以下、本発明に係るテープカセットについて具体化した第1実施形態乃至第16実施形態に基づいて図面を参照しつつ詳細に説明する。
[第1実施形態]
先ず、第1実施形態に係るテープカセットが装着されるテープ印刷装置の概略構成について図1乃至図3に基づき説明する。
図1乃至図3に示すように、第1実施形態に係るテープ印刷装置1には、文書データからなるテキストを作成するための文字入力キー2、テキスト等の印刷を指示する印刷キー3、及び、改行指示や各種処理の実行、選択を指示するリターンキー4、文字等のキャラクタを複数行に渡って表示する液晶ディスプレイ(LCD)7上でカーソルを上下、左右に移動させるカーソルキー5等を設けたキーボード6、及び、テープカセット21を収納するカセット収納部8が収納カバー13で覆われて配設されている。
また、このキーボード6の下側には、制御回路部が構成される制御基板12が配設されている。また、カセット収納部8の左側面部には、印刷されて後述のようにセパレータが剥離されたテープが排出されるラベル排出口17が形成されている。また、該カセット収納部8の右側面部には、電源アダプタが取り付けられるアダプタ挿入口18、及び不図示のパーソナルコンピュータと接続するためのUSBケーブルが取り付けられるUSBコネクタ19が設けられている。
また、このカセット収納部8には、サーマルヘッド9と、このサーマルヘッド9に対向するプラテンローラ10と、このプラテンローラ10の下流側のテープサブローラ11と、このテープサブローラ11に対向する金属製のテープ駆動ローラ軸14と、テープカセット21内に収納されるインクリボン52(図4参照)を送るリボン巻取軸15が配置されている他に、更に後述のように両面粘着テープ53(図4参照)から剥離されたセパレータ53D(図4参照)を巻き取るセパレータ巻取軸16等が配置されている。また、プラテンローラ10とテープサブローラ11とは、一体的に揺動可能に設けられ、テープカセット21が装着された場合には、それぞれサーマルヘッド9とテープ送りローラ63(図4参照)に押し当てられる。
このサーマルヘッド9は、正面視略縦長四角形の平板状で、前面の左端縁部には、所定個数の各発熱素子R1〜Rn(nは、例えば、128個又は256個である。)が、該左端縁部の辺に沿って一列に配列されて形成されている。また、該サーマルヘッド9は、メッキ鋼板やステンレス鋼板等により形成される正面視略四角形の放熱板9Aの前面の左端縁部に、各発熱素子R1〜Rn の配列方向が、該放熱板9Aの左端縁部の辺に平行になるように接着剤などによって固着されている。そして、該放熱板9Aは、各発熱素子R1〜Rn の配列方向が、テープカセット21の開口部22におけるフィルムテープ51(図4参照)の搬送方向に略直交するように、ビス止め等によってカセット収納部8の下側に取り付けられている。
また、リボン巻取軸15は、ステッピングモータ等により構成される不図示のテープ送りモータから適宜の駆動機構を介して回転駆動され、後述のようにテープカセット21内に回転可能に設けられたリボン巻き取りスプール61(図4参照)内に嵌入されて回転駆動する。また、テープ駆動ローラ軸14は、テープ送りモータから適宜の伝達機構を介して回転駆動され、後述のようにテープカセット21内に回転可能に設けられた導電性樹脂製のテープ送りローラ63(図4参照)内に嵌入されて回転駆動する。また、セパレータ巻取軸16は、テープ送りモータから適宜の伝達機構を介して回転駆動され、後述のようにテープカセット21内に回転可能に設けられたセパレータ巻き取りスプール62(図4参照)内に嵌入されて回転駆動する。
尚、セパレータ巻取軸16をテープ送りモータとは別個に設けられたステッピングモータ等により構成される不図示のセパレータ巻取モータから適宜の駆動機構を介して回転駆動するように構成してもよい。これにより、インクリボン52とセパレータ53Dの伸び率等が大きく異なっても該セパレータ53Dを安定して巻き取ることが可能となる。
また、図3に示すように、テープカセット21のテープ排出口27(図4参照)の近傍には、剥離コロ65の外周面に沿ってセパレータ53D(図7参照)が剥離された印刷済みテープ28を所定の長さに切断し、セパレータ53Dが剥離された両面粘着テープ付きラベルを生成する切断装置としてのはさみ式カッタユニット30が配置されている。このカッタユニット30は、固定刃30Aと、不図示の切断用モータによって固定刃30Aに対して作動して印刷済みテープ28を切断する可動刃30Bとから構成されている。
また、カセット収納部8の底面部には、2つの位置決めピン45、46が、同一高さ寸法に立設されている。そして、テープカセット21をカセット収納部8に装着した際には、テープカセット21は、各位置決めピン45、46によってカセット収納部8内で適正に位置決めがされる。
次ぎに、テープカセット21の概略構成について図3乃至図7に基づいて説明する。
図3及び図4に示すように、テープカセット21は、上ケース23と下ケース24とを有する。このテープカセット21には、被印刷テープとしての透明なフィルムテープ51を巻回したテープスプール54を回転可能に支持する支持孔41が形成されている。また、このテープカセット21には、両面粘着テープ53の剥離紙やフィルム等から形成されるセパレータ53D(図7参照)を外側に向けて巻回した両面粘着スプール56を回転可能に支持する支持孔42が形成されている。
また、このテープカセット21には、テープスプール54と両面粘着スプール56との間の開口部22側に配設されたリボン巻き取りスプール61を回転可能に支持する支持孔43が形成されている。このリボン巻き取りスプール61は、サーマルヘッド9によりフィルムテープ51上に文字等を印刷する際にリボンスプール55からインクリボン52を引き出すとともに、巻き取る。
また、このテープカセット21には、テープスプール54と両面粘着スプール56との間の開口部22に対向する下ケース24の側壁部24A側に配設されたセパレータ巻き取りスプール62を回転可能に支持する支持孔44が形成されている。このセパレータ巻き取りスプール62は、剥離コロ65の外周面に沿って両面粘着テープ53から剥離されたセパレータ53Dを巻き取る。また、下ケース24の側壁部24Aのセパレータ巻き取りスプール62に対向する部分は平面視略円弧状に突出するように形成されている。
また、このテープカセット21には、テープ送りローラ63のテープ搬送方向下流側、つまり、テープ排出口27側に離間して配置された剥離コロ65を回転可能に支持する支持孔48が形成されている。
また、図5及び図6に示すように、テープ排出口27は、テープ送りローラ63とテープサブローラ11とによって送り出された印刷済みテープ28のテープ厚さ方向に剥離コロ65の外径よりも大きい幅広に開設されると共に、印刷済みテープ28のテープ幅方向に該印刷済みテープ28のテープ幅とほぼ同じ幅に開設されている。
また、剥離コロ65は、テープ排出口27のテープ搬送方向に対して直角方向の両内側側壁部を形成する側壁部24Bの印刷済みテープ28側の端縁部から所定距離離間すると共に、印刷済みテープ28のフィルムテープ51の外側面に接触して該印刷済みテープ28をテープ搬送方向下流側へ案内する案内壁33から所定距離離間するように配置されている。
また、この剥離コロ65は、印刷済みテープ28のテープ幅、つまり、両面粘着テープ53のテープ幅とほぼ同じ長さの断面円形の略円柱形状で、両端面中心位置に各支持孔48に回転可能に嵌入される各支持軸65Aが立設されている。また、剥離コロ65は、外周面にシリコーン樹脂皮膜が形成されている。
また、剥離コロ65は、外周面がテープ送りローラ63とテープサブローラ11との共通接線にほぼ接するように、該テープ送りローラ63側に配置され、該テープ送りローラ63とテープサブローラ11とを通過してフィルムテープ51に圧着された両面粘着テープ53のセパレータ53Dに接触し、該セパレータ53Dを外周面に沿ってテープ送りローラ63側へ案内する(図7参照)。
また、剥離コロ65は、テープ送りローラ63に対向する側壁部24Bよりもテープ搬送方向外側に突出して、固定刃30Aに対向すると共に該固定刃30Aに近接するように設けられている。
また、剥離コロ65に対して印刷済みテープ28を挟んで対向する案内壁33は、この剥離コロ65よりもテープ搬送方向下流側へ延出されて、セパレータ53Dが剥離された印刷済みテープ28を固定刃30Aの近傍位置まで案内可能となるように設けられている。
また、剥離コロ65に対してセパレータ53Dを挟んで対向する側壁部24Bの端縁部の内側面は、剥離コロ65とテープ送りローラ63との共通接線に対してほぼ平行になるように斜め内側方向(図5中、斜め右上方向である。)に傾斜するように形成されている。これにより、両面粘着テープ53から剥離コロ65の外周面に沿って剥離されてテープ送りローラ63側へ案内されたセパレータ53Dが、側壁部24Bの端縁部と接触するのを防止することができる。
また、図4に示すように、このテープカセット21には、両面粘着スプール56に巻回された両面粘着テープ53の最大径時の外周面と下ケース24の各側壁部24A、24Cとの間に、この両面粘着テープ53の引出口から下ケース24の側壁部24Aに対向する部分までを覆う平面視略半円形状の案内リブ35が底面部に立設されている。また、案内リブ35の下ケース24の各側壁部24A、24Cに対向する部分には、テープ幅方向に沿って所定高さ(例えば、高さ約1mmである。)突出する各凸状部35A、35Bが全幅に渡って形成されている。
また、両面粘着スプール56に巻回された両面粘着テープ53に対向する下ケース24の隅部と案内リブ35との間には、略円柱形状のガイドピン36が立設されている。また、上ケース23のガイドピン36に対向する部分には、このガイドピン36の端縁部が嵌入されて支持する支持孔49が形成されている。また、テープ送りローラ63のテープサブローラ11に対して反対側には、セパレータ53Dとの接触面を平面視円弧状に形成されたセパレータ案内壁37が、側壁部24Cから該テープ送りローラ63と所定隙間を形成して内側方向に突出している。
尚、図3中には、上ケース23に形成された各支持孔41、42、43、44、48のみしか図示されていないが、下ケース24についても同様に上ケース23の各支持孔41、42、43、44、48に対向して各支持孔41、42、43、44、48が形成されている。
また、図4に示すように、テープカセット21内には、透明テープ等からなる被印刷テープであるフィルムテープ51、このフィルムテープ51に印刷を施すためのインクリボン52、更には、印刷がなされたフィルムテープ51に裏貼りされる両面粘着テープ53を各々、テープスプール54、リボンスプール55、両面粘着スプール56に巻回して、下ケース24の底面に立設されるカセットボス58、リールボス59、カセットボス60に回転可能に嵌挿して収納したものであり、更に、使用済みのインクリボン52を巻き取るリボン巻き取りスプール61、及び両面粘着テープ53から剥離されたセパレータ53Dを巻き取るセパレータ巻き取りスプール62を備えている。
尚、図4に示すように、リボン巻き取りスプール61の下部にはクラッチバネ64が取り付けられている。このクラッチバネ64はリボン巻き取りスプール61が逆転して巻き取ったインクリボン52が緩んでしまうことを防止するものである。また、セパレータ巻き取りスプール62の下部にはクラッチバネ66が取り付けられている。このクラッチバネ66はセパレータ巻き取りスプール62が逆転して巻き取ったセパレータ53Dが緩んでしまうことを防止するものである。
また、図4に示すように、リボンスプール55に巻回され、このリボンスプール55から引き出された未使用インクリボン52は、フィルムテープ51と重ね合わされ、フィルムテープ51と共に開口部22に入り、サーマルヘッド9及びプラテンローラ10の間を通過する。その後、インクリボン52は、フィルムテープ51から引き離され、リボン巻取軸15により回転駆動されるリボン巻き取りスプール61に至り、このリボン巻き取りスプール61により巻き取られる。
また、図7に示すように、セパレータ53Dを外側にして両面粘着スプール56に巻回された両面粘着テープ53は、4層構造に構成されている。この両面粘着テープ53の各層は、図7中下側から上側方向へ向かって、フィルムテープ51を接着するための粘着層53A、PET(ポリエチレンテレフタラート)等から成る色付きのベースフィルム53B、商品等の貼り付け対象に貼り付けるための粘着層53C、この粘着層53Cの貼り付け側を覆うセパレータ53Dの順序で積層されて構成されている。
そして、図4乃至図7に示すように、両面粘着スプール56から引き出された両面粘着テープ53は、テープ駆動ローラ軸14によって回転駆動されるテープ送りローラ63とテープサブローラ11との間を通過し、セパレータ53Dが重ね合わされない側の粘着層53Aがフィルムテープ51の印刷面に圧着される。
その後、セパレータ53Dは、剥離コロ65の外周面に沿ってフィルムテープ51に圧着された両面粘着テープ53から剥離され、テープ送りローラ63の外周面に沿って両面粘着スプール56側に、つまり、引き出し側方向(図4中、上側方向である。)へ案内される。続いて、セパレータ53Dは、セパレータ案内壁37の壁面に沿って案内リブ35の外側方向に案内されて、凸状部35A、ガイドピン36及び凸状部35Bの外周面に順次沿って、巻回された両面粘着テープ53の外側周縁を通って略直角内側方向へ案内されてセパレータ巻き取りスプール62に至る。
そして、セパレータ53Dの先端部は、このセパレータ巻き取りスプール62の外周面に接着テープ等によって固着され、セパレータ巻取軸16により回転駆動される該セパレータ巻き取りスプール62に巻き取られる。尚、セパレータ巻取軸16は、テープ駆動ローラ軸14及びリボン巻取軸15と同期して回転駆動される。
また、フィルムテープ51は、テープ駆動ローラ軸14によって回転駆動されるテープ送りローラ63とテープサブローラ11との間を通過後、印刷面に粘着層53A、ベースフィルム53B、粘着層53C及びセパレータ53Dが積層された状態で剥離コロ65に至る。そして、この剥離コロ65の外周面に沿ってセパレータ53Dが剥離されて、印刷面に粘着層53A、ベースフィルム53B及び粘着層53Cが積層された状態で、つまり、セパレータ53Dが剥離された粘着剤付き印刷済みテープ28の状態で、該剥離コロ65に対して印刷済みテープ28を挟んで対向する案内壁33によって案内されて、テープ排出口27からテープカセット21の外部に送り出される。そして、セパレータ53Dが剥離された粘着剤付き印刷済みテープ28は、カッタユニット30を経てテープ印刷装置1のラベル排出口17より外部に送り出される。
そして、印刷済みテープ28を所定長さ搬送後、不図示の切断用モータを駆動して可動刃30Bを作動させることによって、セパレータ53Dが剥離された所定長さの粘着剤付き印刷済みテープ28がラベル排出口17より排出される。
続いて、テープカセット21におけるテープスプール54、両面粘着スプール56、セパレータ巻き取りスプール62の位置関係について図8に基づいて説明する。
上述したように、テープカセット21において、テープスプール54に巻回されているフィルムテープ51は、テープ印刷装置1による印刷が行われる度に引き出される。従って、テープカセット21の使用開始時において、最も多くのフィルムテープ51がテープスプール54に巻回されている(図4参照)。
ここで、テープカセット21の使用開始時点において、テープスプール54に巻回されているフィルムテープ51が占有する領域を「フィルムテープ占有領域67」という。また、このフィルムテープ占有領域67の半径を「フィルムテープ巻回半径R1」という。
また、フィルムテープ51と同様に、両面粘着テープ53は、テープ印刷装置1による印刷が行われる度に、両面粘着スプール56から引き出される。従って、テープカセット21の使用開始時において、最も多くの両面粘着テープ53が両面粘着スプール56に巻回されている(図4参照)。
ここで、テープカセット21の使用開始時点において、両面粘着スプール56に巻回されている両面粘着テープ53が占有する領域を「両面粘着テープ占有領域68」という。また、この両面粘着テープ占有領域68の半径を「両面粘着テープ巻回半径R2」という。
そして、テープカセット21においては、セパレータ53Dはテープ印刷装置1による印刷が行われる毎に、両面粘着テープ53から剥離され、セパレータ巻き取りスプール62に巻回される。従って、テープカセット21の使用完了時(即ち、テープカセット21がラベルの作成にフィルムテープ51等を使い切った時)に、セパレータ53Dは、セパレータ巻き取りスプール62に対して最も多く巻回され、テープカセット21の内部において最も大きなスペースを占有する。尚、以下の説明において、セパレータ巻き取りスプール62に最も多く巻回されたセパレータ53Dが占有するスペースの半径を「セパレータ巻回半径R3」という。
上述したように、セパレータ巻き取りスプール62は、テープスプール54と両面粘着スプール56との間に、回転可能に配設されている。そして、図8に示すように、テープカセット21では、テープスプール54の回転中心軸と、セパレータ巻き取りスプール62の回転中心軸を結ぶ直線距離(以下、第1軸間距離L1という。)は、セパレータ巻回半径R3とフィルムテープ巻回半径R1との和よりも小さくなるように構成されている。従って、テープカセット21の使用終了時において、セパレータ巻き取りスプール62に巻回されたセパレータ53Dは、フィルムテープ占有領域67の一部分を占有する。
即ち、第1軸間距離L1を、セパレータ巻回半径R3とフィルムテープ巻回半径R1との和よりも小さくすることにより、テープカセット21は、フィルムテープ51とセパレータ53Dが共通して利用する第1重複領域69を生じさせる。これにより、テープカセット21は、第1重複領域69の大きさに応じて、テープカセット21自体の大型化を抑制し得る。また、テープカセット21の大型化を抑制することにより、当該テープカセット21は、テープ印刷装置1本体の大型化も抑制し得る。
また、テープカセット21では、両面粘着スプール56の回転中心軸と、セパレータ巻き取りスプール62の回転中心軸を結ぶ直線距離(以下、第2軸間距離L2という。)は、セパレータ巻回半径R3と両面粘着テープ巻回半径R2との和よりも小さくなるように構成されている。従って、テープカセット21の使用終了時において、セパレータ巻き取りスプール62に巻回されたセパレータ53Dは、両面粘着テープ占有領域68の一部分を占有する。
即ち、第2軸間距離L2を、セパレータ巻回半径R3と両面粘着テープ巻回半径R2との和よりも小さくすることにより、テープカセット21は、両面粘着テープ53とセパレータ53Dとが共通して利用する第2重複領域70を生じさせる。これにより、テープカセット21は、第2重複領域70の大きさに応じて、テープカセット21自体の大型化を抑制し得る。また、テープカセット21の大型化を抑制することにより、当該テープカセット21は、テープ印刷装置1本体の大型化も抑制し得る。
従って、テープカセット21は、図8に示すように、第1重複領域69と第2重複領域70との何れをも生じさせるので、第1重複領域69の大きさと、第2重複領域70の大きさに応じて、テープカセット21の大型化を更に抑制し得る。そして、これに伴い、テープカセット21は、テープ印刷装置1の大型化についても更に抑制し得る。
尚、テープスプール54と両面粘着スプール56との距離を図8に示す状態よりも大きくして、セパレータ巻き取りスプール62をテープカセット21の内側方向へ移動させてもよい。そして、第1軸間距離L1をセパレータ巻回半径R3とフィルムテープ巻回半径R1との和よりも大きくなるように構成し、且つ、第2軸間距離L2をセパレータ巻回半径R3と両面粘着テープ巻回半径R2との和よりも小さくなるように構成してもよい。又は、第1軸間距離L1をセパレータ巻回半径R3とフィルムテープ巻回半径R1との和よりも小さくなるように構成し、且つ、第2軸間距離L2をセパレータ巻回半径R3と両面粘着テープ巻回半径R2との和よりも大きくなるように構成してもよい。
これにより、テープカセット21は、第1重複領域69と第2重複領域70のうちの何れか一方を生じさせるので、第1重複領域69の大きさと、第2重複領域70の大きさに応じて、テープカセット21の大型化を抑制し得る。そして、これに伴い、テープカセット21は、テープ印刷装置1の大型化についても更に抑制し得る。
従って、第1実施形態に係るテープカセット21では、両面粘着テープ53は、テープ送りローラ63とテープサブローラ11とによって、フィルムテープ51の印刷された一方の面に圧着された後、テープ排出口27で該両面粘着テープ53からセパレータ53Dが剥離された状態で搬送されることとなる。これにより、所定長さに切断された印刷済みテープ28を商品等に貼り付ける際に、セパレータ53Dを剥がす手間を省くことができる。
また、テープ排出口27で両面粘着テープ53から剥離コロ65の外周面に沿って剥離されたセパレータ53Dは、テープ送りローラ63とセパレータ案内壁37との間、つまり、両面粘着スプール56側へ案内された後、凸状部35A、ガイドピン36及び凸状部35Bによって巻回された両面粘着テープ53の外側周縁を通って略直角内側方向へ案内されて、セパレータ巻き取りスプール62に巻き取られるため、剥離したセパレータ53Dをテープカセット21内に収納することが可能となり、ユーザは両面粘着テープ53から剥離したセパレータ53Dを廃棄する手間を省くことができる。
また、セパレータ53Dは、テープ排出口27で両面粘着テープ53から剥離コロ65の外周面に沿って剥離されて、テープ送りローラ63とセパレータ案内壁37との間、つまり、両面粘着スプール56側へ案内されるため、セパレータ53Dが印刷済みテープ28側に撓んで両面粘着テープ53の粘着層53Cに再度付着することを確実に防止でき、当該印刷済みテープ28をテープ排出口27から外部へスムーズに排出することが可能となる。
また、剥離コロ65は回転可能なため、印刷済みテープ28の走行時の負荷を低減することができ、該印刷済みテープ28をテープ排出口27から外部へスムーズに排出することが可能となる。
また、剥離コロ65をテープ排出口27よりもテープ搬送方向外側に突出するように設けることによって、この剥離コロ65の外径を大きくすることが可能となる。これにより、剥離コロ65の組付け作業を容易に行うことが可能になるとともに、粘着剤付き印刷済みテープ28が、テープ排出口27で詰まることをより確実に防止することが可能となる。
また、剥離コロ65は、固定刃30Aに対向すると共に該固定刃30Aに近接して配置されるため、テープ切断位置と印刷済みテープ28の印刷位置との距離を短くすることが可能となり、印刷済みテープ28の余白長さを短くすることが可能となる。
また、剥離コロ65に対して印刷済みテープ28を挟んで対向する案内壁33は、この剥離コロ65よりもテープ搬送方向下流側へ延出されているため、印刷済みテープ28の印刷面の裏面側をより確実に案内することが可能となる。また、剥離コロ65が固定刃30Aに近接して配設されるため、印刷済みテープ28の印刷面の裏面側をテープ切断位置、つまり、固定刃30Aの刃先の近傍まで確実に案内することが可能となる。
更に、セパレータ巻き取りスプール62は、両面粘着スプール56とテープスプール54との間に配設されているため、テープ印刷装置1によるテープ印刷が行われることによってセパレータ巻き取りスプール62に巻回可能なセパレータ53Dの最大巻回長さを容易に大きくすることができ、テープカセット21の小型化を図ることが可能となる。
また、剥離したセパレータ53Dを剥離コロ65の外周面に沿ってテープ送りローラ63とセパレータ案内壁37との間、つまり、両面粘着スプール56側へ案内後、セパレータ案内壁37、凸状部35A、ガイドピン36及び凸状部35Bによって巻回された両面粘着テープ53の外側周縁を通ってセパレータ巻き取りスプール62まで案内することによって、テープカセット21内の隙間空間を有効に活用することができ、テープカセット21の更なる小型化を図ることが可能となる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係るテープカセット71について図9及び図10に基づいて説明する。尚、以下の説明において上記図1乃至図8の第1実施形態に係るテープカセット21及びテープ印刷装置1の構成等と同一符号は、該第1実施形態に係るテープカセット21及びテープ印刷装置1等の構成等と同一あるいは相当部分を示すものである。
第2実施形態に係るテープカセット71の概略構成は、第1実施形態に係るテープカセット21とほぼ同じ構成である。
但し、図9及び図10に示すように、テープ送りローラ63と剥離コロ65との間の、フィルムテープ51の印刷面に両面粘着テープ53が圧着された印刷済みテープ28の経路上において、当該両面粘着テープ53のセパレータ53Dと粘着層53Cとの間に挿入されるように、予備剥離部材の一例としての予備剥離ピン72が設けられている。
つまり、予備剥離ピン72によって両面粘着テープ53からセパレータ53Dが一度剥離されている。そして、予備剥離ピン72によって両面粘着テープ53から一度剥離されたセパレータ53Dは、該予備剥離ピン72を通過後、再度、両面粘着テープ53の粘着層53Cに貼り合わされて、剥離コロ65の外周面に沿って剥離されている。
この予備剥離ピン72は、両面粘着テープ53のテープ幅よりも長い断面円形の略円柱形状で、両端面中心位置に各支持軸72Aが立設されている。また、この予備剥離ピン72の外周面には、シリコーン樹脂皮膜が形成されている。また、テープカセット71の上ケース23及び下ケース24には、予備剥離ピン72の各支持軸72Aを回転可能に支持する各支持孔73が形成されている。そして、予備剥離ピン72の各支持軸72Aは、各支持孔73に挿入されて、回転可能に設けられている。
従って、第2実施形態に係るテープカセット71では、予備剥離ピン72は、両端部が回転可能に支持されると共に、両面粘着テープ53の粘着層53C及びセパレータ53Dの全幅に渡って接触する。
これにより、第2実施形態に係るテープカセット71では、第1実施形態に係るテープカセット21が奏する上記作用効果に加えて、予備剥離ピン72によってセパレータ53Dが両面粘着テープ53から一度剥離された後、再度両面粘着テープ53の粘着層53Cに貼り合わされて剥離コロ65へ搬送されるため、該両面粘着テープ53のセパレータ53Dに対する粘着力を低下させた状態で印刷済みテープ28を剥離コロ65へ搬送することが可能となる。
このため、フィルムテープ51に圧着された両面粘着テープ53からセパレータ53Dを剥離コロ65の外周面に沿って容易に剥離することが可能となり、セパレータ53Dが剥離された粘着剤付き印刷済みテープ28をテープ排出口27へスムーズに搬送することが可能となる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係るテープカセット81について図11に基づいて説明する。尚、以下の説明において上記図1乃至図8の第1実施形態に係るテープカセット21及びテープ印刷装置1の構成等と同一符号は、該第1実施形態に係るテープカセット21及びテープ印刷装置1等の構成等と同一あるいは相当部分を示すものである。また、上記図9及び図10の第2実施形態に係るテープカセット71の構成等と同一符号は、該第2実施形態に係るテープカセット71の構成等と同一あるいは相当部分を示すものである。
第3実施形態に係るテープカセット81の概略構成は、第2実施形態に係るテープカセット71とほぼ同じ構成である。
但し、図11に示すように、剥離コロ65の外周面が、テープ送りローラ63とテープサブローラ11との共通接線82よりもテープサブローラ11側に突出するように、テープ厚さ方向に移動されて配置されている。また、案内壁33は、剥離コロ65に対向する面のテープ搬送方向下流側、つまり、出口側の端縁部が、当該剥離コロ65の外周面とテープ送りローラ63の外周面との共通接線上にほぼ位置するように形成されている。
従って、第3実施形態に係るテープカセット81では、予備剥離ピン72によって両面粘着テープ53から一度剥離されたセパレータ53Dは、該予備剥離ピン72を通過後、再度、両面粘着テープ53の粘着層53Cに貼り合わされて、剥離コロ65の外周面に沿って剥離されている。また、予備剥離ピン72によって両面粘着テープ53からセパレータ53Dが剥離された印刷済みテープ28は、剥離コロ65の外周面とテープ送りローラ63の外周面との共通接線上を経由して、剥離コロ65の外周面に至る。
そして、印刷済みテープ28は、該剥離コロ65の外周面に沿ってセパレータ53Dが剥離された後、案内壁33の出口側の端縁部に接触しつつ外部へ排出される。つまり、両面粘着テープ53からセパレータ53Dが剥離された印刷済みテープ28は、テープ排出口27から両面粘着テープ53が貼着されていない面の方向に傾斜して外部へ排出される。
これにより、第3実施形態に係るテープカセット81では、前記第2実施形態に係るテープカセット71が奏する上記作用効果に加えて、両面粘着テープ53からセパレータ53Dが剥離コロ65の外周面に沿って剥離される際に、その粘着力によって印刷済みテープ28がセパレータ53D側に引っ張られても、印刷済みテープ28をテープ送りローラ63とテープサブローラ11との共通接線よりも該テープサブローラ11側で走行させることが可能となる。これにより、印刷済みテープ28を確実に固定刃30Aと可動刃30Bとの間に進入させることが可能となる。
尚、テープカセット81の予備剥離ピン72を取り除くようにしてもよい。これにより、前記第1実施形態に係るテープカセット21が奏する上記作用効果に加えて、両面粘着テープ53からセパレータ53Dが剥離コロ65の外周面に沿って剥離される際に、その粘着力によって印刷済みテープ28がセパレータ53D側に引っ張られても、印刷済みテープ28をテープ送りローラ63とテープサブローラ11との共通接線よりも該テープサブローラ11側で走行させることが可能となる。これにより、印刷済みテープ28を確実に固定刃30Aと可動刃30Bとの間に進入させることが可能となる。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態に係るテープカセット71について図12及び図13に基づいて説明する。尚、以下の説明において上記図1乃至図8の第1実施形態に係るテープカセット21及びテープ印刷装置1の構成等と同一符号は、該第1実施形態に係るテープカセット21及びテープ印刷装置1等の構成等と同一あるいは相当部分を示すものである。
第4実施形態に係るテープカセット91の概略構成は、第1実施形態に係るテープカセット21とほぼ同じ構成である。
但し、図12及び図13に示すように、両面粘着スプール56とテープ送りローラ63との間、つまり、両面粘着テープ53の引出口とテープ送りローラ63との間の該両面粘着テープ53の経路上において、両面粘着テープ53のセパレータ53Dと粘着層53Cとの間に挿入されるように、予備剥離部材の一例としての予備剥離ピン92が設けられている。
また、予備剥離ピン92の両面粘着テープ53の搬送方向上流側には、テープカセット91の上ケース23と下ケース24のそれぞれから、該両面粘着テープ53の幅寸法にほぼ等しい距離で相対向するように突出した平面視略横長四角形の一対の上流側ガイド部95A、95Bが設けられている。これにより、一対の上流側ガイド部95A、95Bによって、両面粘着テープ53の幅方向への移動を規制しつつ、この両面粘着テープ53を予備剥離ピン92へ摺動案内することが可能となる。
尚、この一対の上流側ガイド部95A、95Bは、設けなくてもよい。
また、予備剥離ピン92の両面粘着テープ53の搬送方向下流側には、一対の下流側コロ96A、96Bが、両面粘着テープ53を挟んで、該両面粘着テープ53の厚さにほぼ等しい距離で対向するように設けられている。そして、予備剥離ピン92によって両面粘着テープ53から一度剥離されたセパレータ53Dと、該セパレータ53Dが剥離された両面粘着テープ53とが、一対の下流側コロ96A、96B間を通って引き出されている。
つまり、両面粘着スプール56から引き出された両面粘着テープ53は、一対の上流側ガイド部95A、95Bの間を幅方向への移動を規制されつつ通過して、予備剥離ピン92に案内された後、この予備剥離ピン92によって両面粘着テープ53からセパレータ53Dが一度剥離される。そして、予備剥離ピン92によって両面粘着テープ53から一度剥離されたセパレータ53Dと、該セパレータ53Dが剥離された両面粘着テープ53とは、該予備剥離ピン92を通過後、一対の下流側コロ96A、96Bの間を通過する。更に、この一対の下流側コロ96A、96Bの間を通過したセパレータ53Dは、再度、両面粘着テープ53の粘着層53Cに貼り合わされて、テープ送りローラ63の外周面に沿って引き出されている。
また、予備剥離ピン92は、両面粘着テープ53のテープ幅よりも長い断面円形の略円柱形状で、両端面中心位置に各支持軸92Aが立設されている。また、この予備剥離ピン92の外周面には、シリコーン樹脂皮膜が形成されている。また、テープカセット91の上ケース23及び下ケース24には、予備剥離ピン92の各支持軸92Aを回転可能に支持する各支持孔93が形成されている。
従って、この予備剥離ピン92は、各支持軸92Aが各支持孔93に挿入されて、回転可能に設けられるため、該予備剥離ピン92は、両端部が回転可能に支持されると共に、両面粘着テープ53の粘着層53C及びセパレータ53Dの全幅に渡って接触する。
また、一対の下流側コロ96A、96Bは、両面粘着テープ53のテープ幅とほぼ等しい長さの断面円形の略円柱形状で、それぞれの両端面中心位置に各支持軸97が立設されている。また、各下流側コロ96A、96Bの外周面には、シリコーン樹脂皮膜が形成されている。また、テープカセット91の上ケース23及び下ケース24には、両面粘着テープ53の両側縁部に接触して幅方向の移動を規制すると共に両面粘着テープ53を搬送方向へ摺動案内可能に突出する平面視略横長四角形の各段差部98、98が設けられている。
また、各段差部98、98には、各下流側コロ96A、96Bの各支持軸97を回転可能に支持する一対の支持孔99が形成されている。そして、各下流側コロ96A、96Bの各支持軸97は、各支持孔99に挿入されて、回転可能に支持されると共に、両面粘着テープ53の厚さにほぼ等しい距離で対向するように設けられている。尚、各下流側コロ96A、96Bのうちの少なくとも両面粘着テープ53の粘着層53Aに接触する下流側コロ96Bの外周面だけに、シリコーン樹脂皮膜を形成するようにしてもよい。
従って、第4実施形態に係るテープカセット91では、両面粘着スプール56から引き出された両面粘着テープ53は、一対の上流側ガイド部95A、95Bの間を幅方向への移動を規制されつつ通過後、両端部を回転可能に支持される予備剥離ピン92によってセパレータ53Dが両面粘着テープ53から剥離される。その後、セパレータ53Dと、セパレータ53Dが剥離された両面粘着テープ53とは、各段差部98、98と各下流側コロ96A、96Bとの間を通過することによって、該セパレータ53Dは、再度、両面粘着テープ53の粘着層53Cに貼り合わされて、テープ送りローラ63の外周面に沿って引き出される。
これにより、第4実施形態に係るテープカセット91では、第1実施形態に係るテープカセット21が奏する上記作用効果に加えて、予備剥離ピン92によってセパレータ53Dが両面粘着テープ53から一度剥離された後、再度両面粘着テープ53の粘着層53Cに貼り合わされてテープ送りローラ63へ搬送されるため、該両面粘着テープ53のセパレータ53Dに対する粘着力を低下させた状態でフィルムテープ51の印刷面に圧着させることが可能となる。
このため、フィルムテープ51に圧着された両面粘着テープ53からセパレータ53Dを剥離コロ65の外周面に沿って容易に剥離することが可能となり、セパレータ53Dが剥離された粘着剤付き印刷済みテープ28をテープ排出口27へスムーズに搬送することが可能となる。
[第5実施形態]
次に、第5実施形態に係るテープカセット101について図14に基づいて説明する。尚、以下の説明において上記図1乃至図8の第1実施形態に係るテープカセット21及びテープ印刷装置1の構成等と同一符号は、該第1実施形態に係るテープカセット21及びテープ印刷装置1等の構成等と同一あるいは相当部分を示すものである。また、上記図12及び図13の第4実施形態に係るテープカセット91の構成等と同一符号は、該第4実施形態に係るテープカセット91の構成等と同一あるいは相当部分を示すものである。
第5実施形態に係るテープカセット101の概略構成は、前記第4実施形態に係るテープカセット91とほぼ同じ構成である。
但し、図14に示すように、剥離コロ65の外周面が、テープ送りローラ63とテープサブローラ11との共通接線102よりもテープサブローラ11側に突出するように、テープ厚さ方向に移動されて配置されている。また、案内壁33は、剥離コロ65に対向する面のテープ搬送方向下流側、つまり、出口側の端縁部が、当該剥離コロ65の外周面とテープ送りローラ63の外周面との共通接線上にほぼ位置するように形成されている。
従って、第5実施形態に係るテープカセット101では、両面粘着スプール56から引き出された両面粘着テープ53は、一対の上流側ガイド部95A、95Bの間を幅方向への移動を規制されつつ通過後、両端部を回転可能に支持される予備剥離ピン92によってセパレータ53Dが両面粘着テープ53から剥離される。その後、セパレータ53Dと、セパレータ53Dが剥離された両面粘着テープ53とは、各段差部98、98と各下流側コロ96A、96Bとの間を通過することによって、該セパレータ53Dは、再度、両面粘着テープ53の粘着層53Cに貼り合わされて、テープ送りローラ63の外周面に沿って引き出される。
また、予備剥離ピン92によって両面粘着テープ53からセパレータ53Dが一度剥離された印刷済みテープ28は、剥離コロ65の外周面とテープ送りローラ63の外周面との共通接線上を経由して、剥離コロ65の外周面に至る。そして、印刷済みテープ28は、該剥離コロ65の外周面に沿ってセパレータ53Dが剥離された後、案内壁33の出口側の端縁部に接触しつつ外部へ排出される。つまり、両面粘着テープ53からセパレータ53Dが剥離された印刷済みテープ28は、テープ排出口27から両面粘着テープ53が貼着されていない面の方向に傾斜して外部へ排出される。
これにより、第5実施形態に係るテープカセット101では、前記第4実施形態に係るテープカセット91が奏する上記作用効果に加えて、両面粘着テープ53からセパレータ53Dが剥離コロ65の外周面に沿って剥離される際に、その粘着力によって印刷済みテープ28がセパレータ53D側に引っ張られても、印刷済みテープ28をテープ送りローラ63とテープサブローラ11との共通接線よりも該テープサブローラ11側で走行させることが可能となる。これにより、印刷済みテープ28を確実に固定刃30Aと可動刃30Bとの間に進入させることが可能となる。
[第6実施形態]
次に、第6実施形態に係るテープカセット111について図15乃至図19に基づいて説明する。尚、以下の説明において上記図1乃至図8の第1実施形態に係るテープカセット21及びテープ印刷装置1の構成等と同一符号は、該第1実施形態に係るテープカセット21及びテープ印刷装置1等の構成等と同一あるいは相当部分を示すものである。
第6実施形態に係るテープカセット111の概略構成は、第1実施形態に係るテープカセット21とほぼ同じ構成である。
但し、図15乃至図18に示すように、印刷済みテープ28が排出されるテープ排出口112は、正面視スリット状でテープ搬送方向に所定幅(例えば、幅約3mmである。)に形成されている。また、このテープ排出口112の両面粘着テープ53のセパレータ53Dに接触する一方の案内壁112Aに連続する側壁部24B、つまり、テープ送りローラ63に対向する側壁部24Bには、この案内壁112Aの出口側端縁部で両面粘着テープ53から剥離されたセパレータ53Dが進入可能なセパレータ入口113が貫通して形成されている。
また、テープ排出口112は、案内壁112Aに対して印刷済みテープ28を挟んで該印刷済みテープ28のフィルムテープ51の外側面に接触して該印刷済みテープ28をテープ搬送方向下流側へ案内する案内壁112Bが所定距離(例えば、距離約1mmである。)離間して設けられている。そして、各案内壁112A、112Bの出口側端縁部は、側壁部24Bよりもテープ搬送方向下流側に突出して、固定刃30Aに対向すると共に該固定刃30Aに近接するように設けられている。
また、テープ排出口112を構成する案内壁112Aのテープ搬送方向下流側、つまり、出口側端縁部は、先端部が平面視鋭角状に(例えば、先端角度が約30度〜約50度である。)セパレータ入口113方向へ傾斜する傾斜面112Cを構成するように形成されている。この傾斜面112Cは、該案内壁112Aの出口側端縁部とテープ送りローラ63との共通接線よりも印刷済みテープ28側に傾斜するように形成されて、剥離されたセパレータ53Dと接触しないように構成されている。
また、セパレータ入口113の印刷済みテープ28側の内側側面は、傾斜面112Cのテープ送りローラ63側の端縁部に連続すると共に、該セパレータ入口113のセパレータ53Dを挟んで対向する両内側面は、案内壁112Aの出口側端縁部とテープ送りローラ63との共通接線を挟んで該共通接線に対してほぼ平行になるよう所定距離(例えば、距離約2mmである。)離間して形成されている。
そして、図15乃至図18に示すように、両面粘着スプール56から引き出された両面粘着テープ53は、テープ駆動ローラ軸14によって回転駆動されるテープ送りローラ63とテープサブローラ11との間を通過し、セパレータ53Dが重ね合わされない側の粘着層53Aがフィルムテープ51の印刷面に圧着される。
その後、セパレータ53Dは、テープ排出口112の案内壁112Aの出口側先端縁部に沿ってフィルムテープ51に圧着された両面粘着テープ53から剥離されて、セパレータ入口113内に進入して、テープ送りローラ63の外周面に沿って両面粘着スプール56側に、つまり、引き出し側方向(図15中、上側方向である。)へ案内される。続いて、セパレータ53Dは、セパレータ案内壁37の壁面に沿って案内リブ35の外側方向に案内されて、凸状部35A、ガイドピン36及び凸状部35Bの外周面に順次沿って、巻回された両面粘着テープ53の外側周縁を通って略直角内側方向へ案内されてセパレータ巻き取りスプール62に至る。
そして、セパレータ53Dの先端部は、このセパレータ巻き取りスプール62の外周面に接着テープ等によって固着され、セパレータ巻取軸16により回転駆動される該セパレータ巻き取りスプール62に巻き取られる。尚、セパレータ巻取軸16は、テープ駆動ローラ軸14及びリボン巻取軸15と同期して回転駆動される。
また、フィルムテープ51は、テープ排出口112の出口側端縁部でセパレータ53Dが剥離されて、印刷面に粘着層53A、ベースフィルム53B及び粘着層53Cが積層された状態で、つまり、セパレータ53Dが剥離された粘着剤付き印刷済みテープ28の状態で、テープ排出口27からテープカセット21の外部に送り出される。そして、セパレータ53Dが剥離された粘着剤付き印刷済みテープ28は、カッタユニット30を経てテープ印刷装置1のラベル排出口17より外部に送り出される。
そして、印刷済みテープ28を所定長さ搬送後、不図示の切断用モータを駆動して可動刃30Bを作動させることによって、セパレータ53Dが剥離された所定長さの粘着剤付き印刷済みテープ28がラベル排出口17より排出される。
続いて、テープカセット111におけるテープスプール54、両面粘着スプール56、セパレータ巻き取りスプール62の位置関係について図19に基づいて説明する。
上述したように、テープカセット111において、テープスプール54に巻回されているフィルムテープ51は、テープ印刷装置1による印刷が行われる度に引き出される。従って、テープカセット111の使用開始時において、最も多くのフィルムテープ51がテープスプール54に巻回されている(図15参照)。
ここで、テープカセット111の使用開始時点において、テープスプール54に巻回されているフィルムテープ51が占有する領域を「フィルムテープ占有領域115」という。また、このフィルムテープ占有領域115の半径を「フィルムテープ巻回半径R4」という。
また、フィルムテープ51と同様に、両面粘着テープ53は、テープ印刷装置1による印刷が行われる度に、両面粘着スプール56から引き出される。従って、テープカセット111の使用開始時において、最も多くの両面粘着テープ53が両面粘着スプール56に巻回されている(図15参照)。
ここで、テープカセット111の使用開始時点において、両面粘着スプール56に巻回されている両面粘着テープ53が占有する領域を「両面粘着テープ占有領域116」という。また、この両面粘着テープ占有領域116の半径を「両面粘着テープ巻回半径R5」という。
そして、テープカセット111においては、セパレータ53Dはテープ印刷装置1による印刷が行われる毎に、両面粘着テープ53から剥離され、セパレータ巻き取りスプール62に巻回される。従って、テープカセット111の使用完了時(即ち、テープカセット111がラベルの作成にフィルムテープ51等を使い切った時)に、セパレータ53Dは、セパレータ巻き取りスプール62に対して最も多く巻回され、テープカセット111の内部において最も大きなスペースを占有する。尚、以下の説明において、セパレータ巻き取りスプール62に最も多く巻回されたセパレータ53Dが占有するスペースの半径を「セパレータ巻回半径R6」という。
上述したように、セパレータ巻き取りスプール62は、テープスプール54と両面粘着スプール56との間に、回転可能に配設されている。そして、図19に示すように、テープカセット111では、テープスプール54の回転中心軸と、セパレータ巻き取りスプール62の回転中心軸を結ぶ直線距離(以下、第3軸間距離L3という。)は、セパレータ巻回半径R6とフィルムテープ巻回半径R4との和よりも小さくなるように構成されている。従って、テープカセット111の使用終了時において、セパレータ巻き取りスプール62に巻回されたセパレータ53Dは、フィルムテープ占有領域115の一部分を占有する。
即ち、第3軸間距離L3を、セパレータ巻回半径R6とフィルムテープ巻回半径R4との和よりも小さくすることにより、テープカセット111は、フィルムテープ51とセパレータ53Dが共通して利用する第3重複領域117を生じさせる。これにより、テープカセット111は、第3重複領域117の大きさに応じて、テープカセット111自体の大型化を抑制し得る。また、テープカセット111の大型化を抑制することにより、当該テープカセット111は、テープ印刷装置1本体の大型化も抑制し得る。
また、テープカセット111では、両面粘着スプール56の回転中心軸と、セパレータ巻き取りスプール62の回転中心軸を結ぶ直線距離(以下、第4軸間距離L4という。)は、セパレータ巻回半径R6と両面粘着テープ巻回半径R5との和よりも小さくなるように構成されている。従って、テープカセット111の使用終了時において、セパレータ巻き取りスプール62に巻回されたセパレータ53Dは、両面粘着テープ占有領域116の一部分を占有する。
即ち、第4軸間距離L4を、セパレータ巻回半径R6と両面粘着テープ巻回半径R5との和よりも小さくすることにより、テープカセット111は、両面粘着テープ53とセパレータ53Dとが共通して利用する第4重複領域118を生じさせる。これにより、テープカセット111は、第4重複領域118の大きさに応じて、テープカセット111自体の大型化を抑制し得る。また、テープカセット111の大型化を抑制することにより、当該テープカセット111は、テープ印刷装置1本体の大型化も抑制し得る。
従って、テープカセット111は、図19に示すように、第3重複領域117と第4重複領域118との何れをも生じさせるので、第3重複領域117の大きさと、第4重複領域118の大きさに応じて、テープカセット111の大型化を更に抑制し得る。そして、これに伴い、テープカセット111は、テープ印刷装置1の大型化についても更に抑制し得る。
尚、テープスプール54と両面粘着スプール56との距離を図19に示す状態よりも大きくして、セパレータ巻き取りスプール62をテープカセット111の内側方向へ移動させてもよい。そして、第3軸間距離L3をセパレータ巻回半径R6とフィルムテープ巻回半径R4との和よりも大きくなるように構成し、且つ、第4軸間距離L4をセパレータ巻回半径R6と両面粘着テープ巻回半径R5との和よりも小さくなるように構成してもよい。又は、第3軸間距離L3をセパレータ巻回半径R6とフィルムテープ巻回半径R4との和よりも小さくなるように構成し、且つ、第4軸間距離L4をセパレータ巻回半径R6と両面粘着テープ巻回半径R5との和よりも大きくなるように構成してもよい。
これにより、テープカセット111は、第3重複領域117と第4重複領域118のうちの何れか一方を生じさせるので、第3重複領域117の大きさと、第4重複領域118の大きさに応じて、テープカセット111の大型化を抑制し得る。そして、これに伴い、テープカセット111は、テープ印刷装置1の大型化についても更に抑制し得る。
従って、第6実施形態に係るテープカセット111では、両面粘着テープ53は、テープ送りローラ63とテープサブローラ11とによって、フィルムテープ51の印刷された一方の面に圧着された後、テープ排出口112の出口側端縁部で該両面粘着テープ53からセパレータ53Dが剥離された状態で搬送されることとなる。これにより、所定長さに切断された印刷済みテープ28を商品等に貼り付ける際に、セパレータ53Dを剥がす手間を省くことができる。
また、テープ排出口112で両面粘着テープ53から該テープ排出口112の案内壁112Aの出口側端縁部に沿って剥離されたセパレータ53Dは、セパレータ入口113からテープカセット111内に進入して、テープ送りローラ63とセパレータ案内壁37との間、つまり、両面粘着スプール56側へ案内された後、凸状部35A、ガイドピン36及び凸状部35Bによって巻回された両面粘着テープ53の外側周縁を通って略直角内側方向へ案内されて、セパレータ巻き取りスプール62に巻き取られる。このため、テープ排出口112で両面粘着テープ53から剥離したセパレータ53Dをテープカセット111内にスムーズに収納することが可能となると共に、ユーザは両面粘着テープ53から剥離したセパレータ53Dを廃棄する手間を省くことができる。
また、セパレータ53Dは、テープ排出口112の案内壁112Aの出口側先端縁部に沿ってフィルムテープ51に圧着された両面粘着テープ53から剥離されて、セパレータ入口113内に進入して、テープ送りローラ63の外周面に沿って両面粘着スプール56側へ案内されるため、セパレータ53Dが印刷済みテープ28側に撓んで両面粘着テープ53の粘着層53Cに再度付着することを確実に防止でき、当該印刷済みテープ28をテープ排出口112から外部へスムーズに排出することが可能となる。
また、テープ排出口112の各案内壁112A、112Bの出口側端縁部は、側壁部24Bよりもテープ搬送方向下流側に突出して、固定刃30Aに対向すると共に該固定刃30Aに近接するように設けられているため、テープ切断位置と印刷済みテープ28の印刷位置との距離を短くすることが可能となり、印刷済みテープ28の余白長さを短くすることが可能となる。
また、テープ排出口112の各案内壁112A、112Bの出口側端縁部が固定刃30Aに近接して配設されるため、印刷済みテープ28の印刷面の裏面側をテープ切断位置、つまり、固定刃30Aの刃先の近傍まで確実に案内することが可能となる。
更に、セパレータ巻き取りスプール62は、両面粘着スプール56とテープスプール54との間に配設されているため、テープ印刷装置1によるテープ印刷が行われることによってセパレータ巻き取りスプール62に巻回可能なセパレータ53Dの最大巻回長さを容易に大きくすることができ、テープカセット111の小型化を図ることが可能となる。
また、セパレータ入口113からテープカセット111内に進入したセパレータ53Dを該テープ送りローラ63の外周面に沿って、該テープ送りローラ63とセパレータ案内壁37との間、つまり、両面粘着スプール56側へ案内後、セパレータ案内壁37、凸状部35A、ガイドピン36及び凸状部35Bによって巻回された両面粘着テープ53の外側周縁を通ってセパレータ巻き取りスプール62まで案内することによって、テープカセット111内の隙間空間を有効に活用することができ、テープカセット111の更なる小型化を図ることが可能となる。
[第7実施形態]
次に、第7実施形態に係るテープカセット121について図20及び図21に基づいて説明する。尚、以下の説明において上記図1乃至図8の第1実施形態に係るテープカセット21及びテープ印刷装置1の構成等と同一符号は、該第1実施形態に係るテープカセット21及びテープ印刷装置1等の構成等と同一あるいは相当部分を示すものである。また、上記図15乃至図19の第6実施形態に係るテープカセット111の構成等と同一符号は、該第6実施形態に係るテープカセット111の構成等と同一あるいは相当部分を示すものである。
第7実施形態に係るテープカセット121の概略構成は、第6実施形態に係るテープカセット111とほぼ同じ構成である。
但し、図20及び図21に示すように、テープ送りローラ63とテープ排出口112の入口側端縁部との間の、フィルムテープ51の印刷面に両面粘着テープ53が圧着された印刷済みテープ28の経路上において、当該両面粘着テープ53のセパレータ53Dと粘着層53Cとの間に挿入されるように、予備剥離部材の一例としての予備剥離ピン122が設けられている。
つまり、予備剥離ピン122によって両面粘着テープ53からセパレータ53Dが一度剥離されている。そして、予備剥離ピン122によって両面粘着テープ53から一度剥離されたセパレータ53Dは、該予備剥離ピン122を通過後、再度、両面粘着テープ53の粘着層53Cに貼り合わされて、テープ排出口112内に搬送された後、このテープ排出口112の案内壁112Aの出口側端縁部で剥離されている。
この予備剥離ピン122は、両面粘着テープ53のテープ幅よりも長い断面円形の略円柱形状で、両端面中心位置に各支持軸122Aが立設されている。また、この予備剥離ピン122の外周面には、シリコーン樹脂皮膜が形成されている。また、テープカセット121の上ケース23及び下ケース24には、予備剥離ピン122の各支持軸122Aを回転可能に支持する各支持孔123が形成されている。そして、予備剥離ピン122の各支持軸122Aは、各支持孔123に挿入されて、回転可能に設けられている。
従って、第7実施形態に係るテープカセット121では、予備剥離ピン122は、両端部が回転可能に支持されると共に、両面粘着テープ53の粘着層53C及びセパレータ53Dの全幅に渡って接触する。
これにより、第7実施形態に係るテープカセット121では、第6実施形態に係るテープカセット111が奏する上記作用効果に加えて、予備剥離ピン122によってセパレータ53Dが両面粘着テープ53から一度剥離された後、再度両面粘着テープ53の粘着層53Cに貼り合わされてテープ排出口112の出口側へ搬送されるため、該両面粘着テープ53のセパレータ53Dに対する粘着力を低下させた状態で印刷済みテープ28を案内壁112Aの出口側端縁部へ搬送することが可能となる。
このため、フィルムテープ51に圧着された両面粘着テープ53からセパレータ53Dをテープ排出口112の案内壁112Aの出口側端縁部に沿って容易に剥離することが可能となり、剥離したセパレータ53Dをセパレータ入口113へスムーズに進入させることができると共に、セパレータ53Dが剥離された粘着剤付き印刷済みテープ28をテープ排出口112の出口側端部からスムーズに排出することが可能となる。
[第8実施形態]
次に、第8実施形態に係るテープカセット131について図22に基づいて説明する。尚、以下の説明において上記図15乃至図19の第6実施形態に係るテープカセット111の構成等と同一符号は、該第6実施形態に係るテープカセット111の構成等と同一あるいは相当部分を示すものである。また、上記図20及び図21の第7実施形態に係るテープカセット121の構成等と同一符号は、該第7実施形態に係るテープカセット121の構成等と同一あるいは相当部分を示すものである。
第8実施形態に係るテープカセット131の概略構成は、第7実施形態に係るテープカセット121とほぼ同じ構成である。
但し、図22に示すように、テープ排出口112の出口側が、テープ送りローラ63とテープサブローラ11との共通接線132に対してテープサブローラ11側に遠ざかるように、各案内壁112A、112Bの印刷済みテープ28に対向する案内面が、斜め外側方向へ傾斜するように形成されている。
従って、第8実施形態に係るテープカセット131では、予備剥離ピン122によって両面粘着テープ53から一度剥離されたセパレータ53Dは、該予備剥離ピン122を通過後、再度、両面粘着テープ53の粘着層53Cに貼り合わされて、案内壁112Aの出口側端縁部に沿って剥離されている。また、予備剥離ピン122によって両面粘着テープ53からセパレータ53Dが剥離された印刷済みテープ28は、予備剥離ピン122の外周面とテープ送りローラ63の外周面との共通接線上を経由して、テープ排出口112の入口側端縁部に至る。
そして、印刷済みテープ28は、該案内壁112Aの出口側端縁部に沿ってセパレータ53Dが剥離された後、テープ排出口112から外部へ排出される。つまり、両面粘着テープ53からセパレータ53Dが剥離された印刷済みテープ28は、テープ排出口112から両面粘着テープ53が貼着されていない面の方向に傾斜して外部へ排出される。
これにより、第8実施形態に係るテープカセット131では、前記第7実施形態に係るテープカセット121が奏する上記作用効果に加えて、テープ排出口112の出口側端縁部で、両面粘着テープ53からセパレータ53Dが案内壁112Aの出口側端縁部に沿って剥離される際に、その粘着力によって印刷済みテープ28がセパレータ53D側に引っ張られても、印刷済みテープ28をテープ送りローラ63とテープサブローラ11との共通接線132よりも該テープサブローラ11側で走行させることが可能となる。これにより、印刷済みテープ28を確実に固定刃30Aと可動刃30Bとの間に進入させることが可能となる。
尚、テープカセット131の予備剥離ピン122を取り除くようにしてもよい。これにより、前記第6実施形態に係るテープカセット111が奏する上記作用効果に加えて、テープ排出口112の出口側端縁部で、両面粘着テープ53からセパレータ53Dが案内壁112Aの出口側端縁部に沿って剥離される際に、その粘着力によって印刷済みテープ28がセパレータ53D側に引っ張られても、印刷済みテープ28をテープ送りローラ63とテープサブローラ11との共通接線132よりも該テープサブローラ11側で走行させることが可能となる。これにより、印刷済みテープ28を確実に固定刃30Aと可動刃30Bとの間に進入させることが可能となる。
[第9実施形態]
次に、第9実施形態に係るテープカセット141について図23及び図24に基づいて説明する。尚、以下の説明において上記図1乃至図8の第1実施形態に係るテープカセット21及びテープ印刷装置1の構成等と同一符号は、該第1実施形態に係るテープカセット21及びテープ印刷装置1等の構成等と同一あるいは相当部分を示すものである。また、上記図15乃至図19の第6実施形態に係るテープカセット111の構成等と同一符号は、該第6実施形態に係るテープカセット111の構成等と同一あるいは相当部分を示すものである。
第9実施形態に係るテープカセット141の概略構成は、第6実施形態に係るテープカセット111とほぼ同じ構成である。
但し、図23及び図24に示すように、両面粘着スプール56とテープ送りローラ63との間、つまり、両面粘着テープ53の引出口とテープ送りローラ63との間の該両面粘着テープ53の経路上において、両面粘着テープ53のセパレータ53Dと粘着層53Cとの間に挿入されるように、予備剥離部材の一例としての予備剥離ピン142が設けられている。
また、予備剥離ピン142の両面粘着テープ53の搬送方向上流側には、テープカセット141の上ケース23と下ケース24のそれぞれから、該両面粘着テープ53の幅寸法にほぼ等しい距離で相対向するように突出した平面視略横長四角形の一対の上流側ガイド部145A、145Bが設けられている。これにより、一対の上流側ガイド部145A、145Bによって、両面粘着テープ53の幅方向への移動を規制しつつ、この両面粘着テープ53を予備剥離ピン142へ摺動案内することが可能となる。
尚、この一対の上流側ガイド部145A、145Bは、設けなくてもよい。
また、予備剥離ピン142の両面粘着テープ53の搬送方向下流側には、一対の下流側コロ146A、146Bが、両面粘着テープ53を挟んで、該両面粘着テープ53の厚さにほぼ等しい距離で対向するように設けられている。そして、予備剥離ピン142によって両面粘着テープ53から一度剥離されたセパレータ53Dと、該セパレータ53Dが剥離された両面粘着テープ53とが、一対の下流側コロ146A、146B間を通って引き出されている。
つまり、両面粘着スプール56から引き出された両面粘着テープ53は、一対の上流側ガイド部145A、145Bの間を幅方向への移動を規制されつつ通過して、予備剥離ピン142に案内された後、この予備剥離ピン142によって両面粘着テープ53からセパレータ53Dが一度剥離される。そして、予備剥離ピン142によって両面粘着テープ53から一度剥離されたセパレータ53Dと、該セパレータ53Dが剥離された両面粘着テープ53とは、該予備剥離ピン142を通過後、一対の下流側コロ146A、146Bの間を通過する。更に、この一対の下流側コロ146A、146Bの間を通過したセパレータ53Dは、再度、両面粘着テープ53の粘着層53Cに貼り合わされて、テープ送りローラ63の外周面に沿って引き出されている。
また、予備剥離ピン142は、両面粘着テープ53のテープ幅よりも長い断面円形の略円柱形状で、両端面中心位置に各支持軸142Aが立設されている。また、この予備剥離ピン142の外周面には、シリコーン樹脂皮膜が形成されている。また、テープカセット141の上ケース23及び下ケース24には、予備剥離ピン142の各支持軸142Aを回転可能に支持する各支持孔143が形成されている。
従って、この予備剥離ピン142は、各支持軸142Aが各支持孔143に挿入されて、回転可能に設けられるため、該予備剥離ピン142は、両端部が回転可能に支持されると共に、両面粘着テープ53の粘着層53C及びセパレータ53Dの全幅に渡って接触する。
また、一対の下流側コロ146A、146Bは、両面粘着テープ53のテープ幅とほぼ等しい長さの断面円形の略円柱形状で、それぞれの両端面中心位置に各支持軸147が立設されている。また、各下流側コロ146A、146Bの外周面には、シリコーン樹脂皮膜が形成されている。また、テープカセット141の上ケース23及び下ケース24には、両面粘着テープ53の両側縁部に接触して幅方向の移動を規制すると共に両面粘着テープ53を搬送方向へ摺動案内可能に突出する平面視略横長四角形の各段差部148、148が設けられている。
また、各段差部148、148には、各下流側コロ146A、146Bの各支持軸147を回転可能に支持する一対の支持孔149が形成されている。そして、各下流側コロ146A、146Bの各支持軸147は、各支持孔149に挿入されて、回転可能に支持されると共に、両面粘着テープ53の厚さにほぼ等しい距離で対向するように設けられている。尚、各下流側コロ146A、146Bのうちの少なくとも両面粘着テープ53の粘着層53Aに接触する下流側コロ146Bの外周面だけに、シリコーン樹脂皮膜を形成するようにしてもよい。
従って、第9実施形態に係るテープカセット141では、両面粘着スプール56から引き出された両面粘着テープ53は、一対の上流側ガイド部145A、145Bの間を幅方向への移動を規制されつつ通過後、両端部を回転可能に支持される予備剥離ピン142によってセパレータ53Dが両面粘着テープ53から剥離される。その後、セパレータ53Dと、セパレータ53Dが剥離された両面粘着テープ53とは、各段差部148、148と各下流側コロ146A、146Bとの間を通過することによって、該セパレータ53Dは、再度、両面粘着テープ53の粘着層53Cに貼り合わされて、テープ送りローラ63の外周面に沿って引き出される。
これにより、第9実施形態に係るテープカセット141では、第6実施形態に係るテープカセット111が奏する上記作用効果に加えて、予備剥離ピン142によってセパレータ53Dが両面粘着テープ53から一度剥離された後、再度両面粘着テープ53の粘着層53Cに貼り合わされてテープ送りローラ63へ搬送されるため、該両面粘着テープ53のセパレータ53Dに対する粘着力を低下させた状態でフィルムテープ51の印刷面に圧着させることが可能となる。
このため、フィルムテープ51に圧着された両面粘着テープ53からセパレータ53Dをテープ排出口112の案内壁112Aの出口側端縁部に沿って容易に剥離することが可能となり、剥離したセパレータ53Dをセパレータ入口113へスムーズに進入させることができると共に、セパレータ53Dが剥離された粘着剤付き印刷済みテープ28をテープ排出口112の出口側端部からスムーズに排出することが可能となる。
[第10実施形態]
次に、第10実施形態に係るテープカセット151について図25に基づいて説明する。尚、以下の説明において上記図15乃至図19の第6実施形態に係るテープカセット111の構成等と同一符号は、該第6実施形態に係るテープカセット111の構成等と同一あるいは相当部分を示すものである。また、上記図23及び図24の第9実施形態に係るテープカセット141の構成等と同一符号は、該第9実施形態に係るテープカセット141の構成等と同一あるいは相当部分を示すものである。
第10実施形態に係るテープカセット151の概略構成は、第9実施形態に係るテープカセット141とほぼ同じ構成である。
但し、図25に示すように、テープ排出口112の出口側が、テープ送りローラ63とテープサブローラ11との共通接線152に対してテープサブローラ11側に遠ざかるように、各案内壁112A、112Bの印刷済みテープ28に対向する案内面が、共通接線152に対して斜め外側方向へ傾斜するように形成されている。
従って、第10実施形態に係るテープカセット151では、両面粘着スプール56から引き出された両面粘着テープ53は、一対の上流側ガイド部145A、145Bの間を幅方向への移動を規制されつつ通過後、両端部を回転可能に支持される予備剥離ピン142によってセパレータ53Dが両面粘着テープ53から剥離される。その後、セパレータ53Dと、セパレータ53Dが剥離された両面粘着テープ53とは、各段差部148、148と各下流側コロ146A、146Bとの間を通過することによって、該セパレータ53Dは、再度、両面粘着テープ53の粘着層53Cに貼り合わされて、テープ送りローラ63の外周面に沿って引き出される。
そして、フィルムテープ51に両面粘着テープ53が圧着された印刷済みテープ28は、テープ排出口112の入口側端縁部に至る。そして、印刷済みテープ28は、該テープ排出口112の案内壁112Aの出口側端縁部に沿ってセパレータ53Dが剥離された後、テープ排出口112から外部へ排出される。つまり、両面粘着テープ53からセパレータ53Dが剥離された印刷済みテープ28は、テープ排出口112から両面粘着テープ53が貼着されていない面の方向に傾斜して外部へ排出される。
これにより、第10実施形態に係るテープカセット151では、前記第9実施形態に係るテープカセット141が奏する上記作用効果に加えて、テープ排出口112の出口側端縁部で、両面粘着テープ53からセパレータ53Dが案内壁112Aの出口側端縁部に沿って剥離される際に、その粘着力によって印刷済みテープ28がセパレータ53D側に引っ張られても、印刷済みテープ28をテープ送りローラ63とテープサブローラ11との共通接線152よりも該テープサブローラ11側で走行させることが可能となる。これにより、印刷済みテープ28を確実に固定刃30Aと可動刃30Bとの間に進入させることが可能となる。
[第11実施形態]
次に、第11実施形態に係るテープカセット161について図26乃至図32に基づいて説明する。尚、以下の説明において上記図1乃至図8の第1実施形態に係るテープカセット21及びテープ印刷装置1の構成等と同一符号は、該第1実施形態に係るテープカセット21及びテープ印刷装置1等の構成等と同一あるいは相当部分を示すものである。
第11実施形態に係るテープカセット161の概略構成は、第1実施形態に係るテープカセット21とほぼ同じ構成である。
但し、図26乃至図28に示すように、テープカセット161は、テープ送りローラ63のテープ搬送方向下流側、つまり、テープ排出口163側に、剥離コロ65に替えて接触コロ162が回転可能に設けられている。また、テープ送りローラ63に対向する側壁部24Bの該接触コロ162に対向する端縁部は、この接触コロ162の外周面から所定距離(例えば、距離約1mmである。)離間している。
また、後述のように、セパレータ53Dは、フィルムテープ51に圧着された両面粘着テープ53から剥離され、テープ送りローラ63の外周面に沿って両面粘着スプール56側に、つまり、引き出し側方向(図26中、上側方向である。)へ案内される(図31参照)。
図27及び図28に示すように、先ず、接触コロ162の外周面は、該外周面に軸方向断面V字形の溝部162Aが軸方向に連続して形成されると共に、両端面外周部が軸方向内側に斜めに面取りされて、軸方向に平行な複数の断面略三角形の凸状形状に形成されている。
また、接触コロ162は、両端面中心位置に支持孔48に回転可能に嵌入される各支持軸162Bが立設されると共に、外周面にシリコーン樹脂皮膜が形成されている。そして、この接触コロ162は、セパレータ53Dが剥離された印刷済みテープ28の粘着層53C(図31参照)に接触して、該印刷済みテープ28をテープ排出口163からテープ搬送方向下流側へ案内する。
また、接触コロ162は、テープ送りローラ63に対向する側壁部24Bよりもテープ搬送方向外側に突出して、固定刃30Aに対向すると共に該固定刃30Aに近接するように設けられている。
また、接触コロ162に対して印刷済みテープ28を挟んで対向する案内壁33は、この接触コロ162よりもテープ搬送方向下流側へ延出されて、印刷済みテープ28を固定刃30Aの近傍位置まで案内可能となるように設けられている。
また、図27及び図29に示すように、テープ送りローラ63とテープサブローラ11によってフィルムテープ51に圧着された両面粘着テープ53からセパレータ53Dが剥離される剥離位置近傍のテープ搬送方向下流側、つまり、印刷済みテープ28の粘着層53Cとセパレータ53Dとの間に、剥離部材の一例としての剥離ピン165が設けられ、印刷済みテープ28とセパレータ53Dを分離している。
この剥離ピン165は、印刷済みテープ28のテープ幅よりも長い断面円形の略円柱形状で、両端面中心位置に各支持軸165Aが立設されている。また、この剥離ピン165の外周面には、シリコーン樹脂皮膜が形成されている。また、テープカセット161の上ケース23及び下ケース24には、剥離ピン72の各支持軸165Aを回転可能に支持する各支持孔167が形成されている。
そして、剥離ピン165の各支持軸165Aは、各支持孔167に挿入されて、回転可能に設けられている。従って、剥離ピン165は、両端部が回転可能に支持されると共に、印刷済みテープ28の粘着層53C及びセパレータ53Dの全幅に渡って接触する。
また、図27及び図30に示すように、両面粘着スプール56とテープ送りローラ63との間、つまり、両面粘着テープ53の引出口とテープ送りローラ63との間の該両面粘着テープ53の経路上において、両面粘着テープ53のセパレータ53Dと粘着層53Cとの間に挿入されるように、予備剥離部材の一例としての予備剥離ピン166が設けられている。
また、予備剥離ピン166の両面粘着テープ53の搬送方向上流側には、テープカセット161の上ケース23と下ケース24のそれぞれから、該両面粘着テープ53の幅寸法にほぼ等しい距離で相対向するように突出した平面視略横長四角形の一対の上流側ガイド部171A、171Bが設けられている。これにより、一対の上流側ガイド部171A、171Bによって、両面粘着テープ53の幅方向への移動を規制しつつ、この両面粘着テープ53を予備剥離ピン166へ摺動案内することが可能となる。
尚、この一対の上流側ガイド部171A、171Bは、設けなくてもよい。
また、予備剥離ピン166の両面粘着テープ53の搬送方向下流側には、一対の下流側コロ172A、172Bが、両面粘着テープ53を挟んで、該両面粘着テープ53の厚さにほぼ等しい距離で対向するように設けられている。そして、予備剥離ピン166によって両面粘着テープ53から一度剥離されたセパレータ53Dと、該セパレータ53Dが剥離された両面粘着テープ53とが、一対の下流側コロ172A、172B間を通って引き出されている。
つまり、両面粘着スプール56から引き出された両面粘着テープ53は、一対の上流側ガイド部171A、171Bの間を幅方向への移動を規制されつつ通過して、予備剥離ピン166に案内された後、この予備剥離ピン166によって両面粘着テープ53からセパレータ53Dが一度剥離される。そして、予備剥離ピン166によって両面粘着テープ53から一度剥離されたセパレータ53Dと、該セパレータ53Dが剥離された両面粘着テープ53とは、該予備剥離ピン166を通過後、一対の下流側コロ172A、172Bの間を通過する。更に、この一対の下流側コロ172A、172Bの間を通過したセパレータ53Dは、再度、両面粘着テープ53の粘着層53Cに貼り合わされて、テープ送りローラ63の外周面に沿って引き出されている。
また、予備剥離ピン166は、両面粘着テープ53のテープ幅よりも長い断面円形の略円柱形状で、両端面中心位置に各支持軸166Aが立設されている。また、この予備剥離ピン166の外周面には、シリコーン樹脂皮膜が形成されている。また、テープカセット161の上ケース23及び下ケース24には、予備剥離ピン166の各支持軸166Aを回転可能に支持する各支持孔168が形成されている。
従って、この予備剥離ピン166は、各支持軸166Aが各支持孔168に挿入されて、回転可能に設けられるため、該予備剥離ピン166は、両端部が回転可能に支持されると共に、両面粘着テープ53の粘着層53C及びセパレータ53Dの全幅に渡って接触する。
また、一対の下流側コロ172A、172Bは、両面粘着テープ53のテープ幅とほぼ等しい長さの断面円形の略円柱形状で、それぞれの両端面中心位置に各支持軸173が立設されている。また、各下流側コロ172A、172Bの外周面には、シリコーン樹脂皮膜が形成されている。また、テープカセット161の上ケース23及び下ケース24には、両面粘着テープ53の両側縁部に接触して幅方向の移動を規制すると共に両面粘着テープ53を搬送方向へ摺動案内可能に突出する平面視略横長四角形の各段差部174、174が設けられている。
また、各段差部174、174には、各下流側コロ172A、172Bの各支持軸173を回転可能に支持する一対の支持孔175が形成されている。そして、各下流側コロ172A、172Bの各支持軸173は、各支持孔175に挿入されて、回転可能に支持されると共に、両面粘着テープ53の厚さにほぼ等しい距離で対向するように設けられている。尚、各下流側コロ172A、172Bのうちの少なくとも両面粘着テープ53の粘着層53Aに接触する下流側コロ172Bの外周面だけに、シリコーン樹脂皮膜を形成するようにしてもよい。
図26乃至図31に示すように、上記のように構成されたテープカセット161では、両面粘着スプール56から引き出された両面粘着テープ53は、一対の上流側ガイド部171A、171Bの間を幅方向への移動を規制されつつ通過後、両端部を回転可能に支持される予備剥離ピン166によってセパレータ53Dが両面粘着テープ53から剥離される。その後、セパレータ53Dと、セパレータ53Dが剥離された両面粘着テープ53とは、各段差部174、174と各下流側コロ172A、172Bとの間を通過することによって、該セパレータ53Dは、再度、両面粘着テープ53の粘着層53Cに貼り合わされて、テープ送りローラ63の外周面に沿って引き出される。そして、両面粘着テープ53は、テープ駆動ローラ軸14によって回転駆動されるテープ送りローラ63とテープサブローラ11との間を通過し、セパレータ53Dが重ね合わされない側の粘着層53Aがフィルムテープ51の印刷面に圧着される。
その後、セパレータ53Dは、フィルムテープ51に圧着された両面粘着テープ53から剥離され、テープ送りローラ63の外周面に沿って両面粘着スプール56側に、つまり、引き出し側方向(図26中、上側方向である。)へ案内される。続いて、セパレータ53Dは、セパレータ案内壁37の壁面に沿って案内リブ35の外側方向に案内されて、凸状部35A、ガイドピン36及び凸状部35Bの外周面に順次沿って、巻回された両面粘着テープ53の外側周縁を通って略直角内側方向へ案内されてセパレータ巻き取りスプール62に至る。
そして、セパレータ53Dの先端部は、このセパレータ巻き取りスプール62の外周面に接着テープ等によって固着され、セパレータ巻取軸16により回転駆動される該セパレータ巻き取りスプール62に巻き取られる。尚、セパレータ巻取軸16は、テープ駆動ローラ軸14及びリボン巻取軸15と同期して回転駆動される。
また、フィルムテープ51は、テープ駆動ローラ軸14によって回転駆動されるテープ送りローラ63とテープサブローラ11との間を通過後、印刷面に粘着層53A、ベースフィルム53B及び粘着層53Cが積層された状態で接触コロ162に至る。そして、印刷面に粘着層53A、ベースフィルム53B及び粘着層53Cが積層されたフィルムテープ51は、つまり、セパレータ53Dが剥離された粘着剤付き印刷済みテープ28は、粘着層53Cに接触する接触コロ162と、該接触コロ162に対して印刷済みテープ28を挟んで対向する案内壁33とによって案内されて、テープ排出口163からテープカセット161の外部に送り出される。そして、セパレータ53Dが剥離された粘着剤付き印刷済みテープ28は、カッタユニット30を経てテープ印刷装置1のラベル排出口17より外部に送り出される。
そして、印刷済みテープ28を所定長さ搬送後、不図示の切断用モータを駆動して可動刃30Bを作動させることによって、セパレータ53Dが剥離された所定長さの粘着剤付き印刷済みテープ28がラベル排出口17より排出される。
続いて、テープカセット161におけるテープスプール54、両面粘着スプール56、セパレータ巻き取りスプール62の位置関係について図32に基づいて説明する。
上述したように、テープカセット161において、テープスプール54に巻回されているフィルムテープ51は、テープ印刷装置1による印刷が行われる度に引き出される。従って、テープカセット161の使用開始時において、最も多くのフィルムテープ51がテープスプール54に巻回されている(図26参照)。
ここで、テープカセット161の使用開始時点において、テープスプール54に巻回されているフィルムテープ51が占有する領域を「フィルムテープ占有領域177」という。また、このフィルムテープ占有領域177の半径を「フィルムテープ巻回半径R7」という。
また、フィルムテープ51と同様に、両面粘着テープ53は、テープ印刷装置1による印刷が行われる度に、両面粘着スプール56から引き出される。従って、テープカセット161の使用開始時において、最も多くの両面粘着テープ53が両面粘着スプール56に巻回されている(図26参照)。
ここで、テープカセット161の使用開始時点において、両面粘着スプール56に巻回されている両面粘着テープ53が占有する領域を「両面粘着テープ占有領域178」という。また、この両面粘着テープ占有領域178の半径を「両面粘着テープ巻回半径R8」という。
そして、テープカセット161においては、セパレータ53Dはテープ印刷装置1による印刷が行われる毎に、両面粘着テープ53から剥離され、セパレータ巻き取りスプール62に巻回される。従って、テープカセット161の使用完了時(即ち、テープカセット161がラベルの作成にフィルムテープ51等を使い切った時)に、セパレータ53Dは、セパレータ巻き取りスプール62に対して最も多く巻回され、テープカセット161の内部において最も大きなスペースを占有する。尚、以下の説明において、セパレータ巻き取りスプール62に最も多く巻回されたセパレータ53Dが占有するスペースの半径を「セパレータ巻回半径R9」という。
上述したように、セパレータ巻き取りスプール62は、テープスプール54と両面粘着スプール56との間に、回転可能に配設されている。そして、図32に示すように、テープカセット161では、テープスプール54の回転中心軸と、セパレータ巻き取りスプール62の回転中心軸を結ぶ直線距離(以下、第5軸間距離L5という。)は、セパレータ巻回半径R9とフィルムテープ巻回半径R7との和よりも小さくなるように構成されている。従って、テープカセット161の使用終了時において、セパレータ巻き取りスプール62に巻回されたセパレータ53Dは、フィルムテープ占有領域177の一部分を占有する。
即ち、第5軸間距離L5を、セパレータ巻回半径R9とフィルムテープ巻回半径R7との和よりも小さくすることにより、テープカセット161は、フィルムテープ51とセパレータ53Dが共通して利用する第5重複領域179を生じさせる。これにより、テープカセット161は、第5重複領域179の大きさに応じて、テープカセット161自体の大型化を抑制し得る。また、テープカセット161の大型化を抑制することにより、当該テープカセット161は、テープ印刷装置1本体の大型化も抑制し得る。
また、テープカセット161では、両面粘着スプール56の回転中心軸と、セパレータ巻き取りスプール62の回転中心軸を結ぶ直線距離(以下、第6軸間距離L6という。)は、セパレータ巻回半径R9と両面粘着テープ巻回半径R8との和よりも小さくなるように構成されている。従って、テープカセット161の使用終了時において、セパレータ巻き取りスプール62に巻回されたセパレータ53Dは、両面粘着テープ占有領域178の一部分を占有する。
即ち、第6軸間距離L6を、セパレータ巻回半径R9と両面粘着テープ巻回半径R8との和よりも小さくすることにより、テープカセット161は、両面粘着テープ53とセパレータ53Dとが共通して利用する第6重複領域180を生じさせる。これにより、テープカセット111は、第6重複領域180の大きさに応じて、テープカセット161自体の大型化を抑制し得る。また、テープカセット161の大型化を抑制することにより、当該テープカセット161は、テープ印刷装置1本体の大型化も抑制し得る。
従って、テープカセット161は、図32に示すように、第5重複領域179と第6重複領域180との何れをも生じさせるので、第5重複領域179の大きさと、第6重複領域180の大きさに応じて、テープカセット161の大型化を更に抑制し得る。そして、これに伴い、テープカセット161は、テープ印刷装置1の大型化についても更に抑制し得る。
尚、テープスプール54と両面粘着スプール56との距離を図32に示す状態よりも大きくして、セパレータ巻き取りスプール62をテープカセット161の内側方向へ移動させてもよい。そして、第5軸間距離L5をセパレータ巻回半径R9とフィルムテープ巻回半径R7との和よりも大きくなるように構成し、且つ、第6軸間距離L6をセパレータ巻回半径R9と両面粘着テープ巻回半径R8との和よりも小さくなるように構成してもよい。又は、第5軸間距離L5をセパレータ巻回半径R9とフィルムテープ巻回半径R7との和よりも小さくなるように構成し、且つ、第6軸間距離L6をセパレータ巻回半径R9と両面粘着テープ巻回半径R8との和よりも大きくなるように構成してもよい。
これにより、テープカセット161は、第5重複領域179と第6重複領域180のうちの何れか一方を生じさせるので、第5重複領域179の大きさと、第6重複領域180の大きさに応じて、テープカセット161の大型化を抑制し得る。そして、これに伴い、テープカセット161は、テープ印刷装置1の大型化についても更に抑制し得る。
従って、第11実施形態に係るテープカセット161では、両面粘着テープ53は、テープ送りローラ63とテープサブローラ11とによって、フィルムテープ51の印刷された一方の面に圧着された後、セパレータ53Dが剥離された状態で搬送されることとなる。これにより、所定長さに切断された印刷済みテープ28を商品等に貼り付ける際に、セパレータ53Dを剥がす手間を省くことができる。
また、セパレータ53Dは、テープ送りローラ63の外周面に沿ってセパレータ案内壁37へ案内された後、凸状部35A、ガイドピン36及び凸状部35Bによって巻回された両面粘着テープ53の外側周縁を通って略直角内側方向へ案内されて、セパレータ巻き取りスプール62に巻き取られるため、剥離したセパレータ53Dをテープカセット161内に収納することが可能となり、ユーザは両面粘着テープ53から剥離したセパレータ53Dを廃棄する手間を省くことができる。
また、両面粘着テープ53が圧着されてセパレータ53Dが剥離された印刷済みテープ28は、セパレータ53Dが剥離された両面粘着テープ53の粘着層53Cに接触する接触コロ162と案内壁33とに挟まれて搬送されるため、印刷済みテープ28がセパレータ53D側に撓んでテープ排出口163で詰まることを防止して、当該印刷済みテープ28をテープ排出口163から外部へスムーズに排出することが可能となる。
また、接触コロ162をテープ排出口163よりもテープ搬送方向外側に突出するように設けることによって、この接触コロ162の外径を大きくすることが可能となる。これにより、接触コロ162の組付け作業を容易に行うことが可能になるとともに、セパレータ53Dが剥離された粘着剤付き印刷済みテープ28が、テープ排出口163で詰まることをより確実に防止することが可能となる。
また、接触コロ162は、固定刃30Aに対向すると共に該固定刃30Aに近接して配置されるため、テープ切断位置と印刷済みテープ28の印刷位置との距離を短くすることが可能となり、印刷済みテープ28の余白長さを短くすることが可能となる。
また、案内壁33は、接触コロ162よりもテープ搬送方向下流側へ延出されているため、印刷済みテープ28の印刷面の裏面側をより確実に案内することが可能となる。また、接触コロ162が固定刃30Aに近接して配設されるため、印刷済みテープ28の印刷面の裏面側をテープ切断位置、つまり、固定刃30Aの刃先の近傍まで確実に案内することが可能となる。
また、接触コロ162は、両面粘着テープ53の粘着層53Cに接触する外周面が、軸方向に平行な複数の断面略三角形の凸状形状に形成されているため、接触コロ162と両面粘着テープ53の粘着層53Cとの接触面積を小さくすることが可能となる。これにより、接触コロ162の外周面が両面粘着テープ53の粘着層53Cからスムーズに離れることが可能となり、印刷済みテープ28をテープ排出口163から外部へスムーズに排出することができる。
また、接触コロ162の両面粘着テープ53の粘着層53Cに接触する外周面には、粘着剤による粘着力を小さくするシリコーン樹脂皮膜が形成されているため、接触コロ162の外周面が両面粘着テープ53の粘着層53Cからスムーズに離れることが可能となり、印刷済みテープ28をテープ排出口163から外部へ更にスムーズに排出することが可能となる。
更に、セパレータ巻き取りスプール62は、両面粘着スプール56とテープスプール54との間に配設されているため、テープ印刷装置1によるテープ印刷が行われることによってセパレータ巻き取りスプール62に巻回可能なセパレータ53Dの最大巻回長さを容易に大きくすることができ、テープカセット161の小型化を図ることが可能となる。
また、剥離したセパレータ53Dをテープ送りローラ63の外周面に沿って両面粘着スプール56に巻回される両面粘着テープ53の引き出し側へ案内後、セパレータ案内壁37、凸状部35A、ガイドピン36及び凸状部35Bによって巻回された両面粘着テープ53の外側周縁を通ってセパレータ巻き取りスプール62まで案内することによって、テープカセット161内の隙間空間を有効に活用することができ、テープカセット161の更なる小型化を図ることが可能となる。
また、剥離ピン165によってフィルムテープ51に圧着された両面粘着テープ53からセパレータ53Dをスムーズに剥離させることが可能となる。また、テープカセット161では、両面粘着テープ53から剥離されたセパレータ53Dが、振動等によって再度両面粘着テープ53の粘着層53Cへ付着するのを当該剥離ピン165によって確実に防止することが可能となる。
また、予備剥離ピン166によってセパレータ53Dが両面粘着テープ53から一度剥離された後、再度両面粘着テープ53の粘着層53Cに貼り合わされてテープ送りローラ63へ搬送されるため、該両面粘着テープ53のセパレータ53Dに対する粘着力を低下させた状態でフィルムテープ51の印刷面に圧着させることが可能となる。
このため、フィルムテープ51に圧着された両面粘着テープ53からセパレータ53Dを容易に剥離することが可能となる。また、剥離ピン165によってフィルムテープ51に圧着された両面粘着テープ53からセパレータ53Dを更にスムーズに剥離させることが可能となり、セパレータ53Dが剥離された粘着剤付き印刷済みテープ28をテープ排出口163へ更にスムーズに搬送することが可能となる。
[第12実施形態]
次に、第12実施形態に係るテープカセット181について図33乃至図35に基づいて説明する。尚、以下の説明において上記図1乃至図8の第1実施形態に係るテープカセット21及びテープ印刷装置1の構成等と同一符号は、該第1実施形態に係るテープカセット21及びテープ印刷装置1等の構成等と同一あるいは相当部分を示すものである。また、上記図26乃至図32の第11実施形態に係るテープカセット161の構成等と同一符号は、該第11実施形態に係るテープカセット161の構成等と同一あるいは相当部分を示すものである。
第12実施形態に係るテープカセット181の概略構成は、第11実施形態に係るテープカセット161とほぼ同じ構成である。
但し、図33乃至図35に示すように、上記剥離ピン165に替えて、テープ送りローラ63とテープサブローラ11によってフィルムテープ51に圧着された両面粘着テープ53と該テープ送りローラ63との間に、両面粘着テープ53のセパレータ53Dに接触する接触部材の一例としての接触ピン182が設けられている。また、接触ピン182は、テープ送りローラ63と所定距離(例えば、距離約0.5mmである。)だけ離間するように設けられている。
そして、セパレータ53Dは、接触ピン182の外周面に沿ってフィルムテープ51に圧着された両面粘着テープ53から剥離されて、再度、テープ送りローラ63の外周面に沿って両面粘着スプール56側に、つまり、引き出し側方向(図33中、上側方向である。)へ案内される。続いて、セパレータ53Dは、上記第11実施形態に係るテープカセット161と同様に、セパレータ案内壁37の壁面に沿って案内リブ35の外側方向に案内されてセパレータ巻き取りスプール62に至る。
この接触ピン182は、印刷済みテープ28のテープ幅よりも長い断面円形の略円柱形状で、両端面中心位置に各支持軸182Aが立設されている。また、テープカセット181の上ケース23及び下ケース24には、接触ピン182の各支持軸182Aを回転可能に支持する各支持孔183が形成されている。そして、接触ピン182の各支持軸182Aは、各支持孔183に挿入されて、回転可能に設けられている。
従って、第12実施形態に係るテープカセット181では、接触ピン182は、両端部が回転可能に支持されると共に、フィルムテープ51に圧着された両面粘着テープ53のセパレータ53Dの全幅に渡って接触する。
上記のように構成されたテープカセット181では、両面粘着スプール56から引き出された両面粘着テープ53は、一対の上流側ガイド部171A、171Bの間を幅方向への移動を規制されつつ通過後、両端部を回転可能に支持される予備剥離ピン166によってセパレータ53Dが両面粘着テープ53から剥離される。その後、セパレータ53Dと、セパレータ53Dが剥離された両面粘着テープ53とは、各段差部174、174と各下流側コロ172A、172Bとの間を通過することによって、該セパレータ53Dは、再度、両面粘着テープ53の粘着層53Cに貼り合わされて、テープ送りローラ63の外周面に沿って引き出される。そして、両面粘着テープ53は、テープ駆動ローラ軸14によって回転駆動されるテープ送りローラ63とテープサブローラ11との間を通過し、セパレータ53Dが重ね合わされない側の粘着層53Aがフィルムテープ51の印刷面に圧着される。
その後、セパレータ53Dは、接触ピン182の外周面に沿ってフィルムテープ51に圧着された両面粘着テープ53から剥離されて、再度、テープ送りローラ63の外周面に沿って両面粘着スプール56側に、つまり、引き出し側方向(図33中、上側方向である。)へ案内される。続いて、セパレータ53Dは、セパレータ案内壁37の壁面に沿って案内リブ35の外側方向に案内されて、凸状部35A、ガイドピン36及び凸状部35Bの外周面に順次沿って、巻回された両面粘着テープ53の外側周縁を通って略直角内側方向へ案内されてセパレータ巻き取りスプール62に至る。
そして、セパレータ53Dの先端部は、このセパレータ巻き取りスプール62の外周面に接着テープ等によって固着され、セパレータ巻取軸16により回転駆動される該セパレータ巻き取りスプール62に巻き取られる。尚、セパレータ巻取軸16は、テープ駆動ローラ軸14及びリボン巻取軸15と同期して回転駆動される。
また、フィルムテープ51は、テープ駆動ローラ軸14によって回転駆動されるテープ送りローラ63とテープサブローラ11との間を通過後、印刷面に粘着層53A、ベースフィルム53B及び粘着層53Cが積層された状態で接触コロ162に至る。そして、印刷面に粘着層53A、ベースフィルム53B及び粘着層53Cが積層されたフィルムテープ51は、つまり、セパレータ53Dが剥離された粘着剤付き印刷済みテープ28は、粘着層53Cに接触する接触コロ162と、該接触コロ162に対して印刷済みテープ28を挟んで対向する案内壁33とによって案内されて、テープ排出口163からテープカセット161の外部に送り出される。そして、セパレータ53Dが剥離された粘着剤付き印刷済みテープ28は、カッタユニット30を経てテープ印刷装置1のラベル排出口17より外部に送り出される。
そして、印刷済みテープ28を所定長さ搬送後、不図示の切断用モータを駆動して可動刃30Bを作動させることによって、セパレータ53Dが剥離された所定長さの粘着剤付き印刷済みテープ28がラベル排出口17より排出される。
これにより、第12実施形態に係るテープカセット181では、第11実施形態に係るテープカセット161が奏する上記作用効果に加えて、接触ピン182によって両面粘着テープ53を押さえつつ、この接触ピン182の外周面に沿って搬送することで印刷済みテープ28の搬送方向とは異なる方向へ急激にセパレータ53Dの搬送方向を切り換えることにより、両面粘着テープ53からセパレータ53Dをスムーズに剥離させることが可能となる。また、接触ピン182によって両面粘着テープ53から剥離されたセパレータ53Dを外側方向に張ることが可能となり、剥離されたセパレータ53Dの撓みを防止してスムーズにテープ送りローラ63の外周面へ案内することが可能となる。
また、予備剥離ピン166によってセパレータ53Dが両面粘着テープ53から一度剥離された後、再度両面粘着テープ53の粘着層53Cに貼り合わされてテープ送りローラ63へ搬送されるため、該両面粘着テープ53のセパレータ53Dに対する粘着力を低下させた状態でフィルムテープ51の印刷面に圧着させることが可能となる。
このため、接触ピン92によってフィルムテープ51に圧着された両面粘着テープ53からセパレータ53Dをスムーズに剥離させることが可能となり、セパレータ53Dが剥離された粘着剤付き印刷済みテープ28をテープ排出口163へスムーズに搬送することが可能となる。
[第13実施形態]
次に、第13実施形態に係るテープ印刷装置201及びテープカセット221について図36乃至図40に基づいて説明する。尚、以下の説明において上記図1乃至図8の第1実施形態に係るテープ印刷装置1及びテープカセット21の構成等と同一符号は、該第1実施形態に係るテープ印刷装置1及びテープカセット21等の構成等と同一あるいは相当部分を示すものである。
第13実施形態に係るテープ印刷装置201の概略構成は、第1実施形態に係るテープ印刷装置1とほぼ同じ構成である。但し、テープ印刷装置201は、カセット収納部8に替えて、テープカセット221(図37参照)を収納するカセット収納部202が設けられている点で異なっている。
ここで、カセット収納部202について図36に基づいて説明する。図36に示すように、カセット収納部202には、回転可能に立設されたプラテンローラ203と、このプラテンローラ203のテープ搬送方向下流側に配置された金属製のテープ駆動ローラ軸14と、プラテンローラ203に対向するサーマルヘッド9と、テープ駆動ローラ軸14に対向するテープサブローラ11と、テープカセット221内に収納されるインクリボン222(図37参照)を送るリボン巻取軸205が配置されている他に、更に後述のようにレセプターテープ223(図37参照)から剥離されたセパレータ223C(図40参照)を巻き取るセパレータ巻取軸206等が配置されている。
また、カセット収納部202内において、ヘッドホルダ207が支持軸208により回動可能に枢支されている。このヘッドホルダ207には、上端面に放熱板9Aが立設されると共に、この放熱板9Aのプラテンローラ203に対向する側縁部に、サーマルヘッド9がテープ搬送方向に略直交するように取り付けられている。また、ヘッドホルダ207の先端部には、テープサブローラ11が回転可能に軸支されている。そして、テープカセット221が装着された場合には、このヘッドホルダ207がプラテンローラ203側方向へ回動されて、サーマルヘッド9がプラテンローラ203に押し当てられると共に、テープサブローラ11がテープ送りローラ63に押し当てられるように構成されている(図37参照)。
また、リボン巻取軸205は、ステッピングモータ等により構成される不図示のテープ送りモータから適宜の駆動機構を介して回転駆動され、後述のようにテープカセット221内に回転可能に設けられたリボン巻き取りスプール225(図37参照)内に嵌入されて回転駆動する。また、テープ駆動ローラ軸14は、テープ送りモータから適宜の伝達機構を介して回転駆動され、後述のようにテープカセット221内に回転可能に設けられた導電性樹脂製のテープ送りローラ63(図37参照)内に嵌入されて回転駆動する。また、セパレータ巻取軸206は、テープ送りモータから適宜の伝達機構を介して回転駆動され、後述のようにテープカセット221内に回転可能に設けられたセパレータ巻き取りスプール226(図37参照)内に嵌入されて回転駆動する。
尚、セパレータ巻取軸206をテープ送りモータとは別個に設けられたステッピングモータ等により構成される不図示のセパレータ巻取モータから適宜の駆動機構を介して回転駆動するように構成してもよい。これにより、インクリボン222とセパレータ223Cの伸び率等が大きく異なっても該セパレータ223Cを安定して巻き取ることが可能となる。
また、テープカセット221のテープ排出口227(図37参照)の近傍には、剥離コロ65の外周面に沿ってセパレータ223Cが剥離された印刷済みテープ228を所定の長さに切断し、セパレータ223Cが剥離された粘着剤付きラベルを生成する切断装置としてのはさみ式カッタユニット30が配置されている。このカッタユニット30は、固定刃30Aと、不図示の切断用モータによって固定刃30Aに対して作動して印刷済みテープ228を切断する可動刃30Bとから構成されている。また、カッタユニット30のテープ搬送方向下流側(図36中、左側)の側面部には、印刷されて後述のようにセパレータが剥離されたテープが排出されるラベル排出口17が形成されている。
次ぎに、テープカセット221の概略構成について図37乃至図40に基づいて説明する。
図37に示すように、テープカセット221内には、レセプターテープ223が剥離紙やフィルム等から形成されるセパレータ223Cを内側に向けて巻回されたテープスプール231が、底面に立設されたカセットボス232に回転可能に嵌挿されている。
ここで、図40に示すように、セパレータ223Cを内側にしてテープスプール231に巻回されたレセプターテープ223は、3層構造に形成されている。このレセプターテープ223の各層は、図40中下側から上側方向に向かって、インクリボン222とサーマルヘッド9を介して一面側(図40中、下側の面である。)に印刷される透明又は色付きのフィルムテープ223A、商品等の貼り付け対象に貼り付けるための粘着層223B、この粘着層223Bの貼り付け側を覆うセパレータ223Cの順序で積層されて構成されている。
また、図37に示すように、テープカセット221内には、インクリボン222が巻回されたリボンスプール233が、底面に立設されるリールボス235に回転可能に嵌挿されている。また、使用済みのインクリボン222を巻き取るリボン巻き取りスプール225、及びレセプターテープ223から剥離されたセパレータ223Cを巻き取るセパレータ巻き取りスプール226が軸方向両端部を回転可能に支持されている。
また、テープ排出口227の上流側には導電性樹脂製のテープ送りローラ63が軸方向両端部を回転可能に支持されている。また、テープ送りローラ63のテープ搬送方向下流側、つまり、テープ排出口227側には、剥離コロ65が軸方向両端部を回転可能に支持されている。
また、図38及び図39に示すように、上ケース237と下ケース238とによって形成されるテープ排出口227は、テープ送りローラ63とテープサブローラ11とによって送り出された印刷済みテープ228のテープ厚さ方向に剥離コロ65の外径よりも大きい幅広に開設されると共に、印刷済みテープ228のテープ幅方向に該印刷済みテープ228のテープ幅とほぼ同じ幅に開設されている。
また、剥離コロ65は、テープ排出口227のテープ搬送方向に対して直角方向の両内側側壁部を形成する側壁部238Bの印刷済みテープ228側の端縁部から所定距離離間すると共に、印刷済みテープ228のフィルムテープ223Aの外側面に接触して該印刷済みテープ228をテープ搬送方向下流側へ案内する案内壁239から所定距離離間するように配置されている。
また、この剥離コロ65は、印刷済みテープ228のテープ幅、つまり、レセプターテープ223のテープ幅とほぼ同じ長さの断面円形の略円柱形状で、両端面中心位置に各支持軸65Aが立設され、上ケース237と下ケース238とに形成された各支持孔248に回転可能に嵌入されている。また、剥離コロ65は、外周面にシリコーン樹脂皮膜が形成されている。
また、剥離コロ65は、外周面がテープ送りローラ63とテープサブローラ11との共通接線にほぼ接するように、該テープ送りローラ63側に配置され、該テープ送りローラ63とテープサブローラ11とを通過したレセプターテープ223のセパレータ223Cに接触し、該セパレータ223Cを外周面に沿ってテープ送りローラ63側へ案内する(図40参照)。
また、剥離コロ65は、テープ送りローラ63に対向する側壁部238Bよりもテープ搬送方向外側に突出して、固定刃30Aに対向すると共に該固定刃30Aに近接するように設けられている。
また、剥離コロ65に対して印刷済みテープ228を挟んで対向する案内壁239は、この剥離コロ65よりもテープ搬送方向下流側へ延出されて、セパレータ223Cが剥離された印刷済みテープ228を固定刃30Aの近傍位置まで案内可能となるように設けられている。
また、剥離コロ65に対してセパレータ223Cを挟んで対向する側壁部238Bの端縁部の内側面は、剥離コロ65とテープ送りローラ63との共通接線に対してほぼ平行になるように斜め内側方向(図38中、斜め右上方向である。)に傾斜するように形成されている。これにより、レセプターテープ223から剥離コロ65の外周面に沿って剥離されてテープ送りローラ63側へ案内されたセパレータ223Cが、側壁部238Bの端縁部と接触するのを防止することができる。また、テープ送りローラ63のテープサブローラ11に対して反対側には、セパレータ223Cとの接触面を平面視円弧状に形成されたセパレータ案内壁240が、側壁部238Bから該テープ送りローラ63と所定隙間を形成して内側方向に突出している。
そして、図37に示すように、リボンスプール233に巻回され、このリボンスプール233から引き出された未使用インクリボン222は、レセプターテープ223のフィルムテープ223A側の面に重ね合わされ、レセプターテープ223と共に開口部236に入り、サーマルヘッド9及びプラテンローラ203の間を通過する。その後、インクリボン222は、レセプターテープ223から引き離され、リボン巻取軸205により回転駆動されるリボン巻き取りスプール225に至り、このリボン巻き取りスプール225により巻き取られる。
一方、図37乃至図40に示すように、フィルムテープ223Aに印刷されたレセプターテープ223は、テープ駆動ローラ軸14によって回転駆動されるテープ送りローラ63とテープサブローラ11との間を通過後、剥離コロ65に至る。その後、セパレータ223Cは、剥離コロ65の外周面に沿ってレセプターテープ223から剥離され、テープ送りローラ63の外周面に沿ってセパレータ案内壁240へ案内される。続いて、セパレータ223Cは、セパレータ案内壁240の壁面に沿って案内されてセパレータ巻き取りスプール226に至る。
そして、セパレータ223Cの先端部は、このセパレータ巻き取りスプール226の外周面に接着テープ等によって固着され、セパレータ巻取軸206により回転駆動される該セパレータ巻き取りスプール226に巻き取られる。尚、セパレータ巻取軸206は、テープ駆動ローラ軸14及びリボン巻取軸205と同期して回転駆動される。
また、セパレータ223Cが剥離されたレセプターテープ223、つまり、粘着剤付き印刷済みテープ228は、該剥離コロ65に対して印刷済みテープ228を挟んで対向する案内壁239によって案内されて、テープ排出口227からテープカセット221の外部に送り出される。そして、セパレータ223Cが剥離された粘着剤付き印刷済みテープ228は、カッタユニット30を経てテープ印刷装置201のラベル排出口17より外部に送り出される。
そして、印刷済みテープ228を所定長さ搬送後、不図示の切断用モータを駆動して可動刃30Bを作動させることによって、セパレータ223Cが剥離された所定長さの粘着剤付き印刷済みテープ228がラベル排出口17より排出される。
従って、第13実施形態に係るテープ印刷装置201及びテープカセット221では、レセプターテープ223は、サーマルヘッド9を介してインクリボン222が重ねられたフィルムテープ223A側に印刷された後、テープ排出口227でセパレータ223Cが剥離された状態で搬送されることとなる。これにより、所定長さに切断された印刷済みテープ228を商品等に貼り付ける際に、セパレータ223Cを剥がす手間を省くことができる。
また、テープ排出口227でレセプターテープ223から剥離コロ65の外周面に沿って剥離されたセパレータ223Cは、テープ送りローラ63とセパレータ案内壁240との間へ案内されて、セパレータ巻き取りスプール226に巻き取られる。これにより、剥離したセパレータ223Cをテープカセット221内に収納することが可能となり、ユーザはレセプターテープ223から剥離したセパレータ223Cを廃棄する手間を省くことができる。
また、セパレータ223Cは、テープ排出口227でレセプターテープ223から剥離コロ65の外周面に沿って剥離されて、テープ送りローラ63とセパレータ案内壁240との間へ案内されるため、セパレータ223Cが印刷済みテープ228側に撓んでレセプターテープ223の粘着層223Bに再度付着することを確実に防止でき、当該印刷済みテープ228をテープ排出口227から外部へスムーズに排出することが可能となる。
また、剥離コロ65は回転可能なため、印刷済みテープ228の走行時の負荷を低減することができ、該印刷済みテープ228をテープ排出口227から外部へスムーズに排出することが可能となる。
また、剥離コロ65をテープ排出口227よりもテープ搬送方向外側に突出するように設けることによって、この剥離コロ65の外径を大きくすることが可能となる。これにより、剥離コロ65の組付け作業を容易に行うことが可能になるとともに、粘着剤付き印刷済みテープ228が、テープ排出口227で詰まることをより確実に防止することが可能となる。
また、剥離コロ65は、固定刃30Aに対向すると共に該固定刃30Aに近接して配置されるため、テープ切断位置と印刷済みテープ228の印刷位置との距離を短くすることが可能となり、印刷済みテープ228の余白長さを短くすることが可能となる。
また、剥離コロ65に対して印刷済みテープ228を挟んで対向する案内壁239は、この剥離コロ65よりもテープ搬送方向下流側へ延出されているため、印刷済みテープ228の印刷面をより確実に案内することが可能となる。また、剥離コロ65が固定刃30Aに近接して配設されるため、印刷済みテープ228の印刷面をテープ切断位置、つまり、固定刃30Aの刃先の近傍まで確実に案内することが可能となる。
[第14実施形態]
次に、第14実施形態に係るテープカセット251について図41乃至図44に基づいて説明する。尚、以下の説明において、上記図36乃至図40の第13実施形態に係るテープ印刷装置201及びテープカセット221の構成等と同一符号は、該第13実施形態に係るテープ印刷装置201及びテープカセット221の構成等と同一あるいは相当部分を示すものである。
第14実施形態に係るテープカセット251は、第13実施形態に係るテープカセット221と比較して、インクリボン222、インクリボン222が巻回されるリボンスプール233、リールボス235、及び、使用済みのインクリボン222を巻き取るリボン巻き取りスプール225が設けられていない点で異なっている。
図41に示すように、テープカセット251内には、感熱テープ252が剥離紙やフィルム等から形成されるセパレータ252C(図44参照)を内側に向けて巻回されたテープスプール253が、底面に立設されたカセットボス255に回転可能に嵌挿されている。また、感熱テープ252から剥離されたセパレータ252Cを巻き取るセパレータ巻き取りスプール226が軸方向両端部を回転可能に支持されている。
ここで、図44に示すように、セパレータ252Cを内側にしてテープスプール253に巻回された感熱テープ252は、3層構造に形成されている。この感熱テープ252の各層は、図44中下側から上側方向に向かって、表面部に(図44中、下側面である。)感熱発色層が形成されたベーステープ252A、商品等の貼り付け対象に貼り付けるための粘着層252B、この粘着層252Bの貼り付け側を覆うセパレータ252Cの順序で積層されて構成されている。
また、図41に示すように、テープ排出口256の上流側には導電性樹脂製のテープ送りローラ63が軸方向両端部を回転可能に支持されている。また、テープ送りローラ63のテープ搬送方向下流側、つまり、テープ排出口256側には、剥離コロ65が軸方向両端部を回転可能に支持されている。
また、図42及び図43に示すように、上ケース257と下ケース258とによって形成されるテープ排出口256は、テープ送りローラ63とテープサブローラ11とによって送り出された印刷済みテープ261のテープ厚さ方向に剥離コロ65の外径よりも大きい幅広に開設されると共に、印刷済みテープ261のテープ幅方向に該印刷済みテープ261のテープ幅とほぼ同じ幅に開設されている。
また、剥離コロ65は、テープ排出口256のテープ搬送方向に対して直角方向の両内側側壁部を形成する側壁部258Bの印刷済みテープ261側の端縁部から所定距離離間すると共に、印刷済みテープ261のベーステープ252Aの外側面に接触して該印刷済みテープ261をテープ搬送方向下流側へ案内する案内壁262から所定距離離間するように配置されている。
また、この剥離コロ65は、印刷済みテープ261のテープ幅、つまり、感熱テープ252のテープ幅とほぼ同じ長さの断面円形の略円柱形状で、両端面中心位置に各支持軸65Aが立設され、上ケース257と下ケース258とに形成された各支持孔263に回転可能に嵌入されている。また、剥離コロ65は、外周面にシリコーン樹脂皮膜が形成されている。
また、剥離コロ65は、外周面がテープ送りローラ63とテープサブローラ11との共通接線にほぼ接するように、該テープ送りローラ63側に配置され、該テープ送りローラ63とテープサブローラ11とを通過した感熱テープ252のセパレータ252Cに接触し、該セパレータ252Cを外周面に沿ってテープ送りローラ63側へ案内する(図44参照)。
また、剥離コロ65は、テープ送りローラ63に対向する側壁部258Bよりもテープ搬送方向外側に突出して、固定刃30Aに対向すると共に該固定刃30Aに近接するように設けられている。
また、剥離コロ65に対して印刷済みテープ261を挟んで対向する案内壁262は、この剥離コロ65よりもテープ搬送方向下流側へ延出されて、セパレータ252Cが剥離された印刷済みテープ261を固定刃30Aの近傍位置まで案内可能となるように設けられている。
また、剥離コロ65に対してセパレータ252Cを挟んで対向する側壁部258Bの端縁部の内側面は、剥離コロ65とテープ送りローラ63との共通接線に対してほぼ平行になるように斜め内側方向(図42中、斜め右上方向である。)に傾斜するように形成されている。これにより、感熱テープ252から剥離コロ65の外周面に沿って剥離されてテープ送りローラ63側へ案内されたセパレータ252Cが、側壁部258Bの端縁部と接触するのを防止することができる。また、テープ送りローラ63のテープサブローラ11に対して反対側には、セパレータ252Cとの接触面を平面視円弧状に形成されたセパレータ案内壁265が、側壁部258Bから該テープ送りローラ63と所定隙間を形成して内側方向に突出している。
そして、図41に示すように、テープスプール253に巻回され、このテープスプール253から引き出された感熱テープ252は、開口部266に入り、サーマルヘッド9及びプラテンローラ203の間を通過する。
そして、図42乃至図44に示すように、ベーステープ252Aに印刷された感熱テープ252は、テープ駆動ローラ軸14によって回転駆動されるテープ送りローラ63とテープサブローラ11との間を通過後、剥離コロ65に至る。その後、セパレータ252Cは、剥離コロ65の外周面に沿って感熱テープ252から剥離され、テープ送りローラ63の外周面に沿ってセパレータ案内壁265へ案内される。続いて、セパレータ252Cは、セパレータ案内壁265の壁面に沿って案内されてセパレータ巻き取りスプール226に至る。
そして、セパレータ252Cの先端部は、このセパレータ巻き取りスプール226の外周面に接着テープ等によって固着され、セパレータ巻取軸206により回転駆動される該セパレータ巻き取りスプール226に巻き取られる。尚、セパレータ巻取軸206は、テープ駆動ローラ軸14と同期して回転駆動される。
また、セパレータ252Cが剥離された感熱テープ252、つまり、粘着剤付き印刷済みテープ261は、該剥離コロ65に対して印刷済みテープ261を挟んで対向する案内壁262によって案内されて、テープ排出口256からテープカセット251の外部に送り出される。そして、セパレータ252Cが剥離された粘着剤付き印刷済みテープ261は、カッタユニット30を経てテープ印刷装置201のラベル排出口17より外部に送り出される。
そして、印刷済みテープ261を所定長さ搬送後、不図示の切断用モータを駆動して可動刃30Bを作動させることによって、セパレータ252Cが剥離された所定長さの粘着剤付き印刷済みテープ261がラベル排出口17より排出される。
従って、第14実施形態に係るテープ印刷装置201及びテープカセット251では、感熱テープ252は、サーマルヘッド9を介してベーステープ252A側に印刷された後、テープ排出口256でセパレータ252Cが剥離された状態で搬送されることとなる。これにより、所定長さに切断された印刷済みテープ261を商品等に貼り付ける際に、セパレータ252Cを剥がす手間を省くことができる。
また、テープ排出口256で感熱テープ252から剥離コロ65の外周面に沿って剥離されたセパレータ252Cは、テープ送りローラ63とセパレータ案内壁265との間へ案内されて、セパレータ巻き取りスプール226に巻き取られるため、剥離したセパレータ252Cをテープカセット251内に収納することが可能となり、ユーザは感熱テープ252から剥離したセパレータ252Cを廃棄する手間を省くことができる。
また、セパレータ252Cは、テープ排出口256で感熱テープ252から剥離コロ65の外周面に沿って剥離されて、テープ送りローラ63とセパレータ案内壁265との間へ案内されるため、セパレータ252Cが印刷済みテープ261側に撓んで感熱テープ252の粘着層252Bに再度付着することを確実に防止でき、当該印刷済みテープ261をテープ排出口256から外部へスムーズに排出することが可能となる。
また、剥離コロ65は回転可能なため、印刷済みテープ261の走行時の負荷を低減することができ、該印刷済みテープ261をテープ排出口256から外部へスムーズに排出することが可能となる。
また、剥離コロ65をテープ排出口256よりもテープ搬送方向外側に突出するように設けることによって、この剥離コロ65の外径を大きくすることが可能となる。これにより、剥離コロ65の組付け作業を容易に行うことが可能になるとともに、粘着剤付き印刷済みテープ261が、テープ排出口256で詰まることをより確実に防止することが可能となる。
また、剥離コロ65は、固定刃30Aに対向すると共に該固定刃30Aに近接して配置されるため、テープ切断位置と印刷済みテープ261の印刷位置との距離を短くすることが可能となり、印刷済みテープ261の余白長さを短くすることが可能となる。
また、剥離コロ65に対して印刷済みテープ261を挟んで対向する案内壁262は、この剥離コロ65よりもテープ搬送方向下流側へ延出されているため、印刷済みテープ261の印刷面をより確実に案内することが可能となる。また、剥離コロ65が固定刃30Aに近接して配設されるため、印刷済みテープ261の印刷面をテープ切断位置、つまり、固定刃30Aの刃先の近傍まで確実に案内することが可能となる。
[第15実施形態]
次に、第15実施形態に係るテープカセット271について図45乃至図48に基づいて説明する。尚、以下の説明において、上記図36乃至図40の第13実施形態に係るテープ印刷装置201及びテープカセット221の構成等と同一符号は、該第13実施形態に係るテープ印刷装置201及びテープカセット221の構成等と同一あるいは相当部分を示すものである。
第15実施形態に係るテープカセット271の概略構成は、第13実施形態に係るテープカセット221とほぼ同じ構成である。
但し、図45乃至図48に示すように、印刷済みテープ228が排出されるテープ排出口272は、正面視スリット状でテープ搬送方向に所定幅(例えば、幅約3mmである。)に形成されている。また、このテープ排出口272のレセプターテープ223のセパレータ223Cに接触する一方の案内壁272Aに連続する側壁部238B、つまり、テープ送りローラ63に対向する側壁部238Bには、この案内壁272Aの出口側端縁部でレセプターテープ223から剥離されたセパレータ232Cが進入可能なセパレータ入口273が貫通して形成されている。
また、テープ排出口272は、案内壁272Aに対して印刷済みテープ228を挟んで該印刷済みテープ228のフィルムテープ223Aの外側面に接触して該印刷済みテープ228をテープ搬送方向下流側へ案内する案内壁272Bが所定距離(例えば、距離約1mmである。)離間して設けられている。そして、各案内壁272A、272Bの出口側端縁部は、側壁部238Bよりもテープ搬送方向下流側に突出して、固定刃30Aに対向すると共に該固定刃30Aに近接するように設けられている。
また、テープ排出口272を構成する案内壁272Aのテープ搬送方向下流側、つまり、出口側端縁部は、先端部が平面視鋭角状に(例えば、先端角度が約30度〜約50度である。)セパレータ入口273方向へ傾斜する傾斜面272Cを構成するように形成されている。この傾斜面272Cは、該案内壁272Aの出口側端縁部とテープ送りローラ63との共通接線よりも印刷済みテープ228側に傾斜するように形成されて、剥離されたセパレータ223Cと接触しないように構成されている。
また、セパレータ入口273の印刷済みテープ228側の内側側面は、傾斜面272Cのテープ送りローラ63側の端縁部に連続すると共に、該セパレータ入口273のセパレータ223Cを挟んで対向する両内側面は、案内壁272Aの出口側端縁部とテープ送りローラ63との共通接線を挟んで該共通接線に対してほぼ平行になるよう所定距離(例えば、距離約2mmである。)離間して形成されている。
そして、図45乃至図48に示すように、フィルムテープ223Aに印刷されたレセプターテープ223は、テープ駆動ローラ軸14によって回転駆動されるテープ送りローラ63とテープサブローラ11との間を通過後、テープ排出口272の出口側端縁部に至る。その後、セパレータ223Cは、テープ排出口272の案内壁272Aの出口側先端縁部に沿ってレセプターテープ223から剥離されて、セパレータ入口273内に進入して、テープ送りローラ63の外周面に沿ってセパレータ案内壁240へ案内される。続いて、セパレータ223Cは、セパレータ案内壁240の壁面に沿って案内されてセパレータ巻き取りスプール226に至る。
そして、セパレータ223Cの先端部は、このセパレータ巻き取りスプール226の外周面に接着テープ等によって固着され、セパレータ巻取軸206により回転駆動される該セパレータ巻き取りスプール226に巻き取られる。尚、セパレータ巻取軸206は、テープ駆動ローラ軸14及びリボン巻取軸205と同期して回転駆動される。
また、セパレータ223Cが剥離されたレセプターテープ223、つまり、粘着剤付き印刷済みテープ228は、テープ排出口272からテープカセット271の外部に送り出される。そして、セパレータ223Cが剥離された粘着剤付き印刷済みテープ228は、カッタユニット30を経てテープ印刷装置201のラベル排出口17より外部に送り出される。
そして、印刷済みテープ228を所定長さ搬送後、不図示の切断用モータを駆動して可動刃30Bを作動させることによって、セパレータ223Cが剥離された所定長さの粘着剤付き印刷済みテープ228がラベル排出口17より排出される。
従って、第15実施形態に係るテープ印刷装置201及びテープカセット271では、レセプターテープ223は、サーマルヘッド9を介してインクリボン222が重ねられたフィルムテープ223A側に印刷された後、テープ排出口272でセパレータ223Cが剥離された状態で搬送されることとなる。これにより、所定長さに切断された印刷済みテープ228を商品等に貼り付ける際に、セパレータ223Cを剥がす手間を省くことができる。
また、テープ排出口272でレセプターテープ223から該テープ排出口272の案内壁272Aの出口側端縁部に沿って剥離されたセパレータ223Cは、セパレータ入口273からテープカセット271内に進入して、テープ送りローラ63とセパレータ案内壁240との間へ案内されて、セパレータ巻き取りスプール226に巻き取られる。これにより、剥離したセパレータ223Cをテープカセット271内に収納することが可能となり、ユーザはレセプターテープ223から剥離したセパレータ223Cを廃棄する手間を省くことができる。
また、セパレータ223Cは、テープ排出口272の案内壁272Aの出口側先端縁部に沿ってレセプターテープ223から剥離されて、セパレータ入口273内に進入して、テープ送りローラ63とセパレータ案内壁240との間へ案内されるため、セパレータ223Cが印刷済みテープ228側に撓んでレセプターテープ223の粘着層223Bに再度付着することを確実に防止でき、当該印刷済みテープ228をテープ排出口272から外部へスムーズに排出することが可能となる。
また、テープ排出口272の各案内壁272A、272Bの出口側端縁部は、側壁部238Bよりもテープ搬送方向下流側に突出して、固定刃30Aに対向すると共に該固定刃30Aに近接するように設けられているため、テープ切断位置と印刷済みテープ228の印刷位置との距離を短くすることが可能となり、印刷済みテープ228の余白長さを短くすることが可能となる。
また、テープ排出口272の各案内壁272A、272Bの出口側端縁部が固定刃30Aに近接して配設されるため、印刷済みテープ228の印刷面をテープ切断位置、つまり、固定刃30Aの刃先の近傍まで確実に案内することが可能となる。
[第16実施形態]
次に、第16実施形態に係るテープカセット281について図49乃至図52に基づいて説明する。尚、以下の説明において、上記図41乃至図44の第14実施形態に係るテープ印刷装置201及びテープカセット251の構成等と同一符号は、該第14実施形態に係るテープ印刷装置201及びテープカセット251の構成等と同一あるいは相当部分を示すものである。
第16実施形態に係るテープカセット281の概略構成は、第14実施形態に係るテープカセット251とほぼ同じ構成である。
但し、図49乃至図52に示すように、印刷済みテープ261が排出されるテープ排出口282は、正面視スリット状でテープ搬送方向に所定幅(例えば、幅約3mmである。)に形成されている。また、このテープ排出口282の感熱テープ252のセパレータ252Cに接触する一方の案内壁282Aに連続する側壁部258B、つまり、テープ送りローラ63に対向する側壁部258Bには、この案内壁282Aの出口側端縁部で感熱テープ252から剥離されたセパレータ252Cが進入可能なセパレータ入口283が貫通して形成されている。
また、テープ排出口282は、案内壁282Aに対して印刷済みテープ261を挟んで該印刷済みテープ261のベーステープ252Aの外側面に接触して該印刷済みテープ261をテープ搬送方向下流側へ案内する案内壁282Bが所定距離(例えば、距離約1mmである。)離間して設けられている。そして、各案内壁282A、282Bの出口側端縁部は、側壁部258Bよりもテープ搬送方向下流側に突出して、固定刃30Aに対向すると共に該固定刃30Aに近接するように設けられている。
また、テープ排出口282を構成する案内壁282Aのテープ搬送方向下流側、つまり、出口側端縁部は、先端部が平面視鋭角状に(例えば、先端角度が約30度〜約50度である。)セパレータ入口283方向へ傾斜する傾斜面282Cを構成するように形成されている。この傾斜面282Cは、該案内壁282Aの出口側端縁部とテープ送りローラ63との共通接線よりも印刷済みテープ261側に傾斜するように形成されて、剥離されたセパレータ252Cと接触しないように構成されている。
また、セパレータ入口283の印刷済みテープ261側の内側側面は、傾斜面282Cのテープ送りローラ63側の端縁部に連続すると共に、該セパレータ入口283のセパレータ252Cを挟んで対向する両内側面は、案内壁282Aの出口側端縁部とテープ送りローラ63との共通接線を挟んで該共通接線に対してほぼ平行になるよう所定距離(例えば、距離約2mmである。)離間して形成されている。
そして、図49乃至図52に示すように、ベーステープ252Aに印刷された感熱テープ252は、テープ駆動ローラ軸14によって回転駆動されるテープ送りローラ63とテープサブローラ11との間を通過後、テープ排出口282の出口側端縁部に至る。その後、セパレータ252Cは、テープ排出口282の案内壁282Aの出口側先端縁部に沿って感熱テープ252から剥離されて、セパレータ入口283内に進入して、テープ送りローラ63の外周面に沿ってセパレータ案内壁265へ案内される。続いて、セパレータ252Cは、セパレータ案内壁265の壁面に沿って案内されてセパレータ巻き取りスプール226に至る。
そして、セパレータ252Cの先端部は、このセパレータ巻き取りスプール226の外周面に接着テープ等によって固着され、セパレータ巻取軸206により回転駆動される該セパレータ巻き取りスプール226に巻き取られる。尚、セパレータ巻取軸206は、テープ駆動ローラ軸14と同期して回転駆動される。
また、セパレータ252Cが剥離された感熱テープ252、つまり、粘着剤付き印刷済みテープ261は、テープ排出口282からテープカセット281の外部に送り出される。そして、セパレータ252Cが剥離された粘着剤付き印刷済みテープ261は、カッタユニット30を経てテープ印刷装置201のラベル排出口17より外部に送り出される。
そして、印刷済みテープ261を所定長さ搬送後、不図示の切断用モータを駆動して可動刃30Bを作動させることによって、セパレータ252Cが剥離された所定長さの粘着剤付き印刷済みテープ261がラベル排出口17より排出される。
従って、第16実施形態に係るテープ印刷装置201及びテープカセット281では、感熱テープ252は、サーマルヘッド9を介してベーステープ252A側に印刷された後、テープ排出口282でセパレータ252Cが剥離された状態で搬送されることとなる。これにより、所定長さに切断された印刷済みテープ261を商品等に貼り付ける際に、セパレータ252Cを剥がす手間を省くことができる。
また、テープ排出口282で感熱テープ252から該テープ排出口282の案内壁282Aの出口側端縁部に沿って剥離されたセパレータ252Cは、セパレータ入口283からテープカセット281内に進入して、テープ送りローラ63とセパレータ案内壁265との間へ案内されて、セパレータ巻き取りスプール226に巻き取られる。これにより、剥離したセパレータ252Cをテープカセット281内に収納することが可能となり、ユーザは感熱テープ252から剥離したセパレータ252Cを廃棄する手間を省くことができる。
また、セパレータ252Cは、テープ排出口282の案内壁282Aの出口側先端縁部に沿って感熱テープ252から剥離されて、セパレータ入口283内に進入して、テープ送りローラ63とセパレータ案内壁265との間へ案内されるため、セパレータ252Cが印刷済みテープ261側に撓んで感熱テープ252の粘着層252Bに再度付着することを確実に防止でき、当該印刷済みテープ261をテープ排出口282から外部へスムーズに排出することが可能となる。
また、テープ排出口282の各案内壁282A、282Bの出口側端縁部は、側壁部258Bよりもテープ搬送方向下流側に突出して、固定刃30Aに対向すると共に該固定刃30Aに近接するように設けられているため、テープ切断位置と印刷済みテープ261の印刷位置との距離を短くすることが可能となり、印刷済みテープ261の余白長さを短くすることが可能となる。
また、テープ排出口282の各案内壁282A、282Bの出口側端縁部が固定刃30Aに近接して配設されるため、印刷済みテープ261の印刷面をテープ切断位置、つまり、固定刃30Aの刃先の近傍まで確実に案内することが可能となる。
尚、本発明は前記第1実施形態乃至第16実施形態に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。