JP4979937B2 - 人造大理石用エポキシ樹脂組成物および人造大理石の製造方法 - Google Patents

人造大理石用エポキシ樹脂組成物および人造大理石の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、人造大理石用エポキシ樹脂組成物およびその製造方法に関し、さらに詳しくは、洗面化粧台、台所等のカウンター、浴室、台所等の壁材、浴槽等として有用で良好な色合いを有する人造大理石用エポキシ樹脂組成物およびその製造方法に関する。
近年台所、浴室のカウンター、壁材、浴槽等に人造大理石が用いられている。
従来の樹脂系人造大理石は、熱硬化性樹脂を主体とする基材に充填材を添加して調製された材料を硬化成形することにより得られている。樹脂系人造大理石には大別して不飽和ポリエステル系人造大理石とアクリル樹脂系人造大理石とがある。不飽和ポリエステル樹脂は安価であり、比較的安価な無機充填剤である水酸化アルミニウムと組み合わせて使いこなすべく、種々の設計が試みられてきたが、強度、耐熱水性、および透明性を全て満足する人造大理石を得ることは困難であった。たとえば、特許文献1(特開平11−302522号公報)にはジプロピレングリコール及び/又はトリプロピレングリコールとプロピレンオキサイドの平均付加モル数が2〜4であるビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物からなる多価アルコールと、不飽和二塩基酸と飽和二塩基酸からなる多塩基酸を反応して得られる不飽和ポリエステルと、重合性単量体を混合してなる不飽和ポリエステル樹脂組成物により、耐熱水性、耐食性、及び耐クラック性に優れた成形物が得られると開示されている。しかしながら、硬化樹脂の屈折率が低く、特に高屈折率の無機充填剤を使用した場合、得られる成形物の透明性が低下する。
一方、アクリル樹脂系人造大理石は、アクリル系不飽和単量体に無機粉末を分散させたシロップを所望する形状の型内に注入し、重合硬化させ、その後型を除去して製品を得る方法がある。この方法では、型内にシロップを注入してから重合硬化が完了するまでの間に分散させた無機粉末が沈降することがあり、得られた製品の表面と裏面で物性が異なったり、また温度変化によって反りを発生したりするなどといった問題点を有していた。無機粉末の沈降を防止する方法として、特許文献2(特開平3−285854号公報)には、メタクリル酸メチルを主体とする不飽和単量体20〜80重量%および無機粉末80〜20重量%からなる樹脂組成物100重量部に対してシリカ微細粒子0.5〜5重量部を含有させることを特徴とするアクリル人造大理石、およびメタクリル酸メチルを主体とする不飽和単量体20〜80重量%および無機粉末80〜20重量%からなるシロップ100重量部に対してシリカ微細粒子0.5〜5重量部を共存混合せしめ、型へ注入して重合硬化することを特徴とするアクリル人造大理石の製造方法が開示されている。しかしながら、特許文献2に記載の方法では、シリカ微粒子の添加量が多く、取り扱い性が悪い他、コスト面でも不利となる。
これらに対して、エポキシ樹脂系の人造工大理石も検討されている。特許文献3(特開平2−6359号公報)には、エポキシ樹脂、酸無水物硬化剤、硬化促進剤及び充填物からなる材料を注型成形して全光線透過率が25%以上になる人工大理石が開示されている。特許文献4(特開平3−208843号公報)には、エポキシ樹脂、酸無水物硬化剤、硬化促進剤及、充填剤に有機ファスファイト系化合物およびヒンダードフェノール系化合物の少なくとも一方を含有した黄着色を低減した白色度の高い半透明な人造大理石が開示されている。
特開平11−302522号公報 特開平3−285854号公報 特開平2−6359号公報 特開平3−208843号公報
特許文献1に例示される不飽和ポリエステル系人造大理石や特許文献2に例示されるアクリル樹脂系人造大理石は、樹脂の製造工程で有機溶剤を使用する。そのため得られた樹脂中に溶剤が残存し、これが揮発性有機物(VOCともいう)を発生する。特許文献3で得られるエポキシ樹脂成形品にあっては、熱水と冷水とを交互に使用した場合の熱衝撃に対する耐性に問題があり、また、耐候性が十分でなく長期間太陽光に晒すと変色しやすい。特許文献4で得られる人造大理石は色調の黄味を表すb値が2より大きく、白色度が十分ではない。
本発明は、上記従来技術の課題に鑑み黄味の小さい良好な色合いを有する人造大理石用エポキシ樹脂組成物およびその製造方法を提供するものである。
本発明者らは、充填材として添加するエポキシシランカップリング剤により表面処理された水酸化アルミニウムの粒子径と配合量とが樹脂組成物の色調と密接な関係を有することを知見し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の態様を含むものである。
[1] エポキシ樹脂、硬化剤およびエポキシシランカップリング剤により表面処理された水酸化アルミニウムを含む人造大理石用エポキシ樹脂組成物であって、
前記水酸化アルミニウムが、50〜80μmの平均粒子径を有する粗粒Aと5〜15μmの平均粒子径を有する細粒Bで構成され、粗粒Aの配合率が25質量%以上であることを特徴とする人造大理石用エポキシ樹脂組成物。
[2] 前記樹脂組成物の色調b値が2以下であることを特徴とする上記[1]に記載の人造大理石用エポキシ樹脂組成物。
[3] 水酸化アルミニウム中の粗粒Aの配合量が30質量%〜70質量%であることを特徴とする上記[1] または[2]に記載の人造大理石用エポキシ樹脂組成物。
[4] 前記硬化剤がアミン系硬化剤および酸無水物系硬化剤の少なくとも一つであることを特徴とする[1]〜[3]いずれかに記載の人造大理石用エポキシ樹脂組成物。
[5] 前記エポキシ樹脂組成物中にエポキシ樹脂と硬化剤を主剤とする樹脂基材が20質量%以上40質量%以下含有されていることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の人造大理石用エポキシ樹脂組成物。
[6] 前記エポキシシランカップリング剤処理された水酸化アルミニウムの水酸化アルミニウム量に対するエポキシシランカップリング剤量が0.1質量%以上1質量%以下であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載の人造大理石用エポキシ樹脂組成物。
[7] エポキシ樹脂、硬化剤、エポキシシランカップリング剤処理を施した水酸化アルミニウムを含む人造大理石用エポキシ樹脂組成物の製造方法であって、50〜80μmの平均粒子径を有する粗粒Aと5〜15μmの平均粒子径を有する細粒Bで構成され、粗粒Aの配合率が25質量%以上である水酸化アルミニウムをエポキシシランカップリング剤で表面処理する工程と、
前記エポキシシランカップリング剤処理された水酸化アルミニウムを90℃≦T≦130℃(T:熱処理温度(℃))で熱処理する工程と、
前記エポキシ樹脂、硬化剤、熱処理された水酸化アルミニウムを混合する工程と、
前記混合物を成形、熱硬化する工程と、を有することを特徴とする人造大理石用エポキシ樹脂組成物の製造方法。
[8] 前記硬化剤がアミン系および酸無水物系の少なくとも一方であることを特徴とする上記[7]に記載の人造大理石用エポキシ樹脂組成物の製造方法。
[9] 前記エポキシ樹脂組成物中にエポキシ樹脂と硬化剤を主剤とする樹脂基材が20質量%以上40質量%以下含有されていることを特徴とする[7]または[8]に記載の人造大理石用エポキシ樹脂組成物の製造方法。
[10] 前記エポキシシランカップリング剤処理された水酸化アルミニウムに対するエポキシシランカップリング剤量が0.1質量%以上1質量%以下であることを特徴とする[7]〜[9]のいずれかに記載の人造大理石用エポキシ樹脂組成物の製造方法。
[11] 前記細粒Bの配合比率B/A+Bと熱処理温度T(℃)との積が70以下であることを特徴とする [7]〜[10]のいずれかに記載の人造大理石用エポキシ樹脂組成物の製造方法。
[12]上記[1]〜[6]のいずれかに記載の人造大理石用エポキシ樹脂組成物を用いて製造したカウンター。
[13] 上記[1]〜[6]のいずれかに記載の人造大理石用エポキシ樹脂組成物を用い用いて製造した壁材。
[14] 上記[1]〜[6]のいずれかに記載の人造大理石用エポキシ樹脂組成物を用い用いて製造した浴槽。
本発明の人造大理石用エポキシ樹脂組成物は、黄味が小さく良好な白色度を有するため、清潔感のある意匠的に優れた人造大理石を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の人造大理石用エポキシ樹脂組成物は、主剤であるエポキシ樹脂、硬化剤およびエポキシシランカップリング剤により表面処理した水酸化アルミニウムを含む。
前記エポキシ樹脂としては、ビスフェノールAグリシジルエーテル、芳香族グリシジルエーテルまたはエステル、脂肪族グリシジルエーテルまたはエステル、脂環式グリシジルエーテルまたはエステル等液状であればいかなるタイプのものでも使用でき、特に限定されないが、低粘度で揮発性が少なく着色の少ないものが好ましい。特に水酸化アルミニウムの分散性と成形品の物性からビスフェノールAグリシジルエーテルや水添ビスフェノールAグリシジルエーテルが好ましい。尚、コンパウンド(材料)の流動性を考慮した場合には、ビスフェノールAグリシジルエーテルの粘性は、25℃で150ポイズ以下とすることが好ましく、そのためには反応性希釈剤を添加するようにしてもよい。
前記硬化剤としては、アミン系硬化剤および酸無水物系硬化剤のものが好ましい。アミン系硬化剤としては、常温においてエポキシ化合物との混合が容易で、硬化反応性が比較的良好であり、かつ塗膜の耐候性が良好な鎖状又は環状又は複素環状の脂肪族ポリアミン及びそれらの混合物や変性物が例示できる。
具体的には、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、1,3,6−トリスアミノメチルヘキサン、N−ベンジルエチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、アミノエチルエタノールアミン、ジエチレングリコール・ビスプロピレンジアミン、メンセンジアミン、イソホロンジアミン、ノルボルナンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン及びそれらの混合物や、エポキシ化合物やアクリロニトリル、アクリル酸エステル等の不飽和化合物等による付加変性物が例示され、好ましくは、イソホロンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、N−ベンジルエチレンジアミン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン及びそれらの混合物やエポキシ化合物(例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル等)による付加変性物が例示される。アミン系硬化剤の配合量は、所定の効果が得られる限り特に限定されるものではないが、通常、エポキシ基に対する硬化剤中の活性水素の当量比が0.5〜1.5、好ましくは0.7〜1.2程度である。
酸無水物硬化剤としては、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水メチルハイミック酸、無水マレイン酸等通常エポキシ硬化剤として使用される酸無水物はいずれも使用可能であるが、着色が少なく液状エポキシ樹脂と混合しやすいものがよく、低融点で昇華性、揮発性の少ないものが好ましい。陶器に匹敵する長期の耐候性を得るには、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸が好ましい。メチルヘキサヒドロ無水フタル酸は常温で液体、ヘキサヒドロ無水フタル酸は常温で固体のため、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸の方がエポキシ樹脂に分散しやすい。両者を併用することも可能である。また若干耐候性は劣るが、強度に優れるのはメチルテトラヒドロ無水フタル酸であり、これとメチルヘキサヒドロ無水フタル酸とを併用するのが好ましい。更に、ビスフェノールAグリシジルエーテルとメチルヘキサヒドロ無水フタル酸の組み合わせで十分耐候性はあるが、更に耐候性を向上させたい場合には、紫外線吸収剤を添加することが可能である。酸無水物硬化剤の使用量は、当量比でエポキシ樹脂当量に対して0.8〜1.2当量であるが、耐熱水性に優れた成形品を得るためには0.85〜1.0当量とすることが好ましい。
本発明の組成物には、必要に応じて他の添加剤を配合することができる。かかる他の添加剤としては、従来公知の硬化促進剤、反応性希釈剤,非反応性希釈剤,可塑剤、染料、顔料、抗酸化剤、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃剤、レベリング剤、消泡剤等の各種の添加剤や基材が例示され、その適用量は、本発明の所定の効果に悪影響を及ぼさない限り特に限定されるものではなく、所望の範囲で適用される。
エポキシ樹脂と硬化剤を主剤とする樹脂基材の樹脂組成物全体に対する割合は、20質量%以上40質量%以下とすることが好ましい。樹脂基材は水酸化アルミニウムに比べてコストが高い。また、樹脂基材の含有量が多いと人造大理石の良好な風合いが得られない。そのため樹脂基材の樹脂組成物全体に対する割合は40質量%以下とすることが好ましい。一方、樹脂基材の含有量が少な過ぎると樹脂中での水酸化アルミニウムの分散性や成形性が低下する。そのため樹脂基材の樹脂組成物全体に対する割合は20質量%以上とすることが好ましい。
本発明では充填材として水酸化アルミニウムを用いる。水酸化アルミニウムは、50〜80μmの平均粒子径を有する粗粒Aと5〜15μmの平均粒子径を有する細粒Bとで構成され、粗粒Aの配合量が両者の合計量に対して25質量%以上である水酸化アルミニウムを充填材として使用する。なお、本発明において平均粒子径は二次粒子についてのものである。平均粒子径が小さい水酸化アルミニウムの使用量が多くなると、後述するエポキシシランカップリング剤で処理された水酸化アルミニウムの色調であるb値が大きくなる傾向がある。そのため、b値を小さく抑えるためには平均粒子径が比較的大きい水酸化アルミニウム(粗粒A)を所定量含有させる必要があり、b値を2以下に抑えるためには、粗粒Aを少なくとも25質量%含有させる必要がある。粗粒Aと細粒Bの配合(質量)比が1に近くなるにしたがい樹脂組成物としての粘度が低減し成形性が良好になる傾向があるため、粗粒Aを30質量%以上70質量%以下とすることが好ましい。ここで、粗粒Aおよび細粒Bの平均粒子径を上記の範囲とする理由は以下の通りである。粗粒Aの平均粒子径が80μmより大きくなると、硬化前の樹脂組成物中での粒子の沈降が顕著になる傾向があるため好ましくない。一方、細粒Bは平均粒子径が5μmより小さくなると、硬化物としての機械的強度が低下する傾向があるため好ましくない。粗粒Aと細粒Bの平均粒子径は、樹脂組成物の粘度を低減するためには、両者の平均粒子径の比(粗粒Aの平均粒子径/細粒Bの平均粒子径)が3以上、より好ましくは5以上、さらに好ましくは7以上とするのがよい。そのため、粗粒Aの平均粒子径は50〜80μm、より好ましくは65〜75μmの範囲であり、細粒Bの平均粒子径は5〜15μm、より好ましくは7〜13μmの範囲である。粗粒Aの平均粒子径が50〜80μmの粒子は、バイヤー法により安価で安定した性状の粒子として得られやすい。細粒Bは上記平均粒子径となる条件でバイヤー法により製造することも可能であるが、粗粒Aを粉砕することにより容易に得ることができる。
上記本発明で充填材として使用する水酸化アルミニウムは樹脂組成物として良好な機械的強度を持たせるためエポキシ樹脂との相性のよいエポキシシランカップリング剤で処理されたものを使用する。ここで、エポキシシランカップリング剤の水酸化アルミニウムに対する量は0.1質量%以上1質量%以下とする。0.1質量%より少ないと、水酸化アルミニウム表面全体に均一に処理することが困難であり、その結果機械的特性を損なう可能性がある。一方、1質量%より多いと、水酸化アルミニウムを配合して得られる樹脂組成物の色調であるb値が高くなり、2以下を得ることができない。好ましくは0.2質量%以上0.7質量%以下であり、さらに好ましくは0.25質量%以上0.5質量%以下である。
なお、本発明で使用するエポキシシランカップリング剤で処理された水酸化アルミニウムは、粉末色調としてのb値が2以下のものを使用することが好ましい。
本発明に係る人工大理石用エポキシ樹脂組成物の製造方法は、50〜80μmの平均粒子径を有する粗粒Aと5〜15μmの平均粒子径を有する細粒Bで構成され、粗粒Aの配合率が25質量%以上である水酸化アルミニウムをエポキシシランカップリング剤で表面処理する工程と、このエポキシシランカップリング剤処理された水酸化アルミニウムを90℃以上130℃以下で熱処理する工程と、エポキシ樹脂、硬化剤、熱処理された水酸化アルミニウムを混合する工程と、これらの混合物を成形、熱硬化する工程と、を有する。
まず上記粗粒Aと細粒Bとを上記配合率となるように配合し、均一に混合する。混合方法は特に限定されない。続いて粗粒Aと細粒Bとの混合物をエポキシシランカップリング剤で表面処理する。表面処理の方法は特に限定されないが、粗粒Aと細粒Bとの混合物に対して所定量のエポキシシランカップリング剤を乾式で添加しヘンシェルミキサー等で均一に混合することが操作が簡単であるため好ましい。なお、上記のように粗粒Aと細粒Bとを予め均一となるよう混合した後所定量のエポキシシランカップリング剤を添加する代わりに粗粒A、細粒Bおよび所定量のエポキシシランカップリング剤を配合後均一になるよう混合することや所定量の粗粒Aおよび細粒Bを各々エポキシシランカップリング剤で処理した後両者を混合することも可能である。
上記混合終了後熱処理する。この熱処理によりシランカップリング剤が水酸化アルミニウム表面で脱水縮合しシランカップリング剤層が形成される。b値が小さい樹脂組成物を得るためには、使用する水酸化アルミニウムの粒子径と上記加熱処理条件(温度)が重要であり、熱処理は90℃以上130℃以下とする。90℃以下であると樹脂組成物の色調であるb値は低いが脱水が進行し難く均一なシランカップリング剤層が形成されない。一方、130℃より高くすると、樹脂組成物の色調であるb値が著しく高くなる。なお、130℃以下であっても熱処理時間が長くなるにしたがってb値は徐々に上昇する傾向がある。そのため、熱処理時間は10分以上10時間以内とすることが好ましく、30分以上8時間以内がより好ましい。
上述したように、樹脂組成物の色調であるb値は、水酸化アルミニウムの平均粒子径とシランカップリング剤の熱処理温度に依存する。細粒Bの配合比率B/A+Bと熱処理温度T(℃)との積が70以下であると2以下のb値が得られ好ましい。
上記のようにしてエポキシシランカップリング剤処理された水酸化アルミニウムは、エポキシ樹脂、硬化剤と均一に混合後所定の形状に成形、熱硬化される。成形、熱硬化条件は硬化物としての特性を損なわない範囲で実施することができる。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、以下の実施例において、実施例1、2は参考例として示す。
純度95%以上の水酸化ナトリウムを精製水に溶解し、NaOH濃度150g/lの溶液を作製した。この溶液に1級試薬水酸化アルミニウムを加熱溶解しA/C(Aはアルミン酸ナトリウム溶液のアルミナ濃度(単位g/リットル)、Cは水酸化ナトリウム濃度(単位g/リットル)を表す)0.82のアルミン酸ナトリウム溶液を調整した。このアルミン酸ナトリウム溶液に、1μmの水酸化アルミニウム種子結晶を添加し、析出槽内のA/Cが0.4に保つようにアルミン酸ナトリウム溶液を少量ずつ添加し、析出槽の温度を60℃に保ちながら攪拌を行った。アルミン酸ナトリウム溶液を少量ずつ添加と攪拌を続け、最終的にスラリー濃度600g/Lになったところで、析出を停止し、濾過、水洗、乾燥し析出水酸化アルミニウムA(平均粒子径69.2μm、BET比表面積0.2m2/g)を得た。また、この水酸化アルミニウムAをボールミル粉砕し、水酸化アルミニウムB(平均粒子径12.5μm、BET比表面積2.9m2/g)を得た。
(実施例1)
上記の通り作製した水酸化アルミニウムAをヘンシェルミキサーで混合、攪拌しながらエポキシシランカップリング剤(3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン;東レ・ダウコーニング(株)製Z−6040)を水酸化アルミニウムに対して0.5質量%添加し20分間攪拌した。その後、熱風乾燥機により150℃で8時間熱処理を施した。
(実施例2)
上記の通り作製した水酸化アルミニウムAと水酸化アルミニウムBをヘンシェルミキサーで(A/B=7/3(質量比))混合、攪拌しながらエポキシシランカップリング剤を水酸化アルミニウムA,Bの総量に対して0.5質量%添加し20分間攪拌した。その後、熱風乾燥機により140℃で8時間熱処理を施した。
(実施例3)
熱風乾燥機による熱処理条件を110℃で8時間に変更した以外は実施例2と同様に処理した。
(実施例4)
エポキシシランカップリング剤の添加量を0.25質量%に、熱風乾燥機による熱処理条件を130℃で8時間に変更した以外は実施例2と同様に処理した。
(実施例5)
水酸化アルミニウムA,Bの配合比をA/B=5/5に、熱風乾燥機による熱処理条件を130℃で8時間に変更した以外は実施例2と同様に処理した。
(実施例6)
水酸化アルミニウムA,Bの配合比をA/B=5/5に、エポキシシランカップリング剤の添加量を0.25質量%に、熱風乾燥機による熱処理条件を90℃で8時間に変更した以外は実施例2と同様に処理した。
(実施例7)
水酸化アルミニウムA,Bの配合比をA/B=3/7に、熱風乾燥機による熱処理条件を90℃で8時間に変更した以外は実施例2と同様に処理した。
(実施例8)
水酸化アルミニウムA,Bの配合比をA/B=3/7に、エポキシシランカップリング剤の添加量を0.25質量%に、熱風乾燥機による熱処理条件を90℃で8時間に変更した以外は実施例2と同様に処理した。
(比較例1)
熱風乾燥機による熱処理条件を150℃で8時間に変更した以外は実施例2と同様に処理した。
(比較例2)
水酸化アルミニウムA,Bの配合比をA/B=3/7に、熱風乾燥機による熱処理条件を130℃で8時間に変更した以外は実施例2と同様に処理した。
(比較例3)
水酸化アルミニウムA,Bの配合比をA/B=3/7に、エポキシシランカップリング剤の添加量を0.25質量%に、熱風乾燥機による熱処理条件を110℃で8時間に変更した以外は実施例2と同様に処理した。
(比較例4)
水酸化アルミニウムBのみを使用し、熱風乾燥機による熱処理条件を110℃で8時間に変更した以外は実施例1と同様に処理した。
上記各実施例および比較例で得られた水酸化アルミニウムの粉末色調およびこれらの水酸化アルミニウムを配合したエポキシ樹脂組成物の樹脂色調は以下の方法により測定した。
<粉末色調>
試料12gをアルミ製カップ(直径45mm、高さ12mm)に採取し、測定部の鏡面を出すためにプレス機で1.3ton/cm2、30秒間加圧成形した。このサンプルを日立製カラーアナライザーC−2000にて色調を測定した。
また、上記実施例および比較例で得られた各水酸化アルミニウムを用いて樹脂組成物を以下の方法により調製し、樹脂色調を測定した。
<樹脂色調>
ビスフェノールAジグリシジルエーテル51.2gと変性環式ポリアミン12.5gに水酸化アルミニウム140gを加えポリビーカー内で攪拌混合し、リング型成形器(直径90mm,高さ15mm)に注型した。その後、成形体の硬化処理を80℃乾燥機内で1時間施し、1時間室温で放冷後、スガ試験機社製カラーテスター SM-4-CH型で色調を測定した。
これらの測定結果を表1および図1に示した。

本発明の人造大理石用エポキシ樹脂組成物は、黄味が小さく良好な白色度を有しており、洗面化粧台、台所等のカウンター、浴室、台所等の壁材、浴槽等に好適である。
細粒含有率と樹脂色調b値の関係を表すグラフである。

Claims (11)

  1. エポキシ樹脂、硬化剤およびエポキシシランカップリング剤により表面処理された水酸化アルミニウムを含む人造大理石用エポキシ樹脂組成物であって、前記水酸化アルミニウムはエポキシシランカップリング剤により表面処理された後90℃≦T≦130℃(T:熱処理温度(℃))で熱処理されたものであり、該水酸化アルミニウムが、50〜80μmの平均粒子径を有する粗粒Aと5〜15μmの平均粒子径を有する細粒Bで構成され、粗粒Aの配合量が30質量%〜70質量%であり、前記細粒Bの配合比率B/A+Bと熱処理温度T(℃)との積が70以下であることを特徴とする人造大理石用エポキシ樹脂組成物。
  2. 前記硬化剤がアミン系硬化剤および酸無水物系硬化剤の少なくとも一つであることを特徴とする請求項1に記載の人造大理石用エポキシ樹脂組成物。
  3. 前記エポキシ樹脂組成物中にエポキシ樹脂と硬化剤を主剤とする樹脂基材が20質量%以上40質量%以下含有されていることを特徴とする請求項1または2に記載の人造大理石用エポキシ樹脂組成物。
  4. 前記エポキシシランカップリング剤処理された水酸化アルミニウムの水酸化アルミニウム量に対するエポキシシランカップリング剤量が0.1質量%以上1質量%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の人造大理石用エポキシ樹脂組成物。
  5. エポキシ樹脂、硬化剤、エポキシシランカップリング剤処理を施した水酸化アルミニウムを含む人造大理石用エポキシ樹脂組成物の製造方法であって、50〜80μmの平均粒子径を有する粗粒Aと5〜15μmの平均粒子径を有する細粒Bで構成され、粗粒Aの配合量が30質量%〜70質量%である水酸化アルミニウムをエポキシシランカップリング剤で表面処理する工程と、
    前記エポキシシランカップリング剤処理された水酸化アルミニウムを90℃≦T≦130℃(T:熱処理温度(℃))で熱処理する工程と、
    その際に前記細粒Bの配合比率B/A+Bと熱処理温度T(℃)との積を70以下とする工程と、
    前記エポキシ樹脂、硬化剤、熱処理された水酸化アルミニウムを混合する工程と、
    前記混合物を成形、熱硬化する工程と、を有することを特徴とする人造大理石の製造方法。
  6. 前記硬化剤がアミン系および酸無水物系の少なくとも一方であることを特徴とする請求項5に記載の人造大理石の製造方法。
  7. 前記エポキシ樹脂組成物中にエポキシ樹脂と硬化剤を主剤とする樹脂基材が20質量%以上40質量%以下含有されていることを特徴とする請求項5または6に記載の人造大理石の製造方法。
  8. 前記エポキシシランカップリング剤処理された水酸化アルミニウムに対するエポキシシランカップリング剤量が0.1質量%以上1質量%以下であることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の人造大理石の製造方法。
  9. 請求項1〜4のいずれかに記載の人造大理石用エポキシ樹脂組成物を用いて製造したカウンター。
  10. 請求項1〜4のいずれかに記載の人造大理石用エポキシ樹脂組成物を用いて製造した壁材。
  11. 請求項1〜4のいずれかに記載の人造大理石用エポキシ樹脂組成物を用いて製造した浴槽。
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