JP4982552B2 - 貴金属触媒粉末及びそれを用いたガスセンサ素子、ガスセンサ - Google Patents

貴金属触媒粉末及びそれを用いたガスセンサ素子、ガスセンサ Download PDF

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Description

本発明は、車両用エンジン等の内燃機関の燃焼制御等に用いることができる貴金属触媒粉末及びそれを用いたガスセンサ素子、ガスセンサに関する。
近年、地球環境保全の観点から、燃費向上によるガソリン直噴システムやCNG(圧縮天然ガス)等の代替燃料仕様エンジンの適用が検討されるようになってきており、ガソリン直噴エンジンや代替燃料仕様エンジンの内燃機関の燃料制御のためのガスセンサも同様に注目されている。
ところが、上記ガソリン直噴エンジンにおいては、燃料機構の違いによりエンジンの始動時を含め未燃ガスが残り、またCNGにおいては、燃料仕様の違いにより従来のガソリンエンジンに比べて排ガス中の水素ガスの含有量が増加する傾向にある。それ故、水素ガスに起因するガスセンサの出力ずれが問題となってきている。
この問題は、ガスセンサにおいて被測定ガスの導入量を制限する例えば多孔質拡散抵抗層等を通過する水素ガスとその他の燃焼ガスとの速度に差があることにより生じる。すなわち、水素ガスは、その他の燃焼ガスよりも早く被測定ガス側電極に到達する。そのため、被測定ガス側電極の周囲において水素ガスが過剰となる。これにより、ガスセンサの出力ずれが生じることとなる。
そこで、特許文献1には、被測定ガスの導入経路となる多孔質拡散抵抗層の外側面に触媒用貴金属を担持した触媒担持トラップ層を形成したガスセンサ素子が提案されている。
このガスセンサ素子は、触媒担持トラップ層に担持したPt(白金)、Pd(パラジウム)及びRh(ロジウム)の貴金属によって被測定ガス中の水素ガスを燃焼させることにより、水素ガスが被測定ガス側電極に到達することを抑制し、ガスセンサの出力ずれを防止するものである。
特開2007−199046号公報
しかしながら、上記特許文献1の構成では、触媒担持トラップ層に担持された貴金属が高温時において蒸散してしまい、貴金属量が減少して触媒性能の劣化が生じるという問題がある。特に、触媒担持トラップ層は、担持トラップ層に貴金属を含んだ溶液を含浸させ、これを焼成して作製するが、この場合、貴金属の平均粒径が0.1μm程度と小さいため、高温時における貴金属の蒸散がより顕著となる。
これに対し、貴金属の平均粒径を大きくすることで耐久性の向上を図るという方法があるが、やはり粒径を大きくしても、高温時における貴金属の蒸散を抑制することはできず、貴金属量が減少して触媒性能の劣化が生じる。
また、初期の貴金属担持量を予め増やしておき、触媒性能の維持を図るという方法もあるが、この場合には、コストが高くなるという問題がある。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、耐熱性・耐久性に優れ、触媒性能を長期間にわたって十分に発揮することができる貴金属触媒粉末及びそれを用いたガスセンサ素子、並びにガスセンサを提供しようとするものである。
第1の発明は、Pt、Pd及びRhを含有する貴金属合金粒子からなる貴金属触媒粉末であって、
上記貴金属合金粒子の平均粒径は、0.2〜2.0μmであり、
上記貴金属触媒粉末全体に対するPt及びPdの合計含有量は、40質量%以上であり、
上記貴金属触媒粉末の比表面積は、0.9m 2 /g以上であり、
上記貴金属触媒粉末における任意の異なる10点以上の箇所で元素定量分析を行い、上記Pt、Pd及びRhの各元素について含有量(質量%)を測定した場合に、上記各元素における含有量の標準偏差がすべて20質量%以下であることを特徴とする貴金属触媒粉末にある(請求項1)。
参考発明は、Pt及びPdを含有する貴金属合金粒子からなる貴金属触媒粉末であって、
上記貴金属合金粒子の平均粒径は、0.2〜2.0μmであり、
上記貴金属触媒粉末における任意の異なる10点以上の箇所で元素定量分析を行い、上記Pt及びPdの各元素について含有量(質量%)を測定した場合に、上記各元素における含有量の標準偏差がすべて20質量%以下であることを特徴とする貴金属触媒粉末にある
第2の発明は、酸素イオン伝導性の固体電解質体と、該固体電解質体の一方の面と他方の面とにそれぞれ設けた被測定ガス側電極及び基準ガス側電極と、上記被測定ガス側電極を覆うと共に被測定ガスを透過させる多孔質拡散抵抗層とを有するガスセンサ素子であって、
上記多孔質拡散抵抗層に上記被測定ガスを導入する経路には、上記第1の発明の貴金属触媒粉末が配置されていることを特徴とするガスセンサ素子にある(請求項2)。
第3の発明は、上記第2の発明のガスセンサ素子を内蔵し、上記被測定ガス中の特定ガス濃度を検出することを特徴とするガスセンサにある(請求項3)。
第1の発明の貴金属触媒粉末は、Pt、Pd及びRhを含有する貴金属合金粒子からなる。すなわち、触媒性能に優れたPtを、融点が高く耐熱性に優れ、さらに耐酸化性能(酸化雰囲気中における安定性)に優れたPd及び融点が高く耐熱性に優れたRhと合金化している。そのため、高温・酸化雰囲気において、上記貴金属触媒粉末における貴金属(特にPt)の蒸散を抑制することができる。
そして、上記貴金属触媒粉末は、任意の異なる10点以上の箇所で元素定量分析を行い、Pt、Pd及びRhの各元素について含有量(質量%)を測定した場合に、組成(含有量)のばらつきの目安となる標準偏差がPt、Pd及びRhのすべての元素において20質量%以下である。
すなわち、本発明では、Pt、Pd及びRhを合金化するだけでなく、各元素における含有量の標準偏差を上記の範囲内に抑え、各元素をより均一に存在させることにより、Pt、Pd及びRhを合金化して貴金属の蒸散を抑制するという効果をより一層高めることができることを見出したのである。これにより、上記貴金属触媒粉末は、耐熱性・耐久性に優れ、高温での使用においても触媒性能を長期間にわたって十分に発揮することができる。
また、上記貴金属触媒粉末を構成する上記貴金属合金粒子の平均粒径は、0.2〜2.0μmである。上記貴金属合金粒子の平均粒径を上記の範囲内とすることにより、上記貴金属触媒粉末における貴金属の蒸散を抑制する効果を十分に発揮することができると共に、上記貴金属触媒粉末の比表面積を確保し、その触媒性能を十分に発揮することができる。
また、参考発明の貴金属触媒粉末は、Pt及びPdを含有する貴金属合金粒子からなること、すなわちRhを含有していないことを除いては、上記第1の発明の貴金属触媒粉末と同様の構成である。そして、上記貴金属触媒粉末は、上記第1の発明と同様に、耐熱性・耐久性に優れ、触媒性能を長期間にわたって十分に発揮することができる。なお、Rhを含有していないが、Pdを含有していることにより耐熱性・耐久性を十分に確保することができる。
このように、上記第1の発明によれば、耐熱性・耐久性に優れ、触媒性能を長期間にわたって十分に発揮することができる貴金属触媒粉末を提供することができる。
また、第2の発明のガスセンサ素子は、上記被測定ガスを導入する経路に貴金属触媒粉末が配置されている。そして、該貴金属触媒粉末は、耐熱性・耐久性に優れ、触媒性能を長期間にわたって十分に発揮することができる上記第1の発明の貴金属触媒粉末である。そのため、上記被測定ガス中の水素ガスを上記貴金属触媒粉末の触媒性能によって十分に燃焼させ、またその触媒性能を維持することができ、水素ガスに起因する出力ずれを長期間にわたって確実に防止することができる。これにより、耐久性に優れ、信頼性の高いものとなる。
また、第3の発明のガスセンサは、上記被測定ガスを導入する経路に上記第1の発明の貴金属触媒粉末を配置した上記第2の発明のガスセンサ素子を用いている。そのため、水素ガスに起因する出力ずれを長期間にわたって確実に防止することができる。これにより、耐久性に優れ、信頼性の高いものとなる。
実施例1における、貴金属触媒粉末の触媒特性評価の試験体を示す説明図。 実施例1における、貴金属触媒粉末の水素浄化率の測定方法を示す説明図。 実施例1における、貴金属触媒粉末の温度(触媒温度)と耐久後の水素浄化率との関係を示す説明図。 実施例2における、貴金属触媒粉末の最大標準偏差と耐久後の浄化温度T50との関係を示す説明図。 実施例3における、貴金属合金粒子の平均粒径と耐久後の浄化温度T50との関係を示す説明図。 実施例4における、Pt及びPdの合計含有量と耐久後の浄化温度T50との関係を示す説明図。 実施例5における、貴金属触媒粉末の比表面積と耐久後の浄化温度T50との関係を示す説明図。 実施例6における、ガスセンサ素子の構造を示す説明図。 実施例6における、多孔質拡散抵抗層の外表面周辺を示す説明図。 実施例6における、ガスセンサの構造を示す説明図。
上記第1の発明において、上記貴金属触媒粉末を構成する上記貴金属合金粒子は、Pt(白金)、Pd(パラジウム)及びRh(ロジウム)を含有する合金である。すなわち、上記貴金属合金粒子は、不可避的不純物等を除いて、基本的にPt、Pd及びRhの3種類の元素からなる合金である。
また、上記貴金属合金粒子の平均粒径は、0.2〜2.0μmである。
上記貴金属合金粒子の平均粒径が0.2μm未満の場合には、高温時において上記貴金属合金粒子における貴金属の蒸散が生じ易くなる。一方、上記平均粒径が2.0μmを超える場合には、上記貴金属合金粒子の表面に露出するPtの面積が減少するため、触媒性能が低下してしまう。
また、上記貴金属触媒粉末における任意の異なる10点以上の箇所で元素定量分析を行い、Pt、Pd及びRhの各元素について含有量(質量%)を測定した場合に、上記各元素における含有量の標準偏差がすべて20質量%以下である。
Pt、Pd及びRhの少なくともいずれかの元素において含有量の標準偏差が20質量%を超える場合には、高温時において上記貴金属合金粒子における貴金属の蒸散を十分に抑制することができない。
また、上記各元素における含有量の標準偏差は、貴金属の蒸散を抑制する効果を十分に発揮するために5.0質量%以下であることがより好ましい。
また、上記貴金属触媒粉末全体に対するPt及びPdの合計含有量は、40質量%以上である
この場合には、Ptの有する触媒性能及びPdの有する耐酸化性能(酸化雰囲気中における安定化)を十分に発揮することができる。
上記貴金属触媒粉末全体に対するPt及びPdの合計含有量が40質量%未満の場合には、Pt及びPdの上記性能を十分に発揮することができないおそれがある。そのため、上記貴金属触媒粉末の耐久性向上という本発明の効果を十分に発揮することができないおそれがある。
上記参考発明において、上記貴金属触媒粉末を構成する上記貴金属合金粒子は、Pt(白金)及びPd(パラジウム)を含有する合金である。すなわち、上記貴金属合金粒子は、不可避的不純物等を除いて、基本的にPt及びPdの2種類の元素からなる合金である。
また、上記貴金属合金粒子の平均粒径は、0.2〜2.0μmである。
上記貴金属合金粒子の平均粒径が0.2μm未満の場合には、上記第1の発明と同様に、高温時において上記貴金属合金粒子における貴金属の蒸散が生じ易くなる。一方、上記平均粒径が2.0μmを超える場合には、上記第1の発明と同様に、上記貴金属合金粒子の表面に露出するPtの面積が減少するため、触媒性能が低下してしまう。
また、上記貴金属触媒粉末における任意の異なる10点以上の箇所で元素定量分析を行い、Pt及びPdの各元素について含有量を測定した場合に、上記各元素における含有量の標準偏差が20質量%以下である。
Pt及びPdの少なくともいずれかの元素において含有量の標準偏差が20質量%を超える場合には、上記第1の発明と同様に、高温時において上記貴金属合金粒子における貴金属の蒸散を十分に抑制することができない。
また、上記各元素における含有量の標準偏差は、貴金属の蒸散を抑制する効果を十分に発揮するために5.0質量%以下であることがより好ましい。
上記第1の発明及び参考発明において、上記貴金属触媒粉末における任意の箇所での元素定量分析は、例えば、貴金属触媒粉末を電子顕微鏡により観察し、任意の箇所において、エネルギー分散型X線分光器(EDS)等により行うことが好ましい。
この場合には、上記貴金属触媒粉末における各元素の組成及びそのばらつきを精度良く定量化することができる。
また、上記貴金属触媒粉末の比表面積は、0.9m2/g以上である
この場合には、触媒性能を十分に発揮することができる。また、高温時において上記貴金属合金粒子における貴金属の蒸散が生じて多少の比表面積の低下があったとしても、触媒性能を発揮するために必要な比表面積を十分に確保することができる。そのため、耐久性を向上させるという本発明の効果を十分に発揮することができる。
上記貴金属触媒粉末の比表面積が0.9m2/g未満の場合には、触媒性能を十分に発揮することができないおそれがある。
また、上記貴金属触媒粉末の比表面積は、高温時においても触媒性能を十分に発揮するために10m2/g以上であることがより好ましい。また、上記貴金属触媒粉末の製造上の問題から35m2/g以下であることが好ましい。
上記第2の発明において、上記ガスセンサ素子は、自動車エンジン等の各種車両用内燃機関の排気管に設置して、排ガス等の被測定ガス中の酸素濃度に応じた限界電流によって空燃比を測定するA/Fセンサ用素子、排ガス中の酸素濃度を測定する酸素センサ用素子、また排気管に設置する三元触媒の劣化検知等に利用するNOx等の大気汚染物質濃度を調べるNOxセンサ用素子等として用いることができる。
また、上記多孔質拡散抵抗層に上記被測定ガスを導入する経路への上記貴金属触媒粉末の配置は、様々な構成によって実現することができる。
例えば、上記多孔質拡散抵抗層における上記被測定ガスを導入する外表面に、上記貴金属触媒粉末をアルミナ等の金属酸化物粒子に担持させた層を設けることによって実現することができる。また、その他の構成によって上記貴金属触媒粉末を配置することもできる。
上記第3の発明において、上記ガスセンサとしては、上述したA/Fセンサ、酸素センサ、NOxセンサ等がある。
(実施例1)
本発明の実施例にかかる貴金属触媒粉末について、図を用いて説明する。
本例は、本発明の実施例として貴金属触媒粉末(試料E11)及び比較例としての貴金属触媒粉末(試料C11)を作製し、その触媒性能を評価したものである。
以下、これを詳説する。
本例では、まず、Pt、Pd及びRhを含有する貴金属合金粒子からなる貴金属触媒粉末(試料E11、試料C11)を共沈法により作製した。
具体的には、最終的にPt:45質量%、Pd:45質量%、Rh:10質量%の組成となるように塩化白金酸、塩化パラジウム、塩化ロジウムを混合した溶液に反応試薬を加え、貴金属触媒粉末を作製した。
本発明の実施例である試料E11の貴金属触媒粉末は、任意の異なる10点以上で元素定量分析を行い、Pt、Pd及びRhの各元素について含有量(質量%)を測定した場合に、Pt、Pd及びRhのすべての元素において含有量の標準偏差が20質量%以下であった。
本例では、各元素の含有量の標準偏差は、Pt:3.6質量%、Pd:3.4質量%、Rh:2.0質量%であった。また、貴金属合金粒子の平均粒径は、0.42μmであった。
一方、比較例である試料C11の貴金属触媒粉末は、Pt、Pd及びRhの少なくともいずれかの元素において含有量の標準偏差が20質量%を超えていた。
本例では、各元素の含有量の標準偏差は、Pt:32.0質量%、Pd:28.0質量%、Rh:4.0質量%であった。また、貴金属合金粒子の平均粒径は、1.7μmであった。
ここで、上記元素定量分析は、貴金属触媒粉末を電子顕微鏡により観察し、任意の異なる10点において、エネルギー分散型X線分光器(EDS)により加速電圧10〜20eVの条件で行った。そして、元素分析の結果から、Pt、Pd及びRhの各元素について含有量の平均値を求め、その平均値から標準偏差を求めた。
下記の表1に試料E11の例を示す。この例は、貴金属触媒粉末における任意の異なる10点において元素分析を行ったものである。なお、貴金属触媒粉末には、Pt、Pd、Rhの他に少量のOが含まれている。
Figure 0004982552
次いで、貴金属触媒粉末に対して、耐久試験(1000℃、50時間保持)を行った。そして、図1に示すごとく、円筒状の石英管22内に、耐久試験後の貴金属触媒粉末1及び石英ウール21を詰めた試験体2を準備した。このとき、石英ウール21は、貴金属触媒粉末1を両側から挟むように詰めた。また、貴金属触媒粉末1と石英ウール21との割合は、貴金属触媒粉末:0.02g、石英ウール:0.025gとした。
次いで、図2に示すごとく、試験体2を所定の温度に設定した管状炉31に配置し、試験体2の石英管22内に所定の評価ガス32を供給した。このとき、管状炉31の温度は、室温〜500℃の範囲において設定した。また、評価ガス32としては、H2:5000ppm、O2:2.5%(10当量)、N2バランスのガスを用いた。また、評価ガス32の流量は、0.8L/minとした。
次いで、同図に示すごとく、試験体2の石英管22内を通過させた評価ガス32をサンプリング器33によって2mLサンプリングした。このとき、石英管22内の貴金属触媒粉末1の温度は、熱電対34を用いて測定した。そして、サンプリングした評価ガス32をガスクロマトグラフィー(カラム:MS−5M(50℃))により分析し、評価ガス32中の水素(H2)濃度を測定した。
次いで、同図に示すごとく、予め測定しておいた試験体2の石英管22内に供給する前の評価ガス32中の水素濃度と、試験体2の石英管22内を通過させた(すなわち、貴金属触媒粉末1を通過させた)評価ガス32中の水素濃度とを比較することにより、評価ガス32における水素浄化率を測定した。そして、貴金属触媒粉末1の温度と水素浄化率との関係を導き出し、さらに水素浄化率が50%となる貴金属触媒粉末1の温度(以下、浄化温度T50(℃)という)を求めた。
なお、本例では、この浄化温度T50を貴金属触媒粉末1の触媒活性温度の基準としている。後述する実施例2〜5においても同様である。
次に、上記の評価結果を図3に示す。
図3は、貴金属触媒粉末の温度(触媒温度)(℃)と耐久後の水素浄化率(%)との関係を示したものである。
同図からわかるように、本発明の実施例である試料E11は、比較例である試料C11に比べて、触媒温度が低い段階から耐久後の水素浄化率が高い。また、試料E11の耐久後の浄化温度T50は105℃であり、試料C11の345℃に比べて非常に低い。すなわち、試料E11は、貴金属の蒸散を抑制する効果を十分に得ることができ、耐久後においても触媒性能の劣化が小さく、その触媒性能を十分に発揮することができる。
次に、上記の評価結果を踏まえて、本発明の実施例である貴金属触媒粉末(試料E11)における作用効果について説明する。
本例の貴金属触媒粉末は、Pt、Pd及びRhを含有する貴金属合金粒子からなる。すなわち、触媒性能に優れたPtを、融点が高く耐熱性に優れ、さらに耐酸化性能(酸化雰囲気中における安定性)に優れたPd及び融点が高く耐熱性に優れたRhと合金化している。そのため、高温・酸化雰囲気において、貴金属触媒粉末における貴金属(特にPt)の蒸散を抑制することができる。
そして、貴金属触媒粉末は、任意の異なる10点以上の箇所で元素定量分析を行い、Pt、Pd及びRhの各元素について含有量(質量%)を測定した場合に、組成(含有量)のばらつきの目安となる標準偏差がPt、Pd及びRhのすべての元素において20質量%以下である。
すなわち、本例の貴金属触媒粉末では、Pt、Pd及びRhを合金化するだけでなく、各元素における含有量の標準偏差を上記の範囲内に抑え、各元素をより均一に存在させることにより、Pt、Pd及びRhを合金化して貴金属の蒸散を抑制するという効果をより一層高めることができることを見出したのである。これにより、貴金属触媒粉末は、耐熱性・耐久性に優れ、高温での使用においても触媒性能を長期間にわたって十分に発揮することができる。
また、貴金属触媒粉末を構成する貴金属合金粒子の平均粒径は、0.2〜2.0μmである。貴金属合金粒子の平均粒径を上記の範囲内とすることにより、貴金属触媒粉末における貴金属の蒸散を抑制する効果を十分に発揮することができると共に、貴金属触媒粉末の比表面積を確保し、その触媒性能を十分に発揮することができる。
このように、本例の貴金属触媒粉末は、耐熱性・耐久性に優れ、触媒性能を長期間にわたって十分に発揮することができる。
なお、本例では、Pt、Pd及びRhを含有する貴金属合金粒子からなる貴金属触媒粉末の例について説明したが、Pt及びPdを含有する貴金属合金粒子からなる貴金属触媒粉末についても同様である。
(実施例2)
本例は、図4に示すごとく、貴金属触媒粉末の最大標準偏差を変更した場合の触媒性能について調べたものである。なお、最大標準偏差とは、貴金属触媒粉末に含有されている各元素における含有量の標準偏差のうち、最も大きい標準偏差の値のことである。
本例では、まず、最大標準偏差が異なる複数の貴金属触媒粉末を作製した。
貴金属触媒粉末は、Pt、Pd及びRhを含有する貴金属合金粒子からなる貴金属触媒粉末であり、その組成はPt:45質量%、Pd:45質量%、Rh:10質量%である。また、貴金属合金粒子の平均粒径は0.2〜2.0μmである。
次いで、実施例1と同様の方法により、貴金属触媒粉末に対して耐久試験(1000℃、50時間保持)を行った後、その貴金属触媒粉末を用いて水素浄化率(%)を測定し、そこから耐久後の浄化温度T50(℃)を求めた。
この結果を図4に示す。
図4は、貴金属触媒粉末の最大標準偏差(質量%)と耐久後の浄化温度T50(℃)との関係を示したものである。
同図では、貴金属触媒粉末の最大標準偏差(質量%)に対する耐久後の浄化温度T50(℃)を◆印でプロットし、その近似曲線を曲線G1で表した。
同図からわかるように、最大標準偏差が20質量%以下(Pt、Pd及びRhのすべての元素において含有量の標準偏差が20質量%以下)であると、耐久後の浄化温度T50は100℃前後の低い温度である。すなわち、貴金属の蒸散を抑制する効果を十分に得ることができ、耐久後においても触媒性能の劣化が小さく、その触媒性能を十分に発揮することができる。
一方、最大標準偏差が20質量%を超える(Pt、Pd及びRhの少なくともいずれかの元素において含有量の標準偏差が20質量%を超える)と、耐久後の浄化温度T50は急激に高くなる。すなわち、貴金属の蒸散を抑制する効果を十分に得ることができず、耐久後において触媒性能の劣化が大きい。
以上の結果より、本発明の貴金属触媒粉末は、最大標準偏差を20質量%以下(Pt、Pd及びRhのすべての元素において含有量の標準偏差を20質量%以下)とすることにより、耐熱性・耐久性に優れ、触媒性能を長期間にわたって十分に発揮することができるものとなることがわかった。
なお、本例では、Pt、Pd及びRhを含有する貴金属合金粒子からなる貴金属触媒粉末の例について説明したが、Pt及びPdを含有する貴金属合金粒子からなる貴金属触媒粉末についても同様である。
(実施例3)
本例は、図5に示すごとく、貴金属触媒粉末における貴金属合金粒子の平均粒径を変更した場合の触媒性能について調べたものである。
本例では、まず、表2に示すごとく、貴金属合金粒子の平均粒径が異なる複数の貴金属触媒粉末(試料21〜26、参考例である試料27、28)を作製した。
各貴金属触媒粉末の組成比、貴金属合金粒子の平均粒径は、下記の表2に示すとおりである。また、各元素における含有量の標準偏差は、すべて20質量%以下である。
次いで、実施例1と同様の方法により、貴金属触媒粉末に対して耐久試験(1000℃、50時間保持)を行った後、その貴金属触媒粉末を用いて水素浄化率(%)を測定し、そこから耐久後の浄化温度T50(℃)を求めた。
この結果を表2及び図5に示す。
Figure 0004982552
図5は、貴金属触媒粉末における貴金属合金粒子の平均粒径(μm)と耐久後の浄化温度T50(℃)との関係を示したものである。
同図では、貴金属触媒粉末における貴金属合金粒子の平均粒径(μm)に対する耐久後の浄化温度T50(℃)をプロットした。なお、試料21〜26(組成:Pt/Pd/Rh=4.5/4.5/1)を△印、試料27(組成:Pt/Pd=5/5)を○印、試料28(組成:Pt/Pd=9/1)を□印でプロットした。
同図からわかるように、貴金属合金粒子の平均粒径が0.2〜2.0μmの範囲内(試料22〜25、27)では、耐久後の浄化温度T50が実使用上において好ましい条件である200℃以下である。すなわち、貴金属の蒸散を抑制する効果を十分に得ることができ、耐久後においても触媒性能の劣化が小さく、その触媒性能を十分に発揮することができる。
一方、0.2μm未満及び2.0μmを超える場合(試料21、26、28)には、耐久後の浄化温度T50が200℃を超えている。すなわち、貴金属の蒸散を抑制する効果を十分に得ることができず、耐久後において触媒性能の劣化が大きい。
以上の結果から、本発明の貴金属触媒粉末は、貴金属合金粒子の平均粒径を0.2〜2.0μmの範囲内とすることにより、耐熱性・耐久性に優れ、触媒性能を長期間にわたって十分に発揮することができるものとなることがわかった。
(実施例4)
本例は、図6に示すごとく、貴金属触媒粉末全体に対するPt及びPdの合計含有量を変更した場合の触媒性能について調べたものである。
本例では、まず、Pt及びPdの合計含有量が異なる複数の貴金属触媒粉末を作製した。
貴金属触媒粉末は、Pt、Pd及びRhを含有する貴金属合金粒子からなる貴金属触媒粉末である。また、各元素における含有量の標準偏差は、すべて20質量%以下である。また、貴金属合金粒子の平均粒径は0.2μmである。
次いで、実施例1と同様の方法により、貴金属触媒粉末に対して耐久試験(1000℃、50時間保持)を行った後、その貴金属触媒粉末を用いて水素浄化率(%)を測定し、そこから耐久後の浄化温度T50(℃)を求めた。
この結果を図6に示す。
図6は、Pt及びPdの合計含有量(質量%)と耐久後の浄化温度T50(℃)との関係を示したものである。
同図では、Pt及びPdの合計含有量(質量%)に対する耐久後の浄化温度T50(℃)を□印でプロットし、その近似曲線を曲線G2で表した。
同図からわかるように、Pt及びPdの合計含有量が40質量%以上では、耐久後の浄化温度T50が実使用上において好ましい条件である200℃以下である。すなわち、Ptの有する触媒性能及びPdの有する耐酸化性能(酸化雰囲気中における安定化)を十分に発揮することができる。
一方、Pt及びPdの合計含有量が40質量%未満では、耐久後の浄化温度T50が急激に高くなり、200℃を超えるようになる。すなわち、Pt及びPdの上記性能を十分に発揮することができない。
以上の結果より、本発明の貴金属触媒粉末は、貴金属触媒粉末全体に対するPt及びPdの合計含有量が40質量%以上であることが好ましいことがわかった。
(実施例5)
本例は、図7に示すごとく、貴金属触媒粉末の比表面積を変更した場合の触媒性能について調べたものである。
本例では、まず、表3に示すごとく、比表面積が異なる複数の貴金属触媒粉末(試料31〜36)を作製した。
貴金属触媒粉末は、Pt、Pd及びRhを含有する貴金属合金粒子からなる貴金属触媒粉末である。また、各貴金属触媒粉末の組成比、比表面積は、下記の表3に示すとおりである。また、各元素における含有量の標準偏差は、すべて20質量%以下である。また、貴金属合金粒子の平均粒径は0.2〜2.0μmである。
次いで、実施例1と同様の方法により、貴金属触媒粉末に対して耐久試験(1000℃、50時間保持)を行った後、その貴金属触媒粉末を用いて水素浄化率(%)を測定し、そこから耐久後の浄化温度T50(℃)を求めた。
この結果を表3及び図7に示す。
Figure 0004982552
図7は、貴金属触媒粉末の比表面積(m2/g)と耐久後の浄化温度T50(℃)との関係を示したものである。
同図では、貴金属触媒粉末の比表面積(m2/g)に対する耐久後の浄化温度T50(℃)を◆印でプロットし、その近似曲線を曲線G3で表した。
同図からわかるように、貴金属触媒粉末の比表面積が0.9m2/g以上(試料31〜35)では、耐久後の浄化温度T50が実使用上において好ましい条件である200℃以下である。すなわち、比表面積を十分に確保し、触媒性能を十分に発揮することができる。
一方、貴金属触媒粉末の比表面積が0.9m2/g未満(試料36)では、耐久後の浄化温度T50が急激に高くなり、200℃を超えるようになる。すなわち、比表面積を十分に確保することができず、触媒性能を十分に発揮することができない。
以上の結果より、本発明の貴金属触媒粉末の比表面積は、0.9m2/g以上であることが好ましいことがわかった。
また、貴金属触媒粉末の比表面積は、実際には、高温時においても触媒性能を十分に発揮するために10m2/g以上であることがより好ましい。また、貴金属触媒粉末の製造上の問題から35m2/g以下であることが好ましい。
なお、本例では、Pt、Pd及びRhを含有する貴金属合金粒子からなる貴金属触媒粉末の例について説明したが、Pt及びPdを含有する貴金属合金粒子からなる貴金属触媒粉末についても同様である。
(実施例6)
本例では、図8〜図10に示すごとく、本発明の貴金属触媒粉末を用いたガスセンサ素子及びそれを内蔵したガスセンサについて説明する。
本例のガスセンサ素子4は、図8に示すごとく、被測定ガス中の酸素濃度に依存した限界電流を計測することにより空燃比を検出するA/Fセンサ(後述するガスセンサ)に内蔵されるものである。
ガスセンサ素子4は、酸素イオン伝導性の固体電解質体41と、固体電解質体41の一方の面と他方の面とにそれぞれ設けた被測定ガス側電極42及び基準ガス側電極43と、被測定ガス側電極42を覆うと共に被測定ガスを透過させる多孔質拡散抵抗層44とを有する。
同図に示すごとく、固体電解質体41の基準ガス側電極43側には、電気的絶縁性を有し、緻密でガスを透過させないアルミナからなる基準ガス室形成層46が積層されている。基準ガス室形成層46には、基準ガスとしての大気が導入される基準ガス室460を形成する溝部469が設けられている。
基準ガス室形成層46における固体電解質体41とは反対側の面には、ヒータ基板47が積層されている。ヒータ基板47には、通電により発熱する発熱体471が基準ガス室形成層46と対面するよう設けられている。
同図に示すごとく、固体電解質体41の被測定ガス側電極42側には、開口部449を有する多孔質拡散抵抗層44が積層されている。多孔質拡散抵抗層44は、ガス透過性のアルミナ多孔体からなる。
多孔質拡散抵抗層44における固体電解質体41とは反対側の面には、電気的絶縁性を有し、緻密でガスを透過させないアルミナからなる遮蔽層45が積層されている。この遮蔽層45と多孔質拡散抵抗層44の開口部449と固体電解質体41とによって覆われた場所には、被測定ガスである排ガスが導入される被測定ガス室440が形成されている。
図8、図9に示すごとく、多孔質拡散抵抗層44における被測定ガスを導入する外表面441には、触媒機能を有する触媒層48と被毒物質等をトラップする機能を有する保護トラップ層49とが順に積層して形成されている。
図9に示すごとく、触媒層48は、貴金属触媒粉末1(貴金属合金粒子11)が担持されたアルミナ粒子481よりなる。また、保護トラップ層49は、触媒層48に比べて粒径の大きいアルミナ粒子491よりなる。
次に、上記構成のガスセンサ素子4を内蔵したガスセンサ5について説明する。
本例のガスセンサ5は、図10に示すごとく、被測定ガス中の酸素濃度に依存した限界電流を計測することにより空燃比を検出するA/Fセンサである。
ガスセンサ5は、ガスセンサ素子4と、そのガスセンサ素子4を内側に挿通保持する絶縁碍子51と、絶縁碍子51を内側に挿通保持するハウジング52と、ハウジング52の後端側に配設された大気側カバー53と、ハウジング52の先端側に配設されると共にガスセンサ素子4を保護する素子カバー54とを有する。
同図に示すごとく、素子カバー54は、外側カバー541と内側カバー542とからなる二重カバーによって構成されている。外側カバー541及び内側カバー542には、それぞれの側面部や底面部において、被測定ガスを通すためのガス流通孔543が設けられている。
なお、ここでの「先端側」とは、ガスセンサ5において、排気管などに挿入する側をいい、その反対側を「後端側」という。
次に、本例のガスセンサ素子4及びそれを内蔵したガスセンサ5における作用効果について説明する。
本例のガスセンサ素子4は、被測定ガスを導入する経路に本発明の貴金属触媒粉末1が配置されている。そして、貴金属触媒粉末1は、耐熱性・耐久性に優れ、触媒性能を長期間にわたって十分に発揮することができるものである。そのため、被測定ガス中の水素ガスを貴金属触媒粉末1の触媒性能によって十分に燃焼させ、またその触媒性能を維持することができ、水素ガスに起因する出力ずれを長期間にわたって確実に防止することができる。これにより、ガスセンサ素子4は、耐久性に優れ、信頼性の高いものとなる。
また、本例のガスセンサ5は、被測定ガスを導入する経路に本発明の貴金属触媒粉末1を配置したガスセンサ素子4を内蔵している。そのため、水素ガスに起因する出力ずれを長期間にわたって確実に防止することができる。これにより、ガスセンサ5は、耐久性に優れ、信頼性の高いものとなる。
1 貴金属触媒粉末
11 貴金属合金粒子

Claims (3)

  1. Pt、Pd及びRhを含有する貴金属合金粒子からなる貴金属触媒粉末であって、
    上記貴金属合金粒子の平均粒径は、0.2〜2.0μmであり、
    上記貴金属触媒粉末全体に対するPt及びPdの合計含有量は、40質量%以上であり、
    上記貴金属触媒粉末の比表面積は、0.9m 2 /g以上であり、
    上記貴金属触媒粉末における任意の異なる10点以上の箇所で元素定量分析を行い、上記Pt、Pd及びRhの各元素について含有量(質量%)を測定した場合に、上記各元素における含有量の標準偏差がすべて20質量%以下であることを特徴とする貴金属触媒粉末。
  2. 酸素イオン伝導性の固体電解質体と、該固体電解質体の一方の面と他方の面とにそれぞれ設けた被測定ガス側電極及び基準ガス側電極と、上記被測定ガス側電極を覆うと共に被測定ガスを透過させる多孔質拡散抵抗層とを有するガスセンサ素子であって、
    上記多孔質拡散抵抗層に上記被測定ガスを導入する経路には、請求項1に記載の貴金属触媒粉末が配置されていることを特徴とするガスセンサ素子。
  3. 請求項2に記載のガスセンサ素子を内蔵し、上記被測定ガス中の特定ガス濃度を検出することを特徴とするガスセンサ。
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