を使用して説明する。図2は、図1に示すII−II線に沿う概略断面図(長さ方向の断面図)であり、図3は、内部電極層3の微細構造を示す要部断面図である。なお、図2においては、図1と比較して、素子本体10の内部の構造を簡素化して表してある。また、図2に示す断面においては、内部電極層3は各側端面に露出することなく、両側面に配置された側面余白部22により保護された構成となっている。この側面余白部22は、層間誘電体層2や外側誘電体層20と同様に誘電体磁器組成物で構成されている。図2に示す断面における、内部電極層3の幅方向(W方向)の長さは、内層部100に含有されている複数の内部電極層3の平均値で、0.15〜4.0mmであり、好ましくは0.2〜1.4mmである。
本実施形態では、複数の内部電極層3のうち、特定箇所、すなわち、図2に示す上側電極層第1、第2コーナー部および下側電極層第1、第2コーナー部における内部電極層の微細構造を以下に説明するような構成とする。
なお、上側電極層第1、第2コーナー部および下側電極層第1、第2コーナー部は、図2に示す上側電極層形成部分および下側電極層形成部分に位置する上側電極層および下側電極層において、それぞれ、幅方向(W方向)における一方の電極端部である第1端部、および他方の電極端部である第2端部から各電極層中心側に向かって40μmの長さの部分である。また、本実施形態において、上側電極層および下側電極層とは、上側外層部200側および下側外層部300側から15層目までの各内部電極層を意味する。すなわち、上側電極層、下側電極層はそれぞれ15層の内部電極層から構成されている。
次いで、図3を使用して、上側電極層第1、第2コーナー部および下側電極層第1、第2コーナー部における、内部電極層の微細構造を具体的に説明する。図3は図2に示す下側電極層第1コーナー部の一部を拡大した要部断面図である。図3に示すように、下側電極層第1コーナー部には、一方の電極端部である第1端部から40μmの長さの部分において、内部電極層3の電極途切れ部分であって、実質的に空隙となっている電極空隙部30が存在している。本実施形態では、下側電極層第1コーナー部、および下側電極層第1コーナー部以外の、上側電極層第1、第2コーナー部、下側電極層第2コーナー部に存在する、この電極空隙部30の存在個数が特定の範囲となっていることを特徴とする。
すなわち、上側電極層第1コーナー部における電極空隙部30の存在個数をN1、上側電極層第2コーナー部における電極空隙部30の存在個数をN2、下側電極層第1コーナー部における電極空隙部30の存在個数をN3、および下側電極層第2コーナー部における電極空隙部30の存在個数をN4とした場合に、これらの平均値〔(N1+N2+N3+N4)/4〕が、1以上、20以下、好ましくは2以上、19以下、より好ましくは3以上、18以下となっている。
各コーナー部における電極空隙部30の存在個数を上記範囲とすることにより、層間誘電体層2を薄層、多層化した場合においても、平面から側面にかけて発生する平側クラックを有効に防止することができる。各コーナー部における電極空隙部30の存在個数が多すぎると、平側クラックの防止効果が不十分となる傾向にあり、一方、存在個数が少なすぎると、層間誘電体層2と内部電極層3との界面で層間剥離(デラミネーション)が発生するおそれがある。
本実施形態において、電極空隙部30は、内部電極層3の電極途切れ部分のうち実質的に空隙となっている部分であり、たとえば、図3に符号「32」で示した電極途切れ部分のように内部電極層3の形成部分に誘電体が存在している部分は含まれない。また、本実施形態において、電極空隙部30としては、その大きさが0.5μm×0.5μm以上のものをいう。
幅方向(W方向)における一方の電極端部である第1端部、および他方の電極端部である第2端部は、内層部100に含有される複数の内部電極層の電極端部位置を平均したものであり、たとえば、各内部電極層の端部位置が、幅方向(W方向)に沿った方向において、互いに異なる位置となっている場合には、これらの位置を平均することにより求めることができる。
なお、本実施形態では、下側電極層第1コーナー部のみを図示したが、下側電極層第1コーナー部以外の、上側電極層第1、第2コーナー部、下側電極層第2コーナー部も実質的に同様な構成となっている。電極空隙部30の平均値は、素子本体の長さを100%とした場合に、長さ方向(L方向)の15〜85%の深さにおける断面において、上記範囲となっていることが好ましい。
また、本実施形態では、内部電極層3の平均厚みは、好ましくは2μm以下、特に1.5μm以下と薄層化されていることが好ましい。
端子電極4
端子電極4に含有される導電材は特に限定されないが、通常、CuやCu合金あるいはNiやNi合金等を用いる。なお、AgやAg−Pd合金等も、もちろん使用可能である。なお、本実施形態では、安価なNi,Cuや、これらの合金を用いることができる。
端子電極4の厚さは用途等に応じて適宜決定されればよいが、通常、10〜50μm程度であることが好ましい。
積層セラミックコンデンサの製造方法
次に、本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサの製造方法について説明する。
(1)まず、焼成後に図1に示す層間誘電体層2、外側誘電体層20を構成することになるセラミックグリーンシート(層間グリーンシート、外側グリーンシート)を製造するために、各グリーンシート用ペーストを準備する。
グリーンシート用ペーストは、誘電体原料を塗料化することにより調製される。グリーンシート用ペーストは、誘電体原料と有機ビヒクルとを混練した有機系の塗料であってもよく、水系の塗料であってもよい。
誘電体原料としては、複合酸化物や酸化物となる各種化合物、たとえば炭酸塩、硝酸塩、水酸化物、有機金属化合物などから適宜選択され、混合して用いることができる。誘電体原料は、通常、平均粒子径が0.4μm以下、好ましくは0.1〜0.3μm程度の粉体として用いられる。
有機ビヒクルとは、バインダを有機溶剤中に溶解したものである。有機ビヒクルに用いるバインダは特に限定されず、エチルセルロース、ポリビニルブチラール等の通常の各種バインダから適宜選択すればよい。また、用いる有機溶剤も特に限定されず、印刷法やシート法など、利用する方法に応じて、ターピネオール、ブチルカルビトール、アセトン、トルエン等の各種有機溶剤から適宜選択すればよい。
また、グリーンシート用ペーストを水系の塗料とする場合には、水溶性のバインダや分散剤などを水に溶解させた水系ビヒクルと、誘電体原料とを混練すればよい。水系ビヒクルに用いる水溶性バインダは特に限定されず、たとえば、ポリビニルアルコール、セルロース、水溶性アクリル樹脂などを用いればよい。
なお、本実施形態では、グリーンシート用ペーストとして、次の3種類のペーストを調製する。すなわち、焼成後に外側誘電体層20を構成することになる外側グリーンシートを製造するための外側グリーンシート用ペーストと、層間誘電体層2を構成することとなる層間グリーンシートを製造するための2種類の異なる層間グリーンシート用ペーストと、の合計3種類のグリーンシート用ペーストをそれぞれ準備する。
すなわち、層間グリーンシート用ペーストとしては、焼成後に内層部100となる内層部用積層体の積層方向の上端面および下端面から、それぞれm層目(ただし、mは1以上、30以下であり、mの下限は、好ましくは2以上、より好ましくは5以上、mの上限は、好ましくは25以下、より好ましくは20以下である。)までに位置することとなる層間グリーンシート(以下、「外側層間グリーンシート」とする。)を形成するための外側層間グリーンシート用ペーストと、それ以外の部分に位置することとなる層間グリーンシート(以下、「内側層間グリーンシート」とする。)を形成するための内側層間グリーンシート用ペーストとをそれぞれ準備する。
そして、本実施形態では、上記3種類のグリーンシート用ペーストのうち、外側グリーンシート用ペーストに含有させる誘電体原料と、外側層間グリーンシート用ペーストに含有させる誘電体原料とで、同じ焼結開始温度を有する誘電体原料を使用するとともに、これらのペーストに含有させる誘電体原料の焼結開始温度をTgo[℃]とし、内側層間グリーンシート用ペーストに含有させる誘電体原料の焼結開始温度をTgc[℃]とした場合に、TgoとTgcとが、Tgo<Tgcの関係にある誘電体原料を使用する。すなわち、外側グリーンシート用ペーストおよび外側層間グリーンシート用ペーストに含有させる誘電体原料として、内側層間グリーンシート用ペーストに含有させる誘電体原料よりも焼結開始温度の低い誘電体原料を使用する。
このような構成を採用することにより、焼成時における、内層部100と、外層部200,300と、の界面に掛かる応力が緩和され、上述した各コーナー部における電極空隙部30の存在個数を特定の範囲とすることができる。そして、その結果、層間誘電体層2を薄層、多層化した場合においても、平面から側面にかけて発生する平側クラックを有効に防止することができ、得られる積層セラミックコンデンサの信頼性の向上を図ることができる。
TgoとTgcとの関係は、好ましくは−100℃≦Tgo−Tgc≦−5℃であり、より好ましくは−90℃≦Tgo−Tgc≦−10℃である。TgoとTgcとの差(Tgo−Tgc)が大きすぎると、層間誘電体層2と内部電極層3との界面で層間剥離(デラミネーション)が発生するおそれがある。なお、本実施形態において、誘電体原料の焼結開始温度とは、TMA解析において、昇温時に収縮が開始する温度を意味する。
各グリーンシート用ペーストに含有される誘電体原料の焼結開始温度を上記関係とするための方法としては特に限定されず、種々の方法を採用することができる。このような方法として、たとえば、外側グリーンシート用ペーストおよび外側層間グリーンシート用ペーストと、内側層間グリーンシート用ペーストとで、平均粒子径の異なる誘電体原料を用いる方法が挙げられる。具体的には、外側グリーンシート用ペーストおよび外側層間グリーンシートに含有される誘電体原料の平均粒子径をRgo[μm]とし、内側層間グリーンシートに含有される誘電体原料の平均粒子径をRgc[μm]とした場合に、RgoとRgcとを、好ましくはRgo<Rgc、より好ましくは0.50≦Rgo/Rgc≦0.95、さらに好ましくは0.6≦Rgo/Rgc≦0.9の関係とする。RgoとRgcとを、上記関係とすることにより、各ペーストに含有される誘電体原料の焼結開始温度を上述した関係とすることができる。
(2)次いで、図1に示す内部電極層3を形成するための電極層用ペーストを準備する。電極層用ペーストは、上記した各種導電性金属や合金からなる導電材、あるいは焼成後に上記した導電材となる各種酸化物、有機金属化合物、レジネート等と、上記した有機ビヒクルとを混練して調製する。なお、電極層用ペーストには、必要に応じて、共材としてセラミック粉末が含まれていても良い。共材は、焼成過程において導電性粉末の焼結を抑制する作用を奏する。
(3)上記にて調製した、外側層間グリーンシート用ペーストと、内側層間グリーンシート用ペーストと、電極層用ペーストとを使用して、焼成後に層間誘電体層2となる各層間グリーンシートと、焼成後に内部電極層3となる電極ペースト膜と、を交互に積層し、焼成後に内層部100となる内層部用積層体を製造する。
具体的には、まず、ドクターブレード法などにより、支持体としてのキャリアシート上に、外側層間グリーンシートおよび内側層間グリーンシートを形成する。各層間グリーンシートは、キャリアシート上に形成された後に乾燥される。各層間グリーンシートの乾燥温度は、好ましくは50〜100℃であり、乾燥時間は、好ましくは1〜20分である。乾燥後の各層間グリーンシートの厚みは、乾燥前に比較して、5〜25%の厚みに収縮する。
本実施形態においては、外側層間グリーンシートおよび内側層間グリーンシートの厚みは、互いに同じ厚みとしても良いし、互いに異なる厚みとしても良い。また、これらの厚みを異なるものとする場合には、外側層間グリーンシートおよび内側層間グリーンシートのいずれを厚いシートとしても良い。
次いで、上記にて形成した外側層間グリーンシートおよび内側層間グリーンシートの表面に、電極層用ペーストを用いて、電極ペースト膜を所定パターンで形成し、電極ペースト膜を有する層間グリーンシートを得る。そして、得られた電極ペースト膜を有する層間グリーンシートを交互に積層し、内層部用積層体を得る。なお、電極ペースト膜の形成方法としては、特に限定されないが、印刷法、転写法などが例示される。また、必要に応じて、電極ペースト膜が形成されていない部分に、余白パターン膜を形成しても良い。余白パターン膜は、上記した層間グリーンシート用ペーストを用いて、印刷法や転写法などで形成すれば良い。
(4)次いで、上記にて得られた内層部用積層体の積層方向の上端部および下端部に、焼成後に外側誘電体層20となる外側グリーンシートを単層または複層で積層する。外側グリーンシートは、上記にて調製した外側グリーンシート用ペーストを用いて、支持体としてのキャリアシート上に形成したのちに、キャリアシートを剥離することにより製造される。外側グリーンシートは、好ましくは5〜100μm、より好ましくは5〜30μm程度の厚みで形成される。
そして、このようにして得られた積層体を、所定のサイズに切断し、グリーンチップとした後、脱バインダ処理および焼成を行い、さらに、層間誘電体層2および外側誘電体層20を再酸化させるため熱処理することにより、図1に示すコンデンサ素子本体10を得る。
脱バインダ処理は、内部電極層3を形成するための電極層用ペースト中の導電材の種類に応じて適宜決定すれば良いが、導電材としてNiやNi合金等の卑金属を用いる場合、脱バインダ雰囲気中の酸素分圧を10−45 〜10Paとすることが好ましい。酸素分圧が前記範囲未満であると、脱バインダ効果が低下する。また酸素分圧が前記範囲を超えると、内部電極層が酸化する傾向にある。
また、それ以外の脱バインダ条件としては、昇温速度を好ましくは5〜300℃/時間、より好ましくは10〜100℃/時間、保持温度を好ましくは180〜400℃、より好ましくは200〜350℃、温度保持時間を好ましくは0.5〜24時間、より好ましくは2〜20時間とする。また、焼成雰囲気は、空気もしくは還元性雰囲気とすることが好ましく、還元性雰囲気における雰囲気ガスとしては、たとえばNとHとの混合ガスを加湿して用いることが好ましい。
グリーンチップ焼成時の雰囲気は、電極層用ペースト中の導電材の種類に応じて適宜決定されればよいが、導電材としてNiやNi合金等の卑金属を用いる場合、焼成雰囲気中の酸素分圧は、10−7〜10−3Paとすることが好ましい。酸素分圧が前記範囲未満であると、内部電極層の導電材が異常焼結を起こし、途切れてしまうことがある。また、酸素分圧が前記範囲を超えると、内部電極層が酸化する傾向にある。
また、焼成時の保持温度は、好ましくは1100〜1400℃、より好ましくは1150〜1380℃、さらに好ましくは1200〜1350℃である。保持温度が前記範囲未満であると緻密化が不十分となり、前記範囲を超えると、内部電極層の異常焼結による電極の途切れや、内部電極層構成材料の拡散による容量温度特性の悪化、誘電体磁器組成物の還元が生じやすくなる。
これ以外の焼成条件としては、昇温速度を好ましくは50〜500℃/時間、より好ましくは200〜300℃/時間、温度保持時間を好ましくは0.5〜8時間、より好ましくは1〜3時間、冷却速度を好ましくは50〜500℃/時間、より好ましくは200〜300℃/時間とする。また、焼成雰囲気は還元性雰囲気とすることが好ましく、雰囲気ガスとしてはたとえば、NとHとの混合ガスを加湿して用いることが好ましい。
還元性雰囲気中で焼成した場合、コンデンサ素子本体にはアニールを施すことが好ましい。アニールは、誘電体層を再酸化するための処理であり、これによりIR寿命を著しく長くすることができるので、信頼性が向上する。
アニール雰囲気中の酸素分圧は、0.1Pa以上、特に0.1〜10Paとすることが好ましい。酸素分圧が前記範囲未満であると誘電体層の再酸化が困難であり、前記範囲を超えると内部電極層が酸化する傾向にある。
アニールの際の保持温度は、1100℃以下、特に500〜1100℃とすることが好ましい。保持温度が前記範囲未満であると誘電体層の酸化が不十分となるので、IRが低く、また、IR寿命が短くなりやすい。一方、保持温度が前記範囲を超えると、内部電極層が酸化して容量が低下するだけでなく、内部電極層が誘電体素地と反応してしまい、容量温度特性の悪化、IRの低下、IR寿命の低下が生じやすくなる。なお、アニールは昇温過程および降温過程だけから構成してもよい。すなわち、温度保持時間を零としてもよい。この場合、保持温度は最高温度と同義である。
これ以外のアニール条件としては、温度保持時間を好ましくは0〜20時間、より好ましくは2〜10時間、冷却速度を好ましくは50〜500℃/時間、より好ましくは100〜300℃/時間とする。また、アニールの雰囲気ガスとしては、たとえば、加湿したNガス等を用いることが好ましい。
上記した脱バインダ処理、焼成およびアニールにおいて、Nガスや混合ガス等を加湿するには、例えばウェッター等を使用すればよい。この場合、水温は5〜75℃程度が好ましい。
脱バインダ処理、焼成およびアニールは、連続して行なっても、独立に行なってもよい。これらを連続して行なう場合、脱バインダ処理後、冷却せずに雰囲気を変更し、続いて焼成の際の保持温度まで昇温して焼成を行ない、次いで冷却し、アニールの保持温度に達したときに雰囲気を変更してアニールを行なうことが好ましい。一方、これらを独立して行なう場合、焼成に際しては、脱バインダ処理時の保持温度までNガスあるいは加湿したNガス雰囲気下で昇温した後、雰囲気を変更してさらに昇温を続けることが好ましく、アニール時の保持温度まで冷却した後は、再びNガスあるいは加湿したNガス雰囲気に変更して冷却を続けることが好ましい。また、アニールに際しては、Nガス雰囲気下で保持温度まで昇温した後、雰囲気を変更してもよく、アニールの全過程を加湿したNガス雰囲気としてもよい。
このようにして得られた焼結体(素子本体10)には、例えばバレル研磨、サンドブラスト等にて端面研磨を施し、その後、端子電極用ペーストを焼きつけて端子電極4が形成される。端子電極用ペーストの焼成条件は、たとえば、加湿したNとHとの混合ガス中で600〜800℃にて10分間〜1時間程度とすることが好ましい。そして、必要に応じ、端子電極4上にめっき等を行うことによりパッド層を形成する。なお、端子電極用ペーストは、上記した電極層用ペーストと同様にして調製すればよい。
このようにして製造された本発明の積層セラミックコンデンサは、ハンダ付等によりプリント基板上などに実装され、各種電子機器等に使用される。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
たとえば、上述した実施形態では、本発明に係る積層型電子部品として積層セラミックコンデンサを例示したが、本発明に係る積層型電子部品としては、積層セラミックコンデンサに限定されず、上記構成を有するものであれば何でも良い。
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
実施例1
外側グリーンシート用ペースト、外側層間グリーンシート用ペーストの作製
まず、出発原料として、主成分原料としてのBaTiO粉末と、副成分原料としてのMgO、MnO、Y、V、SiOおよびCrとを準備した。そして、これらの出発原料をボールミルにより16時間湿式混合することにより、誘電体原料を調製した。なお、本実施例では、誘電体原料として平均粒子径Rgoが0.3μmの原料を使用した。
次いで、上記にて調製した誘電体原料:100重量部と、アクリル樹脂:4.8重量部と、酢酸エチル:100重量部と、ミネラルスピリット:6重量部と、トルエン:4重量部とをボールミルで混合して塗料化し、外側グリーンシート用ペーストおよび外側層間グリーンシート用ペーストを作製した。
内側層間グリーンシート用ペーストの作製
誘電体原料として平均粒子径Rgcが0.35μmの原料を使用した以外は、外側グリーンシート用ペーストおよび外側層間グリーンシート用ペーストと同様にして、内側層間グリーンシート用ペーストを作製した。
すなわち、本実施例では、外側グリーンシート用ペーストおよび外側層間グリーンシート用ペーストに含有させる誘電体原料の平均粒子径Rgoと、内側層間グリーンシート用ペーストに含有させる誘電体原料の平均粒子径Rgcと、の比(Rgo/Rgc)をRgo/Rgc=0.85とした。
電極層用ペーストの作製
Ni粒子:44.6重量部と、平均粒径0.1μmのBaTiO粉末:8重量部と、テルピネオール:52重量部と、エチルセルロース:3重量部と、ベンゾトリアゾール:0.4重量部とを、3本ロールにより混練し、スラリー化して電極層用ペーストを作製した。
グリーンチップの形成
次いで、上記にて調製した各ペーストを使用して、以下の方法により、グリーンチップを形成した。
まず、外側層間グリーンシート用ペースト、および内側層間グリーンシート用ペーストを用いて、PETフィルム上に、乾燥後の厚みが2.5μmとなるように層間グリーンシートを形成した。すなわち、本実施例では、外側層間グリーンシートおよび内側層間グリーンシートの厚みを共に同じ厚みである2.5μmとした。
そして、この上に電極層用ペーストを用いて、電極ペースト膜を所定パターンで印刷した後、PETフィルムからシートを剥離することにより、電極ペースト膜を有する各層間グリーンシートを得た。
一方、これとは別に、外側グリーンシート用ペーストを用いて、PETフィルム上に、乾燥後の厚みが10μmとなるように外側グリーンシートを形成した後、PETフィルムからシートを剥離した。
次いで、電極ペースト膜を形成した各層間グリーンシートを複数積層して、焼成後に内層部100を構成することとなる内層部用積層体を形成し、この積層体の積層方向の上端面および下端面に、外側グリーンシートを複数積層することにより、グリーンチップを得た。なお、本実施例では、外側層間グリーンシートの積層数を、内層部用積層体の積層方向の上端面および下端面から、それぞれm層目(ただし、mは表1に示す各値とした。)までとして、外側層間グリーンシートの積層数が異なる複数の試料(表1に示す試料番号1〜8)を調製した。
次いで、グリーンチップを所定サイズに切断し、脱バインダ処理、焼成およびアニールを下記条件にて行って、積層セラミック焼成体を得た。
脱バインダ処理条件は、昇温速度:30℃/時間、保持温度:250℃、温度保持時間:8時間、雰囲気:空気中とした。
焼成条件は、昇温速度:200℃/時間、保持温度:1250℃、温度保持時間:2時間、冷却速度:300℃/時間、雰囲気ガス:加湿したN+H混合ガス(酸素分圧:10−2Pa)とした。
アニール条件は、昇温速度:200℃/時間、保持温度:1000℃、温度保持時間:2時間、冷却速度:300℃/時間、雰囲気ガス:加湿したNガス(酸素分圧:10−1Pa)とした。
なお、焼成およびアニールの際の雰囲気ガスの加湿には、水温を5〜75℃としたウエッターを用いた。
次いで、得られた積層セラミック焼成体の端面をサンドブラストにて研磨した後、端子電極としてCuペーストを塗布し、その後、焼付けを行い、その上にめっき処理を施すことにより、図1に示す積層セラミックコンデンサの試料を得た。
得られたコンデンサ試料のサイズは、1.0mm×0.5mm×0.5mmであり、内部電極層に挟まれた層間誘電体層の数は160とし、1層あたりの層間誘電体層の厚みは1.8μmとした。
次いで、得られた各コンデンサ試料について、次の方法により、焼成後の誘電体粒子の平均結晶粒径比(Rfo/Rfc)、各コーナー部における電極空隙部存在個数、平側クラック発生数、およびデラミネーション発生数を、それぞれ測定した。
焼成後の誘電体粒子の平均結晶粒径比(Rfo/Rfc)
得られたコンデンサ試料を、その切断面が、図2に示す断面(端子電極4を形成した端面に平行な面)となるように切断し、その切断面を研磨した。そして、その研磨面について、顕微鏡により観察を行い、上側外層部200側、下側外層部300側から、それぞれ15層目までの合計30層の各層間誘電体層2を構成する誘電体粒子の平均結晶粒径Rfo[μm]と、それ以外の部分に位置する層間誘電体層2を構成する誘電体粒子の平均結晶粒径Rfc[μm]と、を測定した。各層間誘電体層の平均結晶粒径は、コード法により、誘電体粒子の形状を球と仮定して、誘電体粒子の平均結晶粒径を測定した。平均結晶粒径は、測定点数250点の平均値とした。そして、得られた結果より、焼成後の誘電体粒子の平均結晶粒径比(Rfo/Rfc)を求めた。結果を表1に示す。
各コーナー部における電極空隙部存在個数
得られたコンデンサ試料を、その切断面が、図2に示す断面(端子電極4を形成した端面に平行な面)となるように切断し、その切断面を研磨した。そして、その研磨面について、顕微鏡により観察を行い、上側電極層第1、第2コーナー部における電極空隙部の存在個数N1、N2、下側電極層第1、第2コーナー部における電極空隙部の存在個数N3、N4を求め、これらの平均値〔(N1+N2+N3+N4)/4〕を算出し、電極空隙部存在個数とした。本実施例では、測定サンプル5個の平均値とした。結果を表1に示す。
また、図4(A)に試料番号5の下側電極層第1コーナー部の顕微鏡写真を、図4(B)に後述する実施例2に係る試料番号9の下側電極層第1コーナー部の顕微鏡写真を、それぞれ示す。なお、図4(A)、図4(B)より、本発明の実施例である試料番号5においては、電極空隙部(図中、黒色部分)の存在個数はわずかであるのに対し、比較例である試料番号9においては、電極空隙部が多数存在することが確認できる。
平側クラック発生数
得られた各コンデンサ試料について、端子電極の焼付け、めっき処理を行ったコンデンサ試料を研磨し、図2に示す断面(端子電極4を形成した端面に平行な面)を顕微鏡にて観察することにより、平側クラックの発生の有無を確認した。本実施例では、図5(A)または図5(B)に示すような、平面(上面または下面)から、素子本体内部を経て、側面(端子電極4を形成していない端面)にかけて発生したクラックを平側クラックとし、その発生の有無を確認した。平側クラックの有無の確認は、100個のコンデンサ試料について行った。断面検査の結果、100個のコンデンサ試料に対する、平側クラックの発生した試料の数を求めた。結果を表1に示す。
デラミネーションの発生数
得られた各コンデンサ試料について、焼上げ素地を研磨し、図2に示す断面(端子電極4を形成した端面に平行な面)における積層状態を目視にて観察することにより、内部電極層3と層間誘電体層2との界面におけるデラミネーションの発生の有無を確認した。デラミネーションの有無の確認は、100個のコンデンサ試料について行った。断面検査の結果、100個のコンデンサ試料に対する、デラミネーションの発生した試料の数を求めた。結果を表1に示す。
表1中、試料番号1は、全ての層間グリーンシートを、内側層間グリーンシート用ペーストを用いて形成した試料である。また、外側層間グリーンシート用ペーストを用いて形成した外側層間グリーンシートの層数は、上端面および下端面からの層数を、それぞれ表1に示す数とした。すなわち、たとえば試料番号5においては、それぞれ上端面からの層数を15、下端面からの層数を15とし合計で30層とした。
表1に示すように、外側層間グリーンシート用ペーストに含有させる誘電体原料として、焼成後に外側誘電体層20を構成することとなる外側グリーンシート用ペーストと同じ平均粒子径を有する誘電体原料を使用し、かつ、外側層間グリーンシートの層数を、それぞれ1層、2層、5層、15層、20層、30層とした試料番号2〜7においては、次のような結果となった。すなわち、これらの試料においては、焼成後の誘電体粒子の平均結晶粒径比(Rfo/Rfc)が、0.55≦Rfo/Rfc≦0.95の範囲、各コーナー部における電極空隙部存在個数が、1以上、20以下の範囲となり、平側クラックおよびデラミネーションのいずれも確認されず、良好な結果となった。
なお、これら試料番号2〜7においては、外側グリーンシート用ペーストに含有させた誘電体原料、および外側層間グリーンシート用ペーストに含有させた誘電体原料の焼結開始温度Tgo[℃]、内側層間グリーンシート用ペーストに含有させた誘電体原料の焼結開始温度Tgc[℃]との差(Tgo−Tgc)は、Tgo−Tgc=−20℃であった。
これに対し、全ての層間グリーンシートを、内側層間グリーンシート用ペーストを用いて形成した試料(すなわち、外側層間グリーンシートを形成しなかった試料)である試料番号1においては、各コーナー部における電極空隙部存在個数が多くなりすぎてしまい、平側クラックが発生し、信頼性に劣る結果となった。また、外側層間グリーンシートの層数を45層とした試料番号8においては、各コーナー部における電極空隙部存在個数が少なくなりすぎてしまい、デラミネーションが発生し、信頼性に劣る結果となった。
実施例2
外側グリーンシート用ペーストに含有させる誘電体原料、および内側層間グリーンシート用ペーストに含有させる誘電体原料として、同じ誘電体原料(平均粒子径0.35μm)を使用した以外は、実施例1と同様にして、積層セラミックコンデンサの試料(試料番号9)を作製した。すなわち、Rgo/Rgc=1.00とした。そして、得られたコンデンサ試料について、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
実施例3
外側グリーンシート用ペーストおよび外側層間グリーンシート用ペーストに含有させる誘電体原料の平均粒子径Rgoと、内側層間グリーンシート用ペーストに含有させる誘電体原料の平均粒子径Rgcと、の比(Rgo/Rgc)を、表2に示すように変化させた以外は、実施例1の試料番号5と同様にして、積層セラミックコンデンサの試料(試料番号10〜15)を作製した。そして、得られたコンデンサ試料について、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
なお、実施例3においては、内側層間グリーンシート用ペーストに含有させる誘電体原料の平均粒子径Rgcを0.35μmに固定し、外側グリーンシート用ペーストおよび外側層間グリーンシート用ペーストに含有させる誘電体原料の平均粒子径Rgoを変化させることにより、Rgo/Rgcを調整した。
表2中、試料番号5は、実施例1の試料番号5と同じ試料である。
表2より、誘電体原料の平均粒子径比(Rgo/Rgc)を、Rgo/Rgc>0.95とした試料番号9,10においては、各コーナー部における電極空隙部存在個数が多くなりすぎてしまい、平側クラックが発生し、信頼性に劣る結果となった。また、誘電体原料の平均粒子径比(Rgo/Rgc)を、Rgo/Rgc<0.50とした試料番号15においては、各コーナー部における電極空隙部存在個数が少なくなりすぎてしまい、デラミネーションが発生し、信頼性に劣る結果となった。
実施例4
外側層間グリーンシートの厚みを、表3に示すように変化させた以外は、実施例1の試料番号3と同様にして、積層セラミックコンデンサの試料(試料番号16〜18)を作製した。そして、得られたコンデンサ試料について、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表3に示す。
すなわち、実施例4においては、外側層間グリーンシートの層数を2層に固定し、外側層間グリーンシートの厚みを変化させた複数の試料を作製した。
表3中、試料番号3は、実施例1の試料番号3と同じ試料である。
表3より、外側層間グリーンシートの厚みを変化させ、外側層間グリーンシートの厚みと、内側層間グリーンシートの厚みと、を異なる厚みとした場合でも、同様に良好な結果が得られることが確認できる。
図1は本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサの断面図である。 図2は図1に示すII−II線に沿う積層セラミックコンデンサの概略断面図である。 図3は本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサの要部断面図である。 図4(A)は本発明の実施例に係る積層セラミックコンデンサの要部断面写真、図4(B)は比較例に係る積層セラミックコンデンサの要部断面写真である。 図5(A)、図5(B)は積層セラミックコンデンサの平側クラックを説明するための図である。
符号の説明
1… 積層セラミックコンデンサ
10… コンデンサ素子本体
2… 層間誘電体層
20… 外側誘電体層
22… 側面余白部
3… 内部電極層
30… 電極空隙部
4… 端子電極
100… 内層部
200… 上側外層部

Claims (8)

  1. 内部電極層と層間誘電体層とが交互に積層された内層部と、
    前記内層部の積層方向の上端面および下端面に配置され、外側誘電体層から構成される上側外層部および下側外層部と、からなる素子本体を有する積層型電子部品であって、
    前記内部電極層は、前記素子本体の積層方向に平行な一対の対向する端面に、交互に露出するように形成され、前記内部電極層が露出している一対の端面には、一対の端子電極が形成され、
    前記層間誘電体層の積層数は100層以上であり、
    一対の前記端子電極が形成された端面と平行な面で前記素子本体を切断した際における切断面において、
    前記切断面における複数の前記内部電極層の長さ方向における前記内部電極層の平均長さが0.15mm以上であり、
    前記切断面における複数の前記内部電極層の長さ方向の一方の端部を第1端部、他方の端部を第2端部、
    前記内部電極層のうち、前記上側外層部側から15層目までの各内部電極層を上側電極層、前記下側外層部側から15層目までの各内部電極層を下側電極層とし、
    前記上側電極層における、第1端部および第2端部から内部電極層中心側に向かって40μmの長さの部分を、それぞれ上側電極層第1コーナー部、上側電極層第2コーナー部、
    前記下側電極層における、第1端部および第2端部から内部電極層中心側に向かって40μmの長さの部分を、それぞれ下側電極層第1コーナー部、下側電極層第2コーナー部とした場合に、
    前記内部電極層の形成部分に存在し、実質的に空隙となっている電極空隙部に関し、
    前記上側電極層第1コーナー部における電極空隙部の存在個数N1、前記上側電極層第2コーナー部における電極空隙部の存在個数N2、前記下側電極層第1コーナー部における電極空隙部の存在個数N3、および前記下側電極層第2コーナー部における電極空隙部の存在個数N4の平均値〔(N1+N2+N3+N4)/4〕が、1以上、20以下であることを特徴とする積層型電子部品。
  2. 前記上側外層部側および前記下側外層部側から、それぞれ15層目までの合計30層の各層間誘電体層を構成する誘電体粒子の平均結晶粒径Rfo[μm]と、
    それ以外の部分に位置する層間誘電体層を構成する誘電体粒子の平均結晶粒径Rfc[μm]と、が0.55≦Rfo/Rfc≦0.95である請求項1に記載の積層型電子部品。
  3. 前記層間誘電体層の平均厚みが3μm以下である請求項1または2に記載の積層型電子部品。
  4. 前記内部電極層の厚みが2μm以下である請求項1〜3のいずれかに記載の積層型電子部品。
  5. 前記内部電極層に含まれる導電材がNiまたはNi合金である請求項1〜4のいずれかに記載の積層型電子部品。
  6. 内部電極層と層間誘電体層とが交互に積層された内層部と、
    前記内層部の積層方向の上端面および下端面に配置され、外側誘電体層から構成される上側外層部および下側外層部と、からなる素子本体を有する積層型電子部品を製造する方法であって、
    焼成後に前記層間誘電体層となり、誘電体原料を含有する層間グリーンシートを形成する工程と、
    焼成後に前記外側誘電体層となり、誘電体原料を含有する外側グリーンシートを形成する工程と、
    前記層間グリーンシートの表面に、焼成後に内部電極層となる電極ペースト膜を形成する工程と、
    前記電極ペースト膜を有する層間グリーンシートを、前記層間グリーンシートの合計の積層数が100層以上となるように積層し、内層部用積層体を得る工程と、
    前記内層部用積層体の積層方向の上端面および下端面に前記外側グリーンシートを積層し、グリーンチップを得る工程と、
    前記グリーンチップを焼成する工程と、を有し、
    焼成後に前記層間誘電体層となる層間グリーンシートに関し、前記内層部用積層体の積層方向の上端面および下端面から、それぞれm層目(ただし、mは、1以上、30以下)までに位置することとなる層間グリーンシートを外側層間グリーンシート、それ以外の部分に位置することとなる層間グリーンシートを内側層間グリーンシートとした場合に、
    前記外側グリーンシートに含有される誘電体原料、および前記外側層間グリーンシートに含有される誘電体原料として、同じ焼結開始温度を有する誘電体原料を使用するとともに、前記外側グリーンシートおよび前記外側層間グリーンシートに含有される誘電体原料の焼結開始温度Tgo[℃]と、前記内側層間グリーンシートに含有される誘電体原料の焼結開始温度Tgc[℃]との関係を−100℃≦Tgo−Tgc≦−5℃とすることを特徴とする積層型電子部品の製造方法。
  7. 前記外側グリーンシートに含有される誘電体原料、および前記外側層間グリーンシートに含有される誘電体原料として、同じ平均粒子径を有する誘電体原料を使用するとともに、前記外側グリーンシートおよび前記外側層間グリーンシートに含有される誘電体原料の平均粒子径をRgo[μm]とし、前記内側層間グリーンシートに含有される誘電体原料の平均粒子径をRgc[μm]とした場合に、前記RgoとRgcとの関係を、Rgo<Rgcとする請求項6に記載の積層型電子部品の製造方法。
  8. 前記RgoとRgcとの関係を、0.50≦Rgo/Rgc≦0.95とする請求項に記載の積層型電子部品の製造方法。
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